JPWO2003006566A1 - 粉体塗料 - Google Patents
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Abstract
本発明は塗膜の表面平滑性を得ることができる優れた加工性を有するとともに、耐薬品性に優れ、薬品や温度衝撃によるクラックを起さない塗膜を得ることができる粉体塗料を提供する。テトラフルオロエチレン系共重合体を含有する粉体塗料であって、上記テトラフルオロエチレン系共重合体が、ヘキサフルオロプロピレン5〜25質量%及びパーフルオロ(ビニールエーテル)0.01〜5質量%とテトラフルオロエチレンとの共重合体であり、メルトフローレートが1〜30g/10分であることを特徴とする粉体塗料である。
Description
技術分野
本発明は、表面平滑性に優れ、化学薬品類等に対する耐久性に優れた塗膜を得ることができる粉体塗料に関する。
背景技術
チューブ、パイプ、バルブ等の配管材料等は、使用時に化学薬品類等と接触するものである場合、化学薬品類等に対する抵抗性を備えるため、耐食ライニングが施されたものであることが望ましい。耐食ライニング用材料としては、酸、アルカリ、酸化還元剤、各種溶剤等の化学薬品類に対して優れた抵抗性を有することから、フッ素樹脂が好適に用いられている。
フッ素樹脂は、耐食性のほかに非粘着性をも有するので、耐食ライニングの表面に汚染物質が付着することを化学的に防止し得る点で、防汚性付与にも寄与するものである。しかしながら、近年、特に半導体製造設備の配管材料等について、より高度の防汚性を有する耐食ライニング用材料が要望されるようになってきた。フッ素樹脂を用いた耐食ライニングについて防汚力を高める方法として、耐食ライニングの表面平滑性を向上させることにより、汚染物質の付着を物理的に抑止する方法がある。
フッ素樹脂は、耐食ライニング用材料としては、耐食性を発揮するに足る充分な量を被施工物の様々な形状に合わせて施工することができるとともに、施工時に廃棄分が少なく、取り扱いが容易である等の点から、粉体塗料として用いることに適している。粉体塗料として耐食ライニング用材料に用いられるフッ素樹脂は、従来、主としてテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)であった。
FEPを基体樹脂とするFEP含有粉体塗料を用いて得られる耐食ライニングの表面平滑性を向上させるためには、一般的に、粉体塗料を塗布した後、得られる塗膜を加熱焼成する時間を長くすればよい。しかしながら、施工に長時間を要すると、時間、エネルギー等の無駄や、FEPの熱劣化を招きかねないという問題がある。
耐食ライニングは、従来、充分な耐食性を得るため、厚塗りのものが主流であり、近年は特に、耐食ライニングの塗装方法としてロトライニング方法が多用されるようになってきており、従来よりも厚膜化が進んでいる。厚膜である場合、もともと樹脂の応力クラックが起こりやすいうえ、化学薬品類と接触すると、内部応力が増大してクラックが一層発生しやすくなる。クラックの発生は、耐食性の低下を招くので、好ましくない。
FEP含有粉体塗料を用いて得られる耐食ライニングの表面平滑性を施工時間の長時間化を伴わずに得るため、FEPの分子量を低下させることが試みられてきた。しかしながら、FEPの分子量を低下させると、耐食ライニングのクラックはますます生じやすくなり、特に、ロトライニング方法等により得られる厚塗りの耐食ライニングにおいてクラックの発生が顕著となる問題があった。
ロトライニング方法は、被施工物である配管材料等の内壁の一部に粉体塗料を置き、管の径の中心を通り管に沿った方向に伸びる軸線の周りに管を回転させながら樹脂の融点以上に加熱し、粉体塗料を自重により内壁全体に塗布させるものである。従って、ロトライニング方法に用いられる粉体塗料には、満遍なく塗布させ加工しやすくする点から、ある程度の流れ性(平滑性)が必要である。
しかしながら、FEP系粉体塗料では流れ性と耐クラック性がともに優れ、耐食ライニングに好適に用いることができるものは従来なく、特にロトライニング方法に適するものの開発が要望されていた。
発明の要約
本発明の目的は、上記の現状に鑑み、塗膜の表面平滑性を得ることができる優れた加工性を有するとともに、耐薬品性に優れ、薬品や温度衝撃によるクラックを起さない塗膜を得ることができる粉体塗料を提供することである。
本発明は、テトラフルオロエチレン系共重合体を含有する粉体塗料であって、上記テトラフルオロエチレン系共重合体は、ヘキサフルオロプロピレン5〜25質量%及びパーフルオロ(ビニールエーテル)0.01〜5質量%とテトラフルオロエチレンとの共重合体であり、上記テトラフルオロエチレン系共重合体は、メルトフローレートが1〜30g/10分であることを特徴とする粉体塗料である。
上記粉体塗料は、平均粒子径が5〜500μmであり、見掛け密度が0.4〜1.2g/mlであることが好ましい。
上記粉体塗料は、更に、熱安定剤を上記テトラフルオロエチレン系共重合体100質量部に対し0.001〜5質量部含有するものであることが好ましい。
上記熱安定剤は、アミン系酸化防止剤及び/又は有機イオウ含有化合物であることが好ましい。
上記粉体塗料は、ロトライニング用であり、上記テトラフルオロエチレン系共重合体のメルトフローレートが5〜30g/10分であるものが好ましい。
本発明は、上記粉体塗料を塗装して得られる塗膜である。
本発明は、上記粉体塗料を塗装して得られる耐食ライニングである。
発明の詳細な開示
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粉体塗料は、被塗装物に塗布した後、加熱焼成して造膜させることにより施工される。このように施工して得られる塗膜は、耐食ライニング等として、様々な用途に用いることができる。
本発明の粉体塗料は、用途に応じて、例えば、静電塗装、ロトライニング等の塗布方法を用い、焼成後の膜厚が50〜200μmである薄塗り、又は、焼成後の膜厚が200μmを超え、10000μm以下の値である厚塗りにすることができる。
本発明の粉体塗料は、本発明の範囲内において、後述するように平均粒子径、メルトフローレート等を調整することにより、上記塗布方法や焼成後の膜厚を得ることに好適な粉体塗料にすることができる。
