JPH08198876A - トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミド・1メタンスルホン酸塩・1水和物 - Google Patents

トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミド・1メタンスルホン酸塩・1水和物

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JPH08198876A
JPH08198876A JP1246395A JP1246395A JPH08198876A JP H08198876 A JPH08198876 A JP H08198876A JP 1246395 A JP1246395 A JP 1246395A JP 1246395 A JP1246395 A JP 1246395A JP H08198876 A JPH08198876 A JP H08198876A
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Tadamasa Saito
忠正 斉藤
Kyo Harada
協 原田
Toshio Kawahara
利雄 川原
Hiroyuki Sato
裕行 佐藤
Minoru Obata
実 小畑
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−
b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチルシク
ロヘキサンカルボキサミド・1メタンスルホン酸塩・1
水和物。 【効果】 本発明の1メタンスルホン酸塩・1水和物
は、高い溶解性を示し、吸湿性を示さず、水溶液中の安
定性も高い塩であり、特に、吸入剤(溶液、粉末)、注
射剤、点眼剤等のいずれの製剤にも使用できる有用な塩
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトランス−N−(1H−
ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グ
アニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミド(以下、
本化合物という)の新規な1メタンスルホン酸塩・1水
和物に関する。
【0002】
【従来の技術】本化合物は平滑筋弛緩作用を有し高血
圧、狭心症、気管支喘息、末消循環障害、緑内障の治療
薬として極めて有用なものであり、その2塩酸塩・1水
和物(式(II))が特開平6−41080号に開示さ
れている。
【0003】
【化2】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記公報記載の本化合
物の2塩酸塩・1水和物は水に対する溶解性が良いが放
置しておくと1塩酸塩として結晶が析出してくる。ま
た、結晶多形も存在し単一の結晶形で単離することが困
難であった。さらに、これらの塩酸塩の水溶液は酸性に
傾いており、本化合物自体の安定性も悪いことがわかっ
た。
【0005】このような塩では吸入剤(溶液、粉末)、
注射剤、点眼剤等としての薬剤の開発は非常に困難であ
るため、これに代わる塩の検討をする必要があった。そ
こで本発明者らは製薬上使用頻度の高いフマル酸、マレ
イン酸、酒石酸、塩酸、臭化水素酸、乳酸、硫酸、コハ
ク酸、リン酸を用いて本化合物の各種塩を形成した。そ
の結果、リン酸塩は結晶化しないこと、また、それ以外
の塩は水への溶解性が低いことを確認した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の問題
を克服するために種々検討を重ねた結果、1メタンスル
ホン酸塩・1水和物の結晶が高い溶解性に加え、高い安
定性を有することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明はトランス−N−(1H−ピラゾ
ロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジ
ノメチルシクロヘキサンカルボキサミドの1メタンスル
ホン酸塩・1水和物に関するものである。本化合物の1
メタンスルホン酸塩・1水和物は、 1)塩酸塩や他の製薬上繁用されている酸との塩と比べ
て水に対して高い溶解性を示す、 2)吸湿性を示さない、 3)安定な1倍塩として析出し、やや過剰に酸を加えて
も1倍塩として析出する、 4)水溶液がほぼ中性であるため水溶液中で本化合物が
安定である、 5)水からの再結晶が可能であるためコストが安く、残
存溶媒の心配が無い、 という利点がある。以上のことから吸入剤(溶液、粉
末)、注射剤、点眼剤等いずれの製剤にも使用できる有
用な塩である。
【0007】本化合物の新規な1メタンスルホン酸塩・
1水和物は次のようにして合成することができる。トラ
ンス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−
4−イル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカル
ボキサミドをメタノール、エタノール、イルプロパノー
ル、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミドなど
の溶媒に溶解し、この溶液に1〜1.5当量のメタンス
ルホン酸を水、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミドな
どに溶解した溶液を加え、撹拌または放置、場合によっ
ては冷却する。析出する結晶を水、メタノール、エタノ
