JP2001000043U - スピーカ用磁気回路 - Google Patents

スピーカ用磁気回路

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JP2001000043U JP000878U JP87898U JP2001000043U JP 2001000043 U JP2001000043 U JP 2001000043U JP 000878 U JP000878 U JP 000878U JP 87898 U JP87898 U JP 87898U JP 2001000043 U JP2001000043 U JP 2001000043U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気回路部及びスピーカ全体の軽量化に適する
と共に性能的に優れたスピーカ用磁気回路を提供するこ
とにある。 【解決手段】厚み方向に着磁された外周円形のマグネッ
ト1A,1Bを同極側が対向するように所定の間隔をも
たせて配置すると共に両マグネットで発生した磁界内に
ボイスコイルを配置してなるスピーカにおいて、両マグ
ネットの対向面に該マグネットの直径寸法よりも直径寸
法が大きい磁性材からなる外周円形のセンタープレート
2を挟持させるように配置し、その寸法差が4mm以下
の範囲になるように設定し、略有底筒状をなす非磁性材
からなるホルダーで保持した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、スピーカ用磁気回路に係り、特に、マグネットを同極側が対向する ように所定の間隔をおいて配置し、この対向するマグネットで発生した磁界にボ イスコイルを配置して駆動させるように構成したスピーカ用磁気回路に関するも のである。
【0002】
【従来の技術】
従来より一般的に使用されているスピーカの磁気回路構造は、図13に示すよ うな外磁型と図14に示すような内磁型とが多用されている。近時、スピーカ、 特に車載用スピーカの軽量化が求められており、スピーカ重量の大部分を占める 磁気回路構成部の軽量化を図るため、例えば、ネオジウムマグネット等の高性能 マグネットを用いて前記軽量化に対応しようとしている。図において、1はマグ ネット、Yはヨーク、Pはトッププレートであって、これらにより磁気回路が構 成されている。なお、5はフレーム、7は振動板、8はボイスコイル、9はダン パーである。 このような磁気回路構成部の軽量化により、該磁気回路構成部や振動板7等を 支持するための前記フレーム5の強度も低強度のもので機能を満たすことが可能 となる。従って、磁気回路構成部の軽量化はフレーム5の軽量化につながり、総 合的なスピーカ重量の軽量化を図ることができ、磁気回路構成部の重量は軽いほ ど有効であるので極限までの軽量化が求められている。
【0003】 しかし、図13に示すような外磁型磁気回路はその構造上、マグネット1がボ イスコイル8の外径より大きくならざるを得ず、図に示すように、必然的にマグ ネット1の外径が大きくなる欠点を有し、その外径に応じたトッププレートPや ヨークY等が必要となる。一般に、ネオジウムマグネットを使用した場合、通常 のフェライト系マグネットを使用した外磁型磁気回路と比較して約60%〜70 %の軽量化が可能であるが、前記トッププレートPやヨークY等の外径が大きい ために、それ以上の軽量化は困難な構造である。
【0004】 また、図14に示すような内磁型磁気回路は前記のようなマグネット1の外径 が大きくなる欠点はないが、振動板7の振幅が大きい低音用のスピーカに使用す る場合等においては、ボイスコイル8のボビン端部81が壷ヨークTYの底面T Y1に当たって異音を発するのを防ぐため、ボイスコイル8のストローク余裕部 分を十分に確保したもの、すなわち、壷ヨークTYの深さを深くしたものを使用 せねばならず、該深さ分のヨーク材料(鉄材等)の量が増えるため必然的に重量 が増大することとなる。一般に、ネオジウムマグネットを使用した場合、通常の フェライト系マグネットを使用した内磁型磁気回路と比較して約65%〜70% の軽量化が可能であるが、ネオジウムマグネットを使用したとしても、ヨーク材 料の量が多いため、それ以上の軽量化は困難である。