上記焼成後の膜厚とは、本発明の粉体塗料を被塗装物に塗布した後、加熱焼成させて造膜させる工程を1回分の塗装として塗装回数を数える場合に、上記塗装回数が1回である場合に得られる膜厚、又は、上記工程を2回以上繰り返すことにより上記塗装回数が2回以上である場合に得られる膜厚である。本明細書において、上記塗装回数が2回以上である場合を、重ね塗りということがある。
本発明の粉体塗料は、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という。)系共重合体を含有するものである。
本明細書において、上記TFE系共重合体とは、共重合組成としてTFEを主成分に有する共重合体を意味する。本明細書において、上記共重合組成とは、上記TFE系共重合体の化学構造の基本単位である単量体単位の種類と、上記各種類の単量体単位の上記TFE系共重合体における量(質量%)を意味する。
本発明の粉体塗料に含有される上記TFE系共重合体は、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」という。)5〜25質量%及びパーフルオロ(ビニールエーテル)(以下、「PFVE」という。)0.01〜5質量%とテトラフルオロエチレンとの共重合体である。
本発明の粉体塗料は、上記共重合組成を有するTFE系共重合体を基体樹脂として含有するので、表面平滑性、耐薬品性ともに優れた塗膜を得ることができる。上記PFVEとしては特に限定されないが、パーフルオロ(アルキルビニールエーテル)が好ましく、パーフルオロ(プロピルビニールエーテル)がより好ましい。
上記HFPの量は、5〜25質量%である。HFPの量が5質量%未満であると、上記TFE系共重合体の融点が高くなり、結晶化度が大きくなるので耐ストレスクラック性が低下し、また、上記TFE系共重合体のメルトフローレートを高めた場合に顕著な耐薬品性低下が起こる。耐ストレスクラック性を向上するためには、上記TFE系共重合体の分子量を上げることが考えられるが、それにともない溶融粘度が高くなり加工性が悪くなり均質な膜が得られず、結果的に耐食性が低下する。25質量%を超えると、共重合速度が低下して生産性が悪化したり、上記TFE系共重合体の融点が施工上の通常の加熱温度である約250℃以上の温度よりも低くなるので、得られる塗膜の耐熱性が低下する。融点が低くても良い場合であって、より優れた非粘着性が要求される用途の場合には、HFPの共重合組成を上記範囲内において高くすることが好ましい。好ましいHFPの量の下限は11質量%であり、好ましい上限は16質量%である。
上記PFVEの量は、0.01〜5質量%である。PFVEの量が0.01%未満であると、得られる塗膜の表面平滑性及び耐薬品性が充分に向上せず、5質量%を超えると、含有率の増加に見合った効果が得られないので経済性の点から好ましくない。好ましいPFVEの量の下限は0.05質量%であり、好ましい上限は2質量%である。
上記TFE系共重合体は、メルトフローレート(MFR)が1〜30g/10分であるものである。1g/10分未満であると、目的とする塗膜の平滑性を得るために長時間の加熱が必要になるので上記TFE系共重合体の劣化が問題になる場合があり、30g/10分を超えると、得られる塗膜に熱歪みによるクラックが起こりやすくなり、耐食性が悪化する。
上記メルトフローレートは、上記TFE系共重合体が溶融した場合における流れ性を示すものである。上記メルトフローレートは、得られる塗膜の表面平滑性等の点から、粉体塗料の塗装回数に応じて決定することができ、粉体塗料の塗装回数が少なくてよい場合は、上記範囲内において比較的大きい値にすることが有利である。
従って、上記メルトフローレートは、得られる粉体塗料が薄塗り、ロトライニング等の塗装回数が1回以上であり、3回未満の回数である塗装に用いられる場合は、5〜30g/10分であることがより好ましく、得られる粉体塗料が厚塗り、静電塗装等の塗装回数が3〜10回以上である塗装に用いられる場合は、1〜5g/10分であることがより好ましい。
上記TFE系共重合体は、共重合組成及び分子量を調整することにより、上述の範囲内のメルトフローレートを有するものとすることができる。
本明細書において、上記メルトフローレートは、ASTM D2116に従って、温度372℃、荷重5kgとして測定される値である。
上記TFE系共重合体を製造する方法としては特に限定されず、例えば、乳化重合、懸濁重合等の従来公知の重合方法等を用いて共重合することにより得ることができる。
本発明の粉体塗料は、更に、熱安定剤を含有するものであることが好ましい。本発明の粉体塗料は、上記熱安定剤を含有するものであると、融点付近の温度以上で加熱する場合に、上記TFE系共重合体が不安定になって生じ得る塗膜の着色や発泡を防止することができる。
上記熱安定剤としては、上記TFE系共重合体の酸化を防止する点から、アミン系酸化防止剤及び/又は有機イオウ含有化合物であることが好ましい。
上記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の芳香族性炭化水素基を分子中に有する芳香族アミンが挙げられ、例えば、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物等のフェニレンジアミン系化合物;ジナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、フェニルシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、スチレン化ジフェニルアミン等のその他の芳香族第2級アミン化合物等が挙げられる。
上記有機イオウ含有化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール等のメルカプトベンゾイミダゾール系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のメルカプトベンゾチアゾール系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のメルカプトイミダゾリン系化合物;ペンタメチレンジチオカルバミン酸、ピペコリルジチオカルバミン酸、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸等のジチオカルバミン酸類等が挙げられ、これらは、例えば、Zn、Sn、Cd、Cu、Fe等の金属塩;ピペリジン塩、ピペコリル塩等の有機塩等であってもよい。
