JPWO2002048156A1 - フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法 - Google Patents

フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法 Download PDF

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Abstract

フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過によりフッ化アリールホウ素誘導体を単離した後に、その濾液を冷却して、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過することによって、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を単離する。上記溶液が、フッ化ベンゼンを更に含む場合には、溶液を濃縮することによりフッ化ベンゼンを除去する。これにより、不純物を含まない高純度のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を簡単かつ安価に精製することができる方法を提供することができる。

Description

技術分野
本発明は、例えば医農薬中間体及び重合触媒、重合助触媒、シリコーンの光重合用触媒及びその中間体として有用な、ペンタフルオロフェニルホウ酸、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸などのフッ化アリールホウ素誘導体、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体およびその精製に関するものである。
背景技術
ペンタフルオロフェニルホウ酸、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸などのフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、例えば医農薬中間体及び重合触媒、重合助触媒、シリコーンの光重合用触媒及びその中間体として有用な化合物である。
例えば、J.Chem.Soc(1965)3933−3939には、ペンタフルオロフェニルホウ酸の製造方法として、二塩化ペンタフルオロフェニルホウ素を、水を溶かしたアセトン溶液に−78℃で加えて、該アセトン溶液を濃縮した後、昇華精製することによりペンタフルオロフェニルホウ酸を単離する方法が開示されている。また、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸の製造方法として、塩化ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のアセトン溶液を、水を溶かしたアセトン溶液に−20℃で加えて、該アセトン溶液を濃縮した後、昇華精製することによりビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を単離する方法が開示されている。そして、ペンタフルオロフェニルホウ酸の前駆体である二塩化ペンタフルオロフェニルホウ素や、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸の前駆体である塩化ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素は、ペンタフルオロフェニルトリメチルスズやビス(ペンタフルオロフェニル)ジメチルスズと三塩化ホウ素との反応により合成されている。そして、二塩化ペンタフルオロフェニルホウ素合成においては、塩化トリメチルスズが、塩化ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素合成においては、二塩化ジメチルスズがそれぞれ副生される。しかし、これらの反応混合物を蒸留することによって、目的物である二塩化ペンタフルオロフェニルホウ素や塩化ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素を精製する際に、塩化トリメチルスズは過剰の三塩化ホウ素と反応して、塩化ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の合成の際の副生成物と同じ二塩化ジメチルスズを生成し、この二塩化ジメチルスズは昇華するため、蒸留精製が困難である。したがって、二塩化ペンタフルオロフェニルホウ素や塩化ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素を収率よく精製することは困難である。
また、J.Molecular Catalysis A:Chemical 144(1999)137−150及びWO00/37476には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の水錯体を加熱することにより、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸が精製することが開示されている。
しかしながら、上記のJ.Molecular Catalysis A:Chemical144(1999)137−150には、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を製造する方法が開示されているのみであり、反応液からビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を、単離、精製する方法については何ら記載されていない。
そして、上記のJ.Molecular Catalysis A:Chemical 144(1999)137−150には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のトルエン−d8溶液に水を添加してトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の水錯体を生成させた後、該トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の水錯体を含む溶液を加熱することにより、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸が生成することを、19F−NMRを用いて確認したことが記載されているのみである。
また、WO00/37476(2000)には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の水錯体を加熱することによって、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸が生成し、更に、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸の単離方法が開示されている。具体的には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のトルエン溶液を100℃に加熱し、この溶液に2.5当量の水を含むトルエン溶液を滴下し、100℃で反応させて、反応終了後、溶媒を真空中で乾固することによって、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を単離している。しかしながら、この方法で得られたビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸には不純物としてボロキシンが5%含まれていると記載されている。つまり、この方法は、単離されたビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸の純度が低いという問題点があった。
また、同特許には、水の代わりに硫酸アルミニウム18水和物を使用する方法も開示されている。具体的には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のトルエン溶液に硫酸アルミニウム18水和物を加え、該溶液を還流した後、反応液から不溶の硫酸アルミニウムを分離し、濾液の溶媒を真空中で除去し、得られた残渣にトルエンを加え、攪拌後不溶物をG4半融ガラスを通して分離する。濾液の溶媒を再び真空中で除去する。最後に、残渣にヘプタンを加えて攪拌した後、濾過して得られたケーキをヘプタンで洗浄後、真空乾燥することによって、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を単離する方法である。しかしながら、この方法では、副生する硫酸アルミニウムを除去する必要があり、工程が複雑であるという問題点があった。
以上のように、従来の方法は問題点が多く存在し、改良の余地があり、また、減圧条件等が不明であるが、不純物としてボロキシンが生成している様子である。従って、不純物を含んでいるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を、例えば、重合触媒として用いた場合、重合活性が低下する等の問題が生じる。
それゆえ、ペンタフルオロフェニルホウ酸、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸等のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を触媒等として工業的に利用するためには、高純度のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を反応液から単離、精製する方法が切望されている。すなわち、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高純度のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を簡便に得る方法を提供することにある。
発明の開示
本願発明者等は、上記目的を達成すべく、フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法、特に濾過条件および精製条件などについてについて鋭意検討した。その結果、所望によりフッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを容易に分離することができる、精製方法を見出した。さらに、分離したフッ化アリールホウ素誘導体あるいはビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体に、不純物として含まれる特定の化合物の含量が、特定量以下であること目的物を得る方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
上記の精製方法によって得られたフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、従来に比して純度が非常に高いので、例えば、重合活性が高い重合触媒として好適に用いることができる。
即ち、本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、上記の課題を解決するために、一般式(1)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表されるフッ化アリールホウ素誘導体と、一般式(2)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過を行い、その濾液を冷却して、該濾液から上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行うことを特徴としている。
上記の構成により、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、上記フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を、簡単にかつ安価に精製することができる。
すなわち、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の炭化水素系溶媒に対する溶解度はフッ化アリールホウ素誘導体よりも大きく、かつその差も大きいため、特定の温度範囲内では、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含んでなる溶液から、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させることなく、フッ化アリールホウ素誘導体のみを選択的に析出させることができる。
