JPWO2002042853A1 - プログラミング装置及びプログラミング方法 - Google Patents

プログラミング装置及びプログラミング方法 Download PDF

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Abstract

制御システムを構成する各機器のプログラムを作成するためのプログラム作成ツール群を備えたプログラミング装置において、プログラム作成のための各機器のオブジェクトに対応した変数名及び属性データ定義を共有するデータ共有手段を備え、上記プログラム作成ツール群で共有する。

Description

技術分野
この発明は、プログラマブルコントローラを含む制御システム全体のプログラミング装置に関わり、特にオブジェクトに対応したデータ定義と、その共有方法、さらにそれによるシステム構築時間の大幅短縮及び共有オブジェクトによるシステム稼動時のプログラム連携動作に関するものである。
背景技術
従来、プログラマブルコントローラ、表示手段としての表示装置、監視用コンピュータとしてのシステム監視装置などの各機器で構成される制御システムにおいて、該制御システムで使用する各機器を動作させるために必要なプログラム部のプログラミングは、それぞれ専用の別ツールにより行い、それぞれプログラマブルコントローラ、表示装置、通信ユニット、システム監視装置などの各機器に書きこんでいた。
これらプログラム部の一例としては、プログラマブルコントローラに対する10msec程度の周期で機械の制御を行う制御プログラム、表示装置に対する機械の状態表示や条件設定用のパラメータの値を扱う表示/入力プログラム、通信ユニットに対するイーサネットやフィールドネットワークなど通信ユニットの通信パラメータや通信相手局などを設定し相手局との通信を行う通信プログラム、システム監視装置に対するプログラマブルコントローラの機械の状態を示す変数をモニターし、その値に応じて生産ラインの異常を検知して生産ラインの作業者に知らせるシステム監視アプリケーションがあげられ、それぞれ専用の別ツールにより作成され、別ツールからダウンロードすることにより書き込まれる。
第8図は、プログラマブルコントローラ、表示装置、システム監視装置などで構成される制御システムにおける各プログラム部を作成、書き込みを行う際の動作概要を示した状態図である。
図において、1は機械装置群5を制御するプログラマブルコントローラ、2は機械装置群5の状態を表示する表示装置、3は生産ラインの異常を検知して、生産ラインの作業者に知らせるシステム監視装置、4はプログラマブルコントローラ1、システム監視装置3を接続するためのネットワーク、5はプログラマブルコントローラ1で制御する機械装置群、6は生産ライン全体のシステム設計を行うシステム設計用CAD、17はシステム設計用CAD6で作成したシステム設計資料を参照し、プログラマブルコントローラ1、表示装置2、システム監視装置3等のプログラム部を個別に作成するプログラミング手段としての周辺装置である。
ここで、プログラマブルコントローラ1は、所定の制御プログラム部に基づき動作する制御ユニット11、機械装置群5との入出力を行うI/Oユニット12、所定の通信プログラム部に基づきネットワーク4を介して通信を行う通信ユニット13を有している。
また、システム設計用CAD6は、機械装置群5の状態情報の変数/条件設定の変数/エラー情報の変数などを汎用に定義した仮想オブジェクト61を作成する。
システム設計用CAD6では、まずシステムを構築する際に、システムの機能・処理などを設計し、そこで使用される機械装置を制御するための仮想オブジェクト61として、例えば制御出力や状態入力などの入出力変数や、機械動作の条件を設定するデータ変数、システムエラー発生時に該当するプログラム個所検索を行い、ユーザに表示する動作を記述したアラームオブジェクトなどを、システム全体で共通の変数名及びデータタイプなどの属性で定義する。
さらに、周辺装置17は、表示装置2において機械装置群5の状態情報などを表示するための表示プログラム部171aを作成する表示プログラム作成ツール171、プログラマブルコントローラ1の制御ユニット11における制御装置群5を制御するための制御プログラム部172aを作成する制御プログラム作成ツール172、プログラマブルコントローラ1の通信ユニット12におけるプログラマブルコントローラ同士やシステム監視装置3などとネットワーク4を介して通信するための通信プログラム部173aを作成する通信プログラム作成ツール173、ラインの状態を監視するシステム監視装置3における生産ラインの異常などを検知し操作者に知らせるためのシステム監視プログラム部174aを作成するシステム監視プログラム作成ツール174を有し、各プログラム部を個別に作成する。
次に、システム設計用CAD6で作成された制御対象の仮想オブジェクト61に基づき、周辺装置17により各プログラム部を作成し、プログラマブルコントローラ1、表示装置2、システム監視装置3等に該プログラムをダウンロードする際の動作について説明する。
制御対象の仮想オブジェクト61は、その入出力変数やそのデータ変数やアラームオブジェクトなどの表として印字され、該印字された表を操作者が参照しながら、表示プログラム作成ツール171、制御プログラム作成ツール172等で、その変数に対応した「X10」「Y20」「D100」「M50」などの物理アドレスを実際の機械装置群5との接続を確認しながら手作業で割り振っていき、制御プログラムなどの各プログラム部をそれぞれ個別に作成する。
例えば、制御ユニット11に接続される表示装置2にて動作する表示プログラム部171aは、その表示装置2の機種に応じて用意された表示プログラム作成ツール171により作成された後、表示装置2に書き込まれる。
