JPWO2002047112A1 - 蛍光ランプとその製造方法およびこれを用いた情報表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、蛍光ランプとその製造方法に関し、また蛍光ランプを用いた情報表示装置に関する。本発明は、特に、冷陰極蛍光ランプに好適な蛍光体層の構造を開示するものである。
背景技術
一般に、冷陰極蛍光ランプでは、両端に電極を配置した透光性のガラスバルブの内面に蛍光体の粒子膜が形成されている。このガラスバルブ内には、水銀と、一種または二種以上の希ガスを含む可電離性の混合ガスが充填されている。上記電極間で陽光柱放電が開始されると、バルブ内の水銀が励起および電離され、水銀の励起に伴って発生する共鳴線である185nmおよび254nmの紫外線がバルブ内面に形成された蛍光体により可視光に変換される。
近年、液晶表示装置のバックライト光源としての冷陰極蛍光ランプは、液晶ディスプレイの薄型化に伴う管径の細管化および液晶ディスプレイの高輝度化のために、ランプ電流が増大する傾向にある。このような細管化および高電流化は、波長185nmの紫外線の放射割合を増大させる。短波長側共鳴線の放射割合の増大は、点灯時間の経過に伴う蛍光ランプの輝度の低下割合を大きくする。
輝度の低下要因は三つに分類できる。第一の要因は、ガラスの着色である。これは、主として水銀の低圧蒸気放電によって発生した紫外線によるソラリゼーションや水銀イオンの衝突などに起因する。ガラスの着色を抑制するために、Al2O3微粒子などからなる下地保護膜を蛍光体層とガラスバルブとの間に形成してガラスバルブへの紫外線の照射を抑制することが提案され、実用化されている。
しかし、ガラスバルブの表面を下地保護膜で覆うだけでは、輝度低下の第二の要因である蛍光体の劣化を抑制できない。蛍光体の劣化は、上記短波長側共鳴線(波長185nmの紫外線)の照射によって促進される。そこで、特開平7−316551号公報には、蛍光体粒子の表面を連続被覆層により包囲して、蛍光体の劣化を抑制することが提案されている。同公報には、金属アルコキシド溶液を用いたゾルーゲル法により表面を連続被覆層で覆った蛍光体粒子が開示されている。この蛍光体粒子は、予め表面を被覆してからガラスバルブの内面に塗布される。こうして蛍光体層を形成すると、蛍光体へのイオン衝撃は緩和できる。
しかし、蛍光体粒子全体を被覆すると初期光束が大きく低下する。また、単に蛍光体粒子の周囲に均一に被膜を形成したのでは、水銀が蛍光体粒子の間へと侵入していくことを抑制できない。ガラスバルブ内には、両極性拡散により水銀が多く存在する。ここで、両極性拡散とは、電離した水銀イオンが電子と再結合して電気的に中和する現象である。水銀は、蛍光体層の内部に侵入し、蛍光体粒子などの表面に物理吸着したり、酸化水銀、アマルガムなどの化合物となって消費される。
水銀の消費による発光効率の低下は、輝度低下の第三の要因となる。水銀はナトリウムとアマルガムを形成して消費されることが知られている。そこで、水銀の消費を抑制するために、ガラスバルブ中のナトリウム含有量を低減することが提案されている。しかし、ガラスバルブの組成を調整しても、蛍光体層内部における水銀の消費は抑制できない。蛍光体層の内部における水銀の消費は、膜強度を上げるためにAl2O3微粒子を蛍光体層に混入すると促進される。これは、Al2O3微粒子の比表面積が大きいためであると考えられる。
以上説明したように、輝度を低下させる各要因に対する個々の対策は提案されているが、これらの対策は、上記三つの要因を総合的に考慮すると必ずしも十分なものではなかった。上記従来の対策を実施すると、初期光束の低下など他の特性が低下する場合もある。上記従来の対策では、輝度劣化を抑制しながら膜強度を向上させることもできない。
発明の開示
本発明の蛍光ランプは、透光性容器と、この透光性容器の内面に形成された蛍光体層とを含む蛍光ランプであって、この蛍光体層が、複数の蛍光体粒子と、この複数の蛍光体粒子の接触部分に付着し、かつ蛍光体粒子の表面が部分的に露出するように配置された金属酸化物とを含むことを特徴とする。
本発明の蛍光ランプによれば、金属酸化物により、蛍光体粒子間の空隙が狭小化されている。こうして間隙を狭めたため、蛍光体層の内部やガラスバルブの表面に達する紫外線(特に波長185nmの紫外線)や水銀を低減できる。したがって、ガラスバルブの着色、蛍光体の劣化、水銀の消費をいずれも抑制できる。蛍光体粒子の全表面を金属酸化物により被覆しているわけではないから、初期光束が大きく低下することはない。
