JP2001261575A - 血管収縮を調節する方法とその組成物 - Google Patents

血管収縮を調節する方法とその組成物

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JP2001261575A JP2000069424A JP2000069424A JP2001261575A JP 2001261575 A JP2001261575 A JP 2001261575A JP 2000069424 A JP2000069424 A JP 2000069424A JP 2000069424 A JP2000069424 A JP 2000069424A JP 2001261575 A JP2001261575 A JP 2001261575A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スフィンゴシンキナーゼ作用、及びEdg受容
体シグナリングの調節による血管収縮または血管収縮の
抑制によって改善される症状の治療方法及び組成物を提
供する。 【解決手段】血管収縮の増強または血管拡張の抑制によ
って治療が可能な疾患に罹患しているか、または罹患の
危険がある対象の治療法であって、該治療を必要とする
対象に、前記疾患を治療するのに有効な量の、Edg受
容体シグナリングを上昇させる薬剤の施用を含むことを
特徴とする、前記治療法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は偏頭痛、心臓発作、
クモ膜下出血および血管痙攣を含む、血管閉塞性疾患の
治療のための、血管収縮を調節する方法および組成物に
関する。
【0002】
【従来技術】偏頭痛(”migraine”)は普通に
見られる疾患であり、アメリカ合衆国人口の20〜30
%が罹患していると考えられている。ほぼ80%の偏頭
痛対象が、この疾患の家族歴を示している。偏頭痛の病
態は複雑であり、その治療に対して多くの作用メカニズ
ムが提唱されている。様々な薬剤療法が開発されている
が、偏頭痛の症状を完全に除去するには必ず副作用を伴
い、特に長期使用の際に顕著である。しかも、現在使用
されている薬剤の中には中毒症を呈する可能性があるも
のもあるため、そのような薬剤は年少者が使用するには
好ましくない。したがって、偏頭痛の治療に有効で、重
大な副作用を起こさず、中毒症を伴わない優れた薬剤の
開発が強く望まれている。
【0003】脳卒中とクモ膜下出血には、アメリカ合衆
国内だけでも年間400,000人が罹患している。脳
卒中は、通常、脳への血液供給障害に共通の根底となる
原因を有する脳障害の総称である。脳卒中だけでほぼ2
50人に1人を冒してることになり、先進国では第3の
死亡原因である。脳卒中の治療法は知られていない。ま
た、脳卒中の治療においては現在様々な薬剤が使用され
ているが、それらのほとんどは脳卒中が起こった後の、
または脳卒中の再発を予防する対象の治療に用いられて
いる。
【0004】クモ膜下出血は脳を覆っている膜(クモ
膜)の下部における出血を伴う疾患である。この疾患は
ほぼ10,000人に1人に起こり、脳卒中の根底原因
の約5〜10%を占めるものである。クモ膜下出血は、
続いて脳血管攣縮(血管狭窄)を引き起こす場合がある
が、これに対しては有効な薬剤は全くない。クモ膜下出
血の原因のうち最も多いものの1つに脳外傷がある。脳
外傷は身体障害の主因であり、アメリカ合衆国の健常成
人の脳障害の主因でもある。自動車事故が脳外傷の原因
のほぼ50%を占める。脳外傷の第2の原因は、アメリ
カ合衆国においては銃による外傷である。転倒が非致死
性頭部外傷の多くの場合の原因となっている。アメリカ
合衆国においては、年間一千万人が頭部傷害を受け、そ
のうち500,000人が入院を要している。先述した
疾病に共通な特徴は、正常な血液循環が撹乱されること
である。偏頭痛の前には脳血管収縮が、その後には血管
拡張が起こるが、これらは偏頭痛対象が経験する重度の
頭痛に符合する。脳卒中、クモ膜下出血および血管痙攣
は、血管収縮、または身体の一部、特に脳への血液供給
不足に関連している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの疾患の予防ま
たは処置のための、安全で、中毒性がなく、有効であ
り、かつ長期に亘って人体に処理可能な治療用化合物
は、現在使用できるものはないが有用と思われる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は広義において、
血管収縮および/または血管拡張によって血流を制御す
る方法に関する。より具体的に言えば、脳のような特定
の組織への、またはその内部での、血流を増加、または
対象および疾患によっては減少させる方法および構成を
含む。したがって、本発明は、脳のようなある特定の組
織における血管収縮性(または、場合によっては血管拡
張性)制御に関する。
【0007】本発明のある部分は、いくつかのEdg
(内皮分化遺伝子)受容体ファミリーのリガンドである
スフィンゴシン−1−リン酸が、選択的に脳底動脈およ
び中大脳動脈のような脳動脈を収縮させるが、大腿動
脈、頸動脈、または冠状動脈のような普通の末梢動脈を
収縮させない、という発見を前提にしている。本発明は
他の部分においては、特定のEdg(内皮分化遺伝子)
受容体ファミリーが、脳底動脈および中大脳動脈のよう
な脳動脈において、普通の末梢動脈より優先的に発現さ
れるという観察結果も前提にしている。したがって、あ
る局面では、本発明は脳底動脈を含むがこれに限定され
ない脳動脈内および脳動脈を通る血流の調節に関する。
後者の局面において、本発明は脳血管収縮および血管拡
張の制御にも関する。
【0008】本発明は、ある局面では、動脈血流を減少
させることが有効である対象の動脈血流を減少させる方
法を提供する。該方法は、前記治療が有効である対象
に、動脈血流を減少させるのに有効な量の、Edg受容
体シグナリングを上昇させる薬剤を投与する方法を含
む。
【0009】Edg受容体シグナリングを上昇させる薬
剤は多くの物質を含んでおり、それにはEdg受容体ア
ゴニスト(スフィンゴシン−1−リン酸のような天然の
リガンドなど)のようにEdg受容体に結合し、直接作
用する剤、Edg受容体シグナリングの下流シグナルに
作用する剤、およびEdg受容体アゴニストのレベル
を、前記アゴニストの生産を刺激するような方法によっ
て上昇させる剤が含まれる。後者の範疇に属する薬剤の
例は、スフィンゴシンキナーゼ活性剤であり、該薬剤は
スフィンゴシン−1−リン酸を産生させるスフィンゴシ
ンキナーゼの活性を上昇させる。
【0010】したがって、1つの態様においては、薬剤
はスフィンゴシンキナーゼ活性剤である。重要な態様に
おいて、スフィンゴシンキナーゼ活性剤はTNF−αま
たはEGFである。他の態様においては、薬剤はEdg
受容体アゴニストである。Edg受容体アゴニストはE
dg−1受容体、Edg−3受容体、Edg−5受容
体、Edg−8受容体に特異的に結合し、活性化し得る
ものであり、このことからEdg−1受容体アゴニス
ト、Edg−3受容体アゴニスト、Edg−5受容体ア
ゴニスト、Edg−8受容体アゴニストと称せられる。
【0011】好ましい態様においては、Edg受容体ア
ゴニストはEdg−3受容体アゴニストである。さらに
好ましい態様においては、Edg受容体アゴニストはス
フィンゴシン−1−リン酸、ジヒドロ−スフィンゴシン
−1−リン酸、スフィンゴシン−1−リン酸類縁体、サ
イコシン、スフィンゴシルホスホリルコリンおよびリゾ
ホスファチジル酸からなる群から選択される。さらに好
ましい態様においては、Edg受容体アゴニストはスフ
ィンゴシン−1−リン酸、またはジヒドロ−スフィンゴ
シン−1−リン酸である。
【0012】重要な態様において、動脈血流は脳動脈血
流である。動脈血流とは動脈中の血流および動脈を通る
血流を指す。脳動脈血流とは脳動脈中の血流および脳動
脈を通る血流を指す。脳動脈は、脳底動脈、中大脳動
脈、内頸動脈、後大脳動脈、および中髄膜動脈からなる
群から選択されてもよい。好ましい態様において、脳動
脈は脳底動脈および中大脳動脈である。したがって、本
態様における発明に記載の方法は、脳底動脈または中大
脳動脈の血流を減少させることを含むが、それに限定さ
れるものではない。別の態様においては、対象は偏頭痛
に罹患しているか、または、偏頭痛を罹患する危険があ
る対象である。
【0013】本発明は他の局面において、血管収縮の誘
導が有効であると思われる対象に、血管収縮を誘導する
方法を示している。該方法は血管収縮を誘導するのに有
効な量のEdg受容体シグナリングを上昇させる薬剤の
投与法を含む。該薬剤はスフィンゴシンキナーゼ活性剤
またはEdg受容体アゴニストであってもよい。1つの
態様においては、スフィンゴシンキナーゼ活性剤はTN
F−αまたはEGFである。他の態様において、薬剤は
Edg−1受容体アゴニスト、Edg−3受容体アゴニ
スト、Edg−5受容体アゴニスト、Edg−8受容体
アゴニストからなる群から選択されるEdg受容体アゴ
ニストである。好ましい態様において、Edg受容体ア
ゴニストはEdg−3受容体アゴニストである。Edg
受容体アゴニストは、さらに、スフィンゴシン−1−リ
ン酸、ジヒドロ−スフィンゴシン−1−リン酸、スフィ
ンゴシン−1−リン酸類縁体、サイコシン、スフィンゴ
シルホスホリルコリンおよびリゾホスファチジル酸から
なる群から選択されてもよい。
【0014】他の態様において、血管収縮は動脈血管収
縮である。動脈血管収縮とは、動脈における血管収縮の
ことを指す。好ましい態様において、動脈血管収縮は脳
動脈血管収縮である。したがって、1つの態様における
発明は脳底動脈血管収縮および/または中大脳動脈血管
収縮を含む。好ましい態様においては、対象は偏頭痛に
罹患しているか、または、偏頭痛を罹患する危険がある
対象である。
【0015】さらに他の局面においては、本発明は血管
収縮の増加または血管拡張の抑制によって治療し得る疾
患に罹患しているか、またはその危険がある対象を治療
する方法を示している。該方法は前記治療を必要とする
対象に、Edg受容体シグナリングを上昇させる薬剤を
投与する方法を含む。該薬剤はスフィンゴシンキナーゼ
活性剤またはEdg受容体アゴニストであってもよい。
【0016】1つの態様においては、スフィンゴシンキ
ナーゼ活性剤はTNF−αまたはEGFである。他の態
様において、薬剤はEdg−1受容体アゴニスト、Ed
g−3受容体アゴニスト、Edg−5受容体アゴニス
ト、Edg−8受容体アゴニストからなる群から選択さ
れるEdg受容体アゴニストである。他の態様におい
て、Edg受容体アゴニストはEdg−3受容体アゴニ
ストである。Edg受容体アゴニストは、さらに、スフ
ィンゴシン−1−リン酸、ジヒドロ−スフィンゴシン−
1−リン酸、スフィンゴシン−1−リン酸類縁体、サイ
コシン、スフィンゴシルホスホリルコリンおよびリゾホ
スファチジル酸からなる群から選択されてもよい。別の
態様において、血管収縮の増加または血管拡張の抑制は
脳動脈でのものである。好ましい態様において、脳動脈
は脳底動脈および/または中大脳動脈である。さらに別
の態様においては、疾患は偏頭痛である。
【0017】さらに別の局面において、本発明は動脈血
流の増加が有効であると思われる対象の動脈血流を増加
させる方法を示す。該方法は、前記治療を必要とする対
象に、動脈血流を増加させるのに有効な量の、Edg受
容体シグナリングを減少させる薬剤を投与する方法を含
む。Edg受容体シグナリングを減少させる薬剤には、
Edg受容体に直接結合するか、またはEdg受容体シ
グナリングの下流シグナルに負の作用を示すことによっ
て、Edg受容体シグナリングを阻害する薬剤(機能的
アンタゴニスト)を含んでおり、他にもEdg受容体ア
ゴニストのレベル、を該アゴニストの産生を阻害するよ
うな方法によって下げる薬剤も含まれる。後者の範疇に
属する薬剤の例は、スフィンゴシンキナーゼ阻害剤であ
り、該薬剤はスフィンゴシンキナーゼの作用を阻害する
か、または低下させる。したがって、重要な1つの態様
においては、薬剤はスフィンゴシンキナーゼ阻害剤であ
る。
【0018】他の態様においては、スフィンゴシンキナ
ーゼ阻害剤はN,N’−ジメチルスフィンゴシン、D,
L−スレオ−ジヒドロスフィンゴシン、高密度リポタン
パク、および3−フルオロ−スフィンゴシン類縁体から
なる群から選択される。他の重要な態様においては、薬
剤はEdg受容体アンタゴニストである。1つの態様に
おいて、Edg受容体アンタゴニストはEdg−1受容
体アンタゴニスト、Edg−3受容体アンタゴニスト、
Edg−5受容体アンタゴニスト、Edg−8受容体ア
ンタゴニストからなる群から選択される。好ましい態様
において、Edg受容体アンタゴニストはEdg−3受
容体アンタゴニストである。さらに好ましい態様におい
ては、Edg受容体アンタゴニストはスフィンゴシンま
たはスマリンからなる群から選択される。
【0019】好ましい態様において、動脈血流は脳動脈
血流である。脳動脈血流は脳底動脈血流(脳底動脈内お
よび脳底動脈を通る血流)または中脳動脈血流(中大脳
動脈内および脳底動脈を通る血流)でもよいが、限定は
されない。別の態様において、対象は脳卒中、クモ膜下
出血または血管痙攣に罹患しているか、または、罹患す
る危険がある対象である。いくつかの重要な態様におい
て、血管痙攣は脳血管攣縮である。
【0020】さらに別の態様において、動脈血流を増加
させる方法は、疾患を治療するのに有効な量の2次薬剤
による治療が可能な対象への該2次薬剤の同時投与を含
み、該同時投与によって動脈流が増加する結果、外2次
薬剤の対象の組織への到達が高まる前記方法である。こ
の場合、2次薬剤は、強壮剤、無痛覚症剤、麻酔剤、ア
ドレナリン作用剤、抗アドレナリン作用剤、アミノ酸、
アンタゴニスト、解毒剤、抗不安剤、抗コリン作用剤、
抗痙攣剤、抗鬱剤、制吐剤、抗てんかん剤、高血圧剤、
抗プラスミン剤、抗脂血症剤、抗偏頭痛剤、抗悪心剤、
抗腫瘍(脳癌)剤、抗強迫剤、抗パーキンソン病剤、
【0021】食欲抑制剤、血中グルコース調節剤、認知
補助剤、認知増強剤、ドーパミン作用剤、催吐剤、フリ
ー酸素ラジカル捕捉剤、糖質コルチコイド、低コレステ
ロール、脂質過多、ヒスタミンH2受容体アンタゴニス
ト、免疫抑制剤、阻害剤、記憶補助剤、情緒活動増強
剤、気分調節剤、散瞳剤、神経筋遮断剤、神経保護剤、
NMDAアンタゴニスト、脳卒中治療剤、頭部外傷治療
剤、向精神剤、鎮静剤、鎮静的催眠剤、セロトニン阻害
剤、精神安定剤、脳虚血治療剤、カルシウムチャンネル
遮断剤、フリーラジカル捕捉剤、−抗酸化剤、GABA
アンタゴニスト、グルタミン酸アンタゴニスト、AMP
Aアンタゴニスト、カイニン酸アンタゴニスト、競合性
および非競合性NMDAアンタゴニスト、成長因子、オ
ピオイドアンタゴニスト、ホスファチジルコリン前駆
体、セロトニンアゴニスト、ナトリウム−カルシウム遮
断剤、およびカリウムチャンネルオープナーからなる群
から選択される。
【0022】ある態様においては、本発明は、血管収縮
の阻害が効果的である対象に対し、血管収縮を阻害する
方法を提供する。該方法は、該治療を必要とする対象
に、血管収縮を阻害するのに有効な量の、Edg受容体
シグナリングを減少させる薬剤の投与を含む。1つの態
様において、前記薬剤はスフィンゴシンキナーゼ阻害剤
である。好ましい態様においては、スフィンゴシンキナ
ーゼ阻害剤はN,N’−ジメチルスフィンゴシン、D,
L−スレオ−ジヒドロスフィンゴシン、高密度リポタン
パク、および3−フルオロ−スフィンゴシン類縁体から
なる群から選択される。
【0023】別の局面においては、前記薬剤はEdg受
容体阻害剤である。好ましい態様において、Edg受容
体阻害剤は、Edg−1受容体阻害剤、Edg−3受容
体阻害剤、Edg−5受容体阻害剤、およびEdg−8
受容体阻害剤からなる群から選択されてもよい。ある重
要な態様において、Edg受容体阻害剤は機能的アンタ
ゴニストであり、スフィンゴシンまたはスマリンから選
択されてもよい。
【0024】重要な態様において、動脈血流は脳動脈流
である。脳動脈血流は脳底動脈血流または中大脳動脈血
流であってもよいが、限定はされない。好ましい態様に
おいて、対象は脳卒中、クモ膜下出血、または血管痙攣
に罹患しているか、または罹患の危険がある。
【0025】さらに他の局面においては、本発明は血管
