JPWO2003005141A1 - サーボ制御システム及びその設定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電子カム制御において、追従遅れを補償した位置指令により、サーボモータをカムパターン通りに動作させるサーボ制御システム及びその設定方法に関する。
背景技術
従来、カム動作については、シャフトに取り付けたカムの動きに連動して出力を得る機械カムが使用されていたが、この機械カムを利用する方法では、カムパターンの調整が困難なことから、シャフトの回転とカム形状データとの関係を登録しておき、シャフトの回転位置を検出し、その検出値に基づいてサーボモータを制御してカム動作を行わせる電子カムが用いられるようになってきた。
かかる電子カム制御において、位置指令と位置フィードバックとの差を減少させることを目的として、日本国特開平7−104855号公報に開示されたサーボ制御システムがある。このサーボ制御システムは、位相指令θの推移に対して予め定義された位置パターンを有する位置指令に従ってサーボ系を制御する電子カム位相制御方法において、位置指令に対するサーボ系の追従遅れによる位相遅れ量Δθを位相推移速度ωの関数として発生させ、位相遅れ量Δθを位相指令に加算した信号を位置パターン発生回路に入力し、その出力信号をサーボ系の位置指令とする。
このようなサーボ制御システムによれば、電子カムの位相遅れを補償できるものである。
しかしながら、上記サーボ制御システムは、位相遅れ量にほぼ比例した分だけ位置指令を先だしするものであるため、位相遅れ量のみを補償しているのに過ぎない。すなわち、サーボ系の追従遅れを補償したものではないので、特に、制御速度が速い場合には、第7図に示すようにサーボ系の追従遅れが顕著となるため、カムパターンから作成された位置指令の軌跡に対してサーボモータの実位置の軌跡は大きく異なり、時間taにおいて位置指令とサーボモータの実位置の差はΔLとなるという問題点があった。
発明の開示
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、電子カム制御において、サーボ系の追従遅れを補償した簡易なサーボ制御システム及びその設定方法を提供するものである。
第1の発明に係るサーボ制御システムは、サーボモータによりカム機構相当の動作をさせるサーボ制御システムにおいて、前記カム機構の一回転に対応する位相に対してカム形状の第2のパターンを発生するパターン発生手段と、このパターン発生手段の第1のパターンを時間で微分すると共に、該微分された値に定数が乗算された乗算値を求め、該乗算値から予め定められた位相を減算することにより補正パターンを発生する補正手段と、前記補正パターンを前記第1のパターンに加算して第2のパターンを生成すると共に、該第2のパターンを用いて前記カム機構の一回転に対応する位相に基づいて前記サーボモータの位置指令を発生する位置指令発生手段とを備えたことを特徴とするものである。
かかるサーボ制御システムによれば、補正手段が第1のパターンを時間で微分すると共に、該微分された値に定数を乗算すると共に、前記位相から予め定められた位相を減算して、補正パターンを発生し、位置指令発生手段が前記補正パターンを前記第1のパターンに加算して第2のパターンを生成すると共に、該第2のパターンを用いて前記カム機構の一回転に対応する位相に基づいて前記サーボモータの位置指令を発生する。
したがって、カム制御のような繰り返し動作となる周期制御において、第2のパターンを用いて位置指令を発生させることにより、簡易にサーボ系の追従遅れを補償できるという効果がある。
第2の発明に係るサーボ制御システムの設定方法は、第1の発明において、予め定数の値を設定し、予め定められた位相の値を僅かずつ増加させてサーボモータの位置と前記位置指令発生手段との位置指令との差が小さくなる値を、前記位相の最適値として記憶手段に記憶する第1のステップを実行した後、予め前記定数の値が僅かずつ増加させて前記サーボモータの位置と前記位置指令発生手段との位置指令との差が小さくなる値を、前記位相の最適値として記憶手段に記憶する第2のステップを実行する、ことを特徴とするものである。
かかるサーボ制御システムによれば、簡易に最適な定数及び位相を設定できるという効果がある。
第3の発明に係るサーボ制御システムは、第1の発明において、定数が、サーボシステムにおける位置制御ゲインの逆数である、ことを特徴とするものである。
かかるサーボ制御システムによれば、簡易に定数を設定できるという効果がある。
発明を実施するための最良の形態
実施例1.
