JPWO2002088193A1 - オレフィン重合用固体触媒成分 - Google Patents

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Abstract

チタン、マグネシウム及び下記一般式(I)で表される化合物を含むオレフィン重合用固体触媒成分。
Figure 2002088193

[一般式(I)中、R及びRは、相互に独立な炭素数3の直鎖状又は分枝状炭化水素基であり、Rは、水素又は炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、Rは、Rが水素のとき、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状炭化水素基又は炭素数3〜4の脂環式炭化水素基であり、Rが炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基のとき、Rと同一の炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、nは、1〜10の整数である。]
この触媒成分を含むオレフィン重合用触媒は、高立体規則性を維持したまま、高い重合活性を発現する。

Description

技術分野
本発明は、オレフィン重合用固体触媒成分に関する。より詳細には、α−オレフィンの単独重合体又は共重合体を製造するためのオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒、並びにオレフィン重合用固体触媒成分及びオレフィン重合体の製造方法に関する。
背景技術
従来、オレフィンを重合するための触媒成分としてマグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与体を必須成分とする固体触媒成分が数多く提案されている。これらの固体触媒成分は、オレフィンの重合において高い活性を有するとともに、α−オレフィンの重合においては、高い立体特異性を発現することが良く知られている。とりわけ、上記固体触媒成分を調製する際に、フタル酸エステル類を代表とする芳香族エステルを電子供与体として使用した場合、優れた触媒性能を発現することが知られている。
しかしながら、芳香環を有する化合物は安全衛生上の問題から使用が敬遠されている。
一方、芳香環を含まない電子供与体としては、マロン酸エステル誘導体を電子供与体として用いる方法が報告されている。例えば、特開平8−157521号公報では、芳香環を含まない電子供与体として、下記一般式(I)において、R及びRが炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基であり、R及びRがそれぞれ一つ以上の二級炭素又は三級炭素を含む炭素数が3〜20の飽和炭化水素基又は環状飽和炭化水素基であり、nが1である化合物が開示されている。
しかし、該公報には、本発明における電子供与体に合致する化合物は開示されていない。
Figure 2002088193
また、本出願人も、芳香環を含まない電子供与体として、特開平11−60625号公報で、上記一般式(I)において、R及びRが炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状の炭化水素基であり、R及びRがメチル基であり、nが1〜10の整数である化合物を開示している。
該公報には、14種類のマロン酸エステルが開示されており、このうち、本発明の電子供与体に合致する化合物が二種類が開示されている。
しかし、これら二種類の化合物を用いた触媒系については、いずれも評価されていない。
また、本出願人は、芳香環を含まない電子供与体として、特開平11−199628号公報で、上記一般式(I)において、R及びRが炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状の炭化水素基であり、Rが水素であり、Rが炭素数3〜20の脂環式炭化水素基であり、nが1〜10の整数である化合物を提案しており、多数のマロン酸エステルが開示されている。
しかし、該公報には、本発明における電子供与体に合致する化合物は開示されていない。
このように、芳香環を含まない特定種類の電子供与体は既に知られているが、立体規則性及び重合活性がさらに高い触媒を構成する電子供与体が求められていた。
従って、本発明は、電子供与体として安全衛生上の問題を有することなく、高立体規則性を維持したまま、高い重合活性を発現するオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒、並びにオレフィン重合用固体触媒成分及びオレフィン重合体の製造方法を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明によれば、チタン、マグネシウム及び下記一般式(I)で表される化合物を含むオレフィン重合用固体触媒成分が提供される。
Figure 2002088193
[一般式(I)中、R及びRは、相互に独立な炭素数3の直鎖状又は分枝状炭化水素基であり、Rは、水素又は炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、Rは、Rが水素のとき、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状炭化水素基又は炭素数3〜4の脂環式炭化水素基であり、Rが炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基のとき、Rと同一の炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、nは、1〜10の整数である。]
このような電子供与体を含むことにより、高立体規則性を維持したまま、高い重合活性を発現するオレフィン重合用固体触媒成分を得ることができる。
また、上記一般式(I)において、nが1であり、R及びRが、共にメチル基又はエチル基であることが好ましい。
また、この場合、R及びRが、共にメチル基であることがより好ましい。
また、nが1であり、Rが、水素であり、Rが、メチル基又はi−プロピル基であることがより好ましい。
また、R及びRが、n−プロピル基であることがより好ましい。
本発明の第2の態様は、
(A)上記のオレフィン重合用固体触媒成分、及び
(B)有機アルミニウム化合物
を含むオレフィン重合用触媒である。
このオレフィン重合用触媒は、(C)電子供与性化合物を含むことが好ましい。
また、電子供与性化合物は、有機ケイ素化合物であることが好ましい。
本発明の第3の態様は、少なくともチタン化合物、マグネシウム化合物及び下記一般式(I)で表される化合物を、120〜150℃で接触させるオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法である。
Figure 2002088193
[一般式(I)中、R及びRは、相互に独立な炭素数3の直鎖状又は分枝状炭化水素基であり、Rは、水素又は炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、Rは、Rが水素のとき、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状炭化水素基又は炭素数3〜4の脂環式炭化水素基であり、Rが炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基のとき、Rと同一の炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、nは、1〜10の整数である。]
