JPH09231944A - 蛍光ランプ用蛍光体及びその製造方法 - Google Patents

蛍光ランプ用蛍光体及びその製造方法

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JPH09231944A
JPH09231944A JP8037594A JP3759496A JPH09231944A JP H09231944 A JPH09231944 A JP H09231944A JP 8037594 A JP8037594 A JP 8037594A JP 3759496 A JP3759496 A JP 3759496A JP H09231944 A JPH09231944 A JP H09231944A
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phosphor
protective agent
fluorescent lamp
solvent
particles
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JP8037594A
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Yosuke Mizuyama
洋右 水山
Masahiro Tokawa
雅弘 東川
Kenji Kono
謙司 河野
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光体を劣化しにくくさせる。 【解決手段】 赤色蛍光体1aであるY 2 O 3:Euと、青
色蛍光体1bであるBaMg 2 Al16O 27:Eu 、及び緑色蛍光
体1cであるLaPO4 :Ce,Tbの3種類の蛍光体粒子1を含
み、増粘剤を含む溶媒中に混合されてスラリーとされて
蛍光ランプ2の内壁2aに塗布される蛍光ランプ用蛍光
体において、赤色蛍光体1aの粒子表面にAl2 O 3 、ま
たはMgO のいずれか一方を保護剤3として付着させ、青
色蛍光体1bの粒子表面にAl2 O 3 、またはLa2 O 3
いずれか一方を保護剤3として付着させ、緑色蛍光体1
cの粒子表面にAl2 O 3 を保護剤3としてそれぞれ別々
に付着させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプ用蛍光
体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、蛍光ランプは、気密封止されて
内部に不活性ガスと水銀とを含む放電ガスが封入されて
なるガラスのバルブの内壁に、蛍光体が塗布されて構成
されており、バルブの内部での放電により水銀から放射
される紫外線を、内壁に塗布された蛍光体に入射させる
ことにより、その紫外線のエネルギーで蛍光体を励起さ
せて可視光を得るようにされている。したがって、蛍光
体は、蛍光ランプにおいては極めて重要な構成要素の1
つと言える。
【0003】また、近年では蛍光ランプとして、商用周
波数で点灯される蛍光ランプのほかに、高周波、例えば
ラジオ周波数で点灯される蛍光ランプも知られるように
なってきており、例えば無電極放電ランプのように、こ
の高周波で点灯される蛍光ランプでは、バルブ内に比較
的強い電界強度が存在するために、この電界によって加
速されたイオンが蛍光体に衝突する際に、蛍光体にさま
ざまな影響を与え、蛍光ランプの光束劣化を招いてい
る。この光束劣化の要因は、大きく分けて2つあって、
その1つは水銀化合物の生成による黒化であり、他の1
つはイオン衝撃による蛍光体のアモルファス化である。
【0004】黒化は、バルブの内部に封入された水銀と
バルブのガラスからのナトリウムとの反応による水銀ア
マルガムと、水銀と酸素の結合による酸化水銀とにより
引き起こされる。また、水銀はプラズマ中で正イオンと
なり蛍光体に衝突するため、上述の化合物は、プラズマ
中を浮遊していると考えるよりも、蛍光体表面に水銀が
衝突したときに生成して、その表面に付着すると考える
ほうが妥当である。
【0005】このような黒化やアモルファス化による蛍
光ランプの光束劣化を防ぐには、水銀と蛍光体の衝突を