ール、アセトンあるいは水−メタノール、水−エタノー
ル、水−アセトン、メタノール−エタノール、メタノー
ル−酢酸エチル、メタノール−アセトンなどの混合溶媒
から再結晶することにより精製することができる。特
に、本化合物の1メタンスルホン酸塩・1水和物は、水
から再結晶できることから、有機溶媒の混入のない純度
の高い塩を簡便な操作で入手することが可能である。
【0008】また、原料であるトランス−N−(1H−
ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グ
アニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミドは前記特
開平6−41080号で報告した合成法で合成すること
ができるが、以下に示す合成法によっても効率的に合成
することができる。
【0009】
【化3】
【0010】(ここで、Rはトリチル、ジフェニルメチ
ル、4,4’−ジメトキシトリチル、(4,4’−ジメ
トキシ)ジフェニルメチルなどのアミンの保護基を示
す。R1はアセチル、トリフルオロアセチル、ホルミ
ル、ベンジルオキシカルボニル、第三級ブトキシカルボ
ニルなどのアミンの保護基を示す。R2 は水素、トリチ
ル、ジフェニルメチル、4,4’−ジメトキシトリチ
ル、(4,4’−ジメトキシ)ジフェニルメチルなどを
示す。R3 は水素、ベンジルオキシカルボニル、第三級
ブトキシカルボニルなどを示す。) 特開平6−41080号で得られた4−アミノ−1H−
ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン(III)を塩基存在
下、保護基のハロゲン体と反応することで1位に選択的
に保護基を導入した化合物(IV)が得られる。保護基
のハロゲン体としてはトリチルクロライド、トリチルブ
ロマイド、ジフェニルメチルクロライド、4,4’−ジ
メトキシトリチルブロマイド、(4,4’−ジメトキ
シ)ジフェニルメチルクロライドなどが挙げられる。反
応は不活性な溶媒の存在下行われるが、通常、ジクロロ
メタン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、ジメチ
ルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサンなどの水酸基を含まない有機溶
媒が用いられる。また、適当な塩基としては、例えばト
リエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有
機塩基が用いられる。反応は任意の温度、たとえば−1
0〜200℃、好ましくは0〜100℃で行われる。ま
た、後処理として活性な溶媒、たとえばメタノール、エ
タノール、イソプロパノールなどが用いられる。
【0011】化合物(IV)から化合物(V)への変換
は、R1 で示されるアミンの保護基で保護したトラネキ
サム酸のカルボキシル基の反応性誘導体を塩基の存在
下、あるいは縮合剤の存在下、化合物(IV)と縮合す
ることにより達成される。カルボキシル基の反応性誘導
体とは酸ハライド、酸無水物、クロロギ酸エチルなどか
ら形成される混合酸無水物、メチルエステル、エチルエ
ステルなどのエステル、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ドなどのカルボジイミドから生成される反応性誘導体な
どが挙げられる。塩基はトリエチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミンなどの有機塩基が使われる。また、縮
合剤としてはジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)、1−エチル−(N−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド(WSC)、ベンゾトリアゾリル−N−ヒ
ドロキシトリスジメチルアミノホスホニウムヘキサフル
オロリン化物塩(BOP)、カルボジイミダゾール(C
DI)などの縮合剤が挙げられる。反応は、反応に不活
性な溶媒の存在下に行われるが、通常、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、クロロホル
ム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
イミダゾリジノンなどの水酸基を含まない溶媒が用いら
れる。反応は任意の温度、たとえば−10〜200℃、
好ましくは0〜100℃で行われる。
【0012】化合物(V)から化合物(VI)への保護
基の除去は文献記載の方法(Protective g
roups in organic synthesi
s,Greene,Wuts著)にて容易に行うことが
できる。また、R1 のみを除去するばかりでなく、Rも
同時にあるいは段階的に除去することもできる。たとえ
ば、R1 がトリフルオロアセチル基の場合、炭酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア−
メタノール、水酸化バリウムなど、R1 がホルミル基の
場合、塩酸、臭化水素酸、接触還元(水素/パラジウム
炭素)、接触水素移動還元(ギ酸、ギ酸アンモニウム、
ヒドラジン/パラジウム炭素)、ヒドラジン、水酸化ナ
トリウムなどが用いられる。R1 がベンジルオキシカル
ボニル基の場合、接触還元(水素/パラジウム炭素)、
臭化水素−酢酸溶液などが、R1が第3級ブトキシ基の
場合には酢酸、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、臭化水
素酸などの酸が用いられる。
【0013】さらに、化合物(VI)のR2 が水素の化