また、本発明のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法において、さらに、上記接触で得られた固体触媒成分を、100〜150℃の温度下、不活性溶媒を用いて洗浄することが好ましい。
本発明の第4の態様は、上記オレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の各触媒成分、調製方法、重合方法等について説明する。
(1)触媒成分
(A)固体触媒成分
本発明の固体触媒成分は、チタン、マグネシウム及び電子供与体を含むものであり、以下の(a)チタン化合物、(b)マグネシウム化合物、及び(c)電子供与体を含む。
(a)チタン化合物
チタン化合物は、下記一般式(II)
Figure 2002088193
で表されるチタン化合物を用いることができる。
上記一般式(II)において、Xはハロゲン原子を示し、これらの中で塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。Rは炭化水素基であって、飽和基や不飽和基であってもよいし、直鎖状のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであってもよく、さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ素、リン等のヘテロ原子を有するものであってもよいが、炭素数1〜10の炭化水素基、特にアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基等が好ましく、さらに、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が特に好ましい。−ORが複数存在する場合には、それらは互いに同じでも異なってもよい。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、アリル基、ブテニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。pは0〜4の整数を示す。
上記の一般式(II)で示されるチタン化合物の具体例としては、テトラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシチタン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェノキシチタン等のテトラアルコキシチタン;四塩化チタン,四臭化チタン,四ヨウ化チタン等のテトラハロゲン化チタン;メトキシチタントリクロリド,エトキシチタントリクロリド,プロポキシチタントリクロリド,n−ブトキシチタントリクロリド,エトキシチタントリブロミド等のトリハロゲン化アルコキシチタン;ジメトキシチタンジクロリド,ジエトキシチタンジクロリド,ジイソプロポキシチタンジクロリド,ジ−n−プロポキシチタンジクロリド,ジエトキシチタンジブロミド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン;トリメトキシチタンクロリド,トリエトキシチタンクロリド,トリイソプロポキシチタンクロリド,トリ−n−プロポキシチタンクロリド,トリ−n−ブトキシチタンクロリド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン等を挙げることができる。これらの中で、高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は、それぞれ一種単独で用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)マグネシウム化合物
マグネシウム化合物は、一般式(III)
Figure 2002088193
で表されるマグネシウム化合物を用いることができる。
上記一般式(III)において、R及びRは、相互に独立であり、炭化水素基、OR基(Rは炭化水素基)、又はハロゲン原子を示す。上記炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。上記OR基としては、Rが炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等のものが挙げられる。上記ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等が挙げられる。
上記一般式(III)で示されるマグネシウム化合物の具体例としては、ジメチルマグネシウム,ジエチルマグネシウム,ジイソプロピルマグネシウム,ジブチルマグネシウム,ジヘキシルマグネシウム,ジオクチルマグネシウム,エチルブチルマグネシウム,ジフェニルマグネシウム,ジシクロヘキシルマグネシウム等のアルキルマグネシウム及びアリールマグネシウム;ジメトキシマグネシウム,ジエトキシマグネシウム,ジプロポキシマグネシウム,ジブトキシマグネシウム,ジヘキシロキシマグネシウム,ジオクトキシマグネシウム,ジフェノキシマグネシウム,ジシクロヘキシロキシマグネシウム等のアルコキシマグネシウム及びアリーロキシマグネシウム;エチルマグネシウムクロリド,ブチルマグネシウムクロリド,ヘキシルマグネシウムクロリド,イソプロピルマグネシウムクロリド,イソブチルマグネシウムクロリド,t−ブチルマグネシウムクロリド,フェニルマグネシウムブロミド,ベンジルマグネシウムクロリド,エチルマグネシウムブロミド,ブチルマグネシウムブロミド,フェニルマグネシウムクロリド,ブチルマグネシウムイオダイド等のアルキルマグネシウムハライド及びアリールマグネシウムハライド;ブトキシマグネシウムクロリド,シクロヘキシロキシマグネシウムクロリド,フェノキシマグネシウムクロリド,エトキシマグネシウムブロミド,ブトキシマグネシウムブロミド,エトキシマグネシウムイオダイド等のアルコキシマグネシウムハライド及びアリーロキシマグネシウムハライド;塩化マグネシウム,臭化マグネシウム,ヨウ化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウム等を挙げることができる。
これらのマグネシウム化合物の中でも、マグネシウムハライド、アルコキシマグネシウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハライドが好適に使用できる。
上記のマグネシウム化合物は、金属マグネシウム、またはマグネシウムを含有する化合物から調製することができる。
一例としては、金属マグネシウムにハロゲンおよびアルコール類を接触させる方法が挙げられる。ここで、ハロゲンとしては、ヨウ素、塩素、臭素、フッ素が挙げられる。これらの中ではヨウ素が好ましい。アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等が挙げられる。
また、他の一例として、Mg(ORで表されるマグネシウムアルコキシ化合物(式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)にハロゲン化物を接触させる方法が挙げられる。
上記のハロゲン化物としては、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四塩化スズ、四臭化スズ、塩化水素等が挙げられる。これらの中では四塩化ケイ素が好ましい。
