JPWO2003020313A1 - スフィンゴシン−1−リン酸受容体調節剤からなる呼吸器疾患治療剤 - Google Patents

スフィンゴシン−1−リン酸受容体調節剤からなる呼吸器疾患治療剤 Download PDF

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Abstract

スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体調節剤からなる気道抵抗制御剤。S1Pの吸入により気道閉塞が亢進されることから、S1P受容体アンタゴニストは気道抵抗を低下させ、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患の治療、予防に有用である。またS1P受容体アゴニストを用いた系はS1P受容体アンタゴニストのスクリーニングに有用である。

Description

技術分野
本発明は、スフィンゴシン−1−リン酸(S1PまたはSPPとも呼ばれる。以下本明細書中、S1Pと略記することがある。)受容体調節剤からなる呼吸器疾患治療剤に関する。
さらに詳しく言えば、本発明は、
(1)S1P受容体アンタゴニストからなる気道抵抗低下剤または気道平滑筋細胞の増殖抑制剤、および
(2)S1P受容体アゴニストを用いることを特徴とする気道抵抗低下作用を有する化合物のスクリーニング方法に関する。
背景技術
式(I)
Figure 2003020313
で示されるスフィンゴシン−1−リン酸((2S,3R,4E)−2−アミノ−3−ヒドロキシオクタデカ−4−エニル−1−リン酸;S1P)は細胞内でのスフィンゴ脂質の代謝回転や、細胞外での分泌性スフィンゴシンキナーゼの作用で合成される脂質であり、細胞間および細胞内のメッセンジャーとして働くことが提唱されている(Hla et al.,Biochem.Pharm.58,201(1999))。S1Pの細胞内セカンドメッセンジャーとしての作用を示唆する実験結果が当初報告されたが(Ghosh et al.,Science,248,1653(1990))、S1Pが直接作用する細胞内分子は未だ見出されていない。一方、S1Pの細胞外からの作用には、Gタンパク質共役型受容体のEDG−1(Endothelial Differentiation Gene−1)とその類縁分子であるEDG−3、EDG−5、EDG−6およびEDG−8が関与することが相次いで示され、細胞外からS1Pを加えたときに生じる様々な薬理作用が、細胞膜に存在するこれらS1P受容体を介して起こることが分かってきた。EDG−1がS1P受容体であることは1998年に報告され(Lee et al.,Science 279,1552(1998))、その後他の受容体もS1Pと反応することが示されたが、これらの受容体はリゾホスファチジン酸(LPA)受容体であるEDG−2,4,7とも高い相同性を有していることが明らかになり、EDG−1〜8はS1P/LPA受容体ファミリーを形成するとされている。
なお、EDG−1,3,5,6,8はそれぞれS1P,S1P.S1P,S1P,S1Pとも呼ばれている。
S1Pの作用として、インビトロ(in vitro)では平滑筋細胞や癌細胞の運動抑制、血小板の凝集などが、またインビボ(in vivo)では血管新生作用、腎血流の減少作用、肺線維化の抑制作用などが知られている。S1Pの血管新生作用に関して、Menq−Jer Leeらはヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いて、S1PがEDG−1およびEDG−3受容体を介するHUVECのサーバイバル延長、接着点形成、および微小血管形成を促すことを報告している(Cell 99,301(1999))。また、彼らはS1Pはインビボ(in vivo)においても血管新生に対してFGF(Fibroblast Growth Factor;線維芽細胞増殖因子)やVEGF(Vascular endothelial growth factor;血管内皮増殖因子)と相乗的に作用し、効果を示すことを報告している。OK−Hee Leeらも同様にHUVECを用いてS1PのHUVECに対するDNA合成促進作用、および遊走作用を明らかにし、インビボ(in vivo)においても血管新生に対して、S1Pが単独で血管新生を促進することを報告している(Biochem.Biophys.Res.Commun.,264,743(1999))。これらのことより、S1Pの生体内での生理作用の一つとして血管新生促進作用があることが考えられる。
S1Pの腎血流に対する作用に関しては、Angela Bischoffらは最近、S1Pがラット腎血流を一過性に強力に減少させることを見出した(Br.J.Pharmacol.,130,1878(2000))。この作用はGiαシグナルを抑制する百日咳毒素により阻害されることから、Giαと結合したS1P受容体を介していると考えられている。
一方、S1Pの肺への作用として、インビトロ(in vitro)ではS1Pが気道平滑筋細胞(Airway Smooth Muscle,ASM)の増殖を亢進する作用が知られている(Ammit et al.,FASEB J.March 20,2001)。さらにS1Pが肺線維化を抑制することが、ブレオマイシン惹起の肺線維症モデルを用いて明らかになっている(WO01/03739号)。
しかし、S1Pの気道抵抗上昇作用についてはこれまで全く知られていないし、さらにはS1Pの気道平滑筋増殖作用がどの受容体を介しているかについても全く知られていない。
なお、S1P受容体に対するリガンドとしては、WO01/98301号明細書には、ピラゾロピリジン化合物がS1P受容体拮抗作用を有し、肝線維症、肺線維症、腎線維症および動脈硬化症の治療に有効である旨の記載がある。
発明の開示
本発明者らは、S1Pの受容体の役割を解明すべくS1Pが有する生理作用について種々検討を行なった結果、意外にもS1Pが気道抵抗の上昇に関わっていることを見出した。またそのサブタイプとしてEDG−3および/またはEDG−5が関与していることが明らかになった。また、EDG−5アンタゴニストが気管平滑筋細胞の増殖抑制作用を有することも明らかになった。これらのことは従来技術から見て全く予期できないことであり、今回、本発明者らが実験により初めて確認したことである。