上記有機イオウ含有化合物としては、例えば、チウラム系化合物が挙げられ、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラムモノスルフィド;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド;ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のその他のチウラム系化合物等が挙げられる。
上記有機イオウ含有化合物としては、また、例えば、N,N’−ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素等のチオ尿素誘導体等であってもよい。
上記熱安定剤としては、なかでも、本発明の粉体塗料に含まれるTFE系共重合体の融点付近の温度以上、例えば約250℃以上の高温における安定性が求められる点から、芳香環含有化合物が好ましく、芳香族アミン、メルカプトベンゾチアゾール系化合物及びメルカプトベンゾイミダゾール系化合物がより好ましい。上記熱安定剤としては、本発明の粉体塗料が化学・医療用器具、半導体製造設備等の金属イオン溶出が好ましくない用途に用いられる場合、残渣の残らない非金属化合物が好ましい。
上記熱安定剤は、従来公知の方法により製造することができるが、通常、市販品を用いることができる。
上記熱安定剤は、上記TFE系共重合体100質量部に対し0.001〜5質量部であることが好ましい。0.001質量部未満であると、上記TFE系共重合体の熱安定性が悪化する場合があり、5質量部を超えると、得られる塗膜に着色や上記熱安定剤の分解による発泡が起るので、好ましくない。より好ましくは、0.003〜2質量部である。
本発明の粉体塗料は、上記TFE系共重合体及び所望により用いられる上記安定剤と併用して、必要に応じ、添加剤等を含有するものであってもよい。上記添加剤等としては特に限定されず、例えば、一般的な粉体塗料に用いられるもの等が挙げられる。
上記添加剤等としては、例えば、着色を目的として、酸化チタン、酸化コバルト等の着色顔料;防錆等を目的として、防錆顔料、焼成顔料等のその他の顔料;塗膜の収縮防止を目的として、カーボン繊維、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ等の塗膜補強材;導電性付与を目的として、導電性カーボン等の導電性付与材等が挙げられ、レベリング剤、帯電防止剤等であってもよい。
本発明の粉体塗料は、平均粒子径が5〜500μmであることが好ましい。5μm未満であると、塗布する場合に静電反発を生じやすく、厚膜化が困難となる傾向にあり、500μmを超えると、ロトライニング等で得られる塗膜の平滑性等が悪化する場合がある。
上記粉体塗料の平均粒子径は、必要に応じて重ね塗りをした焼成後の膜厚としての目的値に応じて、より好ましい範囲が決められ、上述の薄塗りに用いる場合は、10〜40μmがより好ましく、上述の厚塗りに用いる場合は、40〜70μmがより好ましい。上記粉体塗料の平均粒子径は、また、塗布方法に応じて、より好ましい範囲が決められ、静電塗装に用いる場合は、20〜70μmがより好ましく、ロトライニングに用いる場合は、150〜350μmがより好ましい。
上記粉体塗料の平均粒子径は、後述する本発明の粉体塗料の製造方法において粉砕や分級の条件を調整することにより、上記範囲内のものとすることができる。本明細書において、上記平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定機を用いて得られる値である。
本発明の粉体塗料は、見掛け密度が0.4〜1.2g/mlであることが好ましい。0.4g/ml未満であると、塗装時の発泡を起こしたり、塗装回数の増加を招き、静電塗装が困難となる場合があり、1.2g/mlを超えると、このような粉体塗料を工業的に製造することが容易ではなくなる。好ましくは、0.5〜1.2g/mlである。本明細書において、上記見掛け密度(g/ml)は、JIS K 6891に準拠した測定により得られる値である。
本発明の粉体塗料の製造方法としては特に限定されず、例えば、粉砕方法、造粒方法、スプレードライ法等の従来公知の方法等が挙げられ、例えば、特開昭63−270740号公報に開示されているような、上述のTFE系共重合体をロールでシート状に圧縮し、粉砕機により粉砕し分級して得られる粉末を、上述の安定剤及び必要に応じて用いられる顔料、導電性付与剤等の添加剤等と乾式で混合する方法等が挙げられる。
上記粉体塗料の製造方法としては、また、上記TFE系共重合体、上記安定剤及び必要に応じて上記添加剤等を予め混合機で混合し、次いで、ニーダー、溶融押出し機等で溶融混練した後、粉砕し、必要に応じて分級する方法を用いてもよい。
このようにして得られる本発明の粉体塗料は、通常、被塗装物に塗布した後、加熱焼成により造膜させることにより施工される。
上記被塗装物としては特に限定されないが、耐食性付与が望まれるものに好適に用いることができる。このような被塗装物としては、例えば、タンク、ベッセル、塔、バルブ、ポンプ、継手、その他の配管材料、部品、シール材等の耐食ライニングが施されるもの等が挙げられる。
上記被塗装物としては、更に、例えば上記粉体塗料に上述の導電性付与剤を含有させた場合、電気的特性の付与が望まれるものとして、有機溶剤用のタンク、ベッセル、塔、攪拌翼等の静電気対策用機器等に利用される。
上記被塗装物は、必要に応じ、洗浄、サンドブラスト等の表面処理やプライマー塗装を行ったものであってよい。
本発明の粉体塗料の塗布の方法としては特に限定されず、例えば、静電塗装方法、ロトライニング方法、流動浸漬塗装方法等の従来公知の方法等が挙げられるが、本発明の粉体塗料は、厚塗りにしても表面平滑性及び耐薬品性に優れた塗膜を得ることができるので、ロトライニング方法に好適に用いることができる。