上記のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらの中では特に炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
さらに、マグネシウム化合物は、シリカ、アルミナ、ポリスチレン等の担体に担持されていてもよい。以上のマグネシム化合物は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、ヨウ素等のハロゲン、珪素、アルミニウム等の他の元素を含有してもよく、アルコール、エーテル、エステル類等の電子供与体を含有してもよい。
(c)電子供与体
電子供与体としては、下記一般式(I)で表される化合物が用いられる。
Figure 2002088193
[一般式(I)中、R及びRは、相互に独立な炭素数3の直鎖状又は分枝状炭化水素基であり、Rは、水素又は炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、Rは、Rが水素のとき、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状炭化水素基又は炭素数3〜4の脂環式炭化水素基であり、Rが炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基のとき、Rと同一の炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、nは、1〜10の整数である。]
が水素である場合、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、及びシクロブチル基が挙げられる。これらのうち、メチル基及びi−プロピル基が特に好ましい。
この化合物の具体例としては、メチルマロン酸ジ−n−プロピル、メチルマロン酸ジ−i−プロピル、エチルマロン酸ジ−n−プロピル、エチルマロン酸ジ−i−プロピル、n−プロピルマロン酸ジ−n−プロピル、n−プロピルマロン酸ジ−i−プロピル、i−プロピルマロン酸ジ−n−プロピル、i−プロピルマロン酸ジ−i−プロピル、n−ブチルマロン酸ジ−n−プロピル、n−ブチルマロン酸ジ−i−プロピル、i−ブチルマロン酸ジ−n−プロピル、i−ブチルマロン酸ジ−i−プロピル、sec−ブチルマロン酸ジ−n−プロピル、sec−ブチルマロン酸ジ−i−プロピル、tert−ブチルマロン酸ジ−n−プロピル、tert−ブチルマロン酸ジ−i−プロピル、シクロプロピルマロン酸ジ−n−プロピル、シクロプロピルマロン酸ジ−i−プロピル、シクロブチルマロン酸ジ−n−プロピル、シクロブチルマロン酸ジ−i−プロピル等のマロン酸エステルが挙げられる。これらのうち、メチルマロン酸ジ−n−プロピル、及びi−プロピルマロン酸ジ−n−プロピルが特に好ましい。また、これらの化合物はそれぞれ一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、Rが炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基のとき、R及びRの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。これらのうち、メチル基及びエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
この化合物の具体例としては、ジメチルマロン酸ジ−n−プロピル、ジメチルマロン酸ジ−i−プロピル、ジエチルマロン酸ジ−n−プロピル、ジエチルマロン酸ジ−i−プロピル,ジ−n−プロピルマロン酸ジ−n−プロピル、ジ−n−プロピルマロン酸ジ−i−プロピル、ジ−n−ブチルマロン酸ジ−n−プロピル、ジ−n−ブチルマロン酸ジ−i−プロピル等のマロン酸エステルが挙げられる。これらのうち、ジメチルマロン酸ジ−n−プロピル、ジエチルマロン酸ジ−n−プロピルが好ましく、ジメチルマロン酸ジ−n−プロピルが特に好ましい。また、これらの化合物はそれぞれ一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記マロン酸エステルは、公知の方法、例えば、「実験化学講座第4版、22巻、59頁、丸善」に記載のマロン酸エステル合成法や「新実験化学講座、14巻−II、931頁および1003頁、丸善」に記載のエステル交換反応等により合成することができる。
(d)ケイ素化合物
固体触媒成分の調製に、前記(a)、(b)及び(c)成分に加えて、場合により(d)成分として、一般式(IV)
Figure 2002088193
で表されるケイ素化合物を用いることができる。
上記一般式(IV)において、Xはハロゲン原子を示し、これらの中で塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。R10は炭化水素基であって、飽和基や不飽和基であってもよいし、直鎖状のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであってもよく、さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ素、リン等のヘテロ原子を有するものであってもよいが、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基、特にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基等が好ましい。R10が複数存在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。R10の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、アリル基、ブテニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。qは0〜3の整数を示す。
上記一般式(IV)で示されるケイ素化合物の具体例としては、四塩化ケイ素(SiCl)、CHOSiCl、(CHO)SiCl、(CHO)SiCl、COSiCl、(CO)SiCl、(CO)SiCl、COSiCl、(CO)SiCl、(CO)SiCl等が挙げられる。これらの中で特に四塩化ケイ素が好ましい。これらのケイ素化合物は、それぞれ一種単独で用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
この所望に応じて用いられる(d)成分のケイ素化合物は、ケイ素化合物/マグネシウム化合物のモル比が、通常0.01以上、好ましくは0.10以上となる割合で用いられる。このモル比が0.01未満では触媒活性や立体規則性の向上効果が十分に発揮されず、かつ生成ポリマー中の微粉量が多くなる。
一方、ケイ素化合物/マグネシウム化合物のモル比は、好ましくは10以下であり、特に好ましくは2以下である。このモル比が10を超えると、触媒の重合活性が低下する場合がある。
(B)有機アルミニウム化合物