拡張の増加または血管収縮の抑制によって治療し得る疾
患に罹患しているか、またはその危険がある対象を治療
する方法を提供している。該方法は前記治療を必要とす
る対象に、Edg受容体シグナリングを減少させる薬剤
を投与する方法を含む。該薬剤はスフィンゴシンキナー
ゼ阻害剤またはEdg受容体アンタゴニストであっても
よい。1つの態様においては、スフィンゴシンキナーゼ
阻害剤は、N,N’−ジメチルスフィンゴシン、D,L
−スレオ−ジヒドロスフィンゴシン、高密度リポタンパ
ク、および3−フルオロ−スフィンゴシン類縁体からな
る群から選択される。Edg受容体阻害剤は、Edg−
1受容体阻害剤、Edg−3受容体阻害剤、Edg−5
受容体阻害剤、およびEdg−8受容体阻害剤からなる
群から選択される。好ましい態様において、Edg受容
体阻害剤はEdg受容体アンタゴニストである。重要な
態様において、Edg受容体アンタゴニストはスフィン
ゴシンまたはスマリンから選択される機能的アンタゴニ
ストである。
【0026】1つの態様において、疾患は脳血管拡張の
増加または脳血管収縮の抑制によって治療が可能なもの
である。大脳血管拡張または血管収縮は、脳底動脈、中
大脳動脈、内頸動脈、後大脳動脈、および中髄膜動脈の
ような脳動脈に起こるものでもよいが、そのように限定
はされない。好ましい態様において、疾患は脳卒中、ク
モ膜下出血、または血管痙攣からなる群から選択され
る。さらに別の態様において、血管痙攣は脳血管攣縮で
ある。
【0027】本発明の他の局面によって、血管収縮を制
御する薬剤を特定する方法が提供される。該方法は、ス
フィンゴシンキナーゼに結合する薬剤を選択し、スフィ
ンゴシンキナーゼに結合する該薬剤が血管収縮を調節す
るか否かを決定する方法を含んでいる。本発明はさら
に、血管収縮を制御する薬剤を特定する別の方法を提供
しており、該方法は、Edg受容体に結合する薬剤を選
択し、Edg受容体に結合する該薬剤が血管収縮を調節
するか否かを決定する方法を含んでいる。
【0028】血管収縮の調節は、単離血管における等尺
性張力を記録するか、または灌流単離血管の管腔内圧を
記録することによって決定される。前記薬剤の存在下に
おける血管収縮は、該薬剤が血管収縮を調節する薬剤で
あることを示唆する。1つの態様において、薬剤は脂質
である。他の態様においては、薬剤はライブラリーから
選択したものである。さらに別の態様において、ライブ
ラリーはコンビナトリアルケミカルライブラリーであ
る。
【0029】別の局面において、本発明は、薬学的製剤
を提供し、該薬学的製剤は疾患の治療に有効な量でEd
g受容体シグナリングを上昇させる薬剤、および薬学的
に許容し得る担体を含んでいる。該疾患は血管収縮の増
加または血管拡張の減少によって治療し得るものであ
る。いくつかの態様において、疾患は血管拡張異常によ
ってさらに特徴づけられていてもよい。1つの態様にお
いて、薬剤はスフィンゴシンキナーゼ活性剤である。別
の態様においては、スフィンゴシンキナーゼ活性剤はT
NF−αまたはEGFである。さらに別の態様において
は、薬剤はEdg受容体活性剤である。Edg受容体活
性剤は、Edg−1受容体活性剤、Edg−3受容体活
性剤、Edg−5受容体活性剤、およびEdg−8受容
体活性剤からなる群から選択される。またさらに別の態
様において、Edg受容体活性剤はEdg受容体アゴニ
ストである。好ましい態様において、Edg受容体アゴ
ニストはEdg−3受容体アゴニストである。重要な態
様において、Edg受容体アゴニストはスフィンゴシン
−1−リン酸、ジヒドロ−スフィンゴシン−1−リン
酸、スフィンゴシン−1−リン酸類縁体、サイコシン、
スフィンゴシルホスホリルコリンおよびリゾホスファチ
ジル酸からなる群から選択される。1つの態様におい
て、疾患は脳血管収縮の増加または脳血管拡張の減少に
よって治療し得るものである。重要な態様において、疾
患は偏頭痛である。
【0030】別の局面において、薬学的製剤が提供さ
れ、該薬学的製剤は疾患の治療に有効な量でEdg受容
体シグナリングを減少させる薬剤、および薬学的に許容
し得る担体を含んでいる。疾患は血管拡張の促進または
血管収縮の阻害によって治療されるものである。1つの
態様において、疾患は血管収縮異常によってさらに特徴
づけられていてもよい。1つの態様において、疾患は脳
血管拡張の促進または脳血管収縮の阻害によって治療さ
れるものである。重要な態様において、疾患は脳卒中、
クモ膜下出血、または脳血管攣縮からなる群から選択さ
れる。
【0031】1つの態様において、薬剤はスフィンゴシ
ンキナーゼ阻害剤である。別の態様においては、スフィ
ンゴシンキナーゼ阻害剤はN,N’−ジメチルスフィン
ゴシン、D,L−スレオ−ジヒドロスフィンゴシン、高
密度リポタンパク、および3−フルオロ−スフィンゴシ
ン類縁体からなる群から選択される。1つの態様におい
て、薬剤はEdg受容体阻害剤である。さらなる態様に
おいて、Edg受容体阻害剤が、Edg−1受容体阻害
剤、Edg−3受容体阻害剤、Edg−5受容体阻害
剤、およびEdg−8受容体阻害剤からなる群から選択
される。好ましい態様において、Edg受容体阻害剤は
Edg−3受容体阻害剤である。重要な態様において、
Edg受容体活性剤はEdg受容体アンタゴニストであ
る。さらなる態様において、Edg受容体アンタゴニス
トはスフィンゴシンまたはスマリンから選択される機能
的アンタゴニストである。本発明はさらに、本発明によ
る家庭用薬学的製剤、および使用上の注意からなるキッ
トを網羅することも意図している。発明の詳細な説明
【0032】本発明は、血管収縮または血管拡張の増加
または抑制によって治療が可能な疾患の、血管収縮およ
び/または血管拡張の選択的調節による治療法を提供す
る。前記疾患のうちいくつかは、不適切な、または有害
な血管収縮または血管拡張によって、さらに特徴づけら
れるものであってもよい。特定の態様において、本発明
の方法と組成物は脳血管収縮、血管拡張、およびその結
果もたらされる血流を調節することを目的としている。
本発明は脳底動脈、および中大脳動脈のような脳動脈を
スフィンゴリピッド(S1P)、スフィンゴシン−1−
リン酸(DS1P)に暴露すると、収縮が改善されると
いう驚くべき発見からもたらされた。
【0033】実施例に示されているように、これらの化
合物の、大腿動脈、頸動脈、および冠状動脈を含む、体
内の他の動脈に対する血管収縮効果は、脳底動脈、およ
び中大脳動脈に対する効果に劣っていた。この予想外の
発見から、S1Pとその作用メカニズムが、脳血管収縮
および関連する脳血流を調節するためのターゲットの候
補であることが示唆された。さらに予想外であった発見
は、スフィンゴシンによって、S1PおよびDS1Pの
試験を行った動脈、特に脳動脈における効果が打ち消さ
れることが見出されたことであった。これらの発見か
ら、S1PおよびDS1Pのいずれもが、脳底動脈、お
よび中大脳動脈を含むが限定されない動脈の血管収縮を
誘導するのに使用可能であること、および、スフィンゴ
シンがこの作用のアンタゴニストとして使用可能である
ことが示唆された。
【0034】このような観察結果から、スフィンゴシン
およびS1Pの産生を調節している経路も、動脈血流を
調節するための標的になり得ると考えることは理にかな
っている。スフィンゴシン−1−リン酸は、最初から、
またはセラミドまたはスフィンゴシンに対するスフィン
ゴシンキナーゼの作用によって産生される。したがっ
て、スフィンゴシンキナーゼのアゴニストおよびアンタ
ゴニストを利用することによって、血管収縮の増加また
は減少それぞれによって治療可能な疾患を治療できる。
【0035】S1PおよびDS1Pの脳動脈に対する特
異性を明らかにするために、細胞の発現プロフィールを
解析した。その結果は予想に反し、Edg受容体ファミ
リーの特定のグループが脳動脈に異なる形で発現されて
いることが見出された。Edg受容体は内生リガンドを
認識する前のオーファン受容体であると考えられてい
た。現在では、それぞれの受容体タイプに対する多くの
内生的に生じるリガンドが特定されていて、Edg−
1、Edg−3およびEdg−5に対するスフィンゴシ
ン−1−リン酸、およびEdg−2およびEdg−4に
対するリゾホスファチジル酸(LPA)のようなもので
ある。Edg−1、Edg−3およびEdg−5はLP
Aに結合できるが、結合できるのはLPAが極めて高い
濃度で存在するときに限られる。このことは、Edg−
1、Edg−3およびEdg−5のLPAに対する親和
性は、スフィンゴシン−1−リン酸に対する親和性より
低いことを示唆している
【0036】Edg受容体はG共役タンパクであり、ま
た、膜内外性であり、したがって疎水性の、7個の反平
行αヘリックスから構成されている。これらの膜内外セ
グメントによって、受容体の構造的、機能的特徴が生
じ、これには受容体のリガンド結合部位を協調して形成
することも含まれる。Edg受容体はそれぞれのリガン
ドと結合すると、細胞内G−タンパクと相互に作用し合
う。Edg受容体は、それぞれ1個以上のG−タンパク
と特異的に相互に作用し合う。Edg受容体シグナリン
グは、最終的には環状AMP(cAMP)、Ca2+
ようなセカンドメッセンジャーの生産および/または放
出につながる。したがって、Edg受容体シグナリング
はcAMPおよびCa2+を含むが限定されないセカン
ドメッセンジャーの生産および/または放出によって測
定可能である。
【0037】このように、本発明は部分的には、さら
に、Edg−1、Edg−3およびEdg−5受容体の
ようなEdg受容体が、脳動脈に大腿動脈、頸動脈、お
よび冠状動脈より高レベルに発現されているという観察
結果に基づいている。脳動脈は脳底動脈および中大脳動
脈を含むが限定はされない。さらに予期し得なかったこ
とに、解析された他のEdg受容体コピーに比して、E
dg−3受容体の発現が、脳動脈において最も特異的で
あることが見出された。これらの新規な発見から、Ed
g受容体、特にEdg−3受容体を標的にすると、脳血
管収縮および血管拡張、およびそれらに伴う血流を調節
する際の治療の目的にかなうことが示唆された。
【0038】本発明に記載の方法は、特定の疾患の治療
的および予防的処置のいずれにも有用である。ここで用
いられる範囲では、治療的処置とは特定の疾患に罹患し
ている対象の処置を指している。予防的処置とは、その
疾患に罹患する危険がある対象、またはその疾患の罹患
歴がある対象の処置を指している。すなわち、本発明に
記載の薬剤は、急性状態に、または慢性(予防を要する
ような)状態のいずれの対象にも施薬することができ
る。
【0039】最も広義な場合、”処置”または”処置す
る”とは、共に治療的および予防的治療を指す。治療を
要する対象がある疾患に罹患している(またはある特定
の症状を呈することがあるか、または呈している)場
合、疾患の処置とは、該疾患によって生じる1または2
以上の症状を改善、低減、または除去することを指す。
いくつかの好ましい態様において、疾患の処置とは、特
定の症状、または該疾患に関連する一連の特定の症状を
改善、低減、または除去することを指す。治療を要する
対象が、疾患に罹患する危険がある対象である場合、疾
患の処置とは該対象が該疾患に罹患する危険性を低減す
ることを指す。ここで用いられる範囲では、対象にはヒ
ト、ヒト以外の霊長類、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウ
シ、ブタ、ウマ、および齧歯類を含む。
【0040】本発明の1つの態様によれば、血管収縮の
促進または保持に有用な化合物は、Edg受容体シグナ
リングを上昇させる薬剤である。Edg受容体シグナリ
ングを上昇させる薬剤には、Edg受容体活性剤および
スフィンゴシンキナーゼ活性剤が含まれる。スフィンゴ
シンキナーゼは、スフィンゴシンのリン酸化によってス
フィンゴシン−1−リン酸を産生するタンパクである。
スフィンゴシンキナーゼ活性剤は、スフィンゴシンキナ
ーゼ活性剤の活性、特にキナーゼ活性を上昇させる化合
物である。キナーゼ活性は、基質のリン酸化作用を指
し、ここにおいては、スフィンゴシンキナーゼのキナー
ゼ活性によってスフィンゴシン−1−リン酸が合成され
る。スフィンゴシンキナーゼを活性化する薬剤が機能す
る段階は数多くあり、スフィンゴシンキナーゼ遺伝子の
転写および翻訳、およびスフィンゴシンキナーゼのコピ
ーおよび翻訳後の変換を含む数多くの経路において、前
記薬剤は機能する。
【0041】他のスフィンゴシンキナーゼ活性剤はスフ
ィンゴシンキナーゼアゴニストである。スフィンゴシン
キナーゼアゴニストはスフィンゴシンキナーゼに結合
し、それによってスフィンゴシンキナーゼのキナーゼ活
性を上昇させ、最終的にスフィンゴシン−1−リン酸の
産生を上昇させる。複写および/または翻訳活性化因子
の評価に関しては、他の遺伝子に関する文献に記載され
ている。好きスフィンゴシンキナーゼに対する特異的な
活性化因子を特定するそのような技術は、現代の職工が
容易に取り入れ得るものである。スフィンゴシンキナー
ゼ活性の測定法およびスフィンゴシンキナーゼアゴニス
トおよびアンタゴニストを特定する方法は、PCT特許
出願No.PCT/AU98/00730(WO 99
/12533)に開示されており、本願にはその全体を
参考文献として含んでいる。スフィンゴシンキナーゼ活
性剤の例として、腫瘍壊死因子(TNF−α)および表
皮成長因子(EGF)がある。
【0042】スフィンゴシンキナーゼを活性化する究極
の目的の1つは、スフィンゴシン−1−リン酸の量を、
例えば、脳動脈において増加させることである。スフィ
ンゴシン−1−リン酸は、Edg−1、Edg−3およ
びEdg−5を含むEdg受容体群を活性化する、天然
由来のリガンドである。態様に示したように、脳動脈を
スフィンゴシン−1−リン酸で処理すると収縮が起こる
が、この減少は偏頭痛の治療に役立つと思われる。
【0043】このように、血管収縮、特に脳血管収縮が
効果をもたらす疾患または症状の治療に有用なさらに別
の薬剤はEdg受容体を活性化する薬剤である(Edg
受容体活性剤)。したがって、血管収縮の増加、または
血管拡張の抑制が効果をもたらす症状の治療に有用な薬
剤には、Edg受容体の細胞表面における発現を向上さ
せる薬剤、またはEdg受容体と他のタンパクの相互作
用を高める物質、特にがEdgシグナリングに含まれる
相互作用を高める物質が含まれるが、これらに限定され
ない。好ましい態様において、Edg受容体に影響を与
える薬剤は、Edg−1、Edg−3、Edg−5、お
よびEdg−8に好条件に作用している。Edg−3の
細胞表面における発現、タンパクとの相互作用、および
/またはシグナリングに特異的に影響を与える薬剤がよ
り好ましいことが、いくつかの態様に示されている。
【0044】好ましいEdg受容体活性剤の1つはEd
g受容体アゴニストである。ここで用いられる範囲で
は、Edg受容体アゴニストは、Edg受容体に結合
し、結合することによってキナーゼ活性のような内部酵
素活性を高めたり、または受容体からつながるシグナリ
ング経路を活性化する薬剤である。好ましい態様におい
て、Edg受容体アゴニストは結合し、さらに活性化す
るEdg−1、Edg−3、Edg−5、およびEdg
−8である。より好ましい態様においては、薬剤はEd
g−3受容体アゴニストである。Edg−3受容体はク
ローニングされ、そのヌクレオチド配列は明らかになっ
ている(Genbank Accession Num
ber AF184914など)。Edg−1受容体お
よびEdg−5受容体も同様にクローニングされ、ヌク
レオチド配列はGenbank Accession
Number RNU10303およびAB01693
1として公共に利用可能である。
【0045】いくつかのEdg受容体アゴニストは自体
公知である。Edg−3受容体アゴニストは、スフィン
ゴシン−1−リン酸、スフィンゴシルホスファチジルコ
リン、およびサイコシンのような生得的リガンドを含む
が、限定されない。Edg−1受容体アゴニストは、ス
フィンゴシン−1−リン酸、およびスフィンゴシルホス
ファチジルコリンのような生得的リガンドを含むが、限
定されない。Edg−5受容体アゴニストは、スフィン
ゴシン−1−リン酸のような生得的リガンドを含むが、
限定されない。高濃度では、リゾホスファチジル酸もい
くつかのEdg受容体のリガンドになる。Edg受容体
アゴニストには、ここでは天然由来のEdg受容体リガ
ンドを含む。
