JPWO2003010998A1 - スピーカー検出コイルの磁気遮断 - Google Patents
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Abstract
ボイスコイルの磁力変化に伴って検出コイルに電流が誘導されるのを防止し、それによってスピーカーの動的特性を向上させるために、ボイスコイル12と検出コイル13との間に磁性材からなる磁気遮断部材1を設ける。そして、ボイスコイル12に発生する磁力線を磁気遮断部材1に流すことにより、当該磁力線が検出コイル13に至るのを阻止する。
Description
技術分野
この発明は、検出コイルの検出信号をボイスコイルの入力側に負帰還させるようにしたスピーカーに関する。
背景技術
一般に、ボイスコイルによって振動板を振動させるようにしたスピーカーにおいては、検出コイルをボイスコイルと同軸に配置するとともに、ボイスコイルにその軸線方向へ一体に移動するように連結している。したがって、検出コイルは、ボイスコイルの振動に伴って振動し、それによって検出コイルに動的電流が発生する。この動的電流をボイスコイルの入力側に負帰還させることにより、スピーカーの動的特性を改善するようにしている。
しかしながら、従来のスピーカーにおいては、検出コイルに動的電流が発生するのみならず、ボイスコイルに流れる電流の変化に伴う相互誘導作用によっても電流が発生する。この相互誘導による電流も、ボイスコイルの入力側へ戻される。この結果、動的電流による負帰還量が減らされるため、その分だけスピーカーの動的特性の改善が妨げられるという問題があった。
発明の開示
この発明は上記の問題を解決するためになされたもので、振動板を駆動するボイスコイルと、このボイスコイルに、軸線をほぼ一致させ、かつ軸線方向へ一体に移動するように連結された検出コイルと、上記ボイスコイルに磁場を供給する第1磁場供給手段と、上記検出コイルに磁場を供給する第2磁場供給手段とを備えたスピーカーにおいて、上記ボイスコイルが発生する磁力線が上記検出コイル側へ向かうのを阻止するよう、上記ボイスコイルと上記検出コイルとの間に磁性材からなる磁気遮断部材を設けたことを特徴としている。
この場合、一端部に上記振動板が取り付けられた筒状をなすボビンをさらに備え、このボビンの外周に上記ボイスコイルと上記検出コイルとが上記ボビンの軸線方向に互いに離れて設けられていることが望ましい。
上記ボビンには、上記ボイスコイルと上記検出コイルとの間の中間部から他端面まで延びる複数の切欠き部が周方向に互いに離れて形成され、それによって周方向に隣接する二つの切欠き部間にアーム部が形成され、上記磁気遮断部材が上記ボビンの軸線方向において上記ボイスコイルと上記検出コイルとの間に配置され、上記磁気遮断部材には上記アーム部と同数の挿通孔が形成され、各挿通孔に上記アーム部が隙間をもってそれぞれ挿通されていることが望ましい。
上記磁気遮断部材と、上記検出コイルに対する磁気回路の一部を構成する磁極片とが上記検出コイルの軸線方向に隣接して配置され、上記磁気遮断部材と上記磁極片との間に非磁性材からなるスペーサが設けられていることが望ましい。
上記磁気遮断部材が、環状をなし、かつ上記ボビンの外側にボビンの外周面との間に隙間をもって配置された外側部材と、上記ボビンの内側に、上記外側部材と上記ボビンを間にして対向し、かつ上記ボビンの内周面との間に隙間をもって配置された内側部材とを有し、上記外側部材と上記ボビンとの間及び上記内側部材と上記ボビンとの間に磁性流体がそれぞれ設けられていることが望ましい。
上記ボイスコイルに流れる電流変化に伴って上記検出コイルに誘導される誘導電流を小さくするための補正コイルが上記ボイスコイル及び上記検出コイルとほぼ同軸に配置されていることが望ましい。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の実施の形態について第1図〜第23図を参照して説明する。
第1図(A)〜(D)は、この発明の第1の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーAは、磁気遮断部材1を備えている。この磁気遮断部材1は、磁性材からなるものであり、円板状に形成されている。磁気遮断部材1の一端面中央部には、円板状をなす永久磁石(第1磁場供給手段)2が固定され、磁気遮断部材1の他端面中央部には、円板状をなす永久磁石(第2磁場供給手段)3が固定されている。永久磁石2,3は、互いに同一外径を有しており、その外径は磁気遮断部材1の外径の半分程度に設定されている。永久磁石2,3は、同一の磁極(この実施の形態の場合、S極)が隣接するように配置されているが、異なる磁極が隣接するように配置されることもある。いずれの態様に配置されるかは、後述する理由による。永久磁石2,3の互いに離れた各端面には、磁性材からなる円板状の磁極片4,5がその軸線を永久磁石2,3及び磁気遮断部材1の軸線と一致させて固定されている。各磁極片4,5は、同一外径を有しており、永久磁石2,3より若干大径になっている。
磁気遮断部材1の両端面の外周部には、磁性材からなる円筒状の磁極片6,7の各一端面が固定されている。磁極片6,7は、その軸線を磁気遮断部材1の軸線と一致させて配置されている。磁極片6,7の互いに離れた他端部の内周面には、環状突出部6a,7aが形成されている。各環状突出部6a,7aは、磁極片4,5の外周面とそれぞれ隙間をもって対向している。
磁気遮断部材1には、複数(この実施の形態では3個)のスリット(挿通孔)1aが形成されている。各スリット1aは、磁気遮断部材1の軸線を中心とする円周上に形成され、周方向へほぼ等間隔だけ離れて配置されている。各スリット1aの内径は、磁極片4,5の外径とほぼ等しく設定され、各スリット1aの外径は、磁極片6,7の環状突出部6a,7aの内径とほぼ等しく設定されている。
上記構成において、永久磁石2、磁極片4,6及び磁気遮断部材1によって第1の磁気回路が構成され、永久磁石3、磁極片5,7及び磁気遮断部材1によって第2の磁気回路が構成されている。ここで、磁気遮断部材1は、両方の磁気回路に使用されているが、永久磁石2,3の磁極が逆向きであるので、第1の磁気回路の磁力線が磁気遮断部材1を介して第2の磁気回路に漏れ出ることはほとんどない。勿論、第2の磁気回路の磁力線が第1の磁気回路に漏れ出ることもほとんどない。換言すれば、永久磁石2,3間に磁性材からなる磁気遮断部材1を設けることにより、永久磁石2の磁力線が第2の磁気回路側に漏れ出ることが防止され、永久磁石3の磁力線が第1の磁気回路側に漏れ出ることが防止されているのである。
スピーカーAは、ボビン8をさらに備えている。ボビン8は、紙等の絶縁材料あるいは炭素繊維で強化された紙、又はアルミニウム等の非磁性材からなるものであり、円筒状に形成されている。ボビン8の内径は、スリット1aの内径より若干大きく設定され、ボビン8の外径は、スリット1aの外径より若干小径に設定されている。ボビン8の長さは、磁極片4,5間の外法寸法より長く設定されている。ボビン8には、その長手方向の中間部から磁極片5側の端面まで延びる複数(スリット1aと同数)の切欠き部8aが周方向にほぼ等間隔だけ離れて形成されている。ボビン8の周方向に隣接する切欠き部8a,8aの間の部分が、アーム部8bになっている。アーム部8bの周方向の長さは、スリット1aの周方向の長さより若干短く設定されている。したがって、アーム部8bは、スリット1aに隙間をもって挿通可能である。
上記のように構成されたボビン8は、アーム部8bが形成された端部(以下、ボビン8のアーム部8bが形成された端部を後端部と称し、逆側の端部を先端部と称する。)側から磁極片4と磁極片6の環状突出部6aとの間に挿入されている。そして、アーム部8bがスリット1aを貫通し、さらに磁極片5と磁極片7の環状突出部7aの間を貫通している。したがって、ボビン8の後端部は、磁極片5,7から後方に突出している。ボビン8の後端部は、その内周と磁極片5の中央部との間に設けられた支持部材9を介してボビン8の軸線方向へ変位可能に支持されている。一方、ボビン8の先端部は、磁極片4と磁極片6の環状突出部6aとの間から外部に突出している。そして、ボビン8の先端部は、その内周と磁極片4の中央部との間に設けられた支持部材10を介してボビン8の軸線方向へ変位可能に支持されている。したがって、ボビン8は、その軸線方向へ変位可能である。
ボビン8の先端部外周には、球面の一部をなす振動板11の外周部が固定されている。この振動板11より若干後端側のボビン8の先端部外周面には、ボイスコイル12が巻回固定されている。このボイスコイル12は、磁力片6の環状突出部6aと対向する箇所に配置されている。したがって、永久磁石2による磁力線は、ボイスコイル8を内側から外側へ向かって、つまり磁極片4側から環状突出部6a側に向かって横切る。図2に示すように、ボイスコイル12を構成するコイル線の両端部は、増幅器Zの二つの出力端子にそれぞれ接続されている。したがって、増幅器Zからボイスコイル12に音声電流が通電されと、ボイスコイル12がその軸線方向へ振動する。それに応じてボビン8及び振動板11が軸線方向へ振動する。振動板11の振動により音声が発生する。
ボビン8の後端部外周面には、検出コイル13が巻回固定されている。この検出コイル13は、磁極片7の環状突出部7aと対向する箇所に配置されている。したがって、永久磁石3による磁力線は、検出コイル13を内側から外側へ向かって、つまり磁力片5側から環状突出部7a側へ向かって横切る。よって、ボイスコイル12の振動に伴ってボビン8が振動し、それによって検出コイルがその軸線方向へ振動すると、検出コイル13に動的電流が発生する。第2図に示すように、検出コイル13の巻回方向がボイスコイル12と同一方向であり、検出コイル13を横切る磁力線の方向もボイスコイル12を横切る磁力線の方向と同一である。したがって、検出コイル13には、ボイスコイル12に入力される音声電流と位相が180°異なる動的電流が発生する。この動的電流は、増幅器Zの入力側に負帰還される。