そして、表示プログラム部171aが表示装置2上で動作することにより、「D100」「M50」などのデータの物理アドレスを使用して、プログラマブルコントローラ1の通信ポートを経由して指定されたアドレスのデータを取得し、それを対応するデータ変数に表示プログラム部171aが置き換えて、最終的に図表などを併用して機械の稼動状態、システムの動作状況、機械から取得する診断情報などを表示装置2に表示する。
なお、プログラマブルコントローラ1の通信ポートを経由して、指定されたデータを取得するため、先に制御プログラム部172aで「D100」とアドレスを割り付けたデータ変数の値を取得するには、表示プログラム部171aで「D100」のアドレスを読み出すように、再度アドレス情報を設定する必要がある。
また、機械装置群5に対する制御を行う制御プログラム部172aは、制御ユニット11の機種に応じて用意された制御プログラム作成ツール172により作成され、その中で使用する名前で定義された入出力変数及びデータ変数に応じて、実際にはI/Oやデータの物理アドレス「X10」「Y20」「D100」「M50」などを使用し、制御ユニット11に書き込まれる。
また、制御ユニット11に接続した通信ユニット13に対してアクセスするための通信プログラム部173aは、その通信ユニット13の機種に応じて用意された通信プログラム作成ツール173により作成され、交信相手の登録情報や交信手段の選択などのパラメータを、通信プログラム作成ツール173により設定して、通信ユニット13の不揮発性メモリーに書きこみ、通信プログラム部173aを制御ユニット11に、先の制御プログラム部172aとあわせて書き込まれる。
そして、通信プログラム部173aが制御ユニット11上で動作することにより、制御対象のオブジェクトである状態変数やエラー情報詳細などのデータを、システム中統括的位置付けのプログラマブルコントローラ1(局番01とする)がデータ収集するために、読み出し相手局番号(「02」番、「03」番など)/読み出しデータ先頭アドレス(「D200」、「D300」など)/読み出しデータ長などを組み合わせることにより、通信で使用する例えば通信パケットのようなフォーマットに変換して通信ユニット13に転送し、通信ユニット13は外部のコンピュータ上の他のアプリケーションや、他のプログラマブルコントローラ1などと交信することができる。
なお、プログラマブルコントローラ1(局番02)で、接続する機械の状態を格納するデータ変数を、この局対応の制御プログラム部172aで「D200」のアドレスに割り付けた場合、表示プログラム部171aで局番02のプログラマブルコントローラ1に接続した機械の状態を表示するには、「局番02のD200」のアドレスを割り付ける必要があり、局番01の通信プログラム部173aでは読み出し相手局番号(「02」番、「03」番など)/読み出しデータ先頭アドレス(「D200」、「D300」など)/読み出しデータ長などを、それに応じて読み出すようにプログラムしておく必要がある。
また、この通信ユニット13を経由して、制御対象のオブジェクトである入出力変数やデータ変数の値を入手するシステム監視装置3にて動作するシステム監視プログラム部174aは、その機種に応じて用意されたシステム監視プログラム作成ツール174により作成された後、システム監視装置3に書き込まれる。そして、システム監視プログラム部174aがシステム監視装置3上で動作することにより、オブジェクトに対応したデータ変数を使用し、図表などを併用してシステムの稼動状態表示、異常発生個所の特定などを行う。
なお、このために先に制御プログラム部172a、表示プログラム部171a、通信プログラム部173aで定義したオブジェクトのデータ変数のアドレス(「D100」、「D200」、「D300」、「D500」など)を、システム監視部3で使用し、局番「01」、局番「02」、局番「03」などのプログラマブルコントローラ1の通信ユニット13を経由して、読み出し相手局番号「01」/読み出しデータ先頭アドレス「D100」/読み出しデータ長300、読み出し相手局番号「02」/読み出しデータ先頭アドレス「D500」/読み出しデータ長100、読み出し相手局番号「03」/読み出しデータ先頭アドレス「D500」/読み出しデータ長100などのように、プログラムしておく必要がある。
システム設計に従ったプログラマブルコントローラ等の各プログラム部の作成は、機械を制御するための入出力変数とデータ変数やその他のオブジェクトを参照し、システム中での名前の定義と、各プログラム部におけるアドレスの割り付けを、全て個別にプログラミングを行う必要がある。
そのため、「機械の状態を示す変数」、「機械の条件設定の変数」、「システムエラー発生時の対応動作を記述するオブジェクト」等は、実際の生産ラインの中では一つのオブジェクトであるが、各機器用の専用の別ツールで、それぞれ個別にプログラムの中に「D100」や「M50」などの変数アドレスのどのアドレスから読み出すか等を繰り返し定義しなければならず、プログラミング作業効率が低い状態であった。
また、プログラマブルコントローラ等の各プログラム部を個々に作成し、システムとして動作させることはできるが、例えば状態変数を一つ割り込んで追加するなどの簡単なシステム変更があった場合に、各プログラム部でのデータ変数のアドレス割付を、例えば「D100」から配列形式で50個と割り付けていたものを、「D101」から配列形式で50個と割り付けを変える場合は、表示プログラム部171a、制御プログラム部172a、通信プログラム部173aの、それぞれのプログラミングツールを起動して、まず各プログラム部を読み出し、割り付けを「D101」から配列形式で50個と変更して、再度書きこむ必要があり、システム変更に伴う作業時間がかかりすぎ、作業コストがかさむ問題があった。