本発明の蛍光ランプの製造方法は、複数の蛍光体粒子が分散し、かつ金属化合物が溶解した蛍光体層形成液を透光性容器の内面に塗布する工程と、蛍光体層形成液が塗布された上記透光性容器を加熱して上記金属化合物を金属酸化物とすることにより、この金属酸化物と上記複数の蛍光体粒子とを含む蛍光体層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、複数の蛍光体粒子の間に、これら粒子の接触部分に付着し、かつ蛍光体粒子の表面が部分的に露出するように金属酸化物を形成した蛍光体層を有する蛍光ランプを合理的かつ効率的に製造できる。
本発明は、上記記載の蛍光ランプを備えた情報表示装置も提供する。
発明の実施の形態
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の蛍光ランプでは、複数の蛍光体粒子の表面の1〜70%、さらに5〜25%を金属酸化物が覆っていることが好ましい。
本発明の蛍光ランプでは、蛍光体層に、粒径が0.5μm以下の非蛍光体粒子が実質的に含まれていない状態であっても、複数の蛍光体粒子間に存在し、蛍光体粒子相互の固着に寄与している金属酸化物により、蛍光体膜の強度を向上させることができる。比表面積が大きい上記非蛍光体粒子(例えばAl2O3微粒子)を排除することは、水銀の消費を抑制する観点からも好ましい。ここで、実質的に含まないとは、厳密には、含有率が0.1重量%以下であることをいう。
金属酸化物は、具体的には、Y,La,Hf,Mg,Si,Al,P,B,VおよびZrから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。特に好ましい金属は、YおよびLaである。
金属酸化物は、酸素原子との結合エネルギーが10.7×10−9Jを超える金属を含有することが好ましい。10.7×10−9Jは、波長185nmの紫外線が有する光量子エネルギーに相当する。したがって、このエネルギーよりも大きい酸素原子との結合エネルギーを有する金属を用いれば、波長185nmの紫外線の照射に対する金属酸化物の耐久性を向上できる。
本発明の製造方法では、透光性容器の内面に塗布された蛍光体層形成液に含まれる液体の少なくとも一部を気化させることにより、金属化合物を複数の蛍光体粒子の接触部分に偏って分布させ、より好ましくはこの接触部分に金属化合物を析出させた後に、透光性容器を加熱するとよい。蛍光体層形成液は、隣接する蛍光体粒子の接触部分近傍では気化せずに残存しやすい。このため、塗布した後に形成液に含まれる液体の少なくとも一部を気化させると、金属酸化物を、複数の蛍光体粒子の接触部分に付着し、かつ複数の蛍光体粒子の表面を部分的に覆うような状態に、確実に形成できる。
本発明の製造方法では、透光性容器を加熱する際に、この透光性容器内に酸素含有気体を供給することが好ましい。蛍光体層形成液に金属化合物を添加すると、この液に含まれるバインダー成分(例えばニトロセルロース)が十分に焼成されず、蛍光体層に炭素分が残留しやすくなる。炭素分の残留は、初期輝度の低下や輝度維持率の低下を招く。炭素分の残留を防止するためには、加熱温度を上げればよいが、これのみに頼ると、透光性容器(例えばガラスバルブ)が軟化して変形することもある。従って、酸素含有気体を強制的に供給することにより、有機成分の酸化を促進するとよい。酸素含有気体としては、空気、酸素などが挙げられる。空気の供給量は、蛍光体層1gあたり、100ml/分以上が好適である。
酸素含有気体を供給する方法は、酸素が器内に供給されにくい場合、例えば透光性容器が、内径1.0mm〜4mmの管状のガラスである場合、に特に適している。
金属化合物は、無機金属化合物であってもよいが、有機金属化合物が好ましく、カルボキシル基およびアルコキシル基から選ばれる少なくとも一つを含有する化合物が好適である。蛍光体層形成液に含まれる液体は、有機溶剤であってもよいが、水を用いると、蛍光体層形成時の作業上の安全性や作業環境を改善できる。水を用いる場合には、水溶性の金属化合物を選択して用いるとよい。水溶性の金属化合物としては、カルボン酸塩、特に酢酸塩、例えば酢酸イットリウムが好適である。
有機金属化合物の種類によっては、金属酸化物に付着した水分がバインダーの焼成不足を引き起こすことがある。この水分は、初期輝度の低下や輝度維持率の低下を引き起こす。水分は、金属化合物の加水分解反応時に、金属原子(例えばY)がOH基の攻撃を受けることが原因となって残留すると思われる。金属原子に結合した有機官能基がOH基に対する立体障害として十分に作用すれば、金属原子とOH基との反応を抑制して金属原子とOH基との結合、例えばY−OH結合の生成、を抑制できる。しかし、官能基の分子量が大きすぎると熱分解反応が進行しにくくなる。本発明者の検討によると、官能基の分子量は73〜185が好適である。