本発明の一実施例を第1図及び第2図によって説明する。第1図は本発明の一実施例を示すサーボ制御システムの全体構成図、第2図は第1図に示す指令部をハードウェアにより示したサーボ制御システムの全体構成図である。
第1図及び第2図おいて、サーボ制御システム1は、位置指令を生成して発生する指令部10と、指令部10の指令に基づいてサーボモータ72を駆動制御する駆動制御部50と、サーボモータ72に流れる電流を検出すると共に、インターフェース(以下、I/Fという)65に入力する電流センサ70と、サーボモータ72の回転角度を検出すると共に、I/F67に入力するエンコーダ74とから成っている。
第1図において、指令部10は、CPUの処理概念を示すもので、カム機構の一回転に対応する位相に基づいて原カムパターン(第1のパターン)を発生するパターン発生手段としての原カムパターン発生器11と、後述する係数Tp、位相Dを設定するパラメータ設定器12と、原カムパターンを時間で微分すると共に、該微分された値に係数(定数)Tpを乗算して乗算値を求め、該乗算値からカム機構の一回転に対応する位相より予め定められた位相Dを減算して得られた補正カムパターン(補正パターン)を発生する補正手段としての補正器14と、補正器14の補正カムパターンに原カムパターンを加算して第2のパターンを生成すると共に、カム機構の位相指令に基づいて位置指令を発生する位置指令発生手段としての位置指令器16とから成っている。
第2図において、サーボ指令部10のハードウェア構成は、CPU22と、CPU22に接続されたカムメモリ24、パラメータメモリ25、ROM26、I/F28,29とから成っており、カムメモリ24には、原カムパターンが記憶され、パラメータメモリ25には、後述する係数TP,位相Dが記憶されており、ROM26には、原カムパターンを時間で微分すると共に、該微分された値に係数(定数)Tpを乗算して乗算値を求め、該乗算値からカム機構の一回転に対応する位相より予め定められた位相Dを減算して得られた補正カムパターン(補正パターン)を発生する演算式等(後述の(11)式)が記憶されている。
なお、I/F28の出力が駆動制御部50に入力され、I/F29にエンコーダ74の出力が接続されている。
駆動制御部50は、位置制御ループ、速度制御ループ、電流制御ループの三つの制御ループから形成されており、I/F67から読み込まれたエンコーダ74の回転角度に基づく位置検出値と指令部10から位置指令と減算して偏差を求める減算器51と、減算器51に接続された位置制御器53と、I/F67から読み込まれた回転角度に基づく速度検出値と位置制御器53からの速度指令とを減算して偏差を求める減算器55と、減算器55に接続された速度制御器57と、I/F65から読み込まれた電流センサ70の電流値と速度制御器57からの電流指令とを減算する減算器59と、減算器59に接続された電流制御器61を介して入力が接続されると共に、出力がサーボモータ72に接続される電力変換器63とから成っている。
位置制御ループは、位置制御器53、速度制御器57、電流制御器61、電力変換器63、サーボモータ72、エンコーダ74、I/F67から成り、速度制御ループは、速度制御器57、電流制御器61、電力変換器63、サーボモータ72、エンコーダ74、I/F67から成り、電流制御ループは、電流制御器61、電力変換器63、電流センサ70、I/F65から成っている。
指令部10から従来通りの位置指令(補正器14が存在しない)が発生しているサーボ制御システムにおいて、追従遅れ量を考慮したカムパターンについて以下に検討する。
追従遅れ量とは位置指令Pref(PLS)とサーボモータ72の実位置の差である溜りパルス量であるので、追従遅れを考慮した補正位置指令Prev(PLS)は位置指令Prefに溜りパルスPdif(PLS)を加算した指令となり、下式となる。
Prev=Pref+Pdif・・・(1)
ここで、速度制御ループ及び電流制御ループは、位置制御ループに比べて応答が十分速いので、第3図に示すようにサーボ制御システムの制御系は、サーボモータ72の実位置Pa(PLS)は位置指令Pref,位置制御ゲインKp,積分器1/Sを有する位置制御ループの一次遅れ系と仮定できる。
したがって、サーボモータ72の実位置Paは位置指令Prefとの関係について下式を得る。
Pa={1/(1+Tp・S)}・Pref・・・(2)
ここで、Tp=1/Kp,Kp:位置制御ゲイン
S:ラプラス演算子
ここで、位置指令Pref,実位置Paを時間tの微分となる速度指令Vref(PLS/s),実速度Va(PLS/s)を示すと下式となる。
Vref=dPref/dt=Pref´・・・・・・・・・(3)