【0005】 周知の如く、同極側が対向するようにマグネットを所定の間隔をおいて対向さ せると、マグネットの対向面から発生した相反発する磁気の流れがその対向面か らマグネットの外周部に向かい、該外周部近傍から更に外側に向かって磁界(以 下、「反発磁界」という。)が発生するから、この反発磁界内にボイスコイルを 配置してボイスコイルを駆動させる形式の磁気回路構造があり、この形式の磁気 回路構造やこの磁気回路を用いたスピーカとして各種のものが提案されている( 例えば、特開昭56−34298号、実公昭59−31110号、実開昭59− 48197号、特公昭60−3270号、実開昭61−128896号、実開昭 62−103395号、特開平1−98400号等の各公報)。 これを大別すると、 (1)単純にマグネットの同極側を所定間隔を置いて対向させたもの、 (2)通常の内磁型の磁気回路を改良発展させて、トッププレートの上にマグネ ットの同極側を対向させて配置したもの、 (3)特開平1−98400号公報に示されるように、反発磁界内に配置される べきボイスコイルを工夫し、ボイスコイルの外側に非晶質金属のテープ等を巻き 付けたもの、 等がある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、前記(1)の場合は磁束分布が極めて狭いため、一般に使用されてい るスピーカの振動板、特に車載用スピーカなどの振動板を駆動するための充分な 磁束が得られず、極めて特殊なスピーカ、例えば、ヘッドホン等振動板の振幅が 少なくてもよいものにしか使用できないから、使用範囲が大幅に限定される欠点 がある。
【0007】 また、前記(2)の場合においては、(a)ボイスコイルの駆動方向に対して の磁束分布が対称にならず、振動板の振幅方向で駆動力が異なる磁気回路となる こと、(b)基本的には図14のような壷ヨークTYの構造であるため、前記し た内磁型磁気回路と同様に、スピーカ重量の軽量化には限界がある、等の欠点を 有している。この磁束分布が対称にならない欠点と漏れた磁気をより効率的に使 用するために、壷ヨークTYを上下に重ね、該壷ヨークTYの内側にボイスコイ ルを配置したもの(前記特公昭60−3270号公報)等もあるが、この方法で はボイスコイルと振動板とを連結するためにボイスコイルの外周部に板を設けて 、該板と振動板を繋いだ構造になっているため、板が上下に移動することが可能 なように壷ヨークTYの側面等にスリットを設けねばならず、構造が極めて複雑 となるばかりでなく、基本的には壷ヨークTYを上下に2個配置してあるためコ イルのストローク余裕部分を下側の壷ヨークTY側のみならず上側の壷ヨークT Yにも設けねばならない。従って、スピーカ重量の軽量化は通常の壷ヨークTY を用いたものよりも更に困難である。
【0008】 更に、前記(3)の構成例の場合、ボイスコイルの外側に非晶質金属のテープ 等を巻き付けるため、ボイスコイルの重量が重くなり、通常のムービングコイル 型スピーカよりも効率が悪化するのは当然である。
【0009】 そこで、本考案の目的は、前記した従来の磁気回路の欠点を解消し、磁気回路 部及びスピーカ全体の軽量化に適すると共に性能的に優れたスピーカ用磁気回路 を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本考案のスピーカ用磁気回路は、 請求項1記載のものにおいては、厚み方向に着磁された外周円形のマグネット を同極側が対向するように所定の間隔をもたせて配置すると共に両マグネットで 発生した磁界内にボイスコイルを配置してなるスピーカにおいて、両マグネット の対向面に磁性材からなる外周円形のセンタープレートが挟持せしめられるよう に配置され、該センタープレートの直径寸法がマグネットの直径寸法よりも大き くなるように設定されると共にその寸法差が4mm以下になるように設定したも のである。
【0011】 また、請求項2記載のものにおいては、厚み方向に着磁された外周円形のマグ ネットを同極側が対向するように所定の間隔をもたせて配置すると共に両マグネ ットで発生した磁界内にボイスコイルを配置してなるスピーカにおいて、両マグ ネットの対向面に磁性材からなる外周円形のセンタープレートが挟持せしめられ るように配置され、前記マグネット及びセンタープレートがリング状をなしてい て、略有底筒状をなす非磁性材からなるホルダーで保持され、該ホルダーの中心 部には前記マグネット及びセンタープレートの中心穴を挿通するためのセンター ガイド部を形成すると共にに該センターガイド部の下部にはマグネット及びセン タープレートを支持するための載置部を形成したものである。
【0012】
【作用】
