JPWO2003008168A1 - 脆性材料基板のスクライブ装置 - Google Patents
脆性材料基板のスクライブ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2003008168A1 JPWO2003008168A1 JP2003513754A JP2003513754A JPWO2003008168A1 JP WO2003008168 A1 JPWO2003008168 A1 JP WO2003008168A1 JP 2003513754 A JP2003513754 A JP 2003513754A JP 2003513754 A JP2003513754 A JP 2003513754A JP WO2003008168 A1 JPWO2003008168 A1 JP WO2003008168A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- laser
- brittle material
- material substrate
- glass substrate
- laser beam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B33/00—Severing cooled glass
- C03B33/09—Severing cooled glass by thermal shock
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K26/00—Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
- B23K26/02—Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
- B23K26/06—Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing
- B23K26/0604—Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing by a combination of beams
- B23K26/0608—Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing by a combination of beams in the same heat affected zone [HAZ]
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K26/00—Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
- B23K26/02—Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
- B23K26/06—Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing
- B23K26/0604—Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing by a combination of beams
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K26/00—Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
- B23K26/02—Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
- B23K26/06—Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing
- B23K26/067—Dividing the beam into multiple beams, e.g. multifocusing
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K26/00—Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
- B23K26/02—Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
- B23K26/06—Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing
- B23K26/073—Shaping the laser spot
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K26/00—Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
- B23K26/36—Removing material
- B23K26/40—Removing material taking account of the properties of the material involved
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B28—WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
- B28D—WORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
- B28D5/00—Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor
- B28D5/0005—Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor by breaking, e.g. dicing
- B28D5/0011—Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor by breaking, e.g. dicing with preliminary treatment, e.g. weakening by scoring
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B33/00—Severing cooled glass
- C03B33/09—Severing cooled glass by thermal shock
- C03B33/091—Severing cooled glass by thermal shock using at least one focussed radiation beam, e.g. laser beam
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B33/00—Severing cooled glass
- C03B33/09—Severing cooled glass by thermal shock
- C03B33/091—Severing cooled glass by thermal shock using at least one focussed radiation beam, e.g. laser beam
- C03B33/093—Severing cooled glass by thermal shock using at least one focussed radiation beam, e.g. laser beam using two or more focussed radiation beams
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K2103/00—Materials to be soldered, welded or cut
- B23K2103/50—Inorganic material, e.g. metals, not provided for in B23K2103/02 – B23K2103/26
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
- Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
- Laser Beam Processing (AREA)
- Dicing (AREA)
Abstract
脆性材料基板のスクライブ予定ラインに沿った方向に複数の強度分布のピークを持つように複数のレーザスポットを形成し、複数のレーザスポット間の間隔およびレーザスポットの強度分布のピークの間隔をスクライブラインを形成する脆性材料基板の種類に合わせて設定する。
Description
技術分野
本発明は、フラットパネルディスプレイ(以下FPDと表記する)に使用されるガラス基板、半導体ウエハ等の脆性材料基板を分断する際に使用されるスクライブ装置に関する。
背景技術
一対のガラス基板を貼り合わせたFPDは、それぞれが大寸法の一対のマザーガラス基板同士を相互に貼り合わされた後に、所定の大きさになるように分断されて製造される。マザーガラス基板を分断する際には、マザーガラス基板に、予めカッターによってスクライブラインが形成される。カッターでスクライブラインを形成する際、またはスクライブラインを形成後に、ガラス基板を分断する際に、微細なガラス粉及びガラスカレットが発生し種々の不具合を起こすことがあった。
カッターを用いてスクライブし、分断する際の微細なガラス粉及びガラスカレットの発生を回避するため、近年、スクライブラインを形成するためにレーザビームを使用する方法が実用化されている。レーザビームを使用してガラス基板にスクライブラインを形成する方法では、図5に示すように、ガラス基板50に対して、レーザ発振装置61からレーザビームが照射される。レーザ発振装置61から照射されるレーザビームは、ガラス基板50上に形成されるスクライブ予定ラインに沿った長円形状のレーザスポットLSをガラス基板50上に形成される。ガラス基板50と、レーザ発振装置61から照射されるレーザビームとは、レーザスポットの長手方向に沿って相対的に移動させられる。
ガラス基板50は、レーザビームによって、ガラス基板50が溶融される温度、すなわち、ガラス基板の軟化点よりも低い温度に加熱される。これにより、レーザスポットLSが照射されたガラス基板50の表面は、溶融されることなく加熱される。
また、ガラス基板50の表面におけるレーザビームの照射領域の近傍には、スクライブラインが形成される様に、冷却水等の冷却媒体が、冷却ノズル62から吹き付けられるようになっている。レーザビームが照射されるガラス基板の表面には、レーザビームによる加熱によって圧縮応力が生じた後に、冷却媒体が吹き付けられることにより、引張り応力が生じる。このように、圧縮応力が生じた領域に近接して引張り応力が生じるために、両領域間に、それぞれの応力に基づく応力勾配が発生し、ガラス基板50には、ガラス基板50の端部に予め形成された切れ目からスクライブ予定ラインに沿ってガラスの厚み方向の垂直クラックBCが進展していきスクライブラインが形成される。
このようにしてガラス基板50の表面に形成される垂直クラックは微細な為、通常、肉眼では目視することができないので、ブラインドクラックBCと称せられている。
図6は、レーザスクライブ装置によってスクライブされるガラス基板50上のビーム照射状態を示す模式的斜視図で、図7は、そのガラス基板50上の物理変化状態を模式的に示す平面図である。