【0046】本発明は、1つの態様において、血管収縮
の増加または血管拡張の抑制が効果をもたらし、それに
よって治療し得る疾患または症状を治療する方法を示し
ている。該疾患のいくつかは血管拡張によってさらに特
徴づけられてもよい。該方法は前記治療を必要とする対
象へに、血管収縮の増加または血管拡張の抑制によって
治療可能な疾患は偏頭痛である。ここで用いられる範囲
では、migraine headache、migr
aine、およびmigraine attackとい
う語句は、互いに交換可能に用いられている。
【0047】偏頭痛は、最も普通に見られるタイプの動
脈頭痛である。偏頭痛は、脳に流入する動脈および脳か
ら流出する動脈、さらに脳内の動脈の直径の変化に関連
している。偏頭痛には古典的なものおよび通常のものが
あり、脳における種々の刺激に対する血管(動脈)の感
受性異常を含んでいる。このような感受性異常は、最終
的に動脈の急激な変化(痙攣または血管収縮)をもたら
す。この最初の収縮に続いて、脳内の他の動脈および頭
皮が拡張すると、頭に拍動痛を感じるようになる。偏頭
痛になりやすさは遺伝し、神経インパルスを伝達するセ
ロトニンが関与しているようである。
【0048】本発明はある態様において、偏頭痛にかか
っている(なることがある)対象の治療方法を提供す
る。偏頭痛にかかっている対象の定義は、ここでは2つ
以上の偏頭痛に伴う症状になることがある人であり、症
状の1つは激しい頭痛か、または拍動頭痛であるとより
適合する。偏頭痛には、極めて普通に伴う症状として、
強い拍動痛(多くの場合頭の片側のみに起こるため、側
性と呼ばれる)、吐き気と嘔吐、光、音および臭気への
感受性増大がある。偏頭痛は、視角障害を伴うこともあ
り、この障害は集合的にアウラと呼ばれている
【0049】ここで用いられる範囲では、偏頭痛に伴う
症状には、予兆として起こる一連の症状を含んでいる。
好ましくは拍動頭痛または激しい頭痛を含む2つ以上の
予兆が、多くの場合偏頭痛を予期させるものである。偏
頭痛は、通常数時間から数日続くことになる。大部分の
偏頭痛に苦しむ人々は、本人および/または家族の偏頭
痛歴がある。本人の偏頭痛歴とは、対象が以前に偏頭痛
になったことがある、という意味である。家族の偏頭痛
歴とは、両親、兄弟姉妹、祖父母を含む対象の家族が、
1人は偏頭痛になったことがある、という意味である。
したがって、偏頭痛にかかっている対象とは、少なくと
も激しい頭痛かまたは拍動頭痛になったことがある対
象、および個人的な、あるいは家族の偏頭痛歴があるか
もしれない対象であってもよい。Edg受容体シグナリ
ングを上昇させる薬剤を投与する方法を含む。該薬剤は
スフィンゴシンキナーゼ活性剤またはEdg受容体アゴ
ニストであってもよい。
【0050】ある態様において、本発明は、偏頭痛にか
かっている対象の治療方法を提供する。ここで用いられ
る範囲では、偏頭痛にかかっている対象は、1つ以上の
偏頭痛に伴う症状の改善、低減、または完全な除去によ
って治療される。好ましくは、偏頭痛にかかっている対
象は、少なくとも偏頭痛に伴う拍動頭痛の改善、低減、
または完全な除去のための薬剤によって治療される。
【0051】他の態様において、本発明は偏頭痛にかか
る危険がある対象の治療方法を提供する。大部分の人
は、偏頭痛を経験する素因がある。しかし、対象の中に
は、遺伝的素因のためかもしれないが、偏頭痛が起きる
閾値が低く、偏頭痛が容易に、また高頻度に起きる人が
いる。偏頭痛に苦しむ女性の数は男性の2倍であるが、
これはホルモンの要因によるものかもしれない。偏頭痛
にかかる危険がある対象には、個人的な、および/また
は家族の偏頭痛歴がある対象が含まれる。
【0052】偏頭痛を誘発する要因として多くのものが
特定されているため、対象はある行為または環境が偏頭
痛を誘発するか否かを予知できることもある。その結
果、偏頭痛にかかる危険がある対象には、偏頭痛を誘発
する可能性がある活動に係わっていたり、環境にある対
象も含む。偏頭痛にかかる危険がある対象には、特に、
偏頭痛を誘発する可能性がある活動に係わっていたり環
境にあって、個人的な、および/または家族の偏頭痛歴
がある対象を含む。
【0053】偏頭痛を誘発することが知られている要因
に含まれるものは、食事内容、または食事パターンの変
化であり、特に断食または低頻度の食事、赤ワイン、大
部分のアルコール飲料、古いチーズ、加工肉に含まれる
チラミン、硝酸塩、亜硝酸塩およびグルタミン酸モノナ
トリウムのような食品添加物、アルコール、チョコレー
ト、カフェイン、またはコーヒーの摂取、太陽光への暴
露、運動、物理的または精神的疲労、睡眠パターンの変
化(過剰睡眠または睡眠不足など)、緊張またはストレ
ス、および場合によってはストレスからの解放、月経に
伴うホルモン変化、避妊薬の使用、ホルモン代替治療ま
たは閉経、感情の高ぶり(悲しみ、怒りなど)、感覚的
刺激(大きな騒音、明るいか、またはちらつく光、強い
香気、熱い閉塞した空気など)、および気候変化(大気
圧変化、高度変化、強風、極暑または極寒)である。
【0054】これらの要因が、単独で偏頭痛を誘発する
ことは普通はない。そうではなく、多くの場合、これら
の要因が組み合わさったり、短時間に起こって初めて、
偏頭痛は誘発される。しかし、場合によっては、特に偏
頭痛になる危険性が異常に高いの場合には、単独の要因
によって偏頭痛が誘発されることもあり得る。単一また
は複数の活動の後に偏頭痛が起きることを的確に予知で
きる対象は、いくつかの態様において、好ましい予防的
治療の対象対象である。偏頭痛に苦しむ人の中には、痛
みの約5〜30分前にアウラがあったと言っている。ア
ウラ現象の例は上に記載されている。したがって、アウ
ラがあることは対象が偏頭痛にかかっていること(特
に、偏頭痛が他の偏頭痛関連症状を伴う場合)または対
象が偏頭痛になる危険があることの指標に使えるかもし
れない。
【0055】本発明の態様に有用な薬剤は、Edg受容
体シグナリングを上昇させる薬剤である。Edg受容体
シグナリングを上昇させる薬剤の例には、スフィンゴシ
ンキナーゼ活性剤、およびEdg受容体アゴニストが含
まれる。本発明の方法に適用されるように、前記薬剤は
対象に有効な量投薬される。本発明のいくつかの態様に
おいて、前記薬剤は、疾患(偏頭痛など)の治療に有効
な量投薬される。対象が偏頭痛にかかっているいて、治
療が急性のものである場合、有効薬量は偏頭痛を治療す
る薬量である。ここで用いられる意味の偏頭痛の治療と
は、偏頭痛に伴う症状の改善、低減、または完全な除去
である。偏頭痛に伴う症状(偏頭痛関連症状)は上に記
載されている。好ましくは、有効量は偏頭痛に伴う頭痛
を改善し、低減し、または完全に除去する量である。
【0056】対象が偏頭痛の危険があり、治療が予防的
である場合、有効量は偏頭痛になる危険を低減する量で
ある。ここで用いられる範囲では、偏頭痛になる危険を
低減する量とは、激しい頭痛または拍動頭痛を少なくと
も伴う偏頭痛に以後もなるという危険がある対象の数を
統計上減らす量である。言い換えれば、偏頭痛になる危
険を低減するのに有効な量とは、危険がある対象に偏頭
痛に伴う頭痛が起こるのを統計上阻害したか、または妨
げる量である。
【0057】本発明によれば、Edg受容体シグナリン
グを上昇させる薬剤は、動脈血流の減少、および血管収
縮の誘導に有用である。動脈血流の減少が有効な対象と
は、動脈血流が正常でないか、または動脈血流の異常に
よる疾患にかかっている対象である。対象の動脈血流を
減少させる方法においては、該治療を要する対象に、動
脈血流を減少させるのに有効な量の前記薬剤を投与す
る。対象の血管収縮を誘導する方法においては、該治療
を要する対象に、血管収縮を誘導するのに有効な量の前
記薬剤を投与する。
【0058】血管収縮の誘導または血管収縮の増加が有
効な対象とは、血管拡張が正常でないか、または動脈血
流の異常による疾患にかかっている対象である。前記対
象の例は偏頭痛にかかっている対象である。血流および
血管収縮、特に脳動脈と血管収縮は、従来のCT、M
R、核医学、および超音波のような医学画像技術によっ
て測定可能な現象であり、造影剤を特段要さない場合も
ある。したがって、血流を減らしたり、または血管収縮
を誘導するのに、各パラメーターの測定ベースラインに
対比して必要な個々の前記薬剤の量は、対象に特定の薬
剤を投与し、各パラメーターの、投与前の値に対する変
化の度合いを測定することによって求めることができ
る。
【0059】いくつかの態様において、動脈血流は、脳
動脈血流(脳動脈に流入する血流および脳動脈を通る血
流)を指す。他の態様において、血管収縮および血管拡
張は、脳血管収縮および脳血管拡張(1つ以上の脳動脈
にの収縮および拡張)を指す。ここで用いられる範囲で
は、脳動脈は内頸動脈、中大脳動脈、後大脳動脈、脳底
動脈、および中髄膜動脈を含むが限定されない。前記動
脈の全て、および該動脈の収縮または拡張状態、および
該動脈を通る血流は、生体画像技術によって検査可能で
ある。
【0060】Edg受容体シグナリングは、cAMP、
細胞内Ca2+、およびイノシトール三リン酸のような
セカンドメッセンジャーの生産および/または放出を刺
激することが知られている。したがって、Edg受容体
シグナリングを増加させる薬剤は、Edg受容体を発現
している細胞、または組織において、アゴニストと推定
される物質を処理した後の、セカンドメッセンジャーの
生産および/または放出によって、特定されるかもしれ
ない。アゴニストと推定される物質は、in vivoでのE
dg受容体シグナリング刺激能研究の前に、in vitroで
スクリーニングが可能である。本発明のさらに別の態様
においては、偏頭痛にかかっているか、かかる危険があ
る対象に、本発明の薬剤と共に、既に偏頭痛および関連
症状に対して効果があることが知られている薬剤を投与
する。
【0061】本発明の薬剤と組み合わせて偏頭痛にかか
っている対象に使用することが可能な薬剤の例は、不全
薬と称せられることがあり、該薬剤には市販薬が含ま
れ、該市販薬は、アスピリン−アセタミノフェン−カフ
ェイン混合薬、イブプロフェン、ジクロフェナック、ケ
トプロフェン、ケトロラック、フラービプロフェン、メ
クロフェナメート、ナプロクセンナトリウムのようなN
SAIDS、デキサメタゾン、メチルプレドニソンのよ
うな糖質コルチコイド、スマトリパン、ジヒドロエルゴ
タミン、エルゴタミン酒石酸塩、イソメテプテンムチン
酸塩−ジクロラルフェナゾン−アセタミノフェン混合
薬、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタ
ンのような急不全薬である。
【0062】偏頭痛になる危険がある対象に使用される
薬剤の例に含まれるのは、プロパノロール、チモロー
ル、ナドロール、メトプロロール、アセタノロールのよ
うなベータ遮断薬、ベラパミル、ジルチアゼム、ニカル
ジピン、ニフェジピン、ニモジピンのようなカルシウム
チャンネル遮断薬、ジバルプロエックスナトリウムおよ
びニューロンチンのような抗てんかん薬、フェノプロフ
ェン、フラービプロフェン、ジクロフェナック、ケトプ
ロフェン、ナプロクセン、ジルチアゼム、ニカルジピ
ン、ニフェジピン、ニモジピンのようなNSAIDS、
プロトリプチリンおよびデシプラミンのような非鎮静性
三環式抗鬱剤、アミトリプチリン、ドキセピン、ノルト
リプチリン、イミプラミンのような鎮静性三環式抗鬱
剤、フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、ネ
ファゾドン、ベラファジンのようなセロトニン再吸収阻
害薬、およびトラゾドン、ブプロピン、メチルエルゴノ
ビン、フェノバルビタール−エルゴタミン酒石酸塩−ベ
ラフォリン混合薬、シプロヘプタジン、メチギッドマレ
イン酸塩、フェネルジンのようなその他の薬剤である。
【0063】さらに他の態様では、本発明は血管収縮の
抑制、または血管拡張の増加によって効果がもたらさ
れ、その結果治療できる疾患の治療方法および構成を提
供する。該疾患は脳閉塞疾患と分類されるものであり、
アテローム硬化症、高脂血症、糖尿病、血管性痴呆症、
脳虚血性疾患、および脳外傷、クモ膜下出血、または他
の独立した原因による血管痙攣に起因する疾患である。
態様は脳卒中、クモ膜下出血および血管痙攣を含むが限
定されない。
【0064】本発明は、脳動脈血流の増加が効果をもた
らす対象の脳動脈血流を増加する、関連方法および構成
を提供し、さらに、血管収縮の抑制が効果をもたらす対
象の、血管収縮を抑制する方法および構成を提供する。
好ましい態様において、血管収縮は、脳底動脈、中大脳
動脈、後大脳動脈、内頸動脈、および中髄膜動脈のよう
な脳動脈の血管収縮である。
【0065】動脈血流を増加させる、血管収縮を抑制す
るか、または血管拡張を誘導するのに有効な薬剤は、E
dg受容体シグナリングを減少させる薬剤である。Ed
g受容体シグナリングを減少させる薬剤は、スフィンゴ
シンキナーゼ阻害剤およびEdg受容体阻害剤を含む。
該薬剤は、スフィンゴシンキナーゼレベルを下げるか、
またはおよびEdg受容体レベルを下げる薬剤を含んで
いる。該薬剤は、Edg受容体のアゴニストへの結合を
阻害する(天然由来のリガンドのように)か、またはE
dg受容体シグナリングの下流因子を阻害することによ
って、Edg受容体シグナリングを阻害する薬剤も含ん
でいる。
【0066】薬剤の重要な範疇は、スフィンゴシンキナ
ーゼ活性を阻害することによってスフィンゴシン−1−
リン酸の産生を妨げる薬剤である。この後者の範疇に属
する薬剤を、ここではスフィンゴシンキナーゼアンタゴ
ニストと呼ぶ。既知のスフィンゴシンキナーゼアンタゴ
ニストには、スフィンゴシンキナーゼの天然の基質を分
子的にミミックする薬剤である。該アンタゴニストはス
フィンゴシンキナーゼに、場合によっては非可逆的に結
合することによって、スフィンゴシンキナーゼの天然基
質が結合するのを妨げ、最終的に該基質のリン酸化を妨
げる。スフィンゴシンキナーゼアンタゴニストの例に
は、N,N’−ジメチルスフィンゴシン、D,L−スレ
オ−ジヒドロスフィンゴシン、高密度リポタンパクが含
まれる。De Jonghe et al.は、短鎖ス
フィゴイド基部を使うことを開示したが、それにはスフ
ィンゴシンキナーゼ阻害剤として、短鎖スフィンガニン
類縁体、および3−フルオロ−スフィンゴシン類縁体が
含まれている(De Jonghe et al.,
Bioorg Med Chem Lett 1999
9(21):3175−3180)。
【0067】本発明は、このようなスフィンゴシンキナ
ーゼアンタゴニストのうち、血管収縮の阻害または結果
拡張の増加の効果がある症状の治療に有用な前記アンタ
ゴニストの使用を含む。他のスフィンゴシンキナーゼア
ンタゴニストはスフィンゴシンキナーゼに結合するが、
結合箇所は基質の結合箇所とは異なり、最終的にキナー
ゼの触媒作用を妨げる。適切なスフィンゴシンキナーゼ
アンタゴニストは、スフィンゴシンキナーゼの基質また
は触媒との相互作用の妨害または阻害、生成物の放出の
妨害または阻害、または酵素による基質の構造変換の阻
害によって、スフィンゴシンキナーゼの触媒作用を阻害
する。マウスのスフィンゴシンキナーゼのクローニング
が、スフィンゴシンキナーゼの特異的活性の測定を目的
とした発現および活性研究として、Kohama et
al.によって報告されている(Kohama et
al., J Biol Chem 1998 27
3(37):2372−8)。
【0068】上記薬剤グループのアッセイの結果は、い
ずれに関しても文献に記載されているが、特にPCT特
許出願No.PCT/AU98/00730(WO 9
9/12533)には、本願において参考文献とした文
献全ての内容が全体が記載され、さらに、スフィンゴシ
ンキナーゼアゴニストおよびアンタゴニストを特定する
方法も記載されている。
【0069】血管収縮の抑制が有効な症状の治療の、本
発明の方法において有用な他の薬剤には、mRNAタン
パクレベルでのEdg受容体発現を妨げるか、またはE
dg受容体と他のタンパクの相互作用、特にシグナルト
ランスダクションに必要な相互作用を妨げる薬剤が含ま
れる。本発明に従って、スフィンゴシンが、スフィンゴ
シン−1−リン酸が誘導する血管収縮のアンタゴニスト
であることが見出された。この結果から、スフィンゴシ
ンは、Edg受容体によって誘導された血管収縮の阻害
に使用できるという考えが導かれる。したがって、本発