本発明に用いられる(B)有機アルミニウム化合物としては、アルキル基、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基を有するもの、アルミノキサン及びそれらの混合物を用いることができる。具体的には、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムモノクロリド,ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド,ジイソブチルアルミニウムモノクロリド,ジオクチルアルミニウムモノクロリド等のジアルキルアルミニウムモノクロリド;エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミノキサン等の鎖状アルミノキサン等が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物の中では、炭素数1〜5の低級アルキル基を有するトリアルキルアルミニウム、特にトリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムが好ましい。また、これらの有機アルミニウム化合物はそれぞれ一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)電子供与性化合物
本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製には、必要に応じて、(C)電子供与性化合物が用いられる。この(C)電子供与性化合物としては、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、酸素含有化合物を用いることができる。このうち特にアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。
(C)電子供与性化合物の使用量は、(B)有機アルミニウム化合物に対するモル比が0.001〜5、好ましくは0.01〜1の範囲内である。
このアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラブトキシシラン,テトライソブトキシシラン,トリメチルメトキシシラン,トリメチルエトキシシラン,トリエチルメトキシシラン,トリエチルエトキシシラン,エチルイソプロピルジメトキシシラン,プロピルイソプロピルジメトキシシラン,ジイソプロピルジメトキシシラン,ジイソブチルジメトキシシラン,イソプロピルイソブチルジメトキシシラン,ジ−t−ブチルジメトキシシラン,t−ブチルメチルジメトキシシラン,t−ブチルエチルジメトキシシラン,t−ブチルプロピルジメトキシシラン,t−ブチルイソプロピルジメトキシシラン,t−ブチルブチルジメトキシシラン,t−ブチルイソブチルジメトキシシラン,t−ブチル(s−ブチル)ジメトキシシラン,t−ブチルアミルジメトキシシラン,t−ブチルヘキシルジメトキシシラン,t−ブチルヘプチルジメトキシシラン,t−ブチルオクチルジメトキシシラン,t−ブチルノニルジメトキシシラン,t−ブチルデシルジメトキシシラン,t−ブチル(3,3,3−トリフルオロメチルプロピル)ジメトキシシラン,シクロペンチル−t−ブチルジメトキシシラン,シクロヘキシルメチルジメトキシシラン,シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン,シクロヘキシル−t−ブチルジメトキシシラン,ジシクロペンチルジメトキシシラン,ビス(2−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン,ビス(2,3−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン,ジフェニルジメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,メチルトリメトキシシラン,エチルトリメトキシシラン,プロピルトリメトキシシラン,イソプロピルトリメトキシシラン,ブチルトリメトキシシラン,イソブチルトリメトキシシラン,t−ブチルトリメトキシシラン,s−ブチルトリメトキシシラン,アミルトリメトキシシラン,イソアミルトリメトキシシラン,シクロペンチルトリメトキシシラン,シクロヘキシルトリメトキシシラン,ノルボルナントリメトキシシラン,インデニルトリメトキシシラン,2−メチルシクロペンチルトリメトキシシラン,シクロペンチル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン,イソプロピル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン,t−ブチル(イソブトキシ)ジメトキシシラン,t−ブチル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン,テキシルトリメトキシシラン,テキシルイソプロポキシジメトキシシラン,テキシル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン,テキシルメチルジメトキシシラン,テキシルエチルジメトキシシラン,テキシルイソプロピルジメトキシシラン,テキシルシクロペンチルジメトキシシラン,テキシルミリスチルジメトキシシラン,テキシルシクロヘキシルジメトキシシラン等が挙げられる。これらの有機ケイ素化合物はそれぞれ一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
窒素含有化合物の具体例としては、2,6−ジイソプロピルピペリジン、2,6−ジイソプロピル−4−メチルピペリジン、N−メチル2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の2,6−置換ピペリジン類、2,5−ジイソプロピルアゾリジン、N−メチル2,2,5,5−テトラメチルアゾリジン等の2,5−置換アゾリジン類、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルメチレンジアミン等の置換メチレンジアミン類、1,3−ジベンジルイミダゾリジン、1,3−ジベンジル−2−フェニルイミダゾリジン等の置換イミダゾリジン類等が挙げられる。
リン含有化合物の具体例としては、トリエチルホスファイト、トリn−プロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリn−ブチルホスファイト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn−ブチルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイト等の亜リン酸エステル類等が挙げられる。
酸素含有化合物の具体例としては、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン、2,2,5,5−テトラエチルテトラヒドロフラン等の2,5−置換テトラヒドロフラン類、1,1−ジメトキシ−2,3,4,5−テトラクロロシクロペンタジエン、9,9−ジメトキシフルオレン、ジフェニルジメトキシメタン等のジメトキシメタン誘導体等が挙げられる。
また、このような酸素含有化合物として、下記一般式(V)で示されるポリエーテル化合物が挙げられる。
Figure 2002088193
一般式(V)中、nは2〜10の整数であり、R11〜R18は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、イオウ、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基であり、R14およびR15は、お互いに同一でも異なってもよい。任意のR11〜R18、好ましくはR14およびR15は、共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい。