特に、表示プログラム部171aやシステム監視プログラム部174aの表示・監視系アプリケーションと、制御プログラム部172aの制御系アプリケーションでは、多くのオブジェクトが共有できるにもかかわらず、同一メーカの異なる機種間や、複数のメーカの各機器のプログラミングツール間で、共通するオブジェクトを交換する仕組みが無く、システム規模が大きくなるのにつれ、その共通オブジェクトを人手で管理して反映する作業コストが大きな負担となっていた。
発明の開示
この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、システムで定義されたオブジェクトをプログラム作成ツール間で共有し、システム構築を容易とするプログラミング装置を得ることである。
また、第2の目的は、共有する際に、共有対象の機器を選択することにより、共有対象への自動通知を可能とし、共有対象先のプログラム作成ツールでの作業負荷を低減するプログラミング装置を得ることである。
さらに、第3の目的は、共有すべきオブジェクトの定義、変更作業の負荷を低減するプログラミング装置を得ることである。
さらにまた、第4の目的は、以前から有しているオブジェクトを有効に活用することにより、オブジェクト登録作業を低減し、よりシステム構築を容易とするプログラミング装置を得ることである。
また、第5の目的は、オブジェクト登録作業の信頼性を向上するプログラミング装置を得ることである。
また、第6の目的は、オブジェクトの変更に基づく、プログラムの修正作業を容易に行うことができるプログラミング装置を得ることである。
また、第7の目的は、オブジェクトの共有により、システム稼動時の各種プログラム連携動作を容易とするプログラミング装置を得ることである。
この目的を達成するために、第1の観点によれば、制御システムを構成する各機器のプログラムを作成するためのプログラム作成ツール群を備えたプログラミング装置において、プログラム作成のための各機器のオブジェクトに対応した変数名及び属性データ定義を共有するデータ共有手段を備え、上記プログラム作成ツール群により、システム構築時やシステム稼動時などに共有するものである。
特に、オブジェクトのデータ共有手段への設定は、いずれかのプログラム作成ツールでのプログラミングをトリガーとして参照対象のプログラム作成ツールの指定と共に格納し、他のプログラム作成ツールとの上記オブジェクトの共有は、参照対象のプログラム作成ツールに対して上記オブジェクトを通知するものである。
また、データ共有手段でのオブジェクト共有のデータ定義、変更を行うオブジェクトデータ定義手段を備え、上記オブジェクト管理を一括管理するものである。
さらに、制御システム内の機器で使用する頻度の高いオブジェクトがいくつか基本型として既に登録されていると共に、上記制御システムで実際に使用するオブジェクトを登録された基本型より選択するシステムコンフィグレーションツールを備えたものである。
また、制御システムを構築するための各機器を動作させるためのプログラムを作成するためのプログラム作成ツール群を備えたプログラミング装置において、いずれかのプログラム作成ツールで上記各機器内のオブジェクトに対応した変数名及び属性データ定義を行うことにより、上記オブジェクトに対応した変数名及び属性データが他のプログラム作成ツールで使用可能に格納されるものである。
また、オブジェクトに対応した変数名及び属性データの格納に際し、他のプログラム作成ツールで参照するか否かを登録し、参照対象のプログラム作成ツールに対して上記オブジェクトを通知するものである。
さらに、システム稼動時の各種プログラムの連携動作として、オブジェクトに関わるシステムエラーなどのイベントが発生した際に、そのオブジェクトを参照するプログラム作成ツールに通知して、該当プログラムの表示などを行うものである。
また、他のプログラム作成ツールにてプログラムを作成する際に、参照先のオブジェクトとの重複を検出する検出手段を備えたものである。
また、特定のプログラム作成ツールに基づくオブジェクトの変更の際には、参照対象のプログラム作成ツールに対して変更されたオブジェクトを通知するものである。
さらに、オブジェクトを通知する際に、プログラム作成ツールが起動時に確認を行う格納領域に通知するものである。
また、この発明にかかるプログラミング方法は、制御システムを構築するための各機器を動作させるためのプログラムを作成するためのプログラミング方法において、予め設計した仮想オブジェクトに基づき、各機器のオブジェクトに対応した変数名及び属性データ定義を行うと共に、該オブジェクトを使用する機器の指定を行いデータ共有手段に登録する工程と、指定を受けた該オブジェクトを使用する機器のプログラム作成ツールに対して上記オブジェクトを通知する工程と、通知を受けた上記プログラム作成ツールが上記データ共有手段に登録された上記オブジェクトに基づき機器のプログラミングを行う工程と、を備えたものである。
発明を実施するための最良の形態
次に、本発明について、以下のとおり、実施の形態を説明する。
実施の形態1.
第1図は、プログラマブルコントローラ、表示装置、システム監視装置などで構成される制御システムにおける各プログラム部を作成、書き込みを行う際の動作概要を示した状態図であり、データ共有型プログラミング装置の基本構成を示すものである。
図において、1は制御プログラム部と通信プログラム部を稼動させることにより、例えば機械装置群5を制御したり、ネットワークを介して通信を行うプログラマブルコントローラ、2は表示プログラム部をダウンロードして稼動させることにより、例えば機械装置群5の状態を表示する表示装置、3はシステム監視プログラム部を稼動させることにより、例えば生産ラインの異常を検知して、生産ラインの作業者に知らせるシステム監視装置、4はプログラマブルコントローラ1、システム監視装置3を接続するためのネットワーク、5はプログラマブルコントローラ1で制御する機械装置群、6は生産ライン全体のシステム設計を行い、制御対象3の仮想オブジェクトを定義するためのシステム設計用CAD、7はシステム設計用CAD6で作成したシステム設計資料を参照し、プログラマブルコントローラ1、表示装置2、システム監視装置3等のプログラム部を個別に作成するデータ共有型プログラミング手段としての周辺装置である。