このように、検出コイル13に発生する動的電流を増幅器Zに負帰還させるためには、検出コイル13に発生する動的電流をボイスコイル12に入力される音声電流に対して位相が180°異なるものにする必要がある。そこで、検出コイル13の巻回方向がボイスコイル12と同一であるときには、検出コイル13を横切る磁力線の方向とボイスコイル12を横切る磁力線の方向とが同一にされ、検出コイル13の巻回方向がボイスコイル12と逆であるときには、検出コイル13を横切る磁力線の方向とボイスコイル12を横切る磁力線の方向とが逆にされる。これが、磁石2、3の磁極の関係態様を決定する理由である。
上記構成のスピーカーAにおいては、ボイスコイル12の音声電流が流れると、それに伴って磁力線が発生する。この磁力線は、永久磁石2、磁極片4,6及び磁気遮断部材1によって構成される第1の磁気回路中を流れるから、ボイスコイル12に発生する磁力線が検出コイル13側へ漏れることはほとんどない。したがって、検出コイル13には相互誘導電流が発生することがほとんどなく、検出コイル13に発生する動的電流の負帰還量が相互誘導電流によって減らされることがない。よって、スピーカーの動的特性を改善することができる。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態においては、上記の実施の形態と異なる構成についてのみ説明することとし、同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
第3図は、この発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーBにおいては、磁気遮断部材1と永久磁石3及び磁極片7との間に磁気遮断部材1側から永久磁石3及び磁極片7側へ向かってスペーサ14及び磁極片15が順次配置固定されている。スペーサ14は、非磁性材からなるものであり、磁気遮断部材1と同一の断面形状を有している。磁極片15は、磁性材からなるものであり、磁気遮断部材1と同一の断面形状を有している。したがって、スペーサ14及び磁極片15には、スリット1aと同一形状、同一寸法を有するスリット14a,15aがそれぞれ形成されており、各スリット14a,15aには、ボビン8のアーム部8bが挿通されている。
このように構成された結果、スピーカーBは、上記スピーカーAと次の三点で相違している。第1に、スピーカーBにおいては、永久磁石2、磁極片4,6及び磁気遮断部材1によって第1の磁気回路が構成され、永久磁石3、磁極片5,7及び磁極片15によって第2の磁気回路が構成されており、磁気遮断部材1が第1、第2の二つの磁気回路に共用されていない。第2に、第1、第2の二つの磁気回路がスペーサ14によって互いに分離されている。第3に、磁極片15が、検出コイル13に第1の磁気回路側から磁気が侵入するのを阻止する磁気遮蔽部材として作用する。したがって、ボイスコイル12に発生する磁力線が検出コイル13側へ漏れるのをより一層確実に防止することができる。よって、スピーカーの動的特性をより一層改善することができる。
第4図は、この発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーCにおいては、スピーカーAの磁気遮断部材1に代えて、磁性材からなる磁気遮断部材1Aが用いられている。この磁気遮断部材1Aは、断面円形で中実である円柱部1bと、この円柱部1bの外周面の軸線方向における中央部に一体に形成された円板状のフランジ部1cとから構成されている。円柱部1bの外径は、ボビン8の外径より若干小径に形成され、その長さはボビン8の長さより若干短く形成されている。円柱部1bは、ボビン8内に挿入されている。フランジ部1cは、円柱部1bと同芯に配置され、ボビン8より大径に形成されている。フランジ部1cの基端部には、スリット1aが形成されている。スリット1aより外周側のフランジ部1cの両端面には、リング状をなす永久磁石(第1磁場供給手段)2及び永久磁石(第2磁場供給手段)3の一端面がそれぞれ固定されている。永久磁石2,3の他端面には、リング状をなす磁極片6,7が固定されている。円柱部1b、永久磁石2,3及び磁極片6,7は、軸線を一致させて配置されている。磁極片6は、その内周面が円柱部1bの外周面の後端部と対向するように配置されている。磁極片7は、その内周面が円柱部1bの外周面の先端部と対向するように配置されている。これから明かなように、円柱部1bは、上記スピーカーAにおける磁極片4,5を兼ねており、円柱部1bの両端面には、支持部材9,10がそれぞれ固定されている。また、ボイスコイル12及び検出コイル13は、ボビン8の磁極片6,7と対向する箇所にそれぞれ設けられている。このスピーカーCにおいては、永久磁石2、磁気遮断部材1Aのフランジ部1c及び円柱部1bの先端側の半分、並びに磁極片6によって第1の磁気回路が構成され、永久磁石3、磁気遮断部材1Aのフランジ部1c及び円柱部1bの後端側の半分、並びに磁極片7によって第2の磁気回路が構成されている。
第5図は、この発明の第4の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーDは、第3図に示すスピーカーBと第4図に示すスピーカーCとを組み合わせたような構造をなしている。すなわち、このスピーカーDにおいては、第4図に示す磁気遮断部材1Aがその軸線方向の中央部、つまりフランジ部1cの幅方向の中央部において二分割されている。そして、ボイスコイル12側の部分が磁気遮断部材1Bになっており、検出コイル13側の部分が磁気回路構成部材(磁極片)16になっている。勿論、磁気遮断部材1Bは、円柱部1b及びフランジ部1cを有している。一方、磁気回路構成部材16は、磁気遮断部材1Bと対称な形状をなしており、磁気遮断部材1Bの円柱部1b及びフランジ部1cとそれぞれ同形、同大の円柱部16a及びフランジ部16bを有している。フランジ部16bには、ボビン8のアーム部8bが挿通されるスリット16cが形成されている。
このスピーカーDにおいては、磁気遮断部材1Bと磁気回路構成部材16との間に非磁性材からなるスペーサ14が設けられているのみならず、磁気回路構成部材16が上記スピーカーBの磁極片15と同様に磁気遮蔽部材として機能する。したがって、この実施の形態のスピーカーDは、スピーカーCに比してスピーカーの動的特性を改善することができる。
第6図は、この発明の第5の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーEにおいては、磁気遮断部材1Bの円柱部(内側部分)1bとフランジ部(外側部分)1cとが互いに分離され、円柱部1bの外周面とフランジ部1cの内周面との間には、環状の隙間が形成されている。その隙間にボビン8が貫通配置されている。ボビン8の内周面と円柱部1cの外周面との間の隙間及びボビン8の外周面とフランジ部1cの内周面との間の隙間には、磁性流体17,18がそれぞれ充填されている。円柱部1cの軸線方向における磁性流体17,18の長さは、フランジ部1cの幅とほぼ同一になっている。
スペーサ14も、磁気遮断部材1Bと同様に、内周側の内板部14bと、外周側のリング状をなす外板部14cとに二分されている。内板部14bは、円柱部1bと同一外径を有し、同芯に配置されている。外板部14cは、フランジ部1cと同一の外径及び内径を有しており、フランジ部1cと同芯に配置されている。内板部14bと外板部14cとの間の環状の隙間には、ボビン8が内板部14b及び外板部14cとの間に隙間をもって挿通されている。
また、磁気回路構成部材16のフランジ部16bは、磁気遮断部材1Bと逆側の端部に形成されている。これに対応して、磁極片7が磁気遮断部材1B側にスペーサ14と隣接して配置されている。この磁極片7と対向するボビン8の外周に検出コイル13が巻回されている。
磁気回路構成部材16の円柱部16aには、スペーサ14の内板部14b及び磁気遮断部材1Bの円柱部1bが接着等の固定手段により順次固定されている。また、フランジ部16bの磁気遮断部材1B側を向く端面には、永久磁石3、磁極片7、スペーサ14の外板部14b、磁気遮断部材1Bのフランジ部1c、永久磁石2及び磁極片6が接着等の手段によって順次固定されている。その他の構成は、スピーカーDと同様になっている。
この実施の形態のスピーカーEにおいては、磁気遮断部材1Bの円柱部1b及びフランジ部1cとボビン8との各間に磁性流体17,18を充填しているので、ボイスコイル12による磁力線が検出コイル13側に漏れるのをより一層確実に防止することができる。ただし、磁性流体17,18は、必ずしも設ける必要はない。
第7図は、この発明の第6の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーFは、スピーカーEと次の点において相違している。すなわち、スピーカーFにおいては、スペーサ14の外板部14cの内径がボビン8の外径より十分に大径に形成されており、ボビン8、外板部14c、磁気遮断部材1Bのフランジ部1c及び磁極片7とによって環状の空間Sが形成されている。この空間S内には、環状に形成された支持部材9が配置されている。この支持部材9の外周部は、磁極片7に固定されており、内周部はボビン8の中間部に固定されている。したがって、ボビン8については、磁気回路構成部材16のフランジ部16bを貫通させる必要がなく、その分だけボビン8の全長を短くすることができる。しかも、ボビン8が磁気回路構成部材16のフランジ部16bを貫通していないので、フランジ部16bにはスリットを形成する必要がなく、ボビン8には切り欠き部8aを形成する必要がない。よって、その分だけ製造費を低減することができる。
第8図は、この発明の第7の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーGにおいては、支持部材10の内周部に振動板11が一体に形成されている。支持部材10の外周部は、磁極片6の端面にこれと同芯に固定された環状のスペーサ19に固定されている。また、振動板11の外周部(支持部材10と振動板11との境界部)には、ボビン8の一端部が固定されている。ボビン8の他端部は、自由端部として何物にも支持されていない。つまり、ボビン8は、支持部材10により片持ち状態で支持されている。したがって、このスピーカーGには、空間Sが形成されておらず、支持部材9が用いられていない。その他の構成は、スピーカーFと同様である。
