JP2605427Y2 - スピーカ用磁気回路 - Google Patents

スピーカ用磁気回路

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JP2605427Y2
JP2605427Y2 JP1991110483U JP11048391U JP2605427Y2 JP 2605427 Y2 JP2605427 Y2 JP 2605427Y2 JP 1991110483 U JP1991110483 U JP 1991110483U JP 11048391 U JP11048391 U JP 11048391U JP 2605427 Y2 JP2605427 Y2 JP 2605427Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、スピーカ用磁気回路に
係り、特に、マグネットを同極側が対向するように所定
の間隔をおいて配置し、この対向するマグネットで発生
した磁界内にボイスコイルを配置して駆動させるように
構成した反発磁気回路型スピーカ用の磁気回路に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より一般的に使用されているスピー
カの磁気回路構造は、図13に示すような外磁型と図1
4に示すような内磁型とが多用されている。近時、スピ
ーカ、特に車載用スピーカの軽量化が求められており、
スピーカ重量の大部分を占める磁気回路構成部の軽量化
を図るため、例えば、ネオジウムマグネット等の高性能
マグネットを用いて前記軽量化に対応しようとしてい
る。図において、1はマグネット、Yはヨーク、Pはト
ッププレートであって、これらにより磁気回路が構成さ
れている。なお、5はフレーム、7は振動板、8はボイ
スコイル、9はダンパーである。このような磁気回路構
成部の軽量化により、該磁気回路構成部や振動板7等を
支持するための前記フレーム5の強度も低強度のもので
機能を満たすことが可能となる。従って、磁気回路構成
部の軽量化はフレーム5の軽量化につながり、総合的な
スピーカ重量の軽量化を図ることができ、磁気回路構成
部の重量は軽いほど有効であるので極限までの軽量化が
求められている。
【0003】しかし、図13に示すような外磁型磁気回
路はその構造上、マグネット1がボイスコイル8の外径
より大きくならざるを得ず、図に示すように、必然的に
マグネット1の外径が大きくなる欠点を有し、その外径
に応じたトッププレートPやヨークY等が必要となる。
一般に、ネオジウムマグネットを使用した場合、通常の
フェライト系マグネットを使用した外磁型磁気回路と比
較して約60%〜70%の軽量化が可能であるが、前記
トッププレートPやヨークY等の外径が大きいために、
それ以上の軽量化は困難な構造である。
【0004】また、図14に示すような内磁型磁気回路
は前記のようなマグネット1の外径が大きくなる欠点は
ないが、振動板7の振幅が大きい低音用のスピーカに使
用する場合等においては、ボイスコイル8のボビン端部
81が壷ヨークTYの底面TY1に当たって異音を発す
るのを防ぐため、ボイスコイル8のストローク余裕部分
を十分に確保したもの、すなわち、壷ヨークTYの深さ
を深くしたものを使用せねばならず、該深さ分のヨーク
材料(鉄材等)の量が増えるため必然的に重量が増大す
ることとなる。一般に、ネオジウムマグネットを使用し
た場合、通常のフェライト系マグネットを使用した内磁
型磁気回路と比較して約65%〜70%の軽量化が可能
であるが、ネオジウムマグネットを使用したとしても、
ヨーク材料の量が多いため、それ以上の軽量化は困難で
ある。
【0005】周知の如く、2つのマグネットを同極側が
対向するように所定の間隔をおいて対向させると、マグ
ネットの対向面から発生した相反発する磁気の流れがそ
の対向面からマグネットの外周部に向かい、該外周部近
傍から更に外側に向かって磁界(以下、反発磁界と記
す。)が発生するから、この反発磁界内にボイスコイル
を配置してボイスコイルを駆動させる形式の磁気回路構
造があり、この形式の磁気回路構造やこの磁気回路を用
いたスピーカとして各種のものが提案されている(例え