本発明の粉体塗料は、用途によるが、目的とする膜厚になるように複数回に分けて塗装してもよい。必要に応じて重ね塗りをした焼成後の膜厚としては、例えば、20〜10000μm等が挙げられ、耐食ライニング等の耐食性付与を目的とする場合は、300〜10000μmであることが好ましく、ロトライニング方法を用いる場合は、通常、1000〜10000μmである。
上記加熱焼成の温度としては、例えば300〜400℃等が挙げられる。
本発明の粉体塗料は、上述の特定の共重合組成を有することから、塗膜の表面平滑性を得ることができる優れた加工性を有するとともに、耐薬品性に優れ、薬品や温度衝撃によるクラックを起さない塗膜を得ることができる。このように有利な効果は、塗膜を厚塗りにする場合であっても充分に奏され、特に、耐食性付与を目的とする場合であっても優れている。
従って、本発明の粉体塗料及び上記粉体塗料を塗装して得られる塗膜は、半導体製造装置等の耐食ライニング、化学・医療用器具の耐食用途等として、好適に用いることができる。
上記粉体塗料を塗装して得られる塗膜も、本発明の一つである。
上記粉体塗料を塗装して得られる耐食ライニングも、本発明の一つである。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
(粉体塗料の製造)
共重合組成としてTFEが88質量%、HFPが11質量%及びパーフルオロ(プロピルビニールエーテル)が1質量%であるTFE系共重合体(372℃でのメルトフローレート7g/10分)をローラコンパクターでシート状に圧縮し、数ミリ程度の大きさに解砕した後、ハンマーミルで粉砕し、平均粒子径220μm、見掛け密度0.85g/mlの共重合体粉体を得た。これに熱安定剤としてN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンを共重合体粉体100質量部に対し0.01質量部の割合で配合し、得られる混合物をヘンシェルミキサーで混合し、熱安定剤入り粉体塗料を作成した。なお、上記FEP系共重合体のメルトフローレートは、ASTM D2116に従って、温度372℃、荷重5kgとして測定して得られた値であり、後述の実施例や比較例においても同様の方法により測定して求めた。
(施工)
100mmφの内径を持つ長さ300mmの鉄製配管の内面をブラスト処理した後、一方をフランジで封鎖し、上記により得た粉体塗料1000gを仕込み、もう一方をガス抜きの付いたフランジで止め、1軸で15rpmの速度で回転させながら360℃の雰囲気の炉に90分間入れ、約2mmの厚さを有するライニング皮膜を得た。
(評価)
上記により得た皮膜を剥がしたものについて、下記試験を行い、結果を表2に示した。
1.表面平滑性
配管内面であった皮膜の表面を目視で観察し、下記基準に従って評価した。
◎ 平滑で光沢があり、非常に良好。
○ 良好。
△ うねりが大きいが、良好。
× うねりが大きく、荒れている。
2.耐薬品性試験
剥がした皮膜(縦100mm×横30mm×厚さ2mm)を酢酸(50質量%)、クロロホルム、トルエンの各薬品を80℃に加温して、これに7日間浸漬し、皮膜の引張り強度変化率と重量変化率を測定した。皮膜の引張り強度変化率は、引張り試験JIS K 6888に準拠した引張り試験により引張り強度を測定し、下記式を用いて算出した。
実施例2〜5
表1に示すFEP系共重合体及び熱安定剤を用い、表1に示す平均粒子径と見掛け密度を有する粉体塗料を得て、表1に示す温度で加工すること以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料を製造してライニング皮膜を得、評価した。
比較例1〜3
表1に示すFEP系共重合体及び熱安定剤を用い、表1に示す平均粒子径と見掛け密度を有する粉体塗料を得ること以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料を製造してライニング皮膜を得、評価した。
実施例6
(粉体塗料の製造)
共重合組成としてTFEが88質量%、HFPが11質量%及びパーフルオロ(プロピルビニールエーテル)が1質量%であるFEP系共重合体(372℃でのメルトフローレート2g/10分)をローラコンパクターでシート状に圧縮し、数ミリ程度の大きさに解砕した後、ハンマーミルで粉砕し、平均粒子径45μm、見掛け密度0.50g/mlの共重合体粉体を得た。これに熱安定剤としてN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンを共重合体粉体100質量部に対し1.5質量部の割合で配合し、得られる混合物をヘンシェルミキサーで混合し、熱安定剤入り粉体塗料を作成した。
(施工)
縦100mm×横300mm×厚さ5mmの鉄板の片面をブラストした後、ONODA社製静電塗装機にて70KVの電圧をかけて上記により得た粉体塗料を塗布し、340℃で30分間焼成した。この静電塗装及び焼成を5回繰り返し、多少うねりがあるが平滑な膜厚が500μmの皮膜を得た。
上記により得た皮膜について、実施例1と同様にして表面平滑性を評価した。
表1における安定剤の種類として、AはN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、Bは2−メルカプトベンゾチアゾール、Cは2−メルカプトベンゾイミダゾールである。
表2から、PFVEを共重合組成に含まない比較例1、及び、FEP系共重合体のMFRが本発明の範囲内にない比較例2〜3では、表面平滑性と耐薬品性の少なくとも何れかに劣るが、本発明の範囲内にある実施例1〜6では、表面平滑性及び耐薬品性が両立されることがわかった。
産業上の利用可能性
本発明の粉体塗料は、上述の構成よりなることから、塗膜の表面平滑性を得ることができる優れた加工性を有するとともに、耐薬品性に優れ、薬品や温度衝撃によるクラックを起さない塗膜を得ることができ、これらの本発明の効果は、厚塗りの塗膜においても優れている。
本発明は、表面平滑性に優れ、化学薬品類等に対する耐久性に優れた塗膜を得ることができる粉体塗料に関する。
背景技術