避けるようにすれば良く、このような方法として、蛍光
体を保護剤で被ういくつかの方法が知られている。
【0006】例えば、従来の蛍光ランプ用蛍光体(第1
の従来例)として、特開平4−142389号公報に開
示された蛍光ランプ用蛍光体がある。そして、この公報
には、白色蛍光体であるハロリン酸カルシウム蛍光体の
粒子表面に、酸化ランタンのような希土類酸化物を付着
させた蛍光ランプ用蛍光体が開示されている。
【0007】また、従来の別の蛍光ランプ用蛍光体(第
2の従来例)として、特開平5−70774号公報に
は、三波長蛍光体である赤色蛍光体Y 2 O 3:Euと、緑色
蛍光体LaPO4 :Ce,Tb、及び青色蛍光体(SrCaBa)5 (PO
4 ) 3 Cl:Eu の粒子表面に、それぞれAl2 O 3 とSiO
2 の混合物による保護剤を付着させた蛍光ランプ用蛍光
体が開示されている。
【0008】さらには、従来のさらに別の蛍光ランプ用
蛍光体(第3の従来例)として、特開平5−32590
1号公報に開示された蛍光ランプ用蛍光体がある。この
蛍光ランプ用蛍光体は、保護剤が蛍光体粒子との帯電傾
向により選択されたものであって、その公報には、赤色
蛍光体であるY 2 O 3:Euと、青色蛍光体であるBaMg2Al
16O 27:Eu 、及び緑色蛍光体であるLaPO4 :Ce,Tbのうち
の2種類以上の蛍光体の粒子表面に、MgO を付着させた
蛍光ランプ用蛍光体が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように構成された第1の従来例に示す蛍光ランプ用蛍光
体においては、ランタン酸化物を蛍光体の保護剤として
いるが、実際にはランタン酸化物はBaMg2 Al16O 27:Eu
のような青色蛍光体だけに保護効果があって、その他の
色の蛍光体に付着させると逆に悪影響を与え、赤、緑、
青の三原色を混合して得られる蛍光ランプ用蛍光体で
は、その効果が得られないという問題点があった。
【0010】また、第2の従来例に示す蛍光ランプ用蛍
光体においては、SiO 2 を含む保護剤が使用されてはい
るものの、SiO 2 例えば赤色蛍光体であるY 2 O 3:Euに
対してはあまり効果はなく、この保護剤では、なお黒化
抑制の十分な効果が得られないという問題点があった。
【0011】さらには、第3の従来例に示す蛍光ランプ
用蛍光体においては、保護剤が、帯電傾向を考慮して選
択されてはいるものの、なお黒化抑制の十分な効果が得
られないという問題点があった。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑みてなされもの
で、その目的とするところは、蛍光体が劣化しにくい蛍
光ランプ用蛍光体を提供することにあり、また別の目的
とするところは、その製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するため、請求項1記載の発明にあっては、赤色蛍
光体1aであるY 2 O 3:Euと、青色蛍光体1bであるBa
Mg2 Al16O 27:Eu 、及び緑色蛍光体1cであるLaPO4 :C
e,Tbの3種類の蛍光体粒子1を含み、増粘剤を含む溶媒
中に混合されてスラリーとされて蛍光ランプ2の内壁2
aに塗布される蛍光ランプ用蛍光体において、前記赤色
蛍光体1aの粒子表面にAl2 O 3 、またはMgO のいずれ
か一方を保護剤3として付着させ、前記青色蛍光体1b
の粒子表面にAl2 O 3 、またはLa2 O 3 のいずれか一方
を保護剤3として付着させたことを特徴とするものであ
る。
【0014】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の蛍光ランプ用蛍光体において、前記緑色蛍光体1
cの粒子表面に、Al2 O 3 を保護剤3として付着させた
ことを特徴とするものである。
【0015】請求項3記載の発明にあっては、請求項
1、または請求項2記載の蛍光ランプ用蛍光体の製造方
法であって、前記保護剤3が付着される蛍光体粒子1
が、蛍光体粒子1の種類ごとにそれぞれ別々に保護剤3
が付着されて形成され、その後に、前記保護剤3が付着
された蛍光体粒子1を含む前記3種類の蛍光体粒子1
を、前記増粘剤を含む溶媒中に混合してスラリーとした