明の方法は、血管拡張の増加または血管収縮の抑制によ
って治療できる、脳卒中、クモ膜下出血および血管痙攣
のような疾患の治療におけるスフィンゴシンの使用を含
む。
【0070】活性化された血小板は、スフィンゴシン−
1−リン酸を放出することが知られている。前記放出の
結果、出血箇所の血小板は血管収縮を誘導することによ
って、脳のそれ以外の部位における血流の減少を助長す
る。スフィンゴシンを投与すると、前記血管収縮が緩和
され、血液が脳動脈を流れるようになり、起こる可能性
のあった虚血性障害の危険を低下させる。
【0071】この点に関して、有用な薬剤のさらに別の
カテゴリーはEdg受容体アンタゴニストである。ここ
で用いられる範囲では、Edg受容体アンタゴニストと
は、Edg受容体からのシグナルトランスダクションを
妨害するか、または阻害する薬剤である。Edg受容体
アンタゴニストは、Edg受容体のアゴニストに結合す
る能力を損なわせてもよい。Edg受容体アンタゴニス
トは、天然のEdg受容体のリガンドと、Edg受容体
上のリガンド結合サイトへの結合に関して競合する薬剤
であってもよい。これとは別に、アンタゴニストはリガ
ンド結合サイトとは異なるサイトにおいてEdg受容体
と結合し、その結果、リガンド結合サイトに伝達される
コンフォメーションの変化を引き起こすことによって、
天然リガンドの結合を妨げてもよい。さらに、Edg受
容体アンタゴニストは、Edg受容体以外のシグナリン
グカスケードを阻害してもよい。
【0072】後者のタイプのアンタゴニストは機能的ア
ンタゴニストと呼ばれる。機能的アンタゴニストは、細
胞内シグナルトランスダクションタンパク、接合器、お
よびプロテインキナーゼC、またはイノシトール三リン
酸のようなセカンドメッセンジャーを阻害してもよい。
好ましい態様において、Edg受容体アンタゴニストは
Edg−1、Edg−3、Edg−5、またはEdg−
8受容体アンタゴニストである。より好ましい態様にお
いて、Edg受容体アンタゴニストはEdg−3受容体
アンタゴニストである。Edg−3受容体アンタゴニス
トの例はスマリンである。いくつかの態様において、本
発明の薬剤は、特異的にEdg受容体ファミリーの1つ
に作用している。したがって、いくつかの態様におい
て、Edg−3受容体アンタゴニストはEdg−3受容
体に結合するが、他のEdg受容体ファミリーには結合
しない。
【0073】他の態様において、本発明は脳卒中にかか
っているか、かかる危険がある対象の治療法を提供す
る。脳卒中は、脳への酸素供給が不足することによる急
性の神経的傷害であり、可逆的、または非可逆的なマ
ヒ、昏睡、言語障害および痴呆につながることがある。
前記傷害は、多くの場合血液凝固、または血管破裂に起
因する血流の中断による、脳内神経球への傷として明白
であることが多い。脳卒中の約80%は脳虚血梗塞と関
連があり、20%は脳出血と関連がある。脳梗塞におい
ては、典型的には、虚血が始まった後の急性期間内に肥
大し始め、”周辺部”組織が壊死する。
【0074】梗塞周辺部とは、血管閉塞または出血によ
る酸素不足の影響を受けるが、他の血管から十分な酸素
を受け取ることによって、一時的に生存し続ける組織を
指す。したがって、梗塞部位の最終的な大きさ、および
その結果の脳卒中対象への神経障害の程度は、いくつか
の要因の影響を受け、その要因が急性脳卒中の医学的治
療法の基礎になっている。
【0075】ここで用いられる範囲では、脳卒中になっ
ている対象は、1つ以上の脳卒中に関連する症状を改善
し、低減し、または完全に除去することによって治療さ
れる。態様として、脳卒中になっている対象は、本発明
の薬剤を使って、脳卒中の結果生じる脳傷害の程度を低
減することによって治療される。脳卒中、特に虚血性脳
卒中による脳傷害の程度は、梗塞部位の大きさを標準的
な画像技術で決定することによって測定できる。したが
って、脳傷害の低減は、梗塞部位の矮小化によって測定
できる。同様に、神経的障害を測定する機能検査も、脳
傷害の低減の別の証拠になるかもしれない。
【0076】本発明の重要な局面は、脳卒中にかかって
いる(なったことがある)対象の治療である。対象が脳
卒中にかかっている場合、治療は急性のものであること
が好ましい。脳卒中対象の急性治療とは、疾患の症状の
出始めか、またはある状態から症状が顕著に変化し始め
た際に、Edg受容体シグナリングを減少させる薬剤
(スフィンゴシンキナーゼ阻害剤、またはEdg受容体
阻害剤)を投与することを意味する。
【0077】いくつかの態様において、スフィンゴシン
キナーゼアンタゴニスト、またはEdg受容体アンタゴ
ニストは好ましい薬剤である。多くの対象において、治
療は脳卒中が始まった直後であることが好ましい。何故
なら、早期の手当によって、組織を最大限に救出するこ
とが可能になるからである。しかし、治療は梗塞過程が
終了するまでのあらゆる時点にも開始される可能性があ
る。何故なら、対象の神経的検査に基づく物理的知見、
およびコンピュータートモグラフィ、または磁気共鳴画
像のような画像技術に基づく知見のいずれからも評価さ
れる可能性があるからである。ある例において、本発明
の方法は対象を脳卒中発症2、4、または6時間後に治
療する際に使われる。
【0078】脳卒中にかかっている対象は、起こった症
状および/または、CTおよびMRのような、干渉性ま
たは非干渉性物理的検査器によって診断される。本発明
の方法は脳卒中対象に対する、種々の医療行為の実施に
好適である。脳卒中にかかっている対象は、以下の1つ
異状の症状を呈する:マヒ、虚弱、感情鈍化および/ま
たは視覚退行、無感覚、鈍痛、失語症(会話不能または
不明瞭、読み書き困難)、失認症、(感覚刺激の不覚、
非認識)、記憶喪失、協調困難、倦怠、眠気または意識
喪失、膀胱または腸制御困難、および認識退行(痴呆、
注意散漫、集中不可)。医療画像技術を用いれば、脳卒
中対象の脳に梗塞と出血のいずれが起きているかを特定
できるかもしれない。
【0079】脳卒中になる危険がある対象の治療には、
急性治療および長期治療を含む可能性がある。この意味
での急性治療は、病気(または病気の症状)、または脳
卒中につながる可能性がある段階の発現前、最中、また
は直後に開始される、短期の予防的治療を指す。脳卒中
になる危険がある対象の長期治療は、長期にわたる予防
的治療であって、その時点では脳卒中の症状や、脳卒中
につながる可能性がある段階にない対象に施されてもよ
い。
【0080】本発明は1態様において、脳卒中になる危
険がある対象の治療を提供する。ここで用いられる範囲
では、脳卒中になる危険がある対象は、従来の医学的診
断によって設定されたカテゴリーである。また、前記対
象は従来の医学的診断によって、脳卒中の既知の危険因
子があるか、または脳動脈に障害が生じる危険が高まっ
ていると認められる対象であってもよい。典型的には、
心疾患関連因子は、脳卒中関連因子と同一である。最重
要因子には、高血圧、高コレステロール症、および喫煙
が含まれる。さらに、動脈線維攣縮、近時の心筋梗塞、
および糖尿病も重要な危険因子である。
【0081】ここで用いられる範囲では、脳卒中になる
危険がある対象は、塞栓の放出、血圧降下、、または脳
への血流減少の危険がある外科的処置、または診断的処
置を受けている人も含んでいて、前記処置は頸終動脈切
開、脳血管造影、血管を圧迫または遮断しながらの神経
外科的処置、心臓へのカテーテル注入、または血管形成
術のような処置であり、バルーン血管形成術、冠状動脈
バイパス手術、または同様な処置を含む。
【0082】脳卒中になる危険がある対象は、脳挫傷ま
たは心筋梗塞になったことがある対象、または以前に脳
卒中になったことがある対象も含んでいる。脳卒中にな
る危険がある対象は、脳への血流低下につながる心疾患
にかかっている人も含み、前記心疾患には動脈線維攣
縮、心室頻脈、拡張型心筋症、および血液凝固防止を要
する他のあらゆる心疾患が含まれる。脳卒中になる危険
がある対象は、狼瘡に起因するような動脈症または脳血
管炎、または皮質下梗塞を伴う常染色体優性脳動脈症、
および白質脳炎(CADASIL)症候群のような先天
性血管疾患にかかっている人も含む。CADASIL症
候群は、比較的若年の成人男女に起こり、神経精神的症
状を伴う脳卒中の再発に特徴がある。
【0083】脳卒中になる危険がある対象は、一過性虚
血発作にかかっている対象も含む。一過性虚血発作(T
IA)は、しばしば”ミニ脳卒中”と呼ばれ、一時的
に、または一過的に、脳への部分的血液供給が阻害され
て起こる。前記阻害は、たいてい突然の、または一過性
の(例えば、1〜24時間)の、脳の活動、および機能
の低下につながる。
【0084】本発明の重要な態様は、脳卒中、クモ膜下
出血、または血管痙攣による虚血性脳障害の対象の治療
である。虚血は、急性の疾患であり、体内組織への酸素
血液の供給不足に伴う疾患であり、前記血液を供給して
いる血管の収縮、または閉塞によって起こるため、前記
組織における虚血性損傷を来す。 虚血は、組織への血
流が臨界レベル以下に低下した場合は、いつでも起こ
る。前記血流低下は、(i)塞栓(凝固血液)による血
管の閉塞、(ii)動脈硬化による血管閉塞、(ii
i)血管の破裂(出血性脳卒中)、(iv) 血管痙攣
の際、および、場合によっては一過性虚血発作(TI
A)および続いて起こる、クモ膜下出血の際に起こる血
管収縮による血管の閉塞の結果生じる。
【0085】虚血が起こる状況は、さらに(i)心筋梗
塞中、(ii)外傷、および(iii)手術中(手術の
ために、血流を低下、または停止させる必要がある)を
含む。虚血が起こった場合、虚血箇所によって傷害の段
階が生じる。血流遮断部位の細胞は壊死し、病巣の核に
なる。前記核の周囲に周縁部が形成され、該周縁部では
傷害が即座に致死的にはならないが、緩やかに細胞死に
至る。
【0086】本発明に従って、虚血疾患対象に、有効な
量のEdg受容体シグナリングを下げる薬剤(スフィン
ゴシンキナーゼアンタゴニストのようなスフィンゴシン
キナーゼ阻害剤、およびEdg受容体アンタゴニストの
ようなEdg受容体阻害剤を含むが限定されない)を投
与すると、細胞死への進行は阻害され、組織に好影響を
もたらす。本発明のある重要な態様において、虚血性傷
害は血栓形成、脳卒中、肺高血圧、動脈硬化、心筋梗
塞、移植、臓器再潅流傷害、定常的低酸素状態、ホモシ
スチン尿症、またはCADASIL症候群であってもよ
い。
【0087】本発明の治療薬剤は、脳卒中対象に、脳卒
中の治療に有効な量投与されてもよい。脳卒中の治療に
有効な量は、脳傷害、または脳卒中に伴う症状の改善、
低減、または除去に必要な量である。脳卒中に伴う症状
は上に記載してある。脳卒中の治療に有効な量は、好ま
しくは、塞栓の大きさを小さくするか、または安定させ
る量である。理想的な薬剤は、最大限に多くの症状に作
用し、その結果、極力早期に対象が正常に生活を営める
ようになる薬剤である。
【0088】本発明のさらに別の態様においては、スフ
ィンゴシンキナーゼ阻害剤、またはEdg受容体阻害
剤、および好ましくはスフィンゴシンキナーゼまたはE
dg受容体のアンタゴニストを、脳卒中になる危険があ
る対象に、脳卒中になる危険を低減するのに有効な量投
与する。ここで用いられる範囲では、脳卒中になる危険
を低減するのに有効な量は、脳卒中になる危険がある対
象の集団から、脳卒中になり続ける対象の数を統計的に
減らす量である。
【0089】本発明の、対象の動脈血流を増加させる
か、または血管収縮を阻害する方法に係わるさらに別の
態様においては、Edg受容体シグナリングを減少させ
る薬剤(スフィンゴシンキナーゼ阻害剤か、またはEd
g受容体阻害剤)の有効な量は、それぞれ血流を増加さ
せるか、または血管収縮を抑制する量である。上に述べ
たように、血流および血管収縮は、従来の医学画像技術
によって容易に測定可能な現象である。動脈血流増加に
よって効果がもたらされる対象は、血管収縮、血管閉
塞、または出血のような要因によって動脈血流が減少し
ている対象である。血管収縮の抑制によって効果がもた
らされる対象は、血管痙攣のような要因にによって血管
収縮に障害が起きている対象、および前記血管収縮の異
状によって、虚血傷害が蓄積されている可能性がある対
象である。
【0090】本発明の薬剤は、他の脳卒中治療薬と共用
されてもよい。抗脳卒中剤の最も一般的な形態は、抗血
小板剤であり、該薬剤にはアスピリン、ジピリダモー
ル、スルフィンピラゾン、クロフィビエート、イブプロ
フェン、およびチクロピジンが含まれる。動脈血流増
加、または血管収縮抑制に係わる本発明の態様におい
て、治療に有効な量の2次薬剤によって治療可能な疾患
にかかっている対象に、2次薬剤を同時投与してもよ
く、該同時投与によって、本発明の第1薬剤(スフィン
ゴシンキナーゼ阻害剤またはEdg受容体阻害剤のよう
な)を投与したために動脈流が増加する結果、前記2次
薬剤の対象の組織、好ましくは脳への、到達が高まる。
【0091】第2薬剤は、所望の薬理学的化合物、また
は診断薬であってよい。好ましい第2薬剤は、脳に作用
部位を有する薬剤である。そのような薬剤には、アドレ
ナリン作用剤、アミノ酸、強壮剤、無痛覚症剤、麻酔
剤、アンタゴニスト、解毒剤、抗アドレナリン作用剤、
抗不安剤、抗コリン作用剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、制吐
剤、抗てんかん剤、抗高血圧剤、抗プラスミン剤、抗高
脂血症剤、抗悪心剤、抗抗腫瘍(脳癌)剤、抗強迫剤、
抗パーキンソン病剤、抗精神病剤、食欲抑制剤、血中グ
ルコース調節剤、認知補助剤、認知増強剤、ドーパミン
作用剤、催吐剤、フリー酸素ラジカル捕捉剤、糖質コル
チコイド、低コレステロール、脂質過多、ヒスタミンH
2受容体アンタゴニスト、免疫抑制剤、阻害剤、記憶補
助剤、
【0092】情緒活動増強剤、気分調節剤、散瞳剤、神
経筋遮断剤、神経保護剤、NMDAアンタゴニスト、脳
卒中治療剤、頭部外傷治療剤、向精神剤、鎮静剤、鎮静
的催眠剤、セロトニン阻害剤、精神安定剤、脳虚血治療
剤、カルシウムチャンネル遮断剤、フリーラジカル捕捉
剤−抗酸化剤、GABAアンタゴニスト、グルタミン酸
アンタゴニスト、AMPAアンタゴニスト、カイニン酸
アンタゴニスト、競合性および非競合性NMDAアンタ
ゴニスト、成長因子、オピオイドアンタゴニスト、ホス
ファチジルコリン前駆体、セロトニンアゴニスト、ナト
リウム−カルシウム遮断剤、およびカリウムチャンネル
オープナーが含まれる。
【0093】第2薬剤は、脳卒中、クモ膜下出血、また
は血管痙攣の治療薬であってもなくてもよい。いくつか
の態様において、対象は脳卒中、クモ膜下出血、血管痙
攣にかかっていなくてもよく、および脳卒中、クモ膜下
出血、血管痙攣にかかる危険がなくてもよく、前記薬剤
は前記疾患の治療的、または予防的処置に係わっていな
くてもよい。
【0094】脳に関連した前記範疇の薬剤に加えて、第
2薬剤として使用し得る他の範疇に属する薬剤の例に含
まれるのは:副腎皮質ステロイド、副腎皮質抑制剤、ア
ルコール抑止剤、アルドステロンアンタゴニスト、アン
モニア解毒剤、同化作用剤、無痛覚剤、アンドロゲン
剤、付加剤、食欲抑制剤、脳下垂体前葉抑制剤、駆虫
剤、抗ニキビ薬剤、抗アレルギー剤、抗アメーバ剤、抗
アンドロゲン性、抗貧血剤、抗アンギア剤、抗関節炎
剤、抗喘息剤、抗アテローム硬化剤、抗細菌剤、抗胆石
剤、抗胆石形成剤、抗凝血剤、殺球菌剤、抗糖尿病剤、
抗下痢剤、抗利尿剤、抗エストロゲン剤、抗菌剤、抗緑
内障性薬剤、抗血友病剤、抗出血剤、抗ヒスタミン剤、
抗高脂血症剤、抗高リポタンパク剤、抗感染剤、局所抗
感染剤、抗炎症剤、
【0095】抗ケラチン性薬剤、抗マラリア剤、抗微生
物剤、抗偏頭痛剤、抗核分裂剤、抗真菌剤、抗好中球減
少剤、抗寄生虫剤、抗蠕動運動剤、抗肺細胞剤、抗増殖
剤、抗前立腺肥大剤、抗原生動物剤、抗掻痒剤、抗リュ
ウマチ剤、抗住血吸虫剤、抗脂漏症剤、抗分泌剤、抗痙
攣剤、抗血栓剤、鎮咳剤、抗潰瘍剤、抗尿路結石剤、抗
ウィルス剤、良性前立腺肥大治療薬剤、骨吸収阻害剤、
気管拡張剤、炭酸脱水素酵素阻害剤、心臓抑制剤、心臓
保護剤、心臓強壮剤、心臓血管剤、利胆剤、コリン作動
性剤、コリン性アゴニスト、コリンエステラーゼ抑制
剤、コクシジウム阻害剤、抑制剤、診断補助剤、利尿
剤、殺外部寄生虫剤、酵素阻害剤、エストロゲン、線維
素溶解剤、蛍光剤、胃腸運動エフェクター、グルココル
チコイド、性腺刺激素因、毛髪発育刺激剤、止血ホルモ
ン、低糖剤、低緊張剤、イメージング薬剤、免疫剤、免