このため、上記溶液を上記特定の温度範囲とすることにより、該溶液からフッ化アリールホウ素誘導体のみを選択的に析出させることができる。上記溶液から析出した析出物は濾過により容易に単離することができるため、第一濾過を行うことにより、フッ化アリールホウ素誘導体を該溶液から簡単に単離することができる。
つまり、炭化水素系溶媒に対する溶解度は、フッ化アリールホウ素誘導体よりもビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体のほうが大きいため、特定の温度範囲において析出させた析出物は、そのほとんど、あるいは全てがフッ化アリールホウ素誘導体であり、上記溶液中のビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、ほとんど、あるいは全てが、第一濾過の濾液中に溶解している。そして、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の溶解度は、温度低下に伴って低下するため、上記濾液を冷却することにより、上記濾液に溶解しているビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させることができる。
このようにして、第一濾過により溶液からフッ化アリールホウ素誘導体を単離した後に、その濾液からビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の結晶を析出物として分離し、第二濾過によりビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することができる。
これにより、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と炭化水素系溶媒とを含む溶液から、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ単離すること、すなわち、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製することができる。
したがって、本発明の精製方法により、溶媒を乾固するなどの工業的に不利な工程を含むことなく、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む反応液から、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ容易に単離、精製することができる。すなわち、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製し、触媒等として工業的に利用可能なものとすることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、上記の課題を解決するために、
一般式(1)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表わされるフッ化アリールホウ素と、一般式(2)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、一般式(3)
Figure 2002048156
(式中、R、R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜R13のうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、Rは水素原子または炭化水素基を表す)で表わされるフッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、一般式(1)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体を析出させ、第一濾過することによって一般式(1)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体を固体として単離した後、更に該濾液から一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させ、第二濾過することにより一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することを特徴としている。
上記の構成により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液から、上記フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを、それぞれ容易に固体として単離し、精製することができる。
すなわち、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液を、第一濾過により得られたフッ化アリールホウ素誘導体を単離し、その濾液を冷却してビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させた後に、第二濾過を行うことによりビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することができる。
これにより、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液からフッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ単離すること、すなわち、上記溶液からフッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製することができる。
したがって、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンとを含む反応液から、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ容易に精製することができる。すなわち、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製し、触媒等として工業的に利用できるものとすることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、上記の課題を解決するために、
一般式(1)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表されるフッ化アリールホウ素誘導体と、一般式(2)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、一般式(3)
Figure 2002048156
(式中、R、R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜R13のうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、Rは水素原子または炭化水素基を表す)
で表されるフッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液を濃縮して、該溶液から上記フッ化ベンゼンを除去し、上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過を行い、その濾液を冷却して、上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行うことを特徴としている。
上記の構成により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液から、上記フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを、それぞれ容易に固体として単離し、精製することができる。
すなわち、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液を濃縮することにより、上記フッ化ベンゼンを上記溶液から留出物として除去することができる。次いで、第一濾過により上記溶液を濃縮して得られた濃縮溶液からフッ化アリールホウ素誘導体を単離し、その濾液を冷却してビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させた後に、第二濾過を行うことによりビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することができる。
これにより、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液からフッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ単離すること、すなわち、上記溶液からフッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製することができる。
したがって、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンとを含む反応液から、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ容易に精製することができる。すなわち、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製し、触媒等として工業的に利用できるものとすることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、上記の課題を解決するために、
一般式(1)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表されるフッ化アリールホウ素誘導体と、一般式(2)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、一般式(3)
Figure 2002048156
(式中、R、R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜R13のうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、Rは水素原子または炭化水素基を表す)
で表されるフッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過を行い、その濾液を濃縮して、該溶液から上記フッ化ベンゼンを除去し、該濾液から上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行うことを特徴としている。
上記の構成により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液から、上記フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを、それぞれ容易に単離し、精製することができる。
すなわち、フッ化アリールホウ素誘導体とフッ化ベンゼンとビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と炭化水素系溶媒とを含む溶液から、フッ化アリールホウ素誘導体を第一濾過により固体として単離した後に、その濾液を濃縮することにより、上記フッ化ベンゼンを上記溶液から留出物として除去することができる。次いで、該濾液を必要に応じて冷却してビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させた後に、第二濾過を行うことにより、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することができる。
これにより、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液から、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ固体として単離すること、すなわち、上記溶液からフッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製することができる。
したがって、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とフッ化ベンゼンとを含む反応液から、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ容易に精製することができる。すなわち、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製し、触媒等として工業的に利用できるものとすることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、上記の課題を解決するために、上記フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液が、一般式(4)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つはフッ素原子を表す。)