すなわち、本発明はS1P受容体調節剤からなる呼吸器疾患治療剤に関する。
さらに詳しくは、
1.スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体調節剤からなる呼吸器疾患の治療および/または予防剤、
2.前項1記載のスフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体調節剤を有効成分として含有する、気道収縮、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、気管狭窄症、びまん性汎細気管支炎、または感染、結合組織病もしくは移植に伴なう気管支炎、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis)、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、または特発性間質性肺炎の治療および/または予防剤、
3.気道抵抗を制御するS1P受容体調節剤からなる前項1記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤、
4.気道平滑筋細胞増殖を制御するS1P受容体調節剤からなる前項1記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤、
5.S1P受容体調節剤が、気道抵抗低下作用を有するS1P受容体アンタゴニストである前項3記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤、
6.S1P受容体調節剤が、気道抵抗上昇作用を有するS1P受容体アゴニストである前項3記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤、
7.前項5記載の気道抵抗低下作用を有するS1P受容体アンタゴニストを有効成分として含有する、気道収縮、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、気管狭窄症、びまん性汎細気管支炎、または感染、結合組織病もしくは移植に伴なう気管支炎の治療および/または予防剤、
8.S1P受容体がEDG−1、EDG−3またはEDG−5である前項7記載の治療剤および/または予防剤、
9.S1P受容体アンタゴニストが、EDG−1、EDG−3またはEDG−5のアンタゴニストである前項5記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤、
10.S1P受容体アンタゴニストが、EDG−5アンタゴニストである前項9記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤、
11.EDG−5アンタゴニストが、式(II)
Figure 2003020313
(式中の記号は後記と同じ意味を表わす。)
で示されるピラゾロピリジン化合物またはそれらの非毒性塩である前項10に記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤、
12.気道平滑筋細胞増殖を制御するS1P受容体調節剤がEDG−5アンタゴニストである前項4記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤、
13.前項12記載の気道平滑筋細胞増殖を制御するEDG−5アンタゴニストを有効成分として含有する、慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、びまん性汎細気管支炎または特発性間質性肺炎の治療および/または予防剤、
14.EDG−5アンタゴニストが、前項11に記載の式(II)で示されるピラゾロピリジン化合物またはそれらの非毒性塩である前項13に記載の治療および/または予防剤、
15.前項6記載の気道抵抗上昇作用を有するS1P受容体アゴニストを用いることを特徴とする哺乳動物の気道抵抗の測定方法、
16.S1Pを吸入させる前項15記載の哺乳動物の気道抵抗の測定方法、
17.前項16記載の方法を用いることを特徴とする気道抵抗を低下させることのできる化合物のスクリーニング方法、および
18.前項17記載の方法によって得られる気道抵抗を低下させることのできる化合物に関する。
本発明において、S1Pとは式(I)で示されるスフィンゴシン−1−リン酸を意味する。
Figure 2003020313
S1P受容体アゴニストとしては、S1P受容体に作用し、S1P受容体を活性化するものなら何でもよく、天然および非天然の化合物を含む。S1P受容体アゴニストのうちEDG−1、3、5、6および8アゴニストが好ましく、特に好ましいのは、S1P自身、EDG−3アゴニストおよび5アゴニストである。
S1P受容体アゴニストは、吸入により気道閉塞作用を有することから、哺乳動物を用いた気道抵抗の測定に有用である。
S1P受容体アンタゴニストとしては、S1P受容体に作用し、S1P受容体を不活性化するものなら何でもよく、天然および非天然の化合物を含む。S1P受容体アンタゴニストのうち、EDG−1、3、5、6、8アンタゴニストが好ましく、特に好ましいのは、EDG−3および5アンタゴニストである。
S1P受容体アンタゴニストは気道抵抗低下作用を有することから、気道収縮、気道閉塞が関与するとされる気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、気管狭窄症、びまん性汎細気管支炎、および感染、結合組織病または移植に伴なう気管支炎の治療および/または予防に有効であると考えられる。
また、EDG−5アンタゴニストは気管支平滑筋増殖抑制作用を有することから、気道平滑筋細胞増殖に伴う疾患、すなわち慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis)、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、びまん性汎細気管支炎、特発性間質性肺炎などの疾患の治療および/または予防に有効であると考えられる。
本発明で使用するEDG−5アンタゴニストは、EDG−5に作用し、EDG−5を不活性化するものであれば何でも構わない。例えば、以下の式(II)で示される化合物またはそれらの非毒性塩が好適に用いられる。