第9図〜第11図は、この発明の第8の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーHは、第7図に示すスピーカーFを実際に使用することができるようにより具体化したものである。そのために、スペーサ14の外板部14cと磁気遮断部材1Bのフランジ部1cとの間には、リング状をなす磁気回路干渉防止磁石25が外板部14c及びフランジ部1cと同芯に配置固定されている。この磁石25は、その磁極が永久磁石2,3の磁極の向きと逆向きになるように配置されている。したがって、磁石25は、磁石2による磁気回路と磁石3による磁気回路とが干渉するのを防止する。磁石25が固定されたフランジ部1cの端面のうち、磁石25より内周側の部分には、補正コイル26がフランジ部1cと同芯に配置固定されている。この補正コイル26は、ボイスコイル12に流れる音声電流によって検出コイル13に電流が誘導(相互誘導)されるのを防止するためのものであり、ボイスコイル12又は検出コイル13に接続されている。この点は後述する。
また、スペーサ14の内板部14b及び磁気遮断部材1Bの円柱部1bが接着に代えて、あるいはそれと共に、磁気回路構成部材16、スペーサ14及び磁気遮断部材1Bの各中央部を貫通するボルト20及びそれに螺合されたナット21によって磁気回路構成部材16に固定されている。また、磁気遮断部材1B、磁気回路構成部材16、スペーサ14、永久磁石2,3、磁極片6,7及び磁気回路干渉防止磁石25の外側には、樹脂製の筒体22が外挿されている。換言すれば、筒体22の内周に、磁気遮断部材1B、磁気回路構成部材16、スペーサ14、永久磁石2,3、磁極片6,7及び磁石25がそれぞれ嵌合され、それによって各部材が同芯に保持されている。第9図(B)、第10図及び第11図に示すように、磁気遮断部材1B及び磁気回路構成部材16の各フランジ部1c,16bの外周面並びに磁極片6,7の各外周面には、それぞれ三つ以上の小突起1d,16d,6b,7bが周方向に等間隔に設けられており、各小突起1d,16d,6b,7bが筒体22の内周面に接触することにより、磁気遮断部材1B、磁気回路構成部材16及び磁極片6,7が筒体22の内周に嵌合されている。筒体22の一端部には、内周側へ向かって突出する環状の突出部22aが形成されている。筒体22の他端部には、環状をなす樹脂製の前面カバー23がボルト24によって固定されている。この前面カバー23が磁極片6に接触するとともに、突出部22aが磁気回路構成部材16のフランジ部16bに接触している。これにより、筒体の内周に嵌合された磁気遮断部材1B、磁気回路構成部材16、スペーサ14、永久磁石2,3、磁極片6,7及び磁石25が筒体22に対して抜け止めされている。
第12図は、上記ボイスコイル12、検出コイル13及び補正コイル26を有するスピーカーHが用いられたスピーカー装置の一例の概略構成を示すものである。このスピーカー装置においては、ボイスコイル12と補正コイル26とが直列に接続されている。ボイスコイル12と補正コイル26との各一端部は、増幅器Zの出力端子にそれぞれ接続されている。しかも、ボイスコイル12と補正コイル26とは、互いに逆向きに巻回されている。検出コイル13はボイスコイル12と同一の向きに巻回されている。
上記構成のスピーカー装置においては、各コイル12,26に発生する磁力線の向きが逆であるから、補正コイル26に発生する磁力線は、ボイスコイル12に発生する磁力線が検出コイル13側に至るのを防止ないし減少させる。したがって、磁気遮断部材1Bを設けたことと相俟って、スピーカーHの動的特性をさらに向上させることができる。
第13図は、スピーカーHが用いられたスピーカー装置の他の例の概略構成を示すものである。このスピーカー装置では、検出コイル13と補正コイル26とが直列に接続されており、検出コイル13と補正コイル26との各一端部が増幅器Zの入力端子にそれぞれ接続されている。検出コイル13と補正コイル26との巻回方向は逆向きになっている。ボイスコイル12は、検出コイル13と巻回方向が同一になっており、ボイスコイル12の両端部は、増幅器Zの出力端子に接続されている。
このスピーカー装置においては、仮に検出コイル13にボイスコイル12による相互誘導電流が流れたとしても、その電流は、ボイスコイル12と補正コイル26との間の相互誘導作用によって補正コイル26に発生する電流によって打ち消される。したがって、検出コイル13に流れる動的電流による負帰還量が減らされることがない。よって、第12図に示すスピーカー装置と同様に、スピーカーHの動的特性をより一層改善することができる。
第14図及び第15図は、この発明の第9の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーIは、第4図に示すスピーカーCを低周波用のスピーカーとして用いるのに好適なように変形したものであり、磁極片6の前面には、前方へ向かって拡径するコーン部材27の小径側端部が固定されている。このコーン部材27の大径側端部には、コーン状をなす第2振動板(振動板)28の大径側端部が支持部材29を介して前後方向へ振動可能に支持されている。第2振動板28の小径側端部は、ボビン8に固定されている。
また、このスピーカーIは、第4図に示すスピーカーCと次の点においても異なっている。すなわち、ボビン8が永久磁石2から前側に位置する前部分8Aと、永久磁石3から後側に位置する後部分8Bとに二分されている。前部分8Aと後部分8Bとは、互いの軸線を一致させて配置されており、周方向に離れて配置された複数の連結軸8Cによって連結されている。連結軸8Cは、フランジ部1cにスリット1aに代わって形成された挿通孔1a′に挿通されている。第15図(B)に示すように、挿通孔1a′は、スリット1aに比べて周方向の長さが大幅に短い。したがって、磁気遮断部材1Aの磁気遮断効果を向上させることができる。フランジ1c及び磁極片7がボルト30によって永久磁石3に押圧されることにより、フランジ1c,永久磁石3及び磁極片7が互いに固定されている。磁石3と逆側における磁極片7の端面には、防塵カバー31が設けられている。
第16図(A)、(B)、(C)は、この発明の第10の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーJにおいては、樹脂、アルミニウム等の非磁性材からなる円板状の保持部材32が用いられている。保持部材32の一端面中央部には、断面円形の突出部32aが形成されている。この突出部32aの先端面には、突出部32aと同芯に配置された磁極片5、永久磁石3、磁極片15、スペーサ14の内板部14b、磁気遮断部材1、永久磁石2及び磁極片4が接着等の手段によって順次固定されている。磁極片5、永久磁石3、磁極片15、スペーサ14の内板部14b、磁気遮断部材1、永久磁石2及び磁極片4は、ボビン8の内径より小径に形成されており、それらの外側にはボビン8が隙間をもって外挿されている。磁気遮蔽部材1及び磁極片15の各外周面とボビン8の内周面との間の各隙間には、磁性流体17がそれぞれ設けられている。ボビン8は、前述した実施の形態、例えば第7図に示すスピーカーBと同様に、磁極片4に支持部材10を介して片持ち状態で固定されている。
保持部材32の一端面の外周部には、保持部材32と同芯に配置された保持リング33がボルト34によって固定されている。突出部32aの先端面と同一方向を向く保持リング33の端面には、保持部材32と同芯に配置された磁極片7、スペーサ14の外板部14c及び磁極片6が接着等の手段によって順次固定されている。磁極片7、スペーサ14の外板部14c及び磁極片6の各内径は、ボビン8の外径より大径に形成されている。磁極片7の内周面の一端部と他端部とには、環状突出部7a,7cが形成されている。環状突出部7aは、ボビン8を介して磁極片5の外周面と対向し、環状突出部7cは、ボビン8を介して磁極片15の外周面と対向している。環状突出部7aと対向するボビン8の外周面には、検出コイル13が設けられている。環状突出部7cの内周面とボビン8の外周面との間の隙間には、磁性流体18が設けられている。磁極片6の内周面の一端部と他端部とには、環状突出部6a,6cが形成されている。環状突出部6aは、ボビン8を介して磁極片4の外周面と対向し、環状突出部6cは、ボビン8を介して磁気遮断部材1の外周面と対向している。環状突出部6aと対向するボビン8の外周面には、ボイスコイル12が設けられている。環状突出部6cの内周面とボビン8の外周面との間の隙間には、磁性流体18が設けられている。
このスピーカーJにおいては、磁気遮断部材1がボビン8より小径に形成されているが、磁気遮断部材1は、磁性流体17,18を介して磁極片6の環状突出部6cに磁気的に連続しているので、磁極片6の磁気遮断部材1と対向する端部が磁気遮断部材1の一部として機能する。したがって、このスピーカーJも、前述した各スピーカーA〜Iと同様に動的特性の改善をすることができる。
第17図(A)、(B)、(C)は、この発明の第11の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーKは、第8図に示すスピーカーGを変形したものであり、このスピーカーKにおいても、保持部材32及び保持リング33が用いられている。保持部材32の突出部32aの先端面には、それぞれ保持部材32と同芯に配置された磁気回路構成部材16の円柱部16a、スペーサ14の内板部14b及び磁気遮断部材1Bの円柱部1bが接着等の手段によって順次固定されている。保持リング33には、それぞれ保持部材32と同芯に配置された磁気回路構成部材16のフランジ部16b、永久磁石3、磁極片7、スペーサ14の外板部14c、磁気遮断部材1Bのフランジ部1c、永久磁石2及び磁極片6が接着等の手段によって順次固定されている。ボビン8の外周面のフランジ部16b及び磁極片6と対向する各個所には、検出コイル13及びボイスコイル12がそれぞれ設けられている。フランジ部1c及び磁極片7とボビン8との各対向面間には、磁性流体17がそれぞれ設けられ、フランジ部1c及び磁極片7に対応するボビン8と円柱部1b,16aとの各対向面間には、磁性流体18がそれぞれ設けられている。