で表されるトリス(フッ化アリール)ホウ素と一般式(5)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R14はそれぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5aまたは6a族原子を表し、nは0または1である。)で表される化合物とを、1:1.9〜1:5のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させて得られた溶液であることを特徴としている。
上記の構成により、トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを炭化水素系溶媒中で反応させて、フッ化アリールホウ素誘導体を選択的に得ることができる。すなわち、トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを1:1.9〜1:5のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させることにより、選択的にフッ化アリールホウ素誘導体を得ることができる。
したがって、上記の反応によって、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液として、フッ化アリールホウ素誘導体を多く含む溶液を得ることができる。そして、第一濾過により溶液からフッ化アリールホウ素誘導体を単離した後に、その濾液からビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の結晶を析出物として分離し、第二濾過によりビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することができる。さらに、上記溶液はフッ化アリールホウ素誘導体を多く含んでいるため、効率的にフッ化アリールホウ素誘導体を単離することができる。
これにより、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液として、フッ化アリールホウ素誘導体を多く含む溶液を得ることができ、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ単離すること、すなわち、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製することができる。さらに、フッ化アリールホウ素誘導体を高い単離収率で得ることができる。
したがって、本発明の精製方法により、溶媒を乾固するなどの工業的に不利な工程を含むことなく、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む反応液から、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ容易に単離、精製することができる。さらに、フッ化アリールホウ素誘導体を高い単離収率で得ることができる。すなわち、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製し、特にフッ化アルールホウ素誘導体を触媒等として工業的に利用可能なものとすることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、上記の課題を解決するために、上記フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液が、一般式(4)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つはフッ素原子を表す。)
で表されるトリス(フッ化アリール)ホウ素と一般式(5)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R14はそれぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5aまたは6a族原子を表し、nは0または1である。)で表される化合物とを、1:0.9〜1:1.1のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させて得られた溶液あることを特徴している。
上記の構成により、トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを炭化水素系溶媒中で反応させて、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を選択的に得ることができる。すなわち、トリス(フッ化アリール)ホウ素を化合物(5)とを1:0.9〜1:1.1のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させることにより、選択的にビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を得ることができる。
したがって、上記の反応によって、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液として、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を多く含む溶液を得ることができる。そして、第一濾過により溶液からフッ化アリールホウ素誘導体を単離した後に、その濾液からビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の結晶を析出物として分離し、第二濾過によりビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することができる。さらに、上記溶液はビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を多く含んでいるため、効率的にビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を単離することができる。
これにより、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液として、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を多く含む溶液を得ることができ、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ単離すること、すなわち、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製することができる。さらに、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を高い単離収率で得ることができる。
したがって、本発明の精製方法により、溶媒を乾固するなどの工業的に不利な工程を含むことなく、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む反応液から、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ容易に単離、精製することができる。さらに、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を高い単離収率で得ることができる。すなわち、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とをそれぞれ精製し、特にビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を触媒等として工業的に利用可能なものとすることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、上記炭化水素系溶媒が、実質的に脂肪族炭化水素系溶媒であることがより好ましい。
上記の構成により、上記フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の単離収率を向上させることができる。
すなわち、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、低温条件下においては、脂肪族炭化水素系溶媒に対する溶解度が低いため、上記炭化水素系溶媒が実質的に脂肪族炭化水素系溶媒である場合には、第一濾過の濾液を冷却することにより、該濾液中のビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の大部分を析出させることができる。従って、上記第二濾過により、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を高い単離収率で得ることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体は、一般式(2)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の含有量が1重量%以下であることを特徴とする固体状の一般式(1)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表されるフッ化アリールホウ素誘導体である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体は、純度が90%以上であることが好ましい。
上記の構成によれば、フッ化アリールホウ素誘導体の純度が高いので、より好適に触媒等として工業的に利用可能なものとすることができる。
本発明のビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、一般式(1)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表されるフッ化アリールホウ素誘導体の含有量が1重量%以下であることを特徴とする固体状の一般式(2)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体である。
本発明のビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、純度が95%以上であることが好ましい。
上記の構成によれば、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の純度が高いので、より好適に触媒等として工業的に利用可能なものとすることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法は、上記の課題を解決するために、一般式(4)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つはフッ素原子を表す。)
で表されるトリス(フッ化アリール)ホウ素と一般式(5)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R14はそれぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5aまたは6a族原子を表し、nは0または1である。)で表される化合物とを、1:1.9〜1:5のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させることを特徴としている。
上記の構成により、トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを炭化水素系溶媒中で反応させて、フッ化アリールホウ素誘導体を選択的に得ることができる。すなわち、トリス(フッ化アリール)ホウ素を化合物(5)とを1:1.9〜1:5.0のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させることにより、選択的にフッ化アリールホウ素誘導体を得ることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法は、一般式(2)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の含有量が1重量%以下であることが好ましい。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法は、フッ化アリールホウ素誘導体の純度が90%以上であることが好ましい。
