JPWO2002061502A1 - 光制御方法および装置 - Google Patents

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Abstract

光信号の制御を光信号で行うことができる光制御装置を提供する。波長λ1の第1レーザ光L1および波長λ2の第2レーザ光L2が第1の光カプラ(24)により重畳されて光増幅素子(26)に入力されるとともに、その光増幅素子(26)からの光のうちの第1の光フィルタ素子(29)によって波長λ2について選択された光と波長λ1の第3レーザ光L3とが第2の光カプラ(24’)により重畳されて第2の光増幅素子(26’)に入力される。そして、その第2の光増幅素子(26’)からの光のうちの波長λ1について第2の光フィルタ素子(28)により選択された光が図10の(a)に示す出力信号Ioutに示すように増幅されて出力される。第1波長λ1の第1レーザ光L1を第1波長λ1の第3入力光を用いてスイッチングするなどの制御をして第1波長λ1の出力光として出力したりすることが可能となる。

Description

技術分野
本発明は、光信号を増幅、制御、或いはスイッチングする光機能素子、特に、高度情報処理が可能な光通信、光画像処理、光コンピュータ、光計測、光集積回路などの光エレクトロニクスに好適な光制御方法および光制御装置に関するものである。
背景技術
広帯域且つ高速伝送が可能な光ファイバ通信を用いた動画像通信や映像の分配といった広帯域な新サービスの広範な展開が期待されている。しかしながら、たとえばエレクトロニクスで言えば3端子のトランジスタに相当するような機能(能動)素子、すなわち光信号を他の光信号で直接制御するような光機能素子は、未だ実現されていない。
このため、折角、高速で伝送した光信号を一旦電気信号に変換し、電子回路において情報処理が行われ、処理後の信号を再度光に変換して伝送するというのが実情である。したがって、光を光で直接制御することができないので、信号処理の高速性に限界があった。光信号のまま信号処理ができる場合には、並列処理が可能であると言われており、一層の処理時間の短縮化が期待できるのである。
発明の開示
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、光信号の処理を光で直接行うことができる光制御方法および装置を提供することにある。
本発明者は、以上の事情を背景として種々の検討を重ねた結果、希土類元素添加ファイバアンプ(光増幅素子)において、所定波長λの入力光の周囲波長の自然放出光が、その入力光の強度変化に応答し、その変化は入力光の信号強度変化に対して逆の強度変化をすることを見いだした。また、その自然放出光の波長域内すなわち入力光の周囲波長域内の他の波長λのレーザ光を上記入力光に重畳させて入射させると、上記自然放出光の信号(振幅)変化は維持されつつ、全体の強度が急激に増加するという現象すなわちレーザ誘導光信号増強効果(Laser induced signal enhancement effect)を見い出した。さらに、本発明者は、半導体光増幅素子において、上記と同様な現象の他に、前記波長λのレーザ光を重畳させる代わりに半導体光増幅素子内で発生した光の中から波長λの光を選択的に出力させることによって、上記と同様な現象が得られることを見いだした。これらの現象は、波長λからλへの光信号の波長変換と考えられる。そして、その波長変換方法を2段接続するタンデム波長変換方式による光3端子素子(Tandem Wavelength Convertion Optical Triode)を着想し、その光制御方法および光制御装置をも見いだした。本発明はかかる知見に基づいて為されたものである。
すなわち、請求項1に対応する発明すなわち第1の光制御方法の要旨とするところは、(a)第1波長の第1入力光を第1光増幅素子に入力することにより該第1入力光の波長を含むその第1光増幅素子の増幅利得のある波長域の光を第1入力光の強度変化に応答して強度変化させる工程と、(b)前記第1光増幅素子の増幅利得のある波長域内にある第2波長のレーザ光を前記第1光増幅素子に入力させる工程と、(c)前記第1光増幅素子から放出された光のうち第2波長の光を選択して第2光増幅素子に入力させる工程と、(d)前記第1波長のレーザ光またはその第1波長を含む前記第2光増幅素子の増幅利得のある波長域内にある第3波長のレーザ光を前記第2光増幅素子に入力させる工程と、(e)前記第2光増幅素子から出力された光のうち前記第1波長または第3波長の光を選択して第1波長または該第3波長の光を出力する工程とを、含むことにある。
また、上記光制御方法を好適に実施するための発明すなわち請求項5に対応する光制御装置の要旨とするところは、(a)第1波長の第1入力光が入力されることにより、該第1入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を第1入力光の強度変化に応答して強度変化させる第1光増幅素子と、(b)その第1光増幅素子の増幅利得のある波長域内にある第2波長のレーザ光を前記第1光増幅素子に入力させる第1光入力素子と、(c)前記第1光増幅素子から放出される光のうち第2波長の光を選択する第1光フィルタ素子と、(d)その第1光フィルタ素子により選択された第2波長の光が入力させられることにより、該第2波長の波長を含む増幅利得のある波長域内の光をその第2入力光の強度変化に応答して強度変化させる第2光増幅素子と、(e)前記第1波長のレーザ光またはその第1波長を含むその第2光増幅素子の増幅利得のある波長域内の第3波長のレーザ光をその第2光増幅素子に入力する第2光入力素子と、(f)その第2光増幅素子から出力された光のうちから第1波長または第3波長に光を選択して該第1波長または第3波長の出力光を出力する第2光フィルタ素子とを、含むことにある。