レーザ発振装置61から発振されたレーザビームLBは、ガラス基板50の表面に、長円形状のレーザスポットLSを形成する。レーザスポットLSは、例えば、長径bが30.0mm、短径aが1.0mmの長円形状になっており、長軸が、形成されるスクライブラインの方向に一致するように照射される。
この場合、ガラス基板50に形成されるレーザスポットLSは、外周縁部のビーム強度が、中央部のビーム強度よりも大きくなっている。従って、スクライブ予定ライン上に位置する長軸方向の各端部において、ビーム強度がそれぞれ最大となり、各端部間にて挟まれたレーザスポットLSの中央部分のビーム強度は、各端部におけるビーム強度よりも小さくなっている。
ガラス基板50は、レーザスポットLSの長軸方向に沿って相対的に移動されるようになっており、従って、ガラス基板50は、スクライブ予定ラインに沿って、レーザスポットLSの一方の端部における大きなビーム強度に応じて加熱された後に、レーザスポットLSの中央部の小さなビーム強度に応じて加熱され、さらにその後に大きなビーム強度に応じて加熱される。そして、その後に、レーザスポットLSの端部が照射される領域に対して、例えば、レーザスポットLSの長軸方向に2.5mmの間隔Lをあけたスクライブ予定ライン上の冷却ポイントCPに、冷却ノズル62から冷却水が吹き付けられる。
これにより、レーザスポットLSと冷却ポイントCPとの間の領域に温度勾配が生じ、冷却ポイントCPに対してレーザスポットLSとは反対側の領域に大きな引張り応力が生じる。そして、この引張り応力を利用して、ガラス基板50の端部にホイールカッタ35により形成された切れ目からブラインドクラックBCが、スクライブ予定ラインに沿って進展していく。
ガラス基板50は、長円形状のレーザスポットLSによって加熱される。この場合、ガラス基板50は、レーザスポットLSの一方の端部における大きなビーム強度により、その表面から熱が垂直方向に沿って内部に伝わっていくが、レーザビームがガラス基板50に対して相対的に移動することにより、レーザスポットLSの端部によって加熱された部分は、レーザスポットLSの中央部における小さなビーム強度に応じて加熱された後に、再度、レーザスポットLSの端部における大きなビーム強度に応じて加熱される。
このように、ガラス基板50の表面においては、最初に大きなビーム強度に応じて加熱された部分は、その後で小さなビーム強度に応じて加熱されている間に、その熱がガラス基板の内部に確実に伝導される。また、ガラス基板50の表面が大きなビーム強度に応じて加熱され続けることが防止され、ガラス基板50の表面の溶融が防止されることになる。その後、再度、大きなビーム強度に応じてガラス基板50が加熱されて、ガラス基板50の内部を確実に加熱されるようにすると、ガラス基板50の表面および内部に、圧縮応力が発生する。そして、このような時間が経過した後に、圧縮応力が発生した領域の近傍の冷却ポイントCPに冷却水が吹き付けられることにより引張り応力が発生する。
レーザスポットLSによる加熱領域に圧縮応力が発生し、冷却水による冷却ポイントCPに引張り応力が発生すると、レーザスポットLSと冷却ポイントCPとの間の熱拡散領域HDに発生している圧縮応力により、冷却ポイントCPに対してレーザスポットとは反対側の領域に大きな引張り応力が発生する。そして、この引張り応力を利用して、ガラス基板50の端部にホイールカッタ35により形成された切れ目からブラインドクラックBCがスクライブ予定ラインに沿って進展していく。
また、レーザビームのガラス基板50に対する相対的な移動速度を低速にすることにより、ブラインドクラックBC(垂直クラック)はガラス基板50の厚み方向に伸展して、ガラス基板50を貫いた状態でスクライブ予定ラインに沿って進展していく(このようにスクライブすることは、通常、ガラス基板50をフルボディカットすると呼ばれる)。
上述の従来例の説明においては、ガラス基板50の端部にホイールカッタ35により形成された切れ目からブラインドクラックBCが進展していく例を説明したが、ホイールカッタ35により形成される切れ目は必ずしもガラス基板50の端部でなくてもよい。
また、ブラインドクラックBCの形成には、必ずしも、ガラス基板50に切り目を形成する必要はない。
スクライブラインとしてのブラインドクラックBCがガラス基板50に形成されると、ガラス基板50は、次の分断工程に供給されて、図6の矢印が示す方向であるブラインドクラックBCの幅方向に、曲げモーメントが作用するようにガラス基板に力が加えられる。これにより、ガラス基板50は、ブラインドクラックBCのラインであるスクライブラインに沿って分断される。
このようなスクライブ装置では、ガラス基板50の材質、厚さ等の条件が変更されると、レーザビームによる加熱条件も変更する必要がある。レーザ発振装置は、発振されたレーザビームが、ガラス基板50上において所定の長円形状のレーザスポットLSになるように、レンズ等の光学系の配置、焦点等が予め設定されており、レーザビームによる加熱条件を変更する場合には、ガラス基板50表面上に形成されるレーザスポットLSの形状も変更させる必要がある。しかしながら、レーザスポットLSの形状を変更するためには、光学系のレンズ等の交換、焦点の調整、さらには、レーザ発振器から発振されるレーザモードの調整も必要になる等、その調整が容易でないという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的は、ガラス基板等の脆性材料基板にスクライブラインを形成する際に、脆性材料基板の材質、厚さ等の条件が変更された場合にも、その脆性材料基板の条件に容易に対応することができる脆性材料基板のスクライブ装置を提供することにある。
発明の開示
本発明の脆性材料基板のスクライブ装置は、脆性材料基板の表面におけるスクライブラインの形成が予定される領域に沿って、該脆性材料基板の軟化点よりも低い温度の照射スポットが形成されるようにレーザビームを連続または高速で断続的に照射しつつ、そのレーザスポットの近傍の領域を連続して冷却することにより、スクライブ予定ラインに沿って垂直クラックが形成される脆性材料基板のスクライブ装置であって、同一波長あるいは波長の異なるレーザビームを発生する複数のレーザ発振器から発振されるレーザビームが、脆性材料基板に複数の照射スポットが形成されるように、レーザビームの走査速度や走査経路を高速にて調整された状態で脆性材料基板に照射されることを特徴とする。
そして、前記複数のレーザスポットが複数の強度分布のピークを持つことを特徴とする。
さらに、前記複数のレーザスポットの強度分布が非ガウスモードであることを特徴とする。
また、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置は、脆性材料基板の表面におけるスクライブラインの形成が予定される領域に沿って、該脆性材料基板の軟化点よりも低い温度の照射スポットが形成されるようにレーザビームを連続または高速で断続的に照射しつつ、そのレーザスポットの近傍の領域を連続して冷却することにより、スクライブラインに沿って垂直クラックを形成する脆性材料基板のスクライブ装置であって、
複数のレーザ発振器からそれぞれ発振されるレーザビームが、複数の強度分布のピークが得られるように合成されて、脆性材料基板に照射されることを特徴とする。
前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が、ガウスモードであることを特徴とする。
そして、前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が非ガウスモードであることを特徴とする。
さらに、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置は、脆性材料基板の表面におけるスクライブラインの形成が予定される領域に沿って、該脆性材料基板の軟化点よりも低い温度の照射スポットが形成されるようにレーザビームを連続または高速で断続して照射しつつ、そのレーザスポットの近傍の領域を連続して冷却させることにより、スクライブラインに沿って垂直クラックが形成される脆性材料基板のスクライブ装置であって、1つのレーザ発振器から発振されるレーザビームから、脆性材料基板において複数の強度分布のピークが得られるように、一旦分割された後に合成されて、脆性材料基板に照射されることを特徴とする。
前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が、ガウスモードであることを特徴とする。
そして、前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が、非ガウスモードであることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置の実施形態を示す概略構成図である。このスクライブ装置は、例えば、FPDに使用されるガラス基板を切断する際に、ガラス基板50にスクライブラインを形成するために使用され、図1に示すように、水平な架台11上に所定の水平方向(Y方向)に沿って往復移動するスライドテーブル12を有している。
スライドテーブル12は、架台11の上面にY方向に沿って平行に配置された一対のガイドレール14および15に、水平な状態で各ガイドレール14および15に沿ってスライド可能に支持されている。両ガイドレール14および15の中間部には、各ガイドレール14および15と平行にボールネジ13が、モータ(図示せず)によって回転するように設けられている。ボールネジ13は、正転および逆転可能になっており、このボールネジ13にボールナット16が螺合する状態で取り付けられている。ボールナット16は、スライドテーブル12に回転しない状態で一体的に取り付けられており、ボールネジ13の正転および逆転によって、ボールネジ13に沿って両方向にスライドする。これにより、ボールナット16と一体的に取り付けられたスライドテーブル12が、各ガイドレール14および15に沿ってY方向にスライドする。
スライドテーブル12上には、台座19が水平な状態で配置されている。台座19は、スライドテーブル12上に平行に配置された一対のガイドレール21に、スライド可能に支持されている。各ガイドレール21は、スライドテーブル12のスライド方向であるY方向と直交するX方向に沿って配置されている。また、各ガイドレール21間の中央部には、各ガイドレール21と平行にボールネジ22が配置されており、ボールネジ22がモータ23によって正転および逆転されるようになっている。
ボールネジ22には、ボールナット24が螺合する状態で取り付けられている。ボールナット24は、台座19に回転しない状態で一体的に取り付けられており、ボールネジ22の正転および逆転によって、ボールネジ22に沿って両方向に移動する。これにより、台座19が、各ガイドレール21に沿ったX方向にスライドする。
台座19上には、回転機構25が設けられており、この回転機構25上に、切断対象であるガラス基板50が載置される回転テーブル26が水平な状態で設けられている。回転機構25は、回転テーブル26を、垂直方向に沿った中心軸の周り(θ方向)に回転させるようになっている。回転テーブル26上には、ガラス基板50が、例えば吸引チャックによって固定される。
回転テーブル26の上方には、回転テーブル26とは適当な間隔をあけて、支持台31が配置されている。この支持台31は、垂直状態で配置された光学ホルダー33の下端部に水平な状態で支持されている。光学ホルダー33の上端部は、架台11上に設けられた取付台32の下面に取り付けられている。取付台32上には、レーザビームを発振するレーザ発振装置34が設けられている。
レーザ発振装置34は、レーザ発振器から照射されるレーザビームを光学ホルダー33内に保持された光学系に照射する。
