JPWO2003019972A1 - 無線基地装置、送信電力制御方法、および送信電力制御プログラム - Google Patents
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Abstract
アダプティブアレイ基地局(1000)は、空間多重接続しているユーザ1の端末およびユーザ2の端末のそれぞれに対し、通話チャネルにおいて、下り送信信号のシンボル点においてのみ下り送信信号が大きくなるように送信電力を制御しているので、それぞれのユーザ端末に対する送信電力が互いに干渉成分となることを防止することができる。これにより、各ユーザ端末における下り受信性能を改善することができる。
Description
技術分野
この発明は、無線基地装置、送信電力制御方法、および送信電力制御プログラムに関し、特に、複数の端末装置が無線基地局に空間多重接続する移動体通信システムにおいて、空間多重接続している各端末装置における下り信号の受信性能を改善した無線基地装置、送信電力制御方法、および送信電力制御プログラムに関する。
背景技術
近年、急速に発達しつつある移動体通信システム(たとえば、Personal Handyphone System:以下、PHS)では、電波の周波数利用効率を高めるために、同一周波数の同一タイムスロットを空間的に分割することにより複数ユーザの無線端末装置(端末)を無線基地局(基地局)に空間多重接続させることができるPDMA(Path Division Multiple Access)方式が提案されている。
このPDMA方式では、現在のところアダプティブアレイ技術が採用されている。アダプティブアレイ処理とは、端末からの受信信号に基づいて、基地局のアンテナごとの受信係数(ウェイト)からなるウェイトベクトルを計算して適応制御することによって、所望の端末からの信号を正確に抽出する処理である。
このようなアダプティブアレイ処理により、各ユーザ端末のアンテナからの上り信号は、基地局のアレイアンテナによって受信され、受信指向性を伴って分離抽出されるとともに、基地局から当該端末への下り信号は、端末のアンテナに対する送信指向性を伴ってアレイアンテナから送信される。
このようなアダプティブアレイ処理は周知の技術であり、たとえば菊間信良著の「アレーアンテナによる適応信号処理」(科学技術出版)の第35頁〜第49頁の「第3章 MMSEアダプティブアレー」に詳細に説明されているので、ここではその動作原理についての説明を省略する。
なお、以下の説明においては、このようなアダプティブアレイ処理を用いて端末に対する下りの送信指向性制御を行なう基地局をアダプティブアレイ基地局と称する。
このようなアダプティブアレイ技術を用いた空間多重接続では、多重接続している複数のユーザ端末の電波同士が互いに干渉波として影響する傾向があり、安定した空間多重接続を維持するためにはこのような干渉波の影響を軽減することが常に求められている。
ところで、従来のアダプティブアレイ基地局では、当該基地局に接続している各ユーザの端末に対し、ほぼ一定の送信電力で下り信号を送信していた。当該基地局に接続しているユーザ端末が1つのときはこのような定電力の送信で特に問題はない。
しかしながら、当該基地局に複数のユーザ端末が同一周波数および同一タイムスロットで空間多重接続しているときには、前述のように各ユーザ端末への下り送信電力が、他のユーザ端末への干渉波として働き、他のユーザ端末の下り信号の受信性能が劣化する可能性があった。このため、各ユーザ端末は、安定した空間多重接続を維持することが困難になるという問題があった。
それゆえに、この発明の目的は、複数の端末が基地局に空間多重接続している場合に、それぞれの端末への下り送信信号が互いに干渉波として影響し合うことを防止し、端末での下り受信性能を改善した、無線基地装置、送信電力制御方法、および送信電力制御プログラムを提供することである。
発明の開示
この発明の1つの局面は、複数の端末装置と空間多重接続が可能な無線基地装置であって、信号処理手段と、送信電力制御手段とを備える。信号処理手段は、複数の端末装置と空間多重接続を介して信号を送受信するための信号処理を実行する。送信電力制御手段は、空間多重接続している複数の端末装置の各々に対し、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおける送信電力がシンボル点以外のタイミングにおける送信電力よりも大きくなるように、送信電力を変化させる送信電力制御を実行する。
好ましくは、送信電力制御手段は、空間多重接続している複数の端末装置のそれぞれに対する下り送信信号の送信タイミングが互いに異なる場合に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力制御手段は、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で同期が確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力制御手段は、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で通話チャネルが確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力制御手段は、複数の端末装置による空間多重接続が解消された後において、単独で接続している端末装置に対し、送信電力の変化を停止する。
この発明の他の局面は、複数の端末装置と空間多重接続が可能な無線基地装置における送信電力制御方法であって、複数の端末装置と空間多重接続を介して信号を送受信するための信号処理を実行するステップと、空間多重接続している複数の端末装置の各々に対し、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおける送信電力がシンボル点以外のタイミングにおける送信電力よりも大きくなるように、送信電力を変化させるステップとを備える。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、空間多重接続している複数の端末装置のそれぞれに対する下り送信信号の送信タイミングが互いに異なる場合に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で同期が確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で通話チャネルが確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、複数の端末装置による空間多重接続が解消された後において、単独で接続している端末装置に対し、送信電力の変化を停止する。
この発明のさらに他の局面は、複数の端末装置と空間多重接続が可能な無線基地装置における送信電力制御プログラムであって、コンピュータに、複数の端末装置と空間多重接続を介して信号を送受信するための信号処理を実行するステップと、空間多重接続している複数の端末装置の各々に対し、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおける送信電力がシンボル点以外のタイミングにおける送信電力よりも大きくなるように、送信電力を変化させるステップとを実行させる。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、空間多重接続している複数の端末装置のそれぞれに対する下り送信信号の送信タイミングが互いに異なる場合に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で同期が確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で通話チャネルが確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、複数の端末装置による空間多重接続が解消された後において、単独で接続している端末装置に対し、送信電力の変化を停止する。