このようにすれば、光信号で光信号を増幅およびスイッチング制御可能な3端子の制御方法および装置が得られる。すなわち、第1光増幅素子では、第1入力光の強度変化に応答して強度変化させられる増幅利得のある周囲波長光の波長域内の第2波長の第2入力光(レーザ光)が入力されると、その第2波長の増幅光が取り出されて第2光増幅素子に入力され、ここにおいてもその第2波長の増幅光の強度変化に応答して強度変化させられる増幅利得のある周囲波長光の波長域内の第3波長(または第1波長)の第3入力光がその第2光増幅素子に入力させられると、その第3波長(または第1波長)の出力光が出力される。この出力光は、第3入力光に同期してスイッチングされるとともに、さらに増幅されている。
また、前記目的を達成するための請求項2にかかる発明すなわち第2の光制御方法の要旨とするところは、(a)第1波長の第1入力光を第1半導体光増幅素子に入力することによりその第1半導体光増幅素子内で発生する光を該第1入力光の強度変化に応答して強度変化させる工程と、(b)前記第4半導体光増幅素子内で発生する増幅利得のある波長域内の光のうち第2波長の光を選択してその第2半導体光増幅素子に入力させる工程と、(c)前記第1波長のレーザ光またはその第1波長を含む上記第2半導体光増幅素子の増幅利得のある波長域内にある第3波長のレーザ光を前記第2半導体光増幅素子に入力させる工程と、(d)前記第2半導体光増幅素子から出力された光のうち前記第1波長または第3波長の光を選択して第1波長または該第3波長の光を出力する工程とを、含むことにある。
また、上記第2の光制御方法を好適に実施するための請求項6に対応する光制御装置の要旨とするところは、(a)第1波長の第1入力光が入力されることにより、第1入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を第1入力光の強度変化に応答して強度変化させる第1半導体光増幅素子と、(b)前記第1波長の光を前記第1半導体光増幅素子に入力する第1光入力素子と、(c)その第1半導体光増幅素子内で発生する増幅利得のある波長域内の第2波長の光を選択して出力光を取り出す第1光フィルタ素子と、(d)その第1光フィルタ素子から出力された第2波長の光が入力させられることにより、該第2波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該第2波長の光の強度変化に応答して強度変化させる第2半導体光増幅素子と、(e)前記第1波長のレーザ光またはその第1波長を含む上記第2半導体光増幅素子の増幅利得のある波長域内の第3波長のレーザ光を前記第2半導体光増幅素子に入力する第2光入力素子と、(f)前記第2半導体光増幅素子から出力された光のうちから第1波長または第3波長の光を選択して該第1波長または第3波長の出力光を出力させる第2光フィルタ素子とを、含むことにある。
このようにすれば、光信号で光信号を増幅およびスイッチング制御可能な3端子の制御方法および装置が得られる。すなわち、第1半導体光増幅素子では、第1入力光の強度変化に応答して増幅利得のある波長域内の光が強度変化させられ、その第1半導体光増幅素子内で発生した強度変化させられた波長域の光のうちの第2波長の増幅光が取り出されて第2半導体光増幅素子に入力され、ここにおいてもその第2波長の増幅光の強度変化に応答して強度変化させる周囲波長の光の波長域内の第3波長(第1波長)の第2入力光が入力させられると、その第3波長(第1波長)の出力光が出力される。この出力光は、第2入力光に同期してスイッチングされるとともに、さらに増幅されている。
また、前記目的を達成するための請求項3に対応する第3の光制御装置の要旨とするところは、(a)第2波長の入力光が入力されることにより該入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該入力光に応答して強度変化させる光増幅素子と、(b)その光増幅素子の増幅利得のある波長域内である第1波長のレーザ光をその光増幅素子に入力させる光入力素子と、(c)前記光増幅素子から出力された光のうち前記第1波長の光を選択して該第1波長の出力光を出力させる光フィルタ素子とを、含むことにある。
このようにすれば、入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該入力光に応答して強度変化させる光増幅素子内に、その波長域内の第1波長のレーザ光が入力されると、その波長域内の第1波長が増幅された出力光が得られるので、第1入力光に対して反転した波形の増幅信号が得られる。
また、前記目的を達成するための請求項4に対応する第4の光制御装置の要旨とするところは、(a)第1波長の入力光が入力されることにより該入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該入力光に応答して強度変化させる半導体光増幅素子と、(b)その半導体光増幅素子の増幅利得のある波長域内である第1波長のレーザ光をその光増幅素子に入力させる光入力素子と、(c)その半導体光増幅素子内で発生した光のうち前記第2波長の光を選択して該第2波長の出力光を取り出す光フィルタ素子とを、含むことにある。
このようにすれば、入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該第1入力光に応答して強度変化させる半導体光増幅素子内において、その波長域内の第2波長のレーザ光が選択されると、その波長域内の第2波長が増幅された出力光が得られるので、第1入力光に対して反転した波形の増幅信号が得られる。
ここで、好適には、前記光増幅素子は、希土類元素がドープされたファイバアンプである。このようにすれば、ファイバアンプの一端から重畳した第1波長の光および第2波長の光を容易に入力させることができ、他端から容易に出力光を取り出すことができる。また、好ましくは、前記光増幅素子は、エルビウムが高濃度で添加されたガラスファイバが、そのエネルギ準位における基底吸収可能な波長たとえば0.98μmまたは1.48μmの励起光で励起されているものである。このようにすれば、エルビウムの高濃度添加によって自然放出準位の寿命(ライフタイム)が減少し、高速動作が可能となる。