このようなポリエーテル化合物としては、具体的には、2−(2−エチルヘキシル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2−クミル−1,3−ジメトキシプロパン、2−(2−フェニルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(2−シクロヘキシルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(p−クロロフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(ジフェニルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(1−ナフチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(2−フルオロフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(1−デカヒドロナフチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(p−t−ブチルフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−プロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−ベンジル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−エチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−フェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(p−クロロフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(2−シクロヘキシルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−(2−エチルヘキシル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジベンジル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジブトキシプロパン、2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−(1−メチルブチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−(1−メチルブチル)−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−t−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジネオペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フェニル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フェニル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ベンジル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ベンジル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フェニル−2−ベンジル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロペンチル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,3−ジフェニル−1,4−ジエトキシブタン、2,3−ジシクロヘキシル−1,4−ジエトキシブタン、2,2−ジベンジル−1,4−ジエトキシブタン、2,3−ジシクロヘキシル−1,4−ジエトキシブタン、2,3−ジイソプロピル−1,4−ジエトキシブタン、2,2−ビス(p−メチルフェニル)−1,4−ジメトキシブタン、2,3−ビス(p−クロロフェニル)−1,4−ジメトキシブタン、2,3−ビス(p−フルオロフェニル)−1,4−ジメトキシブタン、2,4−ジフェニル−1,5−ジメトキシペンタン、2,5−ジフェニル−1,5−ジメトキシヘキサン、2,4−ジイソプロピル−1,5−ジメトキシペンタン、2,4−ジイソブチル−1,5−ジメトキシペンタン、2,4−ジイソアミル−1,5−ジメトキシペンタン、3−メトキシメチルテトラヒドロフラン、3−メトキシメチルジオキサン、1,3−ジイソブトキシプロパン、1,2−ジイソブトキシプロパン、1,2−ジイソブトキシエタン、1,3−ジイソアミロキシプロパン、1,3−ジイソネオペンチロキシエタン、1,3−ジネオペンチロキシプロパン、2,2−テトラメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ペンタメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ヘキサメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、1,2−ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、2,8−ジオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,7−ジオキサビシクロ[3,3,1]ノナン、3,7−ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン、3,3−ジイソブチル−1,5−オキソノナン、6,6−ジイソブチルジオキシヘプタン、1,1−ジメトキシメチルシクロペンタン、1,1−ビス(ジメトキシメチル)シクロヘキサン、1,1−ビス(メトキシメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,1−ジメトキシメチルシクロペンタン、2−メチル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−イソアミル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソブチル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシシクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソブチル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシシクロヘキサン、2−イソブチル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、メチルフェニルビス(メトキシメチル)シラン、ジフェニルビス(メトキシメチル)シラン、メチルシクロヘキシルビス(メトキシメチル)シラン、ジ−t−ブチルビス(メトキシメチル)シラン、シクロヘキシル−t−ブチルビス(メトキシメチル)シラン、i−プロピル−t−ブチルビス(メトキシメチル)シラン等が挙げられる。
これらのうち、1,3−ジエーテル類が好ましく用いられ、特に、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパンが好ましく用いられる。