外周円形のマグネットの同極側を間隔をおいて単に対向させた従来のものでは 対向面間に良好な非磁性材である空気が存在することから、良好な磁束密度を得 ることができないが、マグネットの同極側の対向面間に外周円形の磁性材からな るセンタープレートが配置されているから、磁束を効率的にマグネット外周部方 向に導くことができ、また、センタープレートの直径寸法をマグネットの直径寸 法よりも大きくし、しかもその寸法差を4mm以下に設定することにより、セン タープレート外周部より外側方向に磁束をより効果的に出すことが可能となる。 また、ホルダーはその中心部にセンターガイド部が設けられると共にその下部 に載置段部が設けられ、外周壁上面には段部が設けられているから、マグネット やセンタープレートの内周部を前記センターガイド部に挿入或いは圧入嵌合し、 アウタープレート外周部を前記段部に挿入或いは圧入嵌合することにより、各部 品を簡単に所定の位置に設置することができ、従来より磁気回路の組立て時に使 用されれるギャップ治具等が不要となり、しかも所定間隔の磁気ギャップを正確 に形成することができる。
【0013】
【実施例】
本考案に係るスピーカ用磁気回路の実施例を図1〜図12に基づいて説明する が、前記図13及び図14で説明した従来のものと同一の構成部分については同 一の符号を付してその詳細な説明は省略する。 本考案のスピーカ用磁気回路は、図1及び図2に示すように、厚み方向に着磁 されたマグネット1A,1Bを同極側が対向するように所定の間隔をもたせて配 置すると共に両マグネットで発生した磁界内にボイスコイルを配置してなるスピ ーカにおいて、両マグネットの対向面に磁性材からなる外周円形のセンタープレ ート2を挟持せしめるように配置し、該センタープレートの外側に磁性材からな るリング状のアウタープレート3をホルダー4で支持せしめて、前記センタープ レートの外周部22とアウタープレートの内周部31との間に所定間隔の磁気ギ ャップが構成されるように配置したものである。 実施例で使用するマグネット1A及び1Bはネオジウム系のマグネットであり 、形状は外径φ29mm、内径φ12mm、厚さ6mmのリング状のものを2個 使用し、該マグネット1A、1Bをそれぞれ厚さ方向に着磁してある。センター プレート2は鉄製であり、外径φ29.95mm、内径φ11.95mm、厚さ 4mmのリング状をなし、外径及び内径の稜線部にC0.4の面取り加工を施し てある。前記マグネット1A、1B、センタープレート2及びアウタープレート 3を支持するためのホルダー4はアルミ製であり、略有底筒状をなしている。こ のホルダー4の底部43の中央部に上方に突出する円筒状のセンターガイド部4 1を設け、このセンターガイド部41の下端部にマグネット1A、1B及びセン タープレート2の高さ方向の位置出しをさせるための載置段部44を設けてある 。
【0014】 載置段部44にアクリル系の接着材を塗布した後、前記マグネット1BをN極 を上方に向けてそのマグネット内径部1B1をセンターガイド部41に挿入する 。センターガイド部41の外径はφ11.95mmに加工してあり、簡単に挿入 することができる。挿入したマグネット1Bの上面に接着剤を塗布した後、セン タープレート2の内径部21をセンターガイド部41に圧入し、センタープレー ト2の下面が前記マグネット1BのN極側に密着する位置まで押し込み、更に該 センタープレート2上面に接着剤を塗布して、マグネット1AをN極を下方に向 けて該マグネット内径部1A1をセンターガイド部41に挿入してセンタープレ ート2の上面に密着する位置まで押し込む。これによってマグネット1A,1B はN極どうしが対向し、センタープレート2を挟持した状態でセンタープレート 外周部22がマグネット1A,1Bの外周部1A2,1B2よりも約0.5mm 外側に飛び出た状態で設置される。
【0015】 この状態でセンタープレート外周部22より更に0.5mm程外側を磁気測定 プローブを上下に移動させて測定したところ、図3のような磁気分布を示し、平 均約6500ガウスの数値を得た。因みにセンタープレート2の直径がマグネッ ト1A及び1Bの直径よりも2mm小さいもの、即ち、センタープレート2の外 周部22がマグネット1A及び1Bの外周部1A2及び1B2よりも1mm内側 に引っ込んでいるものを作製して前記と同様に計測したところ、4000〜45 00ガウスの数値であった。このことから、センタープレート2の直径寸法はマ グネット1A,1Bの直径寸法よりも大きくなるように、しかもその寸法差が4 mm以下に設定されることが最も好ましいようである。