Figure 2003020313
(式中、R1aは水素原子、C1〜8アルキルまたは−COR7a(基中、R7aはC1〜8アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、C1〜6アルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシまたは置換されていてもよいアラルキルオキシを表わす。)を表わし、
2aはC1〜8アルキルまたは置換されていてもよいアリールを表わし、
3aは水素原子、C1〜8アルキル、C1〜6アルコキシ、C2〜6アルコキシカルボニル、ハロアルキル、C3〜7シクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールを表わし、
4aは水素原子またはC1〜8アルキルを表わし、
5aおよびR6aは、それぞれ独立して水素原子、C1〜8アルキル、C1〜6アルコキシ、C2〜6アルコキシカルボニル、カルボキシル、C2〜6アルキニル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、C1〜8アルキルアミノ、ジ(C1〜8アルキル)アミノ、アシル、水酸基、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアラルキルオキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、アルコキシアルキルまたは−CONHR8a(基中、R8aは置換されていてもよりアリールまたは置換されていてもよいアラルキルを表わす。)を表わし、
は−N(R9a)−(基中、R9aは水素原子、C1〜8アルキルまたは−NHR10a(基中、R10aはカルボキシルまたはC2〜6アルコキシカルボニルを表わす。)を表わす。)、−O−、−N=、−CH=または−CH(R11a)−(基中、R11aは水素原子またはC1〜8アルキルを表わす。)を表わし、
は−N(R12a)−(基中、R12aは水素原子、C1〜8アルキル、置換されていてもよいアラルキル、C2〜6アルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニルまたは−CONHR13a(基中、R13aは、置換されていてもよいアリールまたは、置換されていてもよいアラルキルを表わす。)を表わす。)、=N−、−CH−、=CH−、−O−、−CO−または単結合を表わし、
は−CO−、−CS−、−CH−、−O−または単結合を表わし、
は−N(R14a)−(基中、R14aは水素原子、C1〜8アルキル、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニルまたはヘテロアリールC1〜8アルキルを表わす。)、−O−、−CO−、−CONH−(ただし、窒素原子は環Aと結合する。)、−CH−、−NHCH−(ただし、炭素原子は環Aと結合する。)または単結合を表わし、−−−−−は、二重結合または単結合を表わし、
環Aは置換されていてもよいアリール、ヘテロアリールまたはC3〜7シクロアルキルを表わす。)
本発明者らは、S1Pがインビボ(in vivo)でモルモット気道抵抗を上昇させることを初めて確認した(実施例1)。S1Pと気道との関連性を示唆する既報としては、インビトロ(in vitro)実験での上記ASM細胞を用いた報告があるのみであり(Ammit et al.,FASEB J.March 20,2001)、この報告から今回発見したS1Pの気道抵抗上昇作用を推測することはできない。
S1Pを気道に吸入した時に低濃度から気道抵抗の上昇が惹起されるという今回の発見により初めて、直接的にS1Pの気道抵抗に及ぼす効果が明確になった。
この作用はS1Pの麻酔下モルモットへの吸入(10〜100μg/mL)で有意に認められ(実施例1)、静脈内投与では僅かに認められた(実施例2)。一般に気道抵抗の上昇は気道収縮、気道閉塞から起こり、呼吸器疾患と密接に関連しているとされている。また気道抵抗を上昇させる生理活性因子は受容体を介して呼吸器疾患の増悪因子として作用することが知られている(以上、最新内科学体系、第60巻「肺気腫,閉塞性肺疾患」、同第62巻「気管支喘息,アレルギー性肺疾患」,中山書店)。S1Pの本作用は、S1Pのビヒクル(vehicle)である10%メイロンやS1Pの陰性対照薬であるスフィンゴシンでは作用は認められなかったこと(参考例1)、体外からS1Pを処置したときに生じる反応であることより、S1P受容体を介した作用であることが示唆される。S1P受容体サブタイプとして、EDG−1、3、5、6、8の可能性が考えられる。また気管支拡張薬サルブタモールの前処置によって気道閉塞は部分的にしか抑制されなかったことから(実施例3)、S1Pの作用点として気管支平滑筋収縮およびこれ以外の気道閉塞作用があることが示唆される。
なお、EDG−3およびEDG−5アンタゴニストを用いた実験により、S1Pによって惹起される気道収縮作用を抑制する作用はEDG−3およびEDG−5を介することが示唆される(実施例4、5および6)。
また、気道平滑筋における細胞増殖がEDG−5を介して起こること(実施例7)から、EDG−5アンタゴニストは気道リモデリングを伴う慢性喘息などの疾患に有効と考えられる。
さらに、気道抵抗の上昇はS1Pの投与によって起こることから、S1Pの吸入または静脈内投与で気道抵抗が上昇することを測定する本実験系は、(1)S1Pの生理作用評価系として高感度である、(2)短期系である、(3)化合物の作用評価法として汎用性がある、などの理由からS1P受容体アンタゴニストのスクリーニング系として有用である。
これらのことから、本発明者らはS1Pが気道抵抗を強力に上昇させる作用を有することを初めて明らかにした。またその作用は気道平滑筋の収縮および/または物理的な気道閉塞である可能性が示唆され、S1Pと病態との関連性が予測される。
[毒性]
本発明に用いられる化合物の毒性は低いものであり、医薬として使用するために十分に安全であると判断できる。
産業上の利用可能性
[医薬品への適用]