また、これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(2)固体触媒成分の調製
(A)固体触媒成分の調製は、上記の(a)チタン化合物、(b)マグネシウム化合物、(c)電子供与体、及び必要に応じて(d)ケイ素化物を通常の方法で接触させればよい。
公知の方法には、特開昭53−43094号公報、特開昭55−135102号公報、特開昭55−135103号公報、特開昭56−18606号公報記載の方法等が挙げられる。例えば、(1)マグネシウム化合物又はマグネシウム化合物とマロン酸ジエステル化合物との錯化合物を、マロン酸ジエステル化合物及び所望に応じて用いられる粉砕助剤等の存在下に粉砕して、チタン化合物と反応させる方法、(2)還元能を有しないマグネシウム化合物の液状物と液状チタン化合物とを、マロン酸ジエステル化合物の存在下において反応させて、固体状のチタン複合体を析出させる方法、(3)前記(1)又は(2)で得られたものにチタン化合物を反応させる方法、(4)前記(1)又は(2)で得られたものに、さらに、マロン酸ジエステル化合物及びチタン化合物を反応させる方法、(5)マグネシウム化合物又はマグネシウム化合物とマロン酸ジエステル化合物との錯化合物を、マロン酸ジエステル化合物、チタン化合物及び所望に応じて用いられる粉砕助剤等の存在下で粉砕したのち、ハロゲン又はハロゲン化合物で処理する方法等によって調製することができる。
さらには、これらの方法以外の特開昭56−166205号公報、特開昭57−63309号公報、特開昭57−190004号公報、特開昭57−300407号公報、特開昭58−47003号公報記載の方法等によっても、前記(A)固体触媒成分を調製することができる。
また、周期律表II〜IV族に属する元素の酸化物、例えば酸化ケイ素、酸化マグネシウム等の酸化物又は周期律表II〜IV族に属する元素の酸化物の少なくとも一種を含む複合酸化物、例えばシリカアルミナ等に前記マグネシウム化合物を担持させた固形物と電子供与体とチタン化合物とを、溶媒中で、0〜200℃、好ましくは10〜150℃の範囲の温度にて2分〜24時間接触させることにより、固体触媒成分を調製することができる。
(a)チタン化合物の使用量は、(b)マグネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.5〜100モル、好ましくは、1〜50モルの範囲にするとよい。また、(c)電子供与体の使用量は、(b)マグネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.01〜10モル、好ましくは、0.05〜1.0モルの範囲にするとよい。さらに、(d)ケイ素化合物として四塩化ケイ素を添加してもよい。
上記(a)〜(c)成分または(a)〜(d)成分の接触は、各成分を加えた後、120〜150℃、好ましくは125〜140℃の温度範囲で行なうことが好ましい。接触温度がこの範囲外では、触媒活性や立体規則性の向上効果が十分に発揮されない場合がある。また、接触時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは、10分〜6時間行なわれる。この場合の圧力は、溶媒を使用する場合にはその種類、接触温度等により変化するが、通常、0〜50kg/cmG、好ましくは0〜10kg/cmGの範囲内で行なう。また、接触操作中は、触媒の均一性及び接触効率の面から攪拌を行なうことが好ましい。
さらに、チタン化合物の接触を2回以上行い、触媒担体としての役割をするマグネシウム化合物に十分担持させることが好ましい。接触操作において溶媒を使用する時は、チタン化合物1モルに対して、通常、5,000ミリリットル以下、好ましくは10〜1,000ミリリットル以下の溶媒を使用する。この比が前記範囲を逸脱すると、接触の均一性や接触効率が悪化することがある。
以上の接触で得られた固体触媒成分は、100〜150℃、好ましくは120〜140℃の温度の下、不活性溶媒で洗浄することが好ましい。洗浄温度がこの範囲外では、触媒活性や立体規則性の向上効果が十分に発揮されない場合がある。この不活性溶媒としては、例えば、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、テトラクロロエタン、クロロフルオロ炭素類等のハロゲン化炭化水素又はこれらの混合物を挙げることができる。これらの中では、脂肪族炭化水素が好ましく使用される。
洗浄方法としては、特に制限はないが、デカンテーション、濾過等の方式が好ましい。不活性溶媒の使用量、洗浄時間、洗浄回数についても特に制限はないが、マグネシウム化合物1モルに対して、通常、100〜100,000ミリリットル、好ましくは、100〜50,000ミリリットルの溶媒を使用し、通常、1分〜24時間、好ましくは、10分〜6時間行なわれる。この比が前記範囲を逸脱すると、洗浄が不完全になることがある。
この場合の圧力は、溶媒の種類、接触温度等により変化するが、通常、0〜50kg/cmG、好ましくは0〜10kg/cmGの範囲内で行なう。また、洗浄操作中は、洗浄の均一性及び洗浄効率の面から攪拌を行なうことが好ましい。なお、得られた固体触媒成分は、乾燥状態又は炭化水素等の不活性溶媒中で保存することもできる。
(3)重合
本発明のオレフィン重合用触媒の各成分の使用量については、(A)固体触媒成分は、チタン原子に換算して、反応容積1リットル当たり、通常0.0005〜1ミリモルの範囲になるような量が用いられ、(B)有機アルミニウム化合物は、アルミニウム/チタン原子比が通常1〜1,000、好ましくは10〜500の範囲になるような量が用いられる。この原子比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分となる。また、(C)電子供与性化合物は、(B)有機アルミニウム化合物とのモル比((C)/(B))が、通常0.02〜2.0、好ましくは0.05〜1.0の範囲になるような量が用いられる。このモル比が前記範囲を逸脱すると十分な触媒活性が得られない。
本発明に用いられるオレフィンとしては、一般式(VI)
Figure 2002088193
で表されるα−オレフィンが好ましい。
上記の一般式(VI)において、R19は、水素原子又は炭化水素基であって、炭化水素基では飽和基や不飽和基であってもよいし、直鎖状のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであってもよい。具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等を挙げることができる。これらのオレフィンは一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記オレフィンの中で、特にエチレン、プロピレンが好適である。また、ブタジエン等のジエン類、その他各種オレフィン類も用いることができる。
本発明におけるオレフィンの重合においては、所望に応じ、先ずオレフィンの予備重合を行ったのち、本重合を行ってもよい。この場合、前記(A)固体触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物及び(C)電子供与性化合物を、それぞれ所定の割合で混合してなる触媒の存在下に、オレフィンを通常1〜100℃の範囲の温度において、常圧〜50kg/cmG程度の圧力で予備重合させ、次いで触媒と予備重合生成物との存在下に、オレフィンを本重合させる。この本重合における重合形式については特に制限はなく、溶液重合、スラリー重合、気相重合、バルク重合等のいずれにも適用可能であり、さらに、回分式重合や連続重合のどちらにも適用可能であり、異なる条件での二段階重合や多段重合にも適用可能である。