合物を得る場合、R1 を除去するときに使用される塩
酸、トリフルオロ酢酸、臭化水素酸、臭化水素−酢酸な
どの酸を用いることにより達成される。また、R2 を選
択的に除去する場合にはギ酸、酢酸などの弱酸を用いる
ことで行うことができる。化合物(VI)から化合物
(VII)への変換は次のようにして行うことができ
る。R3 が水素の場合は適当な塩基の存在下、S−メチ
ルイソチオ尿素、アミノイミノメタンスルホン酸、3,
5−ジメチルアミノピラゾール−1−カルボキサミジ
ン、アミノピラゾール−1−カルボキサミジンなどのグ
アニジノ化試薬と反応することによって化合物(VI
I)を得ることができる。ここで用いる反応溶液は水、
あるいはメタノール、エタノール、アセトン、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
トルエンなどが用いられる。塩基としてはトリエチルア
ミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基ある
いは炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム
などの無機塩基が用いられる。反応は任意の温度、たと
えば−10〜200℃、好ましくは0〜100℃で行わ
れる。
【0014】R3 が第三級ブトキシカルボニル基の場合
にはチオ尿素から容易に導くことができるN,N’−ジ
第三級ブトキシカルボニルチオ尿素と化合物(VI)を
塩基の存在下、適当な縮合剤あるいは硫黄の活性化剤と
反応させることにより化合物(VII)を合成すること
ができる。適当な縮合剤とはジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)、1−エチル−(N−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド(WSC)、ベンゾトリアゾ
リル−N−ヒドロキシトリスジメチルアミノホスホニウ
ムヘキサフルオロリン化物塩(BOP)、カルボジイミ
ダゾール(CDI)などが挙げられる。硫黄の活性化剤
として、塩化水銀、塩化銅などの金属ハロゲン化物など
が用いられる。反応の溶媒として、メタノール、エタノ
ール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミ
ド、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、トルエンなどが用いられる。
塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミンなどの有機塩基が用いられる。反応は任意の温
度、たとえば−10〜200℃、好ましくは0〜100
℃で行われる。
【0015】R3 がベンジルオキシカルボニル基の場合
にはS−メチルイソチオ尿素から容易に合成することが
できるN,N’−ジベンジルオキシカルボニル−S−メ
チルイソチオ尿素と化合物(VI)を塩基存在下反応す
ることにより化合物(VII)を合成することができ
る。反応の溶媒として、メタノール、エタノール、アセ
トン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、トルエンなどが用いられる。塩基として
はトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなど
の有機塩基が用いられる。反応は任意の温度、たとえば
−10〜200℃、好ましくは0〜100℃で行われ
る。
【0016】R2 ,R3 に保護基を有する化合物(VI
I)から化合物(VIII)への変換は、化合物(V)
から化合物(VI)への保護基の除去に使用したのと同
様の条件で行うことができる。本発明で得られた本化合
物の1メタンスルホン酸塩・1水和物は水への溶解性が
よく、吸湿性が低くかつ安定であることから特に安全に
かつ容易に吸入剤(溶液、粉末)、注射剤、点眼剤等に
製剤化することができる。その製剤化する上で、液剤と
する場合は、溶剤として精製水、生理食塩水が使用さ
れ、添加剤としてブドウ糖、亜硫酸水素ナトリウム、エ
デト酸ナトリウム、塩化ベンザルコリウム、クエン酸、
クロロブタノール、サッカリンナトリウム、酒石酸、大
豆レシチン、トリオレイン酸ソルビタン、無水クエン
酸、オレイン酸などが用いられる。また、スクロース、
デンプン、マンニット、ソルビット、ラクトース、グル
コース、セルロースなどの賦形剤も用いることができ、
さらに、必要に応じて、安定剤、保存剤、懸濁剤、分散
剤、希釈剤などを適宜添加することができる。
【0017】
【作用】本発明の1メタンスルホン酸塩・1水和物は高
い溶解性を示し、吸湿性を示さず、水溶液中の安定性も
高い。また、塩の合成上簡便な操作で安定な1倍塩とし
て得ることが可能で、水から再結晶できることから有機
溶媒の混入のない純度の高い塩を得ることができる。
【0018】また、以上のことから、本化合物の1メタ
ンスルホン酸塩・1水和物は、吸入剤(溶液、粉末)、
注射剤、点眼剤等いずれの製剤にも使用できる有用な塩
である。本化合物は平滑筋弛緩作用を有することから、
高血圧、狭心症、気管支喘息、末梢循環障害、緑内障の
治療剤として有用であり、その投与量は患者の年齢、体
重、症状などにより変化しうるが、通常成人1日当た
り、吸入剤(溶液、粉末)、注射剤、点眼剤等のいずれ
の場合も0.1〜100mg程度であり、これを1回ま
たは数回に分けて投与することができる。
【0019】特に、吸入剤として投与する場合、通常、
1回本化合物の1メタンスルホン酸・1水和物として
0.1〜100mgを深呼吸しながらネブライザーを用
いて吸入する。あるいは、1回1〜2吸入を1日3回に