また、好適には、前記半導体光増幅素子は、電流が通過させられるとpn接合部分すなわち活性層(発光層)から光が発生させられる半導体光増幅素子である。このようにすれば、素子の小型化とスイッチング速度の高速化が可能となる。上記半導体光増幅素子は、好適には、両端面が無反射処理された進行波型半導体光増幅素子(SOA)、端面間で光共振器を構成するファブリーペロ型半導体レーザや、分布帰還型半導体レーザ、分布ブラッグ反射器型半導体レーザ、外部共振型半導体レーザ、面発光型半導体レーザなどのいずれかから構成される。また、それら半導体光増幅素子のpn接合部分である活性層は、発光効率およびスイッチング速度を高めるために、量子井戸、量子細線、量子箱、歪み超格子から構成される。
また、好適には、前記光フィルタ素子は、ファイバーまたは導波路の一部が長手方向において屈折率が周期的に変化させられたグレーティングフィルタである。このようにすれば、光制御装置が光ファイバまたは光導波路から構成される場合には、光ファイバまたは導波路の一部または全部を上記グレーティングフィルタとすることができるので、光制御装置が一層小型となる。
また、好適には、前記光フィルタ素子は、導波路の表面の長手方向において周期的な凹凸を設けることにより構成された光フィルタ部である。このようにすれば、導波路内において屈折率の周期的変化を設ける必要がないので、モノリシック光ICとして容易に集積できる。
また、好適には、前記光フィルタ素子は、所定波長の光を選択的に透過或いは反射させるために、屈折率が異なる多数組の層が積層されることにより構成されることができる。このような場合には、特に面発光半導体レーザを用いる場合に有効となる。
また、好適には、前記光入力素子は、光カプラ、方向性結合器、または光サーキュレータから構成される。特に、光サーキュレータを用いれば、半導体レーザの出力部から第1入力光を入力させることができるので、安価な市販の半導体レーザを用いることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施例の光制御装置10を図面に基づいて詳細に説明する。
図1において、第1レーザ光源12は、たとえば1534nmの第1波長λの第1レーザ光Lを出力し、第1光変調器14が設けられた第1光ファイバFを介して伝播させる。第2レーザ光源16は、たとえば1555nmの第2波長λの第2レーザ光Lを出し、第2光変調器18が設けられた第2光ファイバFを介して伝播させる。上記第1レーザ光源12および第2レーザ光源16はたとえば可変波長半導体レーザが用いられる。上記第1光変調器14および第2光変調器18は、信号発生器20および22からの電気信号に従って、その信号の周波数のパルス信号となるように通過光をパルス変調する。光カプラ24は、上記第1光ファイバFおよび第2光ファイバFを第3光ファイバFへ接続し、それら第1光ファイバFおよび第2光ファイバFを伝播してきた第1レーザ光Lおよび第2レーザ光Lを重畳し、第3光ファイバFを介して光増幅素子26へ入力する。光フィルタ素子28は、光増幅素子26に接続され、その光増幅素子26から出力された光のうちから第1波長λの光を選択し、出力光として出力する。それら光増幅素子26および光フィルタ素子28が、第2レーザ光Lの信号を波長λの信号に変換しその信号を直接的に増幅して出力する光制御装置10に対応している。図1には、上記重畳した第1レーザ光Lおよび第2レーザ光Lと光フィルタ素子28を透過した出力光とをそれぞれモニタするための一対の光検出器30、32と、その光検出器30および32により検出された光信号を観測するオシロスコープ34とが設けられている。
上記光増幅素子26は、たとえば石英系或いは弗化物系ガラスなどの光透過媒体であり、たとえばエルビウム元素などの希土類元素がドープされることにより、たとえば図2に示すように、3準位系または4準位系のエネルギ準位がその光透過媒体内に構成されて、所謂レーザシステムが形成されている。本実施例の光増幅素子26は、エルビウム元素およびアルミニウムがドープされることにより1700ppm程度の比較的高濃度のエルビウムイオンEr3+および10000ppm程度のアルミニウムイオンAl3+を含む20m程度の長さのガラス製光ファイバーから構成されているので、エルビウムドープドファイバアンプ(EDFA)とも称される。この光増幅素子26は、励起状態において前記第1波長λ或いは第2波長λの光が光増幅可能とされるものであり、たとえば1.48μmの波長のレーザ光がその長手方向に伝播させられることによりエルビウムが励起状態に維持されていて、それらのうちのいずれかの波長の光、たとえば第2波長λの光が入射されると、たとえば図3の(a)に示すように、その第2波長λを中心としたブロード(広帯域)な自然放出光(ASE)が発生させられるとともに、その第2波長λのレーザ光の強度を高めると、図3の(b)に示すように、中心波長の強度は高くなるがその周囲波長域の光の強度は逆に低くなる現象が発生する。上記自然放出光すなわち周囲光は、光増幅素子26の増幅利得のある波長域である。
また、上記光フィルタ素子28は、たとえば紫外線が局部的に照射されることにより、ガラスファイバーの一部が長手方向において屈折率が周期的に変化させられたファイバーグレーティングフィルタであって、第1波長λを中心波長とし且つ半値幅が1nmの光を選択して透過させるものであり、たとえば上記光増幅素子26を構成するガラス製光ファイバーの終端部に設けられる。
以上のように構成された図1の光制御装置10において、変調された第2レーザ光Lだけが光増幅素子26に入力されると、光フィルタ素子28により選択された出力光のスペクトルは、図4の(a)に示すものとなり、変調されない第1レーザ光Lを第2レーザ光Lに重畳した光が光増幅素子26に入力されると、光フィルタ素子28により選択された出力光のスペクトルは、図4の(b)に示すものとなる。図4の(a)および(b)における出力光は、第2波長λの第2レーザ光Lにより光増幅素子26内に発生した自然放出光内から光フィルタ素子28により選択された波長λの成分であり、変調されない第1レーザ光Lが第2レーザ光Lに重畳された図4(b)では、前記レーザ誘導光信号増強効果により、出力光強度のピーク値が大幅高くされている。上記変調されない光とは、一定強度の連続光(Continuous Wave)であることを意味している。