さらに、反応条件については、その重合圧は、特に制限はなく、通常、大気圧〜80kg/cmG、好ましくは2〜50kg/cmG、重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは、30〜100℃の範囲で適宜選ばれる。重合時間は原料のオレフィンの種類や重合温度によって左右され一概に定めることができないが、通常、5分〜20時間、好ましくは、10分〜10時間程度である。
分子量は、連鎖移動剤の添加、好ましくは水素の添加を行うことで調節することができる。また、窒素等の不活性ガスを存在させてもよい。
また、本発明における触媒成分については、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを所定の割合で混合し、接触させたのち、ただちにオレフィンを導入して重合をおこなってもよいし、接触後、0.2〜3時間程度熟成させたのち、オレフィンを導入して重合を行ってもよい。さらに、この触媒成分は不活性溶媒やオレフィン等に懸濁して供給することができる。
本発明においては、重合後の後処理は常法により行うことができる。すなわち、気相重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体に、その中に含まれるオレフィン等を除くために、窒素気流等を通過させてもよいし、また、所望に応じて押出機によりペレット化してもよく、その際、触媒を完全に失活させるために、少量の水、アルコール等を添加することもできる。また、バルク重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマーから完全にモノマーを分離したのち、ペレット化することができる。
実施例
次に実施例により本発明を具体的に示すが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、固有粘度〔η〕、立体規則性〔mmmm〕は次のようにして求めた。
固有粘度〔η〕:デカリンに溶解し135℃で測定した。
立体規則性〔mmmm〕:重合体を1,2,4−トリクロロベンゼンに溶解し、13C−NMR(日本電子(株)製EX−400)を用いて、130℃にてプロトン完全デカップリング法により測定したメチル基のシグナルを用いて定量した。
なお、[mmmm]とは、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等が「Macromolecules,,925(1973)」で提案した、13C−NMRスペクトルから求められるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位におけるアイソタクチック分率を意味する。
また、13C−NMRスペクトルのピークの帰属決定法は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等の「Macromolecules,,687(1975)」に従った。
〔実施例1〕
(1)固体触媒成分の調製
内容積0.5リットルの攪拌機付きの三つ口フラスコを窒素ガスで置換した後、脱水処理したオクタン60ミリリットル、及びジエトキシマグネシウム16.0g(140ミリモル)を加えた。40℃に加熱し、四塩化ケイ素2.4ミリリットル(35ミリモル)を加えて20分間加熱攪拌した後、2,2−ジメチルマロン酸−n−プロピル2.5グラム(12.7ミリモル)を添加した。この溶液を60℃まで昇温し、引き続き四塩化チタン77ミリリットル(700ミリモル)を滴下し、内温125℃で、2時間攪拌して接触操作を行った。その後、攪拌を停止して固体を沈降させ、上澄みを抜き出した。この固体に100ミリリットルの脱水オクタンを加え、攪拌しながら125℃まで昇温し、1分間保持した後、攪拌を停止して固体を沈降させ、上澄みを抜き出した。この洗浄操作を7回繰り返した。その後、四塩化チタン122ミリリットル(1,120ミリモル)をさらに加え、内温125℃で、2時間攪拌して接触操作を行なった後、脱水オクタン100ミリリットルによる洗浄を上記と同様にして7回行ない、固体触媒成分を得た(チタン担持量=2.43重量%)。
(2)プロピレンスラリー重合
内容積1リットルの攪拌機付きステンレス製オートクレーブを充分乾燥し、窒素置換の後、室温にて脱水処理したヘプタン400mlを加えた。トリエチルアルミニウム2.0ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシラン0.25ミリモル、(1)で得られた固体触媒成分をTi原子換算で0.005ミリモル加え、水素を1kg/cmG張り込み、続いてプロピレンを導入しながら80℃、全圧8kg/cmGまで昇温昇圧してから、60分間重合を行った。その後、降温、脱圧し、内容物を取り出し、2リットルのメタノールに投入し、触媒失活を行った。それをろ別し、真空乾燥して、プロピレン重合体132gを得た(活性:552kg−PP/g−Ti)。重合体の〔η〕は1.15dl/g、立体規則性〔mmmm〕は97.7%であった。
〔比較例1〕
固体触媒成分の調製時に、2,2−ジメチルマロン酸ジ−n−プロピルの代わりに2,2−ジメチルマロン酸ジエチルを使用した以外は、実施例1と同様の触媒調製、重合を行った。得られた固体触媒成分のTi担持量は1.67重量%であった。ポリマー収量は89.0g、重合活性は372kg−PP/g−Ti、重合体の〔n〕は1.03dl/g、立体規則性〔mmmm〕は97.2%であった。
〔比較例2〕
固体触媒成分の調製時に、2,2−ジメチルマロン酸ジ−n−プロピルの代わりに2,2−ジメチルマロン酸ジ−n−ブチルを使用した以外は、実施例1と同様の触媒調製、重合を行った。得られた固体触媒成分のTi担持量は2.21重量%であった。ポリマー収量は94.8g、重合活性は396kg−PP/g−Ti、重合体の〔η〕は1.14dl/g、立体規則性〔mmmm〕は97.8%であった。
〔実施例2〕
固体触媒成分の調製時に、2,2−ジメチルマロン酸ジ−n−プロピルの代わりに2,2−ジエチルマロン酸ジ−n−プロピルを使用した以外は、実施例1と同様の触媒調製、重合を行った。得られた固体触媒成分のTi担持量は2.41重量%であった。ポリマー収量は115g、重合活性は481kg−PP/g−Ti、重合体の〔η〕は1.05dl/g、立体規則性〔mmmm〕は97.4%であった。
〔実施例3〕
(1)固体触媒成分の調製
内容積0.5リットルの攪拌機付きの三つ口フラスコを窒素ガスで置換した後、脱水処理したエチルベンゼン60ミリリットル、及びジエトキシマグネシウム10.0g(87.3ミリモル)を加えた。10℃で四塩化チタンを40ミリリットル(364ミリモル)滴下した後、30℃に昇温して1時間攪拌した。その後90℃に昇温し、2,2−ジメチルマロン酸ジ−n−プロピル1.57グラム(8.0ミリモル)を添加した後、内温125℃で2時間攪拌して接触操作を行った。その後、攪拌を停止して固体を沈降させ、上澄みを抜き出した。この固体に200ミリリットルの脱水エチルベンゼンを加え、攪拌しながら125℃まで昇温し、1分間保持した後、攪拌を停止して固体を沈降させ、上澄みを抜き出した。この洗浄操作を2回繰り返した。その後、エチルベンゼン60ミリリットルと、四塩化チタン40ミリリットル(364ミリモル)とをさらに加え、内温125℃で、2時間攪拌して接触操作を行なった後、脱水オクタン200ミリリットルによる洗浄を上記と同様にして7回行い、固体触媒成分を得た(チタン担持量=2.32重量%)。