チューブ、パイプ、バルブ等の配管材料等は、使用時に化学薬品類等と接触するものである場合、化学薬品類等に対する抵抗性を備えるため、耐食ライニングが施されたものであることが望ましい。耐食ライニング用材料としては、酸、アルカリ、酸化還元剤、各種溶剤等の化学薬品類に対して優れた抵抗性を有することから、フッ素樹脂が好適に用いられている。
フッ素樹脂は、耐食性のほかに非粘着性をも有するので、耐食ライニングの表面に汚染物質が付着することを化学的に防止し得る点で、防汚性付与にも寄与するものである。しかしながら、近年、特に半導体製造設備の配管材料等について、より高度の防汚性を有する耐食ライニング用材料が要望されるようになってきた。フッ素樹脂を用いた耐食ライニングについて防汚力を高める方法として、耐食ライニングの表面平滑性を向上させることにより、汚染物質の付着を物理的に抑止する方法がある。
フッ素樹脂は、耐食ライニング用材料としては、耐食性を発揮するに足る充分な量を被施工物の様々な形状に合わせて施工することができるとともに、施工時に廃棄分が少なく、取り扱いが容易である等の点から、粉体塗料として用いることに適している。粉体塗料として耐食ライニング用材料に用いられるフッ素樹脂は、従来、主としてテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)であった。
FEPを基体樹脂とするFEP含有粉体塗料を用いて得られる耐食ライニングの表面平滑性を向上させるためには、一般的に、粉体塗料を塗布した後、得られる塗膜を加熱焼成する時間を長くすればよい。しかしながら、施工に長時間を要すると、時間、エネルギー等の無駄や、FEPの熱劣化を招きかねないという問題がある。
耐食ライニングは、従来、充分な耐食性を得るため、厚塗りのものが主流であり、近年は特に、耐食ライニングの塗装方法としてロトライニング方法が多用されるようになってきており、従来よりも厚膜化が進んでいる。厚膜である場合、もともと樹脂の応力クラックが起こりやすいうえ、化学薬品類と接触すると、内部応力が増大してクラックが一層発生しやすくなる。クラックの発生は、耐食性の低下を招くので、好ましくない。
FEP含有粉体塗料を用いて得られる耐食ライニングの表面平滑性を施工時間の長時間化を伴わずに得るため、FEPの分子量を低下させることが試みられてきた。しかしながら、FEPの分子量を低下させると、耐食ライニングのクラックはますます生じやすくなり、特に、ロトライニング方法等により得られる厚塗りの耐食ライニングにおいてクラックの発生が顕著となる問題があった。
ロトライニング方法は、被施工物である配管材料等の内壁の一部に粉体塗料を置き、管の径の中心を通り管に沿った方向に伸びる軸線の周りに管を回転させながら樹脂の融点以上に加熱し、粉体塗料を自重により内壁全体に塗布させるものである。従って、ロトライニング方法に用いられる粉体塗料には、満遍なく塗布させ加工しやすくする点から、ある程度の流れ性(平滑性)が必要である。
しかしながら、FEP系粉体塗料では流れ性と耐クラック性がともに優れ、耐食ライニングに好適に用いることができるものは従来なく、特にロトライニング方法に適するものの開発が要望されていた。
発明の要約
本発明の目的は、上記の現状に鑑み、塗膜の表面平滑性を得ることができる優れた加工性を有するとともに、耐薬品性に優れ、薬品や温度衝撃によるクラックを起さない塗膜を得ることができる粉体塗料を提供することである。
本発明は、テトラフルオロエチレン系共重合体を含有する粉体塗料であって、上記テトラフルオロエチレン系共重合体は、ヘキサフルオロプロピレン5〜25質量%及びパーフルオロ(ビニールエーテル)0.01〜5質量%とテトラフルオロエチレンとの共重合体であり、上記テトラフルオロエチレン系共重合体は、メルトフローレートが1〜30g/10分であることを特徴とする粉体塗料である。
上記粉体塗料は、平均粒子径が5〜500μmであり、見掛け密度が0.4〜1.2g/mlであることが好ましい。
上記粉体塗料は、更に、熱安定剤を上記テトラフルオロエチレン系共重合体100質量部に対し0.001〜5質量部含有するものであることが好ましい。
上記熱安定剤は、アミン系酸化防止剤及び/又は有機イオウ含有化合物であることが好ましい。
上記粉体塗料は、ロトライニング用であり、上記テトラフルオロエチレン系共重合体のメルトフローレートが5〜30g/10分であるものが好ましい。
本発明は、上記粉体塗料を塗装して得られる塗膜である。
本発明は、上記粉体塗料を塗装して得られる耐食ライニングである。
発明の詳細な開示
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粉体塗料は、被塗装物に塗布した後、加熱焼成して造膜させることにより施工される。このように施工して得られる塗膜は、耐食ライニング等として、様々な用途に用いることができる。
本発明の粉体塗料は、用途に応じて、例えば、静電塗装、ロトライニング等の塗布方法を用い、焼成後の膜厚が50〜200μmである薄塗り、又は、焼成後の膜厚が200μmを超え、10000μm以下の値である厚塗りにすることができる。
本発明の粉体塗料は、本発明の範囲内において、後述するように平均粒子径、メルトフローレート等を調整することにより、上記塗布方法や焼成後の膜厚を得ることに好適な粉体塗料にすることができる。
上記焼成後の膜厚とは、本発明の粉体塗料を被塗装物に塗布した後、加熱焼成させて造膜させる工程を1回分の塗装として塗装回数を数える場合に、上記塗装回数が1回である場合に得られる膜厚、又は、上記工程を2回以上繰り返すことにより上記塗装回数が2回以上である場合に得られる膜厚である。本明細書において、上記塗装回数が2回以上である場合を、重ね塗りということがある。
本発明の粉体塗料は、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という。)系共重合体を含有するものである。
本明細書において、上記TFE系共重合体とは、共重合組成としてTFEを主成分に有する共重合体を意味する。本明細書において、上記共重合組成とは、上記TFE系共重合体の化学構造の基本単位である単量体単位の種類と、上記各種類の単量体単位の上記TFE系共重合体における量(質量%)を意味する。