ことを特徴とするものである。
【0016】請求項4記載の発明にあっては、請求項3
記載の蛍光ランプ用蛍光体の製造方法において、前記保
護剤3が付着される蛍光体粒子1を、この蛍光体粒子1
とそれに付着させる前記保護剤3とを、水または有機溶
剤からなる溶媒中で撹拌して分散させ、この溶媒を瀘過
させた後に、この濾液を所定の温度で焼成して形成した
ことを特徴とするものである。
【0017】請求項5記載の発明にあっては、請求項4
記載の蛍光ランプ用蛍光体の製造方において、前記保護
剤3が、この保護剤3の粒径が略数μmとなるまで前記
溶媒中で撹拌させて分散させたことを特徴とするもので
ある。
【0018】請求項6記載の発明にあっては、請求項3
記載の蛍光ランプ用蛍光体の製造方法において、前記保
護剤3であるAl2 O 3 を、前記蛍光体粒子1と共にアル
カリ性の溶媒中に混入させて撹拌させ、前記保護剤3を
溶解させた後に、弱酸性液を用いて滴定させることによ
り前記蛍光体粒子1の表面に前記保護剤3の水酸化物を
形成させ、この溶媒を瀘過させた後に、この濾液を所定
の温度で焼成して前記蛍光体粒子1に付着形成させたこ
とを特徴とするものである。
【0019】請求項7記載の発明にあっては、請求項3
記載の蛍光ランプ用蛍光体の製造方法において、前記赤
色蛍光体1aの前記保護剤3であるMgO を、前記赤色蛍
光体1aと共にアンモニウム塩を含む水溶液の溶媒中に
混入させて撹拌させ、前記保護剤3を溶解させた後に、
弱酸を用いて滴定させることにより前記赤色蛍光体1a
の粒子表面に前記保護剤3の水酸化物を形成し、この溶
媒を瀘過させた後、所定の温度で焼成して前記赤色蛍光
体1aの粒子表面にMgO を保護剤として付着形成させる
と共に、前記青色蛍光体1bの前記保護剤3であるLa2
O 3 を、前記青色蛍光体1bと共に希土類塩を含む水溶
液の溶媒中に混入させて撹拌させ、前記保護剤3を溶解
させた後に、弱酸を用いて滴定させることにより前記青
色蛍光体1bの粒子表面に前記保護剤3の水酸化物を形
成させ、この溶媒を瀘過させた後、所定の温度で焼成し
て前記青色蛍光体1bの粒子表面にLa2 O 3 を保護剤と
して付着形成させたことを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明の蛍光ラ
ンプ用蛍光体、及びその製造方法の第1の実施の形態を
示すものであり、この蛍光ランプ用蛍光体は、赤色蛍光
体1aと、青色蛍光体1b、及び緑色蛍光体1cの三原
色の蛍光体粒子1を混合して形成されたものであって、
赤色蛍光体1aであるY 2 O 3:Eu(YOX)と、青色蛍
光体1bであるBaMg2 Al16O 27:Eu (BAM)、及び緑
色蛍光体1cであるLaPO4 :Ce,Tb(LAP)の3種類の
蛍光体粒子1を含み、増粘剤を含む溶媒中に混合されて
スラリーとされて蛍光ランプ2の内壁2aに塗布される
もので、それらの蛍光体の粒子表面にそれぞれ、保護剤
3が付着されて構成されている。
【0021】これらの保護剤3は、蛍光体粒子1である
赤色蛍光体1aであるYOXと、青色蛍光体1bである
BAM、及び緑色蛍光体1cであるLAPの3種類の蛍
光体粒子との帯電傾向に関連して、それぞれ最適に決定
されており、赤色蛍光体1aであるYOXにはAl2 O
3 、またはMgO のいずれか一方が、青色蛍光体1bで
あるBAMにはAl2 O 3 、またはLa2 O 3 のいずれか一
方が、そして、緑色蛍光体1cであるLAPにはAl2 O
3 がそれぞれ保護剤3とされている。
【0022】つまり、蛍光ランプ2内では、水銀イオン
は正に帯電しているため、蛍光体が正に帯電していれ
ば、水銀イオンが内壁2aに塗布された蛍光体に衝突し
て化合物をつくったり、結晶を変形させたりする確率が
小さくなる。このようなことに鑑みて本願発明者等は、
上述の3種の蛍光体粒子1のうち最も黒化を生じ易い青
色蛍光体1bであるBAMにLa2 O 3 が保護剤3として
顕著な効果を奏することを確認し、それを赤色蛍光体1
aであるYOXに塗布させたところ、その結果は黒化を
抑制できるものではなかった。これは、蛍光体はそれ自
身ある程度の大きさの帯電傾向を持っており、したがっ