ば、特開昭56−34298号、実公昭59−3111
0号、実開昭59−48197号、特公昭60−327
0号、実開昭61−128896号、実開昭62−10
3395号、特開平1−98400号等の各公報)。こ
れを大別すると、(1)単純にマグネットの同極側を所
定間隔を置いて対向させたもの、 (2)通常の内磁型の磁気回路を改良発展させて、トッ
ププレートの上にマグネットの同極側を対向させて配置
したもの、 (3)特開平1−98400号公報に示されるように、
反発磁界内に配置されるべきボイスコイルを工夫し、ボ
イスコイルの外側に非晶質金属のテープ等を巻き付けた
もの、等がある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかし、前記(1)の
場合は磁束分布が極めて狭いため、一般に使用されてい
るスピーカの振動板、特に車載用スピーカなどの振動板
を駆動するための充分な磁束が得られず、極めて特殊な
スピーカ、例えば、ヘッドホン等振動板の振幅が少なく
てもよいものにしか使用できないから、使用範囲が大幅
に限定される欠点がある。
【0007】また、前記(2)の場合においては、
(a)ボイスコイルの駆動方向に対しての磁束分布が対
称にならず、振動板の振幅方向で駆動力が異なる磁気回
路となること、(b)基本的には図14のような壷ヨー
クTYの構造であるため、前記した内磁型磁気回路と同
様に、スピーカ重量の軽量化には限界がある、等の欠点
を有している。この磁束分布が対称にならない欠点と漏
れた磁気をより効率的に使用するために、壷ヨークTY
を上下に重ね、該壷ヨークTYの内側にボイスコイルを
配置したもの(前記特公昭60−3270号公報)等も
あるが、この方法ではボイスコイルと振動板とを連結す
るためにボイスコイルの外周部に板を設けて、該板と振
動板を繋いだ構造になっているため、板が上下に移動す
ることが可能なように壷ヨークTYの側面等にスリット
を設けねばならず、構造が極めて複雑となるばかりでな
く、基本的には壷ヨークTYを上下に2個配置してある
ためコイルのストローク余裕部分を下側の壷ヨークTY
側のみならず上側の壷ヨークTYにも設けねばならな
い。従って、スピーカ重量の軽量化は通常の壷ヨークT
Yを用いたものよりも更に困難である。
【0008】更に、前記(3)の構成例の場合、ボイス
コイルの外側に非晶質金属のテープ等を巻き付けるた
め、ボイスコイルの重量が重くなり、通常のムービング
コイル型スピーカよりも効率が悪化するのは当然であ
る。
【0009】そこで、本考案の目的は、前記した従来の
磁気回路の欠点を解消し、磁気回路部及びスピーカ全体
の軽量化に適すると共に性能的に優れたスピーカ用磁気
回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本考案は、厚み方向に着磁された外周円形のマグネッ
トを同極側が対向するように所定の間隔をもたせて配置
すると共に両マグネットの外周側に生じる反発磁束によ
る磁界内にボイスコイルを配置してなる反発磁気回路型
スピーカにおいて、両マグネットの対向面に磁性材から
なる外周円形のセンタープレート(2)を挟持せしめる
ように配置して両マグネット及びセンタープレートを非
磁性材からなるホルダー(4)で保持せしめ、該センタ
ープレートの外側に磁性材からなる磁束誘導用のリング
状をなすアウタープレート(3)を配置して、前記セン
タープレートの外周部(22)とアウタープレートの内
周部(31)との間に所定間隔の磁気ギャップが形成さ
れるように構成した。センタープレートの直径寸法がマ
グネットの直径寸法よりも若干、好ましくは4mm以下
程度大きくなるように設定し、アウタープレートの厚さ
寸法はセンタープレートの厚さ寸法よりも大きくなるよ
うに設定する。ホルダーはアウタープレートの厚さの5
0%以下の厚さで形成する。ホルダーは略有底筒状で中
心部にはマグネット及びセンタープレートの中心孔を挿
通するためのセンターガイド部を形成すると共に該セン
ターガイド部の下部にはマグネット及びセンタープレー
トを支持するための載置段部を形成し、外周壁の上面に
は前記アウタープレートを配置するための段部を形成す