疫変調剤、免疫調節剤、免疫刺激剤、インポテンツ治療
補助剤、棘状毛包角化症、LNRHアゴニスト、
【0096】肝臓病治療剤、黄体溶解剤、粘膜溶解剤、
粘膜保護剤、脱鼻充血剤、神経保護剤、非ホルモン性ス
テロール誘導体、オキシトシン、プラスミン活性剤、血
小板活性化因子アンタゴニスト、血小板凝集阻害剤およ
び促進剤、プロゲスチン、プロスタグランジン、前立腺
成長阻害剤、前胸腺刺激剤、肺表剤、放射性物質調節
剤、弛緩的、再分配剤、殺疥癬剤、硬化性薬剤、選択性
アデノシンA1アンタゴニスト、セロトニン受容体アン
タゴニスト、ステロイド、刺激剤、抑制剤、対症的多重
硬化性相乗作用剤、甲状腺ホルモン、甲状腺阻害剤、甲
状腺擬態剤、筋萎縮性側索硬化症治療剤、、ページェッ
ト病治療剤、不安定アンギア治療剤、尿酸排泄性血管収
縮剤、血管拡張剤、外傷治療性薬剤、キサンチンオキシ
ダーゼ阻害剤である。
【0097】クモ膜下出血は、クモ膜および軟膜(脳に
隣接する部分)の間の空隙への急な出血を含む急性疾患
である。クモ膜下部はクモ膜および軟膜の間にある層状
の組織であり、脳脊髄液(CSF)を含んでいる。クモ
膜下出血は、しばしば頭部外傷、または動脈瘤として知
られる血管障害から2次的に起こる。いくつかの例で
は、クモ膜下出血は脳血管攣縮を誘発し、該脳血管攣縮
は虚血性脳卒中につながる。クモ膜下出血の一般的な兆
候は、CSFに血液が存在することである。
【0098】クモ膜下出血にかかっている対象は、多く
の症状によって特定可能である。例えば、クモ膜下出血
にかかっている対象は、クモ膜下部に血液があり、多く
の場合前記血液は大量である。クモ膜下出血にかかって
いる対象は、平均動脈血圧に近い頭蓋内圧、脳潅流圧の
低下、または急な一時的意識不明(予兆として頭痛を伴
う場合がある)によって特定可能である。ほぼ半数の事
例において、対象に物理的傷害に起因する激しい頭痛が
起こる。他のクモ膜下出血に関連する症状には、悪心、
嘔吐、記憶喪失、半身不随、および失語症が含まれる。
【0099】クモ膜下出血にかかっている対象は、CS
Fにクレアチンキナーゼ−BBアイソザイム活性が生じ
ることによっても特定可能である。前記アイソザイムは
脳に濃縮されているが、通常CSFには存在しない。そ
のため、前記アイソザイムのCSFにおける存在は、脳
からクモ膜下部への”漏れ”の指標となる。CSFにお
けるクレアチンキナーゼ−BBアイソザイム活性のアッ
セイは、Coplinet al.によって報告されて
いる。
【0100】さらに、脊髄軽打、または腰椎穿刺によっ
て、クモ膜下出血の有力な指標であるCSF中の血液が
存在するか否かを調べることができる。頭部CTスキャ
ン、またはMRIによっても、クモ膜下部の血液を検出
することができる。血管造影を用いると出血が起こった
か否かを調べるだけでなく、出血の箇所を決定すること
もできる。
【0101】クモ膜下出血は、通常、頭蓋嚢状動脈瘤の
破裂か、または脳内、または脳につながる脳動脈系の奇
形によって起こる。したがって、クモ膜下出血になる危
険がある対象には、嚢状動脈瘤を持つ対象、および脳動
脈系に奇形がある対象が含まれる。人口の5%に前記動
脈瘤があると推定されているが、実際にクモ膜下出血を
起こす脳卒中は、僅か10,000人に1人である。脳
底動脈の最上部、および脳底動脈と上部小脳動脈、また
は下部小脳動脈との接合部が動脈瘤が生じやすい箇所で
ある。クモ膜下出血になっている対象は、眼検査によっ
て認識可能であり、緩慢な眼球運動が脳傷害を示唆する
場合がある。対象の嚢状動脈瘤の肥大傾向は、CTやM
RIのような通常の医学画像技術によって検出可能であ
る。肥大している動脈瘤は、キノコのような形状になる
(”首付き丸屋根”形と呼ばれることがある)
【0102】クモ膜下出血にかかる危険がある対象に
は、動脈瘤および嚢胞腎症歴を含む虚弱血管、線維筋異
形成、他の血管における動脈瘤形成、および高血圧の対
象も含まれる。頭蓋嚢状動脈瘤の破裂によってクモ膜下
出血にかかる危険がある対象は、通常明瞭な前駆症状を
示す。該前駆症状には瞳孔拡張、光反射喪失、眼球上部
および背部の痛み、眼球内および背部、およびこめかみ
下部の痛み、および突然の原因不明の頭痛が含まれる。
対象によっては、”警告遺漏”と呼ばれる少量の血液
が、不完全な段階で漏れ出てくる場合がある。該遺漏は
断続的である場合もある。前記遺漏がクモ膜下部の少量
の血液によって断定される(CTまたはMRを用いて)
る対象は、クモ膜下出血になる危険がある対象でもあ
る。腰椎穿刺もクモ膜下部における出血の検出に用いら
れる。
【0103】腰椎穿刺は、疑われる血液の遺漏がCTを
用いて視覚的に検出するには少量過ぎる場合に好適であ
る場合がある。クモ膜下部における血液が検出された対
象は、クモ膜下出血を起こしているか(特に血液量が大
きい場合、およびクモ膜下出血の他の症状を呈している
場合)、またはクモ膜下出血を起こす危険がある対象で
ある。クモ膜下出血を起こす危険がある対象はまた、動
脈、または血栓症、脳腫瘍、CNS腫瘍、脊髄、脳硬
膜、または重組織血管奇形、および小表面動脈の破裂を
起こしているか、または起こしたことがある対象であ
る。
【0104】本発明の幾つかの態様によると、スフィン
ゴシンキナーゼ阻害剤、またはEdg受容体阻害剤は、
クモ膜下出血を起こしている対象に、クモ膜下出血を治
療するのに有効な量だけ投与される。ここで用いられる
範囲では、クモ膜下出血を治療するのに有効な量とは、
クモ膜下出血に伴う痛みを改善し、低減し、または完全
に除去し、かつ梗塞の大きさを小さくするか、または安
定化させる量のことである。理想的な薬剤は、最大限多
くの症状に効果を発揮する。
【0105】薬剤を予防的に投与する時は、該薬剤は、
クモ膜下出血を起こす危険がある対象にクモ膜下出血の
危険を低減するのに有効な量だけ投与される。クモ膜下
出血になる危険を低減するのに有効な量とは、クモ膜下
出血になる危険がある対象の集団から、動脈瘤の破裂ま
たはクモ膜下出血における大量の血液の存在を指標とす
る、最終的にクモ膜下出血になる対象の数を減らす量で
ある。換言すれば、クモ膜下出血になる危険を低減する
のに有効な量とは、クモ膜下出血になる危険がある対象
がクモ膜下出血に伴う症状を呈し始めるのを統計的に妨
げるか、または防ぐ量である。本発明の薬剤は、クモ膜
下出血になっている対象に通常投与される薬剤との同時
投与が可能である。そのような薬剤にはアセタミノフェ
ン、メペリジン、フェノバルビタール、および他の鎮静
剤が含まれる。
【0106】血管痙攣は、血管内径の急な減少であっ
て、血管壁内の平滑筋の収縮によって起こる。血管痙攣
は、血流量の減少につながるが、血管系抵抗を増加させ
る。一般的に、血管痙攣は、アテローム性動脈硬化、お
よび頭部外傷のような構造に係わる他の傷害のような、
血管の部分的損傷によって起こると考えられている。脳
血管攣縮は、自然に起こる血管収縮であり、CSFにお
ける血液の存在も引き金となり得るが、通常は動脈瘤の
破裂、または頭部外傷後に続いて起こる。脳血管攣縮
は、最終的に脳細胞傷害につながる場合があり、該傷害
は脳虚血および梗塞の形を取る。前記傷害は血液供給が
妨げられることに起因する。
【0107】血管痙攣を罹患している対象は、血管痙攣
に関連する診断マーカーおよび症状を呈している対象で
ある。診断マーカーにはCSFにおける血液の存在およ
び/またはクモ膜下出血の近時の病歴が含まれる。血管
痙攣に関連する症状には、体の片側の麻痺、言葉の発声
不能、話し言葉および書き言葉の理解不能、および空間
解析を伴う作業の実行不能が含まれる。前記症状は、数
日に亘って進行したり、外観が変動したり、または突然
に表れたりすることがある。
【0108】MR血管造影、およびCT血管造影は、脳
血管攣縮の診断に用いることができる。血管造影の技術
においては、血流に造影剤を注入し、血流および/また
は動脈を検視する。造影時が必要なのは、血流および/
または動脈が、通常のMR、またはCTスキャンでは充
分に表れないことがあるからである。適切な造影剤の種
類は、用いる画像技術の種類によって変わる。例えば、
ガドリニウムは、MRスキャンにおいて通常用いられる
造影剤である。MRに適する他の造影剤は自体公知であ
る。
【0109】頭蓋透過型ドップラー超音波も、血管痙攣
の進行の診断、および追跡に用いることができる。先述
したように、脳脊髄液における血液の存在は、CTスキ
ャンによって検出が可能である。しかし、血液が極めて
少量であるため、CTによる検出が不可能な場合には、
腰椎穿刺が効果を発揮する。
【0110】血管痙攣になる危険がある対象には、脳脊
髄液に血液が検出されるか、またはCTスキャンによっ
て検出し得る動脈瘤があるが、血管痙攣になったことに
伴う症状を呈してはいない対象が含まれる。血管痙攣に
なる危険がある対象とは、頭部外傷の経験がある対象で
あり、該外傷の後にクモ膜下出血になったかは無関係で
ある。頭部外傷は、通常、固い物体の落下、または前記
物体の強力な接触のような物理的力が頭部に加わること
によって起こる。血管痙攣になる危険がある対象には、
脳血管系傷害になる危険が大きい状態にあると診断され
た対象を含まれる。
【0111】前記状態には、高血圧、喫煙、糖尿病、ア
ルコール飲用、心臓血管疾患、および麻薬常習が含まれ
る。血管痙攣になる危険がある対象には、近時に(2週
間以内に)クモ膜下出血を経験した対象が含まれる。血
管痙攣になる危険がある対象には、血管造影を受ける対
象も含まれる。
【0112】本発明の1つの態様において、Edg受容
体のシグナリングを減少させる薬剤(スフィンゴシンキ
ナーゼ阻害剤、またはEdg受容体阻害剤)を、血管痙
攣にかかっている対象に、血管痙攣を治療するのに有効
な量だけ投与する。血管痙攣を治療するのに有効な薬量
とは、少なくとも1つの血管痙攣に関連する症状を改善
し、低減し、または除去するのに必要な量であって、好
ましくは前記症状は梗塞のような血管痙攣に起因する脳
傷害である。脳傷害の程度は、梗塞の大きさを測定す
る、医学的画像技術を用いることによって自動的に測定
できる。代替法として、または同時使用によって、脳傷
害の程度は、梗塞の大きさを測定する医学的画像技術を
用いて測定することができる。代替法として、または同
時に用いる方法として、対象自身の診断的、または感覚
的技術によっても脳傷害の程度は測定可能かもしれな
い。
【0113】血管痙攣の危険がある対象には、現在はカ
ルシウムチャンネルブロッカー(例えばニモジピン)、フ
ェニルエフリン、ドーパミン、およびマンニトールおよ
び過呼吸処置の組み合わせを含む、予防的処置が施され
ている。予防的治療法の中には、脳潅流圧の上昇を目的
としているものもある。本発明にに従って、前記予防的
処置はいずれも、血管痙攣の危険のある対象に、本発明
の薬剤とともに処理することができる。血管収縮を抑制
するか、または血管拡張を促進する本発明の薬剤、すな
わち、スフィンゴシンキナーゼ阻害剤およびEdg受容
体阻害剤によって治療可能なさらに別の対象は、一過性
虚血発作(TIA)の対象である。TIAは血液供給の
一時的な阻害によって起きる脳疾患の兆候であり、急で
短時間の脳機能の低下につながる。TIAは通常短時間
で消え、約5分から30分しか続かないが、日に数回再
発する恐れがある。
【0114】TIAの対象は、視覚変化、口調変化、動
作および感情の鈍化、および意識の変化を含む数多くの
症状で特定できる。他の症状として、疼痛および/また
は無感覚、衰弱、めまいおよび協同失調が含まれる。症
状は一般には突然表れ、持続時間は1時間から1日程度
になる。TIAの対象は、眼検査、および眼圧測定を含
む神経的検査によって、TIAであると診断される。T
IAの対象の特定に使用可能な他の診断的試験には、頭
部CTスキャンおよびMRスキャン、頸動脈二重鎖の超
音波、および脳血管造影が含まれる。TIAの対象の特
定に使用可能な実験室内試験には、血糖値、一般血液化
学、および血清脂質の各測定が含まれる。
【0115】TIAにかかる危険がある対象は、動脈硬
化、赤血球増加症、鎌形赤血球症、血液が通常より濃く
なってしまう過粘調症のような血液疾患を患っている対
象を含む。TIAにかかる危険がある対象はまた、脳内
小動脈の痙攣の罹患歴がある対象、線維筋ジスプラジ
ー、動脈炎(関節炎、多発動脈炎、肉芽腫性血管炎)、
全身性紅斑性狼瘡症、および梅毒のような疾患によって
起こる血管異常にかかっている対象を含む。既に血管に
損傷がある対象においては、低血圧が脳卒中につながる
ことがある。TIAの他の危険因子には、喫煙、高血
圧、心臓病、糖尿病、および加齢が含まれる。TIAは
男性により多く起こる。
【0116】Edg受容体シグナリングを低下させる薬
剤によって治療可能なさらに別の疾患は、肉芽腫関節炎
(GA)であり、頭蓋外動脈だけでなく、頭蓋内動脈の
内径が減少する。GAは急な片眼の視覚喪失のような視
覚的な症状によって表出し、通常は高齢の対象に多い。
さらに別の態様においては、本発明は、末梢血管収縮、
特に高血圧の対象に起こるような異常末梢血管収縮の治
療のための方法および組成物を提供する。本発明の薬
剤、すなわち、Edg受容体シグナリングを低下させる
薬剤(特にEdg−3受容体アンタゴニスト)は、高血
圧の対象の血管収縮異常の予防を目的として、投与して
もよい。
【0117】既に述べたように、Edg受容体シグナリ
ングを上昇させるか、または低下させる薬剤は、有効な
量だけ投与される。一般に、有効な量とは、所望の組織
に好適な変化をもたらす全ての量である。好ましくは、
有効な量は、ある症状に対して外見で判断できる好まし
い変化をもたらす量であって、症状の一部、または症状
全体の軽減または緩和をもたらす量である。一般に、有
効な量とは、薬学的処方が、それ自体だけで、または投
与を重ねることによって、所望の反応を得られる量であ
る。前記反応は、疾患の進行を一時的に遅延させるだけ
の場合もあるが、より好ましくは、疾患の進行を永続的
に妨げるか、または疾患の発症を遅延させるか、あるい
は、疾患または症状の発症を妨げるものである。有効な
量は、ごく普通の方法でモニターすることができる。一
般に、活性化合物の施用量は、1日あたり約0.01m
g/kgから1日あたり約1000mg/kgである。
適切な施用量が50〜500mg/kgの間であること
が期待され、好ましいのは、経口的な施用、および日に
1回または数回の施用である。
【0118】そのような量は、勿論、治療する個々の症
状、症状の重さ、年齢を含む対象個人の特性、物理的状
態、大きさと体重、治療の期間、(もしあれば)同時期
に施用される療法、個々の施用のルート、および健康管
理者の知識および技術範囲のような要因によって決定さ
れる。施用量を減らせるのは、静脈注射のような、ある
種の施用形態の場合である。最初の施用では対象が十分
に反応しなかったときは、より多い施用量(または効を
奏するような異なる、より局所的な投与経路による、よ
り多い量)を、対象の耐性の範囲内で用いてもよい。日
に複数回の投与によって、適切な化合物の浸透度を達成
できると考えられている。一般には最高施用量が使われ
るが、該最高施用量は、正確な医学的判断に基づく、安
全な量のうちで最大の量である。しかし、当技術分野に
係わる者は、対象は低い投与量、または耐えられる量に
こだわる場合があり、その理由は医学的なものであった
り心理的なものであったりするが、実際にはその他如何
なることも理由になることを理解するであろう。
【0119】本発明の薬剤、すなわち、スフィンゴシン
キナーゼ活性剤および阻害剤、およびEdg受容体活性
剤および阻害剤を含むが限定されない薬剤は、薬理製剤
作製のために、「薬理学的に許容される担体」と任意に
組み合わせてもよい。ここで用いている「薬理学的に許
容される担体」という言葉は、1または2以上の、他成
分と共用可能な、固体または液体の充填剤、希釈剤、ま
たは封入剤であって、人間への投与に適した前記剤を意
味する。「担体」と言う言葉は、有機または無機の、天
然または合成の成分であって、活性成分との同時使用に
よって、該活性成分の処理を容易にする成分を意味す
る。薬理学的組成物の成分も、本発明の分子と、あるい
は前記成分同士で混合した際にも、所望の薬効を有意に
損なわせる相互作用を避けることもできる。いくつかの
態様において、薬理学的組成物は、本発明の薬剤を含
み、該薬剤の量は疾患を治療する量である。薬理学的組
成物は、好適な緩衝剤を含んでいてもよく、該緩衝剤に
は、酢酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、およびリン酸塩が