したがって、図1の光制御装置10において、第2レーザ光Lに対して第2変調器18を用いて1kHzの変調を行うとともに、その変調された第2レーザ光L(I)に変調されていない第1レーザ光L(I)を重畳させた光が光増幅素子26に入力されると、図5の(c)に示す1kHzの入力信号(第2レーザ光L)から図5の(a)の出力光(Iout)に示すように増幅される。図5の(b)は、光増幅素子26に入力させられる変調された第2レーザ光Lに対して変調されない第1レーザ光Lを重畳させない場合の出力光を示している。上記において、光パワーメータを用いて光強度を測定したところ、Iout=273μW(I=0μW)、Iout=1350μW(I=5μWのとき)であった。このことから、第1レーザ光Lを重畳することによって、出力光強度Ioutが大幅に増幅されていることが明らかである。一方出力光波形は入力光波形に対して逆転しており、入力光の変調度(%)[=100×(Imax−Imin)/(Imax+Imin),但し、Imaxは光信号の最大値、Iminは光信号の最小値]は維持されて出力されている。
上記光増幅素子26および光フィルタ素子28を含む本実施例の光制御装置10によれば、第2波長λの第2入力光である第2レーザ光Lが光増幅素子26に入力され、その第2波長λの周囲光(自然放出光)の波長帯域(周囲波長域)内においてその第2波長λとは異なる第1波長λの第1入力光である第1レーザ光Lが光入力装置或いは光入力素子として機能する光カプラ24により光増幅素子26に入力され、それら第2レーザ光Lおよび第1レーザ光Lが相互に重畳させられ、その光増幅素子26からの光が光フィルタ素子28により第1波長λの光に選択されて出力光とされると、その出力光は、第2波長λの第2レーザ光Lの信号変化に応答して、その第2レーザ光Lの信号変化を増幅したものとなる。すなわち、入力信号である変調された第2レーザ光Lに対して位相は反転するものの、その第2レーザ光Lの信号強度Iを大きく増幅した信号強度Ioutを有する出力光が得られる。
また、本実施例の光増幅素子26は、たとえばエルビウム元素がドープされたガラスファイバーから構成されるので、そのガラスファイバーの一端に重畳した第1レーザ光Lおよび第2レーザ光Lを入射させ、他端から出た光を光フィルタ素子28を通して容易に取り出すことができる。また、上記光増幅素子26は、エルビウムが高濃度で添加されたガラスファイバが、そのエネルギ準位における基底吸収可能な波長たとえば0.98μmまたは1.48μmの励起光が入射されてそれにより射されて励起されているものである。このようにすれば、エルビウムの高濃度添加によって自然放出準位の寿命(ライフタイム)が減少し、高速動作が可能となる。
また、本実施例の光フィルタ素子28は、光出力素子或いは光出力装置としても機能するものであり、ガラスファイバーの一部が長手方向において屈折率が周期的に変化させられたグレーティングフィルタであることから、光増幅素子26がガラスファイバーであると、そのガラスファイバーの一部或いはそれに接続されたガラスファイバーを上記グレーティングフィルタとすることができるので、光機能素子として機能する光増幅装置10が一層小型となる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、図1の装置において、第1変調器14を用いて20kHzの変調をさらに行った場合の波形を示している。図6の(a)は1kHzの変調を受けた入力信号(第2レーザ光L)であり、図6の(b)はその第2レーザ光Lの入力信号と20kHzの変調を受けた入力信号(第1レーザ光L)とが重畳された光出力(Iout)を示している。これは、信号周波数が低い場合を確認したものであり、Lの変調周波数はG(ギガ)Hzオーダでも十分に増幅できる。また、図6のTに示すレベルの閾値を設定し、上記光出力をその閾値Tを境にしてスイッチングが行われるようにすることが可能である。
図7は、図1の実施例で用いられた光制御装置10を2つ用いて1対2の光スイッチを構成した光制御装置38を示している。図7において、1対の光増幅素子26、26’には、図8の(1)に示すレーザ光源12からの波長λの変調信号が入力されるとともに、図8の(2)、(4)に示す1対のレーザ光源16、16’からの互いに反転した位相の波長λの変調信号が、光カプラ24、24’により上記波長λの変調信号に重畳されてから入力されると、上記1対の光増幅素子26、26’からの光を波長λについて選択する1対の光フィルタ素子28、28’をそれぞれ透過して出力された1対の光出力は、図8の(3)、(5)に示すように、上記変調された波長λのレーザ光が上記波長λのレーザ光によりスイッチングされた信号となる。
図9の光制御装置40においては、波長λの第1レーザ光L(第1入力光:Iin)および波長λの第2レーザ光L(第2入力光:バイアス光Ibias)が第1の光カプラ24により重畳されて光増幅素子26に入力されるとともに、その光増幅素子26からの光のうちの第1の光フィルタ素子29によって波長λについて選択された光と変調されない連続光である波長λの第3レーザ光L(第3入力光:制御光I)とが第2の光カプラ24’により重畳されて第2の光増幅素子26’に入力される。そして、その第2の光増幅素子26’からの光のうちの波長λについて第2の光フィルタ素子28により選択された光が図10の(a)に示す出力信号Ioutに示すように増幅されて出力される。図10において、(b)は上記第2の光増幅素子26’に入力されるとき、光フィルタ素子29によって波長λについて選択された光に対して第3レーザ光Lを重畳しない場合の光出力信号を示し、(c)は上記第1レーザ光Lの信号波形を示している。
