JP2003061190A - スピーカの磁気回路 - Google Patents
スピーカの磁気回路Info
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Abstract
スピーカの磁気回路を安価に提供すること。 【解決手段】 ポールピース部2の立上り部分の周囲に
存するヨーク1の内底面1a上に、ヨーク1よりも飽和
磁束密度の高い材料で形成された環状の磁性体12を設
け、この磁性体12をポールピース部2の外周面に接触
させた。これにより、ポールピース部2の立上り部分か
ら径方向外側へ向かう磁束の多くが、飽和磁束密度の高
い磁性体12を通過するようになるので、マグネット
4,5を高エネルギー化した場合に懸念される漏洩磁束
の増大を簡単かつ安価に抑制することができ、磁気ギャ
ップG1,G2内の磁束が増加させやすくなる。
Description
の磁気回路に係り、特に、ヨークのポールピース部の外
周面に固設したマグネットを磁気ギャップと対向させて
いるスピーカの磁気回路に関する。
来例を示す断面図である。同図において、磁気回路は、
ポールピース部2および環状外壁部3を一体化してなる
ヨーク1と、ポールピース部2の外周面の軸線方向に沿
ってずらした2か所にそれぞれ固設した一対の環状マグ
ネット4,5とによって構成されており、各環状マグネ
ット4,5は径方向(図示左右方向)に沿って着磁され
ている。これら環状マグネット4,5の外周面はそれぞ
れ上部磁気ギャップG1と下部磁気ギャップG2に対向
しており、両磁気ギャップG1,G2内に円筒状のボビ
ン7に巻装されたボイスコイル6が配置されている。ボ
ビン7の図示上端部は、円錐状のコーン紙等からなる振
動板8の内周部に接合されている。また、環状外壁部3
上にはフレーム9が固定されており、このフレーム9
は、変形接合部10を介して振動板8の外周部を支持し
ていると共に、ダンパー11を介してボビン7を振動自
在に支持している。
4,5の磁極の向きは同じなので、各環状マグネット
4,5の内周面からポールピース部2へ向かう磁束の流
れは、いずれも、ヨーク1の底部を通って環状外壁部3
を上昇した後、一方は上部磁気ギャップG1を横切って
環状マグネット4の外周面へと向かい、他方は下部磁気
ギャップG2を横切って環状マグネット5の外周面へと
向かう。
て、ヨークのポールピース部の外周面に環状マグネット
を1つだけ固設した構成のものも知られている。ただ
し、音のひずみを低減するために信号電流のレベルに対
してボイスコイルの振幅をリニアに変化させたいときに
は、軸線方向に沿ってずらした2か所にそれぞれ環状マ
グネットを設ける構成にしたほうが有利である。
に示すスピーカの磁気回路では、環状マグネット4,5
の内周面からポールピース部2へ向かう磁束の流れがヨ
ーク1の底部を通って環状外壁部3へ向かうが、この磁
束の流れはポールピース部2の立上り部分から径方向外
側へ向かい始める段階で狭い磁路を通過しなければなら
ないので、ヨーク1は図3にハッチングで示すA部で磁
気飽和を起こしやすくなる。その結果、環状マグネット
4,5を高エネルギー化しても、ヨーク1のA部からの
漏洩磁束が増大してしまうので、磁気ギャップG1,G
2内の磁束を十分に増加させることができず、この種の
スピーカの性能向上を図るうえで障害となっていた。
ース部2の外径寸法を、環状マグネット4,5を固設し
ている円柱状部分よりも基端側において漸次増大させる
ことにより、ポールピース部2のテーパ状外周面2aが
ヨーク1の内底面1aと連続するようにしたスピーカの
磁気回路が提案されている。このようにポールピース部
2の立上り部分を円錐台形状に大径化してテーパ状外周
面2aを形成しておけば、磁気回路を流れる磁束は、ポ
ールピース部2の立上り部分から径方向外側へ向かう段
階で比較的広い磁路を通過できるようになるので、環状
マグネット4,5を高エネルギー化してもヨーク1は磁
気飽和を起こしにくくなる。しかしながら、ヨーク1を
図4に示すような形状に加工すること、つまりポールピ