この発明によれば、無線基地装置において、空間多重接続しているそれぞれの端末に対し、下り送信信号のシンボル点においてのみ下り送信電力が大きくなるように下り送信電力制御を行なっているので、それぞれの端末に対する送信電力が互いに対する干渉成分となることを防止し、端末における下り受信性能を改善することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、この発明の送信電力制御の基本原理を模式的に説明する概念図である。
図1を参照して、当該アダプティブアレイ基地局に対し、ユーザ1の端末およびユーザ2の端末が空間多重接続しているものとする。
前述のように、従来のアダプティブアレイ基地局では、接続しているどのユーザに対しても、(少なくともたとえば1フレーム期間中は)ほぼ一定の送信電力で下り信号を送信している。図1に示した破線1aは、この従来方法によってユーザ1に対して送信される一定の下り送信電力レベルを表わしており、破線2aは、この従来方法によってユーザ2に対して送信される一定の下り送信電力レベルを表わしている。このような各ユーザの一定の下り送信電力は、同時に空間多重接続している他のユーザにとっては干渉成分として機能する。
これに対して、この発明では、空間多重接続時の特に通話チャネルにおいては、多重接続しているそれぞれのユーザに対する送信タイミングが互いにずらされていることに注目したものであり、図1の実線1bおよび2bで示すように、各ユーザに対する下り送信信号のシンボル点(図1の白丸印)のタイミングでのみ送信電力が大きくなるように送信電力の制御を行なう。
より具体的には、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおいて送信電力を上げるか、シンボル点以外のタイミングで送信電力を下げるように、アダプティブアレイ基地局において下り送信電力の制御を行なう。
図1に示すように、ユーザ1およびユーザ2に対する送信タイミングは互いにずらされているので、一方のユーザのシンボル点では他方のユーザへの送信電力が下げられており、このため他方のユーザへの下り送信電力が、一方のユーザのシンボル点の情報に対する干渉成分として影響する可能性は低くなる。
この結果、各端末での下り受信性能は改善され、安定した空間多重接続を維持することができる。
なお、端末側では一般に、下り信号を受信復調するときには、シンボル点の情報のみを使用するように復調タイミングを制御しているので、シンボル点以外のタイミングにおける下り送信電力が小さくても、そのことによって端末における特性が劣化することはない。
図2は、図1に関連して説明した送信電力制御を行なうための、この発明の実施の形態によるアダプティブアレイ基地局1000の構成を示す概略ブロック図である。
図2を参照して、アダプティブアレイ基地局1000は、複数本のアンテナ、たとえばアンテナ11,12からなるアレイアンテナを備えている。
アンテナ11,12は、それぞれ、無線部21,22に接続される。無線部21および22は全く同じ構成を有しており、無線部21の構成のみ図示し説明することとする。
無線部21は、スイッチ110と、送信部111と、受信部112と、D/A変換機113と、A/D変換機114とを備えている。
受信時には、アンテナ11で受信した信号が受信部112に与えられるようにスイッチ110は切換わる。受信部112に与えられた受信信号は、そこで、増幅、周波数変換などの各種のアナログ信号処理が施され、A/D変換機114によりデジタル信号に変換されて、ユーザ信号処理部50に与えられる。
ユーザ信号処理部50は、後述するアダプティブアレイ処理により、各ユーザの信号を分離抽出する。分離抽出された各ユーザの受信信号は、通常のモデム部60およびベースバンド処理およびTDMA/TDD処理部70に与えられて必要な復調処理および時分割処理が施され、元の信号に復元されて公衆回線網90に供給される。
一方、送信時には、公衆回線網90から与えられた送信信号は、ベースバンド処理およびTDMA/TDD処理部70およびモデム部60に与えられて必要な時分割処理および変調処理が施され、ユーザ信号処理部50に与えられる。
ユーザ信号処理部50においては、後述するように下り送信指向性が制御され、無線部21のD/A変換機113でアナログ信号に変換される。
アナログ信号に変換された送信信号は、送信部111で、増幅、周波数変換など、無線送信に必要な各種のアナログ信号処理が施される。
送信時には、スイッチ110は、送信部111とアンテナ11とを接続するように切換わり、送信部111で無線処理された送信信号は、アンテナ11から送信される。
無線部22を介しても同様の処理が実行される。
なお、図2のアダプティブアレイ基地局1000は、この発明の特徴部分である制御部80を備えており、モデム部60およびベースバンド処理およびTDMA/TDD処理部70からの情報に基づいて、各ユーザに対する下り送信信号のシンボル点のタイミングを判定してその結果をユーザ信号処理部50に与える。制御部80の動作については後述する。
図2に示したユーザ信号処理部50および制御部80の処理は、実際には、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いてソフトウェアで実現される。
図3は、図2に示したユーザ信号処理部50の構成を示す機能ブロック図である。ユーザ信号処理部50は、ユーザA信号処理部50aと、ユーザB信号処理部Bとから構成される。
ユーザA信号処理部50aおよびユーザB信号処理部50bは全く同じ構成を有しており、ユーザA信号処理部50aの構成のみ図示し説明することとする。
図2のアンテナ11に対応する無線部21の受信部112からA/D変換機114を介して与えられたデジタルの受信信号およびアンテナ12に対応する無線部22の図示しない受信部から図示しないA/D変換機を介して与えられたデジタルの受信信号がユーザA信号処理部50aおよびユーザB信号処理部50bに共通に与えられる。
以下に、ユーザA信号処理部50aに与えられたこれらのデジタル信号の処理について説明する。ユーザA信号処理部50aに与えられたこれらの信号に対しては、図3に示す機能ブロック図にしたがって、基地局1000の図示しないDSPにより、ソフトウェア的にアダプティブアレイ処理が施される。
図3を参照して、無線部21,22よりユーザA信号処理部50aに与えられた2系統のデジタル受信信号からなる受信信号ベクトルは、乗算器MR1,MR2のそれぞれの一方入力に与えられるとともに、受信ウェイトベクトル計算機52aに与えられる。
受信ウェイトベクトル計算機52aは、後述するアダプティブアレイアルゴリズムにより、アンテナごとのウェイトからなるウェイトベクトルを算出し、乗算器MR1,MR2のそれぞれの他方入力に与えて、対応するアンテナからの受信信号ベクトルとそれぞれ複素乗算する。加算器AD1によりその複素乗算結果の総和であるアレイ出力信号が得られる。