光学ホルダー33の下端部に取り付けられた支持台31には、ガラス基板50の端面部に切れ目を形成するホイールカッタ35が設けられている。このホイールカッタ35は、ガラス基板50に照射されるレーザビームの長手方向の端部に対して、適当な間隔をあけて、しかも、レーザビームの長手方向に沿った線状に沿って配置されており、チップホルダー36によって、昇降可能に保持されている。
また、支持台31には、光学ホルダー33に近接して、冷却ノズル37が設けられている。この冷却ノズル37からは、冷却水、Heガス、N2ガス、CO2ガス等の冷却媒体がガラス基板50に噴射されるようになっている。冷却ノズル37から噴射される冷却媒体は、光学ホルダー33からガラス基板50に照射されるレーザスポットの長手方向の端部に近接した位置に吹き付けられる。
また、取付台32には、ガラス基板50に予め刻印されたアライメントマークを撮像する一対のCCDカメラ38および39が設けられており、各CCDカメラ38および39にて撮像された画像を表示するモニター28および29が、取付台32上にそれぞれ設けられている。
図2は、レーザ発振装置34および光学ホルダー33内に設けられる光学系の概略構成図である。レーザ発振装置34は、1本のレーザビームを発振するレーザ発振器34aを有しており、このレーザ発振器34aから発振されるレーザビームが、X軸ガルバノミラー34b、Y軸ガルバノミラー34cおよび、光学ホルダー33内に配置されたf−θレンズ33aを介して、ガラス基板50に照射されるようになっている。
X軸ガルバノミラー34bは高速回転しており、レーザ発振器34aから照射されるレーザビームを高速で走査して、Y軸ガルバノミラー34cに向かって反射させている。また、Y軸ガルバノミラー34cも同様に高速回転しており、X軸ガルバノミラー34cから照射されるレーザビームを高速で走査してガラス基板50に向かって反射させている。そして、Y軸ガルバノミラー34cにて反射されたレーザビームが、f−θレンズ33aを介してガラス基板50上に照射される。
f−θレンズ33aを介してガラス基板50上に照射されるレーザビームは、X軸ガルバノミラー34bおよびY軸ガルバノミラー34cのそれぞれの回転速度に基づいて、Y軸方向およびX軸方向に沿った楕円形状のレーザスポットLS1およびLS2をそれぞれ形成する。
上述のY軸ガルバノミラー34cにて反射されたレーザビームに使用されるレンズはf−θレンズに限らない。
各レーザビームLS1とLS2の間隔は、X軸ガルバノミラー34bおよびY軸ガルバノミラー34cのそれぞれの回転速度を調整することにより、変更される。そして、X軸方向に沿った楕円形状LS2に近接した位置に、冷却ノズル37から冷却水が吹き付けられる。
このようなスクライブ装置によってガラス基板50をスクライブする場合には、まず、所定の大きさに分断されるガラス基板50が、スクライブ装置の回転テーブル26上に載置され吸引手段により固定される。そして、CCDカメラ38および39によって、ガラス基板50に設けられたアライメントマークが撮像される。撮像されたアライメントマークは、モニター28および29によって表示され、その表示に基づいて、ガラス基板50が、所定の位置に位置決めされる。
光学ホルダー33の下端に位置する支持台31に対して位置決めされたガラス基板50にレーザによるスクライブが実施される。ガラス基板50をスクライブする際には、光学ホルダー33からガラス基板50の表面に照射される各レーザスポットLS1およびLS2が、ガラス基板50のスクライブ予定ライン上に形成される。回転テーブル26の位置決めは、スライドテーブル12のスライド、台座19のスライド、および回転機構25による回転テーブル26の回転によって行われる。
回転テーブル26が支持台31に対して位置決めされると、回転テーブル26がX方向に沿ってスライドされて、ガラス基板50の端部が、ホイールカッタ35に対向される。そして、ホイールカッタ35が下降されて、ガラス基板50の端部に、スクライブ予定ラインに沿って切れ目が形成される。
その後、回転テーブル26が、スクライブ予定ラインに沿ってX方向にスライドされつつ、レーザ発振装置34からレーザビームが発振されるとともに、冷却ノズル37から冷却媒体、例えば、冷却水が圧縮エアーとともに噴射される。
レーザ発振装置34から発振されるレーザビームにより、ガラス基板50上には、ガラス基板50の走査方向に沿って、Y軸方向に沿って長くなった楕円形状のレーザスポットLS1と、X軸方向に沿って長くなった楕円形状のレーザスポットLS2とが、予め設定された所定の距離だけ離れて、形成される。そして、そのレーザスポットLS2に対して、ガラス基板50の移動方向とは反対側に所定の間隔をあけた領域に、冷却水が吹き付けられる。これにより、ガラス基板50に、ブラインドクラックがスクライブラインとして形成される。
スクライブラインとしてのブラインドクラックがガラス基板50に形成されると、ガラス基板50は、次の分断工程に供給されて、スクライブラインの幅方向に曲げモーメントが作用するようにガラス基板に力が加えられる。これにより、ガラス基板50は、スクライブラインに沿って分断される。
スクライブ装置によってスクライブラインが形成されるガラス基板50の種類が変更されると、レーザ発振装置34におけるX軸ガルバノミラー34bおよびY軸ガルバノミラー34cの回転速度がそれぞれ調整され、レーザビームによってガラス基板50の表面に形成されるレーザスポットLS1とLS2の間隔が調整される。
また、X軸ガルバノミラー34bとY軸ガルバノミラー34cによりレーザビームの走査パターンを変えることにより、レーザスポットLS1とLS2のそれぞれの長軸方向に沿った強度分布に複数のピークを持たせることができる。
これらより、レーザスポットLS1とLS2の間隔およびそれぞれの強度分布の状態が、ガラス基板50の材質等の種類に適した状態とされて、レーザビームがガラス基板50に照射されるために、ガラス基板50は、その内部にわたって、ブラインドクラックが深く形成されるために必要とされる状態にまで確実に加熱される。
更に、X軸ガルバノミラー34bとY軸ガルバノミラー34cによりレーザビームの走査パターンを変えることにより、複数のレーザスポットLS2を直列に所定の間隔で形成し、形成された複数のレーザスポットの強度分布の状態を種々に設定することができる。
好ましくは、複数のレーザスポットLS2に形成される複数の強度分布のピークを一直線上に設けることで、ガラス基板50に材質等の種類により一層適応した状態とすることができ、ブラインドクラックを深く形成するための条件設定が容易となる。
上述のようにレーザビームの走査速度や走査経路を高速にて調整することで、複数のレーザスポットが形成される。これら複数のレーザスポットはあたかもマルチモードのレーザスポットであるかのようにガラス基板50に形成される。
ガラス基板50が厚い場合、あるいは、熱伝導率が低い場合には、レーザスポットLS1とLS2の間隔は小さく設定され、また、LS2が複数のときにはLS2相互の間隔は小さく設定され、さらに、X軸に沿ったレーザスポットの強度分布のピークの間隔も小さく設定される。反対に、ガラス基板50が薄い場合、あるいは、熱伝導率が高い場合には、レーザスポットLS1とLS2の間隔は大きく設定され、また、LS2が複数のときにはLS2相互の間隔は大きく設定され、さらに、X軸に沿った複数のレーザスポットの強度分布のピークの間隔も大きく設定される。
このように、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板に照射されるレーザビームを、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができるために、各種条件のガラス基板に対して容易に対応することができる。
レーザスポットLS1はスポット全体が均一な強度分布になるよう形成される。または、レーザスポットLS1はスクライブ予定ラインを挟んで、2つの強度分布のピークを持つようにY軸に沿って形成することが好ましい。
これにより、スクライブ予定ラインには、このラインの両側より圧縮の応力が加わり、レーザスポットLS1によるガラス基板50上のスクライブ予定ラインへの加熱時に、ブラインドクラックとは異なる異常な亀裂がガラス基板50の端部等より発生することを防ぐことができる。
上述の説明においては図2に示すような、レーザ発振装置34aと光学系を有し、レーザ発振装置34aから一本のレーザビームを発振するレーザ発振装置34と光学ホルダー33を備えるスクライブ装置の場合を説明したが、複数のレーザ発振装置とそれに対応する複数の光学ホルダーを備え、複数の光学ホルダーに図2で示される光学系が設置されているスクライブ装置であってもよい。
このように、複数のレーザ発振装置と複数の光学ホルダーを備えることで、複数の異なる波長をもつレーザビームをガラス基板50上に照射することができる。通常、材料には光を吸収するのに最適な光の波長領域があり、この波長領域に近いレーザビームを材料に照射すると材料の内部まで短時間で加熱される。したがって、脆性材料基板の光の吸収波長に近いレーザビームを照射することで、ブラインドクラックが形成されやすくなる。
種々の脆性材料基板の分断に最適なブラインドクラックのラインを形成するためには脆性材料基板に形成される複数のレーザスポットの間隔、複数のレーザスポットの強度分布と、さらに、複数のレーザスポットを形成するレーザビームの波長が最適に調整されることが必要である。このために、複数のレーザ発振装置と複数の光学ホルダーを備えるスクライブ装置が用いられる。
さらに、レーザスポットLS1と複数のレーザスポットLS2はその強度分布が非ガウスモードであってもよい。
図3は、レーザ発振装置34および光学系の他の例を示す概略構成図である。レーザ発振装置34は、第1レーザ発振器34aおよび第2レーザ発振器34gを有している。第1および第2の各レーザ発振器34aおよび34gは、それぞれ、ガウスモードの強度分布を有するレーザビームを相互に平行になるように、水平方向に沿って照射する。
第1レーザ発振器34aから発振されたレーザビームは、移動ステージ33dに取り付けられた第1反射ミラー33cによって、ガラス基板50に向かって垂直に反射される。第1反射ミラー33cは、移動ステージ33dによって、第1レーザ発振器34aに対して接近および離間する方向に移動されるようになっている。移動ステージ33dは、ステッピングモーターによって移動され、これにより、第1レーザ発振器34aに対する第1反射ミラー33cの位置が微調整される。
また、第2レーザ発振器34gから照射されたレーザビームは、第1反射ミラー33cの下方の移動ステージ33d’に固定された第1半円ミラー33fに照射される。この第1半円ミラー33fは、その上方に配置された第1反射ミラー33cにて反射されたレーザビームを透過させるとともに、第2レーザ発振器34gから照射されたレーザビームを下方に向かって反射する。
第1半円ミラー33fに照射される第1および第2の各レーザ発振器からそれぞれ発振されたレーザビームは、位相がずれた状態になり、第1半円ミラー33fにおいて、一対の強度分布のピークを有するレーザビームに合成される。この場合、各強度分布のピークの間隔は、第1反射ミラー33cと第1半円ミラー33fの位置を移動ステージ33dと33d’によって調整することにより、随時変化させて新しく設定することができる。
このようにして、第1半円ミラー33fによって、一対の強度分布のピークを有するように合成されたレーザビームは、f−θレンズ33aを介して、ガラス基板50に照射される。
尚、第1半円ミラー33fによって合成されたレーザビームに使用されるレンズはf−θレンズに限定されない。
第1半円ミラー33fによって合成されたレーザビームは、その強度分布のピークが、ガラス基板50の移動方向であるX軸方向に沿った状態になるように、ガラス基板50に照射される。