第18図(A)、(B)、(C)は、この発明の第12の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーLは、第16図に示すスピーカーJの構造をより簡単にしたものであり、そのために磁極片5が磁極片7と一体に形成されている。つまり、磁極片5の外周部と磁極片7の環状突出部7aとが連続して一体に形成されている。磁極片5の一端面中央部には、永久磁石3、磁極片15、スペーサ14の内板部14b、磁気遮断部材1、永久磁石2及び磁極片4が接着等の手段によって順次固定されている。磁極片7の一端面外周部には、スペーサ14の外板部14c及び磁極片6が接着等の手段によって順次固定されている。磁極片5と磁極片7とが一体化されているため、ボビン8は、磁極片5,7間を貫通することなく、磁極片15と磁極片7の環状突出部7cとの間を貫通しているだけである。磁極片7の環状突出部7cと対向するボビン8の外周面には、検出コイル13が設けられている。
第19図及び第20図(A)、(B)、(C)は、この発明の第13の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーMは、第14図及び第15図に示すスピーカーIを変更したものである。すなわち、磁気遮断部材1Aの円柱部1bの後端部は、ボビン8の連結軸部8Cの中間部に位置しており、磁気遮断部材1Aの円柱部1b及びフランジ部1cの後端面には、スペーサ14、磁気回路構成部材16、永久磁石3及び磁極片7がボルト30によって固定されている。スペーサ14の外板部14c及び磁気回路構成部材16のフランジ部16bには、ボビン8の連結軸部8Cが挿通される挿通孔14a′,16c′が形成されている。その他の構成は、第14図及び第15図に示すスピーカーIと同様である。
第21図は、この発明の第14の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーNは、第16図に示すスピーカーBを改良したものであり、非磁性材からなる保持部材32に代えて磁性材からなる磁極片35が用いられている。磁極片35は、円板状をなしており、磁極片7と同芯に配置されている。磁極片35の磁極片7と対向する一端面外周部には、磁極片7側へ向かって突出する環状の突出部35aが形成されている。この突出部35aが磁極片7に突き当たった状態でボルト36を締め付けることにより、磁極片35が磁極片7に固定されている。磁極片35と磁極片5との間には、永久磁石3とほぼ同一形状、同一寸法の永久磁石3′が配置されている。この永久磁石3′の両端面は、磁極片5,35にそれぞれ押圧接触させられている。この永久磁石3′の磁極の向きは、磁石3と逆向きになっている。したがって、永久磁石3′の磁力は、磁極片5から検出コイル13を横切って磁極片7の環状突出部7aに向かうことになり、その分だけ検出コイル13を横切る磁力線を大きくすることができ、それによって検出コイル13の出力を増大させることができる。なお、永久磁石3′を用いる場合には、永久磁石3を用いなくてもよく、その場合には永久磁石3′が第2磁場供給手段として機能する。
第22図は、この発明の第15の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーOは、第6図に示すスピーカーEを改良したものであり、永久磁石3と磁気回路構成部材16のフランジ部16bとの間に、磁極片37及び永久磁石3′が設けられている。磁極片37と対向するボビン8の外周部に検出コイル13が設けられている。永久磁石3′の磁極の向きは永久磁石3と逆向きになっている。したがって、検出コイル13を通過する磁力線は、永久磁石3によるもののみならず、永久磁石3′による磁力線も通過する。よって、検出コイル13を通過する磁力線の大きさを永久磁石3′の分だけ大きくすることができ、それによって検出コイル13の出力を増大させることができる。なお、検出コイル3が磁極片37と対向するボビン8の外周部に設けられたことに伴って、磁極片7の内周面とボビン8の外周面との間の隙間、及び磁極片7と軸線方向において同一位置に位置するボビン8の内周面と磁気回路構成部材16の円柱部16aとの間の隙間には、磁性流体18,17がそれぞれ設けられている。また、ボビン8は、支持部材38及びブラケット39を介して磁極片6に固定されている。
第23図は、この発明の第16実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーPは、第17図に示すスピーカーKを改良したものであり、磁気遮断部材1Bのフランジ部1cとボビン8の外周面との間、及び磁気遮断部材1Bの円柱部1bとボビン8の内周面との間には、磁性流体17,18が設けられておらず、フランジ部1cの内周面と対向するボビン8の外周面には、補正コイル26が巻回されている。この補正コイル26は、巻回方向がボイスコイル12の巻回方向と逆になっており、ボイスコイル12に直列に接続されている。その他の構成は、図17に示すスピーカーKと同様である。
このように構成されたスピーカーPによれば、ボイスコイル12と検出コイル13との間に、巻回方向がボイスコイル12の巻回方向と逆で、ボイスコイル12に直列に接続された補正コイル26が配置されているから、音声電流が流れることによって補正コイル26が作る磁力線は、ボイスコイル12が作る磁力線を打ち消すか、あるいは減少させる。したがって、検出コイル13にボイスコイル12との相互誘導作用によって発生する電流の発生量を小さくすることができる。しかも、永久磁石2による磁気回路が補正コイル26を通過する方向(磁極)がボイスコイル12を通過する方向と逆向きになっているから、音声電流によって補正コイル26がボビン8を動かす力は、ボイスコイル12がボビン8を動かす方向と同一になる。よって、ボビン8を大きな力で動かすことができ、スピーカーPの出力を増大させることができる。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、ボビン8の先端部にボイスコイル12を、後端部に検出コイル13をそれぞれ配置しているが、これとは逆にボビン8の先端部に検出コイル13を、後端部にボイスコイル12をそれぞれ配置してもよい。
また、第2振動板28は、上記スピーカーA,B、D〜H、J〜L、N及びOにも設けてもよい。
産業上の利用の可能性
この発明に係るスピーカーは、高い音質が望まれるオーディオ機器のスピーカーとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の第1の実施の形態を示す図であって、第1図(A)はその縦断面図、第1図(B)、(C)、(D)はそれぞれ第1図(A)のB−B線、C−C線、D−D線に沿う断面図である。
第2図は、第1図に示すスピーカーが用いられたスピーカー装置の回路図である。
第3図は、この発明の第2の実施の形態を示す縦断面図である。
第4図は、この発明の第3の実施の形態を示す縦断面図である。
第5図は、この発明の第4の実施の形態を示す縦断面図である。
第6図は、この発明の第5の実施の形態を示す図であって、第6図(A)はその縦断面図、第6図(B)は第6図(A)のB−B線に沿う断面図である。
第7図は、この発明の第6の実施の形態を示す縦断面図である。
第8図は、この発明の第7の実施の形態を示す縦断面図である。
第9図は、この発明の第8の実施の形態を示す図であって、第9図(A)はその縦断面図、第9図(B)は、第9図(A)のB−B線に沿う断面図である。
第10図は、第9図(A)のX−X線に沿う断面図である。
第11図は、第9図(A)のY−Y線に沿う断面図である。
第12図は、第9図〜第11に示すスピーカーが用いられたスピーカー装置の回路の一例を示す図である。
第13図は、第9図〜第11図に示すスピーカーが用いられたスピーカー装置の回路の他の例を示す図である。
第14図は、この発明の第9の実施の形態を示す縦断面図である。
第15図(A)、(B)、(C)は、それぞれ第14図のX−X線、Y−Y線、Z−Z線に沿う断面図である。
第16図は、この発明の第10の実施の形態を示す図であって、第16図(A)はその縦断面図、第16図(B)、(C)はそれぞれ第16図(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
第17図は、この発明の第11の実施の形態を示す図であって、第17図(A)はその縦断面図、第17図(B)、(C)はそれぞれ第17図(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
第18図は、この発明の第12の実施の形態を示す図であって、第18図(A)はその縦断面図、第18図(B)、(C)はそれぞれ第18図(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
第19図は、この発明の第13の実施の形態を示す縦断面図である。
第20図(A)、(B)、(C)はそれぞれ第19図のA−A線、B−B線、C−C線に沿う断面図である。
第21図は、この発明の第14の実施の形態を示す縦断面図である。
第22図は、この発明の第15の実施の形態を示す縦断面図である。
第23図は、この発明の第16実施の形態を示す図であり、図23(A)はその縦断面図、図23(B)、(C)はそれぞれ図23(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
この発明は、検出コイルの検出信号をボイスコイルの入力側に負帰還させるようにしたスピーカーに関する。
背景技術
一般に、ボイスコイルによって振動板を振動させるようにしたスピーカーにおいては、検出コイルをボイスコイルと同軸に配置するとともに、ボイスコイルにその軸線方向へ一体に移動するように連結している。したがって、検出コイルは、ボイスコイルの振動に伴って振動し、それによって検出コイルに動的電流が発生する。この動的電流をボイスコイルの入力側に負帰還させることにより、スピーカーの動的特性を改善するようにしている。
しかしながら、従来のスピーカーにおいては、検出コイルに動的電流が発生するのみならず、ボイスコイルに流れる電流の変化に伴う相互誘導作用によっても電流が発生する。この相互誘導による電流も、ボイスコイルの入力側へ戻される。この結果、動的電流による負帰還量が減らされるため、その分だけスピーカーの動的特性の改善が妨げられるという問題があった。
発明の開示