図11は、上記図9の光制御装置40において、第3レーザ光L(第3入力光:制御光I)をパラメータとする入出力特性すなわち第1レーザ光L(第1入力光:Iin)の入力信号強度と出力光(Iout)の入力信号強度と関係を示している。この図11から明らかなように、制御光Iの信号強度が零である場合にはほとんど出力光強度が得られないが、制御光Iを注入することによって急激に出力光強度が増加させられる。すなわち、第1波長λの第1レーザ光Lの信号を増幅して第1波長λの出力光として出力したり、第1波長λの第1レーザ光Lを第1波長λの第3入力光を用いてスイッチングするなどの制御をして第1波長λの出力光として出力したりすることが可能となり、3端子のトランジスタと同様に、第1波長λの制御光Iによって出力光強度が制御される。
本実施例によれば、上記出力信号光Ioutは、第1レーザ光L(第1入力光:Iin)の第1波長λと同じ波長が得られると同時に、その第1波長λの第1入力光の信号変化と同位相且つそれを増幅した信号となるので、多段に連結される光回路において、入出力光が同一波長となるので有利となる。
なお、前記図1の光増幅素子26は、エルビウム元素を含むガラス製光ファイバーであったが、プラセオジムが添加(ドープ)された光ファイバーであってもよい。この場合においては、波長λが1322nmの第1レーザ光と、波長λが1330nmの第2レーザ光とが好適に用いられる。また、その光増幅素子26として、後述のようなたとえばInGaAsP/InP半導体光増幅素子などが用いられてもよい。この場合には、波長λが1550nmの第1レーザ光と、波長λが1530nmの第2レーザ光とが好適に用いられるとともに、光制御装置の小型化とスイッチング速度の高速化が可能となる。
図12は、素子の両端面の反射率をたとえば0.1乃至1%以下に低く抑制した進行波型の半導体光増幅素子(SOA:semiconductor optical amplifier)を用いて、たとえば図9に示す光制御装置50内の光増幅素子26および26’を構成することができる。この場合には、各半導体光増幅素子26および26’に対して250mAの注入電流を与えると、約20dB程度のゲインが得られた。この場合、第3入力光としてλ以外の波長λを用い、光フィルタ部28をλに設定することにより、信号のスイッチングや増幅の他に、λの波長を取り出す波長変換素子としても利用できる。上記光増幅素子26を構成する進行波型の半導体光増幅素子では、光増幅素子26の活性層を構成する物質のバンドギャップで決まる増幅ゲインのある(増幅利得が1以上の)周囲波長域内であるレーザ光である第1波長(λ)の入力光Iinとバイアス光すなわち波長(λ)の入力光Ibiasとが重畳して入力されると、第1波長(λ)の入力光Iinの入力波形に対して反転した波長λの出力光がフィルタ部29を通して出力され、光増幅素子26’では、同様にその光増幅素子26’の周囲波長域内のその波長λの光増幅素子26からの出力光と波長λの第3入力光とが入力されると、その出力光に反転し且つ強度が高められた波長λの出力光Ioutが出力され、図10に示すものと同様の入出力関係が得られる。
図13は、半導体光増幅部46と光フィルタ部48とを備えた光制御装置50を示している。この光制御装置50は、たとえばファブリーペロ型半導体レーザ、外部共振型半導体レーザ、面発光型半導体レーザ、単一縦モード発振型半導体光増幅素子などから構成される。この半導体光増幅素子46は、電流注入により励起された活性(発光)層からレーザ光(Iout)が出力されるが、出力光の一部が帰還される機能を備えたものであり、好適には、外部共振器型半導体レーザ素子や、たとえば図14(a)に示す分布帰還型(DFB;distributed feedback)半導体レーザ素子、図14(b)に示す分布ブラッグ反射器型(DBR;distributed Bragg reflector)半導体レーザ素子などの帰還型半導体光増幅素子から好適に構成される。上記分布帰還型(DFB)半導体レーザ素子或いは分布ブラッグ反射器型(DBR)半導体レーザ素子は、導波路となる活性層とそれに隣接する層との接合境界面すなわち導波路の表面にたとえばレーザ干渉露光法によって周期的な微細な凹凸を設けるとその周期的な凹凸が回折格子或いはブラッグ反射器として機能して反射する現象があるので、その回折格子或いはブラッグ反射器の反射に由来する発振波長選択機能が利用される。すなわち、活性層での発振(増幅)は上記回折格子或いはブラッグ反射器の最大反射率となる波長λすなわち凹凸周期Λ値で決まる波長λ(=2nΛ/l、但しnはモード屈折率、lは回折次数)で単一縦モードにより行われるので、その発振波長λのレーザ光が出力される。したがって、上記分布帰還型(DFB)半導体レーザ素子或いは分布ブラッグ反射器型(DBR)半導体レーザ素子などの半導体光増幅素子では、活性層を構成する物質で定まる増幅利得のある(増幅ゲインが1より大)波長域の光が発生させられてその波長域内で増幅されるが、その増幅利得のある波長域内において、上記周期的な微細な凹凸で定まる単一の発振波長λで発振させられる。このように、導波路との境界面において微細な凹凸が形成された活性層は、前記半導体光増幅部46および光フィルタ部48として機能している。これら分布帰還型(DFB)半導体レーザ素子或いは分布ブラッグ反射器型(DBR)半導体レーザ素子は、端面に反射鏡を設けなくてよいので、モノリシック集積化に適している。
以上のように構成された図13の光制御装置(DFB半導体レーザ素子或いはDBR半導体レーザ素子)50において、たとえば波長λが1550nmであるレーザ光源12からの第1レーザ光Lが変調器14にて変調されて入力されると、この変調された第1レーザ光Lは半導体光増幅部50内において周囲波長域内の光に対して変調すなわち入力光の強度変化に反転する強度変化を与える。この現象は、クロスゲイン変調(XGM)と称される。光制御装置50を構成する上記半導体レーザ増幅器では、凹凸周期Λ値で決まる波長で単一縦モードで発振が行われるので、上記入力光Iinの波長λ(=1550nm)の周囲波長であって上記凹凸周期Λ値で決まる波長λ(たとえば1540nm)の第2波長λの出力光Ioutが出力される。この周囲波長とは、活性層を構成する物質のエネルギ準位で決まるものであって、上記半導体レーザ増幅器において増幅利得のある(増幅ゲインが1より大である)波長帯城を示している。上記入力光Iinの波長λや出力光Ioutの波長λも、上記半導体(DFB)レーザ素子の増幅ゲインのある帯域内で任意に選択設定されたものが用いられ得る。