含まれる。薬理学的組成物は、任意に、適切な保存剤を
含んでいてもよく、該保存剤には、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ブタノール、パラベンおよびチメロザールが含
まれる。
【0120】種々の処理経路が使用可能でる。個々の態
様は、いうまでもなく選択された個々の薬剤、治療対照
症状の重度、および治療効果に要する施用量によって決
定される。本発明の方法は、全般に、如何なる施用方法
によっても実施可能であるが、該施用方法は医学的に許
容される、すなわち、活性成分の効果を発揮させ、かつ
臨床的に許容しがたい副作用がない施用方法であればよ
い。そのような施用方法には、経口的、経直腸的、局所
的、経鼻的、経皮的、または非経口的な経路が含まれ
る。「非経口的」という語には、皮下的、静脈投与的、
筋肉投与的、または潅注が含まれる。静脈投与的、また
は筋肉投与的経路は、長期治療および予防的治療にはあ
まり好適ではない。例えば、薬理的組成物は、偏頭痛に
なった対象の救急的治療においては、種々の異なった製
剤が使用可能であり、種々の施用方法として、錠剤、カ
プセル、粉、座薬、注射、および鼻腔噴霧がある。
【0121】製薬学的組成物は、使いやすいように一投
与単位に形成されてもよく、医薬品の技術分野でよく知
られた如何なる方法によって製造されてもよい。全ての
方法は、活性成分を、1または2以上の補助成分である
担体に結びつける段階を含む。一般に、組成物は均一に
製剤され、活性成分を液体担体、微細磨砕担体、または
それらの療法になじませ、必要に応じて製品として成形
される。経口投与に適した組成物は、カプセル、錠剤、
ドロップのような飲みやすい形で供されてもよく、前記
剤はいずれも事前に決められた量の活性成分を含んでい
る。他の組成物には、水性懸濁液、またはシロップ、甘
味内用液、または乳液のような非水性液体が含まれる。
【0122】非経口的施用に適した組成物は、本発明の
薬剤の水性滅菌組成物を含み、好適には被験者の血液と
等張性であることが望ましい。この水性組成物は、適切
な分散剤、または湿潤剤および懸濁剤を用い、既知の方
法に従って製剤してもよい。注射用滅菌組成物は、注射
用滅菌液、または非経口投与可能で無毒な希釈剤または
溶媒の懸濁液であってもよく、例としては、1,3−ブ
タンジオール溶液が挙げられる。使用可能な賦形剤およ
び溶媒には、水、リンゲル液、および生理食塩水があ
る。さらに、不揮発性滅菌オイルも、溶媒または懸濁媒
として使いやすい。この目的には、あらゆる普通の不揮
発性オイルを用いてもよく、合成モノグリセリドまたは
ジグリセリドが含まれる。さらに、オレイン酸のような
脂肪酸も注射用組成物中に用いてもよい。経口投与、皮
下投与、静脈投与、筋肉投与などに適した製剤担体は、
Remington’s Pharmaceutica
lSciences,Mack Publishing
Co., Easton,PAに記載されている。
【0123】他の投与方法には、経時的放出、遅発放
出、または継続的投与方法がある。前記方法によって、
活性成分の施用を繰り返さずに済むので、対象および医
師にとっての利便性が高い。数多くのタイプの放出投与
法が使用可能であり、当技術分野の通常の専門家に知ら
れている。前記放出投与法には、ポリ(ラクタイド−グ
リコライド)、コーポリオキサレート、ポリカルプロラ
クトン、ポリエステラミド、ポリオルトエステル、ポリ
水酸化酪酸、およびポリ無水化合物のようなポリマー利
用システムがある。薬剤を含む前記ポリマーのマイクロ
カプセルは、例えば米国特許第5,075,109号に
記載されている。投与法には、非ポリマーシステムもあ
り、該システムにはコレステロール、コレステロールエ
ステル、および脂肪酸のようなステロール、またはモノ
グリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドのような中
性脂質を含む脂質、水ゲル放出システム、シラスティッ
クシステム、ペプチド利用システム、ワックス被覆、通
常の結合剤および補形剤を用いた圧縮錠剤、部分融合移
植のようなものがある。
【0124】特定の例には、限定されないが、(a)活
性化合物が、米国特許第4,452,775号および第
5,736,152号に記載されているようなマトリッ
クスに含まれる、浸食システム、(b)活性成分が、米
国特許第3,854,480号、第5,133,974
号および第5,407,686号に記載されているよう
なポリマーから制御されながら浸透する分散システムが
含まれる。さらに、ポンプ利用ハードウェアデリバリー
システムも使用可能であり、いくつかは移植にも使用す
ることができる。
【0125】長期持続放出型移植の使用が望ましい場合
がある。ここでいう長期放出とは、移植が構成され、形
成され、活性成分の治療可能施用レベルが少なくとも3
0日、好ましくは60日持続することである。長期持続
放出型移植は当技術分野の通常の技術を有する技術者に
はよく知られており、上記放出システムのいくつかを含
んでいる。本発明の方法は、さらにスフィンゴシンキナ
ーゼおよびEdg受容体の活性剤および阻害剤、好まし
くはアゴニストおよびアンタゴニストを特定する方法を
含む。想定化合物にはペプチドまたはその他の生体分
子、すなわち、糖、脂肪酸、ステロール、イソプレノイ
ド、プリン、ピリミジン、前記化合物の誘導体または構
造類縁体、または前記化合物の組み合わせなどが含まれ
るが、限定はされない。ファージディスプレーライブラ
リーおよびケミカルコンビナトリアルライブラリーが、
スフィンゴシンキナーゼおよびEdg受容体の活性化す
るか、または阻害する合成化合物の選択に用いることが
できる。本発明においてさらに考えられるのは、ペプチ
ド、無作為バイオオリゴマー(米国特許第5,650,
489号)、ベンゾジアゼピン、ダイダントイン、ベン
ゾジアゼピンおよびジペプチドのようなダイバーソマ
ー、ベータ−D−グルコース支持性非ペプチドペプチド
類縁体、オリゴカーバメート、またはペプチジルホスホ
ネートからなる化合物の利用である。
【0126】1つの局面において、本発明は、小分子の
特定にライブラリーテクノロジーの利用を考えており、
該小分子には、Edg受容体リガンド結合サイト(例え
ば、Edg−3受容体リガンド結合サイト)またはEd
g受容体のタンパク相互作用領域(例えば、Gタンパク
相互作用領域)、またはスフィンゴシンキナーゼ基質結
合サイト、またはスフィンゴシンキナーゼ触媒サイトに
結合する、小ペプチドが含まれる。アゴニストおよびア
ンタゴニストの特定におけるライブラリーを使用する利
点の一つは、百万個単位の異なる想定候補化合物を、少
規模の少量の反応(合成およびスクリーニング反応にお
いて)で容易に扱える点である。ライブラリーの他の利
点は、天然資源を用いると、特に非ペプチドを用いた場
合であるが、合成不可能かもしれないアゴニストおよび
アンタゴニストを合成できることである。
【0127】これらの化合物の全てではないが多くは、
組み替え体ライブラリー、またはケミカルライブラリー
を用いて合成可能である。候補化合物の膨大な連鎖群
を、合成、または天然化合物のライブラリーから作り出
すことができる。細菌、菌、動植物抽出物の形の天然化
合物のライブラリーは、使用可能であるか、または容易
に作成可能である。天然由来または合成されたライブラ
リーおよび化合物は、従来の化学的、物理的、および生
化学的手法によって、容易に改変可能である。しかも、
スフィンゴシンキナーゼまたはEdg受容体、特にEd
g−1、Edg−3、Edg−5、またはEdg−8受
容体に結合し、さらにアゴニストまたはアンタゴニスト
として作用する化合物は、指向的または無作為な化学的
修飾、すなわち、アシル化、アルキル化、エステル化、
アミド化などの対象となり得て、その結果、同様に機能
するか、あるいはより特異的に機能する可能性がある構
造類縁体を作り出せる。
【0128】小分子のコンビナトリアルライブラリーも
作り出すことができる。有機小分子化合物のコンビナト
リアルライブラリーは、近似に類縁である化合物の集合
体であり、該化合物は、1または2以上の相違点によっ
て相互に異なり、複数ステップ工程を用いた有機化学的
技術によって合成される。例としては、スフィンゴシン
類縁体を、Edg受容体アンタゴニストとして作用する
ように合成することができる。他の例として、また、既
に述べたように、De Jongheおよび共同研究者
は、数多くの短鎖スフィンゴイド塩基を特定したが、該
短鎖スフィンゴイド塩基はスフィンゴシンキナーゼ阻害
剤として作用する、3−フルオロ−スフィンガニンを含
んでいる。このように、後者のカテゴリーに属する化合
物の類縁体は、ここで示したコンビナトリアルライブラ
リーを用いて合成することができる。
【0129】コンビナトリアルライブラリーには、膨大
な数の有機小化合物が含まれている。コンビナトリアル
ライブラリーの1タイプは、化合物連鎖群を作り出すパ
ラレル合成法によって作製される。ここで使う”化合物
連鎖群”とは、デカルト座標内空間アドレスによって特
定される化合物の集合体であり、各化合物は共通の母
核、および1または2以上の種々の構造的相違要素を有
している。このような化合物連鎖群に属する化合物は、
別個の反応容器内で平行して作ることができ、各化合物
は空間アドレスによって特定され、追跡することができ
る。パラレル合成混合物およびパラレル合成法は、19
94年1月5日出願のU.S.S.N08/177,4
97、および該出願の対応PCT特許出願である、19
95年7月13日出願のWO95/18972、および
1998年1月27日に特許化された米国特許第5,7
12,171号、および該特許の対応PCT特許出願で
あるWO96/22529に開示されており、前記文献
は引用文献に加えてある。
【0130】ここに記述した組み替えおよびケミカルラ
イブラリーを用いて作り出された化合物は、想定的化合
物を特定するために、スフィンゴシンキナーゼまたはE
dg受容体、好ましくはEdg−1、Edg−3、Ed
g−5、またはEdg−8受容体への結合活性によっ
て、最初のスクリーニングにかけることができる。ライ
ブラリー構成化合物である化合物は、スフィンゴシンキ
ナーゼまたはEdg受容体への結合活性を、in vi
troにおいて、通常の技術者が熟知している、以下に
記述する標準的なバインディングアッセイによってスク
リーニングできる。Edg受容体バインディングアッセ
イに提供されるEdg受容体は、以下のような数多くの
手段で提供されるが、限定はされず、該手段には、標的
Edg受容体を発現した細胞、Edg受容体の細胞外領
域の単離体、該単離体の断片、またはEdg受容体の細
胞外領域と免疫グロブリン、またはGSTポリペプチド
のような他タンパクとの融合体が含まれる。
【0131】いくつかのハイスルーップットスクリーニ
ングアッセイには、精製したEdg受容体、Edg受容
体の細胞外領域、または該細胞外領域と他タンパクとの
融合体が好ましく使用できる。結合対象の単離は、よく
知られた方法によって溶液または固相において行っても
よい。スフィンゴシンキナーゼへの結合には、該スフィ
ンゴシンキナーゼはフィンゴシンキナーゼを発現するこ
とが知られている細胞からの精製状態(例えば組み替え
生産体)、または細胞溶解物の状態で提供されてもよ
く、該細胞溶解物の状態は、自然条件下において、また
はスフィンゴシンキナーゼをコードしているベクターの
トランスフェクションによって得られたものでもよい。
【0132】標準のバインディングアッセイは、本技術
分野においては既知であって、多くのアッセイ系が本発
明にも適しており、該アッセイ系には、ELIZA、競
合的バインディングアッセイ(スフィンゴシンキナーゼ
およびEdg受容体のいくつかの天然の結合パートナー
が明らかになっているため、特に適している)、サンド
ウィッチアッセイ、スフィンゴシンキナーゼおよびEd
g受容体それぞれの放射線ラベルしたリガンドまたは基
質を用いるラジオレセプターアッセイ(スフィンゴシン
キナーゼおよびEdg受容体それぞれの放射線ラベルし
た天然のリガンドまたは基質を、想定アゴニストまたは
アンタゴニストと競合させる)、電気泳動移動性シフト
アッセイ、免疫的アッセイ、2または3種交雑スクリー
ンのような細胞基盤アッセイなどを含む。アッセイ系の
性質は重要ではなく、少数のライブラリーメンバーの結
合を検出するのに十分な感度であればよい。
【0133】種々の試薬も、バインディング混和物に含
ませることができる。該試薬には、塩、緩衝剤、中性タ
ンパク(例えばアルブミン)、洗浄剤のようなものが含
まれ、該試薬を、酵素−基質間、またはレセプター−リ
ガンド間の最適相互作用のために使用してもよい。他の
試薬として、反応効率を上げるものを用いてもよい。前
記試薬は、反応成分の非特異的、またはバックグランド
相互作用を減らすものであってもよい。前記アッセイ用
物質の混合物をインキュベートするが、その条件は、E
dg受容体が通常通り特異的に1または2以上の天然リ
ガンド(スフィンゴシン−1−リン酸など)に結合する
か、またはスフィンゴシンキナーゼが通常通り特異的に
1または2以上の天然リガンド(スフィンゴシン)に結
合する条件である。
【0134】組成物添加の順番、インキュベーション温
度、インキュベーション時間、および他のアッセイ条件
は、現場で設定してもよい。そのような実験は、単にア
ッセイ条件の最適化のためのものであって、アッセイの
根幹をなすものではない。インキュベーション温度は典
型的には4℃から40℃の間である。インキュベーショ
ン時間は、迅速なハイスループットスクリーニング実現
のためには必要最小限であることが好ましく、典型的に
は0.1から10時間の間である。インキュベーション
後、Edg受容体とスフィンゴシン−1−リン酸または
スクリーニングにかけられた化合物との特異的結合の有
無、またはスフィンゴシンキナーゼとスフィンゴシンま
たはスクリーニングにかけられた化合物との特異的結合
の有無を、実験者が使用し得る、簡便なあらゆる方法に
よって検出する。
【0135】典型的には、大部分のアッセイ混合物は、
試薬濃度を変えて平行してアッセイに流し、種々の濃度
に対する異なった反応を得る。前記濃度のうちの1つは
ネガティブコントロールとする。すなわち、試薬濃度を
ゼロにするか、またはアッセイの検出限界未満の濃度に
する。細胞を用いないタイプのアッセイにおいては、多
くの場合分離ステップを用いて結合成分を非結合成分か
ら分離する。分離ステップは、種々の方法によって行っ
てもよい。利便性に優れるのは、少なくとも1成分を固
体基質上に固定し、非結合成分を容易に分離できる場合
である。固体基質は極めて幅広い物質から作ることが可
能であり、形も多様にでき、例えば多糖類、寒天または
セファロースの柱状形、またはゲル、マイクロプレー
ト、マイクロビーズ、樹脂粒子などである。基質は好ま
しくは対ノイズ比が最大であり、第一義的にはバックグ
ランド結合を最小にするものを選択する。分離ステップ
はすすぎ、または洗浄を含んでもよい。
【0136】通常、1または2以上の成分は、検出可能
なレベルの量を含むか、または結合して検出可能なレベ
ルになっている。広範な種類のラベルが使用可能であ
り、直接検出が可能なもの(放射能、蛍光、光学的また
は電子密度など)、または間接検出によるもの(FLA
Gのようなエピトープタグ、ホースラディッシュペルオ
キシダ−ゼのような酵素)がある。ラベルはライブラリ
ーメンバーに結合してもよく、または、ライブラリーメ
ンバーの構造に組み込まれてもよい。Edg受容体、該
受容体のリガンドおよび本発明の活性化または阻害想定
化合物(および同様にスフィンゴシンキナーゼ、基質、
および該キナーゼの本発明による活性化または阻害想定
化合物)は、スクリーニングで用いるために、種々の方
法でラベルしてもよい。多くの異なるラベル、およびラ
ベル方法が、当技術分野における通常の技術を有する技
術者に知られている。本発明において使用し得るラベル
の種類の例には、酵素、放射性同位体、蛍光化合物、コ
ロイド金属、化学的発光化合物、および生物的発光化合
物が含まれる。
【0137】1つの態様において、ラベルは放射性同位
体であって、該放射性同位体は化合物中に合成過程にお
いて組み込まれる(例えば、32P、14C、または
Hは、それぞれ天然由来のリン、炭素、または水素との
変換に使用し得る)。好ましくは、全ての合成化合物は