このようなレーザ発振装置および光学系を有するスクライブ装置も、X軸方向に沿って移動されるガラス基板50に対して、X軸方向に沿って一対の強度分布のピークを有するレーザビームが照射されて、ガラス基板50の表面が加熱される。そして、レーザビームの照射によって加熱された部分に近接したガラス基板50の表面に、冷却媒体が吹き付けられることにより、ガラス基板にスクライブラインとしてのブラインドクラックが形成される。
この場合、スクライブ装置によってブラインドクラックが形成されるガラス基板50の材質や厚さ等が変更されると、第1反射ミラー33cによる第1半円ミラー33fに対するレーザビームの反射位置が、移動ステージ33d及び/又は33d’によって調整され、レーザビームによってガラス基板50の表面に形成されるレーザスポットの強度分布のピークの間隔が調整される。これにより、ガラス基板50の材質等に適した状態とされる。このように、ガラス基板50の移動方向に沿って一対の強度分布のピークを有するレーザスポットがガラス基板50に形成されると、ガラス基板50の内部にわたって、ブラインドクラックを形成するために必要とされる状態にまで有効に加熱される。
従って、図3に示す光学系を有するスクライブ装置でも、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板に照射されるレーザビームの各種物理的パラメータを、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができ、各種条件が変動する場合のガラス基板に対しても容易に対応することができる。
図3(b)は、レーザ発振器34a、34gから発振されるレーザビームの強度分布がガウスモードの時、ガラス基板50に対して一対の強度分布のピークを有するレーザスポットが得られる様子を描いた模式図である。
尚、ピーク間の距離は移動ステージ33dと33d’を調整することで変化させることが可能で、必要な場合には2つのピークの並び順を変更させることも可能である。
また、図3(a)の第1反射ミラー33cを高速で複数回ピッチ送りして移動させることにより、図8に示すような複数のレーザスポットをガラス基板50上に形成させることができる。このときに形成されるレーザスポット間の間隔は第1反射ミラー33cがピッチ送りされる移動量となる。この移動量を変更することで、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板に照射される複数のレーザビームの間隔を、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができ、各種条件のガラス基板に対して容易に対応することができる。
レーザ発振器34aと34gから発振されるレーザビームの強度分布がガウスモードになっていると、ガラス基板50上に形成されるレーザスポットの外周部分は、ガラス基板50の加熱に直ぐに関与せず、ガラス基板50の加熱効率が低下するおそれがある。このために、図3(c)の様に、レーザ発振器34aと34gから発振されるレーザビームの強度分布は、非ガウスモードになっていることが好ましい。
また、複数のレーザ発振器とそれに対応した半円ミラーと半円ミラーを移動させる手段を図3に示された構成に追加して、33aのレンズを介して複数のレーザビームをガラス基板50に照射し、ガラス基板50に形成されたレーザスポットが、ガラス基板50の移動方向に沿って複数の強度分布のピークが得られる構成とすることが好ましい。
さらに、複数のレーザ発振器は異なる波長のレーザビームを発振するものであってもよい。
図4は、レーザ発振装置34および光学系の他の例を示す概略構成図である。この場合、レーザ発振装置34には第1レーザ発振器34aのみが設けられており、このレーザ発振器34aから発振されるレーザビームが、移動ステージ33b’に固定的に配置された第2ハーフミラー33bに照射されるようになっている。第2ハーフミラー33bは、レーザ発振器34aから発振されたレーザビームを、第1反射ミラー33cに向かって透過させるビームと、下方に向かって反射されるビームとに分割する。
第2ハーフミラー33bによって下方に反射されたレーザビームは、第2ハーフミラー33bの下方に配置された第2反射ミラー33eによって、第1半円ミラー33fに照射されるようになっている。
その他の構成は、図3に示すレーザ発振装置および光学系の構成と同様になっている。
このような構成の場合には、第2ハーフミラー33bによって分割されたレーザビームが、第1半円ミラー33fによって合成されて、f−θレンズ33aを介してガラス基板50に照射され、ガラス基板50の表面に、一対の強度分布のピークを有するレーザスポットが形成される。レーザスポットにおける一対の強度分布のピークの間隔は、図3の場合と同様に、第1反射ミラー33cによる第1半円ミラーに対するレーザビームの反射位置を、移動ステージ33d、33d’と33b’の移動によって調整することにより、適宜設定することができる。従って、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板50に照射されるレーザビームの強度分布と相互の間隔を、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができ、各種条件のガラス基板に対して容易に対応することができる。
図4(b)はレーザ発振器34aから発振されるレーザモードの強度分布がガウスモードの時、ガラス基板50に対して一対の熱エネルギーピークのレーザスポットが得られる様子を描いた模式図である。
尚、ピーク間の距離は移動ステージ33d、33d’と33b’を調整することで変化させることが可能で、必要な場合には2つのピークの並び順を変更させることも可能である。
また、図4(a)の第1反射ミラー33cを高速で複数回ピッチ送りして移動させることにより、図8に示すような複数のレーザスポットをガラス基板50上に形成させることができる。このときに形成されるレーザスポット間の間隔は第1反射ミラー33cがピッチ送りされる移動量となる。この移動量を変更することで、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板に照射される複数のレーザビームの間隔を、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができ、各種条件のガラス基板に対して容易に対応することができる。
なお、このように、1つのレーザ発振器34aから発振されるレーザビームを、分割した後に合成する場合には、レーザ発振器34aから発振されるレーザビームの強度分布がガウスモードになっていると、ガラス基板50上に形成されるレーザスポットの外周部分は、ガラス基板50のスクライブにあたっての照射後直ぐに加熱にあまり関与せず、ガラス基板50の加熱効率が低下するおそれがある。このために、図4(c)の様に、レーザ発振器34aから発振されるレーザビームの強度分布は、非ガウスモードになっていることが好ましい。
産業上の利用可能性
本発明は、脆性材料基板のスクライブ装置の技術分野において、ブラインドクラックが形成されるガラス基板等の脆性材料基板の種類や厚さ等が変更されても、容易に対応することができ、各種脆性材料基板に対して、確実に深いブラインドクラックを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置の実施の形態の一例を示す正面図である。
図2は、本発明のスクライブ装置に使用されるレーザ発振装置および光学系の一例を示す概略構成図である
図3(a)は、本発明のスクライブ装置に使用されるレーザ発振装置および光学系の他の例を示す概略構成図、図3(b)および(c)は、それぞれ、その装置からガラス基板に照射されるレーザスポットの強度分布を示す模式図である。
図4(a)は、本発明のスクライブ装置に使用されるレーザ発振装置および光学系のさらに他の例を示す概略構成図、図4(b)および(c)は、それぞれ、その装置からガラス基板に照射されるレーザスポットの強度分布を示す模式図である。
図5は、レーザビームを使用したスクライブ装置の動作説明のための概略図である。
図6は、レーザスクライブ装置によるスクライブライン形成作業中のガラス基板の状態を模式的に示す斜視図である。
図7は、そのガラス基板の状態を模式的に示す平面図である。
図8(a)は、図3(a)及び図4(b)で示される本発明のスクライブ装置に使用されるレーザ発振装置および光学系でガラス基板に形成される複数のレーザースポットを示す模式図、図8(b)は、レーザスポットの拡大図および強度分布図である。
本発明は、フラットパネルディスプレイ(以下FPDと表記する)に使用されるガラス基板、半導体ウエハ等の脆性材料基板を分断する際に使用されるスクライブ装置に関する。
背景技術
一対のガラス基板を貼り合わせたFPDは、それぞれが大寸法の一対のマザーガラス基板同士を相互に貼り合わされた後に、所定の大きさになるように分断されて製造される。マザーガラス基板を分断する際には、マザーガラス基板に、予めカッターによってスクライブラインが形成される。カッターでスクライブラインを形成する際、またはスクライブラインを形成後に、ガラス基板を分断する際に、微細なガラス粉及びガラスカレットが発生し種々の不具合を起こすことがあった。
カッターを用いてスクライブし、分断する際の微細なガラス粉及びガラスカレットの発生を回避するため、近年、スクライブラインを形成するためにレーザビームを使用する方法が実用化されている。レーザビームを使用してガラス基板にスクライブラインを形成する方法では、図5に示すように、ガラス基板50に対して、レーザ発振装置61からレーザビームが照射される。レーザ発振装置61から照射されるレーザビームは、ガラス基板50上に形成されるスクライブ予定ラインに沿った長円形状のレーザスポットLSをガラス基板50上に形成される。ガラス基板50と、レーザ発振装置61から照射されるレーザビームとは、レーザスポットの長手方向に沿って相対的に移動させられる。
ガラス基板50は、レーザビームによって、ガラス基板50が溶融される温度、すなわち、ガラス基板の軟化点よりも低い温度に加熱される。これにより、レーザスポットLSが照射されたガラス基板50の表面は、溶融されることなく加熱される。
また、ガラス基板50の表面におけるレーザビームの照射領域の近傍には、スクライブラインが形成される様に、冷却水等の冷却媒体が、冷却ノズル62から吹き付けられるようになっている。レーザビームが照射されるガラス基板の表面には、レーザビームによる加熱によって圧縮応力が生じた後に、冷却媒体が吹き付けられることにより、引張り応力が生じる。このように、圧縮応力が生じた領域に近接して引張り応力が生じるために、両領域間に、それぞれの応力に基づく応力勾配が発生し、ガラス基板50には、ガラス基板50の端部に予め形成された切れ目からスクライブ予定ラインに沿ってガラスの厚み方向の垂直クラックBCが進展していきスクライブラインが形成される。
このようにしてガラス基板50の表面に形成される垂直クラックは微細な為、通常、肉眼では目視することができないので、ブラインドクラックBCと称せられている。
図6は、レーザスクライブ装置によってスクライブされるガラス基板50上のビーム照射状態を示す模式的斜視図で、図7は、そのガラス基板50上の物理変化状態を模式的に示す平面図である。
レーザ発振装置61から発振されたレーザビームLBは、ガラス基板50の表面に、長円形状のレーザスポットLSを形成する。レーザスポットLSは、例えば、長径bが30.0mm、短径aが1.0mmの長円形状になっており、長軸が、形成されるスクライブラインの方向に一致するように照射される。
この場合、ガラス基板50に形成されるレーザスポットLSは、外周縁部のビーム強度が、中央部のビーム強度よりも大きくなっている。従って、スクライブ予定ライン上に位置する長軸方向の各端部において、ビーム強度がそれぞれ最大となり、各端部間にて挟まれたレーザスポットLSの中央部分のビーム強度は、各端部におけるビーム強度よりも小さくなっている。