る。また、このホルダーに放熱用のフィンと軽量化のた
めの抜き穴を形成してもよく、更に、この抜き穴を織布
又は不織布等の覆い材で覆ってもよい。この場合、振動
板等を支持するためのフレームと前記ホルダーとを一体
成型してもよく、或は、ホルダーをアルミ等非磁性材で
導電性を有するフレームに取り付けるようにしてもよ
い。
【0011】
【作用】単にマグネットの同極側を間隔をおいて対向さ
せた従来のものでは対向面間に良好な非磁性材である空
気が存在することから、良好な磁束密度を得ることがで
きないが、マグネットの同極側の対向面間に磁性材から
なるセンタープレートが配置されているから、磁束を効
率的にマグネット外周部方向に導くことができ、また、
センタープレートの直径をマグネットの直径よりもわず
かに大径にすることによりセンタープレート外周部より
外側方向に磁束をより効果的に出すことが可能となる。
更に、該センタープレートの外側に磁性材からなるアウ
タープレートが設けられ、前記センタープレート外周部
とアウタープレート内周部とが一定の間隔を有し、磁気
ギャップが構成されているから、より多くの磁束を得る
ことが可能となる。
【0013】
【実施例】本考案に係るスピーカ用磁気回路の実施例を
図1〜図12に基づいて説明するが、前記図13及び図
14で説明した従来のものと同一の構成部分については
同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。本考案
のスピーカ用磁気回路は、図1及び図2に示すように、
厚み方向に着磁された外周円形のマグネット1A,1B
を同極側が対向するように所定の間隔をもたせて配置す
ると共に両マグネットの外周側に生じる反発磁束による
磁界内にボイスコイルを配置してなる反発磁気回路型ス
ピーカにおいて、両マグネットの対向面に磁性材からな
る外周円形のセンタープレート2を挟持せしめるように
配置して非磁性材からなるホルダーで保持し、該センタ
ープレートの外側には磁気誘導用の磁性材からなるリン
グ状のアウタープレート3を配置し、前記センタープレ
ートの外周部22とアウタープレートの内周部31との
間に所定間隔の磁気ギャップが構成されるように配置し
たものである。実施例で使用するマグネット1A及び1
Bはネオジウム系のマグネットであり、形状は外径φ2
9mm、内径φ12mm、厚さ6mmのリング状のもの
を2個使用し、該マグネット1A、1Bをそれぞれ厚さ
方向に着磁してある。センタープレート2は鉄製であ
り、外径φ29.95mm、内径φ11.95mm、厚
さ4mmのリング状をなし、外径及び内径の稜線部にC
0.4の面取り加工を施してある。前記マグネット1
A、1B、センタープレート2及びアウタープレート3
を支持するためのホルダー4はアルミ製であり、略有底
筒状をなしている。このホルダー4の底部43の中央部
に上方に突出する円筒状のセンターガイド部41を設
け、このセンターガイド部41の下端部にマグネット1
A、1B及びセンタープレート2の高さ方向の位置出し
をさせるための載置段部44を設けてある。
【0014】載置段部44にアクリル系の接着材を塗布
した後、前記マグネット1BをN極を上方に向けてその
マグネット内径部1B1をセンターガイド部41に挿入
する。センターガイド部41の外径はφ11.95mm
に加工してあり、簡単に挿入することができる。挿入し
たマグネット1Bの上面に接着剤を塗布した後、センタ
ープレート2の内径部21をセンターガイド部41に圧
入し、センタープレート2の下面が前記マグネット1B
のN極側に密着する位置まで押し込み、更に該センター
プレート2上面に接着剤を塗布して、マグネット1Aを
N極を下方に向けて該マグネット内径部1A1をセンタ
ーガイド部41に挿入してセンタープレート2の上面に
密着する位置まで押し込む。これによってマグネット1
A,1BはN極どうしが対向し、センタープレート2を
挟持した状態でセンタープレート外周部22がマグネッ
ト1A,1Bの外周部1A2,1B2よりも約0.5m
m外側に飛び出た状態で設置される。
【0015】この状態でセンタープレート外周部22よ
り更に0.5mm程外側を磁気測定プローブを上下に移