上述のような複素乗算和の結果であるアレイ出力信号は、復調およびエラー判定部51aによってビットデータへの復調およびエラー判定がなされた後、分離抽出されたユーザAからの受信信号として図2のモデム部60に供給される。同様に、ユーザB信号処理部50bからは、分離抽出されたユーザBからの受信信号がモデム部60に供給される。
受信ウェイトベクトル計算機52aでは、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやSMI(Sample Matrix Inversion)アルゴリズムのようなアダプティブアレイアルゴリズムを使用している。
このようなRLSアルゴリズムやSMIアルゴリズムは、アダプティブアレイ処理の分野では周知の技術であり、先に述べたように菊間信良著の「アレーアンテナによる適応信号処理」(科学技術出版)の第35頁〜第49頁の「第3章 MMSEアダプティブアレー」に詳細に説明されているので、ここではその説明を省略する。
一方、図2のモデム部60からの送信信号が、送信信号変調部53aによって変調され、図2の制御部80からの信号で制御される送信波形整形回路55aを介して、乗算器MT1,MT2のそれぞれの一方入力端子に与えられ、乗算器MT1,MT2のそれぞれの他方入力端子には、受信ウェイトベクトル計算機52aで計算された受信ウェイトベクトルが送信ウェイトベクトル計算機54aでコピーされて送信ウェイトベクトルとして印加される。
このように、ユーザA信号処理部50aおよびユーザB信号処理部50bのそれぞれにおいて送信ウェイトベクトルとの複素乗算で重み付けされた2系統のデジタル送信信号は合成され、それぞれ無線部21,22に与えられる。
無線部21,22に与えられたデジタル送信信号は、それぞれアンテナ11,12を介して送信される。
受信時と同じアンテナ11,12を介して送信される信号には、受信信号と同様に特定の端末をターゲットとするウェイトベクトルによる重み付けがされているため、これらのアンテナから送信された電波信号は、この特定の端末をターゲットとする送信指向性を伴って飛ばされることになる。
ここで、図2に示した制御部80は、モデム部60およびベースバンド処理およびTDMA/TDD処理部70からの情報に基づき、各ユーザに対する送信信号のシンボル点のタイミングを検知し、図1に示すタイミングで各ユーザに対する送信電力波形を制御するための信号を、図3の各ユーザ信号処理部の送信波形整形回路55aに与え、送信波形整形回路55aは、この信号に応じて、図1に示すタイミングで、対応する端末の送信電力を変化させる。
図4は、この発明の実施の形態による送信電力制御開始シーケンスを示すタイミング図である。より具体的に、図4は、アダプティブアレイ基地局と、既接続のユーザ端末1および新規多重接続のユーザ端末2との間の信号のやり取りを示すものである。
まず、既接続の端末1とアダプティブアレイ基地局との間では、すでに通話チャネルTCHが確立され、音声等のデータの通信が行なわれているものとする。このように、基地局に接続している同一周波数および同一タイムスロットのユーザ端末が1つの場合には、干渉成分として影響を及ぼす対象となる他のユーザ端末が存在しないため、図1の実線1b,2bで示すような波形による下り送信電力の制御は行なわず、図1の破線1a,2aで示すような一定電力での下り信号の送信が行なわれる。
この状態で、新規に多重接続をしようとする同一周波数および同一タイムスロットの端末2からリンクチャネルLCH割当て要求が基地局に対してなされる。基地局は、これに応じて、LCH割当てを実行する。
次に、端末2からは上り同期バースト信号が基地局に送信され、これに応じて基地局からは下り同期バースト信号が端末2に送信される。
これらの基地局と新規端末2とのやり取りは、制御チャネルCCHのシーケンスであり、この期間中、端末1および2に対する送信タイミングはずらされていない。したがって、この制御チャネルの期間中には、図1の実線で示すような送信電力制御は行なわない。
制御チャネルにおいて同期バーストのやり取りが終わると、基地局と新規端末2との間に同期が確立され、通話チャネルTCHに移行して音声等のデータの通信が開始される。同期が確立した後の通話チャネルにおいては、端末1および2に対する送信タイミングは、図1に示すように互いにずらされるため、図1の実線1bおよび2bで示す波形の下り送信電力制御が開始される。そして、端末1および2に対する通信継続中にも、それぞれの端末に対して図1の実線で示す送信電力波形による制御が続行される。
図5は、この発明の実施の形態による送信電力制御停止シーケンスを示すタイミング図である。
図4に関してすでに説明したように、端末1および2に対する通信継続中にも、それぞれの端末に対して図1の実線で示す送信電力波形による制御が続行される。図5を参照して、そのような状態において、何らかの原因により、端末2の接続が切断されたり、端末2から受信状態が劣化して通話チャネルの切替を基地局に要求するTCH切替がなされた場合には、空間多重接続は切断され、端末2に占有されていた通話チャネルTCHは解放される。
この結果、端末1のみが基地局に接続する図4の冒頭の部分に戻ることとなり、この単一の端末に対しては、通話チャネル継続中であっても、図1の実線で示すような波形の下り送信電力制御は停止し、一定電力による下り信号の送信に切替える。
次に、図6は、図1、図4および図5に示したこの発明の送信電力制御方法を実現するために、アダプティブアレイ基地局1000のDSP(図2の制御部80およびユーザ処理部50(特に図3の送信波形整形回路55a)に相当)によって実行される送信電力制御方法を示すフロー図である。
まず、アダプティブアレイ基地局が、先に図4の冒頭部分に示したように空間多重接続なしで単一の端末と通信中の場合(ステップS1)、基地局は、図1の実線波形で示すような送信電力制御は行なわず、一定の下り送信電力で端末と通信を行なう(ステップS2)。
そして、新規のユーザ端末から空間多重接続の要求の有無が判定され(ステップS3)、要求がなければ基地局は、そのまま送信電力制御無しで(一定の送信電力で)端末との通信を続行する(ステップS9)。
一方、新規のユーザ端末から多重接続の要求有りと判定されると(ステップS3)、次に当該新規ユーザ端末が、図4で先に説明した制御チャネルのやり取りを通じて、基地局との間で同期を確立したか否かが判定される(ステップS4)。
同期が確立されていなければ、基地局は、送信電力制御無しで(一定送信電力で)端末との通信を続行する(ステップS9)。
一方、同期が確立されていると判定されると(ステップS4)、次に当該新規ユーザ端末が通話チャネルで基地局と通信を開始したか否かが判定される(ステップS5)。
通話チャネルで通信を開始していなければ、基地局は、送信電力制御無しで(一定送信電力で)端末との通信を続行する(ステップS9)。
一方、通話チャネルで通信を開始していると判定されると(ステップS5)、基地局は、既接続の端末および新規接続の端末のそれぞれに対し、図1の実線波形1b,2bで示すような送信電力制御を開始する(ステップS6)。
そして、ステップS7で既接続の端末および新規接続の端末との空間多重接続による通信が続行されているか否かが判定され、空間多重接続が維持されていれば、図1の実線波形で示すような送信電力制御を継続し(ステップS8)、ステップS7で空間多重接続での通信が終了したことが判定されるまで、ステップS7および8の処理が繰返される。
ステップS7で空間多重接続での通信が終了したことが判定されると、基地局は、送信電力制御無しで(一定送信電力で)端末との通信を続行する(ステップS9)。