上記の構成によれば、フッ化アリールホウ素誘導体の純度が高いので、より好適に触媒等として工業的に利用可能なものとすることができる。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、次の説明で明白になるであろう。
本発明に係る精製方法によって精製すべきフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を製造する方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を採用することができるが、一般式(4)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つはフッ素原子を表す)
で表されるトリス(フッ化アリール)ホウ素と一般式(5)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R14はそれぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5aまたは6a族原子を表し、nは0または1である。)で表される化合物とを、炭化水素系溶媒中で反応させることによって製造することができる。
例えば、上記化合物(5)として水を用いて、トリス(フッ化アリール)ホウ素を加水分解する反応は好ましい形態である。なお、前記加水分解において、例えば、硫酸アルミニウム18水和物などの水和物存在下での加水分解も行うことができるが、▲1▼反応工程が複雑となる、▲2▼生成する硫酸アルミニウムなどの塩を取り除く操作が必要となるなどの問題が生じる。従って、本発明の実施形態においては、加水分解条件として、水存在下での加水分解が好ましく、水和塩が共存しない形態での加水分解がより好ましい。ここで、共存しない形態での加水分解とは、水和物の塩の存在許容量として0〜5%、好ましくは0〜2%、さらに好ましくは0〜1%であることを意味する。
トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを炭化水素系溶媒中で混合する方法としては、例えば、トリス(フッ化アリール)ホウ素を炭化水素系溶媒に溶解して溶液とし、該溶液に化合物(5)を添加し混合する方法、炭化水素系溶媒にトリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを同時に添加し混合する方法、化合物(5)を加えた炭化水素系溶媒にトリス(フッ化アリール)ホウ素を添加し混合する方法が挙げられる。
トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを炭化水素系溶媒中で混合する時の温度は、−100℃〜300℃の範囲内であることがより好ましく、0℃〜200℃の範囲内であることがさらに好ましい。
なお、上記本発明に係る精製方法によって精製すべきフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の製造方法においては、フッ化アリールホウ素誘導体またはビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体のどちらか一方のみを選択的に製造することもできる。
一般式(1)で示されるフッ化アリールホウ素誘導体例えば、ペンタフルオロフェニルホウ酸等をさらに純度高く得るためには、以下で記載する、一般式(1)で示されるフッ化アリールホウ素誘導体をさらに純度高く得る方法の反応条件と、本願精製方法を組み合わせることで、より簡便に、一般式(1)で示されるフッ化アリールホウ素誘導体であるペンタフルオロフェニルホウ酸等を選択的に製造することが可能になる。
例えば、トリス(フッ化アリール)ホウ素としてトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素を用いると共に、化合物(5)として水を用いて加水分解を行う場合には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素に対する水の割合を過剰にする、具体的には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素と水のモル比を1:1.9〜1:5.0とすることにより、ペンタフルオロフェニルホウ酸を選択的に得ることができる。
トリス(フッ化アリール)ホウ素誘導体に対する水のモル比を1.9よりも小さくすると、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の生成量が多くなり、フッ化アリールホウ素誘導体の収率が低下する。また、トリス(フッ化アリール)ホウ素誘導体に対する水のモル比を5.0よりも大きくすると、反応速度が非常に小さくなり、工業的に不利である。
これに対して、一般式(2)で示されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体、例えば、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸等をさらに純度高く得るためには、以下で記載する工程を前段工程として含み、さらに、本発明の精製方法を組み合わせて実施することは好ましい形態である。以下で記載する、一般式(2)で示されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体をさらに純度高く得る方法の反応条件と、本発明にかかる精製方法を組み合わせることで、より簡便に一般式(2)で示されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体、例えば、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸等を選択的に製造することが可能になる。
例えば、トリス(フッ化アリール)ホウ素としてトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素を用いると共に、化合物(5)として水を用いて加水分解を行う場合には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素と水のモル比をほぼ等モル、具体的には1:0.9〜1:1.1とすることにより、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を選択的に得ることができる。
トリス(フッ化アリール)ホウ素誘導体に対する水のモル比を0.9よりも小さくすると、トリス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の転化率が低下し、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の収率が低くなる。また、トリス(フッ化アリール)ホウ素誘導体に対する水のモル比を1.1よりも大きくすると、フッ化アリールホウ素誘導体の生成量が多くなり、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の収率が低くなる。
つまり、一般式(1)で示されるフッ化アリールホウ素誘導体を効率的に得るには、トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)のモル比を1:1.9〜1:5.0とすることが好ましい。また、一般式(2)で示されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を効率的に得るには、トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)のモル比を1:0.9〜1:1.1とすることが好ましい。
本発明においては以下に示す、一般式(1)で示すフッ化アリールホウ素誘導体を選択的に得る製造方法が好ましい形態である。
本発明にかかるフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法は、一般式(4)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つはフッ素原子を表す。)
で表されるトリス(フッ化アリール)ホウ素と一般式(5)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R14はそれぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5aまたは6a族原子を表し、nは0または1である。)で表される化合物とを、1:1.9〜1:5のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させる方法である。
上記フッ化アリールホウ素誘導体を選択的に得る製造方法によって得られた一般式(1)で示すフッ化アリールホウ素誘導体は、一般式(2)で示されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の含量が1重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは、上記一般式(1)で示されるフッ化アリールホウ素誘導体の純度が90%以上であることである。
上記トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)との炭化水素系溶媒中における反応においては、上記炭化水素系溶媒の使用量は、上記トリス(フッ化アリール)ホウ素の濃度が0.1重量%〜80重量%の範囲内となる量とすることがより好ましく、1重量%〜30重量%の範囲内となる量とすることがさらに好ましい。上記反応の反応温度は、0℃〜300℃の範囲内であることがより好ましく、50℃〜200℃の範囲内であることがさらに好ましい。
この方法によって得られる反応液、すなわち、目的物であるフッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含む溶液には、副生成物であるフッ化ベンゼンが、溶解した状態で含まれている。この溶液からフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体をそれぞれ析出させて濾過すれば、該フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体がそれぞれ固体として得られるが、フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体はフッ化ベンゼンに溶解するため、必要に応じてフッ化ベンゼンを除去してもよい。
本発明に係るフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過を行い、その濾液を冷却して上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行う方法である。また、本発明に係るフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、フッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液を濃縮して、該溶液から上記フッ化ベンゼンを除去した後に、上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過を行い、その濾液を冷却して上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行う方法である。また、本発明に係るビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、フッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液から上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過を行い、その濾液を濃縮して、該溶液から上記フッ化ベンゼンを除去した後に、その濾液から上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行う方法である。
また、本発明に係るフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、フッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、上記フッ化ベンゼンを除去した後に、上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過を行い、その濾液を冷却して上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行う方法である。