本発明の粉体塗料に含有される上記TFE系共重合体は、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」という。)5〜25質量%及びパーフルオロ(ビニールエーテル)(以下、「PFVE」という。)0.01〜5質量%とテトラフルオロエチレンとの共重合体である。
本発明の粉体塗料は、上記共重合組成を有するTFE系共重合体を基体樹脂として含有するので、表面平滑性、耐薬品性ともに優れた塗膜を得ることができる。上記PFVEとしては特に限定されないが、パーフルオロ(アルキルビニールエーテル)が好ましく、パーフルオロ(プロピルビニールエーテル)がより好ましい。
上記HFPの量は、5〜25質量%である。HFPの量が5質量%未満であると、上記TFE系共重合体の融点が高くなり、結晶化度が大きくなるので耐ストレスクラック性が低下し、また、上記TFE系共重合体のメルトフローレートを高めた場合に顕著な耐薬品性低下が起こる。耐ストレスクラック性を向上するためには、上記TFE系共重合体の分子量を上げることが考えられるが、それにともない溶融粘度が高くなり加工性が悪くなり均質な膜が得られず、結果的に耐食性が低下する。25質量%を超えると、共重合速度が低下して生産性が悪化したり、上記TFE系共重合体の融点が施工上の通常の加熱温度である約250℃以上の温度よりも低くなるので、得られる塗膜の耐熱性が低下する。融点が低くても良い場合であって、より優れた非粘着性が要求される用途の場合には、HFPの共重合組成を上記範囲内において高くすることが好ましい。好ましいHFPの量の下限は11質量%であり、好ましい上限は16質量%である。
上記PFVEの量は、0.01〜5質量%である。PFVEの量が0.01%未満であると、得られる塗膜の表面平滑性及び耐薬品性が充分に向上せず、5質量%を超えると、含有率の増加に見合った効果が得られないので経済性の点から好ましくない。好ましいPFVEの量の下限は0.05質量%であり、好ましい上限は2質量%である。
上記TFE系共重合体は、メルトフローレート(MFR)が1〜30g/10分であるものである。1g/10分未満であると、目的とする塗膜の平滑性を得るために長時間の加熱が必要になるので上記TFE系共重合体の劣化が問題になる場合があり、30g/10分を超えると、得られる塗膜に熱歪みによるクラックが起こりやすくなり、耐食性が悪化する。
上記メルトフローレートは、上記TFE系共重合体が溶融した場合における流れ性を示すものである。上記メルトフローレートは、得られる塗膜の表面平滑性等の点から、粉体塗料の塗装回数に応じて決定することができ、粉体塗料の塗装回数が少なくてよい場合は、上記範囲内において比較的大きい値にすることが有利である。
従って、上記メルトフローレートは、得られる粉体塗料が薄塗り、ロトライニング等の塗装回数が1回以上であり、3回未満の回数である塗装に用いられる場合は、5〜30g/10分であることがより好ましく、得られる粉体塗料が厚塗り、静電塗装等の塗装回数が3〜10回以上である塗装に用いられる場合は、1〜5g/10分であることがより好ましい。
上記TFE系共重合体は、共重合組成及び分子量を調整することにより、上述の範囲内のメルトフローレートを有するものとすることができる。
本明細書において、上記メルトフローレートは、ASTM D2116に従って、温度372℃、荷重5kgとして測定される値である。
上記TFE系共重合体を製造する方法としては特に限定されず、例えば、乳化重合、懸濁重合等の従来公知の重合方法等を用いて共重合することにより得ることができる。
本発明の粉体塗料は、更に、熱安定剤を含有するものであることが好ましい。本発明の粉体塗料は、上記熱安定剤を含有するものであると、融点付近の温度以上で加熱する場合に、上記TFE系共重合体が不安定になって生じ得る塗膜の着色や発泡を防止することができる。
上記熱安定剤としては、上記TFE系共重合体の酸化を防止する点から、アミン系酸化防止剤及び/又は有機イオウ含有化合物であることが好ましい。
上記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の芳香族性炭化水素基を分子中に有する芳香族アミンが挙げられ、例えば、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物等のフェニレンジアミン系化合物;ジナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、フェニルシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、スチレン化ジフェニルアミン等のその他の芳香族第2級アミン化合物等が挙げられる。
上記有機イオウ含有化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール等のメルカプトベンゾイミダゾール系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のメルカプトベンゾチアゾール系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のメルカプトイミダゾリン系化合物;ペンタメチレンジチオカルバミン酸、ピペコリルジチオカルバミン酸、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸等のジチオカルバミン酸類等が挙げられ、これらは、例えば、Zn、Sn、Cd、Cu、Fe等の金属塩;ピペリジン塩、ピペコリル塩等の有機塩等であってもよい。
上記有機イオウ含有化合物としては、例えば、チウラム系化合物が挙げられ、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラムモノスルフィド;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド;ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のその他のチウラム系化合物等が挙げられる。
上記有機イオウ含有化合物としては、また、例えば、N,N’−ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素等のチオ尿素誘導体等であってもよい。