ース部2の立上り部分を円錐台形状に加工することは極
めて煩雑であり、所望の寸法精度を得るためには膨大な
加工時間が必要となるので、かかる従来提案はヨーク1
の製造コストが大幅に上昇してしまうという問題があっ
た。
みてなされたもので、その目的は、漏洩磁束を低減でき
て性能向上が図りやすいスピーカの磁気回路を安価に提
供することにある。
部の立上り部分の周囲に存するヨークの内底面上に環状
の磁性体を設け、この磁性体をポールピース部の外周面
に接触させることとした。これにより、ポールピース部
の立上り部分から径方向外側へ向かう磁路を確保できる
ので、マグネットを高エネルギー化した場合に懸念され
る漏洩磁束の増大を簡単かつ安価に抑制することがで
き、磁気ギャップ内の磁束が増加させやすくなる。
ス部の外周面に該ポールピース部の径方向に沿って着磁
された環状のマグネットを固設し、このマグネットの外
周面をボイスコイルが配置される磁気ギャップと対向さ
せたスピーカの磁気回路において、前記ヨークの内底面
上で前記マグネットの底面と対向する位置に、前記ポー
ルピース部の外周面と接触する環状の磁性体を設けた。
にあっては、環状のマグネットの内周面からヨークのポ
ールピース部へ流れ込む磁束が、該ポールピース部の立
上り部分から径方向外側へ向かうための磁路を充分に確
保できるので、マグネットを高エネルギー化した場合に
懸念される漏洩磁束の増大を簡単かつ安価に抑制するこ
とができ、磁気ギャップ内の磁束を増加させやすくな
る。
よりも飽和磁束密度の高い材料(例えばパーメンジュー
ル)で形成することにより、磁路の最短経路に位置する
前記磁性体へ磁束が集中しても磁気飽和を起こしにくい
ため、磁気ギャップ内の磁束をさらに増加させることが
可能となる。
手法として、ポールピース部の外周面の軸線方向に沿っ
てずらした2か所にそれぞれ環状のマグネットを固設す
るという2ギャップ1コイル方式のスピーカ磁気回路が
知られているが、本発明はこの方式において特に有効と
言える。
体であれば、該磁性体の口径を自身の弾性で若干変化さ
せることが可能となるので、該磁性体をポールピース部
の周囲に嵌め込む組立作業が容易となって好ましい。
図1は本発明の実施例に係るスピーカの断面図であり、
図3,4と対応する部分には同一符号が付してある。
ピース部2および環状外壁部3を一体化してなるヨーク
1と、ポールピース部2の外周面の軸線方向に沿ってず
らした2か所にそれぞれ固設した一対の環状マグネット
4,5と、ヨーク1の内底面1a上でマグネット5の底
面と対向する位置に固設した平面視略C字形の環状の磁
性体12とによって構成されている。この磁性体12
は、鉄製のヨーク1よりも飽和磁束密度の高いパーメン
ジュール等からなり、磁性体12の内周面はポールピー
ス部2の外周面と接触している。また、各環状マグネッ
ト4,5はポールピース部2の径方向に沿って着磁され
ており、環状マグネット4の外周面が上部磁気ギャップ
G1と対向し、環状マグネット5の外周面が下部磁気ギ
ャップG2と対向している。両磁気ギャップG1,G2
内には、円筒状のボビン7に巻装されたボイスコイル6
が配置されており、ボビン7の図示上端部は円錐状のコ
ーン紙等からなる振動板8の内周部に接合されている。
なお、環状外壁部3上にはフレーム9が固定されてお
り、このフレーム9は、変形接合部10を介して振動板
8の外周部を支持していると共に、ダンパー11を介し
てボビン7を振動自在に支持している。
4,5の磁極の向きは同じなので、各環状マグネット
4,5の内周面からポールピース部2へ向かう磁束の流
れは、いずれも、ポールピース部2の立上り部分から径
方向外側へ進み、ヨーク1の底部を通って環状外壁部3
へと向かう。その際、ポールピース部2の立上り部分
(基端部)に磁束が集中するが、この部分には環状の磁
性体12が位置しているため、磁路の断面積を充分に確
保でき、漏洩磁束の発生を抑制できる。また、磁束の多
くは磁路の最短経路に位置する磁性体12を通過して環
状外壁部3へ向かうが、この磁性体12をヨーク1より
も飽和磁束密度の高い材料から形成することで、相当量