ガラス基板50は、レーザスポットLSの長軸方向に沿って相対的に移動されるようになっており、従って、ガラス基板50は、スクライブ予定ラインに沿って、レーザスポットLSの一方の端部における大きなビーム強度に応じて加熱された後に、レーザスポットLSの中央部の小さなビーム強度に応じて加熱され、さらにその後に大きなビーム強度に応じて加熱される。そして、その後に、レーザスポットLSの端部が照射される領域に対して、例えば、レーザスポットLSの長軸方向に2.5mmの間隔Lをあけたスクライブ予定ライン上の冷却ポイントCPに、冷却ノズル62から冷却水が吹き付けられる。
これにより、レーザスポットLSと冷却ポイントCPとの間の領域に温度勾配が生じ、冷却ポイントCPに対してレーザスポットLSとは反対側の領域に大きな引張り応力が生じる。そして、この引張り応力を利用して、ガラス基板50の端部にホイールカッタ35により形成された切れ目からブラインドクラックBCが、スクライブ予定ラインに沿って進展していく。
ガラス基板50は、長円形状のレーザスポットLSによって加熱される。この場合、ガラス基板50は、レーザスポットLSの一方の端部における大きなビーム強度により、その表面から熱が垂直方向に沿って内部に伝わっていくが、レーザビームがガラス基板50に対して相対的に移動することにより、レーザスポットLSの端部によって加熱された部分は、レーザスポットLSの中央部における小さなビーム強度に応じて加熱された後に、再度、レーザスポットLSの端部における大きなビーム強度に応じて加熱される。
このように、ガラス基板50の表面においては、最初に大きなビーム強度に応じて加熱された部分は、その後で小さなビーム強度に応じて加熱されている間に、その熱がガラス基板の内部に確実に伝導される。また、ガラス基板50の表面が大きなビーム強度に応じて加熱され続けることが防止され、ガラス基板50の表面の溶融が防止されることになる。その後、再度、大きなビーム強度に応じてガラス基板50が加熱されて、ガラス基板50の内部を確実に加熱されるようにすると、ガラス基板50の表面および内部に、圧縮応力が発生する。そして、このような時間が経過した後に、圧縮応力が発生した領域の近傍の冷却ポイントCPに冷却水が吹き付けられることにより引張り応力が発生する。
レーザスポットLSによる加熱領域に圧縮応力が発生し、冷却水による冷却ポイントCPに引張り応力が発生すると、レーザスポットLSと冷却ポイントCPとの間の熱拡散領域HDに発生している圧縮応力により、冷却ポイントCPに対してレーザスポットとは反対側の領域に大きな引張り応力が発生する。そして、この引張り応力を利用して、ガラス基板50の端部にホイールカッタ35により形成された切れ目からブラインドクラックBCがスクライブ予定ラインに沿って進展していく。
また、レーザビームのガラス基板50に対する相対的な移動速度を低速にすることにより、ブラインドクラックBC(垂直クラック)はガラス基板50の厚み方向に伸展して、ガラス基板50を貫いた状態でスクライブ予定ラインに沿って進展していく(このようにスクライブすることは、通常、ガラス基板50をフルボディカットすると呼ばれる)。
上述の従来例の説明においては、ガラス基板50の端部にホイールカッタ35により形成された切れ目からブラインドクラックBCが進展していく例を説明したが、ホイールカッタ35により形成される切れ目は必ずしもガラス基板50の端部でなくてもよい。
また、ブラインドクラックBCの形成には、必ずしも、ガラス基板50に切り目を形成する必要はない。
スクライブラインとしてのブラインドクラックBCがガラス基板50に形成されると、ガラス基板50は、次の分断工程に供給されて、図6の矢印が示す方向であるブラインドクラックBCの幅方向に、曲げモーメントが作用するようにガラス基板に力が加えられる。これにより、ガラス基板50は、ブラインドクラックBCのラインであるスクライブラインに沿って分断される。
このようなスクライブ装置では、ガラス基板50の材質、厚さ等の条件が変更されると、レーザビームによる加熱条件も変更する必要がある。レーザ発振装置は、発振されたレーザビームが、ガラス基板50上において所定の長円形状のレーザスポットLSになるように、レンズ等の光学系の配置、焦点等が予め設定されており、レーザビームによる加熱条件を変更する場合には、ガラス基板50表面上に形成されるレーザスポットLSの形状も変更させる必要がある。しかしながら、レーザスポットLSの形状を変更するためには、光学系のレンズ等の交換、焦点の調整、さらには、レーザ発振器から発振されるレーザモードの調整も必要になる等、その調整が容易でないという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的は、ガラス基板等の脆性材料基板にスクライブラインを形成する際に、脆性材料基板の材質、厚さ等の条件が変更された場合にも、その脆性材料基板の条件に容易に対応することができる脆性材料基板のスクライブ装置を提供することにある。
発明の開示
本発明の脆性材料基板のスクライブ装置は、脆性材料基板の表面におけるスクライブラインの形成が予定される領域に沿って、該脆性材料基板の軟化点よりも低い温度の照射スポットが形成されるようにレーザビームを連続または高速で断続的に照射しつつ、そのレーザスポットの近傍の領域を連続して冷却することにより、スクライブ予定ラインに沿って垂直クラックが形成される脆性材料基板のスクライブ装置であって、同一波長あるいは波長の異なるレーザビームを発生する複数のレーザ発振器から発振されるレーザビームが、脆性材料基板に複数の照射スポットが形成されるように、レーザビームの走査速度や走査経路を高速にて調整された状態で脆性材料基板に照射されることを特徴とする。
そして、前記複数のレーザスポットが複数の強度分布のピークを持つことを特徴とする。
さらに、前記複数のレーザスポットの強度分布が非ガウスモードであることを特徴とする。
また、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置は、脆性材料基板の表面におけるスクライブラインの形成が予定される領域に沿って、該脆性材料基板の軟化点よりも低い温度の照射スポットが形成されるようにレーザビームを連続または高速で断続的に照射しつつ、そのレーザスポットの近傍の領域を連続して冷却することにより、スクライブラインに沿って垂直クラックを形成する脆性材料基板のスクライブ装置であって、
複数のレーザ発振器からそれぞれ発振されるレーザビームが、複数の強度分布のピークが得られるように合成されて、脆性材料基板に照射されることを特徴とする。
前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が、ガウスモードであることを特徴とする。
そして、前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が非ガウスモードであることを特徴とする。
さらに、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置は、脆性材料基板の表面におけるスクライブラインの形成が予定される領域に沿って、該脆性材料基板の軟化点よりも低い温度の照射スポットが形成されるようにレーザビームを連続または高速で断続して照射しつつ、そのレーザスポットの近傍の領域を連続して冷却させることにより、スクライブラインに沿って垂直クラックが形成される脆性材料基板のスクライブ装置であって、1つのレーザ発振器から発振されるレーザビームから、脆性材料基板において複数の強度分布のピークが得られるように、一旦分割された後に合成されて、脆性材料基板に照射されることを特徴とする。
前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が、ガウスモードであることを特徴とする。
そして、前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が、非ガウスモードであることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置の実施形態を示す概略構成図である。このスクライブ装置は、例えば、FPDに使用されるガラス基板を切断する際に、ガラス基板50にスクライブラインを形成するために使用され、図1に示すように、水平な架台11上に所定の水平方向(Y方向)に沿って往復移動するスライドテーブル12を有している。
スライドテーブル12は、架台11の上面にY方向に沿って平行に配置された一対のガイドレール14および15に、水平な状態で各ガイドレール14および15に沿ってスライド可能に支持されている。両ガイドレール14および15の中間部には、各ガイドレール14および15と平行にボールネジ13が、モータ(図示せず)によって回転するように設けられている。ボールネジ13は、正転および逆転可能になっており、このボールネジ13にボールナット16が螺合する状態で取り付けられている。ボールナット16は、スライドテーブル12に回転しない状態で一体的に取り付けられており、ボールネジ13の正転および逆転によって、ボールネジ13に沿って両方向にスライドする。これにより、ボールナット16と一体的に取り付けられたスライドテーブル12が、各ガイドレール14および15に沿ってY方向にスライドする。
スライドテーブル12上には、台座19が水平な状態で配置されている。台座19は、スライドテーブル12上に平行に配置された一対のガイドレール21に、スライド可能に支持されている。各ガイドレール21は、スライドテーブル12のスライド方向であるY方向と直交するX方向に沿って配置されている。また、各ガイドレール21間の中央部には、各ガイドレール21と平行にボールネジ22が配置されており、ボールネジ22がモータ23によって正転および逆転されるようになっている。
ボールネジ22には、ボールナット24が螺合する状態で取り付けられている。ボールナット24は、台座19に回転しない状態で一体的に取り付けられており、ボールネジ22の正転および逆転によって、ボールネジ22に沿って両方向に移動する。これにより、台座19が、各ガイドレール21に沿ったX方向にスライドする。
台座19上には、回転機構25が設けられており、この回転機構25上に、切断対象であるガラス基板50が載置される回転テーブル26が水平な状態で設けられている。回転機構25は、回転テーブル26を、垂直方向に沿った中心軸の周り(θ方向)に回転させるようになっている。回転テーブル26上には、ガラス基板50が、例えば吸引チャックによって固定される。
回転テーブル26の上方には、回転テーブル26とは適当な間隔をあけて、支持台31が配置されている。この支持台31は、垂直状態で配置された光学ホルダー33の下端部に水平な状態で支持されている。光学ホルダー33の上端部は、架台11上に設けられた取付台32の下面に取り付けられている。取付台32上には、レーザビームを発振するレーザ発振装置34が設けられている。
レーザ発振装置34は、レーザ発振器から照射されるレーザビームを光学ホルダー33内に保持された光学系に照射する。
光学ホルダー33の下端部に取り付けられた支持台31には、ガラス基板50の端面部に切れ目を形成するホイールカッタ35が設けられている。このホイールカッタ35は、ガラス基板50に照射されるレーザビームの長手方向の端部に対して、適当な間隔をあけて、しかも、レーザビームの長手方向に沿った線状に沿って配置されており、チップホルダー36によって、昇降可能に保持されている。
また、支持台31には、光学ホルダー33に近接して、冷却ノズル37が設けられている。この冷却ノズル37からは、冷却水、Heガス、N2ガス、CO2ガス等の冷却媒体がガラス基板50に噴射されるようになっている。冷却ノズル37から噴射される冷却媒体は、光学ホルダー33からガラス基板50に照射されるレーザスポットの長手方向の端部に近接した位置に吹き付けられる。