【0016】 図1及び図2に示すように、ホルダー4は底部43から立上がった外周壁の上 端部近傍がセンタープレートの配置位置と略同等の高さになっており、該上端部 近傍に、内径φ40mm、深さ2mmのガイド部42を設け、該ガイド部42に 、外形φ39.9mm、内径φ32.25mm、厚さ3mmの鉄製のアウタープ レート3の外周部32を圧入する。アウタープレート3の圧入完了後はセンター プレート2の内周部22とアウタープレート内周部32の間に間隔が1.15m m、対向幅3mmの磁気ギャップが完成する。
【0017】 該磁気ギャップの中央部近傍を磁気測定プローブを上下に移動させて測定した ところ、図4のような磁気分布を示し、平均約8500ガウスの数値を得、更に 該磁気ギャップを上方から見て8等分に分割したA点〜H点を測定点とし、該測 定点に磁気測定プローブを挿入して測定したところ、A点8100(ガウス、以 下同じ)、B点8450、C点8750、D点8500、E点8500、F点8 150、G点7850、H点7900の数値が得られ、該磁気回路における磁束 は平均して約8300ガウスの磁束を得ることができた。また、磁気回路部の重 量増加を考慮にいれない場合は、アウタープレート3の厚さ寸法をセンタープレ ート2の厚さ寸法より多くすることにより、磁気回路の性能を向上させることが でき、例えば、アウタープレート3の厚みを6mmに設定すると図5のような磁 気分布と平均約9000ガウスの磁束を得ることができた。
【0018】 ホルダー4には前記ガイド部42の外周部に外側に向かう幅約2mm、厚さ2 .5mmのフランジ部45を設け、更に該フランジ部45から外側に突出した舌 片状の取付部46を4箇所設けてあり、該取付部46の中央部近傍に4mmのタ ップ加工を施してある。該フランジ部45にゴム系の接着剤を塗布した後フレー ム5の底部を取り付けるが、図6に示すように、フレーム5には前記タップに対 応した位置にφ4.5の取付穴を設けてあり、4mmのビス6で磁気回路部とフ レーム5を固定する。フレーム5は、外径約165mm、深さ約20mmの通称 6.5インチと称されているもので、材質は0.7mmtのアルミ板製でプレス フレームであり、重量は約40gである。振動系部材たる振動板7は、外径約φ 134mm(エッジを含む)、ネック径φ31mm、深さ約15mmtのパルプ 製のコーン状振動板を使用し、ボイスコイル8はボビン材が0.5mmtの(P PTA)フィルム製で、コイル巻き幅8mm、直流抵抗3.43Ωとした。ダン パー9は綿布にフェノールを含浸させてコルゲーション等を熱成型した一般的な ものである。これらの振動系部材を前記磁気回路部とフレーム5を組立てたもの に組み込み、スピーカとして完成させて測定したところ、図7で実線で示すよう な特性を得た。
【0019】 なお、前記実施例で作製したスピーカと比較するために、前記スピーカと同一 の振動系を使用し、フレームは形状が同じで材質のみ従来一般的に使用されてい る0.7mmtの鉄板製プレスフレーム(約120g)を使用し、磁気回路も従 来一般的に使用しているもの(トッププレートは、外径φ75mm、内径φ32 .25mm、厚さ4.5mm、マグネットは外径φ85mm、内径φ45mm、 厚さ13mmのフェライト系マグネット、ヨークはポール径φ29.95mm、 ボトム外径φ75mm、高さ約20mm)を用いたスピーカを作製して測定した ところ、図7の点線で示すような特性が得られた。この特性比較からも明らかな ように、本考案のスピーカにおいては、低域の特性が若干異なるが実用上差支え のない特性を得ることができ、インピーダンスカーブの上昇が従来の磁気回路よ りも広い範囲で抑えられ、高域の音圧レベルが上昇する特性が確認される。本考 案の前記実施例における磁気回路部の重量は約95gであって、スピーカとして の全体重量は約146gであった。従って、磁気回路部だけの重量比較では、従 来の磁気回路部(603g)よりも約84%の軽量化が可能となり、従来のスピ ーカの全体重量(780g)よりも約81%の軽量化が可能となった。
【0020】 本実施例の場合、各パーツの寸法が前記の条件で図7の実線で示す特性を得た が、スピーカの目的に合わせて、各パーツの寸法を自由に設計し得ることは勿論 であり、特にセンタープレート2とアウタープレート3等の断面形状を検討する ことにより性能を向上指せることができる。 また、本実施例の場合、ホルダー4でアウタープレート3を所定の位置に保持 させたが、図11のようにマグネット1A,1Bとセンタープレート2をホルダ ー4で保持させ、アウタープレート3だけをフレーム5側に設置しても何ら支障 はない。