Va=dPa/dt=Pa´
={S/(1+Tp・S)}・Pref・・・(4)
溜りパルスPdifは、位置指令Prefと実位置Paとの差となり下式となる。
Pdif=Pref−Pa・・・・・・(5)
この(5)式のPaに(2)式を代入して、下式となる。
Pdif={1−1/(1+Tp・S)}Pref
=Tp・S・Pref/(1+Tp・S)
=Tp・Va・・・・・・・・・・・・(6)
上記(5)式を上記(1)式に代入すると下式なる。
Prev=Pref+Pdif
=Pref+Tp・Va・・・・・・・(7)
上記(7)式において、補正位置指令Prevは、位置指令Prefに原カムパターンの指令に基づいた制御結果となる実速度Vaを加算したものであり、実速度Vaに依存するので、予め原カムパターンと実軌跡のずれがあることを前提に成立している。サーボ制御システム1を第3図に示すように一次遅れ系と仮定しているので、第4図に示すように速度指令Vrefを入力したとき、時間関数となる実速度Va(t)は時間d(s)ずれた時間関数の速度指令Vref(t−d)とほぼ等しくなり、下式となる。
Va(t)≒Vref(t−d)・・・・・・・(8)
上記(4)〜(8)式より溜りパルスPdifは位置指令Prefより算出できる。
Pdif=Tp・Va(t)=Tp・Vref(t−d)
=Tp・Pref´(t−d)・・・・・・・(9)
式(1)及び式(7)より下式となる。
Prev=Pref+Pdif
=Pref+Tp・Pref´(t−d)・・・・(10)
この(10)式より、補正位置指令Prevは位置指令Prefのみで算出できる。
電子カム制御において位置指令は、位相に対する位置周期が記述された原カムパターンFrefに基づいて作成されているので、上記(10)式における時間t,dを位相θ(°),D(°)に置き換えることができ、位相θ,Dに置き換えた位置指令としての位置指令器14から発生させる位置指令としての第2のパターンFrevは下式となる。
Frev=Fref+Tp・Fref´(θ−D)・・・・・(11)
ここに、Fh=Tp・Fref´(θ−D)
Fh:補正カムパターン
上記(11)式より、カムの動作は繰り返しとなる周期制御であるため、原カムパターン(第1のパターン)Frefにより追従遅れを考慮した補正カムパターンFhを算出し、補正カムパターンFhを原カムパターンFrefに加算して第2のパターンFrevを生成し、位相指令に従って位置指令を作成することにより補正位置指令を容易に得ることができる。
上記係数Tpおよび位相Dの設定について第2図及び第5によって説明する。第5図は、係数Tpおよび位相Dの設定の順序を示すフローチャートである。
まず、初期値として位相D=0、係数Tp=1、試運転の回数を示す試運転回数フラグ0、位相Dの決定フラグ0を入力部(図示せず)から入力してパラメータメモリ25に記憶する(ステップS101)。CPU12は、パラメータメモリ25から位相D、係数Tp読み出し(ステップS103)、今回値Cをゼロとする(ステップS105)。指令部10から試運転指令を発生して駆動部50を介してサーボモータ72を駆動し(ステップS107)、CPU12はカムが一回転したか否かをエンコーダ74の角度値をI/F19から読み込んで判断し(ステップS109)、まだ一回転していないので、一回転するまでの指令値Prefと実位置Paとの差(溜りパルス)Pdifを求め、位相Dに対応された今回値Cを差Pdifと前回値Cとの和により求めてパラメータメモリ25に記憶する(ステップS111)。
ステップS109において、CPU12はサーボモータ72の駆動が継続してエンコーダ74の角度値をI/F19から読み込んでカムが一回転したと判断すると(ステップS109)、指令部10が試運転停止指令を、駆動部50を介して与えてサーボモータ72を停止させる(ステップS113)。
CPU12は、試運転が初回か判断し(ステップS115)、試運転回数フラグがゼロであるので、今回値Cを最小値Cminにすると共に、試運転回数フラグをゼロから1にし(ステップS119)、位相Dを、ステップS119にて今回値Cとして設定した最小値Cminに対応する最適位相Dmとしてパラメータメモリ25に記憶する(ステップS120)。CPU12は、位相Dが決定済か否かを判断し(ステップS121)、位相Dの決定フラグがゼロであるので、位相D≧360°か否かを判断する(ステップS123)。まだ、位相D<360°であるので、CPU12は、今回位相Dを前回位相Dに予め定められた位相Δdに加えて作成し、今回位相Dをパラメータメモリ25に記憶する(ステップS125)。