上記熱安定剤としては、なかでも、本発明の粉体塗料に含まれるTFE系共重合体の融点付近の温度以上、例えば約250℃以上の高温における安定性が求められる点から、芳香環含有化合物が好ましく、芳香族アミン、メルカプトベンゾチアゾール系化合物及びメルカプトベンゾイミダゾール系化合物がより好ましい。上記熱安定剤としては、本発明の粉体塗料が化学・医療用器具、半導体製造設備等の金属イオン溶出が好ましくない用途に用いられる場合、残渣の残らない非金属化合物が好ましい。
上記熱安定剤は、従来公知の方法により製造することができるが、通常、市販品を用いることができる。
上記熱安定剤は、上記TFE系共重合体100質量部に対し0.001〜5質量部であることが好ましい。0.001質量部未満であると、上記TFE系共重合体の熱安定性が悪化する場合があり、5質量部を超えると、得られる塗膜に着色や上記熱安定剤の分解による発泡が起るので、好ましくない。より好ましくは、0.003〜2質量部である。
本発明の粉体塗料は、上記TFE系共重合体及び所望により用いられる上記安定剤と併用して、必要に応じ、添加剤等を含有するものであってもよい。上記添加剤等としては特に限定されず、例えば、一般的な粉体塗料に用いられるもの等が挙げられる。
上記添加剤等としては、例えば、着色を目的として、酸化チタン、酸化コバルト等の着色顔料;防錆等を目的として、防錆顔料、焼成顔料等のその他の顔料;塗膜の収縮防止を目的として、カーボン繊維、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ等の塗膜補強材;導電性付与を目的として、導電性カーボン等の導電性付与材等が挙げられ、レベリング剤、帯電防止剤等であってもよい。
本発明の粉体塗料は、平均粒子径が5〜500μmであることが好ましい。5μm未満であると、塗布する場合に静電反発を生じやすく、厚膜化が困難となる傾向にあり、500μmを超えると、ロトライニング等で得られる塗膜の平滑性等が悪化する場合がある。
上記粉体塗料の平均粒子径は、必要に応じて重ね塗りをした焼成後の膜厚としての目的値に応じて、より好ましい範囲が決められ、上述の薄塗りに用いる場合は、10〜40μmがより好ましく、上述の厚塗りに用いる場合は、40〜70μmがより好ましい。上記粉体塗料の平均粒子径は、また、塗布方法に応じて、より好ましい範囲が決められ、静電塗装に用いる場合は、20〜70μmがより好ましく、ロトライニングに用いる場合は、150〜350μmがより好ましい。
上記粉体塗料の平均粒子径は、後述する本発明の粉体塗料の製造方法において粉砕や分級の条件を調整することにより、上記範囲内のものとすることができる。本明細書において、上記平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定機を用いて得られる値である。
本発明の粉体塗料は、見掛け密度が0.4〜1.2g/mlであることが好ましい。0.4g/ml未満であると、塗装時の発泡を起こしたり、塗装回数の増加を招き、静電塗装が困難となる場合があり、1.2g/mlを超えると、このような粉体塗料を工業的に製造することが容易ではなくなる。好ましくは、0.5〜1.2g/mlである。本明細書において、上記見掛け密度(g/ml)は、JIS K 6891に準拠した測定により得られる値である。
本発明の粉体塗料の製造方法としては特に限定されず、例えば、粉砕方法、造粒方法、スプレードライ法等の従来公知の方法等が挙げられ、例えば、特開昭63−270740号公報に開示されているような、上述のTFE系共重合体をロールでシート状に圧縮し、粉砕機により粉砕し分級して得られる粉末を、上述の安定剤及び必要に応じて用いられる顔料、導電性付与剤等の添加剤等と乾式で混合する方法等が挙げられる。
上記粉体塗料の製造方法としては、また、上記TFE系共重合体、上記安定剤及び必要に応じて上記添加剤等を予め混合機で混合し、次いで、ニーダー、溶融押出し機等で溶融混練した後、粉砕し、必要に応じて分級する方法を用いてもよい。
このようにして得られる本発明の粉体塗料は、通常、被塗装物に塗布した後、加熱焼成により造膜させることにより施工される。
上記被塗装物としては特に限定されないが、耐食性付与が望まれるものに好適に用いることができる。このような被塗装物としては、例えば、タンク、ベッセル、塔、バルブ、ポンプ、継手、その他の配管材料、部品、シール材等の耐食ライニングが施されるもの等が挙げられる。
上記被塗装物としては、更に、例えば上記粉体塗料に上述の導電性付与剤を含有させた場合、電気的特性の付与が望まれるものとして、有機溶剤用のタンク、ベッセル、塔、攪拌翼等の静電気対策用機器等に利用される。
上記被塗装物は、必要に応じ、洗浄、サンドブラスト等の表面処理やプライマー塗装を行ったものであってよい。
本発明の粉体塗料の塗布の方法としては特に限定されず、例えば、静電塗装方法、ロトライニング方法、流動浸漬塗装方法等の従来公知の方法等が挙げられるが、本発明の粉体塗料は、厚塗りにしても表面平滑性及び耐薬品性に優れた塗膜を得ることができるので、ロトライニング方法に好適に用いることができる。
本発明の粉体塗料は、用途によるが、目的とする膜厚になるように複数回に分けて塗装してもよい。必要に応じて重ね塗りをした焼成後の膜厚としては、例えば、20〜10000μm等が挙げられ、耐食ライニング等の耐食性付与を目的とする場合は、300〜10000μmであることが好ましく、ロトライニング方法を用いる場合は、通常、1000〜10000μmである。
上記加熱焼成の温度としては、例えば300〜400℃等が挙げられる。
本発明の粉体塗料は、上述の特定の共重合組成を有することから、塗膜の表面平滑性を得ることができる優れた加工性を有するとともに、耐薬品性に優れ、薬品や温度衝撃によるクラックを起さない塗膜を得ることができる。このように有利な効果は、塗膜を厚塗りにする場合であっても充分に奏され、特に、耐食性付与を目的とする場合であっても優れている。
従って、本発明の粉体塗料及び上記粉体塗料を塗装して得られる塗膜は、半導体製造装置等の耐食ライニング、化学・医療用器具の耐食用途等として、好適に用いることができる。