【0021】 更に、本実施例の場合、ホルダー4は磁気回路の上下における磁束分布の均一 化や放熱効果等を考慮してアルミ材を切削加工して作製したが、設計条件を満足 すれば、例えば、PPS等の耐熱樹脂で成形してもよいのは勿論、磁束分布の均 一性を考慮する必要がない場合は、ホルダー4を磁性材、例えば、0.5mm t〜0.7mm tの鉄板等で作製しても略同様の性能を得ることができ、また 、アウタープレート3の厚みと同等以上の磁性材を使用した場合でも、磁気回路 を構成する強度を確保する部分のみを残して図8のように切除しても同様の効果 が得られるし、本実施例の場合は切削加工でホルダー4を作製したからホルダー 4の平均肉厚が1.5mm tであるが、プレス加工等にて本実施例以上の薄肉 加工も可能であり、更に、図9のように該ホルダー4に抜き穴47やフィン48 を設け、抜き穴を開けた箇所を織布或いは不織布等の覆い材49で覆って軽量化 、放熱効果等を図ることができる。また、本実施例の場合はホルダー4をビス6 で固定しているが、従来一般的に使用されているカシメ或いは溶接などの手法に てフレーム5に固定してもよく、フレーム5とホルダー4を図12のように一体 成型してもよい。
【0022】
【考案の効果】
本考案のスピーカ用磁気回路によれば、少なくとも実施例のような磁気回路を 使用すれば、従来のスピーカの磁気ギャップにおける磁束と変わらない磁束を得 ることができ、しかも、マグネット等、磁気回路部材を保持するためのホルダー をアルミ等の非磁性材としたから、磁気回路部における鉄分の量を従来のものよ り大幅に減少させることができ、従来の磁気回路部よりも84%の重量を減らす ことが可能となった。このような磁気回路部における鉄分量の減少は、従来のス ピーカよりインピーダンスの増加を広い範囲で抑えることが可能となり、高域に おける性能を向上させることができる。特にドアマウント用に好ましい1500 〜7000Hzの高域特性と音質が確保することができ、通常のチャンバーの代 わりにフェザーコーン等をボイスコイルボビンの上端部に取り付けることにより 、高域を更に延ばして従来の高音用のツゥイータの音域をカバーすることが可能 となるから、従来のように高音用のツゥイータを使用する必要がなく、ドアマウ ントスピーカ等においては大幅な軽量化が可能となる。しかも、実施例の磁気回 路は容積においても結果的に小型化されることとなり、磁気回路を含むスピーカ の全高が高くなることにより薄型化が達成され、特に車載用スピーカ等に求めら れている形状に極めて適した形態を得ることができる。
【0023】 ホルダーはその中心部にセンターガイド部が設けられると共にその下部に載置 段部が設けられ、外周壁上面には段部が設けられているから、マグネットやセン タープレートの内周部を前記センターガイド部に挿入或いは圧入嵌合し、アウタ ープレート外周部を前記段部に挿入或いは圧入嵌合することにより、各部品を簡 単に所定の位置に設置することができ、従来より磁気回路の組立て時に使用され れるギャップ治具等が不要となり、しかも所定間隔の磁気ギャップを正確に形成 することができる。
【0024】 磁気回路部が従来より大幅に軽量になったため、従来の0.7mmtの鉄板性 のフレームから0.7mmtアルミ製のフレームに変更しても磁気回路部重量を 支持する強度は充分確保できると共に軽量化にも効果があり、スピーカの全体重 量として81%以上の軽量化が可能となり、アルミ製のホルダーにアルミ製のフ レームを取り付けていることから、放熱効果も従来の鉄板製フレームよりもよく なり、磁気回路部の冷却効果も上昇してパワー対策に効果的である。 更に、本考案のような磁気回路の場合、反発磁界を利用した磁気回路であるか ら、図3〜図5からも明らかなようにS極側にも漏洩磁界がある。従って、ボイ スコイルが均等に振幅するにはセンタープレートを中心とした上下方向、即ち振 動板振幅方向の磁気分布が対称で均一化することが好ましく、本考案の実施例の ようにフレームをアルミ製又は樹脂製等の非磁性材とすることは極めて効果的で ある。