また、取付台32には、ガラス基板50に予め刻印されたアライメントマークを撮像する一対のCCDカメラ38および39が設けられており、各CCDカメラ38および39にて撮像された画像を表示するモニター28および29が、取付台32上にそれぞれ設けられている。
図2は、レーザ発振装置34および光学ホルダー33内に設けられる光学系の概略構成図である。レーザ発振装置34は、1本のレーザビームを発振するレーザ発振器34aを有しており、このレーザ発振器34aから発振されるレーザビームが、X軸ガルバノミラー34b、Y軸ガルバノミラー34cおよび、光学ホルダー33内に配置されたf−θレンズ33aを介して、ガラス基板50に照射されるようになっている。
X軸ガルバノミラー34bは高速回転しており、レーザ発振器34aから照射されるレーザビームを高速で走査して、Y軸ガルバノミラー34cに向かって反射させている。また、Y軸ガルバノミラー34cも同様に高速回転しており、X軸ガルバノミラー34cから照射されるレーザビームを高速で走査してガラス基板50に向かって反射させている。そして、Y軸ガルバノミラー34cにて反射されたレーザビームが、f−θレンズ33aを介してガラス基板50上に照射される。
f−θレンズ33aを介してガラス基板50上に照射されるレーザビームは、X軸ガルバノミラー34bおよびY軸ガルバノミラー34cのそれぞれの回転速度に基づいて、Y軸方向およびX軸方向に沿った楕円形状のレーザスポットLS1およびLS2をそれぞれ形成する。
上述のY軸ガルバノミラー34cにて反射されたレーザビームに使用されるレンズはf−θレンズに限らない。
各レーザビームLS1とLS2の間隔は、X軸ガルバノミラー34bおよびY軸ガルバノミラー34cのそれぞれの回転速度を調整することにより、変更される。そして、X軸方向に沿った楕円形状LS2に近接した位置に、冷却ノズル37から冷却水が吹き付けられる。
このようなスクライブ装置によってガラス基板50をスクライブする場合には、まず、所定の大きさに分断されるガラス基板50が、スクライブ装置の回転テーブル26上に載置され吸引手段により固定される。そして、CCDカメラ38および39によって、ガラス基板50に設けられたアライメントマークが撮像される。撮像されたアライメントマークは、モニター28および29によって表示され、その表示に基づいて、ガラス基板50が、所定の位置に位置決めされる。
光学ホルダー33の下端に位置する支持台31に対して位置決めされたガラス基板50にレーザによるスクライブが実施される。ガラス基板50をスクライブする際には、光学ホルダー33からガラス基板50の表面に照射される各レーザスポットLS1およびLS2が、ガラス基板50のスクライブ予定ライン上に形成される。回転テーブル26の位置決めは、スライドテーブル12のスライド、台座19のスライド、および回転機構25による回転テーブル26の回転によって行われる。
回転テーブル26が支持台31に対して位置決めされると、回転テーブル26がX方向に沿ってスライドされて、ガラス基板50の端部が、ホイールカッタ35に対向される。そして、ホイールカッタ35が下降されて、ガラス基板50の端部に、スクライブ予定ラインに沿って切れ目が形成される。
その後、回転テーブル26が、スクライブ予定ラインに沿ってX方向にスライドされつつ、レーザ発振装置34からレーザビームが発振されるとともに、冷却ノズル37から冷却媒体、例えば、冷却水が圧縮エアーとともに噴射される。
レーザ発振装置34から発振されるレーザビームにより、ガラス基板50上には、ガラス基板50の走査方向に沿って、Y軸方向に沿って長くなった楕円形状のレーザスポットLS1と、X軸方向に沿って長くなった楕円形状のレーザスポットLS2とが、予め設定された所定の距離だけ離れて、形成される。そして、そのレーザスポットLS2に対して、ガラス基板50の移動方向とは反対側に所定の間隔をあけた領域に、冷却水が吹き付けられる。これにより、ガラス基板50に、ブラインドクラックがスクライブラインとして形成される。
スクライブラインとしてのブラインドクラックがガラス基板50に形成されると、ガラス基板50は、次の分断工程に供給されて、スクライブラインの幅方向に曲げモーメントが作用するようにガラス基板に力が加えられる。これにより、ガラス基板50は、スクライブラインに沿って分断される。
スクライブ装置によってスクライブラインが形成されるガラス基板50の種類が変更されると、レーザ発振装置34におけるX軸ガルバノミラー34bおよびY軸ガルバノミラー34cの回転速度がそれぞれ調整され、レーザビームによってガラス基板50の表面に形成されるレーザスポットLS1とLS2の間隔が調整される。
また、X軸ガルバノミラー34bとY軸ガルバノミラー34cによりレーザビームの走査パターンを変えることにより、レーザスポットLS1とLS2のそれぞれの長軸方向に沿った強度分布に複数のピークを持たせることができる。
これらより、レーザスポットLS1とLS2の間隔およびそれぞれの強度分布の状態が、ガラス基板50の材質等の種類に適した状態とされて、レーザビームがガラス基板50に照射されるために、ガラス基板50は、その内部にわたって、ブラインドクラックが深く形成されるために必要とされる状態にまで確実に加熱される。
更に、X軸ガルバノミラー34bとY軸ガルバノミラー34cによりレーザビームの走査パターンを変えることにより、複数のレーザスポットLS2を直列に所定の間隔で形成し、形成された複数のレーザスポットの強度分布の状態を種々に設定することができる。
好ましくは、複数のレーザスポットLS2に形成される複数の強度分布のピークを一直線上に設けることで、ガラス基板50に材質等の種類により一層適応した状態とすることができ、ブラインドクラックを深く形成するための条件設定が容易となる。
上述のようにレーザビームの走査速度や走査経路を高速にて調整することで、複数のレーザスポットが形成される。これら複数のレーザスポットはあたかもマルチモードのレーザスポットであるかのようにガラス基板50に形成される。
ガラス基板50が厚い場合、あるいは、熱伝導率が低い場合には、レーザスポットLS1とLS2の間隔は小さく設定され、また、LS2が複数のときにはLS2相互の間隔は小さく設定され、さらに、X軸に沿ったレーザスポットの強度分布のピークの間隔も小さく設定される。反対に、ガラス基板50が薄い場合、あるいは、熱伝導率が高い場合には、レーザスポットLS1とLS2の間隔は大きく設定され、また、LS2が複数のときにはLS2相互の間隔は大きく設定され、さらに、X軸に沿った複数のレーザスポットの強度分布のピークの間隔も大きく設定される。
このように、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板に照射されるレーザビームを、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができるために、各種条件のガラス基板に対して容易に対応することができる。
レーザスポットLS1はスポット全体が均一な強度分布になるよう形成される。または、レーザスポットLS1はスクライブ予定ラインを挟んで、2つの強度分布のピークを持つようにY軸に沿って形成することが好ましい。
これにより、スクライブ予定ラインには、このラインの両側より圧縮の応力が加わり、レーザスポットLS1によるガラス基板50上のスクライブ予定ラインへの加熱時に、ブラインドクラックとは異なる異常な亀裂がガラス基板50の端部等より発生することを防ぐことができる。
上述の説明においては図2に示すような、レーザ発振装置34aと光学系を有し、レーザ発振装置34aから一本のレーザビームを発振するレーザ発振装置34と光学ホルダー33を備えるスクライブ装置の場合を説明したが、複数のレーザ発振装置とそれに対応する複数の光学ホルダーを備え、複数の光学ホルダーに図2で示される光学系が設置されているスクライブ装置であってもよい。
このように、複数のレーザ発振装置と複数の光学ホルダーを備えることで、複数の異なる波長をもつレーザビームをガラス基板50上に照射することができる。通常、材料には光を吸収するのに最適な光の波長領域があり、この波長領域に近いレーザビームを材料に照射すると材料の内部まで短時間で加熱される。したがって、脆性材料基板の光の吸収波長に近いレーザビームを照射することで、ブラインドクラックが形成されやすくなる。
種々の脆性材料基板の分断に最適なブラインドクラックのラインを形成するためには脆性材料基板に形成される複数のレーザスポットの間隔、複数のレーザスポットの強度分布と、さらに、複数のレーザスポットを形成するレーザビームの波長が最適に調整されることが必要である。このために、複数のレーザ発振装置と複数の光学ホルダーを備えるスクライブ装置が用いられる。
さらに、レーザスポットLS1と複数のレーザスポットLS2はその強度分布が非ガウスモードであってもよい。
図3は、レーザ発振装置34および光学系の他の例を示す概略構成図である。レーザ発振装置34は、第1レーザ発振器34aおよび第2レーザ発振器34gを有している。第1および第2の各レーザ発振器34aおよび34gは、それぞれ、ガウスモードの強度分布を有するレーザビームを相互に平行になるように、水平方向に沿って照射する。
第1レーザ発振器34aから発振されたレーザビームは、移動ステージ33dに取り付けられた第1反射ミラー33cによって、ガラス基板50に向かって垂直に反射される。第1反射ミラー33cは、移動ステージ33dによって、第1レーザ発振器34aに対して接近および離間する方向に移動されるようになっている。移動ステージ33dは、ステッピングモーターによって移動され、これにより、第1レーザ発振器34aに対する第1反射ミラー33cの位置が微調整される。
また、第2レーザ発振器34gから照射されたレーザビームは、第1反射ミラー33cの下方の移動ステージ33d’に固定された第1半円ミラー33fに照射される。この第1半円ミラー33fは、その上方に配置された第1反射ミラー33cにて反射されたレーザビームを透過させるとともに、第2レーザ発振器34gから照射されたレーザビームを下方に向かって反射する。
第1半円ミラー33fに照射される第1および第2の各レーザ発振器からそれぞれ発振されたレーザビームは、位相がずれた状態になり、第1半円ミラー33fにおいて、一対の強度分布のピークを有するレーザビームに合成される。この場合、各強度分布のピークの間隔は、第1反射ミラー33cと第1半円ミラー33fの位置を移動ステージ33dと33d’によって調整することにより、随時変化させて新しく設定することができる。
このようにして、第1半円ミラー33fによって、一対の強度分布のピークを有するように合成されたレーザビームは、f−θレンズ33aを介して、ガラス基板50に照射される。
尚、第1半円ミラー33fによって合成されたレーザビームに使用されるレンズはf−θレンズに限定されない。
第1半円ミラー33fによって合成されたレーザビームは、その強度分布のピークが、ガラス基板50の移動方向であるX軸方向に沿った状態になるように、ガラス基板50に照射される。
このようなレーザ発振装置および光学系を有するスクライブ装置も、X軸方向に沿って移動されるガラス基板50に対して、X軸方向に沿って一対の強度分布のピークを有するレーザビームが照射されて、ガラス基板50の表面が加熱される。そして、レーザビームの照射によって加熱された部分に近接したガラス基板50の表面に、冷却媒体が吹き付けられることにより、ガラス基板にスクライブラインとしてのブラインドクラックが形成される。