本発明で使用されるS1P受容体アンタゴニストは、S1P受容体に結合するため、気道閉塞に起因する疾患、すなわち気道収縮、気管支喘息、慢性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、気管狭窄症、びまん性汎細気管支炎または感染、結合組織病もしくは移植に伴なう気管支炎の予防および/または治療に有用であると考えられる。またこのS1P受容体のうち、EDG−3またはEDG−5がこれらの作用に関係するため、EDG−3および/またはEDG−5アンタゴニストがこれらの疾患の予防および/または治療に有用であると考えられる。
また、S1P受容体アゴニストを用いた本方法は、S1P受容体アンタゴニストを見出すスクリーニング方法として有用である。
なお、EDG−5が気道平滑筋細胞増殖作用に関連していることから、EDG−5アンタゴニストは、気道平滑筋細胞増殖に伴う疾患、すなわち慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis)、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、びまん性汎細気管支炎、特発性間質性肺炎などの予防および/または治療に有用である。
本発明のS1P受容体調節剤を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間などにより異なるが、通常、成人一人あたり、1回につき、1mgから1000mgの範囲で、1日1回から数回経口投与されるか、または成人一人あたり、1回につき、0.1mgから100mgの範囲で、1日1回から数回非経口投与(好ましくは、静脈内投与)されるか、または1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
EDG−5アンタゴニストの慢性喘息に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のために他の薬剤を併用することができる。
他の薬剤としては、ステロイド剤、βアドレナリン受容体刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗剤、トロンボキサン合成酵素阻害剤、トロンボキサンA受容体拮抗剤、メディエーター遊離抑制薬、抗ヒスタミン剤、キサンチン誘導体、抗コリン薬、サイトカイン阻害薬、プロスタグランジン類、フォルスコリン製剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、去痰薬、抗生物質等が用いられる。
ステロイド剤としては、例えば、外用薬として、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、フルオシノニド、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、プデソニド、吉草酸ジフルコルトロン、アムシノニド、ハルシノニド、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプロドン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プレドニゾロン、プロピオン酸ペクロメタゾン、フルドロキシコルチド等が挙げられ、
内服薬、注射剤として、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、ブチル酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、酢酸ハロプレドン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメサゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、パルミチン酸デキサメタゾン、酢酸パラメサゾン、ベタメタゾン等が挙げられ、
吸入剤として、プロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、フルニソリド、トリアムシノロン、ST−126P、シクレソニド、デキサメタゾンパロミチオネート、モメタゾンフランカルボネート、プラステロンスルホネート、デフラザコート、メチルプレドニゾロンスレプタネート、メチルプレドニゾロンナトリウムスクシネート等が挙げられる。
βアドレナリン受容体刺激薬としては、例えば、臭化水素酸フェノテロール、硫酸サルブタモール、硫酸テルブタリン、フマル酸フォルモテロール、キシナホ酸サルメテロール、硫酸イソプロテレノール、硫酸オルシプレナリン、硫酸クロルプレナリン、エピネフリン、塩酸トリメトキノール、硫酸ヘキソプレナリンメシル、塩酸プロカテロール、塩酸ツロブテロール、ツロブテロール、塩酸ピルブテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸マブテロール、塩酸リトドリン、バンブテロール、塩酸ドペキサミン、酒石酸メルアドリン、AR−C68397、レボサルブタモール、R、R−フォルモテロール、KUR−1246、KUL−7211、AR−C89855、S−1319等が挙げられる。
ロイコトリエン受容体拮抗剤としては、例えば、プランルカスト水和物、モンテルカスト、ザフィルルカスト、セラトロダスト、MCC−847、KCA−757、CS−615、YM−158、L−740515、CP−195494、LM−1484、RS−635、A−93178、S−36496、BIIL−284、ONO−4057等が挙げられる。
トロンボキサン合成酵素阻害剤としては、例えば、塩酸オザグレル、イミトロダストナトリウム等が挙げられる。
トロンボキサンA受容体拮抗剤としては、例えば、セラトロダスト、ラマトロバン、ドミトロバンカルシウム水和物、KT−2−962等が挙げられる。
メディエーター遊離抑制薬としては、例えば、トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、ダザノラスト、ペミロラストカリウム等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば、フマル酸ケトチフェン、メキタジン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、テルフェナジン、フマル酸エメダスチン、塩酸エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、塩酸セチリジン、ベポタスチン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、塩酸オロパタジン、TAK−427、ZCR−2060、NIP−530、モメタゾンフロエート、ミゾラスチン、BP−294、アンドラスト、オーラノフィン、アクリバスチン等が挙げられる。