この発明は上記の問題を解決するためになされたもので、振動板を駆動するボイスコイルと、このボイスコイルに、軸線をほぼ一致させ、かつ軸線方向へ一体に移動するように連結された検出コイルと、上記ボイスコイルに磁場を供給する第1磁場供給手段と、上記検出コイルに磁場を供給する第2磁場供給手段とを備えたスピーカーにおいて、上記ボイスコイルが発生する磁力線が上記検出コイル側へ向かうのを阻止するよう、上記ボイスコイルと上記検出コイルとの間に磁性材からなる磁気遮断部材を設けたことを特徴としている。
この場合、一端部に上記振動板が取り付けられた筒状をなすボビンをさらに備え、このボビンの外周に上記ボイスコイルと上記検出コイルとが上記ボビンの軸線方向に互いに離れて設けられていることが望ましい。
上記ボビンには、上記ボイスコイルと上記検出コイルとの間の中間部から他端面まで延びる複数の切欠き部が周方向に互いに離れて形成され、それによって周方向に隣接する二つの切欠き部間にアーム部が形成され、上記磁気遮断部材が上記ボビンの軸線方向において上記ボイスコイルと上記検出コイルとの間に配置され、上記磁気遮断部材には上記アーム部と同数の挿通孔が形成され、各挿通孔に上記アーム部が隙間をもってそれぞれ挿通されていることが望ましい。
上記磁気遮断部材と、上記検出コイルに対する磁気回路の一部を構成する磁極片とが上記検出コイルの軸線方向に隣接して配置され、上記磁気遮断部材と上記磁極片との間に非磁性材からなるスペーサが設けられていることが望ましい。
上記磁気遮断部材が、環状をなし、かつ上記ボビンの外側にボビンの外周面との間に隙間をもって配置された外側部材と、上記ボビンの内側に、上記外側部材と上記ボビンを間にして対向し、かつ上記ボビンの内周面との間に隙間をもって配置された内側部材とを有し、上記外側部材と上記ボビンとの間及び上記内側部材と上記ボビンとの間に磁性流体がそれぞれ設けられていることが望ましい。
上記ボイスコイルに流れる電流変化に伴って上記検出コイルに誘導される誘導電流を小さくするための補正コイルが上記ボイスコイル及び上記検出コイルとほぼ同軸に配置されていることが望ましい。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の実施の形態について第1図〜第23図を参照して説明する。
第1図(A)〜(D)は、この発明の第1の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーAは、磁気遮断部材1を備えている。この磁気遮断部材1は、磁性材からなるものであり、円板状に形成されている。磁気遮断部材1の一端面中央部には、円板状をなす永久磁石(第1磁場供給手段)2が固定され、磁気遮断部材1の他端面中央部には、円板状をなす永久磁石(第2磁場供給手段)3が固定されている。永久磁石2,3は、互いに同一外径を有しており、その外径は磁気遮断部材1の外径の半分程度に設定されている。永久磁石2,3は、同一の磁極(この実施の形態の場合、S極)が隣接するように配置されているが、異なる磁極が隣接するように配置されることもある。いずれの態様に配置されるかは、後述する理由による。永久磁石2,3の互いに離れた各端面には、磁性材からなる円板状の磁極片4,5がその軸線を永久磁石2,3及び磁気遮断部材1の軸線と一致させて固定されている。各磁極片4,5は、同一外径を有しており、永久磁石2,3より若干大径になっている。
磁気遮断部材1の両端面の外周部には、磁性材からなる円筒状の磁極片6,7の各一端面が固定されている。磁極片6,7は、その軸線を磁気遮断部材1の軸線と一致させて配置されている。磁極片6,7の互いに離れた他端部の内周面には、環状突出部6a,7aが形成されている。各環状突出部6a,7aは、磁極片4,5の外周面とそれぞれ隙間をもって対向している。
磁気遮断部材1には、複数(この実施の形態では3個)のスリット(挿通孔)1aが形成されている。各スリット1aは、磁気遮断部材1の軸線を中心とする円周上に形成され、周方向へほぼ等間隔だけ離れて配置されている。各スリット1aの内径は、磁極片4,5の外径とほぼ等しく設定され、各スリット1aの外径は、磁極片6,7の環状突出部6a,7aの内径とほぼ等しく設定されている。
上記構成において、永久磁石2、磁極片4,6及び磁気遮断部材1によって第1の磁気回路が構成され、永久磁石3、磁極片5,7及び磁気遮断部材1によって第2の磁気回路が構成されている。ここで、磁気遮断部材1は、両方の磁気回路に使用されているが、永久磁石2,3の磁極が逆向きであるので、第1の磁気回路の磁力線が磁気遮断部材1を介して第2の磁気回路に漏れ出ることはほとんどない。勿論、第2の磁気回路の磁力線が第1の磁気回路に漏れ出ることもほとんどない。換言すれば、永久磁石2,3間に磁性材からなる磁気遮断部材1を設けることにより、永久磁石2の磁力線が第2の磁気回路側に漏れ出ることが防止され、永久磁石3の磁力線が第1の磁気回路側に漏れ出ることが防止されているのである。
スピーカーAは、ボビン8をさらに備えている。ボビン8は、紙等の絶縁材料あるいは炭素繊維で強化された紙、又はアルミニウム等の非磁性材からなるものであり、円筒状に形成されている。ボビン8の内径は、スリット1aの内径より若干大きく設定され、ボビン8の外径は、スリット1aの外径より若干小径に設定されている。ボビン8の長さは、磁極片4,5間の外法寸法より長く設定されている。ボビン8には、その長手方向の中間部から磁極片5側の端面まで延びる複数(スリット1aと同数)の切欠き部8aが周方向にほぼ等間隔だけ離れて形成されている。ボビン8の周方向に隣接する切欠き部8a,8aの間の部分が、アーム部8bになっている。アーム部8bの周方向の長さは、スリット1aの周方向の長さより若干短く設定されている。したがって、アーム部8bは、スリット1aに隙間をもって挿通可能である。
上記のように構成されたボビン8は、アーム部8bが形成された端部(以下、ボビン8のアーム部8bが形成された端部を後端部と称し、逆側の端部を先端部と称する。)側から磁極片4と磁極片6の環状突出部6aとの間に挿入されている。そして、アーム部8bがスリット1aを貫通し、さらに磁極片5と磁極片7の環状突出部7aの間を貫通している。したがって、ボビン8の後端部は、磁極片5,7から後方に突出している。ボビン8の後端部は、その内周と磁極片5の中央部との間に設けられた支持部材9を介してボビン8の軸線方向へ変位可能に支持されている。一方、ボビン8の先端部は、磁極片4と磁極片6の環状突出部6aとの間から外部に突出している。そして、ボビン8の先端部は、その内周と磁極片4の中央部との間に設けられた支持部材10を介してボビン8の軸線方向へ変位可能に支持されている。したがって、ボビン8は、その軸線方向へ変位可能である。
ボビン8の先端部外周には、球面の一部をなす振動板11の外周部が固定されている。この振動板11より若干後端側のボビン8の先端部外周面には、ボイスコイル12が巻回固定されている。このボイスコイル12は、磁力片6の環状突出部6aと対向する箇所に配置されている。したがって、永久磁石2による磁力線は、ボイスコイル8を内側から外側へ向かって、つまり磁極片4側から環状突出部6a側に向かって横切る。図2に示すように、ボイスコイル12を構成するコイル線の両端部は、増幅器Zの二つの出力端子にそれぞれ接続されている。したがって、増幅器Zからボイスコイル12に音声電流が通電されと、ボイスコイル12がその軸線方向へ振動する。それに応じてボビン8及び振動板11が軸線方向へ振動する。振動板11の振動により音声が発生する。
ボビン8の後端部外周面には、検出コイル13が巻回固定されている。この検出コイル13は、磁極片7の環状突出部7aと対向する箇所に配置されている。したがって、永久磁石3による磁力線は、検出コイル13を内側から外側へ向かって、つまり磁力片5側から環状突出部7a側へ向かって横切る。よって、ボイスコイル12の振動に伴ってボビン8が振動し、それによって検出コイルがその軸線方向へ振動すると、検出コイル13に動的電流が発生する。第2図に示すように、検出コイル13の巻回方向がボイスコイル12と同一方向であり、検出コイル13を横切る磁力線の方向もボイスコイル12を横切る磁力線の方向と同一である。したがって、検出コイル13には、ボイスコイル12に入力される音声電流と位相が180°異なる動的電流が発生する。この動的電流は、増幅器Zの入力側に負帰還される。
このように、検出コイル13に発生する動的電流を増幅器Zに負帰還させるためには、検出コイル13に発生する動的電流をボイスコイル12に入力される音声電流に対して位相が180°異なるものにする必要がある。そこで、検出コイル13の巻回方向がボイスコイル12と同一であるときには、検出コイル13を横切る磁力線の方向とボイスコイル12を横切る磁力線の方向とが同一にされ、検出コイル13の巻回方向がボイスコイル12と逆であるときには、検出コイル13を横切る磁力線の方向とボイスコイル12を横切る磁力線の方向とが逆にされる。これが、磁石2、3の磁極の関係態様を決定する理由である。
上記構成のスピーカーAにおいては、ボイスコイル12の音声電流が流れると、それに伴って磁力線が発生する。この磁力線は、永久磁石2、磁極片4,6及び磁気遮断部材1によって構成される第1の磁気回路中を流れるから、ボイスコイル12に発生する磁力線が検出コイル13側へ漏れることはほとんどない。したがって、検出コイル13には相互誘導電流が発生することがほとんどなく、検出コイル13に発生する動的電流の負帰還量が相互誘導電流によって減らされることがない。よって、スピーカーの動的特性を改善することができる。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態においては、上記の実施の形態と異なる構成についてのみ説明することとし、同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