動させて測定したところ、図3のような磁気分布を示
し、平均約6500ガウスの数値を得た。因みにセンタ
ープレート2の直径がマグネット1A及び1Bの直径よ
りも2mm小さいもの、即ち、センタープレート2の外
周部22がマグネット1A及び1Bの外周部1A2及び
1B2よりも1mm内側に引っ込んでいるものを作製し
て前記と同様に計測したところ、4000〜4500ガ
ウスの数値であった。
【0016】図1及び図2に示すように、ホルダー4は
底部43から立上がった外周壁の上端部近傍がセンター
プレートの配置位置と略同等の高さになっており、該上
端部近傍に、内径φ40mm、深さ2mmのガイド部4
2を設け、該ガイド部42に、外形φ39.9mm、内
径φ32.25mm、厚さ3mmの鉄製のアウタープレ
ート3の外周部32を圧入する。アウタープレート3の
圧入完了後はセンタープレート2の内周部22とアウタ
ープレート内周部32の間に間隔が1.15mm、対向
幅3mmの磁気ギャップが完成する。
【0017】該磁気ギャップの中央部近傍を磁気測定プ
ローブを上下に移動させて測定したところ、図4のよう
な磁気分布を示し、平均約8500ガウスの数値を得、
更に該磁気ギャップを上方から見て8等分に分割したA
点〜H点を測定点とし、該測定点に磁気測定プローブを
挿入して測定したところ、A点8100(ガウス、以下
同じ)、B点8450、C点8750、D点8500、
E点8500、F点8150、G点7850、H点79
00の数値が得られ、該磁気回路における磁束は平均し
て約8300ガウスの磁束を得ることができた。また、
磁気回路部の重量増加を考慮にいれない場合は、アウタ
ープレート3の厚さ寸法をセンタープレート2の厚さ寸
法より多くすることにより、磁気回路の性能を向上させ
ることができ、例えば、アウタープレート3の厚みを6
mmに設定すると図5のような磁気分布と平均約900
0ガウスの磁束を得ることができた。
【0018】ホルダー4には前記ガイド部42の外周部
に外側に向かう幅約2mm、厚さ2.5mmのフランジ
部45を設け、更に該フランジ部45から外側に突出し
た舌片状の取付部46を4箇所設けてあり、該取付部4
6の中央部近傍に4mmのタップ加工を施してある。該
フランジ部45にゴム系の接着剤を塗布した後フレーム
5の底部を取り付けるが、図6に示すように、フレーム
5には前記タップに対応した位置にφ4.5の取付穴を
設けてあり、4mmのビス6で磁気回路部とフレーム5
を固定する。フレーム5は、外径約165mm、深さ約
20mmの通称6.5インチと称されているもので、材
質は0.7mmtのアルミ板製でプレスフレームであ
り、重量は約40gである。振動系部材たる振動板7
は、外径約φ134mm(エッジを含む)、ネック径φ
31mm、深さ約15mmtのパルプ製のコーン状振動
板を使用し、ボイスコイル8はボビン材が0.5mmt
の(PPTA)フィルム製で、コイル巻き幅8mm、直
流抵抗3.43Ωとした。ダンパー9は綿布にフェノー
ルを含浸させてコルゲーション等を熱成型した一般的な
ものである。これらの振動系部材を前記磁気回路部とフ
レーム5を組立てたものに組み込み、スピーカとして完
成させて測定したところ、図7で実線で示すような特性
を得た。
【0019】なお、前記実施例で作製したスピーカと比
較するために、前記スピーカと同一の振動系を使用し、
フレームは形状が同じで材質のみ従来一般的に使用され
ている0.7mmtの鉄板製プレスフレーム(約120
g)を使用し、磁気回路も従来一般的に使用しているも
の(トッププレートは、外径φ75mm、内径φ32.
25mm、厚さ4.5mm、マグネットは外径ψ85m
m、内径φ45mm、厚さ13mmのフェライト系マグ
ネット、ヨークはポール径φ29.95mm、ボトム外
径φ75mm、高さ約20mm)を用いたスピーカを作
製して測定したところ、図7の点線で示すような特性が
得られた。この特性比較からも明らかなように、本考案
のスピーカにおいては、低域の特性が若干異なるが実用
上差支えのない特性を得ることができ、インピーダンス
カーブの上昇が従来の磁気回路よりも広い範囲で抑えら
れ、高域の音圧レベルが上昇する特性が確認される。本