ここで、プログラマブルコントローラ1は、所定の制御プログラム部に基づき動作する制御ユニット11、機械装置群5との入出力を行うI/Oユニット12、所定の通信プログラム部に基づきネットワーク4を介して通信を行う通信ユニット13を有している。
また、システム設計用CAD6は、機械装置群5の状態情報の変数/条件設定の変数/エラー情報の変数などを汎用に定義した仮想オブジェクト61を作成する。
システム設計用CAD6では、まずシステムを構築する際に、システムの機能・処理などを設計し、そこで使用される機械装置を制御するための仮想オブジェクト61として、例えば制御出力や状態入力などの入出力変数や、機械動作の条件を設定するデータ変数、システムエラー発生時の対応動作を記述するオブジェクトなどを、システム全体で共通の変数名及びデータタイプなどの属性で定義する。
さらに、周辺装置7は、表示装置2において機械装置群5の状態情報などを表示するための表示プログラム部71aを作成する表示プログラム作成ツール71、プログラマブルコントローラ1の制御ユニット11における制御装置群5を制御するための制御プログラム部72aを作成する制御プログラム作成ツール72、プログラマブルコントローラ1の通信ユニット12におけるプログラマブルコントローラ同士やシステム監視装置3などとネットワーク4を介して通信するための通信プログラム部73aを作成する通信プログラム作成ツール73、ラインの状態を監視するシステム監視装置3における生産ラインの異常などを検知し操作者に知らせるためのシステム監視プログラム部74aを作成するシステム監視プログラム作成ツール74を有し、各プログラム部を個別に作成する。
また、周辺装置7は、複数の各プログラム作成ツールで参照するオブジェクトデータを共有するためのデータ共有手段としてのオブジェクト定義データ共有用サーバ75を備えており、各プログラム作成ツールにはデータ共有用サーバ75と更新するためのインタフェース部を有している。
なお、本実施の形態では、データ共有用サーバ75を周辺装置7内部に設けているが、周辺装置7をネットワークで接続された別体として構築してもよく、例えばシステム設計用CAD6の一機能として実現することも可能である。
第2図は、オブジェクトデータを共有するためのデータ共有用サーバ75において、オブジェクトを各機器のプログラム部のどこで参照するかが定義されたオブジェクト管理テーブル、および関連するオブジェクトのシステム構成管理ツリーである。
図において、81は各プログラム部で使用されるオブジェクト名、82はデータタイプ、使用する変数の物理アドレス、個数等を示す属性、83は各オブジェクトがどの機器のプログラム部で参照されるかを示すオブジェクトリンクテーブルであり、対象の機器が本オブジェクトを参照する場合は1、未参照の場合は0が設定される。
84はオブジェクトの属性82またはオブジェクトリンクテーブル83が更新されたか否かを示す更新ステータスであり、更新時は1、更新反映完了または未更新時は0が設定されている。
85は各オブジェクトを、システム構成上の位置付けを明確にして管理するための、システム構成管理ツリー、86はそのツリーの第一レベルのクラスである、PC(制御・通信)プロジェクト/SCADA(システム監視)プロジェクト/HMI(表示)プロジェクトなどのプロジェクトの識別子ID、87はツリーの第二レベルのクラスである、局番/ネットワークタイプ/通信タイプなどを示すノードの識別子IDである。
88は、ツリーの第三レベルのクラスである、「制御プログラム」、ネットワークを経由して通信するスレーブ機器と交信するために、PCのネットワークマスターユニットに読み込んでパラメータファイル化して格納するための「スレーブパラメータ」、PCプロジェクトで使用される「I/O、データ変数」、SCADAプロジェクトで使用される「I/O、データ変数」、HMIプロジェクトで使用される「I/O、データ変数」などのオブジェクトである。
第2図で示される一例は、オブジェクト「Number Of Parts」で定義する配列形式で100個の変数を、アドレス「D100」の属性として割り付け、プログラマブルコントローラ局番01(以下、PC局番と称す)の表示プログラム部71a、制御プログラム部72a、通信プログラム部73a、PC局番02の制御プログラム部72a、及びPC局番03の制御プログラム部72a、並びにシステム監視プログラム部74aで参照することを示している。
また、別のオブジェクト「Process Parameter」「Processed Accracy」「Acceptance」なども同様に定義して、アドレスを割り付け、参照する/しないを設定された様子を示している。なお、最初の設定時は、全てのオブジェクトの更新ステータス84は0とする。
さらに、オブジェクト管理テーブルのオブジェクトを、システム構成上、どの部分に位置するかを管理するため、システム構成管理ツリー85の形式で格納するが、プロジェクトIDおよびノードIDとの組み合わせにより、システム構成から見たオブジェクトの検索、およびオブジェクトが変更された場合に、どの制御プログラムに関係するかの逆検索も行うためのものである。
次に、システム設計用CAD6で定義した制御対象の仮想オブジェクト61に沿って、周辺装置7により各プログラム部を作成し、プログラマブルコントローラ1、表示装置2、システム監視装置3等に該プログラムをダウンロードする際の動作について第1図を用いて説明する。