以上のように、この発明の実施の形態では、空間多重接続時に、同期確立後の通話チャネルにおいて、下り送信タイミングが互いにずらされたユーザ1および2に対し、図1の実線1bおよび2bで示すような波形の送信電力制御を行なうことにより、一方のユーザのシンボル点の情報に対する他方のユーザへの下り送信電力の干渉波としての影響を軽減することができ、各ユーザ端末の受信性能の劣化を防止することができる。
また、図1の実線1bおよび2bで示すような増減を伴う送信電力制御を行なうことによってシンボル点と他のタイミングとの送信電力レベル差が確保されていれば、たとえ端末からの上り信号に受信エラーが生じてアダプティブアレイ基地局においてウェイトベクトルが一時的に形成できなくなり、このため送信指向性も一時的に失われた場合であっても、下り送信信号は十分なSN比を確保することができ、端末において下り送信信号の正確な復調が可能となる。
次に、この発明の送信電力制御が実施された場合とされなかった場合との性能比較のために行なわれたフィールド試験について説明する。
図7は、この発明の送信電力制御のフィールド試験の試験モデルを示す模式図である。この試験は、上述のこの発明による送信電力制御技術を搭載した、PHS用のPDMA基地局(Cell Station:以下、CS)と、PHS用の端末(Personal Station:以下、PS)とを用いて行なわれた。
図7の試験モデルを参照して、このフィールド試験の試験条件および試験環境について説明する。この試験では、1台のCSに対し、12台のPSが用意され(図示の都合上、図7では8台のみ図示)、最大で4多重を想定した。また、各PSは、受信用に固定されたホイップアンテナで信号を受信するものとした。
各PSは、ユーザの歩行速度に相当する約4km/hの移動速度で、CSから約1km離れたポイントを中心に、半径約200〜300mの円上を周回移動するものとした。
また、試験場所としては、郊外の見通しが良好な場所ば選ばれ、試験時間は30分であった。
次に、試験手順について説明する。まず、PS側での手順について説明する。
最初に、PSを発呼し、発呼に失敗した場合(通信中にまで移行できなかった場合)、即時に再発呼する。以下、発呼に成功するまで(通信中に移行できるまで)、発呼を繰返す。
なお、通信中に、無線の異常によりPSが切断された場合、PS側の試験者は、切断回数をカウントするとともに即時に再発呼する。試験中にPSから切断することはないものとする。以上の手順を試験終了まで繰返すものとする。
次に、CS側での手順について説明する。CS側では、試験中に発生したPS起動干渉回避数およびCS起動干渉回避数をカウントする。また、PSが通信中である時間(無線使用時間)をカウントする。今回の試験で使用したCSはこれらを自動でカウントする機能を有している。
図8は、このような送信電力制御のフィールド試験の結果の表を示す図である。この表に用いられた語句について以下に簡単に説明する。
PSTCH:PS起動干渉回避数。下り性能が劣化することにより、PSが干渉回避(TCH切替)を起こした回数を示す。
CSTCH:CS起動干渉回避数。上り性能が劣化することにより、CSが干渉回避(TCH切替)を起こした回数を示す。
PS H.O.:PS起動ハンドオーバ数。下り性能が劣化することにより、PSがハンドオーバを起こした回数を示す。ただし、この試験では、CSが1台であるため、PSはハンドオーバを起動しない。
CS H.O.:CS起動ハンドオーバ数。上り性能が劣化することにより、CSがハンドオーバを起こした回数を示す。ただし、この試験では、CSが1台(単局)であるため、他局へのハンドオーバは起こらない。図8の表のハンドオーバ数は、自局内ハンドオーバ(切戻り)数を含んでいる。
無線使用時間:12台のPSの通信時間の合計。
PS干渉回避率:下り性能劣化のため、PSが起こした1秒当たりの干渉回避率。
CS干渉回避率:上り性能劣化のため、CSが起こした1秒当たりの干渉回避率。
図8の対比表から見られるように、送信電力制御ありの場合は、送信電力制御なしの場合に比べて、無線使用時間は同等、下り干渉回避は約50%減少するという結果が得られた。
すなわち、この発明による送信電力制御を用いれば、他のユーザへの干渉が減少するとともに、より安定した空間多重接続を行うことができることが明らかになった。
以上のように、この発明によれば、無線基地装置において、空間多重接続しているそれぞれの端末に対し、下り送信信号のシンボル点においてのみ下り送信電力が大きくなるように下り送信電力制御を行なっているので、空間多重接続しているそれぞれの端末に対する送信電力が互いに対する干渉成分となることを防止し、端末における下り受信性能を改善することができる。このため、複数端末による安定した空間多重接続を維持することが可能となる。
産業上の利用可能性
この発明によれば、下り送信電力制御により空間多重接続している各端末の受信性能を改善したので、複数の端末が基地局に空間多重接続する移動体通信システムにおいて有効である。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明の送信電力制御の基本原理を模式的に示す概念図である。
図2は、この発明の実施の形態によるアダプティブアレイ基地局の構成を示す概略ブロック図である。
図3は、図2に示したユーザ信号処理部50の構成を示す機能ブロック図である。
図4は、この発明の実施の形態による送信電力制御開始シーケンスを示すタイミング図である。
図5は、この発明の実施の形態による送信電力制御停止シーケンスを示すタイミング図である。
図6は、この発明の実施の形態による送信電力制御方法を示すフロー図である。
図7は、この発明の送信電力制御のフィールド試験の試験モデルを示す模式図である。
図8は、この発明の送信電力制御のフィールド試験の結果を示す図である。
この発明は、無線基地装置、送信電力制御方法、および送信電力制御プログラムに関し、特に、複数の端末装置が無線基地局に空間多重接続する移動体通信システムにおいて、空間多重接続している各端末装置における下り信号の受信性能を改善した無線基地装置、送信電力制御方法、および送信電力制御プログラムに関する。
背景技術
近年、急速に発達しつつある移動体通信システム(たとえば、Personal Handyphone System:以下、PHS)では、電波の周波数利用効率を高めるために、同一周波数の同一タイムスロットを空間的に分割することにより複数ユーザの無線端末装置(端末)を無線基地局(基地局)に空間多重接続させることができるPDMA(Path Division Multiple Access)方式が提案されている。
このPDMA方式では、現在のところアダプティブアレイ技術が採用されている。アダプティブアレイ処理とは、端末からの受信信号に基づいて、基地局のアンテナごとの受信係数(ウェイト)からなるウェイトベクトルを計算して適応制御することによって、所望の端末からの信号を正確に抽出する処理である。
このようなアダプティブアレイ処理により、各ユーザ端末のアンテナからの上り信号は、基地局のアレイアンテナによって受信され、受信指向性を伴って分離抽出されるとともに、基地局から当該端末への下り信号は、端末のアンテナに対する送信指向性を伴ってアレイアンテナから送信される。
このようなアダプティブアレイ処理は周知の技術であり、たとえば菊間信良著の「アレーアンテナによる適応信号処理」(科学技術出版)の第35頁〜第49頁の「第3章 MMSEアダプティブアレー」に詳細に説明されているので、ここではその動作原理についての説明を省略する。
なお、以下の説明においては、このようなアダプティブアレイ処理を用いて端末に対する下りの送信指向性制御を行なう基地局をアダプティブアレイ基地局と称する。