CPU12は、パラメータメモリ25から位相D、係数Tpを読み出し(ステップS103)、上記のようにステップS105〜ステップS113を実行し、試運転が初回か否かを試運転回数フラグにより判断し(ステップS115)、該フラグが1であるので、最小値Cminと前回値Cとを比較し(ステップS117)、最小値Cmin>今回値Cであれば、今回値Cを最小値Cminとし(ステップS119)、位相Dを、ステップS119にて今回値Cとして設定した最小値Cminに対応する最適位相Dmとしてパラメータメモリ25に記憶する(ステップS120)。
一方、ステップS117において、最小値Cmin<今回値Cであれば、CPU12は位相Dが決定されているか否かを位相Dの決定フラグにより判断するが、該フラグがゼロであるので(ステップS131)、再び、ステップ121において位相Dが決定されているか判断し(ステップS121)、決定されていないので、位相D≧360°を判断し(ステップS123)、まだ、位相D<360°であるので、今回値Dを前回値DとΔdとの和により求めてパラメータメモリ25に記憶する(ステップS125)。
再び、CPU12は、パラメータメモリ25から位相D、係数Tpを読み出し(ステップS103)、位相D≧360°に達するまで上記のようにステップS105〜ステップS121を実行し、CPU12は、最も位置指令Prefと実位置Paとの差が少ない値に対応した最適位相Dmをパラメータメモリ25に記憶されると共に、位相Dの決定フラグを1にする(ST27)。
次に、最適位相Dmが決定されたので、最適係数Tpmを決定する。CPU12は、パラメータメモリ25から最適位相Dm、係数Tpを読み出し(ステップS103)、上記ステップS103〜S117を実行し、CPU12は、最適位相Dmが決定されているので(ステップS131)、今回係数Tpを前回係数Tpに予め定められた微小な位相Δtpに加えて作成してパラメータメモリ25に今回係数Tpを記憶する(ステップS129)。CPU12は上記のようにステップS103〜ステップS129を繰り返すことにより、ステップS117において、CPU12は、最小値Cmin>今回値Cを判断し、今回値C>最小値Cminであれば、位相Dが決定されているか判断し(ステップS131)、位相Dの決定フラグが1であるので、前回係数Tpmが位置指令Prefと実位置Paとの差が少ない最適な係数Tpmとして、前回係数Tpを今回係数Tp−Δtpにより求め(ステップS133)、最適な係数Tpmをパラメータメモリ25に記憶する(ステップS135)。
上記のようにして設定された最適な位相Dm,係数Tpmを用いたサーボ制御システムの動作を第1図によって説明する。
起動指令が発生すると、指令部10では、原カムパターン発生器11から原カムパターンを発生して補正器14に入力し、パラメータ設定器12から係数Tp、位相Dを読み出して補正器14に入力し、補正器14はPref+Tp・Pref´(t−d)を演算すると共に、補正パターン(補正値)を出力して位置指令器16に入力し、位置指令器16は、カムの位相指令の推移と、補正パターンとに基づいて位置指令を発生し、駆動制御部50を介してサーボモータ72を駆動する。
このようしてサーボ制御システム1を動作させた結果を時間対位置の曲線として第6図に示すように、原カムパターンから最適な係数Tpm,位相Dmに基づいて作成された位置指令器14から発生した補正位置指令によれば、原パターンと位相指令とに基づいた原位置指令に対して実位置の軌跡はほぼ等しくなることが確認されたのである。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明に係るサーボ制御システム及びその設定方法は、電子カムを制御するものに用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示すサーボ制御システムの全体構成図である。
第2図は、第1図に示すサーボ制御システムの指令部をハードウェアにより示したサーボ制御システムの全体構成図である。
第3図は、第1図に示すサーボ制御システムの指令部を除くサーボ制御系のブロック線図である。
第4図は、速度指令及び実速度の時間曲線である。
第5図は、本発明の一実施例によるパラメータの設定を示すフローチャートである。
第6図は、この実施例による補正位置指令、位置指令、実位置の時間曲線である。
第7図は、従来のサーボ制御システムによる位置指令、実位置対時間の曲線である。