キサンチン誘導体としては、例えば、アミノフィリン、テオフィリン、ドキソフィリン、シパムフィリン、ジプロフィリン等が挙げられる。
抗コリン剤としては、例えば、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化シメトロピウム、テミベリン、臭化チオトロピウム、レバトロペート(UK−112166)等が挙げられる。
サイトカイン阻害薬としては、例えばトシル酸スプラタスト(商品名アイピーディ)等が挙げられる。
プロスタグランジン類(以下、PGと略記する。)としては、PG受容体アゴニスト、PG受容体アンタゴニスト等が挙げられる。
PG受容体としては、PGE受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(DP、CRTH2)、PGF受容体(FP)、PGI受容体(IP)、TX受容体(TP)等が挙げられる。
ホスホジェステラーゼ阻害剤としては、例えば、PDE4阻害剤であるロリプラム、シロミラスト(商品名アリフロ)、Bay19−8004、NIK−616、ロフルミラスト(BY−217)、シパムフィリン(BRL−61063)、アチゾラム(CP−80633)、SCH−351591、YM−976、V−11294A、PD−168787、D−4396、IC−485等が挙げられる。
エラスターゼ阻害剤としては、ONO−5046、ONO−6818、MR−889、PBI−1101、EPI−HNE−4、R−665、ZD−0892、ZD−8321、GW−311616、AE−3763等が挙げられる。
去痰薬としては、例えば、アンモニアウイキョウ精、炭酸水素ナトリウム、塩酸ブロムヘキシン、カルボシステイン、塩酸アンブロキソール、塩酸アンブロキゾール徐放剤、メチルシステイン塩酸塩、アセチルシステイン、塩酸L−エチルシステイン、チロキサポール等が挙げられる。
本発明化合物を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤などとして用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などが含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプンなど)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなど)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウムなど)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸など)などと混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなど)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤などを含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液など)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤などを含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類など、およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)など)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤などを含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のためのその他の製剤としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される外用液剤、軟膏剤、塗布剤、吸入剤、スプレー剤、坐剤および膣内投与のためのペッサリーなどが含まれる。
スプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤となど張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号および同第3,095,355号に詳しく記載されている。
発明を実施するための最良の形態
以下、参考例および実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:麻酔下モルモットを用いた気道抵抗の測定
モルモット気道抵抗の測定はコンゼット−ロスラー法(Naunyn−Schmied.Arch.Exp.Path.Pharmak.195,71〜)を改変して行なった。雄性ハートレイ系モルモット(5〜7週齢,使用時体重300〜500g)をペントバルビタール(50mg/kg腹腔内投与)により麻酔、仰臥固定し、気管および頸静脈にカニューレを施した。人工呼吸器により気道を確保し(5mL/stroke,60strokes/min)、送気路をT字管で分岐させブロンコスパスムトランスデューサーに接続させ気道抵抗を測定した。モルモットにガラミン(1mg/kg i.v.)を投与し、不動化した。また、化合物の吸入前にアセチルコリン(30μg/kg静脈内投与)を投与することにより各個体の一過性の気道収縮の感受性をチェックし、感受性が同等の個体を用いた。
超音波式ネブライザー(オムロンNE U−07)でS1P(Alexis社製)を気化させて、5分間吸引させた(Jpn.J.Pharm.50,445−466(1989))。気管カニューレ側のチューブをクランプした場合の気道抵抗値からS1P吸入開始時の気道抵抗値を差し引き、これに10分(吸入5分+吸入終了後5分)を乗した面積を完全閉塞(total area)とした。化合物投与による気道閉塞率の計算はS1P吸入開始後、10分間(吸入5分+吸入終了後5分)のAUCを完全閉塞(total area)で除し、気道閉塞率(AUC/total area)%とした。S1P(0.01〜1mg/mL)を麻酔下モルモットに吸入し気道抵抗を測定した。