分けて吸入器を用いて吸入投与することもできる。な
お、症状により投与量は適宜増減できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例および参考例により詳
細に説明する。 実施例1 トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジ
ン−4−イル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサン
カルボキサミド11.5gを、メタノ−ル120mlに
溶解し、メタンスルホン酸3.6g、ついで酢酸エチル
240mlを加え、氷冷下で結晶化した。得られた結晶
を、ジメチルホルムアミド30mlおよびメタノール2
5mlで50℃加温下に溶解し、酢酸エチル200ml
を加えて結晶化した。得られた結晶を水380mlより
再結晶し、トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−
b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチルシク
ロヘキサンカルボキサミド・1メタンスルホン酸塩・1
水和物8.5gを得た。融点259〜260℃ PMR(DMSO−d6 /TMS )δ(ppm):
0.99(2H,m),1.45(3H,m),1.8
2(2H,m),1.94(2H,m),2.33(3
H,s),2.53(1H,m),2.99(2H,d
d,J=6.3,6.4Hz),6.60〜7.31
(5H,m),7.76(1H,d,J=5.3H
z),8.32(1H,d,J=5.3Hz),8.3
7(1H,d,J=1.5Hz),10.36(1H,
s),13.51(1H,s) IR(KBr):3366,3181,2938,16
76,1632,1182,1046cm-1 元素分析: C H N 推定値 44.74 6.32 22.88 分析値 44.64 6.28 22.88 参考例1
【0021】
【化4】
【0022】4−アミノ−1−ピラゾロ〔3,4−b〕
ピリジン・塩酸塩120gとジイソプロピルエチルアミ
ン430mlのアセトニトリル2.41懸濁溶液にトリ
チルクロライド470gを加え、室温にて5時間撹拌し
た。反応終了後、析出した結晶を濾取し、乾燥する。続
いてこの結晶をメタノール2.21に加え、40〜60
℃で1時間撹拌した。反応終了後、不溶物を濾去し、濾
液を濃縮して得られた結晶をクロロホルム−メタノール
から再結晶することにより4−アミノ−1−トリチル−
1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン165.5gを
得た。融点261〜264℃ 参考例2
【0023】
【化5】
【0024】トランス−4−(N−ベンジルオキシカル
ボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸10g
をジクロロメタン150mlに懸濁し、この中に塩化チ
オニル7.3mlを滴下し、室温で1.5時間撹拌し
た。反応終了後、反応液を減圧濃縮すると無色の固体が
得られる。さらにベンゼンで2回共沸すると、トランス
−4−(N−ベンジルオキシカルボニル)アミノメチル
シクロヘキサンカルボン酸クロライドの無色の固体11
gを得た。続いて、4−アミノ−1−トリチル−1H−
ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン110g、ジイソプロ
ピルエチルアミン12ml、ジクロロメタン100ml
の溶液に室温下、トランス−4−(N−ベンジルオキシ
カルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸ク
ロライド11gのジクロロメタン100ml溶液を15
分かけて滴下し、室温で2時間撹拌した。反応終了後、
飽和食塩水、水各々100mlずつで洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、トランス−
4−(N−ベンジルオキシカルボニル)アミノメチル−
N−(1−トリチル−1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピ
リジン−4−イル)シクロヘキサンカルボキサミドの黄
色の固体を17g得た。融点99.5〜102.5℃ PMR(CDCl3 /TMS)δ(ppm):0.83
〜1.00(2H,m),1.40〜2.20(9H,
m),2.98(2H,m),4.76(1H,m),
5.06(2H,s),7.09〜7.32(20H,
m),7.69(1H,d,J=4.9Hz),8.0
6(1H,s),8.49(1H,s) 参考例3
【0025】
【化6】
【0026】トランス−4−(N−ベンジルオキシカル
ボニル)アミノメチル−N−(1−トリチル−1H−ピ
ラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)シクロヘキ
サンカルボキサミド17gをギ酸100mlに溶解し、
55〜60℃で6時間半撹拌した。反応終了後、結晶を
濾別し、濾液を減圧下に濃縮し淡褐色の油状物を得た。
水100mlに溶解し、飽和重曹水でpH9にすると結
晶が析出する。濾過後、濾液を水、酢酸エチル−メタノ
ール混合溶媒で洗浄し、トランス−4−(N−ベンジル
オキシカルボニル)アミノメチル−N−(1H−ピラゾ
ロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)シクロヘキサン
カルボキサミドの無色の固体7.39gを得た。融点2
49〜250℃(分解) PMR(DMSO−d6 /TMS)δ(ppm):0.