このようなアダプティブアレイ技術を用いた空間多重接続では、多重接続している複数のユーザ端末の電波同士が互いに干渉波として影響する傾向があり、安定した空間多重接続を維持するためにはこのような干渉波の影響を軽減することが常に求められている。
ところで、従来のアダプティブアレイ基地局では、当該基地局に接続している各ユーザの端末に対し、ほぼ一定の送信電力で下り信号を送信していた。当該基地局に接続しているユーザ端末が1つのときはこのような定電力の送信で特に問題はない。
しかしながら、当該基地局に複数のユーザ端末が同一周波数および同一タイムスロットで空間多重接続しているときには、前述のように各ユーザ端末への下り送信電力が、他のユーザ端末への干渉波として働き、他のユーザ端末の下り信号の受信性能が劣化する可能性があった。このため、各ユーザ端末は、安定した空間多重接続を維持することが困難になるという問題があった。
それゆえに、この発明の目的は、複数の端末が基地局に空間多重接続している場合に、それぞれの端末への下り送信信号が互いに干渉波として影響し合うことを防止し、端末での下り受信性能を改善した、無線基地装置、送信電力制御方法、および送信電力制御プログラムを提供することである。
発明の開示
この発明の1つの局面は、複数の端末装置と空間多重接続が可能な無線基地装置であって、信号処理手段と、送信電力制御手段とを備える。信号処理手段は、複数の端末装置と空間多重接続を介して信号を送受信するための信号処理を実行する。送信電力制御手段は、空間多重接続している複数の端末装置の各々に対し、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおける送信電力がシンボル点以外のタイミングにおける送信電力よりも大きくなるように、送信電力を変化させる送信電力制御を実行する。
好ましくは、送信電力制御手段は、空間多重接続している複数の端末装置のそれぞれに対する下り送信信号の送信タイミングが互いに異なる場合に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力制御手段は、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で同期が確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力制御手段は、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で通話チャネルが確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力制御手段は、複数の端末装置による空間多重接続が解消された後において、単独で接続している端末装置に対し、送信電力の変化を停止する。
この発明の他の局面は、複数の端末装置と空間多重接続が可能な無線基地装置における送信電力制御方法であって、複数の端末装置と空間多重接続を介して信号を送受信するための信号処理を実行するステップと、空間多重接続している複数の端末装置の各々に対し、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおける送信電力がシンボル点以外のタイミングにおける送信電力よりも大きくなるように、送信電力を変化させるステップとを備える。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、空間多重接続している複数の端末装置のそれぞれに対する下り送信信号の送信タイミングが互いに異なる場合に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で同期が確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で通話チャネルが確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、複数の端末装置による空間多重接続が解消された後において、単独で接続している端末装置に対し、送信電力の変化を停止する。
この発明のさらに他の局面は、複数の端末装置と空間多重接続が可能な無線基地装置における送信電力制御プログラムであって、コンピュータに、複数の端末装置と空間多重接続を介して信号を送受信するための信号処理を実行するステップと、空間多重接続している複数の端末装置の各々に対し、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおける送信電力がシンボル点以外のタイミングにおける送信電力よりも大きくなるように、送信電力を変化させるステップとを実行させる。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、空間多重接続している複数の端末装置のそれぞれに対する下り送信信号の送信タイミングが互いに異なる場合に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で同期が確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で通話チャネルが確立した後に、送信電力の変化を実行する。
好ましくは、送信電力を変化させるステップは、複数の端末装置による空間多重接続が解消された後において、単独で接続している端末装置に対し、送信電力の変化を停止する。
この発明によれば、無線基地装置において、空間多重接続しているそれぞれの端末に対し、下り送信信号のシンボル点においてのみ下り送信電力が大きくなるように下り送信電力制御を行なっているので、それぞれの端末に対する送信電力が互いに対する干渉成分となることを防止し、端末における下り受信性能を改善することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、この発明の送信電力制御の基本原理を模式的に説明する概念図である。
図1を参照して、当該アダプティブアレイ基地局に対し、ユーザ1の端末およびユーザ2の端末が空間多重接続しているものとする。
前述のように、従来のアダプティブアレイ基地局では、接続しているどのユーザに対しても、(少なくともたとえば1フレーム期間中は)ほぼ一定の送信電力で下り信号を送信している。図1に示した破線1aは、この従来方法によってユーザ1に対して送信される一定の下り送信電力レベルを表わしており、破線2aは、この従来方法によってユーザ2に対して送信される一定の下り送信電力レベルを表わしている。このような各ユーザの一定の下り送信電力は、同時に空間多重接続している他のユーザにとっては干渉成分として機能する。
これに対して、この発明では、空間多重接続時の特に通話チャネルにおいては、多重接続しているそれぞれのユーザに対する送信タイミングが互いにずらされていることに注目したものであり、図1の実線1bおよび2bで示すように、各ユーザに対する下り送信信号のシンボル点(図1の白丸印)のタイミングでのみ送信電力が大きくなるように送信電力の制御を行なう。
より具体的には、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおいて送信電力を上げるか、シンボル点以外のタイミングで送信電力を下げるように、アダプティブアレイ基地局において下り送信電力の制御を行なう。
図1に示すように、ユーザ1およびユーザ2に対する送信タイミングは互いにずらされているので、一方のユーザのシンボル点では他方のユーザへの送信電力が下げられており、このため他方のユーザへの下り送信電力が、一方のユーザのシンボル点の情報に対する干渉成分として影響する可能性は低くなる。