考案の前記実施例における磁気回路部の重量は約95g
であって、スピーカとしての全体重量は約146gであ
った。従って、磁気回路部だけの重量比較では、従来の
磁気回路部(603g)よりも約84%の軽量化が可能
となり、従来のスピーカの全体重量(780g)よりも
約81%の軽量化が可能となった。
【0020】本実施例の場合、各パーツの寸法が前記の
条件で図7の実線で示す特性を得たが、スピーカの目的
に合わせて、各パーツの寸法を自由に設計し得ることは
勿論であり、特にセンタープレート2とアウタープレー
ト3等の断面形状を検討することにより性能を向上指せ
ることができる。また、本実施例の場合、ホルダー4で
アウタープレート3を所定の位置に保持させたが、図1
1のようにマグネット1A,1Bとセンタープレート2
をホルダー4で保持させ、アウタープレート3だけをフ
レーム5側に設置しても何ら支障はない。
【0021】更に、本実施例の場合、ホルダー4は磁気
回路の上下における磁束分布の均一化や放熱効果等を考
慮してアルミ材を切削加工して作製したが、設計条件を
満足すれば、例えば、PPS等の耐熱樹脂で成形しても
よいのは勿論、磁束分布の均一性を考慮する必要がない
場合は、ホルダー4を磁性材、例えば、0.5mmt〜
0.7mm tの鉄板等で作製しても略同様の性能を得
ることができ、また、アウタープレート3の厚みと同等
以上の磁性材を使用した場合でも、磁気回路を構成する
強度を確保する部分のみを残して図8のように切除して
も同様の効果が得られるし、本実施例の場合は切削加工
でホルダー4を作製したからホルダー4の平均肉厚が
1.5mm tであるが、プレス加工等にて本実施例以
上の薄肉加工も可能であり、更に、図9のように該ホル
ダー4に抜き穴47やフィン48を設け、抜き穴を開け
た箇所を織布或いは不織布等の覆い材49で覆って軽量
化、放熱効果等を図ることができる。また、本実施例の
場合はホルダー4をビス6で固定しているが、従来一般
的に使用されているカシメ或いは溶接などの手法にてフ
レーム5に固定してもよく、フレーム5とホルダー4を
図12のように一体成型してもよい。
【0022】
【考案の効果】本考案のスピーカ用磁気回路によれば、
少なくとも実施例のような磁気回路を使用すれば、従来
のスピーカの磁気ギャップにおける磁束と変わらない磁
束を得ることができ、しかも、マグネット等、磁気回路
部材を保持するためのホルダーをアルミ等の非磁性材と
しから、磁気回路部における鉄分の量を従来のものより
大幅に減少させることができ、従来の磁気回路部よりも
84%の重量を減らすことが可能となった。このような
磁気回路部における鉄分量の減少は、従来のスピーカよ
りインピーダンスの増加を広い範囲で抑えることが可能
となり、高域における性能を向上させることができる。
特にドアマウント用に好ましい1500〜7000Hz
の高域特性と音質が確保することができ、通常のチャン
バーの代わりにフェザーコーン等をボイスコイルボビン
の上端部に取り付けることにより、高域を更に延ばして
従来の高音用のツゥイータの音域をカバーすることが可
能となるから、従来のように高音用のツゥイータを使用
する必要がなく、ドアマウントスピーカ等においては大
幅な軽量化が可能となる。しかも、実施例の磁気回路は
容積においても結果的に小型化されることとなり、磁気
回路を含むスピーカの全高が高くなることにより薄型化
が達成され、特に車載用スピーカ等に求められている形
状に極めて適した形態を得ることができる。
【0023】ホルダーはその中心部にセンターガイド部
が設けられると共にその下部に載置段部が設けられ、外
周壁上面には段部が設けられているから、マグネットや
センタープレートの内周部を前記センターガイド部に挿
入或いは圧入嵌合し、アウタープレート外周部を前記段
部に挿入或いは圧入嵌合することにより、各部品を簡単
に所定の位置に設置することができ、従来より磁気回路
の組立て時に使用されれるギャップ治具等が不要とな
り、しかも所定間隔の磁気ギャップを正確に形成するこ
とができる。
【0024】磁気回路部が従来より大幅に軽量になった
ため、従来の0.7mmtの鉄板性のフレームから0.