の磁束が集中しても磁性体12からの漏洩磁束は問題と
ならない。なお、磁性体12やヨーク1の底部を通って
環状外壁部3へ進んだ磁束は、環状外壁部3を上昇した
後、上部磁気ギャップG1や下部磁気ギャップG2を横
切って環状マグネット4,5の外周面へと向かう。
2の立上り部分の周囲に磁性体12を付設し、マグネッ
ト4,5の磁束がこの磁性体12を通過するようにして
あるので、スピーカの性能向上を図るためにマグネット
4,5を高エネルギー化しても、このポールピース部2
の立上り部分からの漏洩磁束が急増する心配はなく、磁
気ギャップG1,G2内の磁束を十分に増加させること
ができる。しかも、単純な形状のヨーク1に、例えばパ
イプ材をカットして形成される環状の磁性体12を付設
するだけで済むため、磁気回路の製造コストを不所望に
高める心配はなく、安価に性能向上が図れる。
に比べて飽和磁束密度が同等あるいはそれ以下の材料で
形成しても良いが、パーメンジュール等の飽和磁束密度
の高い材料で形成すれば、ポールピース部2の立上り部
分からの漏洩磁束をさらに抑制できるので、磁気ギャッ
プG1,G2内の磁束を一層高めることが可能となる。
視略C字形の環状体であれば、この磁性体12の口径を
自身の弾性で若干変化させることができるので、磁性体
12をポールピース部2の周囲に嵌め込む組立作業が容
易に行える。
着磁された環状マグネット13をポールピース部2の外
周面に1つだけ固設した構成の磁気回路の場合も、ポー
ルピース部2の立上り部分の周囲に磁性体12を付設し
ておくことにより、前記実施例と同様の理由で安価にス
ピーカの性能向上が図れる。
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
向する位置にポールピース部の外周面と接触する環状の
磁性体を設けたので、磁路の断面積を充分に確保でき、
磁気飽和を起こしにくできるので、磁気ギャップ内の磁
束を増加させやすい。したがって、漏洩磁束を低減でき
て性能向上が図りやすいスピーカの磁気回路を安価に提
供することができる。
る。
ある。
る。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 ヨークのポールピース部の外周面に該ポ
ールピース部の径方向に沿って着磁された環状のマグネ
ットを固設し、このマグネットの外周面をボイスコイル
が配置される磁気ギャップと対向させたスピーカの磁気
回路において、前記ヨークの内底面上で前記マグネット
の底面と対向する位置に、前記ポールピース部の外周面
と接触する環状の磁性体を設けたことを特徴とするスピ
ーカの磁気回路。 - 【請求項2】 請求項1の記載において、前記磁性体が
前記ヨークよりも飽和磁束密度の高い材料で形成されて
いることを特徴とするスピーカの磁気回路。 - 【請求項3】 請求項1または2の記載において、前記
マグネットが前記ポールピース部の外周面の軸線方向に
沿ってずらした2か所にそれぞれ固設してあることを特
徴とするスピーカの磁気回路。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの記載におい
て、前記磁性体が平面視略C字形の環状体であることを
特徴とするスピーカの磁気回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001250400A JP4594562B2 (ja) | 2001-08-21 | 2001-08-21 | スピーカの磁気回路 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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- 2001-08-21 JP JP2001250400A patent/JP4594562B2/ja not_active Expired - Fee Related
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