本発明に係る精製方法により精製すべきフッ化アリールホウ素誘導体は、一般式(1)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表される化合物である。
式中、R〜Rで示される置換基における炭化水素基とは、具体的には、フェニル基等のアリール基、炭素数1〜12の直鎖状、枝分かれ鎖状のアルキル基、および炭素数3〜12の環状のアルキル基、および、炭素数2〜12の直鎖状、枝分かれ鎖状アルケニル基、および炭素数3〜12の環状のアルケニル基を示す。上記のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびメチルシクロヘキシル基が挙げられる。上記のアルケニル基としては、具体的には、アリル基が挙げられる。
なお、上記の炭化水素基は、本発明に係る精製方法(処理方法)に対して不活性な原子、例えばフッ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含む官能基、すなわち、不活性な官能基をさらに有していてもよい。該官能基としては、例えば、メトキシ基、メチルチオ基、N,N−ジメチルアミノ基、o−アニス基、p−アニス基、トリメチルシリルオキシ基、ジメチル−t−ブチルシリルオキシ基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
式中、R〜Rで示される置換基におけるアルコキシ基は、一般式
(A)   −ORa    ……(A)
(式中、Raは炭化水素基を表す)
で表され、式中、Raで示される炭化水素基は、具体的には、フェニル基等のアリール基、炭素数1〜12の直鎖状、枝分かれ鎖状のアルキル基、および炭素数3〜12の環状のアルキル基、および、炭素数2〜12の直鎖状、枝分かれ鎖状アルケニル基、および炭素数3〜12の環状のアルケニル基を示す。なお、上記の炭化水素は、本発明に係る精製方法に対して不活性な官能基をさらに有していてもよい。一般式(A)で表されるアルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アリルオキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。
式中、RおよびRで示される炭化水素基としては、具体的には、上記R〜Rで示される炭化水素基と同様の置換基が挙げられる。式中、Mで示される置換基における、5B族(長周期型では15族)、または6B族(長周期型では16族)に属する原子のうち、窒素原子、または酸素原子が特に好ましい。
従って、フッ化アリールホウ素誘導体としては、具体的には、p−フルオロフェニルホウ酸、2,6−ジフルオロフェニルホウ酸、2,4,6−トリフルオロフェニルホウ酸、2,3,5,6−テトラフルオロフェニルホウ酸、ペンタフルオロフェニルホウ酸等が挙げられる。
なお、本発明の精製方法によって精製すべき、フッ化アリールホウ素誘導体の純度は、90%以上である事が好ましい。より好ましくは95%以上である。さらに好ましくは98%以上である。この場合、副生するビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の含有量は、10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である。
本発明に係る精製方法によって精製すべきビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とは、一般式(2)
Figure 2002048156
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
で表される化合物である。
式中、R〜Rで示される置換基における炭化水素基およびアルコキシ基としては、具体的には、上記一般式(1)のR〜Rで示される炭化水素基およびアルコキシ基と同様の置換基が挙げられる。式中、RおよびRで示される炭化水素基としては、具体的には、上記R〜Rで示される炭化水素基と同様の置換基が挙げられる。式中、Mで示される置換基における、5B族(長周期型では15族)、または6B族(長周期型では16族)に属する原子のうち、窒素原子、または酸素原子が特に好ましい。
従って、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体としては、具体的には、ビス(p−フルオロフェニル)ホウ酸、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)ホウ酸、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ホウ酸、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸等が挙げられる。
本発明の精製方法によって精製すべき、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の純度は、95%以上である事が好ましい。より好ましくは98%以上である。この場合、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体に存在するフッ化アリールホウ素誘導体の含有量は2%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.8%以下である。
本発明に係る精製方法により除去すべきフッ化ベンゼンは、一般式(3)
Figure 2002048156
(式中、R、R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜R13のうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、Rは水素原子または炭化水素基を表す)
で表される化合物である。
式中、R〜R13で示される置換基における炭化水素基およびアルコキシ基としては、具体的には、上記一般式(1)のR〜Rで示される炭化水素基およびアルコキシ基と同様の置換基が挙げられる。式中、Rで示される炭化水素基としては、具体的には、上記R〜Rで示される炭化水素基と同様の置換基が挙げられる。
従って、フッ化ベンゼンとしては、具体的には、フルオロベンゼン、2,6−ジフルオロベンゼン、2,4,6−トリフルオロベンゼン、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン等が挙げられる。
本発明におけるフッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液に含まれる炭化水素系溶媒としては、飽和炭化水素系溶媒、不飽和炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒等の脂肪族炭化水素系溶媒、並びに、芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。
上記炭化水素系溶媒としては、脂肪族炭化水素系溶媒がより好ましく、具体的には、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2,2,3−トリメチルブタン、ペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、ヘプタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,3−ジメチルヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロペンテン、シクロヘキセン等が挙げられる。上記炭化水素系溶媒は、単独で用いてもよく、また二種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、市販の炭化水素系溶媒である、エクソン社製のIsoparC、IsoparE、およびIsoparG(いずれも登録商標)等の炭化水素系溶媒を用いてもよい。
上記炭化水素系溶媒は、実質的に脂肪族炭化水素系溶媒であることが好ましい。例えば、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体であるビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸は、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒に比較的溶解しやすいため、例えば、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と芳香族炭化水素系溶媒とを含む溶液を冷却した後に、濾過を行う工程により単離するとその収率が低くなる。このため、上記ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸の収率を高くするために、溶媒を除去して反応液を濃縮乾固する工程が必要となる。
これに対し、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、脂肪族炭化水素系溶媒に対する溶解度が低いため、上記炭化水素系溶媒が実質的に脂肪族炭化水素系溶媒である場合は、反応液を冷却した後に、濾過を行う工程により、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を高い収率で得ることができる。
また、上記炭化水素系溶媒は、上記一般式(4)で表されるトリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物と、上記一般式(5)で表される化合物とを反応させて、フッ化アリールホウ素誘導体またはビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を調製する際に用いた炭化水素系溶媒であってもよい。
なお、本発明において、「炭化水素系溶媒が実質的に脂肪族炭化水素系溶媒である」とは、炭化水素系溶媒中の脂肪族炭化水素系溶媒の割合が80重量%〜100重量%の範囲内であることをいい、より好ましくは95重量%〜100重量%の範囲内であることをいう。
本発明に係る精製方法においては、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含む溶液(以下、単に溶液Aと記すことがある)を、上記フッ化アリールホウ素誘導体が析出する温度で、該フッ化アリールホウ素誘導体を析出させた後に第一濾過を行い、該フッ化アリールホウ素誘導体を析出物として単離した後に、第一濾過により得られた濾液を冷却して、上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させた後に第二濾過を行い、該ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することにより、フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製を行う。
上記の溶液Aから上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させる温度は、該フッ化アリールホウ素誘導体が充分に析出する温度であればよいが、上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は析出しない、あるいは上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、ほとんど析出しない温度であることがより好ましい。具体的には、−30℃〜300℃の範囲内であることが好ましく、0℃〜200℃の範囲内であることがより好ましい。
上記の溶液Aから必要に応じて炭化水素系溶媒を留去することにより、上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させた後に、第一濾過を行って該フッ化アリールホウ素誘導体を、上記溶液Aから単離してもよい。
上記炭化水素系溶媒を留去する方法としては、具体的には、常圧(大気圧)下で溶液Aを加熱する方法を採用してもよく、減圧下若しくは加圧下で該溶液Aを加熱する方法を採用してもよく、特に限定されるものではない。また、加熱温度は、該炭化水素系溶媒の各圧力での沸点以上であればよい。
なお、第一濾過により得られた濾液を冷却して、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させるより前に、必要に応じて該濾液中の炭化水素系溶媒を留去してもよい。すなわち、第一濾過により得られた濾液中の炭化水素系溶媒を留去した後に、該炭化水素系溶媒の一部が留去された濾液を冷却し、上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて、第二濾過を行うことにより、該ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離してもよい。