(2)プロピレンスラリー重合
実施例1と同様にして重合を行なった。その結果、ポリマー収量は148g、重合活性は620kg−PP/g−Ti、重合体の〔η〕は1.13dl/g、立体規則性〔mmmm〕は96.8%であった。
〔実施例4〕
(1)固体触媒成分の調製
2,2−ジメチルマロン酸−n−プロピル2.5グラム(12.7ミリモル)を添加した代わりに、2−イソプロピルマロン酸ジ−n−プロピル2.6グラム(12.7ミリモル)を添加した他は、実施例1と同様にして、固体触媒成分を得た(チタン担持量=2.43重量%)。
(2)プロピレンスラリー重合
実施例1と同様にして重合を行なった。その結果、ポリマー収量は167g、重合活性は702kg−PP/g−Ti、重合体の〔η〕は1.13dl/g、立体規則性〔mmmm〕は97.8%であった。
〔比較例3〕
固体触媒成分の調製時に、2−イソプロピルマロン酸ジ−n−プロピルの代わりに、2−イソプロピルマロン酸ジエチルを使用した以外は、実施例4と同様の触媒調製、重合を行った。得られた固体触媒成分のTi担持量は1.22重量%であった。ポリマー収量は81.0g、重合活性は338kg−PP/g−Ti、重合体の〔η〕は1.02dl/g、立体規則性〔mmmm〕は97.0%であった。
〔比較例4〕
固体触媒成分の調製時に、2−イソプロピルマロン酸ジ−n−プロピルの代わりに2−イソプロピルマロン酸ジ−n−ブチルを使用した以外は、実施例4と同様の触媒調製、重合を行った。得られた固体触媒成分のTi担持量は1.60重量%であった。ポリマー収量は115g、重合活性は481kg−PP/g−Ti、重合体の〔η〕は1.06dl/g、立体規則性〔mmmm〕は97.8%であった。
〔実施例5〕
固体触媒成分の調製時に、2−イソプロピルマロン酸ジ−n−プロピルの代わりに2−メチルマロン酸ジ−n−プロピルを使用した以外は、実施例4と同様の触媒調製、重合を行った。得られた固体触媒成分のTi担持量は1.20重量%であった。ポリマー収量は131g、重合活性は768kg−PP/g−Ti、重合体の〔η〕は1.20dl/g、立体規則性〔mmmm〕は97.4%であった。
〔実施例6〕
(1)固体触媒成分の調製
2,2−ジメチルマロン酸−n−プロピルを添加する代わりに、2−シクロプロピルマロン酸ジ−n−プロピル1.84グラム(8.0ミリモル)を添加した他は、実施例3と同様にして固体触媒成分を得た(チタン担持量=2.61重量%)。
(2)プロピレンスラリー重合
実施例1と同様にして重合を行なった。その結果、ポリマー収量は129g、重合活性は538kg−PP/g−Ti、重合体の〔η〕は1.13dl/g、立体規則性〔mmmm〕は96.6%であった。
産業上の利用可能性
本発明によれば、電子供与体として安全衛生上の問題を有することなく、高立体規則性を維持したまま、高い重合活性を発現するオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒、並びにオレフィン重合用固体触媒成分及びオレフィン重合体の製造方法を提供できる。
さらに、本発明で使用する電子供与体は、安価で合成も容易であることが多い。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のオレフィンの重合における一態様を表すフローチャートである。

Claims (11)

  1. チタン、マグネシウム及び下記一般式(I)で表される化合物を含むオレフィン重合用固体触媒成分。
    Figure 2002088193
    [一般式(I)中、R及びRは、相互に独立な炭素数3の直鎖状又は分枝状炭化水素基であり、Rは、水素又は炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、Rは、Rが水素のとき、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状炭化水素基又は炭素数3〜4の脂環式炭化水素基であり、Rが炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基のとき、Rと同一の炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、nは、1〜10の整数である。]
  2. 前記一般式(I)において、nが1であり、R及びRが、共にメチル基又はエチル基である請求の範囲第1項記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
  3. 前記一般式(I)において、R及びRが、共にメチル基である請求の範囲第2項記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
  4. 前記一般式(I)において、nが1であり、Rが、水素であり、Rが、メチル基又はi−プロピル基である請求の範囲第1項記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
  5. 前記一般式(I)において、R及びRが、n−プロピル基である請求の範囲第1項に記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
  6. (A)請求の範囲第1〜5項のいずれか一項に記載のオレフィン重合用固体触媒成分、及び
    (B)有機アルミニウム化合物
    を含むオレフィン重合用触媒。
  7. さらに、(C)電子供与性化合物を含む請求の範囲第6項に記載のオレフィン重合用触媒。
  8. 前記電子供与性化合物が、有機ケイ素化合物である請求の範囲第7項に記載のオレフィン重合用触媒。
  9. 少なくともチタン化合物、マグネシウム化合物及び下記一般式(I)で表される化合物を、120〜150℃で接触させるオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
    Figure 2002088193
    [一般式(I)中、R及びRは、相互に独立な炭素数3の直鎖状又は分枝状炭化水素基であり、Rは、水素又は炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、Rは、Rが水素のとき、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状炭化水素基又は炭素数3〜4の脂環式炭化水素基であり、Rが炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基のとき、Rと同一の炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基であり、nは、1〜10の整数である。]
  10. さらに、前記接触で得られた固体触媒成分を、100〜150℃の温度下、不活性溶媒を用いて洗浄する請求の範囲第9項に記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
  11. 請求の範囲第6項に記載のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
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