この結果、各端末での下り受信性能は改善され、安定した空間多重接続を維持することができる。
なお、端末側では一般に、下り信号を受信復調するときには、シンボル点の情報のみを使用するように復調タイミングを制御しているので、シンボル点以外のタイミングにおける下り送信電力が小さくても、そのことによって端末における特性が劣化することはない。
図2は、図1に関連して説明した送信電力制御を行なうための、この発明の実施の形態によるアダプティブアレイ基地局1000の構成を示す概略ブロック図である。
図2を参照して、アダプティブアレイ基地局1000は、複数本のアンテナ、たとえばアンテナ11,12からなるアレイアンテナを備えている。
アンテナ11,12は、それぞれ、無線部21,22に接続される。無線部21および22は全く同じ構成を有しており、無線部21の構成のみ図示し説明することとする。
無線部21は、スイッチ110と、送信部111と、受信部112と、D/A変換機113と、A/D変換機114とを備えている。
受信時には、アンテナ11で受信した信号が受信部112に与えられるようにスイッチ110は切換わる。受信部112に与えられた受信信号は、そこで、増幅、周波数変換などの各種のアナログ信号処理が施され、A/D変換機114によりデジタル信号に変換されて、ユーザ信号処理部50に与えられる。
ユーザ信号処理部50は、後述するアダプティブアレイ処理により、各ユーザの信号を分離抽出する。分離抽出された各ユーザの受信信号は、通常のモデム部60およびベースバンド処理およびTDMA/TDD処理部70に与えられて必要な復調処理および時分割処理が施され、元の信号に復元されて公衆回線網90に供給される。
一方、送信時には、公衆回線網90から与えられた送信信号は、ベースバンド処理およびTDMA/TDD処理部70およびモデム部60に与えられて必要な時分割処理および変調処理が施され、ユーザ信号処理部50に与えられる。
ユーザ信号処理部50においては、後述するように下り送信指向性が制御され、無線部21のD/A変換機113でアナログ信号に変換される。
アナログ信号に変換された送信信号は、送信部111で、増幅、周波数変換など、無線送信に必要な各種のアナログ信号処理が施される。
送信時には、スイッチ110は、送信部111とアンテナ11とを接続するように切換わり、送信部111で無線処理された送信信号は、アンテナ11から送信される。
無線部22を介しても同様の処理が実行される。
なお、図2のアダプティブアレイ基地局1000は、この発明の特徴部分である制御部80を備えており、モデム部60およびベースバンド処理およびTDMA/TDD処理部70からの情報に基づいて、各ユーザに対する下り送信信号のシンボル点のタイミングを判定してその結果をユーザ信号処理部50に与える。制御部80の動作については後述する。
図2に示したユーザ信号処理部50および制御部80の処理は、実際には、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いてソフトウェアで実現される。
図3は、図2に示したユーザ信号処理部50の構成を示す機能ブロック図である。ユーザ信号処理部50は、ユーザA信号処理部50aと、ユーザB信号処理部Bとから構成される。
ユーザA信号処理部50aおよびユーザB信号処理部50bは全く同じ構成を有しており、ユーザA信号処理部50aの構成のみ図示し説明することとする。
図2のアンテナ11に対応する無線部21の受信部112からA/D変換機114を介して与えられたデジタルの受信信号およびアンテナ12に対応する無線部22の図示しない受信部から図示しないA/D変換機を介して与えられたデジタルの受信信号がユーザA信号処理部50aおよびユーザB信号処理部50bに共通に与えられる。
以下に、ユーザA信号処理部50aに与えられたこれらのデジタル信号の処理について説明する。ユーザA信号処理部50aに与えられたこれらの信号に対しては、図3に示す機能ブロック図にしたがって、基地局1000の図示しないDSPにより、ソフトウェア的にアダプティブアレイ処理が施される。
図3を参照して、無線部21,22よりユーザA信号処理部50aに与えられた2系統のデジタル受信信号からなる受信信号ベクトルは、乗算器MR1,MR2のそれぞれの一方入力に与えられるとともに、受信ウェイトベクトル計算機52aに与えられる。
受信ウェイトベクトル計算機52aは、後述するアダプティブアレイアルゴリズムにより、アンテナごとのウェイトからなるウェイトベクトルを算出し、乗算器MR1,MR2のそれぞれの他方入力に与えて、対応するアンテナからの受信信号ベクトルとそれぞれ複素乗算する。加算器AD1によりその複素乗算結果の総和であるアレイ出力信号が得られる。
上述のような複素乗算和の結果であるアレイ出力信号は、復調およびエラー判定部51aによってビットデータへの復調およびエラー判定がなされた後、分離抽出されたユーザAからの受信信号として図2のモデム部60に供給される。同様に、ユーザB信号処理部50bからは、分離抽出されたユーザBからの受信信号がモデム部60に供給される。
受信ウェイトベクトル計算機52aでは、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやSMI(Sample Matrix Inversion)アルゴリズムのようなアダプティブアレイアルゴリズムを使用している。
このようなRLSアルゴリズムやSMIアルゴリズムは、アダプティブアレイ処理の分野では周知の技術であり、先に述べたように菊間信良著の「アレーアンテナによる適応信号処理」(科学技術出版)の第35頁〜第49頁の「第3章 MMSEアダプティブアレー」に詳細に説明されているので、ここではその説明を省略する。
一方、図2のモデム部60からの送信信号が、送信信号変調部53aによって変調され、図2の制御部80からの信号で制御される送信波形整形回路55aを介して、乗算器MT1,MT2のそれぞれの一方入力端子に与えられ、乗算器MT1,MT2のそれぞれの他方入力端子には、受信ウェイトベクトル計算機52aで計算された受信ウェイトベクトルが送信ウェイトベクトル計算機54aでコピーされて送信ウェイトベクトルとして印加される。
このように、ユーザA信号処理部50aおよびユーザB信号処理部50bのそれぞれにおいて送信ウェイトベクトルとの複素乗算で重み付けされた2系統のデジタル送信信号は合成され、それぞれ無線部21,22に与えられる。
無線部21,22に与えられたデジタル送信信号は、それぞれアンテナ11,12を介して送信される。
受信時と同じアンテナ11,12を介して送信される信号には、受信信号と同様に特定の端末をターゲットとするウェイトベクトルによる重み付けがされているため、これらのアンテナから送信された電波信号は、この特定の端末をターゲットとする送信指向性を伴って飛ばされることになる。
ここで、図2に示した制御部80は、モデム部60およびベースバンド処理およびTDMA/TDD処理部70からの情報に基づき、各ユーザに対する送信信号のシンボル点のタイミングを検知し、図1に示すタイミングで各ユーザに対する送信電力波形を制御するための信号を、図3の各ユーザ信号処理部の送信波形整形回路55aに与え、送信波形整形回路55aは、この信号に応じて、図1に示すタイミングで、対応する端末の送信電力を変化させる。
図4は、この発明の実施の形態による送信電力制御開始シーケンスを示すタイミング図である。より具体的に、図4は、アダプティブアレイ基地局と、既接続のユーザ端末1および新規多重接続のユーザ端末2との間の信号のやり取りを示すものである。