制御システムの初期設定時、制御対象の仮想オブジェクト61の内容は、その入出力変数やそのデータ変数、アラームなどのオブジェクトの表として印字され、該印字された表を操作者が参照しながら、まず表示プログラム作成ツール71、制御プログラム作成ツール72等で、その変数に対応した「X10」「Y20」「D100」「M50」などの物理アドレスを実際の機械装置群5との接続を確認しながら手作業で割り振っていき、制御プログラムなどを作成する。
この際、プログラム作成ツールは、システム中の共通部分で使用する目的で、プログラム作成ツールの通常の変数設定画面に属性データ設定欄を追加することにより、変数名及び割り付けアドレスの形でオブジェクトとその属性データを作成し、そのオブジェクトを格納した時点で、プログラム作成ツールに組み込んだデータ共有用サーバ75へのインタフェース部を介して、サーバへの回線接続、オブジェクトの追加/変更/消去、変更ステータス処理、サーバとの回線切断を行い、データ共有用サーバ75のオブジェクト管理テーブルに作成したオブジェクトとその属性データを転送登録する。インタフェース部からデータ共有用サーバに対して使用できる「データベースアクセスコマンド」は、アクセス回線接続のための「Open」、オブジェクトの追加/変更/消去のための「Add/Mod/Del」、変更ステータス処理などオブジェクトが変更された場合に実行される情報であるスクリプトを起動するための「Run:Script」、アクセス回線切断のための「Close」である。この場合に、「Run:Script」で実行されるスクリプトは、「属性データによるアドレス変換、オブジェクトリンクおよびシステム構成管理ツリー設定画面表示」である。
そして、データ共有用サーバ75は、他のプログラム部で参照するか否か、およびそのシステム構成ツリーを設定する画面をスクリプトに従い表示し、操作者は他のプログラム部で参照するかしないかを選択し、参照する場合には使用されるプロジェクトのID、ノードのIDも設定し、システム構成管理ツリーとして格納する。オブジェクト管理テーブルおよびシステム構成管理ツリーの設定を、操作者が完了/格納した時点で、サーバーはそのオブジェクトの変更を通知するための、「Post Modify」コマンドを発行する。このコマンドにより、変更されたオブジェクトを使用するプロジェクトをプロジェクトID、ノードIDから逆検索し、そのプログラム作成ツールを起動する。このようにして、そのオブジェクトを参照する各プログラム作成ツールに対し、参照するオブジェクトの内容を転送する。
この際、そのオブジェクトを参照する各プログラム作成ツールから、組み込まれたインタフェース部を介して、データ共有用サーバ75に回線が接続されている場合には、参照するオブジェクトの追加/変更/消去内容が、その時点で転送され、回線が切断されている場合には、該プログラム作成ツールの立ち上げ時に格納領域のメッセージキューにより、またはプログラムを格納する際に、使用するオブジェクトが変更されていないか、データ共有用サーバ75に回線接続して、最新の内容を取得する。
例えば、機械装置群5に対する制御を行う制御プログラム部72aは、制御ユニット11の機種に応じて用意された制御プログラム作成ツール72により作成され、その中で使用する名前で定義された入出力変数及びデータ変数に応じて、制御ユニット11に書き込まれる。
この際、制御プログラム作成ツール72は、制御プログラム部72aの作成と共に、制御で使用するオブジェクトとその属性データを、システム全体で使用する目的で、制御プログラム作成ツール72の設定画面により変数名及び割り付けアドレスの形で作成する。
次に、制御プログラム作成ツール72から、インタフェース部を介してデータ共有サーバ75のオブジェクト管理テーブルに、さきほど作成された変数名、属性データが、回線接続/オブジェクトの追加/回線切断の手順で、データベースアクセスコマンドの「Open/Add/Close」により転送されて、更新ステータス84はON(1)で新たに登録される。データ共有用サーバー75は、他のプログラム部で参照するか、およびシステム構成管理ツリーを設定する画面を表示し、操作者が他のプログラム部で参照する/しない、および参照する場合の関連プロジェクトのIDを設定し、その設定完了時点でサーバはそのオブジェクトの追加を通知するため「PostAdd」コマンドを発行し、そのオブジェクトを参照する各プログラム作成ツールに、参照するオブジェクトの内容を転送する。
同様に、表示プログラム作成ツール71/通信プログラム作成ツール73/システム監視プログラム作成ツール74でも、システム全体で使用する目的で、変数名および割り付けアドレスの形でオブジェクトとその属性データを作成する。
その作成内容の変数名や属性データの割り付けアドレスが、それ以前に登録されて参照フラグが1であるため転送されてきた別のオブジェクトと重複する場合には、各プログラム作成ツールにて警告メッセージを表示し、作成内容を重複しないように修正して、順次データ共有用サーバ75に転送し、更新ステータス84をONで登録する。
最終的に、全てのプログラム部を一通り作成した時点で、データ共有用サーバー75のオブジェクト整合性チェックスクリプトを、インタフェース部を通して、「Run:Script」コマンドにより実行して、オブジェクト名・属性の割り付けアドレスに重複がないかチェックし、重複があった場合には、データ共有用サーバーの設定画面により、オブジェクト管理テーブルの内容を修正し、重複を無くした後に、全てのオブジェクトの更新ステータス84をOFF(0)にする。(第2図a参照)
以上の説明した如く、制御システムの初期設定時における、最初のプログラム部の作成は、その入出力変数やそのデータ変数の表として印字された仮想オブジェクトを参照し、プログラム作成ツールで、その変数に対応した「X10」「Y20」「D100」「M50」などの物理アドレスを実際の機械装置群5との接続を確認しながら手作業で割り振っていく。