この場合、スクライブ装置によってブラインドクラックが形成されるガラス基板50の材質や厚さ等が変更されると、第1反射ミラー33cによる第1半円ミラー33fに対するレーザビームの反射位置が、移動ステージ33d及び/又は33d’によって調整され、レーザビームによってガラス基板50の表面に形成されるレーザスポットの強度分布のピークの間隔が調整される。これにより、ガラス基板50の材質等に適した状態とされる。このように、ガラス基板50の移動方向に沿って一対の強度分布のピークを有するレーザスポットがガラス基板50に形成されると、ガラス基板50の内部にわたって、ブラインドクラックを形成するために必要とされる状態にまで有効に加熱される。
従って、図3に示す光学系を有するスクライブ装置でも、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板に照射されるレーザビームの各種物理的パラメータを、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができ、各種条件が変動する場合のガラス基板に対しても容易に対応することができる。
図3(b)は、レーザ発振器34a、34gから発振されるレーザビームの強度分布がガウスモードの時、ガラス基板50に対して一対の強度分布のピークを有するレーザスポットが得られる様子を描いた模式図である。
尚、ピーク間の距離は移動ステージ33dと33d’を調整することで変化させることが可能で、必要な場合には2つのピークの並び順を変更させることも可能である。
また、図3(a)の第1反射ミラー33cを高速で複数回ピッチ送りして移動させることにより、図8に示すような複数のレーザスポットをガラス基板50上に形成させることができる。このときに形成されるレーザスポット間の間隔は第1反射ミラー33cがピッチ送りされる移動量となる。この移動量を変更することで、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板に照射される複数のレーザビームの間隔を、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができ、各種条件のガラス基板に対して容易に対応することができる。
レーザ発振器34aと34gから発振されるレーザビームの強度分布がガウスモードになっていると、ガラス基板50上に形成されるレーザスポットの外周部分は、ガラス基板50の加熱に直ぐに関与せず、ガラス基板50の加熱効率が低下するおそれがある。このために、図3(c)の様に、レーザ発振器34aと34gから発振されるレーザビームの強度分布は、非ガウスモードになっていることが好ましい。
また、複数のレーザ発振器とそれに対応した半円ミラーと半円ミラーを移動させる手段を図3に示された構成に追加して、33aのレンズを介して複数のレーザビームをガラス基板50に照射し、ガラス基板50に形成されたレーザスポットが、ガラス基板50の移動方向に沿って複数の強度分布のピークが得られる構成とすることが好ましい。
さらに、複数のレーザ発振器は異なる波長のレーザビームを発振するものであってもよい。
図4は、レーザ発振装置34および光学系の他の例を示す概略構成図である。この場合、レーザ発振装置34には第1レーザ発振器34aのみが設けられており、このレーザ発振器34aから発振されるレーザビームが、移動ステージ33b’に固定的に配置された第2ハーフミラー33bに照射されるようになっている。第2ハーフミラー33bは、レーザ発振器34aから発振されたレーザビームを、第1反射ミラー33cに向かって透過させるビームと、下方に向かって反射されるビームとに分割する。
第2ハーフミラー33bによって下方に反射されたレーザビームは、第2ハーフミラー33bの下方に配置された第2反射ミラー33eによって、第1半円ミラー33fに照射されるようになっている。
その他の構成は、図3に示すレーザ発振装置および光学系の構成と同様になっている。
このような構成の場合には、第2ハーフミラー33bによって分割されたレーザビームが、第1半円ミラー33fによって合成されて、f−θレンズ33aを介してガラス基板50に照射され、ガラス基板50の表面に、一対の強度分布のピークを有するレーザスポットが形成される。レーザスポットにおける一対の強度分布のピークの間隔は、図3の場合と同様に、第1反射ミラー33cによる第1半円ミラーに対するレーザビームの反射位置を、移動ステージ33d、33d’と33b’の移動によって調整することにより、適宜設定することができる。従って、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板50に照射されるレーザビームの強度分布と相互の間隔を、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができ、各種条件のガラス基板に対して容易に対応することができる。
図4(b)はレーザ発振器34aから発振されるレーザモードの強度分布がガウスモードの時、ガラス基板50に対して一対の熱エネルギーピークのレーザスポットが得られる様子を描いた模式図である。
尚、ピーク間の距離は移動ステージ33d、33d’と33b’を調整することで変化させることが可能で、必要な場合には2つのピークの並び順を変更させることも可能である。
また、図4(a)の第1反射ミラー33cを高速で複数回ピッチ送りして移動させることにより、図8に示すような複数のレーザスポットをガラス基板50上に形成させることができる。このときに形成されるレーザスポット間の間隔は第1反射ミラー33cがピッチ送りされる移動量となる。この移動量を変更することで、スクライブされるガラス基板50の材質等の条件が変更された場合にも、ガラス基板に照射される複数のレーザビームの間隔を、そのガラス基板50に適した状態に容易に変更することができ、各種条件のガラス基板に対して容易に対応することができる。
なお、このように、1つのレーザ発振器34aから発振されるレーザビームを、分割した後に合成する場合には、レーザ発振器34aから発振されるレーザビームの強度分布がガウスモードになっていると、ガラス基板50上に形成されるレーザスポットの外周部分は、ガラス基板50のスクライブにあたっての照射後直ぐに加熱にあまり関与せず、ガラス基板50の加熱効率が低下するおそれがある。このために、図4(c)の様に、レーザ発振器34aから発振されるレーザビームの強度分布は、非ガウスモードになっていることが好ましい。
産業上の利用可能性
本発明は、脆性材料基板のスクライブ装置の技術分野において、ブラインドクラックが形成されるガラス基板等の脆性材料基板の種類や厚さ等が変更されても、容易に対応することができ、各種脆性材料基板に対して、確実に深いブラインドクラックを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置の実施の形態の一例を示す正面図である。
図2は、本発明のスクライブ装置に使用されるレーザ発振装置および光学系の一例を示す概略構成図である
図3(a)は、本発明のスクライブ装置に使用されるレーザ発振装置および光学系の他の例を示す概略構成図、図3(b)および(c)は、それぞれ、その装置からガラス基板に照射されるレーザスポットの強度分布を示す模式図である。
図4(a)は、本発明のスクライブ装置に使用されるレーザ発振装置および光学系のさらに他の例を示す概略構成図、図4(b)および(c)は、それぞれ、その装置からガラス基板に照射されるレーザスポットの強度分布を示す模式図である。
図5は、レーザビームを使用したスクライブ装置の動作説明のための概略図である。
図6は、レーザスクライブ装置によるスクライブライン形成作業中のガラス基板の状態を模式的に示す斜視図である。
図7は、そのガラス基板の状態を模式的に示す平面図である。
図8(a)は、図3(a)及び図4(b)で示される本発明のスクライブ装置に使用されるレーザ発振装置および光学系でガラス基板に形成される複数のレーザースポットを示す模式図、図8(b)は、レーザスポットの拡大図および強度分布図である。
Claims (7)
- 脆性材料基板の表面におけるスクライブラインの形成が予定される領域に沿って、該脆性材料基板の軟化点よりも低い温度の照射スポットが形成されるようにレーザビームを連続または高速で断続的に照射しつつ、そのレーザスポットの近傍の領域を連続して冷却することにより、スクライブ予定ラインに沿って垂直クラックが形成される脆性材料基板のスクライブ装置であって、
同一波長あるいは波長の異なるレーザビームを発生する複数のレーザ発振器から発振されるレーザビームが、脆性材料基板に複数の照射スポットが形成されるように、レーザビームの走査速度や走査経路を高速にて調整された状態で脆性材料基板に照射されることを特徴とする脆性材料基板のスクライブ装置。 - 前記複数のレーザスポットが複数の強度分布のピークを持つことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の脆性材料基板のスクライブ装置。
- 前記複数のレーザスポットの強度分布が非ガウスモードであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の脆性材料基板のスクライブ装置。
- 脆性材料基板の表面におけるスクライブラインの形成が予定される領域に沿って、該脆性材料基板の軟化点よりも低い温度の照射スポットが形成されるようにレーザビームを連続または高速で断続的に照射しつつ、そのレーザスポットの近傍の領域を連続して冷却することにより、スクライブラインに沿って垂直クラックが形成される脆性材料基板のスクライブ装置であって、
複数のレーザ発振器からそれぞれ発振されるレーザビームが、複数の強度分布のピークが得られるように合成されて、脆性材料基板に照射されることを特徴とする脆性材料基板のスクライブ装置。 - 脆性材料基板の表面におけるスクライブラインの形成が予定される領域に沿って、該脆性材料基板の軟化点よりも低い温度の照射スポットが形成されるようにレーザビームを連続または高速で断続的に照射しつつ、そのレーザスポットの近傍の領域を連続して冷却することにより、スクライブ予定ラインに沿って垂直クラックが形成される脆性材料基板のスクライブ装置であって、
1つのレーザ発振器から発振されるレーザビームから、複数の強度分布のピークが得られるように、一旦分割された後に合成されて、脆性材料基板に照射されることを特徴とする脆性材料基板のスクライブ装置。 - 前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が、ガウスモードであることを特徴とする請求の範囲第1項、第4項、第5項のいずれかに記載の脆性材料基板のスクライブ装置。
- 前記レーザ発振器から発振されるレーザビームの強度分布が、非ガウスモードであることを特徴とする請求の範囲第4項または第5項に記載の脆性材料基板のスクライブ装置。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001215055 | 2001-07-16 | ||
JP2001215055 | 2001-07-16 | ||
PCT/JP2002/007233 WO2003008168A1 (fr) | 2001-07-16 | 2002-07-16 | Dispositif de rainurage pour substrat constitue de matiere fragile |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2003008168A1 true JPWO2003008168A1 (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=19049763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003513754A Pending JPWO2003008168A1 (ja) | 2001-07-16 | 2002-07-16 | 脆性材料基板のスクライブ装置 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPWO2003008168A1 (ja) |