て、保護剤が同じでも蛍光体が異なれば帯電傾向は異な
り、同じ保護剤でも付着される蛍光体が異なれば正に帯
電したり負に帯電したりすることもあり得て、上述のよ
うに3種類の蛍光体粒子1を混合させて蛍光ランプ用蛍
光体を得る際には、単に保護剤3を3種類の蛍光体粒子
1と混合させるだけでは、不適切な組み合わせも生じ
て、蛍光体の黒化を十分には抑制できないためである。
【0023】以下に、その蛍光ランプ用蛍光体の製造方
法について説明する。例えば、赤色蛍光体(YOX)1
aに保護剤3としてMgO を付着させる場合、まず、中
性、または弱アルカリ性に処理された水か、ラッカーや
ニトロセルロース等の有機溶剤を溶媒として、粉体状の
赤色蛍光体(YOX)1aと、その赤色蛍光体(YO
X)1aに対して0.1重量%以上、1重量%以下の粉
体状のMgO を混合させる。そして、これらの粉体が、あ
る程度分散するように例えばスターラーなどで数時間攪
拌させる。このとき、保護剤3の分散は、あまり好分散
であっても蛍光体の寿命を長くできず、蛍光体粒子1が
数μmの大きさであるため、保護剤3の大きさが略その
程度の大きさである数μm乃至十μm程度まで、好まし
くは1μm乃至2μm程度で分散処理をやめる。そし
て、その液を濾過させ、その濾液を溶媒が取り除かれる
温度である200℃から450℃(好ましくは約300
℃)で焼成して、粒子表面に保護剤3であるMgO が付着
された粉体状の赤色蛍光体(YOX)1aを形成させ
る。また、これとは別に、同様の方法で、青色蛍光体
(BAM)1bに、例えばLa2 O 3 を保護剤3として付
着させ、また、緑色蛍光体(LAP)1cにAl2 O 3
付着させる。そして最後に、上述のように蛍光体の三原
色ごとに別々に付着作業がされて保護剤3が付着された
3種類の蛍光体粒子1を、水または有機溶剤を溶媒とし
て、ポリエチレンオキサイドのような増粘剤を加えてス
ラリーされて形成される。なお、図2において4は、蛍
光ランプ1である無電極蛍光ランプのバルブを囲むよう
に設けられた高周波電流が流される誘導コイルを、2c
はこのバルブを支持ソケットに機械的に固定するための
口金を示し、また、図1において2bは、バルブの内側
に塗布された保護膜である例えばAl 2 O 3 層を示す。
【0024】このように構成されているため、本実施の
形態における蛍光ランプ用蛍光体、及びその製造方法に
おいては、保護剤3が3種類の蛍光体粒子1それぞれに
対して最適に選ばれて、保護剤3が付着された3種類の
蛍光体粒子1が正の帯電傾向を持つようになり、正に帯
電した水銀イオンが、内壁2aに塗布された蛍光体に衝
突する確率が小さくなって、水銀イオンが内壁2aに塗
布された蛍光体に衝突して化合物をつくったり、結晶を
変形させたりする確率が小さくなり、蛍光体の黒化を十
分には抑制できと共に、そのような蛍光ランプ用蛍光体
が容易に得られる。
【0025】なお、本実施の形態における上述の蛍光体
粒子1に保護剤3を付着させる方法は、赤色蛍光体(Y
OX)1a、及び青色蛍光体(BAM)1bに保護剤3
としてAl2 O 3 を付着させる場合にも、同様の方法で行
われ、また、最後にスラリーとされる際には、Al2 O 3
を付着させた赤色蛍光体(YOX)1a、及び青色蛍光
体(BAM)1bを、上述のものに代えて用いたもので
あっても良い。
【0026】図3は、本発明の蛍光ランプ用蛍光体、及
びその製造方法の第2の実施の形態を示すものであり、
前記第1の実施の形態と異なる点は、その製造方法であ
り、他は前記第1の実施の形態と略同様に構成されてい
る。
【0027】この蛍光ランプ用蛍光体の製造方法は、保
護剤3である酸化物を、いったん水酸化物として溶媒に
溶かし込み、蛍光体粒子1の表面を水酸化物で比較的密
に被覆させた後、焼成させて酸化物とするものであり、
以下に、その方法について詳述する。
【0028】例えば、緑色蛍光体(LAP)1cに保護
剤3であるAl2 O 3 を付着させる場合、まず、略PH1
0から12くらいのアルカリ性に調整された水を溶媒と
して、その中に、緑色蛍光体(LAP)1cと、緑色蛍
光体(LAP)1cに対して0.1重量%以上、1重量
%以下のAl2 O 3 を混合させる。すると、Al2 O 3 はア