しかし、割り振りが完了したオブジェクトとその属性データは、データ共用サーバ75に該オブジェクト及びその属性データを参照するプログラム部が設定され、次プログラム部の作成時には、参照対象のオブジェクト及びその属性データがデータ共有用サーバ75より転送されてくるので、システム中での名前の定義と、各プログラム部におけるアドレスの割り付けを、全て個別にプログラミングを行う必要が無くなり、プログラミング作業効率が向上する。
さらに、システム稼動時の例として、システム状態を監視するセンサーなどの入力変数と、その変数が特定の値の場合にシステムエラーとする条件、およびその入力変数を参照する各プログラム部を関連つけて、アラームオブジェクトとして定義しておき、システムエラーとなった場合に「Run:Script」を実行して、そのアラームオブジェクトを参照するプログラム部のプログラム作成ツールをプロジェクトIDの逆検索により起動して、システムエラーの要因となり得る、プログラム部の関連個所を表示し、システムエラーの原因究明のための情報を操作者に提供する。
次に、オブジェクトの配列個数がシステム調整時点の都合により変更された場合について第3図のフローチャートを用いて説明する。
制御プログラム作成ツール72で制御プログラム部72aを作成中に、システム調整により、オブジェクト名「Number Of Parts」の配列個数を100個から101個に変更する場合は、オブジェクト「Number Of Parts」の属性の個数を「100」から「101」に変更し、それに伴い「Number Of Parts」の割り付けアドレスが「D200」まで使用するため、オブジェクト「Process Parameter」の属性の割り付けアドレスを「D200」から「D201」に変更する必要が生じる。
オブジェクト「Process Parameter」の属性の割り付けアドレスを、例えば「D200」から「D201」に変更する場合には、ステップS1にて、制御プログラム作成ツール72でオブジェクトの変数名に対応した割り付けアドレスを、変数設定画面のアドレス設定欄にて「D201」に書き換えて、制御プログラム作成ツール72の「サーバーへのデータ転送」機能を画面上で選択した時点、またはアドレス設定欄の値などを変更した変数を含むプログラム部を格納した時点で、制御プログラム作成ツール72に組み込まれたインタフェース部を介して、データ共有用サーバへの回線接続(データベースアクセスOpenコマンド)、該当オブジェクトの検索(Findコマンド)、該当オブジェクトへの新規データ書きこみ(Modifyコマンド)、回線切断(Closeコマンド)を行い、その変更内容をデータ共有用サーバ75内のオブジェクト管理テーブルに転送し、「Run:Script」を実行する。(第2図b参照)
続いてステップS2にて、データ共有用サーバー75は、スクリプトに従い、該当するオブジェクトの登録履歴と比較し、新しければ新しい内容に更新し、そのオブジェクトの更新ステータス84をONにし、ステップS3に移行する。
ステップS3では、更新ステータスがONとなることにより、データ共有用サーバ75が他の機器でこのオブジェクトが参照されているか、オブジェクトリンクテーブル83の参照フラグ(1:参照する、0:参照しない)を検索し、参照している場合には(参照時は1)、該当する機器のプログラムを行うインタフェース部を通して「Post Modify」コマンドを発行し、各プログラム作成ツールに、プログラム間のメッセージ通信手段またはネットワーク等により、更新されたオブジェクト名81を通知する。
なお、更新されたオブジェクト名81の通知は、各プログラム作成ツールの格納領域としてのメッセージキューに受信するように構成すればよく、仮に各プログラム作成ツール自体が起動されていない場合には、次にそのプログラム作成ツールが起動された時点で、メッセージキューから読み出し、通知されたことを認識する。
その後、ステップS4にて、通知された各プログラム作成ツールは、プログラムが参照するオブジェクトに関する最新の属性データ82を「Readコマンド」によりデータ共有用サーバ75に要求し、データ共有用サーバー75は、最新の属性データ82である変更された割り付けの開始アドレス「D201」及び個数30を応答し、更新ステータスをOFFにし、ステップS5に移行する。
ステップS5では、変更された割り付け開始アドレス「D201」および個数30を受信した各プログラム作成ツールは、そのオブジェクトの変更された割り付けアドレスに従い、該当する変数をプログラムソース内部の変数テーブルで検索し、該当する変数のアドレス欄の内容を「D201から30個(ワード)」に書きかえ、各プログラムを実行可能な状態に生成しなおす。
その後、ステップS6にて、最新の属性データである割り付けアドレスを反映したオブジェクトを共有して作成した各プログラム部を、各プログラム作成ツールにより、各H/Wに書きこむことにより、修正作業を終了する。
以上の動作により、オブジェクトの属性が変更されると、オブジェクト管理テーブルを持つデータ共有サーバ75は、変更されたオブジェクトの変更ステータスを「OFF:0」から「ON:1」書きかえ、さらに、変更ステータスが「ON:1」に書きかえられたオブジェクトを参照する各プログラム部に対して、変更内容を通知することにより、関連する各プログラム部のアドレス部分を修正するので、いずれかひとつのプログラム作成ツールにより、そのプログラム部におけるオブジェクトの属性データを変更するだけで、そのオブジェクトを参照する他のプログラム部を、さらに個別に各プログラム作成ツールを用いて繰り返し変更することなく、システムの変更を一度に行うことが可能になり、システム構築時間が大幅に短縮できる。
また、上述したデータ共有用サーバ75及び各プログラム作成ツールは、周辺装置7上で動作するアプリケーションとして構成した場合、それら機能を有するプログラムは、光記録媒体或いは磁気媒体等の電子データを記録する媒体により配布され、該プログラムを周辺装置7上で実行することにより本機能が発揮されるものである。
実施の形態2.