まず、既接続の端末1とアダプティブアレイ基地局との間では、すでに通話チャネルTCHが確立され、音声等のデータの通信が行なわれているものとする。このように、基地局に接続している同一周波数および同一タイムスロットのユーザ端末が1つの場合には、干渉成分として影響を及ぼす対象となる他のユーザ端末が存在しないため、図1の実線1b,2bで示すような波形による下り送信電力の制御は行なわず、図1の破線1a,2aで示すような一定電力での下り信号の送信が行なわれる。
この状態で、新規に多重接続をしようとする同一周波数および同一タイムスロットの端末2からリンクチャネルLCH割当て要求が基地局に対してなされる。基地局は、これに応じて、LCH割当てを実行する。
次に、端末2からは上り同期バースト信号が基地局に送信され、これに応じて基地局からは下り同期バースト信号が端末2に送信される。
これらの基地局と新規端末2とのやり取りは、制御チャネルCCHのシーケンスであり、この期間中、端末1および2に対する送信タイミングはずらされていない。したがって、この制御チャネルの期間中には、図1の実線で示すような送信電力制御は行なわない。
制御チャネルにおいて同期バーストのやり取りが終わると、基地局と新規端末2との間に同期が確立され、通話チャネルTCHに移行して音声等のデータの通信が開始される。同期が確立した後の通話チャネルにおいては、端末1および2に対する送信タイミングは、図1に示すように互いにずらされるため、図1の実線1bおよび2bで示す波形の下り送信電力制御が開始される。そして、端末1および2に対する通信継続中にも、それぞれの端末に対して図1の実線で示す送信電力波形による制御が続行される。
図5は、この発明の実施の形態による送信電力制御停止シーケンスを示すタイミング図である。
図4に関してすでに説明したように、端末1および2に対する通信継続中にも、それぞれの端末に対して図1の実線で示す送信電力波形による制御が続行される。図5を参照して、そのような状態において、何らかの原因により、端末2の接続が切断されたり、端末2から受信状態が劣化して通話チャネルの切替を基地局に要求するTCH切替がなされた場合には、空間多重接続は切断され、端末2に占有されていた通話チャネルTCHは解放される。
この結果、端末1のみが基地局に接続する図4の冒頭の部分に戻ることとなり、この単一の端末に対しては、通話チャネル継続中であっても、図1の実線で示すような波形の下り送信電力制御は停止し、一定電力による下り信号の送信に切替える。
次に、図6は、図1、図4および図5に示したこの発明の送信電力制御方法を実現するために、アダプティブアレイ基地局1000のDSP(図2の制御部80およびユーザ処理部50(特に図3の送信波形整形回路55a)に相当)によって実行される送信電力制御方法を示すフロー図である。
まず、アダプティブアレイ基地局が、先に図4の冒頭部分に示したように空間多重接続なしで単一の端末と通信中の場合(ステップS1)、基地局は、図1の実線波形で示すような送信電力制御は行なわず、一定の下り送信電力で端末と通信を行なう(ステップS2)。
そして、新規のユーザ端末から空間多重接続の要求の有無が判定され(ステップS3)、要求がなければ基地局は、そのまま送信電力制御無しで(一定の送信電力で)端末との通信を続行する(ステップS9)。
一方、新規のユーザ端末から多重接続の要求有りと判定されると(ステップS3)、次に当該新規ユーザ端末が、図4で先に説明した制御チャネルのやり取りを通じて、基地局との間で同期を確立したか否かが判定される(ステップS4)。
同期が確立されていなければ、基地局は、送信電力制御無しで(一定送信電力で)端末との通信を続行する(ステップS9)。
一方、同期が確立されていると判定されると(ステップS4)、次に当該新規ユーザ端末が通話チャネルで基地局と通信を開始したか否かが判定される(ステップS5)。
通話チャネルで通信を開始していなければ、基地局は、送信電力制御無しで(一定送信電力で)端末との通信を続行する(ステップS9)。
一方、通話チャネルで通信を開始していると判定されると(ステップS5)、基地局は、既接続の端末および新規接続の端末のそれぞれに対し、図1の実線波形1b,2bで示すような送信電力制御を開始する(ステップS6)。
そして、ステップS7で既接続の端末および新規接続の端末との空間多重接続による通信が続行されているか否かが判定され、空間多重接続が維持されていれば、図1の実線波形で示すような送信電力制御を継続し(ステップS8)、ステップS7で空間多重接続での通信が終了したことが判定されるまで、ステップS7および8の処理が繰返される。
ステップS7で空間多重接続での通信が終了したことが判定されると、基地局は、送信電力制御無しで(一定送信電力で)端末との通信を続行する(ステップS9)。
以上のように、この発明の実施の形態では、空間多重接続時に、同期確立後の通話チャネルにおいて、下り送信タイミングが互いにずらされたユーザ1および2に対し、図1の実線1bおよび2bで示すような波形の送信電力制御を行なうことにより、一方のユーザのシンボル点の情報に対する他方のユーザへの下り送信電力の干渉波としての影響を軽減することができ、各ユーザ端末の受信性能の劣化を防止することができる。
また、図1の実線1bおよび2bで示すような増減を伴う送信電力制御を行なうことによってシンボル点と他のタイミングとの送信電力レベル差が確保されていれば、たとえ端末からの上り信号に受信エラーが生じてアダプティブアレイ基地局においてウェイトベクトルが一時的に形成できなくなり、このため送信指向性も一時的に失われた場合であっても、下り送信信号は十分なSN比を確保することができ、端末において下り送信信号の正確な復調が可能となる。
次に、この発明の送信電力制御が実施された場合とされなかった場合との性能比較のために行なわれたフィールド試験について説明する。
図7は、この発明の送信電力制御のフィールド試験の試験モデルを示す模式図である。この試験は、上述のこの発明による送信電力制御技術を搭載した、PHS用のPDMA基地局(Cell Station:以下、CS)と、PHS用の端末(Personal Station:以下、PS)とを用いて行なわれた。
図7の試験モデルを参照して、このフィールド試験の試験条件および試験環境について説明する。この試験では、1台のCSに対し、12台のPSが用意され(図示の都合上、図7では8台のみ図示)、最大で4多重を想定した。また、各PSは、受信用に固定されたホイップアンテナで信号を受信するものとした。
各PSは、ユーザの歩行速度に相当する約4km/hの移動速度で、CSから約1km離れたポイントを中心に、半径約200〜300mの円上を周回移動するものとした。
また、試験場所としては、郊外の見通しが良好な場所ば選ばれ、試験時間は30分であった。
次に、試験手順について説明する。まず、PS側での手順について説明する。
最初に、PSを発呼し、発呼に失敗した場合(通信中にまで移行できなかった場合)、即時に再発呼する。以下、発呼に成功するまで(通信中に移行できるまで)、発呼を繰返す。
なお、通信中に、無線の異常によりPSが切断された場合、PS側の試験者は、切断回数をカウントするとともに即時に再発呼する。試験中にPSから切断することはないものとする。以上の手順を試験終了まで繰返すものとする。
次に、CS側での手順について説明する。CS側では、試験中に発生したPS起動干渉回避数およびCS起動干渉回避数をカウントする。また、PSが通信中である時間(無線使用時間)をカウントする。今回の試験で使用したCSはこれらを自動でカウントする機能を有している。