第3図は、この発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーBにおいては、磁気遮断部材1と永久磁石3及び磁極片7との間に磁気遮断部材1側から永久磁石3及び磁極片7側へ向かってスペーサ14及び磁極片15が順次配置固定されている。スペーサ14は、非磁性材からなるものであり、磁気遮断部材1と同一の断面形状を有している。磁極片15は、磁性材からなるものであり、磁気遮断部材1と同一の断面形状を有している。したがって、スペーサ14及び磁極片15には、スリット1aと同一形状、同一寸法を有するスリット14a,15aがそれぞれ形成されており、各スリット14a,15aには、ボビン8のアーム部8bが挿通されている。
このように構成された結果、スピーカーBは、上記スピーカーAと次の三点で相違している。第1に、スピーカーBにおいては、永久磁石2、磁極片4,6及び磁気遮断部材1によって第1の磁気回路が構成され、永久磁石3、磁極片5,7及び磁極片15によって第2の磁気回路が構成されており、磁気遮断部材1が第1、第2の二つの磁気回路に共用されていない。第2に、第1、第2の二つの磁気回路がスペーサ14によって互いに分離されている。第3に、磁極片15が、検出コイル13に第1の磁気回路側から磁気が侵入するのを阻止する磁気遮蔽部材として作用する。したがって、ボイスコイル12に発生する磁力線が検出コイル13側へ漏れるのをより一層確実に防止することができる。よって、スピーカーの動的特性をより一層改善することができる。
第4図は、この発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーCにおいては、スピーカーAの磁気遮断部材1に代えて、磁性材からなる磁気遮断部材1Aが用いられている。この磁気遮断部材1Aは、断面円形で中実である円柱部1bと、この円柱部1bの外周面の軸線方向における中央部に一体に形成された円板状のフランジ部1cとから構成されている。円柱部1bの外径は、ボビン8の外径より若干小径に形成され、その長さはボビン8の長さより若干短く形成されている。円柱部1bは、ボビン8内に挿入されている。フランジ部1cは、円柱部1bと同芯に配置され、ボビン8より大径に形成されている。フランジ部1cの基端部には、スリット1aが形成されている。スリット1aより外周側のフランジ部1cの両端面には、リング状をなす永久磁石(第1磁場供給手段)2及び永久磁石(第2磁場供給手段)3の一端面がそれぞれ固定されている。永久磁石2,3の他端面には、リング状をなす磁極片6,7が固定されている。円柱部1b、永久磁石2,3及び磁極片6,7は、軸線を一致させて配置されている。磁極片6は、その内周面が円柱部1bの外周面の後端部と対向するように配置されている。磁極片7は、その内周面が円柱部1bの外周面の先端部と対向するように配置されている。これから明かなように、円柱部1bは、上記スピーカーAにおける磁極片4,5を兼ねており、円柱部1bの両端面には、支持部材9,10がそれぞれ固定されている。また、ボイスコイル12及び検出コイル13は、ボビン8の磁極片6,7と対向する箇所にそれぞれ設けられている。このスピーカーCにおいては、永久磁石2、磁気遮断部材1Aのフランジ部1c及び円柱部1bの先端側の半分、並びに磁極片6によって第1の磁気回路が構成され、永久磁石3、磁気遮断部材1Aのフランジ部1c及び円柱部1bの後端側の半分、並びに磁極片7によって第2の磁気回路が構成されている。
第5図は、この発明の第4の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーDは、第3図に示すスピーカーBと第4図に示すスピーカーCとを組み合わせたような構造をなしている。すなわち、このスピーカーDにおいては、第4図に示す磁気遮断部材1Aがその軸線方向の中央部、つまりフランジ部1cの幅方向の中央部において二分割されている。そして、ボイスコイル12側の部分が磁気遮断部材1Bになっており、検出コイル13側の部分が磁気回路構成部材(磁極片)16になっている。勿論、磁気遮断部材1Bは、円柱部1b及びフランジ部1cを有している。一方、磁気回路構成部材16は、磁気遮断部材1Bと対称な形状をなしており、磁気遮断部材1Bの円柱部1b及びフランジ部1cとそれぞれ同形、同大の円柱部16a及びフランジ部16bを有している。フランジ部16bには、ボビン8のアーム部8bが挿通されるスリット16cが形成されている。
このスピーカーDにおいては、磁気遮断部材1Bと磁気回路構成部材16との間に非磁性材からなるスペーサ14が設けられているのみならず、磁気回路構成部材16が上記スピーカーBの磁極片15と同様に磁気遮蔽部材として機能する。したがって、この実施の形態のスピーカーDは、スピーカーCに比してスピーカーの動的特性を改善することができる。
第6図は、この発明の第5の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーEにおいては、磁気遮断部材1Bの円柱部(内側部分)1bとフランジ部(外側部分)1cとが互いに分離され、円柱部1bの外周面とフランジ部1cの内周面との間には、環状の隙間が形成されている。その隙間にボビン8が貫通配置されている。ボビン8の内周面と円柱部1cの外周面との間の隙間及びボビン8の外周面とフランジ部1cの内周面との間の隙間には、磁性流体17,18がそれぞれ充填されている。円柱部1cの軸線方向における磁性流体17,18の長さは、フランジ部1cの幅とほぼ同一になっている。
スペーサ14も、磁気遮断部材1Bと同様に、内周側の内板部14bと、外周側のリング状をなす外板部14cとに二分されている。内板部14bは、円柱部1bと同一外径を有し、同芯に配置されている。外板部14cは、フランジ部1cと同一の外径及び内径を有しており、フランジ部1cと同芯に配置されている。内板部14bと外板部14cとの間の環状の隙間には、ボビン8が内板部14b及び外板部14cとの間に隙間をもって挿通されている。
また、磁気回路構成部材16のフランジ部16bは、磁気遮断部材1Bと逆側の端部に形成されている。これに対応して、磁極片7が磁気遮断部材1B側にスペーサ14と隣接して配置されている。この磁極片7と対向するボビン8の外周に検出コイル13が巻回されている。
磁気回路構成部材16の円柱部16aには、スペーサ14の内板部14b及び磁気遮断部材1Bの円柱部1bが接着等の固定手段により順次固定されている。また、フランジ部16bの磁気遮断部材1B側を向く端面には、永久磁石3、磁極片7、スペーサ14の外板部14b、磁気遮断部材1Bのフランジ部1c、永久磁石2及び磁極片6が接着等の手段によって順次固定されている。その他の構成は、スピーカーDと同様になっている。
この実施の形態のスピーカーEにおいては、磁気遮断部材1Bの円柱部1b及びフランジ部1cとボビン8との各間に磁性流体17,18を充填しているので、ボイスコイル12による磁力線が検出コイル13側に漏れるのをより一層確実に防止することができる。ただし、磁性流体17,18は、必ずしも設ける必要はない。
第7図は、この発明の第6の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーFは、スピーカーEと次の点において相違している。すなわち、スピーカーFにおいては、スペーサ14の外板部14cの内径がボビン8の外径より十分に大径に形成されており、ボビン8、外板部14c、磁気遮断部材1Bのフランジ部1c及び磁極片7とによって環状の空間Sが形成されている。この空間S内には、環状に形成された支持部材9が配置されている。この支持部材9の外周部は、磁極片7に固定されており、内周部はボビン8の中間部に固定されている。したがって、ボビン8については、磁気回路構成部材16のフランジ部16bを貫通させる必要がなく、その分だけボビン8の全長を短くすることができる。しかも、ボビン8が磁気回路構成部材16のフランジ部16bを貫通していないので、フランジ部16bにはスリットを形成する必要がなく、ボビン8には切り欠き部8aを形成する必要がない。よって、その分だけ製造費を低減することができる。
第8図は、この発明の第7の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーGにおいては、支持部材10の内周部に振動板11が一体に形成されている。支持部材10の外周部は、磁極片6の端面にこれと同芯に固定された環状のスペーサ19に固定されている。また、振動板11の外周部(支持部材10と振動板11との境界部)には、ボビン8の一端部が固定されている。ボビン8の他端部は、自由端部として何物にも支持されていない。つまり、ボビン8は、支持部材10により片持ち状態で支持されている。したがって、このスピーカーGには、空間Sが形成されておらず、支持部材9が用いられていない。その他の構成は、スピーカーFと同様である。
第9図〜第11図は、この発明の第8の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーHは、第7図に示すスピーカーFを実際に使用することができるようにより具体化したものである。そのために、スペーサ14の外板部14cと磁気遮断部材1Bのフランジ部1cとの間には、リング状をなす磁気回路干渉防止磁石25が外板部14c及びフランジ部1cと同芯に配置固定されている。この磁石25は、その磁極が永久磁石2,3の磁極の向きと逆向きになるように配置されている。したがって、磁石25は、磁石2による磁気回路と磁石3による磁気回路とが干渉するのを防止する。磁石25が固定されたフランジ部1cの端面のうち、磁石25より内周側の部分には、補正コイル26がフランジ部1cと同芯に配置固定されている。この補正コイル26は、ボイスコイル12に流れる音声電流によって検出コイル13に電流が誘導(相互誘導)されるのを防止するためのものであり、ボイスコイル12又は検出コイル13に接続されている。この点は後述する。