第4図は、実施の形態1で説明した周辺装置7に対して、データ共有用サーバ75に対するオブジェクトデータを定義、変更するためのオブジェクトデータ定義ツール76を加えたデータ共有型プログラミング装置の基本構成を示すものである。
実施の形態1におけるオブジェクト管理テーブルの内容は、プログラム作成ツールの設定画面により作成し、組み込まれたインタフェース部を介して、回線接続(Openコマンド)/オブジェクト追加・変更・消去(Add、Mod、Del)/回線切断(Close)を行って転送したが、本実施の形態におけるオブジェクト管理テーブルは、オブジェクトデータ定義ツールに基づき、定義または変更が直接行えるようにし、定義または変更した内容はサーバーを通じてシステム全体に反映できるようにしたものである。
次に専用のオブジェクト定義ツール76を使用した場合の動作について、第4図を用いて説明する。
システム設計用CAD6で定義した制御対象の仮想オブジェクト61に沿って、オブジェクトデータ定義ツール76で、システム中の共通部分で使用する目的で、表示・制御・通信・システム監視で使用するオブジェクト名81とその属性データ82、及び各機器のどのプログラムで参照するかをオブジェクトリンクテーブル83に設定し、更新ステータス84をONにして、オブジェクト管理テーブルに書きこむ。
データ共有用サーバー75は、更新ステータス84がONのオブジェクトを、参照する各プログラム作成ツールに対しインタフェース部を介してメッセージ通信またはネットワーク等により通知する。
通知を受けた各プログラム作成ツールは、各プログラム部作成時にデータ共有用サーバ75に新たに登録されたオブジェクトの変数名及び属性データの取得を要求し、データ共有用サーバ75はオブジェクトの情報を送信後、該当するオブジェクトの更新ステータスをOFFにする。そして、各プログラム作成ツールは、データ共有用サーバ75から応答で送信されたオブジェクトの変数名と割り付けアドレスなどの属性データを使用して、各プログラム部を作成する。
次に、各プログラム部を作成後に、システムの仕様が変更になった場合の動作を第5図のフローチャートを用いて説明する。
オブジェクト「Process Parameter」の割り付けアドレスを、例えば「D200」から「D201」に変更する場合には、ステップS11にて、オブジェクトデータ定義ツール76で、該当するオブジェクトの属性データの割り付けアドレスを「D201」変更する。
続いてステップS12にて、データ共有用サーバ75は、属性の変更を格納した時点で、属性を変更されたオブジェクトの更新ステータス55をONにし、ステップS13に移行する。
ステップS13では、更新ステータスがONとなることにより、データ共有用サーバ75が他の機器でこのオブジェクトが参照されているか、オブジェクトリンクテーブル83の参照フラグ(1:参照する、0:参照しない)を検索し、参照している場合には(参照時は1)、該当する機器のプログラムを行うインタフェース部を通して、各プログラム作成ツールに、プログラム間のメッセージ通信手段またはネットワーク等により、更新されたオブジェクト名を通知する。
なお、更新されたオブジェクト名81の通知は、各プログラム作成ツールのメッセージキューに受信するように構成すればよく、仮に各プログラム作成ツール自体が起動されていない場合には、次にそのプログラム作成ツールが起動された時点で、メッセージキューから読み出し、通知されたことを認識する。
その後、ステップS14にて、通知された各プログラム作成ツールは、プログラムが参照するオブジェクトに関する最新の属性データ82をデータ共有用サーバ75に要求し、データ共有用サーバー75は、最新の属性データ82である変更された割り付けアドレス「D201」を応答し、更新ステータスをOFFにし、ステップS15に移行する。
ステップS15では、変更された割り付けアドレス「D201」を受信した各プログラム作成ツールは、そのオブジェクトの変更された割り付けアドレスに従い、プログラム部のアドレス部分を修正し、各プログラムを実行可能な状態に生成しなおす。
その後、ステップS16にて、最新の属性データである割付アドレスを反映したオブジェクトを共有して作成した各プログラム部を、各プログラム作成ツールにより、各H/Wに書きこむことにより修正作業を終了する。
以上の動作により、上述した実施の形態1の効果に加え、オブジェクト管理テーブルは、オブジェクトデータ定義ツールにより容易に定義、変更が可能となり、システムで共有するオブジェクトの管理コストを低減することができる。
また、プログラマブルコントローラのオブジェクトに対応した属性定義を行うオブジェクトデータ定義ツール、そのデータを管理するデータ共有用サーバを備え、サーバからそのデータを参照するアプリケーションとしてのプログラム作成ツールに自動通知して反映する機能をデータ共有用サーバに設けて、各アプリケーションにより構成されるシステム内で、データ定義/管理を一元化することにより、属性定義および変更は別々のツールで行うことなく一回で済み、それを参照するプログラム作成ツールのアプリケーションに自動通知して反映することで、システムアプリケーションの構築・変更時間を大幅に短縮することができる。
さらに、システム稼動時の例として、アラームオブジェクトの場合などに、実施例1と同様に、システムエラー原因究明のための情報を提供する。
実施の形態3.
第6図は、実施の形態2で説明した周辺装置7に対して、システム設計用CAD6と同一構成で、例えば以前のシステム構築時に使用した流用性の高いオブジェクトを、そのシステム構築後に他のシステム構築のために登録しておき、こうした登録済みの制御対象のオブジェクトから実際に使用するオブジェクトを選択し、オブジェクト定義ツール76により、そのオブジェクトのデータに沿って定義を変更するシステムコンフィギュレーションツール77を加えたデータ共有型プログラミング装置の基本構成を示すものである。
本実施の形態は、既にシステムの基本型があり、その一部の変更で実際のシステムを構築しようとする場合の動作に関するものであり、システム設計用CAD6をベースとした、システムコンフィギュレーションツール77を使用した場合の動作について第7図のフローチャートを用いて説明する。
まずステップS21にて、システムコンフィギュレーションツール77において、既に登録されている制御対象の仮想オブジェクトから、実際に使用するオブジェクトを選択し、オブジェクトデータ定義ツール76により、仮にオブジェクト管理テーブルに定義していたオブジェクト(例えば属性のアドレスは「D200」)を、実際に使用する別の属性(例えば「D201」)を持つ同一名のオブジェクトに変更するよう、ユーザが設定画面で指示し、ステップS22に移行する。
ステップS22では、この同一名の新しいオブジェクトが、データ共有用サーバ75のオブジェクト管理テーブルに、同一名の仮のオブジェクトに上書きして書きこまれる。
そして、データ共有用サーバー75では、各機器のプログラムで参照するかを示すオブジェクトリンクテーブル83を、ユーザの設定画面で必要あれば修正し、更新ステータスをONにする。