96(2H,m),1.37〜1.46(3H,m),
1.79〜1.98(4H,m),2.49(1H,
m),2.90(2H,dd,J=6.2,6.3H
z),5.01(2H,s),7.28〜7.38(6
H,m),7.76(1H,d,J=5.4Hz),
8.31(1H,d,J=5.4Hz),8.37(1
H,s),10.34(1H,s),13.50(1
H,s) 参考例4
【0027】
【化7】
【0028】トランス−4−(N−ベンジルオキシカル
ボニル)アミノメチル−N−(1H−ピラゾロ〔3,4
−b〕ピリジン−4−イル)シクロヘキサンカルボキサ
ミド7.36gを、ジオキサン200mlとジメチルホ
ルムアミド50mlの混合溶媒に溶解し、10%−パラ
ジウム炭素存在下、50℃で6時間水素添加を行った。
反応終了後、触媒を濾別し、減圧下、溶媒を留去した。
メタノール−酢酸エチル2:1より結晶化して、トラン
ス−4−アミノメチル−N−(1H−ピラゾロ〔3,4
−b〕ピリジン−4−イル)シクロヘキサンカルボキサ
ミドの無色の結晶を3.36g得た。融点254〜25
6℃(分解) PMR(DMSO−d6 /TMS)δ(ppm):0.
96(2H,m),1.21(1H,m),1.44
(2H,m),1.84〜1.92(4H,m),2.
39(2H,d,J=6.4Hz),2.53(1H,
m),3.20〜3.50(3H,m),7.77(1
H,d,J=5.3Hz),8.32(1H,d,J=
5.3Hz),8.38(1H,s),10.34(1
H,s) 参考例5
【0029】
【化8】
【0030】S−メチルイソチオ尿素20gのジクロロ
メタン160ml溶液に、水酸化ナトリウム5.75g
を水80mlに溶解して加えた。氷冷下、水酸化ナトリ
ウム12.9gを水80mlに溶解した溶液と、塩化ベ
ンジルオキシカルボニル46.2mlを同時に滴下し、
室温で4時間撹拌した。ジクロロメタンで抽出し、有機
層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去し、無色油状物を得た。ヘキサン−エーテルから結
晶化し、ヘキサン−酢酸エチルから再結晶し、N,N’
−ジベンジルオキシカルボニル−S−メチルイソチオ尿
素の無色の結晶を23g得た。融点113.5〜115
℃ PMR(CDCl3 /TMS)δ(ppm):2.40
(3H,s),5.16(2H,s),5.18(2
H,s),7.29〜7.39(10H,m),11.
82(1H,s) 続いて、トランス−4−アミノメチル−N−(1H−ピ
ラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)シクロヘキ
サンカルボキサミド3.28g、トリエチルアミン2m
lおよびメタノール50mlの懸濁液に、氷冷下、N,
N−ジベンジルオキシカルボニル−S−メチルイソチオ
尿素5.16gを加え、室温で2時間撹拌した。析出し
た結晶を濾取し、メタノールから再結晶することによ
り、トランス−4−(2’,3’−ジベンジルオキシカ
ルボニルグアニジノメチル)−N−(1H−ピラゾロ
〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)シクロヘキサンカ
ルボキサミドの無色の結晶を4.12g得た。 PMR(DMSO−d6 /TMS)δ(ppm):1.