上記粉体塗料を塗装して得られる塗膜も、本発明の一つである。
上記粉体塗料を塗装して得られる耐食ライニングも、本発明の一つである。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
(粉体塗料の製造)
共重合組成としてTFEが88質量%、HFPが11質量%及びパーフルオロ(プロピルビニールエーテル)が1質量%であるTFE系共重合体(372℃でのメルトフローレート7g/10分)をローラコンパクターでシート状に圧縮し、数ミリ程度の大きさに解砕した後、ハンマーミルで粉砕し、平均粒子径220μm、見掛け密度0.85g/mlの共重合体粉体を得た。これに熱安定剤としてN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンを共重合体粉体100質量部に対し0.01質量部の割合で配合し、得られる混合物をヘンシェルミキサーで混合し、熱安定剤入り粉体塗料を作成した。なお、上記FEP系共重合体のメルトフローレートは、ASTM D2116に従って、温度372℃、荷重5kgとして測定して得られた値であり、後述の実施例や比較例においても同様の方法により測定して求めた。
(施工)
100mmφの内径を持つ長さ300mmの鉄製配管の内面をブラスト処理した後、一方をフランジで封鎖し、上記により得た粉体塗料1000gを仕込み、もう一方をガス抜きの付いたフランジで止め、1軸で15rpmの速度で回転させながら360℃の雰囲気の炉に90分間入れ、約2mmの厚さを有するライニング皮膜を得た。
(評価)
上記により得た皮膜を剥がしたものについて、下記試験を行い、結果を表2に示した。
1.表面平滑性
配管内面であった皮膜の表面を目視で観察し、下記基準に従って評価した。
◎ 平滑で光沢があり、非常に良好。
○ 良好。
△ うねりが大きいが、良好。
× うねりが大きく、荒れている。
2.耐薬品性試験
剥がした皮膜(縦100mm×横30mm×厚さ2mm)を酢酸(50質量%)、クロロホルム、トルエンの各薬品を80℃に加温して、これに7日間浸漬し、皮膜の引張り強度変化率と重量変化率を測定した。皮膜の引張り強度変化率は、引張り試験JIS K 6888に準拠した引張り試験により引張り強度を測定し、下記式を用いて算出した。
実施例2〜5
表1に示すFEP系共重合体及び熱安定剤を用い、表1に示す平均粒子径と見掛け密度を有する粉体塗料を得て、表1に示す温度で加工すること以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料を製造してライニング皮膜を得、評価した。
比較例1〜3
表1に示すFEP系共重合体及び熱安定剤を用い、表1に示す平均粒子径と見掛け密度を有する粉体塗料を得ること以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料を製造してライニング皮膜を得、評価した。
実施例6
(粉体塗料の製造)
共重合組成としてTFEが88質量%、HFPが11質量%及びパーフルオロ(プロピルビニールエーテル)が1質量%であるFEP系共重合体(372℃でのメルトフローレート2g/10分)をローラコンパクターでシート状に圧縮し、数ミリ程度の大きさに解砕した後、ハンマーミルで粉砕し、平均粒子径45μm、見掛け密度0.50g/mlの共重合体粉体を得た。これに熱安定剤としてN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンを共重合体粉体100質量部に対し1.5質量部の割合で配合し、得られる混合物をヘンシェルミキサーで混合し、熱安定剤入り粉体塗料を作成した。
(施工)
縦100mm×横300mm×厚さ5mmの鉄板の片面をブラストした後、ONODA社製静電塗装機にて70KVの電圧をかけて上記により得た粉体塗料を塗布し、340℃で30分間焼成した。この静電塗装及び焼成を5回繰り返し、多少うねりがあるが平滑な膜厚が500μmの皮膜を得た。
上記により得た皮膜について、実施例1と同様にして表面平滑性を評価した。
表1における安定剤の種類として、AはN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、Bは2−メルカプトベンゾチアゾール、Cは2−メルカプトベンゾイミダゾールである。
表2から、PFVEを共重合組成に含まない比較例1、及び、FEP系共重合体のMFRが本発明の範囲内にない比較例2〜3では、表面平滑性と耐薬品性の少なくとも何れかに劣るが、本発明の範囲内にある実施例1〜6では、表面平滑性及び耐薬品性が両立されることがわかった。
産業上の利用可能性
本発明の粉体塗料は、上述の構成よりなることから、塗膜の表面平滑性を得ることができる優れた加工性を有するとともに、耐薬品性に優れ、薬品や温度衝撃によるクラックを起さない塗膜を得ることができ、これらの本発明の効果は、厚塗りの塗膜においても優れている。
Claims (7)
- テトラフルオロエチレン系共重合体を含有する粉体塗料であって、前記テトラフルオロエチレン系共重合体が、ヘキサフルオロプロピレン5〜25質量%及びパーフルオロ(ビニールエーテル)0.01〜5質量%とテトラフルオロエチレンとの共重合体であり、メルトフローレートが1〜30g/10分であることを特徴とする粉体塗料。
- 平均粒子径が5〜500μmであり、見掛け密度が0.4〜1.2g/mlである請求の範囲第1項記載の粉体塗料。
- 更に、熱安定剤をテトラフルオロエチレン系共重合体100質量部に対し0.001〜5質量部含有する請求の範囲第1又は2項記載の粉体塗料。
- 熱安定剤は、アミン系酸化防止剤及び/又は有機イオウ含有化合物である請求の範囲第3項記載の粉体塗料。
- ロトライニング用であり、テトラフルオロエチレン系共重合体は、メルトフローレートが5〜30g/10分である請求の範囲第1、2、3又は4項記載の粉体塗料。
- 請求の範囲第1、2、3、4又は5項記載の粉体塗料を塗装して得られる塗膜。
- 請求の範囲第1、2、3、4又は5項記載の粉体塗料を塗装して得られる耐食ライニング。
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