【0025】 また、例えば、ホルダーは本考案の実施例以上に薄肉加工することが可能であ り、更に、該ホルダーに抜き穴やフィンを設け、抜き穴を覆い材で覆うことによ り、磁気回路部への異物、特に磁気ギャップに入り込んで異常音を発生させる微 鉄粉等の侵入を防止でき、しかも軽量化と磁気回路冷却等の効果がある。そして 抜き穴加工による磁気回路部の軽量化がフレームの薄肉化等による軽量化を促進 でき、更にフレームとホルダーを一体成型することにより軽量化を図ることがで きる。 更に、例えば、センタープレートやアウタープレート等の厚さを変えることに より磁束分布を変えることができ、該部品等の形状を検討することにより、スピ ーカの目的に合わせた磁気回路を自由に検討し、設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のスピーカ用磁気回路の一部断面斜視図
である。
【図2】本考案のスピーカ用磁気回路の分解斜視図であ
る。
【図3】アウタープレートを配置しない状態の断面図と
磁束分布図である。
【図4】センタープレートの厚さ寸法よりもアウタープ
レートの厚さ寸法を小さくした場合の断面図と磁束分布
図である。
【図5】センタープレートの厚さ寸法よりもアウタープ
レートの厚さ寸法を大きくした場合の断面図と磁束分布
図である。
【図6】本考案の磁気回路を装着したスピーカの断面図
である。
【図7】本考案の磁気回路を装着したスピーカと従来の
磁気回路を装着したスピーカの比較特性図である。
【図8】ホルダーの他の実施例を示す断面図である。
【図9】ホルダーの更に他の例を示す断面図である。
【図10】ホルダーの抜き穴を覆い材で覆った状態の断
面図である。
【図11】本考案の磁気回路を他の実施例で装着したス
ピーカの断面図である。
【図12】ホルダーとフレームを一体成形した場合のス
ピーカの断面図である。
【図13】従来の外磁型磁気回路を装着したスピーカの
断面図である。
【図14】従来の内磁型磁気回路を装着したスピーカの
断面図である。
【符号の説明】
1Aは上側のマグネット 1Bは下側のマグネット 2はセンタープレート 21はセンタープレート内周部 22はセンタープレート外周部 3はアウタープレート 31はアウタープレート内周部 32はアウタープレート外周部 4はホルダー 41はセンターガイド 42は段部 43はホルダー底部 44は載置段部 48はフィン 49は覆い材 5はフレーム 7は振動板 8はボイスコイル 9はダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山崎 薫 東京都渋谷区道玄坂1丁目14番6号 株式 会社ケンウッド内 Fターム(参考) 5D012 BB03 BB04 CA18

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み方向に着磁された外周円形のマグネ
    ット(1A,1B)を同極側が対向するように所定の間
    隔をもたせて配置すると共に両マグネットで発生した磁
    界内にボイスコイルを配置してなるスピーカにおいて、
    両マグネットの対向面に磁性材からなる外周円形のセン
    タープレート(2)が挟持せしめられるように配置さ
    れ、該センタープレートの直径寸法がマグネット(1
    A,1B)の直径寸法よりも大きくなるように設定され
    ると共にその寸法差が4mm以下であることを特徴とす
    るスピーカ用磁気回路。
  2. 【請求項2】 厚み方向に着磁された外周円形のマグネ
    ット(1A,1B)を同極側が対向するように所定の間
    隔をもたせて配置すると共に両マグネットで発生した磁
    界内にボイスコイルを配置してなるスピーカにおいて、
    両マグネットの対向面に磁性材からなる外周円形のセン
    タープレート(2)が挟持せしめられるように配置さ
    れ、前記マグネット(1A,1B)及びセンタープレー
    ト(2)がリング状をなしていて、略有底筒状をなす非
    磁性材からなるホルダーで保持され、該ホルダーの中心
    部には前記マグネット(1A,1B)及びセンタープレ
    ート(2)の中心穴を挿通するためのセンターガイド部
    (41)が形成されると共にに該センターガイド部(4
    1)の下部にはマグネット及びセンタープレートを支持
    するための載置部(44)が形成されていることを特徴
    とするスピーカ用磁気回路。
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