蛍光体層形成液は、金属化合物を、金属酸化物に換算して、蛍光体粒子に対して1〜15重量%、特に1〜2重量%の範囲で含むことが好ましい。金属化合物の含有量が少なすぎると十分に輝度低下を抑制できない場合がある。一方、金属化合物の量が多すぎると輝度が低下することがある。
蛍光体層形成液は、粒径が0.5μm以下の非蛍光体粒子を実質的に含まないことが好ましい。ここでも、実質的に含まないとは、厳密には、形成した蛍光体層における含有率が0.1重量%以下となる範囲をいう。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態についてさらに説明する。
図1は、本発明の蛍光ランプの一形態における蛍光体層近傍の部分断面図であり、図2は、図1の部分拡大図である。蛍光体層10は、ガラスバルブ13上に、蛍光体粒子12が積層して形成されている。蛍光体粒子の表面の一部は、金属酸化物11により覆われている。
金属酸化物11は、蛍光体粒子間の接触部分に付着して蛍光体膜の空隙を狭小化している。蛍光体粒子の空隙が狭くなれば、ガラスバルブ13の表面に達する紫外線21や水銀22が減少する。このため、ガラスバルブのソラリゼーションやガラスバルブ中のナトリウムと水銀のアマルガムの生成が抑制される。また、蛍光体層の表層に存在する金属酸化物は、蛍光体層10の内部に侵入する紫外線21や水銀22を減少させる。このため、蛍光体層の内部における紫外線による蛍光体の劣化や水銀の消費も抑制される。
金属酸化物11は、隣接する蛍光体粒子12の接触部分(典型的には接点)近傍に偏在している。蛍光体粒子間の接触部分近傍は、蛍光体粒子が積層されて構成された蛍光体層において、最も紫外線や水銀が通過しやすい部分である。したがって、この部分に金属酸化物を偏在させると、輝度劣化を抑制する効果が大きい。
蛍光体粒子の接触部分近傍に付着し、粒子同士の接触部分を見かけ上太くするように形成された金属酸化物により、金属酸化物が存在しない状態と比較して、複数の蛍光体粒子が積み重なって形成された蛍光体膜の強度は向上している。従来、蛍光体層の膜強度を上げるためには、Al2O3微粒子などを添加する必要があった。しかし、この蛍光体層では、水銀の消費を促進し、輝度を維持する観点からは好ましくない非蛍光体微粒子を添加することなく、膜強度を向上させることができる。
金属酸化物11は、蛍光体粒子12の表面の一部を覆っているに過ぎない(換言すれば、蛍光体粒子の表面の少なくとも一部は露出している)。したがって、各蛍光体粒子の全表面を被覆した場合のように、蛍光体粒子からの発光が大きく妨げられることはない。蛍光体粒子を被覆する割合が高すぎると、初期光束が低下し、焼成に要するエネルギーも大きくなる。一方、被覆する割合が低すぎると、輝度低下抑制の効果が十分に得られない場合がある。本発明者の検討によると、金属酸化物による蛍光体粒子の好ましい被覆率は、1〜70%、特に5〜25%である。
金属酸化物11としては、酸素原子との結合エネルギーが、波長185nmの紫外線が有する光量子エネルギー(10.7×10−9J)を超えるものが好適である。このような金属酸化物を提供できる金属としては、Zr,Y,Hfなどが挙げられる。一方、例えばV,Al,Siは、酸素原子との結合エネルギーが10.7×10−9J以下となる。
なお、蛍光体12としては、従来から用いられてきたもの(例えば三波長型発光蛍光体やハロ燐酸塩蛍光体)を特に制限なく使用できる。ガラスバルブ13にも、従来から用いられてきたガラスを適用すればよく、ガラス組成について特に制限はない。
図13は、本発明を適用できる冷陰極蛍光ランプの部分切り取り平面図である。この直管型のランプの両端には、電極5が配置され、バルブ3の内面には蛍光体層1が形成されている。電極5には、金属板6から電圧が供給される。
図22に、本発明の情報表示装置の一例として、液晶表示装置の構成を示す。冷陰極蛍光ランプ31は、光拡散板32および液晶パネル33とともにフレーム35a,35b,35c内に収納されている。
以下、図3を参照して蛍光体層の製造方法を例示する。
まず、蛍光体サスペンションを調製する。蛍光体サスペンションは、所定量の蛍光体粒子を分散したサスペンションに、このサスペンションに溶解する金属化合物を投入して作製すれぱよい。このサスペンションは、分散質として蛍光体粒子を、溶質として金属化合物を含んだものとなる。蛍光体粒子の分散媒となり、金属化合物の溶媒となる液体は、有機溶媒(例えば酢酸ブチル,エタノール,メタノール)であっても無機溶媒(水)であってもよい。なお、サスペンションには、結着剤などをさらに投入してもよい。