共通の放射性同位体による変換を有し、該変換は類縁体
の骨格領域に都合よくなされる。当技術分野における通
常の技術を有する技術者は、スクリーニングで用いられ
る結合対象に結合させる、他の適切なラベルを聞き知る
か、または通常の実験によって確かめることになるであ
ろう。さらに、前記ラベルを、本発明のスクリーニング
アッセイにおいて用いられる結合パートナーへのカップ
リングは、当技術分野における通常の技術を有する技術
者には普通の標準的技術を用いて行うことができる。
【0138】より高い感度を得られる可能性がある他の
ラベル技術には、結合パートナーの低分子量ハプテンへ
の結合がある。該ハプテンは、続く二次反応によって特
異的に変換され得る。例えば、普通に用いられるものと
して、アビジン、またはジニトロフェノールと反応する
ビオチン、ピロドキサール、または特定の抗ハプテン抗
体と反応し得るフルオレセインがある。ラベル検出には
種々の方法を使ってもよく、該方法の種類はラベルおよ
び他のアッセイ組成物の性質に依存する。例えば、ラベ
ルの検出は、固体基質への結合中、または固体基質から
の分離後であってもよい。ラベルは直接、光学または電
子密度、放射能放射、非放熱性エネルギー移動などを用
いて検出してもよく、または、間接的に、抗体抱合体、
ストレプタビジン−ビオチン抱合体などとともに検出し
てもよい。ラベル検出方法は、当技術分野ではよく知ら
れている。
【0139】化合物がスフィンゴシンキナーゼまたはE
dg受容体に結合することが明らかになると、該化合物
を血管収縮調節能に関して、さらにスクリーニングし得
る。血管収縮に対する化合物の影響を測定するアッセイ
の例は、実施例に示した、単離血管における等尺性張力
を記録することである。該アッセイにおいては、脳底動
脈、頸動脈、冠状動脈、および大腿動脈を含むラット動
脈を集め、生理溶液に浸漬し、ミオグラフに取り付け
る。同様な動脈切片を、コントロール物質(例えば塩化
カリウムなど)、および被検化合物(例えば、スフィン
ゴシンキナーゼまたはEdg受容体への結合能によって
特定された化合物)の収縮反応の試験に用いてもよい。
スフィンゴシンキナーゼまたはEdg受容体のアゴニス
トに対する収縮反応は、KClまたはスフィンゴシン−
1−リン酸を対照に用いて直接測定できる。動脈切片に
処理する被検化合物の量は漸増させ、用量−反応曲線を
得て、および適切な用量を推定してもよい。血管収縮の
調節は、潅流単離動脈における管腔内圧を記録するアッ
セイによっても測定可能である。
【0140】他の物質のアンタゴニスト活性を測定する
には、動脈切片を試験化合物(想定アンタゴニストな
ど)とともにプレインキュベーションし、スフィンゴシ
ン−1−リン酸のような既知のアゴニストとインキュベ
ーションしてもよい。スフィンゴシン−1−リン酸によ
って得られた収縮反応の試験化合物とのプレインキュベ
ーションがあった場合となかった場合によって、該化合
物がアンタゴニスト活性を有するか否かが決まる。代替
法においては、動脈切片を試験化合物と既知アゴニスト
で同時に処理する。収縮反応を、アゴニストが単独で存
在した場合またはアゴニストおよび対照溶液において比
較し得る。収縮反応が試験化合物存在下で減少した場合
は、前記現象から、該試験化合物がアゴニスト誘導性血
管収縮に対する中和能を有することが示唆される。Ed
g受容体アゴニストまたはアンタゴニストを特定する他
の方法は、PCT特許出願WO99/35259および
PCT特許出願WO99/46277に記載されてお
り、両出願の内容は、本明細書引用文献中に全体を挿入
してある。
【0141】さらに他のスクリーニング方法において
は、スフィンゴシンキナーゼに結合する化合物のスフィ
ンゴシンキナーゼのアゴニスト活性またはアンタゴニス
ト活性を、当技術分野において既知の方法によって試験
できる。PCT特許出願WO99/12533に、スフ
ィンゴシンキナーゼのアゴニストまたはアンタゴニスト
を、放射能ラベルATP(例えば32P、33P)を検
出可能ラベル源として用い、およびシュフィンゴシンを
基質として用いることによって特定する方法が記載され
ている。適切なコントロールは、試験化合物不在かでの
読み出しデーターか、または試験化合物のみを除いたコ
ントロール溶液の読み出しデーターであってよい。放射
能ラベルスフィンゴシンリン酸の生成量の、試験化合物
をコントロール溶液に添加した場合の増加、または減少
によって、該試験化合物がスフィンゴシンキナーゼアゴ
ニスト、およびスフィンゴシンキナーゼアンタゴニスト
であることがそれぞれ示唆される。PCT特許出願WO
99/12533の全内容は、本明細書引用文献中に全
体を挿入してある。
【0142】
【実施例】スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)は、
原料から、または刺激を与えた細胞の膜のスフィンゴミ
エリンを酵素的に解裂することによって製造可能であ
る。Gタンパク共役受容体ファミリーは、Edg−1、
−3、−5、−8受容体と呼ばれ、S1Pを認識し反応
する受容体であるが、血管平滑筋細胞および上皮細胞を
含む異なるタイプの細胞中に存在が確認されている。該
受容体を刺激すると、細胞質ゾルカルシウムの一時的増
加が喚起されるため、我々は、S1Pおよびその類縁体
ジヒドロスフィンゴシン−1−リン酸(DHS1P)
が、単離血管に対して収縮作用を及ぼすか否かを検討し
た。
【0143】材料と方法 単離動脈中の収縮張力の測定 スプレーグドーリー雄ラット(250−300g)を断
頭して絶命させ、動脈を除去して生理溶液(mM:Na
Cl、118;KCl、4.6;NaHCO、25;
MgSO、1.2;KHPO、1.2;CaCl
、2.5;グルコース、10;EDTA、0.02
5;pH、7.4で、37℃)に浸漬した。動脈切片
(1.5−2mm長)を40μm長のステンレス鋼ワイ
ヤーにかけ、等尺ミオグラフ(610M、Danish
Myo Technology、Aarhus、De
nmark)に装着した。各前処理検体は、伸長せずに
生理溶液内37℃で30分間、95%酸素と5%二酸化
炭素からなるガスにさらしながら平衡を保ち、次にMu
lvany and Halpern(1977)の方
法で至適張力になるまで伸長した。前処理検体は100
mMKCl−減極液(mM:NaCl、22.6:KC
l、100,NaHCO、25;MgSO、1.
2;KHPO、1.2;CaCl、2.5;グル
コース、10;EDTA、0.025;pH、7.4)
にて刺激を与えた。洗浄と30分の回復期の後、漸増す
る濃度の5−HTにて前処理検体を処理した。洗浄と回
復期の後、最終段階として、前処理検体を漸増する濃度
のスフィンゴシン−1−リン酸(S1P)、またはジヒ
ドロスフィンゴシン−1−リン酸(DHS1P)にて処
理した。5−HT、S1P、またはDHS1Pに対する
収縮反応を100mMKClが喚起する収縮に対する%
で表した。
【0144】Edg受容体mRNA発現のRT−PCR
法による特定 ラットをペントバルビタールで麻酔し、経心的に生理食
塩水を潅流した。動脈を解剖し、直ちに−80℃にて凍結
した。全RNAは、RNeasy Minikit(Q
iagen、Velancia、CA)を用いて単離し
た。ファーストストランドcDNAは、2μgの全RN
Aを最終体積を30μlにしてインキュベートすること
によって合成し、その際Reverse Transc
riptase(Omniscript、CA)を用い
た。cDNAをPCR法によって、EDG−1、EDG
−5およびグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲ
ナーゼ(GAPDH)の特異的なプライマ−を用いて増
幅した。
【0145】EDG−1のセンスプライマ−およびアン
チセンスプライマ−は、ATG GTG TCC TC
C ACC AGC ATC CC(SEQ ID N
O:1)およびTTA AGA AGA AGA AT
T GAC GTT TCC(SEQ ID NO:
2)であり、1.1kbのcDNAが得られた。EDG
−5のセンスプライマ−およびアンチセンスプライマ−
は、ATG GCA ACT GCC CTC CCG
CCG CG(SEQ ID NO:3)およびTC
A GTT GCA GAA GAT CCC ATT
CTG(SEQID NO:4)であり、1.1kb
のcDNAが得られた。ラットGAPDHの199−b
pのcDNA断片をを増幅したものを、内部ストランド
に用いた。GAPDHのセンスプライマ−およびアンチ
センスプライマ−は、TAA AGG GCA TCC
TGA GCT ACA CT(SEQ ID NO:
5)およびTTA CTC CTT GGA GGC CA
T GTA GG(SEQ ID NO:6)であり、
1.1kbのcDNAであった。
【0146】PCR法は、1μlのRT産物を、1.2
5U RedTaq DNAポリメラーゼ(Sigm
a、St. Louis、MO)、200nMプライマ
−、10×PCRバッファー、200μMデオキシヌク
レオチド、および水(最終体積:25μl)とインキュ
ベートして行った。PCR混合物をPeltier温度
サイクラー(PTC−200、MJ Researc
h)にてインキュベートした[94℃にて30秒の変
性、55℃(GAPDHおよびEdg−5)、または5
7℃(Edg−1)での15秒間のなまし、および72
℃、45秒間の伸長。Edgでは38、およびGAPD
Hでは38の増幅サイクル]。PCR産物は寒天ゲル電
気泳動法によって大きさごとに断片化し、UV照射器に
よって可視化した。
【0147】考察および結論
【表1】 これらの結果から、S1Pが、ラット冠状動脈における
血管収縮剤の可能性があることが示される。興味深いこ
とに、S1Pは脳動脈に選択的に作用することが示唆さ
れるが、その理由は、S1Pは大腿動脈および冠状動脈
における収縮活性は低く、頸動脈においては活性がない
からである。驚くべきことに、DHS1Pは同等の活性
プロファイルを示したが、DHS1Pは通常S1Pより
効果が劣る。S1PおよびDHS1Pの作用は、特異的
な受容体(またはアイソフォーム)によってか、または
通常の受容体非介在機構によって伝達されるものかもし
れない。しかし、後者の仮説はあたらないと思われる
が、その理由は、S1P/DHS1Pに対する収縮が頸
動脈においては起こらなかったからである。
【0148】Edg受容体mRNAの分布(冠状動脈に
おけるEdg−1およびEdg−3(示さず)が優占的
であること)から、Edg−1およびEdg−3は、前
記スフィンゴリピッドの血管収縮作用を伝達するが示唆
されるとも考えられる。Edg−1受容体は培養上皮細
胞に最初に見つかったことから、S1P/DHS1Pの
血管収縮効果は、完全な形の上皮細胞の存在に依存して
いる可能性があると考えられる。剥き出しにした動脈を
用いたさらなる実験によって、この問題に対する答が明
らかになるであろう。
【0149】これらの結果は、S1PおよびDHS1P
が、潜在的血管収縮物質として作用することを示してい
る;前期発見は病生理学的に重要であるが、その理由
は、スフィンゴリピッドは活性化された血小板から放出
され得るし、そのことによって、該スフィンゴリピッド
が血管組織内に発現したEdg受容体と相互に作用し合
う可能性もあるからである。さらに、上記の脳血管に対
する相対選択的血管収縮作用から、上記リピッドが、脳
外傷および出血性脳卒中の治療において有用であること
が示唆される。
【0150】均等物 当技術分野の技術者は、単純な通常の実験手段を用い
て、ここに記載した本発明の特定の実施例に相当する多
くの均等物を認識するか、または確認できるであろう。
該均等物は、以下に述べるクレームによって網羅される
ように意図されている。配列リストをクレームの後に示
す。ここで開示した全ての引例、特許、特許出願は、全
体を引用文献として挿入してある。(我々は以下をクレ
ームする:)
【配列リストの略号】
SEQ ID NO1:Edg−1センスプライマーの
ヌクレオチド配列 SEQ ID NO2:Edg−1アンチセンスプライ
マーのヌクレオチド配列 SEQ ID NO3:Edg−5センスプライマーの
ヌクレオチド配列 SEQ ID NO4:Edg−5アンチセンスプライ
マーのヌクレオチド配列 SEQ ID NO5:GAPDHセンスプライマーの
ヌクレオチド配列 SEQ ID NO6:GAPDHアンチセンスプライ
マーのヌクレオチド配列
【0151】
【配列表】
【化1】
【化2】
【図面の簡単な説明】
【図1】異なるラット動脈のセロトニン(5−HT)、
スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)、ジヒドロスフ
ィンゴシン−1−リン酸(DHS1P)に対する収縮反
応を示す(平均±標準誤差;n≧4、但し、頸動脈と冠
状動脈のS1P/DHS1Pにおいてはn=2)。
【図2】ラット脳底動脈の5−HT、スフィンゴシン−
1−リン酸(S1P)、ジヒドロスフィンゴシン−1−
リン酸(DHS1P)に対する濃度/効果曲線を示す。
データーの点は、10回の別試験の平均(±標準誤差)
を示す。5−HTに対する反応は洗浄によって可逆的で
あったが、S1PおよびDHS1Pの効果は洗浄(2時
間)を繰り返しても減少しなかった。
【図3】異なるラット動脈中のEdg受容体mRNAの
識別を示す。Edg−1受容体およびEdg−5受容体
遺伝子を用い、特定のオリゴヌクレオチドプライマーを
PCR法により増幅したDNA、および内部スタンダー
ドとしてグリセルアルデヒド三リン酸デヒドロゲナーゼ
(GAPDH)の寒天ゲル電気泳動を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/06 A61K 37/24 (72)発明者 クリスチャン・ウェーバー アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02114、ボストン、ピンクニー ストリー ト 48 (72)発明者 マイケル エー.・モスコビッツ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02178、ベルモント、プロスペクト スト リート 257 (72)発明者 シンイチ・ヨシムラ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01446、ブルックライン、ビーコン スト リート 1530 (72)発明者 サルバトーレ・サロモン アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02143、サマービル、セントラル ストリ ート 85 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA17 BA01 BA08 BA20 BA22 BA23 CA25 DA25 DB53 NA14 ZA392 ZA412 ZC192 4C086 AA01 AA02 DA42 MA01 MA04 NA14 ZA39 ZA41 ZC19

Claims (65)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血管収縮の増強または血管拡張の抑制によ
    って治療が可能な疾患に罹患しているか、または罹患の
    危険がある対象の治療法であって、該治療を必要とする
    対象に、前記疾患を治療するのに有効な量の、Edg受
    容体シグナリングを上昇させる薬剤の施用を含むことを
    特徴とする、前記治療法。
  2. 【請求項2】薬剤がスフィンゴシンキナーゼ活性剤であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】スフィンゴシンキナーゼ活性剤がTNF−
    αまたはEGFであることを特徴とする、請求項2に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】薬剤がEdg受容体アゴニストであること
    を特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】Edg受容体アゴニストが、Edg−1受
    容体アゴニスト、Edg−3受容体アゴニスト、Edg
    −5受容体アゴニスト、およびEdg−8受容体アゴニ