ルミン酸イオンとなって溶解する。そして、これをスタ
ーラーなどで十分に攪拌させ、その後に、酢酸などの弱
酸を用いて滴定させて、緑色蛍光体(LAP)1cの粒
子表面を水酸化物、すなわち水酸化アルミニウムで包み
込む。そして、それを濾過させ、その濾液を溶媒が取り
除かれる温度である200℃から450℃(好ましくは
約300℃)で焼成させると、緑色蛍光体(LAP)1
cの粒子表面を包み込んでいた水酸化物は、粒径が1μ
m以下の酸化物、すなわち保護剤3であるAl2 O 3 とな
り、緑色蛍光体(LAP)1cの粒子表面は、その保護
剤3であるAl2 O 3 により包み込まれる。また、これと
は別に、同様の方法で、赤色蛍光体(YOX)1a、及
び青色蛍光体(BAM)1bにも、それぞれ別々にAl2
O 3 の付着処理を行う。そして最後に、上述のように蛍
光体の三原色ごとに別々に付着作業がされて、保護剤3
が付着された3種類の蛍光体粒子1を、水または有機溶
剤を溶媒として、ポリエチレンオキサイドのような増粘
剤を加えてスラリーされて形成される。
【0029】このように構成されているため、本実施の
形態における蛍光ランプ用蛍光体、及びその製造方法に
おいては、前記第1の実施の形態に示す効果に加えて、
保護剤により蛍光体粒子がさらに密に包み込まれて、蛍
光体の黒化をさらに抑制できる。
【0030】また、この本実施の形態において、赤色蛍
光体(YOX)1aに保護剤3としてMgO を付着させる
場合には、上述の溶媒としてアンモニウム塩を含む水溶
液を使用して行う点を除いては、上述と同様の方法がと
られ、また、青色蛍光体(BAM)1bに保護剤3とし
てLa2 O 3 を付着させる場合には、上述の溶媒として希
土類塩を含む水溶液を使用して行う点を除いては、上述
と同様の方法がとられる。
【0031】なお、前記各実施の形態においては、蛍光
ランプを高周波で点灯される無電極蛍光ランプとした
が、本発明はこれに限らず、有電極の蛍光ランプや、低
周波で点灯される蛍光ランプであっても良い。また、前
記各実施の形態においては、蛍光体粒子1が3種類とも
保護剤3が付着されたものを例示したが、本発明はこれ
に限らず、緑色蛍光体は黒化が最も緩やかであるため、
赤色蛍光体及び青色蛍光体のみに保護剤を付着させたも
のであっても良く、さらには、蛍光体粒子表面への保護
剤の付着方法は、3種の蛍光体の間で、上述の保護剤付
着形成方法が混在して用いられるものであっても良い。
【0032】
【発明の効果】このように構成されているため本発明
は、請求項1記載の発明にあっては、保護剤が3種類の
蛍光体粒子それぞれに対して最適に選ばれて、保護剤が
付着された3種類の蛍光体粒子が正の帯電傾向を持つよ
うになって、正に帯電した水銀イオンが、内壁に塗布さ
れた蛍光体に衝突する確率が小さくなって、水銀イオン
が内壁に塗布された蛍光体に衝突して化合物をつくった
り、結晶を変形させたりする確率が小さくなり、蛍光体
の黒化を十分に抑制できる。
【0033】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の発明の効果に加えて、緑色蛍光体の黒化も抑制で
きて、蛍光体の黒化をさらに抑制できる。さらに容器内
に生じた放電プラズマ中の水銀イオンやアルゴンイオン
によるボンバードに対する蛍光体の劣化が改善される。
【0034】請求項3乃至請求項5記載の発明にあって
は、請求項1または請求項2記載の蛍光ランプ用蛍光体
が容易に得られる。
【0035】請求項6、及び請求項7記載の発明にあっ
ては、請求項3記載の発明の効果に加えて、保護剤によ
り蛍光体粒子がさらに密に包み込まれて、蛍光体の黒化
をさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である蛍光ランプ用
蛍光体が塗布された無電極蛍光ランプの要部の断面を示
す拡大模式図である。
【図2】同上の一部断面状態の正面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である蛍光ランプ用
蛍光体が塗布された無電極蛍光ランプの要部の断面を示
す拡大模式図である。
【符号の説明】