その結果、0.1〜1mg/mL投与時に強い気道抵抗の上昇が認められた。0.1mg/mL投与時の結果を図1に示す。また、気道抵抗の上昇はS1P吸入を中止しても持続的にかつ不可逆的に認められた。S1Pの吸入による気道抵抗上昇作用はヒスタミンの吸入と同レベル(S1Pとヒスタミンの分子量からモル数に換算)で、用量依存型であった(図2(A),(B)、0.01〜1mg/mL)。
参考例1:10%メイロンおよびスフィンゴシンの吸入投与による気道抵抗の測定
10%メイロンおよびスフィンゴシン(Matreya社製,0.01〜1mg/mL)を用いて実施例1で示される方法と同様に行なった。その結果、10%メイロンおよびスフィンゴシンいずれの投与群でも気道抵抗の上昇は認められなかった(図3)。
実施例2:S1Pの静脈内投与による気道抵抗の測定
雄性モルモット(Standard Hartley,5〜7週齢,使用時体重300〜500g)をペントバルビタール(50mg/kg腹腔内投与)により麻酔、仰臥固定し、気管および頸静脈にカニューレを施した。S1Pを静脈内投与し、実施例1と同様に気道抵抗の測定を行なった。S1P投与群に気道抵抗の上昇が認められたが(図4(A))、ヒスタミンと比較すると軽微であった(図4(B))。
実施例3:サルブタモール前処置による気道抵抗への影響
気管支拡張薬であるサルブタモール(100μg/kg、i.v.)を前処置したあと、実施例1で示される方法と同様に操作して、気道抵抗への影響を調べた。
その結果、サルブタモールの前処置(100μg/kg、i.v.)によってS1Pの気道抵抗上昇は部分的にしか抑制されなかった。そのため、S1Pの作用点として気管支平滑筋収縮およびこれ以外の気道閉塞作用があることが示唆された(図5)。
実施例4:EDG−1,3および5拮抗活性の評価
ヒトEDG−5遺伝子を過剰発現させたチャイニーズハムスターオーバリー(CHO)細胞を、10%FBS(ウシ胎児血清)、ペニシリン/ストレプトマイシンおよびブラスチサイジン(5μg/ml)含有のHam’sF12培地(GIBCO BRL社製)で培養した。培養した細胞をFura2(5μM)−AM溶液[FBS(10%)、HEPES緩衝液(20mM,pH7.4)、およびプロベネシド(2.5mM)含有のHam’sF12培地)]中で、37℃、60分間インキュベートした。20mMHEPES緩衝液(20mM,pH7.4)、プロベネシドを含むHanks液(2.5mM)で1回洗浄し、同液に浸した。蛍光ドラッグスクリーニングシステムにプレートをセットし、30秒間無刺激で細胞内カルシウムイオン濃度を測定した。被験薬(終濃度は1nM〜10μMのジメチルスルホキシド溶液)の溶液を添加した後、その5分後にS1P(終濃度:100nM)を加え、S1P添加前後の細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を3秒間隔で測定した(励起波長340nmおよび380nm、蛍光波長500nm)。EDG−5拮抗活性は、各種化合物の代わりにDMSOを添加したウェルでのS1P(終濃度:100nM)によるピーク値をコントロール値(A)とし、化合物を処置した細胞でのS1P添加前の値から添加後の上昇値(B)とを比較し、抑制率(%)として以下のように算出した。
抑制率(%)={(A−B)/A}×100
IC50値は、抑制率50%を示す本発明化合物の濃度として算出した。なお、EDG−1,3アンタゴニストの評価に関してもヒトEDG−1またはEDG−3を過剰発現させた細胞を作製し、EDG−5と同様の方法で行なった。代表例として、EDG−5アンタゴニストである化合物1(N−(1H−1,3−ジメチル−4−イソプロピルピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)アミノ−N’−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)尿素)の活性を表1に示す。
Figure 2003020313
実施例5:モルモット摘出気管のS1Pによる収縮作用に対するEDG−5およびEDG−3アンタゴニストの阻害活性
安楽死させた雄性ハートレイ系モルモットの気管を摘出し、速やかにクレブス−ヘンゼライト液(112mmol/L塩化ナトリウム、5.9mmol/L塩化カリウム、2.0mmol/L塩化カルシウム、1.2mmol/L塩化マグネシウム、1.2mmol/Lリン酸二水素ナトリウム、25.0mmol/L炭酸水素ナトリウムNaHCO、11.5mmol/Lグルコース、4℃)に浸した。摘出組織はらせん状標本としてクレブス−ヘンゼライト液(37±1℃、[95%O+5%CO]を通気)を充たしたマグヌス管内(容量:10mL)に懸垂した。1gの張力負荷を与え60分間安定させた後、フォース・ディスプレースメント・トランスデューサー(Force displacement transducer)からひずみ圧アンプを介してレコーダー上に収縮運動を記録した。コントロールの収縮反応は、高濃度塩化カリウム液(クレブス−ヘンゼライトの塩化ナトリウムをすべて塩化カリウムに置換したもの)、ロイコトリエンD4(LTD4)あるいはヒスタミン刺激により得た。EDGアンタゴニストは、S1Pによる収縮を起こした後に加えた。マグヌス管内に懸垂した後は、適時、標本の洗浄を繰り返した。
S1P(10μmol/L)のモルモット気管に対する作用を観察した結果、S1Pは非常にゆっくりとした収縮作用を示し、この収縮の速度は他の収縮薬(LTD4、ヒスタミンなど)と比べて3〜5倍長く、プラトーに到達するまで30〜60分程度を要した(図6)。
次に各種S1P受容体作用薬の作用を検討した。化合物1(N−(1H−1,3−ジメチル−4−イソプロピルピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)アミノ−N’−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)尿素);EDG−5特異的アンタゴニスト)はS1Pによる収縮を抑制した(図6)。これらのことから、S1Pの気管収縮に関する受容体はEDG−5であることが示唆された。