次に、蛍光体サスペンションをガラスバルブの内面に塗布し、このサスペンションを乾燥させる。この乾燥工程では、金属化合物を溶解していた液体が気化するにつれて金属化合物の濃度が上昇し(金属化合物溶液が濃縮され)、やがて金属化合物が蛍光体粒子間に析出する。表面張力により、気化の進行とともに、溶液は、蛍光体粒子間において、より狭い空隙へと後退していく。その結果、金属化合物は、蛍光体粒子間の間隔が狭い部分に偏って析出する。こうして、金属化合物は、典型的には隣接する蛍光体粒子の接触部分の近傍に析出することになる。
乾燥工程では、金属化合物の溶媒となっている液体が気化しやすい温度にガラスバルブを保持するとよい。この温度は、用いる液体などに応じて適宜定めればよいが、25℃以上当該液体の沸点以下が好ましく、例えば酢酸ブチルを用いる場合には25〜50℃が好適であり、水を用いる場合には50〜80℃が好適である。
引き続き、蛍光体サスペンションを塗布して形成した層を焼成する。焼成は、通常実施されている態様で行えばよい。焼成温度は、ガラスバルブの内部の実測温度に基づいて表示して580〜780℃程度とすればよい。この焼成工程で、金属化合物は、分解され酸化されて金属酸化物となる。こうして形成された蛍光体層では、図1および図2に示したように、蛍光体粒子を部分的に覆いながら粒子の接触部分の周囲に付着してこの接触部分を太くするように、金属酸化物が偏在している。
以降、通常実施されている工程に従い、ガラスバルブからの排気、水銀および希ガスを含む可電離性ガスの封入、バルブの封止などを行って蛍光ランプとすればよい。
金属化合物は、サスペンションに溶解し、焼成時に熱分解して酸化するものが好適である。例えば、イットリウムを用いる場合、水溶性の化合物としては、酢酸イットリウム、硝酸イットリウム、硫酸イットリウム、塩化イットリウム、ヨウ化イットリウムが挙げられる。これらの化合物のうち、比較的低温(650℃以下)で熱分解する化合物は、酢酸イットリウムである。
上記と同様の方法により形成した蛍光体層の断面をHRSEM(高分解能走査型電子顕微鏡)で観察した結果を図4に示す。一方、この蛍光体層を、金属化合物を添加せずに形成すると、図5に示したような断面となる。金属酸化物により、蛍光体粒子同士が強固に接続され、かつ蛍光体粒子間の空隙が狭小化されていることが確認できる。
さらに、上記と同様の方法により形成した蛍光体層において、X線マイクロアナライザーを用いて微小領域の組成分析を行った。ここでは、イットリウムを含まない蛍光体を用いるとともに、蛍光体粒子間にはイットリウム酸化物を形成した。蛍光体粒子の結合部分の分析結果を図6に、蛍光体粒子表面の分析結果を図7に示す。蛍光体粒子の結合部分においてのみイットリウムが検出された。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
(実施例1)
三波長蛍光体として、YOX(Y2O3:Eu)、SCA((SrCaBa)5(PO4)3Cl:Eu)、LAP(LaPO4:Ce,Tb)を準備した。この三波長蛍光体98.5gを、予めNC(ニトロセルロース)1%を溶解させた酢酸ブチル溶液に分散させた。このサスペンションに、蛍光体粒子に対して酸化物換算濃度で1.5重量%となるようにシュウ酸イットリウムを添加し、攪拌して溶解した。
次いで蛍光体サスペンションを、管径2.6mm、長さ300mmのガラスバルブの内面に塗布した。ガラスバルブへの塗布は、下方から液を押し上げる方法で行った。
引き続き、塗布により形成した層を50℃の温風により乾燥させた。乾燥時間は、約3分間とした。さらに、温度780℃に設定したガス炉内で焼成を行った。焼成時間は3分間とした。このとき、ガラスバルブ内部の実測温度は750℃に達した。その後、ガラスバルブからの排気、ガス(Ne:Ar=5:95;約0.01MPa)の封入、バルブの封止を行って冷陰極蛍光ランプ(a)とした。
HRSEMで観察したところ、蛍光ランプ(a)では、蛍光体粒子の表面積の20%程度がイットリウム酸化物により覆われていた。
(比較例1)
比較のために、蛍光体サスペンションにシュウ酸イットリウムを添加しない点を除いては実施例1と同様にして蛍光ランプ(b)を作製した。
実施例1から得た蛍光ランプ(a)および比較例1から得た蛍光ランプ(b)について輝度維持率を測定した。結果を図8に示す。なお、点灯周波数は35kHz、ランプ電流は6mAで一定とした。また、色度xおよびyの経時変化を測定した。点灯周波数およびランプ電流は上記と同様である。結果をそれぞれ図9および図10に示す。図8〜図10より、蛍光体粒子間にイットリウム酸化物を形成した蛍光ランプ(a)では、蛍光ランプ(b)におけるよりも、輝度低下、色度xおよびyの変化が抑制されていることが確認できた。
(実施例2)