因みに、図15は、光制御装置50を構成する半導体レーザ増幅器として、InGaAsPの多重量子井戸構造を備えた活性層のDFBレーザ素子が30mAの注入電流で駆動されている場合において、1MHzで変調された波長λの入力光Iinの波形と、波長λの出力光Ioutの波形とを示している。入力光Iinは100%近くの変調度であるのに対し、出力光Ioutでも100%近くの変調度が得られている。一般に、端面反射率をたとえば0.1乃至1%以下に低く設定した進行波型半導体光増幅素子では、クロスゲイン変調による出力光の変調度は小さいことが確認されているのに対し、本実施例では十分に大きな出力光Ioutの変調度が得られている。それ故、上記光制御装置50を構成するDFBレーザ素子は、出力光の波長を入力光Iinの周囲波長内の第2波長λに選択する光フィルタ機能と、共振器としてとして光を帰還させることにより出力光の変調度を大きくする光増幅器機能とを備えていると言える。
また、図1、図9の実施例では、入力光として2つの波長のレーザ(一方はバイアス光)を用いていたが、本実施例の光制御装置50を構成するDFB半導体レーザ素子では、半導体光増幅部46内において発生する光を出力光(バイアス光)Ioutとするため、入力光Iinは1つでよく、外部からのバイアス光は不要となる利点がある。
また、上記DFB半導体レーザ素子の出力側から入力光Iinを光サーキュレータを用いて入射させ、その光サーキュレータを介して出力光Ioutを取り出すことができる。これにより、光学的には光出力部を備えているだけの通常の市販の半導体レーザ素子を、上記光制御装置50として用いることが可能となる。
また、上記光制御装置50を構成するDFB半導体レーザ素子或いはDBR半導体レーザ素子などにおいて、1重或いは多重の量子井戸だけでなく、量子細線、量子箱(量子ドット)を有する活性層が備えられていてもよい。また、それらDFB半導体レーザ素子或いはDBR半導体レーザ素子などは、偏波依存性のない出力光を得るために、格子定数差で歪みを設けた歪み超格子を備えたものであってもよい。
図16は、本発明の他の実施例である、DFB半導体レーザ素子から成る第1半導体増幅素子62とDBR半導体レーザ素子から成る第2半導体増幅素子64とから構成される3端子の光制御装置60を示している。この3端子の光制御装置60は、好適には、多数の光制御素子或いは光制御装置が集積されるモノリシック構造の光IC内の一部に設けられ得るものである。この光制御装置60は、たとえば強度変調された波長λの入力光Iinが波長λで発振するように設定された第1半導体増幅素子62に入力され、その第1半導体増幅素子62からの波長λのレーザ光と強度変調された波長λの制御光Iとが方向性結合導波路66により重畳されて第2半導体素子64へ入力される。この第2半導体素子64は波長λで発振するように設定されているので、波長λの出力光Ioutが得られる。上記波長λおよびλは第1半導体増幅素子62および第2半導体増幅素子64の周囲波長内に属している。本実施例では、DFB半導体レーザ素子から成る第1半導体増幅素子62においてスイッチングが好適に行われ、DBR半導体レーザ素子から成る第2半導体増幅素子64において信号増幅が好適に行われる。図17は、この3端子の光制御装置60における入力光Iin、制御光I、出力光Ioutの波形を示している。図17において、出力光Ioutの波形は、入力光Iinに対して大幅に増幅されており、しかも強度変調された波長λの制御光Iにより制御されている。
図18に示す3端子の光制御装置66は、DFB半導体レーザ素子或いはDBR半導体レーザ素子などのたとえば波長λにおける単一波長発振モードによる光選択機能を有する第1半導体光増幅素子68と、第1半導体光増幅素子68にその光出力部から変調をかけるための入力光Iinを入力させるための光サーキュレータ70と、両端面の反射率をたとえば0.1乃至1%以下に低く抑えた進行波型半導体光増幅素子(SOA)から構成されることにより複数波長で増幅可能な第2半導体光増幅素子74と、その第2半導体増幅素子74に上記入力光Iinと制御光Iとを重畳して入力させるための方向性光結合器72と、その出力波長から1波長たとえばλを選択する光フィルタ76とを備えている。本実施例では、たとえば強度変調された波長λの入力光Iinが波長λで発振するように設定された第1半導体増幅素子68に入力され、その第1半導体増幅素子68からの波長λのレーザ光と強度変調された波長λの制御光Iとが方向性結合器72により重畳されて第2半導体素子74へ入力される。この第2半導体素子74における出力波長から上記光フィルタ76により選択された第3波長λの出力光Ioutが得られる。本実施例によれば、変調をかけるための入力光Iinが光サーキュレータ70により第1半導体増幅素子68の光出力部からを入力されるので、市販の半導体レーザ素子がそのまま第1半導体増幅素子68として用いられる。また、上記制御光Iとして第3波長λを用い、光フィルタ76を第3波長λを選択するものとすることにより、出力光Ioutの波長をλとする波長変換素子として利用することができる。本実施例では、第2半導体増幅素子74が周囲光の波長帯内において信号増幅する進行波型半導体光増幅素子(SOA)から構成されるので、制御光Iの波長λと光フィルタ76の選択波長とを設定することにより出力光Ioutの波長を周囲光の波長帯内に任意に設定できる利点がある。したがって、制御光Iの波長λと光フィルタ76の選択波長をλに設定することもできる。