上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させる際の濾液の冷却温度は、該濾液からビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体が充分に析出するように設定すればよい、具体的には、−50℃〜200℃の範囲内であることが好ましく、−30℃〜100℃の範囲内であることがより好ましい。上記濾液を冷却する時間は、反応液の量等に応じて適宜設定すればよい。
なお、第二濾過により得られた濾液をさらに濃縮して、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて、該析出物を濾過することにより、該濾液中に含まれるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を単離してもよい。上記濾液の濃縮は、該濾液から炭化水素系溶媒を除去することにより行う、具体的には、溶液Aから炭化水素系溶媒を留去する方法と同様にして行うことができる。
なお、第二濾過により得られた濾液、あるいは、該濾液を更に濃縮し析出したビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を取り除いた後の濾液は、炭化水素系溶媒として再利用(リサイクル)してもよい。
上記の方法を実施することにより、フッ化アリールホウ素誘導体を固体として、析出させることができる。該フッ化アリールホウ素誘導体は、第一濾過を行うことにより、単離することができる。さらに、第一濾過の濾液を冷却することにより、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として、析出させることができる。第二濾過を行うことにより、該ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を、単離することができる。すなわち、不純物を含まない高純度のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を簡単にかつ安価に得ることができる。
本発明に係る精製方法においては、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、フッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液(以下、単に溶液Bと記すことがある)を濃縮して、該溶液から上記フッ化ベンゼンを除去した後に、上記フッ化アリールホウ素誘導体が析出する温度で、該フッ化アリールホウ素誘導体を析出させた後に第一濾過を行い、該フッ化アリールホウ素誘導体を単離した後に、第一濾過により得られた濾液を冷却して、上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて、第二濾過を行い、該ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することにより、フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製を行う。
上記溶液Bの濃縮は、該溶液Bからフッ化ベンゼンおよび/または炭化水素系溶媒を留去することにより行うことができる。上記フッ化ベンゼンおよび/または炭化水素系溶媒を留去する方法としては、具体的には、常圧(大気圧)下で溶液Bを加熱する方法を採用してもよく、減圧下若しくは加圧下で該溶液Bを加熱する方法を採用してもよく、特に限定されるものではない。また、加熱温度は、フッ化ベンゼンのその圧力における沸点以上であればよい。反応液の濃縮に要する時間は反応液の量等に応じて適宜設定すればよい。
上記溶液Bを濃縮して得られた濃縮液中には、実質的にフッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とが含まれることとなる。
次いで、上記濃縮液から、フッ化アリールホウ素誘導体を析出させた後に、第一濾過を行い、フッ化アリールホウ素誘導体を単離し、精製することができる。その濾液を更に冷却してビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させた後に、第二濾過を行いビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離し、精製することができる。なお、上記第一濾過および第二濾過は、具体的には、溶液Aの場合と同様にして行う。
なお、第一濾過により得られた濾液を冷却して、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させるより前に、必要に応じて該濾液中の炭化水素系溶媒を留去してもよい。すなわち、第一濾過により得られた濾液中の炭化水素系溶媒を留去した後に、該炭化水素系溶媒の一部が留去された濾液を冷却し、上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて、第二濾過を行うことにより、該ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離してもよい。
また、第二濾過により得られた濾液をさらに濃縮して、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて、該析出物を濾過することにより、該濾液中に含まれるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を単離してもよい。上記濾液の濃縮は、該濾液から炭化水素系溶媒を除去することにより行う、具体的には、溶液Aから炭化水素系溶媒を留去する方法と同様にして行うことができる。
なお、第二濾過により得られた濾液、あるいは、該濾液を更に濃縮し、析出したビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を取り除いた後の濾液は、炭化水素系溶媒として再利用(リサイクル)してもよい。
上記の方法を実施することにより、溶液からフッ化ベンゼンを留去した後に、フッ化アリールホウ素誘導体を析出させ、第一濾過を行うことにより単離することができる。さらに、第一濾過の濾液を冷却することにより、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として析出させることができ、第二濾過により、該ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を、固体として単離することができる。すなわち、不純物を含まない高純度のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を簡単にかつ安価に得ることができる。
本発明に係る精製方法においては、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、フッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液(溶液B)からフッ化アリールホウ素誘導体が析出する温度で、該フッ化アリールホウ素誘導体を析出させた後に第一濾過を行い該フッ化アリールホウ素誘導体を単離し、その濾液を濃縮することにより該濾液から上記フッ化ベンゼンを除去した後に、上記濃縮後の濾液中に析出した上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を第二濾過により固体として単離することにより、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製を行う。
上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させた後に、第一濾過を行うことにより上記溶液Bから上記フッ化アリールホウ素誘導体を単離することができる。なお、上記第一濾過は、具体的には、溶液Aの場合と同様にして行う。
上記第一濾過により得られた濾液を濃縮することにより、該濾液から上記フッ化ベンゼンを留出物として取り除くことができる。なお、上記濾液を濃縮する方法は、具体的には、上記溶液Bの濃縮と同様にして行う。
上記第一濾過により得られた濾液を濃縮することにより、該濾液中のビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の濃度が高くなり、その溶解度を超えることにより結晶が析出する。また、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させるために、上記濃縮後の濾液を冷却してもよい。上記濾液より析出した析出物を第二濾過することにより、容易にビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することができる。なお、上記第二濾過は、具体的には、溶液Aの場合と同様にして行う。
また、第二濾過により得られた濾液をさらに濃縮して、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて、該析出物を濾過することにより、該濾液中に含まれるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を単離してもよい。上記濾液の濃縮は、該濾液から炭化水素系溶媒を除去することにより行う、具体的には、溶液Aから炭化水素系溶媒を留去する方法と同様にして行うことができる。
なお、第二濾過により得られた濾液、あるいは、該濾液を更に濃縮し、析出したビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を取り除いた後の濾液は、炭化水素系溶媒として再利用(リサイクル)してもよい。
上記の方法を実施することにより、溶液からフッ化アリールホウ素誘導体を析出させ、第一濾過により単離することができる。さらに、第一濾過の濾液を濃縮してフッ化ベンゼンを留去した後に、固体として析出したビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を第二濾過により単離することができる。すなわち、不純物を含まない高純度のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を簡単にかつ安価に得ることができる。
以上のように、本発明の精製方法においては、反応混合物を、特定の順序における析出条件、ろ過条件、加熱条件を採用しているので、フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体をそれぞれ単離することができる。また、フッ化アリールホウ素誘導体あるいはビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体のいずれか一方を効率的に得る製造方法を採用すれば、所望によりフッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを作り分けることができる。その結果、純度の高いフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体をより簡便に得ることができる。
また、本発明の精製方法は、従来の方法とは精製工程が全く異なるために、従来生成していたボロキシンが生成しない。その結果、純度の高いフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体をより簡便に得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例におけるNMR(核磁気共鳴)スペクトルデータは、H−NMRスペクトルデータの場合にはテトラメチルシラン(TMS)を標準物質とし、19F−NMRスペクトルデータの場合にはトリフルオロ酢酸を標準物質として測定した。そして、標準物質のシグナルを0ppmとした。なお、以下の実施例1および2は、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導を多く生成する例であり、実施例3はフッ化アリールホウ素誘導体を多く生成する例である。
〔実施例1〕
還流冷却器、温度計、滴下ロート、および攪拌機を備えた反応容器にトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素を56.766g(0.1109モル)含むIsoparE(Exxon社製)溶液2064.22gと、水2.020g(0.1121モル)とを仕込んだ。