    ストからなる群から選択されることを特徴とする、請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】Edg受容体アゴニストが、スフィンゴシ
    ン−1−リン酸、ジヒドロ−スフィンゴシン−1−リン
    酸、スフィンゴシン−1−リン酸類縁体、サイコシン、
    スフィンゴシルホスホリルコリンおよびリゾホスファチ
    ジル酸からなる群から選択されることを特徴とする、請
    求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】疾患が脳血管収縮または脳血管拡張によっ
    て治療可能であることを特徴とする、請求項1に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】疾患が偏頭痛であることを特徴とする、請
    求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】動脈流を減少させることによって効果が期
    待される対象の動脈流を減少させる方法であって、該治
    療を必要とする対象に、動脈流を減少させるのに有効な
    量の、Edg受容体シグナリングを上昇させる薬剤の施
    用を含むことを特徴とする、前記方法。
  10. 【請求項10】薬剤がスフィンゴシンキナーゼ活性剤で
    あることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】薬剤がスフィンゴシンキナーゼ活性剤が
    TNF−αまたはEGFであることを特徴とする、請求
    項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】薬剤がEdg受容体アゴニストであるこ
    とを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  13. 【請求項13】Edg受容体アゴニストが、Edg−1
    受容体アゴニスト、Edg−3受容体アゴニスト、Ed
    g−5受容体アゴニスト、およびEdg−8受容体アゴ
    ニストからなる群から選択されることを特徴とする、請
    求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】Edg受容体アゴニストが、スフィンゴ
    シン−1−リン酸、ジヒドロ−スフィンゴシン−1−リ
    ン酸、スフィンゴシン−1−リン酸類縁体、サイコシ
    ン、スフィンゴシルホスホリルコリンおよびリゾホスフ
    ァチジル酸からなる群から選択されることを特徴とす
    る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】動脈流が脳動脈流であることを特徴とす
    る、請求項9に記載の方法。
  16. 【請求項16】対象が偏頭痛に罹患しているか、または
    罹患する危険があることを特徴とする、請求項9に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】血管収縮の誘導によって効果が期待され
    る対象の血管収縮を誘導する方法であって、該治療を必
    要とする対象に、血管収縮を誘導するのに有効な量の、
    Edg受容体シグナリングを上昇させる薬剤の施用を含
    む前記治療法。
  18. 【請求項18】薬剤がスフィンゴシンキナーゼ活性剤で
    あることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】スフィンゴシンキナーゼ活性剤がTNF
    −αまたはEGFであることを特徴とする、請求項18
    に記載の方法。
  20. 【請求項20】薬剤がEdg受容体アゴニストであるこ
    とを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  21. 【請求項21】Edg受容体アゴニストが、スフィンゴ
    シン−1−リン酸、ジヒドロ−スフィンゴシン−1−リ
    ン酸、スフィンゴシン−1−リン酸類縁体、サイコシ
    ン、スフィンゴシルホスホリルコリンおよびリゾホスフ
    ァチジル酸からなる群から選択されることを特徴とす
    る、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】Edg受容体アゴニストが、スフィンゴ
    シン−1−リン酸、ジヒドロ−スフィンゴシン−1−リ
    ン酸、スフィンゴシン−1−リン酸類縁体、サイコシ
    ン、スフィンゴシルホスホリルコリンおよびリゾホスフ
    ァチジル酸からなる群から選択されることを特徴とす
    る、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】血管収縮が脳血管収縮であることを特徴
    とする、請求項17に記載の方法。
  24. 【請求項24】対象が偏頭痛に罹患しているか、または
    罹患する危険があることを特徴とする、請求項17に記
    載の方法。
  25. 【請求項25】血管収縮の増強または血管拡張の抑制に
    よって治療が可能な疾患に罹患しているか、または罹患
    の危険がある対象の治療法であって、該治療を必要とす
    る対象に、前記疾患を治療するのに有効な量の、Edg
    受容体シグナリングを減少させる薬剤の施用を含むこと
    を特徴とする、前記治療法。
  26. 【請求項26】薬剤がスフィンゴシンキナーゼ阻害剤で
    あることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】スフィンゴシンキナーゼ阻害剤がN,
    N’−ジメチルスフィンゴシン、D,L−スレオ−ジヒ
    ドロスフィンゴシン、高密度リポタンパク、および3−
    フルオロ−スフィンゴシン類縁体からなる群から選択さ
    れることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】薬剤がEdg受容体阻害剤であることを
    特徴とする、請求項25に記載の方法。
  29. 【請求項29】Edg受容体阻害剤が、Edg−1受容
    体阻害剤、Edg−3受容体阻害剤、Edg−5受容体
    阻害剤、およびEdg−8受容体阻害剤からなる群から
    選択されることを特徴とする、請求項28に記載の方
    法。
  30. 【請求項30】Edg受容体阻害剤が、スフィンゴシン
    またはスラミンであることを特徴とする、請求項29に
    記載の方法。
  31. 【請求項31】疾患が脳卒中、クモ膜下出血、または脳
    血管攣縮からなる群から選択されることを特徴とする、
    請求項25に記載の方法。
  32. 【請求項32】動脈流を増加させることによって効果が
    期待される対象の動脈流を増加させる方法であって、該
    治療を必要とする対象に、動脈流を増加させるのに有効
    な量の、Edg受容体シグナリングを減少させる薬剤の
    施用を含む前記治療法。
  33. 【請求項33】薬剤がスフィンゴシンキナーゼ阻害剤で
    あることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】スフィンゴシンキナーゼ阻害剤がN,
    N’−ジメチルスフィンゴシン、D,L−スレオ−ジヒ
    ドロスフィンゴシン、高密度リポタンパク、および3−
    フルオロ−スフィンゴシン類縁体からなる群から選択さ
    れることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】薬剤がEdg受容体阻害剤であることを
    特徴とする、請求項32に記載の方法。
  36. 【請求項36】Edg受容体阻害剤が、Edg−1受容
    体阻害剤、Edg−3受容体阻害剤、Edg−5受容体
    阻害剤、およびEdg−8受容体阻害剤からなる群から
    選択されることを特徴とする、請求項35に記載の方
    法。
  37. 【請求項37】Edg受容体阻害剤が、スフィンゴシン
    またはスラミンであることを特徴とする、請求項35に
    記載の方法。
  38. 【請求項38】対象が脳卒中、クモ膜下出血、または脳
    血管攣縮に罹患しているか、またはこれらに罹患する危
    険があることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
  39. 【請求項39】動脈流が脳動脈流であることを特徴とす
    る、請求項32に記載の方法。
  40. 【請求項40】疾患を治療するのに有効な量の2次薬剤
    による治療が可能な対象への、該2次薬剤の同時投与を
    含むことを特徴とする方法であって、動脈流が増加した
    結果、前記薬剤の対象の組織への到達が高まる、請求項
    32に記載の方法。
  41. 【請求項41】2次薬剤が、強壮剤、無痛覚症剤、麻酔
    剤、アドレナリン作用剤、抗アドレナリン作用的薬剤、
    アミノ酸、アンタゴニスト、解毒剤、抗不安剤、抗コリ
    ン作用剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、制吐剤、抗てんかん剤、
    抗高血圧剤、抗プラスミン剤、抗高脂血症剤、抗偏頭痛
    剤、抗悪心剤、抗腫瘍(脳癌)剤、抗強迫剤、抗パーキ
    ンソン病剤、抗精神病剤、食欲抑制剤、血中グルコース
    調節剤、認知補助剤、認知増強剤、ドーパミン作用剤、
    催吐剤、フリー酸素ラジカル捕捉剤、糖質コルチコイ
    ド、低コレステロール性、脂質過多性、ヒスタミンH2
    受容体アンタゴニスト、免疫抑制性阻害剤、記憶補助
    剤、情緒活動増強剤、気分調節剤、散瞳剤、神経筋遮断
    剤、神経保護剤、NMDAアンタゴニスト、脳卒中およ
    び頭部外傷治療剤、向精神剤、鎮静剤、鎮静催眠剤、セ
    ロトニン阻害剤性精神安定剤および脳虚血治療剤、カル
    シウムチャンネル遮断剤、フリーラジカル捕捉剤−抗酸
    化剤、GABAアンタゴニスト、グルタミン酸アンタゴ
    ニスト、AMPAアンタゴニスト、カイニン酸アンタゴ
    ニスト、競合性および非競合性NMDAアンタゴニス
    ト、成長因子、オピオイドアンタゴニスト、ホスファチ
    ジルコリン前駆体、セロトニンアゴニスト、ナトリウム
    チャンネルおよびカルシウムチャンネル遮断剤、および
    カリウムチャンネルオープナーからなる群から選択され
    る、請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】血管収縮阻害が有効である対象の血管収
    縮を阻害する方法であって、該治療を必要とする対象
    に、血管収縮を阻害するのに有効な量の、Edg受容体
    シグナリングを減少させる薬剤の施用を含むことを特徴
    とする、前記方法。
  43. 【請求項43】薬剤がスフィンゴシンキナーゼ阻害剤で
    あることを特徴とする、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】スフィンゴシンキナーゼ阻害剤がN,
    N’−ジメチルスフィンゴシン、D,L−スレオ−ジヒ
    ドロスフィンゴシン、高密度リポタンパク、および3−
    フルオロ−スフィンゴシン類縁体からなる群から選択さ
    れることを特徴とする、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】薬剤がEdg受容体阻害剤であることを
    特徴とする、請求項42に記載の方法。
  46. 【請求項46】Edg受容体阻害剤が、Edg−1受容
    体阻害剤、Edg−3受容体阻害剤、Edg−5受容体
    阻害剤、およびEdg−8受容体阻害剤からなる群から
    選択されることを特徴とする、請求項45に記載の方
    法。
  47. 【請求項47】Edg受容体阻害剤が、スフィンゴシン
    またはスラミンであることを特徴とする、請求項45に
    記載の方法。
  48. 【請求項48】対象が脳卒中、クモ膜下出血、または脳
    血管攣縮に罹患しているか、または罹患する危険がある
    ことを特徴とする、請求項42に記載の方法。
  49. 【請求項49】血管収縮が脳血管収縮であることを特徴
    とする、請求項42に記載の方法。
  50. 【請求項50】血管収縮を調節する薬剤を特定する方法
    であって、スフィンゴシンキナーゼに結合する薬剤の選
    択、およびスフィンゴシンキナーゼに結合する前記薬剤
    が血管収縮を調節するかの決定を含み、前記薬剤存在下
    における血管収縮の変化が、血管収縮を調節する物質の
    存在を示唆する、前記方法。
  51. 【請求項51】血管収縮を調節する薬剤を特定する方法
    であって、Edg受容体に結合する薬剤の選択、および
    Edg受容体に結合する前記薬剤が血管収縮を調節する
    かの決定を含み、前記薬剤存在下における血管収縮の変
    化が、血管収縮を調節する物質の存在を示唆することを
    特徴とする、前記方法。
  52. 【請求項52】血管収縮の促進または血管拡張の阻害に
    よって治療可能な疾患の治療に有効な量で、Edg受容
    体シグナリングを上昇させる薬剤、および薬学的に許容
    し得る担体を含む薬学的製剤。
  53. 【請求項53】薬剤がスフィンゴシンキナーゼ活性剤で
    あることを特徴とする、請求項52に記載の製剤。
  54. 【請求項54】スフィンゴシンキナーゼ活性剤がTNF
    −αまたはEGFであることを特徴とする、請求項53
    に記載の製剤。
  55. 【請求項55】薬剤がEdg受容体アゴニストであるこ
    とを特徴とする、請求項52に記載の製剤。
  56. 【請求項56】Edg受容体アゴニストが、Edg−1
    受容体アゴニスト、Edg−3受容体アゴニスト、Ed
    g−5受容体アゴニスト、およびEdg−8受容体アゴ
    ニストからなる群から選択されることを特徴とする、請
    求項55に記載の製剤。
  57. 【請求項57】Edg受容体アゴニストが、スフィンゴ
    シン−1−リン酸、ジヒドロ−スフィンゴシン−1−リ
    ン酸、スフィンゴシン−1−リン酸類縁体、サイコシ
    ン、スフィンゴシルホスホリルコリンおよびリゾホスフ
    ァチジル酸からなる群から選択されることを特徴とす
    る、請求項56に記載の製剤。
  58. 【請求項58】疾患が偏頭痛であることを特徴とする、
    請求項52に記載の製剤。
  59. 【請求項59】薬学的製剤であって、血管拡張の促進ま
    たは血管収縮の阻害によって治療可能な疾患の治療に有
    効な量で、Edg受容体シグナリングを下降させる薬
    剤、および薬学的に許容し得る単体を含むことを特徴と
    する、前記製剤。
  60. 【請求項60】薬剤がスフィンゴシンキナーゼ阻害剤で
    あることを特徴とする、請求項59に記載の製剤。
  61. 【請求項61】スフィンゴシンキナーゼ阻害剤がN,
    N’−ジメチルスフィンゴシン、D,L−スレオ−ジヒ
    ドロスフィンゴシン、高密度リポタンパク、および3−
    フルオロ−スフィンゴシン類縁体からなる群から選択さ
    れることを特徴とする、請求項60に記載の製剤。
  62. 【請求項62】薬剤がEdg受容体阻害剤であることを
    特徴とする、請求項59に記載の製剤。
  63. 【請求項63】Edg受容体阻害剤が、Edg−1受容
    体阻害剤、Edg−3受容体阻害剤、Edg−5受容体
    阻害剤、およびEdg−8受容体阻害剤からなる群から
    選択されることを特徴とする、請求項62に記載の製
    剤。
  64. 【請求項64】Edg受容体阻害剤が、スフィンゴシン
    またはスマリンであることを特徴とする、請求項62に
    記載の製剤。
  65. 【請求項65】疾患が脳卒中、クモ膜下出血、または脳
    血管攣縮からなる群から選択されることを特徴とする、
    請求項59に記載の製剤。
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