管径20mm、長さ600mmのガラスバルブを用い、焼成温度を750℃、焼成時間を2分間とした点を除いては、実施例1と同様にして蛍光ランプ(c)を作製した。ガラスバルブ内部の実測温度は650℃に達した。
(比較例2)
比較のために、蛍光体サスペンションにシュウ酸イットリウムを添加しない点を除いては実施例2と同様にして蛍光ランプ(d)を作製した。
実施例2から得た蛍光ランプ(c)および比較例2から得た蛍光ランプ(d)について蛍光体層の膜強度を評価した。膜強度の評価は、蛍光体層に管径約1mmのエアノズルから空気を吹き付けて行った。層が剥離するときの空気圧は、蛍光ランプ(c)では0.15MPa程度、蛍光ランプ(d)では0.02MPa程度であり、金属酸化物の有無によって膜強度に大きな相違があることが確認できた。
(実施例3)
本実施例では、蛍光体粒子の分散媒(金属化合物の溶媒)として水を用いた。水を用いると、有機溶剤を用いた場合よりも、蛍光ランプ製造現場における作業環境や安全性を大きく改善できる。
ここでも、三波長蛍光体として、YOX、SCA、LAPを準備した。この三波長蛍光体98.5gを、予めバインダーとしてPEO(ポリエチレンオキシド)1%を溶解させた水溶液に分散させた。このサスペンションに、酸化物換算濃度で蛍光体微粒子に対して1.5重量%となるように酢酸イットリウムを添加し、攪拌して溶解した。さらに、このサスペンションに酢酸を投入してpHを5.5〜7に調整し、メッシュを通して分散性を向上させるとともに凝集粒子や挨などを除去した。
この蛍光体サスペンションを、管径26mm、長さ1200mmのガラスバルブの内面に塗布した。ガラスバルブへの塗布は、バルブの上方から液を流し込む方法で行った。ここでは、ガラスバルブの内面に予めAl2O3微粒子からなる下地保護膜を形成しておいた。この保護膜は、Al2O3微粒子の水分散液を上方から流し込む方法で形成した。
引き続き、塗布により形成した層を90℃の温風により乾燥させた。乾燥時間は、約3分間とした。さらに、温度780℃に設定したガス炉内で焼成を行った。焼成時間は3分間とした。その後、ガラスバルブからの排気、ガス(Ar)の封入、バルブの封止を行って直管型40Wの蛍光ランプ(e)とした。
(比較例3)
比較のために、蛍光体サスペンションに酢酸イットリウムを添加しない点を除いては実施例3と同様にして蛍光ランプ(f)を作製した。
実施例3から得た蛍光ランプ(e)および比較例3から得た蛍光ランプ(f)について輝度維持率を測定した。結果を図11に示す。なお、点灯周波数は45kHz、電源電圧256Vで一定とした。図11より、蛍光体粒子間にイットリウム酸化物を形成した蛍光ランプ(e)では、蛍光ランプ(f)におけるよりも、輝度低下が抑制されていることが確認できる。なお、ここでは点灯後100時間経過時の輝度を100%とした。
さらに蛍光ランプ(e)および蛍光ランプ(f)について水銀消費率を測定した。水銀消費率の測定条件は、ランプを直流200Vで点灯し、カタホレシス現象が発生する時間を測定することにより行った。バルブ中の水銀封入量はガラスカプセルにより1mg±0.1mgとした。結果を図12に示す。
(比較例4)
この比較例では、蛍光体粒子の全表面を金属酸化物層で被覆した蛍光体層を形成した。蛍光体粒子全表面の被覆は、酢酸イットリウム水溶液に蛍光体粒子を適量入れた後、アンモニア水を加えて水酸化イットリウムの沈殿を生じさせることにより行った。こうしてコーティングした蛍光体粒子は、ろ過した後に焼成した。この蛍光体粒子を用いた蛍光ランプは、実施例3で作製した蛍光ランプ(e)に比較して、初期光束が34%も低下していた。
(実施例4)
以下、上記実施例と同様にして作製した蛍光ランプを用いて、好ましい製造条件を調査した。
まず、蛍光体の焼成温度について調査した。ここでは、カルボン酸イットリウムを酢酸ブチルに溶解した蛍光体層形成液を用いた。
蛍光体層の形成工程(蛍光体の焼き付け工程)では、イットリウム化合物を熱分解して酸化イットリウムを蛍光体粒子の表面や粒子間に形成する。しかし、焼成が不十分であると、初期輝度が低下したり、輝度維持率が大きく低下する場合がある。
図14(a)、(b)は、カルボン酸イットリウムの酢酸ブチル溶液における熱分析(TG/DTA)の結果である。図14(a)では、測定条件として、ガラスバルブ内への空気供給量を100ml/分・g、雰囲気を空気中、昇温レートを10℃/分とした。図14(b)の測定条件は、空気供給を省いた点を除いては図14(a)における条件と同様である。なお、空気供給量は、形成した蛍光体層1gあたりに換算した数値である(以下、同様)。
図14(a)のDTA曲線から、空気を供給した場合には、471℃で急激に熱分解反応が進行した。TG曲線の重量飽和レベルより、酸化イットリウムの生成完了温度は約466℃であった。