図19は、上記3端子の光制御装置66における入力光Iin、制御光I、出力光Ioutの波形を示している。入力光Iinとして歪んだ波形が用いられており、その歪んだ波形の入力光Iinが制御光Iによって変調されると同時に、きれいな矩形波に成形されるとともに振幅増幅されて出力光Ioutが得られている。すなわち、光制御装置としての重要な機能である以下に説明する3R機能すなわち波形成形機能、正確な信号タイミング決定機能、強い光(増幅)の光再送機能が得られる。
因みに、従来の光通信分野における光信号の再生中継では、一般に、光信号を検波して電気信号に変換し、電気領域で波形成形(Reshaping)が行われ、波形成形された信号からクロックを抽出し、そのクロックに従ってオンオフの判定を行うタイミングが決定(Retiming)され、次いで、オンオフを識別して、その識別信号により再度光源を変調して強い光が送出(Regeneration)される。この3つの機能が3R機能と称される。しかし、このような従来の電気による光信号の中継は、速度の面で限界があった。電気による光信号処理の速度限界は10乃至40GHzであるため、時間多重可されたこのビットレート以上の高速通信を扱うことができないのである。また、光信号から電気信号への変換、電気信号から光信号への再生を行うために部品が多くなって高価となっていた。これに対して、エルビウムドープ光ファイバから成る光増幅素子を用いることにより光信号をそのままで増幅して伝送中の減衰による損失は補償され得るけれども、上記クロックに従ってオンオフの判定を行うタイミング決定(Retiming)や、波形成形(Reshaping)が得られないので、アナログ的に波形歪みやパルスのジッタが蓄積するという問題が残されたいたのである。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例において、光増幅素子26および光フィルタ素子28が1組で1つの光機能素子とすると、図1および図13の実施例では1つの光機能素子が用いられ、図9、図16、図18の実施例では2つの光機能素子が直列に用いられていることになるが、3以上の光機能素子が直列に或いは並列に用いられても差し支えない。
また、前述の実施例における他の光増幅素子26、26’、46、62、64、68、74においても、発振波長(増幅波長)が1500nm帯の場合には、InGaAsP/InP半導体光増幅素子が好適に用いられるが、たとえばInGaP、InGaAs、AlGaAs、InGaAlN、InGaNAs、InAsP、AlGaInAs、InGaN、InGaAsSb、InAsPSb、AlGaAsSb、PbSnTe、PbTeS、PbTeSe、PbSSe、ZnOなどのIII−V族混晶半導体をはじめとする多元混晶半導体などが活性層の材料として用いられ得るとともに、それらの組成比(混晶比)を変化させることにより光増幅する波長が任意に設定される。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の一実施例の光制御装置の構成を説明するブロック図である。
図2は図1の実施例における光増幅素子のエネルギ準位構造を説明する図である。
図3は図1の実施例における光増幅素子において、入射光に基づいて発生する自然放出光のスペクトルを説明する図である。
図4は図1の光制御装置において、第2波長λの第2レーザ光Lにより光増幅素子内に発生した自然放出光内から光フィルタ素子により選択された波長λの成分を示すスペクトルであって、(a)は上記第2レーザ光Lに波長λの第1レーザ光Lが重畳されない場合を示し、(b)は上記第2レーザ光Lに第1レーザ光Lが重畳された場合を示している。
図5は図1の光制御装置において、第2波長λの入力光強度Iと波長λの出力光強度Ioutとの信号波形を共通の時間軸上において対比して示す図である。
図6は図1の光制御装置において、第2波長λの入力光強度Iに重畳される波長λの第1レーザ光Lに変調を行った場合の、入力光強度Iと出力光強度Ioutとの信号波形を共通の時間軸上において対比して示す図である。
図7は本発明の他の実施例における光制御装置の構成を説明する図である。
図8は図7の実施例における入出力波形を共通の時間軸上において対比して示す図である。
図9は本発明の他の実施例における光制御装置の構成を説明する図である。
図10は図9の実施例における入出力波形を共通の時間軸上において対比して示す図である。
図11は図9の実施例における、制御光をパラメータとした入力光強度と出力光強度との関係を示す図である。
図12は本発明の他の実施例における光制御装置の構成を説明する図である。
図13は本発明の他の実施例における光制御装置の構成を説明する図である。
図14は図13の実施例の光制御装置を構成する半導体光増幅素子の構成を説明する斜視図であって、(a)はDFB半導体レーザ素子を、(b)はDBR半導体レーザ素子をそれぞれ示している。
図15は図13の実施例の光制御装置の作動を説明するためにその入力光の波形および出力光の波形をそれぞれ示す図である。
図16は本発明の他の実施例における光制御装置の構成を説明する図である。
図17は図16の実施例の光制御装置の作動を説明するためにその入力光の波形、制御光の波形および出力光の波形をそれぞれ示す図である。
図18は本発明の他の実施例における光制御装置の構成を説明する図である。
図19は図18の実施例の光制御装置の作動を説明するためにその入力光の波形、制御光の波形および出力光の波形をそれぞれ示す図である。

Claims (15)

  1. 第1波長の第1入力光を第1光増幅素子に入力することにより該第1入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を第1入力光の強度変化に応答して強度変化させる工程と、
    前記第1光増幅素子の増幅利得のある波長域内にある第2波長のレーザ光を前記第1光増幅素子に入力させる工程と、
    前記第1光増幅素子から放出された光のうち第2波長の光を選択して第2光増幅素子に入力させる工程と、
    前記第1波長のレーザ光またはその第1波長を含む前記第2光増幅素子の増幅利得のある波長域内にある第3波長のレーザ光をその第2光増幅素子に入力させる工程と、