また、スペーサ14の内板部14b及び磁気遮断部材1Bの円柱部1bが接着に代えて、あるいはそれと共に、磁気回路構成部材16、スペーサ14及び磁気遮断部材1Bの各中央部を貫通するボルト20及びそれに螺合されたナット21によって磁気回路構成部材16に固定されている。また、磁気遮断部材1B、磁気回路構成部材16、スペーサ14、永久磁石2,3、磁極片6,7及び磁気回路干渉防止磁石25の外側には、樹脂製の筒体22が外挿されている。換言すれば、筒体22の内周に、磁気遮断部材1B、磁気回路構成部材16、スペーサ14、永久磁石2,3、磁極片6,7及び磁石25がそれぞれ嵌合され、それによって各部材が同芯に保持されている。第9図(B)、第10図及び第11図に示すように、磁気遮断部材1B及び磁気回路構成部材16の各フランジ部1c,16bの外周面並びに磁極片6,7の各外周面には、それぞれ三つ以上の小突起1d,16d,6b,7bが周方向に等間隔に設けられており、各小突起1d,16d,6b,7bが筒体22の内周面に接触することにより、磁気遮断部材1B、磁気回路構成部材16及び磁極片6,7が筒体22の内周に嵌合されている。筒体22の一端部には、内周側へ向かって突出する環状の突出部22aが形成されている。筒体22の他端部には、環状をなす樹脂製の前面カバー23がボルト24によって固定されている。この前面カバー23が磁極片6に接触するとともに、突出部22aが磁気回路構成部材16のフランジ部16bに接触している。これにより、筒体の内周に嵌合された磁気遮断部材1B、磁気回路構成部材16、スペーサ14、永久磁石2,3、磁極片6,7及び磁石25が筒体22に対して抜け止めされている。
第12図は、上記ボイスコイル12、検出コイル13及び補正コイル26を有するスピーカーHが用いられたスピーカー装置の一例の概略構成を示すものである。このスピーカー装置においては、ボイスコイル12と補正コイル26とが直列に接続されている。ボイスコイル12と補正コイル26との各一端部は、増幅器Zの出力端子にそれぞれ接続されている。しかも、ボイスコイル12と補正コイル26とは、互いに逆向きに巻回されている。検出コイル13はボイスコイル12と同一の向きに巻回されている。
上記構成のスピーカー装置においては、各コイル12,26に発生する磁力線の向きが逆であるから、補正コイル26に発生する磁力線は、ボイスコイル12に発生する磁力線が検出コイル13側に至るのを防止ないし減少させる。したがって、磁気遮断部材1Bを設けたことと相俟って、スピーカーHの動的特性をさらに向上させることができる。
第13図は、スピーカーHが用いられたスピーカー装置の他の例の概略構成を示すものである。このスピーカー装置では、検出コイル13と補正コイル26とが直列に接続されており、検出コイル13と補正コイル26との各一端部が増幅器Zの入力端子にそれぞれ接続されている。検出コイル13と補正コイル26との巻回方向は逆向きになっている。ボイスコイル12は、検出コイル13と巻回方向が同一になっており、ボイスコイル12の両端部は、増幅器Zの出力端子に接続されている。
このスピーカー装置においては、仮に検出コイル13にボイスコイル12による相互誘導電流が流れたとしても、その電流は、ボイスコイル12と補正コイル26との間の相互誘導作用によって補正コイル26に発生する電流によって打ち消される。したがって、検出コイル13に流れる動的電流による負帰還量が減らされることがない。よって、第12図に示すスピーカー装置と同様に、スピーカーHの動的特性をより一層改善することができる。
第14図及び第15図は、この発明の第9の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーIは、第4図に示すスピーカーCを低周波用のスピーカーとして用いるのに好適なように変形したものであり、磁極片6の前面には、前方へ向かって拡径するコーン部材27の小径側端部が固定されている。このコーン部材27の大径側端部には、コーン状をなす第2振動板(振動板)28の大径側端部が支持部材29を介して前後方向へ振動可能に支持されている。第2振動板28の小径側端部は、ボビン8に固定されている。
また、このスピーカーIは、第4図に示すスピーカーCと次の点においても異なっている。すなわち、ボビン8が永久磁石2から前側に位置する前部分8Aと、永久磁石3から後側に位置する後部分8Bとに二分されている。前部分8Aと後部分8Bとは、互いの軸線を一致させて配置されており、周方向に離れて配置された複数の連結軸8Cによって連結されている。連結軸8Cは、フランジ部1cにスリット1aに代わって形成された挿通孔1a′に挿通されている。第15図(B)に示すように、挿通孔1a′は、スリット1aに比べて周方向の長さが大幅に短い。したがって、磁気遮断部材1Aの磁気遮断効果を向上させることができる。フランジ1c及び磁極片7がボルト30によって永久磁石3に押圧されることにより、フランジ1c,永久磁石3及び磁極片7が互いに固定されている。磁石3と逆側における磁極片7の端面には、防塵カバー31が設けられている。
第16図(A)、(B)、(C)は、この発明の第10の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーJにおいては、樹脂、アルミニウム等の非磁性材からなる円板状の保持部材32が用いられている。保持部材32の一端面中央部には、断面円形の突出部32aが形成されている。この突出部32aの先端面には、突出部32aと同芯に配置された磁極片5、永久磁石3、磁極片15、スペーサ14の内板部14b、磁気遮断部材1、永久磁石2及び磁極片4が接着等の手段によって順次固定されている。磁極片5、永久磁石3、磁極片15、スペーサ14の内板部14b、磁気遮断部材1、永久磁石2及び磁極片4は、ボビン8の内径より小径に形成されており、それらの外側にはボビン8が隙間をもって外挿されている。磁気遮蔽部材1及び磁極片15の各外周面とボビン8の内周面との間の各隙間には、磁性流体17がそれぞれ設けられている。ボビン8は、前述した実施の形態、例えば第7図に示すスピーカーBと同様に、磁極片4に支持部材10を介して片持ち状態で固定されている。
保持部材32の一端面の外周部には、保持部材32と同芯に配置された保持リング33がボルト34によって固定されている。突出部32aの先端面と同一方向を向く保持リング33の端面には、保持部材32と同芯に配置された磁極片7、スペーサ14の外板部14c及び磁極片6が接着等の手段によって順次固定されている。磁極片7、スペーサ14の外板部14c及び磁極片6の各内径は、ボビン8の外径より大径に形成されている。磁極片7の内周面の一端部と他端部とには、環状突出部7a,7cが形成されている。環状突出部7aは、ボビン8を介して磁極片5の外周面と対向し、環状突出部7cは、ボビン8を介して磁極片15の外周面と対向している。環状突出部7aと対向するボビン8の外周面には、検出コイル13が設けられている。環状突出部7cの内周面とボビン8の外周面との間の隙間には、磁性流体18が設けられている。磁極片6の内周面の一端部と他端部とには、環状突出部6a,6cが形成されている。環状突出部6aは、ボビン8を介して磁極片4の外周面と対向し、環状突出部6cは、ボビン8を介して磁気遮断部材1の外周面と対向している。環状突出部6aと対向するボビン8の外周面には、ボイスコイル12が設けられている。環状突出部6cの内周面とボビン8の外周面との間の隙間には、磁性流体18が設けられている。
このスピーカーJにおいては、磁気遮断部材1がボビン8より小径に形成されているが、磁気遮断部材1は、磁性流体17,18を介して磁極片6の環状突出部6cに磁気的に連続しているので、磁極片6の磁気遮断部材1と対向する端部が磁気遮断部材1の一部として機能する。したがって、このスピーカーJも、前述した各スピーカーA〜Iと同様に動的特性の改善をすることができる。
第17図(A)、(B)、(C)は、この発明の第11の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーKは、第8図に示すスピーカーGを変形したものであり、このスピーカーKにおいても、保持部材32及び保持リング33が用いられている。保持部材32の突出部32aの先端面には、それぞれ保持部材32と同芯に配置された磁気回路構成部材16の円柱部16a、スペーサ14の内板部14b及び磁気遮断部材1Bの円柱部1bが接着等の手段によって順次固定されている。保持リング33には、それぞれ保持部材32と同芯に配置された磁気回路構成部材16のフランジ部16b、永久磁石3、磁極片7、スペーサ14の外板部14c、磁気遮断部材1Bのフランジ部1c、永久磁石2及び磁極片6が接着等の手段によって順次固定されている。ボビン8の外周面のフランジ部16b及び磁極片6と対向する各個所には、検出コイル13及びボイスコイル12がそれぞれ設けられている。フランジ部1c及び磁極片7とボビン8との各対向面間には、磁性流体17がそれぞれ設けられ、フランジ部1c及び磁極片7に対応するボビン8と円柱部1b,16aとの各対向面間には、磁性流体18がそれぞれ設けられている。
第18図(A)、(B)、(C)は、この発明の第12の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーLは、第16図に示すスピーカーJの構造をより簡単にしたものであり、そのために磁極片5が磁極片7と一体に形成されている。つまり、磁極片5の外周部と磁極片7の環状突出部7aとが連続して一体に形成されている。磁極片5の一端面中央部には、永久磁石3、磁極片15、スペーサ14の内板部14b、磁気遮断部材1、永久磁石2及び磁極片4が接着等の手段によって順次固定されている。磁極片7の一端面外周部には、スペーサ14の外板部14c及び磁極片6が接着等の手段によって順次固定されている。磁極片5と磁極片7とが一体化されているため、ボビン8は、磁極片5,7間を貫通することなく、磁極片15と磁極片7の環状突出部7cとの間を貫通しているだけである。磁極片7の環状突出部7cと対向するボビン8の外周面には、検出コイル13が設けられている。
第19図及び第20図(A)、(B)、(C)は、この発明の第13の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーMは、第14図及び第15図に示すスピーカーIを変更したものである。すなわち、磁気遮断部材1Aの円柱部1bの後端部は、ボビン8の連結軸部8Cの中間部に位置しており、磁気遮断部材1Aの円柱部1b及びフランジ部1cの後端面には、スペーサ14、磁気回路構成部材16、永久磁石3及び磁極片7がボルト30によって固定されている。スペーサ14の外板部14c及び磁気回路構成部材16のフランジ部16bには、ボビン8の連結軸部8Cが挿通される挿通孔14a′,16c′が形成されている。その他の構成は、第14図及び第15図に示すスピーカーIと同様である。