図8は、このような送信電力制御のフィールド試験の結果の表を示す図である。この表に用いられた語句について以下に簡単に説明する。
PSTCH:PS起動干渉回避数。下り性能が劣化することにより、PSが干渉回避(TCH切替)を起こした回数を示す。
CSTCH:CS起動干渉回避数。上り性能が劣化することにより、CSが干渉回避(TCH切替)を起こした回数を示す。
PS H.O.:PS起動ハンドオーバ数。下り性能が劣化することにより、PSがハンドオーバを起こした回数を示す。ただし、この試験では、CSが1台であるため、PSはハンドオーバを起動しない。
CS H.O.:CS起動ハンドオーバ数。上り性能が劣化することにより、CSがハンドオーバを起こした回数を示す。ただし、この試験では、CSが1台(単局)であるため、他局へのハンドオーバは起こらない。図8の表のハンドオーバ数は、自局内ハンドオーバ(切戻り)数を含んでいる。
無線使用時間:12台のPSの通信時間の合計。
PS干渉回避率:下り性能劣化のため、PSが起こした1秒当たりの干渉回避率。
CS干渉回避率:上り性能劣化のため、CSが起こした1秒当たりの干渉回避率。
図8の対比表から見られるように、送信電力制御ありの場合は、送信電力制御なしの場合に比べて、無線使用時間は同等、下り干渉回避は約50%減少するという結果が得られた。
すなわち、この発明による送信電力制御を用いれば、他のユーザへの干渉が減少するとともに、より安定した空間多重接続を行うことができることが明らかになった。
以上のように、この発明によれば、無線基地装置において、空間多重接続しているそれぞれの端末に対し、下り送信信号のシンボル点においてのみ下り送信電力が大きくなるように下り送信電力制御を行なっているので、空間多重接続しているそれぞれの端末に対する送信電力が互いに対する干渉成分となることを防止し、端末における下り受信性能を改善することができる。このため、複数端末による安定した空間多重接続を維持することが可能となる。
産業上の利用可能性
この発明によれば、下り送信電力制御により空間多重接続している各端末の受信性能を改善したので、複数の端末が基地局に空間多重接続する移動体通信システムにおいて有効である。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明の送信電力制御の基本原理を模式的に示す概念図である。
図2は、この発明の実施の形態によるアダプティブアレイ基地局の構成を示す概略ブロック図である。
図3は、図2に示したユーザ信号処理部50の構成を示す機能ブロック図である。
図4は、この発明の実施の形態による送信電力制御開始シーケンスを示すタイミング図である。
図5は、この発明の実施の形態による送信電力制御停止シーケンスを示すタイミング図である。
図6は、この発明の実施の形態による送信電力制御方法を示すフロー図である。
図7は、この発明の送信電力制御のフィールド試験の試験モデルを示す模式図である。
図8は、この発明の送信電力制御のフィールド試験の結果を示す図である。
Claims (15)
- 複数の端末装置と空間多重接続が可能な無線基地装置であって、
前記複数の端末装置と空間多重接続を介して信号を送受信するための信号処理手段(50)と、
空間多重接続している前記複数の端末装置の各々に対し、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおける送信電力がシンボル点以外のタイミングにおける送信電力よりも大きくなるように、送信電力を変化させる送信電力制御手段(80)とを備える、無線基地装置。 - 前記送信電力制御手段は、前記空間多重接続している前記複数の端末装置のそれぞれに対する下り送信信号の送信タイミングが互いに異なる場合に、前記送信電力の変化を実行する、請求項1に記載の無線基地装置。
- 前記送信電力制御手段は、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で同期が確立した後に、前記送信電力の変化を実行する、請求項2に記載の無線基地装置。
- 前記送信電力制御手段は、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で通話チャネルが確立した後に、前記送信電力の変化を実行する、請求項3に記載の無線基地装置。
- 前記送信電力制御手段は、前記複数の端末装置による空間多重接続が解消された後において、単独で接続している端末装置に対し、前記送信電力の変化を停止する、請求項1に記載の無線基地装置。
- 複数の端末装置と空間多重接続が可能な無線基地装置における送信電力制御方法であって、
前記複数の端末装置と空間多重接続を介して信号を送受信するための信号処理を実行するステップと、
空間多重接続している前記複数の端末装置の各々に対し、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおける送信電力がシンボル点以外のタイミングにおける送信電力よりも大きくなるように、送信電力を変化させるステップとを備える、送信電力制御方法。 - 前記送信電力を変化させるステップは、前記空間多重接続している前記複数の端末装置のそれぞれに対する下り送信信号の送信タイミングが互いに異なる場合に、前記送信電力の変化を実行する、請求項6に記載の送信電力制御方法。
- 前記送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で同期が確立した後に、前記送信電力の変化を実行する、請求項7に記載の送信電力制御方法。
- 前記送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で通話チャネルが確立した後に、前記送信電力の変化を実行する、請求項8に記載の送信電力制御方法。
- 前記送信電力を変化させるステップは、前記複数の端末装置による空間多重接続が解消された後において、単独で接続している端末装置に対し、前記送信電力の変化を停止する、請求項6に記載の送信電力制御方法。
- 複数の端末装置と空間多重接続が可能な無線基地装置における送信電力制御プログラムであって、コンピュータに、
前記複数の端末装置と空間多重接続を介して信号を送受信するための信号処理を実行するステップと、
空間多重接続している前記複数の端末装置の各々に対し、下り送信信号のシンボル点のタイミングにおける送信電力がシンボル点以外のタイミングにおける送信電力よりも大きくなるように、送信電力を変化させるステップとを実行させる、送信電力制御プログラム。 - 前記送信電力を変化させるステップは、前記空間多重接続している前記複数の端末装置のそれぞれに対する下り送信信号の送信タイミングが互いに異なる場合に、前記送信電力の変化を実行する、請求項11に記載の送信電力制御プログラム。
- 前記送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で同期が確立した後に、前記送信電力の変化を実行する、請求項12に記載の送信電力制御プログラム。
- 前記送信電力を変化させるステップは、新規に空間多重接続しようとする端末装置との間で通話チャネルが確立した後に、前記送信電力の変化を実行する、請求項13に記載の送信電力制御プログラム。
- 前記送信電力を変化させるステップは、前記複数の端末装置による空間多重接続が解消された後において、単独で接続している端末装置に対し、前記送信電力の変化を停止する、請求項11に記載の送信電力制御プログラム。
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