    前記第2光増幅素子から出力された光のうち前記第1波長または第3波長の光を選択して第1波長または該第3波長の光を出力する工程と
    を、含むことを特徴とする光制御方法。
  2. 第1波長の第1入力光を第1半導体光増幅素子に入力することにより該第1半導体光増幅素子内で発生する光を該第1入力光の強度変化に応答して強度変化させる工程と、
    前記第1半導体光増幅素子内で発生する増幅利得のある波長域内の光のうち第2波長の光を選択して第2半導体光増幅素子に入力させる工程と、
    前記第1波長のレーザ光またはその第1波長を含む前記第2半導体光増幅素子の増幅利得のある波長域内にある第3波長のレーザ光を前記第2半導体光増幅素子に入力させる工程と、
    前記第2半導体光増幅素子から出力された光のうち前記第1波長または第3波長の光を選択して第1波長または該第3波長の光を出力する工程と
    を、含むことを特徴とする光制御方法。
  3. 第2波長の入力光が入力されることにより該入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該入力光に応答して強度変化させる光増幅素子と、
    該光増幅素子の増幅利得のある波長域内である第1波長のレーザ光を該光増幅素子に入力させる光入力素子と、
    前記光増幅素子から出力された光のうち前記第1波長の光を選択して該第1波長の出力光を出力させる光フィルタ素子と
    を、含むことを特徴とする光制御装置。
  4. 第1波長の入力光が入力されることにより該入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該入力光に応答して強度変化させる半導体光増幅素子と、
    該半導体光増幅素子の増幅利得のある波長域内である第1波長のレーザ光を該光増幅素子に入力させる光入力素子と、
    該光増幅素子内で発生した光のうち前記第2波長の光を選択して該第2波長の出力光を取り出す光フィルタ素子と
    を、含むことを特徴とする光制御装置。
  5. 第1波長の第1入力光が入力されることにより、該第1入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該第1入力光の強度変化に応答して強度変化させる第1光増幅素子と、
    前記周囲波長域内にある第2波長のレーザ光を前記第1光増幅素子に入力させる第1光入力素子と、
    前記第1光増幅素子から放出される光のうち第2波長の光を選択する第1光フィルタ素子と、
    該第1光フィルタ素子により選択された第2波長の光が入力させられることにより、該第2波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該第2入力光の強度変化に応答して強度変化させる第2光増幅素子と、
    前記第1波長のレーザ光またはその第1波長を含む前記第2光増幅素子の増幅利得のある波長域内の第3波長のレーザ光をその第2光増幅素子に入力する第2光入力素子と、
    前記第2光増幅素子から出力された光のうちから第1波長または第3波長に光を選択して該第1波長または第3波長の出力光を出力する第2光フィルタ素子と
    を、含むことを特徴とする光制御装置。
  6. 第1波長の第1入力光が入力されることにより、第1入力光の波長を含む増幅利得のある波長域内の光を第1入力光の強度変化に応答して強度変化させる第1半導体光増幅素子と、
    前記第1波長の光を前記第1半導体光増幅素子に入力する第1光入力素子と、
    該第1半導体光増幅素子内で発生する増幅利得のある波長域の光のうち第2波長の光を選択して出力光を取り出す第1光フィルタ素子と、
    該第1光フィルタ素子から第2波長の光が入力させられることにより、該第2波長を含む増幅利得のある波長域内の光を該第2入力光の強度変化に応答して強度変化させる第2半導体光増幅素子と、
    前記第1波長のレーザ光またはその第1波長を含む前記第2半導体光増幅素子の増幅利得のある波長域内の第3波長のレーザ光を前記第2半導体光増幅素子に入力する第2光入力素子と、
    前記第2半導体光増幅素子から出力された光のうちから第1波長または第3波長の光を選択して該第1波長または第3波長の出力光を出力させる第2光フィルタ素子と、
    を、含むことを特徴とする光制御装置。
  7. 前記光増幅素子は、希土類元素がドープされた光ファイバーである請求項3または5のいずれかの光制御装置。
  8. 前記希土類元素がドープされた光ファイバーは、エルビウム元素がドープされた光ファイバである請求項7の光制御装置。
  9. 前記半導体光増幅素子は、電流が通過させられるとpn接合部分から光が発生させられる半導体光増幅素子である請求項4乃至6のいずれかの光制御装置。
  10. 前記半導体光増幅素子は、進行波型半導体光増幅素子、ファブリーペロ型半導体レーザ、分布帰還型半導体レーザ、分布ブラッグ反射器型半導体レーザ、外部共振型半導体レーザ、面発光型半導体レーザのいずれかから構成されるものである請求項9の光制御装置。
  11. 前記半導体光増幅素子のpn接合部分である活性層は、量子井戸、量子細線、量子箱、歪み超格子から構成されるものである請求項9または10の光制御装置。
  12. 前記光フィルタ素子は、光ファイバまたは導波路の一部が長手方向において周期的に屈折率を変化させることにより構成されたものである請求項3乃至6のいずれかの光制御装置。
  13. 前記光フィルタ素子は、導波路の表面の長手方向において周期的な凹凸を設けることにより構成されたものである請求項3乃至6のいずれかの光制御装置。
  14. 前記光フィルタ素子は、屈折率が異なる多数組の層が積層されることにより構成されたものである請求項3乃至6のいずれかの光制御装置。
  15. 前記光入力素子は、光カプラ、方向性結合器、または光サーキュレータから構成されるものである請求項3乃至6のいずれかの光制御装置。
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