図14(b)のDTA曲線から、空気を供給しないと、酸化イットリウムの分解反応が474℃、548℃と高温側にシフトした。TG曲線の重量飽和レベルより、形成完了温度も579℃と高温側にシフトした。なお、窒素中で同様の熱分析測定を実施したところ、1000℃まで加熱しても、カルボン酸イットリウムは熱分解できなかった。
細管(内径4mm以下、例えば3mm〜1.4mm程度)のガラスバルブを用いる冷陰極蛍光ランプでは、管内に酸素が供給されにくくなる。このため、従来は、蛍光体の焼き付け温度を高くする必要があった。細管形状を有するガラスバルブでは、軟化温度が高いホウケイ酸ガラスが用いられる。しかし、ホウケイ酸ガラスであっても、880℃を超えて加熱するとバルブが軟化する。このため、従来は、管内の蛍光体層を十分に焼成することはできなかった。空気などの酸素含有気体を供給しながら蛍光体を焼き付けする工程は、細管を有するガラスバルブに適している。
図15は、空気を供給しつつ蛍光体を焼成するときの焼き付け温度(ガラスバルブ内部の実測温度)を変化させて(600℃、650℃、700℃、750℃、780℃)、輝度維持率(点灯時間100時間、500時間)を調べた結果である。なお、破線αは金属酸化物を含まない現行の製造方法によるランプの点灯100時間における輝度維持率である。同様に、破線βは、現行の製造方法によるランプの点灯500時間における輝度維持率である。なお、これらの破線は、後述の破線γも含め、現行技術による輝度維持率のピークレベルを示している。蛍光体焼成時間は、実用レベルの5分とした。空気供給条件は、管内流量を実測して125ml/分・gとなるように調整した。
最適条件は、試作ランプの100時間、500時間点灯時における輝度維持率から求めた。ランプ輝度の測定は、色彩輝度計を用いた。輝度維持率は、初期輝度を100%として算出した。
ここでは、ホウケイ酸ガラス、外径2.6mm(内径2.0mm)、全長300mmの冷陰極蛍光ランプ(n=3)を用い、ランプ電流6mA一定で点灯して評価した。蛍光体は、三波長発光型蛍光体(赤:Y2O3:Eu、緑:LaPO4:Ce,Tb、青:BaMg2Al16O27:Eu)を用い、色度が(x,y)=(0.310,0.295)となるように調整した。蛍光体塗布重量は、82±4mgとした。封入ガスはNe/Ar=95/5、圧力は0.01MPaとした。
図15から、温度範囲660〜770℃の範囲では現行技術と比較して大幅に輝度維持率が向上した。焼き付け温度が660℃未満では酸化イットリウムの形成が不十分となり、770℃を超えると酸化イットリウムの結晶化が進行するためである。結晶化の進行は、水銀のバリア効果の低下をもたらしたと考えられる。
図16は、空気供給量を変化したときのバルブの温度と空気供給量の関係である。波線γは金属酸化物を含まない現行の製造方法による100hの輝度維持率レベルである。図16の結果より、空気供給量は100ml/分・g以上が好ましいことが確認された。
本発明にかかる金属化合物の分子量について説明する。
(実施例5)
本実施例でも、上記実施例と同様にして作製した蛍光ランプを用いて、好ましい製造条件を調査した。
ここでは、金属化合物の分子量について調査した。具体的には、短時間(約5分間程度)の焼成による水分除去の程度を確かめた。具体的には、分子量の異なるイットリウム化合物を用いて酸化イットリウムを形成し、この酸化物中の水分残留量を評価した。残留水分量は、FT−IR分光分析装置を使用し、OH基吸収帯(4300cm−1)における吸光度の大きさにより評価した。
図17は、カルボン酸イットリウムにおける焼成時間と水分残留量の関係である。官能基の分子量が59の酢酸イットリウムを曲線gに、官能基の分子量101のカルボン酸イットリウムを曲線hにそれぞれ示す。化合物それぞれは酢酸ブチルに溶解した。そして、シリコンウエハ上に膜厚0.1μmとなるようにスピンコートして、100℃で30分間乾燥した。その後、焼成温度550℃で焼成時間と残留水分量の変化を調べた。
曲線gより、官能基の分子量が59では、60分程度焼成すると水分が除去できるが、実用的な時間レベルである約5分間の焼成では、水分除去できないことがわかった。一方、曲線hより、官能基の分子量101では、約5分という短時間で水分が除去できた。図17の結果より、Y原子に立体障害を形成することで、OH基の攻撃が抑制でき、水分残留量が低減できることが確認できた。
同様の実験方法を用いて、官能基の分子量を最適化した本発明における実施例について次に説明する。本発明者は、一般式:CnH2n+1COO−で示される直鎖飽和カルボキシル基について、nを変化させて検討した。カルボン酸イットリウムはY(OCOCnH2n+1)3で示される。図18は、官能基の分子量が変化したときの水分残留量の関係を調べた結果である。焼成時間は5分とした。