KR (1) | KR100583889B1 (ja) |
CN (2) | CN100411825C (ja) |
HK (1) | HK1069797A1 (ja) |
TW (1) | TW542763B (ja) |
WO (1) | WO2003008168A1 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005102638A1 (ja) * | 2004-04-27 | 2008-03-13 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | 脆性基板の垂直クラック形成方法および垂直クラック形成装置 |
US8093530B2 (en) | 2004-11-19 | 2012-01-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Laser cutting apparatus and laser cutting method |
JP4856931B2 (ja) * | 2004-11-19 | 2012-01-18 | キヤノン株式会社 | レーザ割断方法およびレーザ割断装置 |
JP4890462B2 (ja) * | 2005-10-28 | 2012-03-07 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | 脆性材料基板のスクライブライン形成方法およびスクライブライン形成装置 |
JP5675110B2 (ja) * | 2007-02-28 | 2015-02-25 | セラムテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングCeramTec GmbH | 分離線または目標破断線に沿った非対称的なエネルギ導入を使用して構成部分を製造するための方法 |
JP2008229716A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Toray Eng Co Ltd | レーザスクライブ方法および装置およびこの方法または装置を用いて割断した割断基板 |
JP2008264805A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Disco Abrasive Syst Ltd | レーザー加工装置およびウエーハの裏面に装着された接着フィルムのレーザー加工方法 |
JP5060880B2 (ja) * | 2007-09-11 | 2012-10-31 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | 脆性材料基板の分断装置および分断方法 |
JP5562254B2 (ja) * | 2008-12-16 | 2014-07-30 | 株式会社レミ | 脆性材料の分割装置および割断方法 |
CN102282485B (zh) * | 2009-08-06 | 2012-08-29 | 住友化学株式会社 | 偏光板的制造方法 |
CN102498580A (zh) * | 2009-08-06 | 2012-06-13 | 应用材料公司 | 横向等值线的划线、缝缀、以及简化的激光器与扫描器控制 |
CN102012552B (zh) * | 2010-09-27 | 2012-08-15 | 江苏大学 | 多窗口多波长激光器光路自动调节系统 |
TW201301557A (zh) * | 2011-06-17 | 2013-01-01 | Univ Nat Cheng Kung | 發光元件結構及其製造方法 |
CN102248308A (zh) * | 2011-06-24 | 2011-11-23 | 广东工业大学 | 利用激光空化微射流进行微加工的方法 |
JP6721439B2 (ja) * | 2016-07-11 | 2020-07-15 | 株式会社ディスコ | レーザー加工装置 |
CN113618251A (zh) * | 2021-08-04 | 2021-11-09 | 昆山燎原自动化设备有限责任公司 | 一种基板划线的激光加工设备 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01306088A (ja) * | 1988-06-01 | 1989-12-11 | Nippei Toyama Corp | 可変ビームレーザ加工装置 |
JPH0639572A (ja) * | 1991-01-11 | 1994-02-15 | Souei Tsusho Kk | ウェハ割断装置 |
JPH06234092A (ja) * | 1993-02-12 | 1994-08-23 | Nikon Corp | レーザー加工装置 |
JPH0929472A (ja) * | 1995-07-14 | 1997-02-04 | Hitachi Ltd | 割断方法、割断装置及びチップ材料 |
JP3164508B2 (ja) * | 1996-05-22 | 2001-05-08 | 株式会社システクアカザワ | 罫書き装置 |
JPH1034364A (ja) * | 1996-07-25 | 1998-02-10 | Souei Tsusho Kk | 複数点熱源による脆性材料の割断加工方法 |
JPH10128567A (ja) * | 1996-10-30 | 1998-05-19 | Nec Kansai Ltd | レーザ割断方法 |
JP3526175B2 (ja) * | 1997-06-11 | 2004-05-10 | 三菱電機株式会社 | レーザ加工装置 |
JP2000058489A (ja) * | 1998-08-07 | 2000-02-25 | Disco Abrasive Syst Ltd | 被加工物の分割方法及び分割装置 |
US6211488B1 (en) * | 1998-12-01 | 2001-04-03 | Accudyne Display And Semiconductor Systems, Inc. | Method and apparatus for separating non-metallic substrates utilizing a laser initiated scribe |
US6259058B1 (en) * | 1998-12-01 | 2001-07-10 | Accudyne Display And Semiconductor Systems, Inc. | Apparatus for separating non-metallic substrates |
TR200201402T2 (tr) * | 1999-11-24 | 2003-03-21 | Applied Photonics, Inc. | Metalik olmayan materyallerin ayrılması için yöntem ve cihaz. |
JP4390937B2 (ja) * | 1999-11-25 | 2009-12-24 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | ガラス板分割方法及び装置 |
-
2002
- 2002-07-16 JP JP2003513754A patent/JPWO2003008168A1/ja active Pending
- 2002-07-16 CN CNB2006100598631A patent/CN100411825C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2002-07-16 CN CNB028141822A patent/CN1255858C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2002-07-16 TW TW091115803A patent/TW542763B/zh not_active IP Right Cessation
- 2002-07-16 KR KR1020037017063A patent/KR100583889B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2002-07-16 WO PCT/JP2002/007233 patent/WO2003008168A1/ja active Application Filing
-
2005
- 2005-03-15 HK HK05102267A patent/HK1069797A1/xx not_active IP Right Cessation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW542763B (en) | 2003-07-21 |
CN1529648A (zh) | 2004-09-15 |
CN1827311A (zh) | 2006-09-06 |
CN1255858C (zh) | 2006-05-10 |
HK1069797A1 (en) | 2005-06-03 |
KR20040017248A (ko) | 2004-02-26 |
WO2003008168A1 (fr) | 2003-01-30 |
KR100583889B1 (ko) | 2006-05-26 |
CN100411825C (zh) | 2008-08-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4156513B2 (ja) | 脆性材料基板のスクライブ方法およびスクライブ装置 | |
JP3823108B2 (ja) | 脆性材料基板の面取り方法 | |
TWI587959B (zh) | Lamination method of substrate and processing device | |
JPWO2003008168A1 (ja) | 脆性材料基板のスクライブ装置 | |
JP5670647B2 (ja) | 加工対象物切断方法 | |
JP4133812B2 (ja) | 脆性材料基板のスクライブ装置およびスクライブ方法 | |
KR101306673B1 (ko) | 모따기 가공 장치 | |
JP4080484B2 (ja) | 脆性材料基板のスクライブ方法およびスクライブ装置 | |
TW200936290A (en) | Method for chamfering/machining brittle material substrate and chamfering/machining apparatus | |
KR100647454B1 (ko) | 취성재료 기판의 스크라이브 장치 및 스크라이브 방법 | |
TWI292352B (ja) | ||
KR100551527B1 (ko) | 취성재료기판의 스크라이브 방법 및 스크라이브 장치 | |
JP2022032620A (ja) | レーザ加工方法及びレーザ加工装置 | |
JP2018078335A (ja) | レーザーダイシング装置及びレーザーダイシング方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051031 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051220 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060228 |