しかしながら、上記サーボ制御システムは、位相遅れ量にほぼ比例した分だけ位置指令を先だしするものであるため、位相遅れ量のみを補償しているのに過ぎない。すなわち、サーボ系の追従遅れを補償したものではないので、特に、制御速度が速い場合には、第7図に示すようにサーボ系の追従遅れが顕著となるため、カムパターンから作成された位置指令の軌跡に対してサーボモータの実位置の軌跡は大きく異なり、時間taにおいて位置指令とサーボモータの実位置の差はΔLとなるという問題点があった。
発明の開示
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、電子カム制御において、サーボ系の追従遅れを補償した簡易なサーボ制御システム及びその設定方法を提供するものである。
第1の発明に係るサーボ制御システムは、カム機構の一回転に対応する位相に対してカム形状の位置指令となる第1のパターンを発生するパターン発生手段と、前記第1のパターンを時間で微分すると共に、該微分された値に位置制御ゲインの逆数の次元を有する定数が乗算された乗算値を求め、該乗算値から予め定められた位相を減算することにより補正位置指令となる補正パターンを発生する補正手段と、前記補正パターンを前記第1のパターンに加算して第2のパターンを生成すると共に、該第2のパターンを用いて前記カム機構の一回転に対応する位相に基づいて前記サーボモータの位置指令を発生する位置指令発生手段と、を備えたことを特徴とするものである。
かかるサーボ制御システムによれば、補正手段が第1のパターンを時間で微分すると共に、該微分された値に位置制御ゲインの逆数の次元を有する定数を乗算すると共に、前記位相から予め定められた位相を減算
して、補正位置指令となる補正パターンを発生し、位置指令発生手段が補正パターンを第1のパターンに加算して第2のパターンを生成すると共に、該第2のパターンを用いてカム機構の一回転に対応する位相に基づいてサーボモータの位置指令を発生する。
したがって、カム制御のような繰り返し動作となる周期制御において、第2のパターンを用いて位置指令を発生させることにより、簡易にサーボ系の追従遅れを補償できるという効果がある。
第2の発明に係るサーボ制御システムの設定方法は、第1の発明において、予め定数の値を設定し、予め定められた位相の値を僅かずつ増加させてサーボモータの位置と前記位置指令発生手段との位置指令との差が小さくなる値を、前記位相の最適値として記憶手段に記憶する第1のステップを実行した後、予め前記定数の値が僅かずつ増加させて前記サーボモータの位置と前記位置指令発生手段との位置指令との差が小さくなる値を、前記位相の最適値として記憶手段に記憶する第2のステップを実行する、ことを特徴とするものである。
かかるサーボ制御システムによれば、簡易に最適な定数及び位相を設定できるという効果がある。
第3の発明に係るサーボ制御システムは、第1の発明において、定数が、サーボシステムにおける位置制御ゲインの逆数である、ことを特徴とするものである。
かかるサーボ制御システムによれば、簡易に定数を設定できるという効果がある。
図面の簡単な説明
第1図は、本発明の一実施例を示すサーボ制御システムの全体構成図である。
第2図は、第1図に示すサーボ制御システムの指令部をハードウェア
Claims (3)
- サーボモータによりカム機構相当の動作をさせるサーボ制御システムにおいて、
前記カム機構の一回転に対応する位相に対してカム形状の第1のパターンを発生するパターン発生手段と、
このパターン発生手段の第1のパターンを時間で微分すると共に、該微分された値に定数が乗算された乗算値を求め、該乗算値から予め定められた位相を減算することにより補正パターンを発生する補正手段と、
前記補正パターンを前記第1のパターンに加算して第2のパターンを生成すると共に、該第2のパターンを用いて前記カム機構の一回転に対応する位相に基づいて前記サーボモータの位置指令を発生する位置指令発生手段と、
を備えたことを特徴とするサーボ制御システム。 - 予め前記定数の値を設定し、予め定められた前記位相の値を僅かずつ増加させて前記サーボモータの位置と前記位置指令発生手段の位置指令との差が小さくなる値を、前記位相の最適値として記憶手段に記憶する第1のステップを実行した後、
予め前記定数の値を僅かずつ増加させて前記サーボモータの位置と前記位置指令発生手段の位置指令との差が小さくなる値を、前記定数の最適値として記憶手段に記憶する第2のステップを実行する、
ことを特徴とする請求の範囲1に記載のサーボ制御システムの設定方法。 - 前記定数は、前記サーボシステムにおける位置制御ゲインの逆数である、
ことを特徴とする請求の範囲1に記載のサーボ制御システム。
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