7mmtアルミ製のフレームに変更しても磁気回路部重
量を支持する強度は充分確保できると共に軽量化にも効
果があり、スピーカの全体重量として81%以上の軽量
化が可能となり、アルミ製のホルダーにアルミ製のフレ
ームを取り付けていることから、放熱効果も従来の鉄板
製フレームよりもよくなり、磁気回路部の冷却効果も上
昇してパワー対策に効果的である。更に、本考案のよう
な磁気回路の場合、反発磁界を利用した磁気回路である
から、図3〜図5からも明らかなようにS極側にも漏洩
磁界がある。従って、ボイスコイルが均等に振幅するに
はセンタープレートを中心とした上下方向、即ち振動板
振幅方向の磁気分布が対称で均一化することが好まし
く、本考案の実施例のようにフレームをアルミ製又は樹
脂製等の非磁性材とすることは極めて効果的である。
【0025】また、例えば、ホルダーは本考案の実施例
以上に薄肉加工することが可能であり、更に、該ホルダ
ーに抜き穴やフィンを設け、抜き穴を覆い材で覆うこと
により、磁気回路部への異物、特に磁気ギャップに入り
込んで異常音を発生させる微鉄粉等の侵入を防止でき、
しかも軽量化と磁気回路冷却等の効果がある。そして抜
き穴加工による磁気回路部の軽量化がフレームの薄肉化
等による軽量化を促進でき、更にフレームとホルダーを
一体成型することにより軽量化を図ることができる。更
に、例えば、センタープレートやアウタープレート等の
厚さを変えることにより磁束分布を変えることができ、
該部品等の形状を検討することにより、スピーカの目的
に合わせた磁気回路を自由に検討し、設定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のスピーカ用磁気回路の一部断面斜視図
である。
【図2】本考案のスピーカ用磁気回路の分解斜視図であ
る。
【図3】アウタープレートを配置しない状態の断面図と
磁束分布図である。
【図4】センタープレートの厚さ寸法よりもアウタープ
レートの厚さ寸法を小さくした場合の断面図と磁束分布
図である。
【図5】センタープレートの厚さ寸法よりもアウタープ
レートの厚さ寸法を大きくした場合の断面図と磁束分布
図である。
【図6】本考案の磁気回路を装着したスピーカの断面図
である。
【図7】本考案の磁気回路を装着したスピーカと従来の
磁気回路を装着したスピーカの比較特性図である。
【図8】ホルダーの他の実施例を示す断面図である。
【図9】ホルダーの更に他の例を示す断面図である。
【図10】ホルダーの抜き穴を覆い材で覆った状態の断
面図である。
【図11】本考案の磁気回路を他の実施例で装着したス
ピーカの断面図である。
【図12】ホルダーとフレームを一体成形した場合のス
ピーカの断面図である。
【図13】従来の外磁型磁気回路を装着したスピーカの
断面図である。
【図14】従来の内磁型磁気回路を装着したスピーカの
断面図である。
【符号の説明】
1Aは上側のマグネット 1Bは下側のマグネット 2はセンタープレート 21はセンタープレート内周部 22はセンタープレート外周部 3はアウタープレート 31はアウタープレート内周部 32はアウタープレート外周部 4はホルダー 41はセンターガイド 42は段部 43はホルダー底部 44は載置段部 48はフィン 49は覆い材 5はフレーム 7は振動板 8はボイスコイル 9はダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−44595(JP,U) 実開 昭61−128896(JP,U) 特公 昭60−3270(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 9/02 102

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み方向に着磁された外周円形のマグネ
    ット(1A,1B)を同極側が対向するように所定の間
    隔をもたせて配置すると共に両マグネットの外周側に生
    じる反発磁束による磁界内にボイスコイルを配置してな
    反発磁気回路型スピーカにおいて、両マグネットの対
    向面に磁性材からなる外周円形のセンタープレート
    (2)を挟持せしめるように配置して両マグネット及び
    センタープレートを非磁性材からなるホルダー(4)で
    保持せしめ、該センタープレートの外側に磁性材からな
    磁束誘導用のリング状をなすアウタープレート(3)
    配置して、前記センタープレートの外周部(22)と
    アウタープレートの内周部(31)との間に所定間隔の
    磁気ギャップが形成されるように構成したことを特徴と
    するスピーカ用磁気回路。
  2. 【請求項2】 アウタープレート(3)の厚さ寸法がセ
    ンタープレート(2)の厚さ寸法よりも大きくなるよう
    に設定されていることを特徴とする請求項1記載のスピ
    ーカ用磁気回路。
  3. 【請求項3】 ホルダー(4)にフィン(48)及び抜
    き穴(47)が形成されると共に、該抜き穴(47)が
    織布又は不織布等の覆い材(49)で覆われていること
    を特徴とする請求項1記載のスピーカ用磁気回路。
  4. 【請求項4】 ホルダー(4)が振動板(7)等を支持
    するためのフレーム(5)と一体成型されていることを
    特徴とする請求項1記載のスピーカ用磁気回路。
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