次いで、上記反応容器の内容物を攪拌しながら100℃まで昇温し、攪拌しながら100℃で4時間反応を行った。上記反応の終了後に反応液の一部を19F−NMRで分析したところ、反応液には、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸が50.60モル%、ペンタフルオロフェニルホウ酸が0.87モル%、ペンタフルオロベンゼンが48.40モル%、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素が0.10モル%の割合で含まれていた。
上記反応容器に備えられた還流冷却器を蒸留装置に替えて、6.7kPa(50mmHg)の条件下で減圧濃縮を行った。この時、留出した留出液の量は1731.54gであった。
上記減圧濃縮により得られた残さ(濃縮液)を60℃に保ち、析出物、すなわちフッ化アリールホウ素誘導体に相当するペンタフルオロフェニルホウ酸を析出させた後に、当該残さを濾過してペンタフルオロフェニルホウ酸を単離した。そして、上記残さを濾過して得られた濾液を15℃に冷却し、析出物、すなわちビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体に相当するビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を析出させた後に、当該残渣を濾過して得られたケーキをヘキサン40mlで洗浄し、減圧条件下において70℃で乾燥した。該乾燥後のケーキは、その重量が29.987gであり、19F−NMRで分析したところペンタフルオロフェニルホウ酸の含有率は0%でありビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸が100重量%の割合で含まれていた。
以上のように、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体としてのペンタフルオロフェニルホウ酸と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体としてのビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸と、フッ化ベンゼンとしてのペンタフルオロベンゼンと炭化水素系溶媒としてのIsoparEとを含む溶液から、フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を容易かつ安価に得ることができる。
なお、上記ケーキ中のビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸のNMRスペクトルデータは、
19F−NMR(ベンゼン−d6,δ);−57.6,−72.7,−85.6ppmであった。
〔実施例2〕
還流冷却器、温度計、滴下ロート、および攪拌機を備えた反応容器にトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素を22.263g(0.0435モル)含むIsoparE(Exxon社製)溶液809.56gと、水0.941g(0.0522モル)とを仕込んだ。
次いで、上記反応容器の内容物を攪拌しながら100℃まで昇温し、攪拌しながら100℃で4時間反応を行った。上記反応の終了後に反応液の一部を19F−NMRで分析したところ、反応液には、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸が49.3モル%、ペンタフルオロフェニルホウ酸が1.1モル%、ペンタフルオロベンゼンが49.4モル%、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素が0.2モル%の割合で含まれていた。
上記反応容器に備えられた還流冷却器を蒸留装置に替えて、8.7kPa(65mmHg)の条件下で減圧濃縮を行った。この時、留出した留出液の量は703.86gであった。
上記減圧濃縮により得られた残さ(濃縮液)を65℃に保ち、析出物すなわちフッ化アリールホウ素誘導体に相当するペンタフルオロフェニルホウ酸を析出させた後に、当該残さを濾過してペンタフルオロフェニルホウ酸を単離した。そして、上記残さを濾過して得られた濾液を7℃に冷却し、析出物、すなわちビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体に相当するビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を析出させた後に、当該残渣を濾過して得たケーキをヘキサン20mlで洗浄し、減圧条件下において乾燥した。当該乾燥後のケーキは、その重量が12.540gであり、19F−NMRで分析したところ、ビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸が98.6重量%、ペンタフルオロフェニルホウ酸0.6重量%、ペンタフルオロベンゼンが0.8重最%の割合で含まれていた。
以上のように、本発明の精製方法により、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体としてのビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸と、フッ化アリールホウ素誘導体としてのペンタフルオロフェニルホウ酸と、フッ化ベンゼンとしてのペンタフルオロベンゼンと炭化水素系溶媒としてのIsoparEとを含む溶液から、フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を容易かつ安価に得ることができる。
なお、上記ケーキ中のペンタフルオロフェニルホウ酸のNMRスペクトルデータは、
19F−NMR(ベンゼン−d6,δ);−57.3,−75.1,−86.4ppmであった。
〔実施例3〕
還流冷却器、温度計、滴下ロート、および攪拌機を備えた反応容器にトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素を41.695g(0.0814モル)含むエチルシクロヘキサン溶液1139.76gと、水4.404(0.2444モル)gとを仕込んだ。
次いで、上記反応容器の内容物を攪拌しながら100℃まで昇温し、攪拌しながら100℃で18時間反応を行った。
上記反応容器に備えられた還流冷却器を蒸留装置に替えて、6.7kPa(50mmHg)の条件下で減圧濃縮を行った。この時、留出した留出液の量は653.66gであった。
上記減圧濃縮により得られた残さ(濃縮液)を60℃に保ち、析出物、すなわちフッ化アリールホウ素誘導体に相当するペンタフルオロフェニルホウ酸を析出させた後に、当該残さを濾過してペンタフルオロフェニルホウ酸を単離した。濾過して得られたケーキをヘキサン100mlで洗浄し、減圧条件下において40℃で乾燥した。該乾燥後のケーキは、その重量が8.5582gであり、19F−NMRで分析したところペンタフルオロフェニルホウ酸が100重量%の割合で含まれていた。
以上のように、本発明の精製方法により、フッ化アリールホウ素誘導体としてのペンタフルオロフェニルホウ酸と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体としてのビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸と、フッ化ベンゼンとしてのペンタフルオロベンゼンと炭化水素系溶媒としてのエチルシクロヘキサンとを含む溶液から、フッ化アリールホウ素誘導体を容易かつ安価に得ることができる。
なお、上記ケーキ中のペンタフルオロフェニルホウ酸のNMRスペクトルデータは、
19F−NMR(アセトン−d6,δ);−57.7,−79.9,−88.6ppmであった。
また、上記ケーキ中のペンタフルオロフェニルホウ酸のMS(マススペクトル)データは、
MASS(M/Z);212であった。
尚、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
産業上の利用の可能性
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、以上のように、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過により単離した後に、その濾液を冷却して、上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行う構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、以上のように、フッ化アリールホウ素と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、フッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、フッ化アリールホウ素誘導体を析出させ、第一濾過することによって、上記フッ化アリールホウ素誘導体を固体として単離した後、更に該濾液から上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させ、第二濾過を行う構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、以上のように、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、フッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液を濃縮して該溶液から上記フッ化ベンゼンを除去し、上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過により単離した後に、その濾液を冷却して、上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行う構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、以上のように、フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、フッ化ベンゼンと炭化水素系溶媒とを含む溶液から上記フッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過により単離した後に、その濾液を濃縮して該濾液から上記フッ化ベンゼンを除去し、該濾液から上記ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行う構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、以上のように、上記フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液が、トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを、1:1.9〜1:5のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させて得られた溶液である構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、以上のように、上記フッ化アリールホウ素誘導体とビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液が、トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを、1:0.9〜1:1.1のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させて得られた溶液である構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法は、以上のように、上記炭化水素系溶媒が実質的に脂肪族炭化水素系溶媒である構成である。
それゆえ、簡単な操作(工程)を行うことにより、フッ化ベンゼンを除去することができるので、フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を簡単にかつ安価に精製することができる。すなわち、不純物を含まない高純度のフッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を簡単にかつ安価に得ることができる。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体は、以上のように、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の含有量が1重量%以下である構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体の純度は、90%以上である構成である。