ただし、ラットを用いた同様の検討ではEDG−5以外にEDG−3の作用の関与も認められている。
実施例6:麻酔下モルモットのS1Pによるインビボ(in vivo)における気道抵抗の上昇に対するEDG−5アンタゴニストの阻害活性
モルモット気道抵抗の測定はコンゼット−ロスラー法(Naunyn−Schmied.Arch.Exp.Path.Pharmak.195,71〜)を改変して行なった。雄性ハートレイ系モルモット(5〜7週齢,使用時体重300〜500g)をペントバルビタール(50mg/kg腹腔内投与)により麻酔、仰臥固定し、気管および頸静脈にカニューレを施した。人工呼吸器により気道を確保し(5mL/stroke,60strokes/min)、送気路をT字管で分岐させブロンコスパスムトランスデューサーに接続させ気道抵抗を測定した。モルモットにガラミン(1mg/kg i.v.)を投与し、不動化した。超音波式ネブライザーでS1Pを気化させて、5分間吸引させた(Jpn.J.Pharm.50,445−466(1989)を参照)。S1P(0.1mg/mL)を麻酔下モルモットに吸入し気道抵抗を測定した。強い気道抵抗の上昇が認められた後、化合物1を静脈内投与した。その結果、S1Pによって惹起された気道抵抗の上昇が抑制された(図7)ことから、インビボ(in vivo)におけるS1Pの気道抵抗の上昇はEDG−5を介していることが示された。
実施例7:ヒト気道平滑筋細胞のS1PによるDNA合成促進作用のEDG−5アンタゴニストによる阻害活性
正常ヒト気道平滑筋細胞(BSMC;BioWhittaker社)に10%FBS(ウシ胎児血清)、ゲンタマイシン(50μg/mL)、アムフォテルシンB(50ng/mL)およびヒトbFGF、ヒトインスリン含有MEM−α培地(GIBCO社)を加えて培養し、24時間後にデオキシブロモウリジン(BrdU)を加えた。
ヒトインスリン含有MEM−α培地に1×10cells/wellの濃度で正常ヒト気道平滑筋細胞(BSMC;BioWhittaker社)を96ウエルプレートに播き24時間培養した後、ハンクス液で2回洗浄し、無血清培地(MEM−α/ゲンタマイシン(50μg/mL)、アムフォテルシンB(50ng/mL)に交換してさらに24時間培養した。その後S1Pを終濃度0.03μM〜10μMの濃度で添加し、それと同時にデオキシブロモウリジン(BrdU)を加えさらに6時間培養してBrdU取りこみ活性を測定した。また、コントロールとしてS1Pのビヒクル(vehicle)である生理食塩水を同量加えた。
細胞をBrdUで処理後、培養上清を捨て、各ウェルに細胞固定・DNA変性溶液を150μL加えて30分間放置した。細胞固定・DNA変性溶液を取り除き、ブロッキングバッファー(150μL)を加えさらに30分間放置した。次にブロッキングバッファーを取り除き、ペルオキシダーゼでラベルした抗BrdU抗体溶液(100μL)を加え30分間放置した。次に抗体溶液を取り除き、洗浄バッファー(PBS(−))(150μL)で3回洗浄し、水分を取り除いた後、反応基質溶液(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンの15%DMSO溶液;100μL)を加えた。15分後、2N硫酸溶液を25μL加え、450nmの吸光度を測定した。
上記で示した方法でBSMCを培養し、S1Pを加える直前に化合物1(終濃度:0.01μM〜10μM)を加えた。S1P(3μM)を加えた後にBrdUを加えさらに6時間培養してBrdU取りこみ活性を測定した。その結果、EDG−5アンタゴニストがS1Pに拮抗して阻害作用を示した。
遊離LDH(乳酸脱水素酵素)を指標とした細胞毒性評価を行なったところ、化合物1は培地中でのLDHの活性に増強は認められなかった。
これらのことから、S1P刺激がヒト気道平滑筋細胞のDNA合成を促進することおよびその担当受容体がEDG−5であることが示唆された。
【図面の簡単な説明】
図1は、S1P吸入によるモルモット気道抵抗の上昇を示すグラフである。
図2は、(A)S1P吸入によるモルモット気道抵抗の上昇を示すグラフおよび(B)ヒスタミン吸入によるモルモット気道抵抗の上昇を示すグラフである。
図3は、スフィンゴシン吸入によるモルモットの気道への影響を示すグラフである。
図4は、(A)S1Pの静脈投与によるモルモット気道抵抗の上昇を示すグラフおよび(B)ヒスタミンの静脈投与によるモルモット気道抵抗の上昇を示すグラフである。
図5は、S1P投与前にサルブタモール投与を行なった影響を示すグラフである。
図6は、S1P惹起モルモット摘出気管収縮におけるEDG−5アンタゴニストの抑制作用を示すグラフである。
図7は、S1P吸入によるモルモット気道抵抗の上昇に対するEDG−5アンタゴニストの効果を示すグラフである。

Claims (18)

  1. スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体調節剤からなる呼吸器疾患の治療および/または予防剤。
  2. 請求の範囲1記載のスフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体調節剤を有効成分として含有する、気道収縮、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、気管狭窄症、びまん性汎細気管支炎、または感染、結合組織病もしくは移植に伴なう気管支炎、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis)、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、または特発性間質性肺炎の治療および/または予防剤。
  3. 気道抵抗を制御するS1P受容体調節剤からなる請求の範囲1記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤。
  4. 気道平滑筋細胞増殖を制御するS1P受容体調節剤からなる請求の範囲1記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤。