第21図は、この発明の第14の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーNは、第16図に示すスピーカーBを改良したものであり、非磁性材からなる保持部材32に代えて磁性材からなる磁極片35が用いられている。磁極片35は、円板状をなしており、磁極片7と同芯に配置されている。磁極片35の磁極片7と対向する一端面外周部には、磁極片7側へ向かって突出する環状の突出部35aが形成されている。この突出部35aが磁極片7に突き当たった状態でボルト36を締め付けることにより、磁極片35が磁極片7に固定されている。磁極片35と磁極片5との間には、永久磁石3とほぼ同一形状、同一寸法の永久磁石3′が配置されている。この永久磁石3′の両端面は、磁極片5,35にそれぞれ押圧接触させられている。この永久磁石3′の磁極の向きは、磁石3と逆向きになっている。したがって、永久磁石3′の磁力は、磁極片5から検出コイル13を横切って磁極片7の環状突出部7aに向かうことになり、その分だけ検出コイル13を横切る磁力線を大きくすることができ、それによって検出コイル13の出力を増大させることができる。なお、永久磁石3′を用いる場合には、永久磁石3を用いなくてもよく、その場合には永久磁石3′が第2磁場供給手段として機能する。
第22図は、この発明の第15の実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーOは、第6図に示すスピーカーEを改良したものであり、永久磁石3と磁気回路構成部材16のフランジ部16bとの間に、磁極片37及び永久磁石3′が設けられている。磁極片37と対向するボビン8の外周部に検出コイル13が設けられている。永久磁石3′の磁極の向きは永久磁石3と逆向きになっている。したがって、検出コイル13を通過する磁力線は、永久磁石3によるもののみならず、永久磁石3′による磁力線も通過する。よって、検出コイル13を通過する磁力線の大きさを永久磁石3′の分だけ大きくすることができ、それによって検出コイル13の出力を増大させることができる。なお、検出コイル3が磁極片37と対向するボビン8の外周部に設けられたことに伴って、磁極片7の内周面とボビン8の外周面との間の隙間、及び磁極片7と軸線方向において同一位置に位置するボビン8の内周面と磁気回路構成部材16の円柱部16aとの間の隙間には、磁性流体18,17がそれぞれ設けられている。また、ボビン8は、支持部材38及びブラケット39を介して磁極片6に固定されている。
第23図は、この発明の第16実施の形態を示す。この実施の形態のスピーカーPは、第17図に示すスピーカーKを改良したものであり、磁気遮断部材1Bのフランジ部1cとボビン8の外周面との間、及び磁気遮断部材1Bの円柱部1bとボビン8の内周面との間には、磁性流体17,18が設けられておらず、フランジ部1cの内周面と対向するボビン8の外周面には、補正コイル26が巻回されている。この補正コイル26は、巻回方向がボイスコイル12の巻回方向と逆になっており、ボイスコイル12に直列に接続されている。その他の構成は、図17に示すスピーカーKと同様である。
このように構成されたスピーカーPによれば、ボイスコイル12と検出コイル13との間に、巻回方向がボイスコイル12の巻回方向と逆で、ボイスコイル12に直列に接続された補正コイル26が配置されているから、音声電流が流れることによって補正コイル26が作る磁力線は、ボイスコイル12が作る磁力線を打ち消すか、あるいは減少させる。したがって、検出コイル13にボイスコイル12との相互誘導作用によって発生する電流の発生量を小さくすることができる。しかも、永久磁石2による磁気回路が補正コイル26を通過する方向(磁極)がボイスコイル12を通過する方向と逆向きになっているから、音声電流によって補正コイル26がボビン8を動かす力は、ボイスコイル12がボビン8を動かす方向と同一になる。よって、ボビン8を大きな力で動かすことができ、スピーカーPの出力を増大させることができる。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、ボビン8の先端部にボイスコイル12を、後端部に検出コイル13をそれぞれ配置しているが、これとは逆にボビン8の先端部に検出コイル13を、後端部にボイスコイル12をそれぞれ配置してもよい。
また、第2振動板28は、上記スピーカーA,B、D〜H、J〜L、N及びOにも設けてもよい。
産業上の利用の可能性
この発明に係るスピーカーは、高い音質が望まれるオーディオ機器のスピーカーとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の第1の実施の形態を示す図であって、第1図(A)はその縦断面図、第1図(B)、(C)、(D)はそれぞれ第1図(A)のB−B線、C−C線、D−D線に沿う断面図である。
第2図は、第1図に示すスピーカーが用いられたスピーカー装置の回路図である。
第3図は、この発明の第2の実施の形態を示す縦断面図である。
第4図は、この発明の第3の実施の形態を示す縦断面図である。
第5図は、この発明の第4の実施の形態を示す縦断面図である。
第6図は、この発明の第5の実施の形態を示す図であって、第6図(A)はその縦断面図、第6図(B)は第6図(A)のB−B線に沿う断面図である。
第7図は、この発明の第6の実施の形態を示す縦断面図である。
第8図は、この発明の第7の実施の形態を示す縦断面図である。
第9図は、この発明の第8の実施の形態を示す図であって、第9図(A)はその縦断面図、第9図(B)は、第9図(A)のB−B線に沿う断面図である。
第10図は、第9図(A)のX−X線に沿う断面図である。
第11図は、第9図(A)のY−Y線に沿う断面図である。
第12図は、第9図〜第11に示すスピーカーが用いられたスピーカー装置の回路の一例を示す図である。
第13図は、第9図〜第11図に示すスピーカーが用いられたスピーカー装置の回路の他の例を示す図である。
第14図は、この発明の第9の実施の形態を示す縦断面図である。
第15図(A)、(B)、(C)は、それぞれ第14図のX−X線、Y−Y線、Z−Z線に沿う断面図である。
第16図は、この発明の第10の実施の形態を示す図であって、第16図(A)はその縦断面図、第16図(B)、(C)はそれぞれ第16図(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
第17図は、この発明の第11の実施の形態を示す図であって、第17図(A)はその縦断面図、第17図(B)、(C)はそれぞれ第17図(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
第18図は、この発明の第12の実施の形態を示す図であって、第18図(A)はその縦断面図、第18図(B)、(C)はそれぞれ第18図(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
第19図は、この発明の第13の実施の形態を示す縦断面図である。
第20図(A)、(B)、(C)はそれぞれ第19図のA−A線、B−B線、C−C線に沿う断面図である。
第21図は、この発明の第14の実施の形態を示す縦断面図である。
第22図は、この発明の第15の実施の形態を示す縦断面図である。
第23図は、この発明の第16実施の形態を示す図であり、図23(A)はその縦断面図、図23(B)、(C)はそれぞれ図23(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
Claims (6)
- 振動板を駆動するボイスコイルと、このボイスコイルに、軸線をほぼ一致させ、かつ軸線方向へ一体に移動するように連結された検出コイルと、上記ボイスコイルに磁場を供給する第1磁場供給手段と、上記検出コイルに磁場を供給する第2磁場供給手段とを備えたスピーカーにおいて、
上記ボイスコイルが発生する磁力線が上記検出コイル側へ向かうのを阻止するよう、上記ボイスコイルと上記検出コイルとの間に磁性材からなる磁気遮断部材を設けたことを特徴とするスピーカー。 - 一端部に上記振動板が取り付けられた筒状をなすボビンをさらに備え、このボビンの外周に上記ボイスコイルと上記検出コイルとが上記ボビンの軸線方向に互いに離れて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー。
- 上記ボビンには、上記ボイスコイルと上記検出コイルとの間の中間部から他端面まで延びる複数の切欠き部が周方向に互いに離れて形成され、それによって周方向に隣接する二つの切欠き部間にアーム部が形成され、上記磁気遮断部材が上記ボビンの軸線方向において上記ボイスコイルと上記検出コイルとの間に配置され、上記磁気遮断部材には上記アーム部と同数の挿通孔が形成され、各挿通孔に上記アーム部が隙間をもってそれぞれ挿通されていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカー。
- 上記磁気遮断部材と、上記検出コイルに対する磁気回路の一部を構成する磁極片とが上記ボイスコイルの軸線方向に隣接して配置され、上記磁気遮断部材と上記磁極片との間に非磁性材からなるスペーサが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカー。
- 上記磁気遮断部材が、環状をなし、かつ上記ボビンの外側にボビンの外周面との間に隙間をもって配置された外側部材と、上記ボビンの内側に、上記外側部材と上記ボビンを間にして対向し、かつ上記ボビンの内周面との間に隙間をもって配置された内側部材とを有し、上記外側部材と上記ボビンとの間及び上記内側部材と上記ボビンとの間に磁性流体がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカー。
- 上記ボイスコイルに流れる電流の変化に伴って上記検出コイルに誘導される誘導電流を小さくするための補正コイルが上記ボイスコイル及び上記検出コイルとほぼ同軸に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカー。
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