本発明のビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、以上のように、フッ化アリールホウ素誘導体の含有量が1重量%以下である構成である。
本発明のビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体は、純度が95%以上である構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法は、以上のように、トリス(フッ化アリール)ホウ素と化合物(5)とを、1:1.9〜1:5のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させる構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法によって得られたフッ化アリールホウ素誘導体は、以上のように、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の含有量が1重量%以下である構成である。
本発明のフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法によって得られたフッ化アリールホウ素誘導体は、以上のように、純度が90%以上である構成である。
それゆえ、フッ化アリールホウ素誘導体およびビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を触媒等として工業的に利用することができる。

Claims (14)

  1. 一般式(1)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体と、一般式(2)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、一般式(1)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体を析出させて第一濾過を行い、一般式(1)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体を単離した後、該濾液から一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させて第二濾過を行い、一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を単離することを特徴とするフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法。
  2. 一般式(1)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるフッ化アリールホウ素と、一般式(2)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、一般式(3)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜R13のうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、Rは水素原子または炭化水素基を表す)で表わされるフッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、一般式(i)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体を析出させ、第一濾過することによって一般式(1)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導本を固体として単離した後、更に該濾液から一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させ、第二濾過することにより一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することを特徴とするフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法。
  3. 一般式(1)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体と、一般式(2)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、一般式(3)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜R13のうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、Rは水素原子または炭化水素基を表す)で表わされるフッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、一般式(3)で表されるフッ化ベンゼンを除去して得られた、一般式(1)で表されるフッ化アリールホウ素誘導体と一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、一般式(1)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体を析出させ、第一濾過することによって一般式(1)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体を固体として単離した後、更に該濾液から一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させ、第二濾過することにより一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することを特徴とするフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法。
  4. 一般式(1)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体と、一般式(2)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体と、一般式(3)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜R13のうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、Rは水素原子または炭化水素基を表す)で表わされるフッ化ベンゼンと、炭化水素系溶媒とを含む溶液から、一般式(1)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体を析出させ、第一濾過することによって一般式(1)で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体を固体として単離した後、一般式(3)で表されるフッ化ベンゼンを除去して得られる炭化水素系溶液から、一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を析出させ、第二濾過することにより一般式(2)で表されるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体を固体として単離することを特徴とするフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法。
  5. 上記フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液が、一般式(4)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つはフッ素原子を表す。)
    で表されるトリス(フッ化アリール)ホウ素と一般式(5)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R14はそれぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5aまたは6a族原子を表し、nは0または1である。)で表される化合物とを、1:1.9〜1:5のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させて得られた溶液であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法。
  6. 上記フッ化アリールホウ素誘導体と、ビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体とを含む溶液が、一般式(4)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つはフッ素原子を表す。)
    で表されるトリス(フッ化アリール)ホウ素と一般式(5)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R14はそれぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5aまたは6a族原子を表し、nは0または1である。)で表される化合物とを、1:0.9〜1:1.1のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させて得られた溶液であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法。
  7. 上記炭化水素系溶媒が実質的に脂肪族炭化水素系溶媒であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のフッ化アリールホウ素誘導体及びビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の精製方法。
  8. 一般式(2)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の含有量が1重量%以下であることを特徴とする固体状の一般式(1)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体。
  9. 純度が90%以上であることを特徴とする請求項8に記載のフッ化アリールホウ素誘導体。
  10. 一般式(1)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるフッ化アリールホウ素誘導体の含有量が1重量%以下であることを特徴とする固体状の一般式(2)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体。
  11. 純度が95%以上であることを特徴とする請求項10に記載のビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体。
  12. 一般式(4)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つはフッ素原子を表す。)
    で表されるトリス(フッ化アリール)ホウ素と一般式(5)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R14はそれぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5aまたは6a族原子を表し、nは0または1である。)で表される化合物とを、1:1.9〜1:5のモル比で、炭化水素系溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式(1)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表されるフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法。
  13. 一般式(2)
    Figure 2002048156
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭化水素基を表し、Mは5B族または6B族に属する原子を表し、nは0または1を表す)
    で表わされるビス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の含有量が1重量%以下であることを特徴とする請求項12記載のフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法。
  14. 上記フッ化アリールホウ素誘導体の純度が90%以上であることを特徴とする請求項12または13に記載のフッ化アリールホウ素誘導体の製造方法。
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