  5. S1P受容体調節剤が、気道抵抗低下作用を有するS1P受容体アンタゴニストである請求の範囲3記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤。
  6. S1P受容体調節剤が、気道抵抗上昇作用を有するS1P受容体アゴニストである請求の範囲3記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤。
  7. 請求の範囲5記載の気道抵抗低下作用を有するS1P受容体アンタゴニストを有効成分として含有する、気道収縮、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、気管狭窄症、びまん性汎細気管支炎、または感染、結合組織病もしくは移植に伴なう気管支炎の治療および/または予防剤。
  8. S1P受容体がEDG−1、EDG−3またはEDG−5である請求の範囲7記載の治療剤および/または予防剤。
  9. S1P受容体アンタゴニストが、EDG−1、EDG−3またはEDG−5のアンタゴニストである請求の範囲5記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤。
  10. S1P受容体アンタゴニストが、EDG−5アンタゴニストである請求の範囲9記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤。
  11. EDG−5アンタゴニストが、式(II)
    Figure 2003020313
    (式中、R1aは水素原子、C1〜8アルキルまたは−COR7a(基中、R7aはC1〜8アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、C1〜6アルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシまたは置換されていてもよいアラルキルオキシを表わす。)を表わし、
    2aはC1〜8アルキルまたは置換されていてもよいアリールを表わし、
    3aは水素原子、C1〜8アルキル、C1〜6アルコキシ、C2〜6アルコキシカルボニル、ハロアルキル、C3〜7シクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールを表わし、
    4aは水素原子またはC1〜8アルキルを表わし、
    5aおよびR6aは、それぞれ独立して水素原子、C1〜8アルキル、C1〜6アルコキシ、C2〜6アルコキシカルボニル、カルボキシル、C2〜6アルキニル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、C1〜8アルキルアミノ、ジ(C1〜8アルキル)アミノ、アシル、水酸基、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアラルキルオキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、アルコキシアルキルまたは−CONHR8a(基中、R8aは置換されていてもよりアリールまたは置換されていてもよいアラルキルを表わす。)を表わし、
    は−N(R9a)−(基中、R9aは水素原子、C1〜8アルキルまたは−NHR10a(基中、R10aはカルボキシルまたはC2〜6アルコキシカルボニルを表わす。)を表わす。)、−O−、−N=、−CH=または−CH(R11a)−(基中、R11aは水素原子またはC1〜8アルキルを表わす。)を表わし、
    は−N(R12a)−(基中、R12aは水素原子、C1〜8アルキル、置換されていてもよいアラルキル、C2〜6アルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニルまたは−CONHR13a(基中、R13aは、置換されていてもよいアリールまたは、置換されていてもよいアラルキルを表わす。)を表わす。)、=N−、−CH−、=CH−、−O−、−CO−または単結合を表わし、
    は−CO−、−CS−、−CH−、−O−または単結合を表わし、
    は−N(R14a)−(基中、R14aは水素原子、C1〜8アルキル、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニルまたはヘテロアリールC1〜8アルキルを表わす。)、−O−、−CO−、−CONH−(ただし、窒素原子は環Aと結合する。)、−CH−、−NHCH−(ただし、炭素原子は環Aと結合する。)または単結合を表わし、−−−−−は、二重結合または単結合を表わし、
    環Aは置換されていてもよいアリール、ヘテロアリールまたはC3〜7シクロアルキルを表わす。)で示されるピラゾロピリジン化合物またはそれらの非毒性塩である請求の範囲10に記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤。
  12. 気道平滑筋細胞増殖を制御するS1P受容体調節剤がEDG−5アンタゴニストである請求の範囲4記載の呼吸器疾患の治療および/または予防剤。
  13. 請求の範囲12記載の気道平滑筋細胞増殖を制御するEDG−5アンタゴニストを有効成分として含有する、慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、びまん性汎細気管支炎または特発性間質性肺炎の治療および/または予防剤。
  14. EDG−5アンタゴニストが、請求の範囲11に記載の式(II)で示されるピラゾロピリジン化合物またはそれらの非毒性塩である請求の範囲13に記載の治療および/または予防剤。
  15. 請求の範囲6記載の気道抵抗上昇作用を有するS1P受容体アゴニストを用いることを特徴とする哺乳動物の気道抵抗の測定方法。
  16. S1Pを吸入させる請求の範囲15記載の哺乳動物の気道抵抗の測定方法。
  17. 請求の範囲16記載の方法を用いることを特徴とする気道抵抗を低下させることのできる化合物のスクリーニング方法。
  18. 請求の範囲17記載の方法によって得られる気道抵抗を低下させることのできる化合物。
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