1 蛍光体粒子 1a 赤色蛍光体 1b 青色蛍光体 1c 緑色蛍光体 2 蛍光ランプ 2a 内壁 3 保護剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤色蛍光体であるY 2 O 3:Euと、青色蛍
    光体であるBaMg2 Al 16O 27:Eu 、及び緑色蛍光体である
    LaPO4 :Ce,Tbの3種類の蛍光体粒子を含み、増粘剤を含
    む溶媒中に混合されてスラリーとされて蛍光ランプの内
    壁に塗布される蛍光ランプ用蛍光体において、前記赤色
    蛍光体の粒子表面にAl2 O 3 、またはMgO のいずれか一
    方を保護剤として付着させ、前記青色蛍光体の粒子表面
    にAl2O 3 、またはLa2 O 3 のいずれか一方を保護剤と
    して付着させたことを特徴とする蛍光ランプ用蛍光体。
  2. 【請求項2】 前記緑色蛍光体の粒子表面に、Al2 O 3
    を保護剤として付着させたことを特徴とする請求項1記
    載の蛍光ランプ用蛍光体。
  3. 【請求項3】 請求項1、または請求項2記載の蛍光ラ
    ンプ用蛍光体の製造方法であって、前記保護剤が付着さ
    れる蛍光体粒子が、蛍光体粒子の種類ごとにそれぞれ別
    々に保護剤が付着されて形成され、その後に、前記保護
    剤が付着された蛍光体粒子を含む前記3種類の蛍光体粒
    子を、前記増粘剤を含む溶媒中に混合してスラリーとし
    たことを特徴とする蛍光ランプ用蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記保護剤が付着される蛍光体粒子を、
    この蛍光体粒子とそれに付着させる前記保護剤とを、水
    または有機溶剤からなる溶媒中で撹拌して分散させ、こ
    の溶媒を瀘過させた後に、この濾液を所定の温度で焼成
    して形成したことを特徴とする請求項3記載の蛍光ラン
    プ用蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記保護剤が、この保護剤の粒径が略数
    μmとなるまで前記溶媒中で撹拌させて分散させたこと
    を特徴とする請求項4記載の蛍光ランプ用蛍光体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記保護剤であるAl2 O 3 を、前記蛍光
    体粒子と共にアルカリ性の溶媒中に混入させて撹拌さ
    せ、前記保護剤を溶解させた後に、弱酸性液を用いて滴
    定させることにより前記蛍光体粒子表面に前記保護剤の
    水酸化物を形成させ、この溶媒を瀘過させた後に、この
    濾液を所定の温度で焼成して前記蛍光体粒子に付着形成
    させたことを特徴とする請求項3記載の蛍光ランプ用蛍
    光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記赤色蛍光体の前記保護剤であるMgO
    を、前記赤色蛍光体と共にアンモニウム塩を含む水溶液
    の溶媒中に混入させて撹拌させ、前記保護剤を溶解させ
    た後に、弱酸を用いて滴定させることにより前記赤色蛍
    光体の粒子表面に前記保護剤の水酸化物を形成し、この
    溶媒を瀘過させた後、所定の温度で焼成して前記赤色蛍
    光体の粒子表面にMgO を保護剤として付着形成させると
    共に、前記青色蛍光体の前記保護剤であるLa2 O 3 を、
    前記青色蛍光体と共に希土類塩を含む水溶液の溶媒中に
    混入させて撹拌させ、前記保護剤を溶解させた後に、弱
    酸を用いて滴定させることにより前記青色蛍光体の粒子
    表面に前記保護剤の水酸化物を形成させ、この溶媒を瀘
    過させた後、所定の温度で焼成して前記青色蛍光体の粒
    子表面にLa2 O 3 を保護剤として付着形成させたことを
    特徴とする請求項3記載の蛍光ランプ用蛍光体の製造方
    法。
JP8037594A 1996-02-26 1996-02-26 蛍光ランプ用蛍光体及びその製造方法 Pending JPH09231944A (ja)

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