02(2H,m),1.42(2H,m),1.58
(1H,m),1.78(2H,m),1.91(2
H,m),2.50(1H,m),3.24(2H,
m),5.03(2H,s),5.21(2H,s),
7.32〜7.43(10H,m),7.76(1H,
d,J=5.3Hz),8.32(1H,d,J=5.
3Hz),8.36(1H,s),8.42(1H,
m),10.34(1H,s),11.52(1H,
s),13.50(1H,s) 参考例6
【0031】
【化9】
【0032】トランス−4−(2’,3’−ジベンジル
オキシカルボニルグアニジノメチル)−N−(1H−ピ
ラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)シクロヘキ
サンカルボキサミド3.25gを、ジオキサン50ml
とジメチルホルムアミド200mlの混合溶媒に溶解
し、10%−パラジウム炭素存在下、50℃で2時間水
素添加を行った。反応終了後、触媒を濾別し、減圧下、
溶媒を留去した。メタノ−ルより結晶化して、トランス
−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−
イル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボキ
サミドの無色の結晶を1.3g得た。融点300℃以上 PMR(DMSO−d6 /TMS)δ(ppm):1.
30(2H,m),1.48〜1.57(3H,m),
1.82(2H,m),1.96(2H,m),2.6
6(1H,m),3.05(2H,d,J=4.9H
z),3.40〜4.50(6H,m),7.60(1
H,d,J=4.9Hz),8.13(1H,d,J=
4.9Hz),8.34(1H,s)
【0033】
【発明の効果】本発明の作用効果は、以下の実験例等に
よって確認できる。 実験例1:安定性試験 〔方法〕原体約50mgを蒸留水5mlに溶解させて6
0℃で48時間放置後、各溶液の不純物の量をHPLC
(面積百分率)にて測定した。その結果を第1表に示
す。
【0034】HPLC条件 カラム:STR ODSII(島津) 移動相:0.05MNaClO4 (pH2.5):CH
3 CN(4.4:1) 流速:1ml/min 検出:UV272nm
【0035】
【表1】 表 1 ──────────────────────────────────── 本化合物の塩 初期値 60℃ 48時間 ──────────────────────────────────── 2塩酸塩・1水和物 0.06% 1.73% 1メタンスルホン酸塩・1水和物 0.0% 0.44% ──────────────────────────────────── 実験例2:溶解性試験 〔方法〕原体を水(蒸留水)に懸濁し、2時間37℃で
振盪した後、遠心分離し、ミリポア濾過して資料を調整
する。溶解度はHPLCの絶対検量線にて算出する。
【0036】HPLC条件 カラム:STR ODSII(島津) 移動相:0.05MNaClO4 (pH2.5):CH
3 CN(4.4:1) 流速:1ml/min 検出:UV272nm 実験例3:吸湿性試験 〔方法〕原体約1gを、室温下(25℃)相対湿度52
%、75%、82%、93%に保った容器に1ケ月間保
存し、経時的にその重量を測定し、吸湿率とする。
【0037】なお、各相対湿度は以下の飽和溶液にて設
定する。 52%(硝酸マグネシウム) 75%(塩化ナトリウム) 82%(塩化カリウム) 93%(硝酸カリウム) 上記の実験例により、本発明の1メタンスルホン酸塩・
1水和物は、高い溶解性を示し、吸湿性を示さず、水溶
液中の安定性も高い塩であり、吸入剤(溶液、粉末)、
注射剤、点眼剤等のいずれの製剤にも使用できる有用な
塩である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 裕行 埼玉県入間市小谷田3丁目7番25号 吉富 製薬株式会社創薬第一研究所内 (72)発明者 小畑 実 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉 富製薬株式会社創薬第二研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 により表されるトランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,
    4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチル
    シクロヘキサンカルボキサミド・1メタンスルホン酸塩
    ・1水和物
JP1246395A 1995-01-30 1995-01-30 トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミド・1メタンスルホン酸塩・1水和物 Pending JPH08198876A (ja)

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