図19に、分子量と残留炭素量の関係を調べた結果を示す。残留炭素量の測定には、赤外線吸収法による炭素分析装置(島津製作所製)を用いた。図18および図19から、官能基の分子量を73〜185とすると、水分および炭素の残留量が低下することがわかる。分子量の範囲は101〜143が最良であった。
なお、ここでは、カルボン酸イットリウム化合物を例に説明したが、アルコキシル基(一般式:CnH2n+1O−)を付加したイットリウムアルコキシドやオレフィン系のイットリウム化合物についても、官能基の分子量について同様の傾向がある。
(実施例6)
図20に、本発明を適用した別の冷陰極蛍光ランプにおける点灯時間と輝度維持率との関係を示す。酸化イットリウムを形成したランプが曲線iに、この酸化物がないランプが曲線jに、それぞれ対応する。図21に、これら蛍光ランプについて、点灯時間と色度座標上におけるy値の初期値に対する変化量(色シフト)との関係を示す。
ここでは、ホウケイ酸ガラス、外径2.6mm(内径2.0mm)、全長300mmの冷陰極蛍光ランプを用い、ランプ電流を6mAで一定として点灯し、特性を評価した。
蛍光体は、三波長発光型蛍光体(赤:Y2O3:Eu、緑:LaPO4:Ce,Tb、青:BaMg2Al16O27:Eu)を用い、色度が(x,y)=(0.310,0.295)となるように調整した。蛍光体塗布重量は、82±4mgとした。封入ガスはNe/Ar=95/5、圧力0.01MPaとした。
なお、本発明は、冷陰極型蛍光ランプに限らず、熱陰極型蛍光ランプ、電球形蛍光ランプなどのコンパクト形蛍光ランプ、外部の誘電コイルを用いる無電極蛍光ランプについても同様に適用できる。金属化合物についても、Yに限らず、上記に述べた各元素について同様に実施できる。
以上説明したように、本発明によれば、輝度低下を抑制した蛍光ランプを提供することができる。特に本発明によれば、初期光束や膜強度などの特性を維持しながら輝度低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の蛍光ランプの一形態を示す部分断面図である。
図2は、図1の部分拡大図である。
図3は、本発明の蛍光ランプの製造方法の一例を示す工程図である。
図4は、本発明の蛍光ランプの一形態の蛍光体層をHRSEM(高分解能走査型電子顕微鏡)で観察した状態を示す図である。なお、図4(a)のスケール全体は10.0μmに相当し、図4(b)の図のスケール全体は5.00μmに相当する。
図5は、従来の蛍光ランプの蛍光体層をHRSEMで観察した状態を示す図である。なお、図5(a)のスケール全体は10.0μmに相当し、図5(b)の図のスケール全体は5.00μmに相当する。
図6は、本発明の蛍光ランプの一形態において蛍光体粒子間に存在する金属酸化物を、X線マイクロアナライザーを用いて分析した結果を示す図である。
図7は、本発明の蛍光ランプの一形態において蛍光体粒子の表面を、X線マイクロアナライザーを用いて分析した結果を示す図である。
図8は、本発明による蛍光ランプaおよび従来の蛍光ランプbにおける輝度維持率を示す図である。
図9は、本発明による蛍光ランプaおよび従来の蛍光ランプbにおける色度xの変化を示す図である。
図10は、本発明による蛍光ランプaおよび従来の蛍光ランプbにおける色度yの変化を示す図である。
図11は、本発明による蛍光ランプeおよび従来の蛍光ランプfにおける輝度維持率を示す図である。
図12は、本発明による蛍光ランプeおよび従来の蛍光ランプfにおける水銀消費率を示す図である。
図13は、本発明の蛍光ランプの一形態を示す部分切り取り平面図である。
図14は、カルボン酸イットリウムの熱分解特性を示す図であり、図14(a)は空気供給(エアフロー)がある場合の特性を、図14(b)はエアフローがない場合の特性をそれぞれ示す。
図15は、焼成温度(バルブ内部の実測温度)と輝度維持率との関係の一例を、点灯時間による相違とともに示す図である。
図16は、焼成温度(バルブ内部の実測温度)と輝度維持率との関係の一例を、空気流量による相違とともに示す図である。
図17は、焼成時間と水分残留量との関係を、カルボン酸イットリウムの分子量による相違とともに示した図である。
図18は、カルボン酸イットリウムにおける官能基の分子量と水分残留量との関係を示す図である。
図19は、カルボン酸イットリウムにおける官能基の分子量と炭素の残留量との関係を示す図である。
図20は、本発明による蛍光ランプiおよび従来の蛍光ランプjにおける輝度維持率を示す図である。
図21は、本発明による蛍光ランプiおよび従来の蛍光ランプjにおける色度y値の変化量を示す図である。
図22は、本発明の情報表示装置の一形態を示す分解斜視図である。
Claims (21)
- 透光性容器と、前記透光性容器の内面に形成された蛍光体層とを含む蛍光ランプであって、前記蛍光体層が、複数の蛍光体粒子と、前記複数の蛍光体粒子の接触部分に付着し、かつ前記蛍光体粒子の表面が部分的に露出するように配置された金属酸化物とを含むことを特徴とする蛍光ランプ。
- 金属酸化物が、複数の蛍光体粒子の表面の1%以上70%以下を覆っている請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 蛍光体層が、粒径が0.5μm以下の非蛍光体粒子を実質的に含まない請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 金属酸化物が、Y,La,Hf,Mg,Si,Al,P,B,VおよびZrから選ばれる少なくとも一つを含有する請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 金属酸化物が、YおよびLaから選ばれる少なくとも一つを含有する請求項4に記載の蛍光ランプ。
- 金属酸化物が、酸素原子との結合エネルギーが10.7×10−9Jを超える金属を含有する請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 透光性容器が、内径1.0mm以上4mm以下の管状のガラスである請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 複数の蛍光体粒子が分散し、かつ金属化合物が溶解した蛍光体層形成液を透光性容器の内面に塗布する工程と、前記蛍光体層形成液が塗布された前記透光性容器を加熱して前記金属化合物を金属酸化物とすることにより、前記金属酸化物と前記複数の蛍光体粒子とを含む蛍光体層を形成する工程とを含むことを特徴とする蛍光ランプの製造方法。
- 透光性容器の内面に塗布された蛍光体層形成液に含まれる液体の少なくとも一部を気化させることにより、前記金属化合物を複数の蛍光体粒子の接触部分に偏って分布させた後に、前記透光性容器を加熱する請求項8に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 透光性容器内に酸素含有気体を供給しながら前記透光性容器を加熱する請求項8に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 酸素含有気体として、蛍光体層1gあたり、100ml/分以上の空気を供給する請求項10に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 透光性容器を660℃以上770℃以下に加熱する請求項10に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 金属化合物が、有機金属化合物である請求項8に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 有機金属化合物が、カルボキシル基およびアルコキシル基から選ばれる少なくとも一つを含有する請求項13に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 有機金属化合物において、金属原子に結合した官能基の分子量が73以上185以下である請求項13に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 蛍光体層形成液が、有機溶剤を含む請求項8に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 蛍光体層形成液が、水を含む請求項8に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 金属化合物が、酢酸イットリウムである請求項17に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 蛍光体層形成液が、金属化合物を、金属酸化物に換算して、蛍光体粒子に対して1重量%以上15重量%以下の範囲で含む請求項8に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 蛍光体層形成液が、粒径が0.5μm以下の非蛍光体粒子を実質的に含まない請求項8に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 請求項1に記載の蛍光ランプを備えた情報表示装置。
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