その後、ステップS23にて、更新ステータスがONとなることにより、データ共有用サーバ75が他の機器でこのオブジェクトが参照されているか、オブジェクトリンクテーブル83の参照フラグ(1:参照する、0:参照しない)を検索し、参照している場合には(参照時は1)、該当する機器のプログラムを行うインタフェース部を通して、各プログラム作成ツールに、プログラム間のメッセージ通信手段またはネットワーク等により、更新されたオブジェクト名を通知する。
なお、更新されたオブジェクト名81の通知は、各プログラム作成ツールのメッセージキューに受信するように構成すればよく、仮に各プログラム作成ツール自体が起動されていない場合には、次にそのプログラム作成ツールが起動された時点で、メッセージキューから読み出し、通知されたことを認識する。
その後、ステップS24にて、通知された各プログラム作成ツールは、プログラムが参照するオブジェクトに関する最新の属性データ82をデータ共有用サーバ75に要求し、データ共有用サーバー75は、最新の属性データ82である変更された割り付けアドレス「D201」を応答し、更新ステータスをOFFにし、ステップS25に移行する。
ステップS25では、変更された割り付けアドレス「D201」を受信した各プログラム作成ツールは、そのオブジェクトの変更された割り付けアドレスに従い、プログラム部のアドレス部分を修正し、各プログラムを実行可能な状態に生成しなおす。
その後、ステップS26にて、最新の属性データである割付アドレスを反映したオブジェクトを共有して作成した各プログラム部を、各プログラム作成ツールにより、各H/Wに書きこむことにより修正作業を終了する。
以上の動作により、上述した実施の形態1の効果に加え、既にシステムの基本型があり、その一部の変更で実際のシステムを構築しようとする場合には、システムコンフィギュレーションツール77を使用することにより、既に登録されている制御対象の仮想オブジェクト61から、実際に使用するオブジェクトを選択することで、手作業によることなく自動的に各プログラム部を生成できる。
また、システムで使用されるユーザ専用のシステム監視装置など他の機器のプログラム作成ツールに組み込むこともでき、システム規模が大きくなるにつれ増大していた人手による共有オブジェクトの管理コストを大幅に削減した。
本発明は以上のように構成されているので、システムで定義されたオブジェクトをプログラム作成ツール間で共有し、システム構築を容易とし、システム構築に要する時間を短縮でき、またシステム稼動時にも共有オブジェクトを介して関連するプログラム間の連携動作を容易に実現でき、作業効率を向上させることができる。
また、共有する際に、共有対象の機器を選択することにより、共有対象への自動通知を可能とし、作業者が意識することなく共有対象先のプログラム作成ツールでの作業が行え、プログラム作成効率が向上する。
さらに、共有すべきオブジェクトの定義、変更作業は一括して行うことができるので、それら作業が容易になると共に、オブジェクト自体の管理も容易になり、人手により行っていた作業を効率化できる。
さらにまた、以前から有しているオブジェクトを有効に活用することにより、オブジェクト登録作業を低減し、よりシステム構築が容易となる。
また、オブジェクトの重複をチェックすることにより、オブジェクト登録作業の信頼性が向上する。
また、オブジェクトの変更に基づく、プログラムの修正作業を容易に行うことができる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明にかかるプログラミング装置及びプログラミング方法は、オブジェクトに対応したデータ定義と、その共有方法、さらにそれによるシステム構築を行うプログラミング装置おいて用いられるのに適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施の形態1における制御システムの動作概要を示した状態図である。
第2図は、データ共有型プログラミング装置のオブジェクト管理テーブル、および関連するシステム構成管理ツリーである。
第3図は、実施の形態1におけるプログラミング装置の動作を示すフローチャートである。
第4図は、実施の形態2における制御システムの動作概要を示した状態図である。
第5図は、実施の形態2におけるプログラミング装置の動作を示すフローチャートである。
第6図は、実施の形態3における制御システムの動作概要を示した状態図である。
第7図は、実施の形態3におけるプログラミング装置の動作を示すフローチャートである。
第8図は、従来における制御システムの動作概要を示した状態図である。

Claims (10)

  1. 制御システムを構成する各機器のプログラムを作成するためのプログラム作成ツール群を備えたプログラミング装置において、プログラム作成のための各機器のオブジェクトに対応した変数名及び属性データ定義を共有するデータ共有手段を備え、上記プログラム作成ツール群で共有することを特徴とするプログラミング装置。
  2. オブジェクトのデータ共有手段への設定は、いずれかのプログラム作成ツールでのプログラミングをトリガーとして参照対象のプログラム作成ツールの指定と共に格納し、他のプログラム作成ツールとの上記オブジェクトの共有は、参照対象のプログラム作成ツールに対して上記オブジェクトを通知することを特徴とする請求の範囲1に記載のプログラミング装置。
  3. データ共有手段でのオブジェクト共有のデータ定義、変更を行うオブジェクトデータ定義手段を備え、上記オブジェクト管理を一括管理したことを特徴とする請求の範囲1に記載のプログラミング装置。
  4. 制御システム内の機器で使用する頻度の高いオブジェクトがいくつか基本型として既に登録されていると共に、上記制御システムで実際に使用するオブジェクトを登録された基本型より選択するシステムコンフィグレーションツールを備えたことを特徴とする請求の範囲1に記載のプログラミング装置。
  5. 制御システムを構成する各機器のプログラムを作成するためのプログラム作成ツール群を備えたプログラミング装置において、いずれかのプログラム作成ツールで上記各機器内のオブジェクトに対応した変数名及び属性データ定義を行うことにより、上記オブジェクトに対応した変数名及び属性データが他のプログラム作成ツールで使用可能に格納されることを特徴とするプログラミング装置。
  6. オブジェクトに対応した変数名及び属性データの格納に際し、他のプログラム作成ツールで参照するか否かを登録し、参照対象のプログラム作成ツールに対して上記オブジェクトを通知することを特徴とする請求の範囲5に記載のプログラミング装置。
  7. 他のプログラム作成ツールにてプログラムを作成する際に、参照先のオブジェクトとの重複を検出する検出手段を備えたことを特徴とする請求の範囲6に記載のプログラミング装置。
  8. 特定のプログラム作成ツールに基づくオブジェクトの変更の際には、参照対象のプログラム作成ツールに対して変更されたオブジェクトを通知することを特徴とする請求の範囲6に記載のプログラミング装置。
  9. オブジェクトを通知する際に、プログラム作成ツールが起動時に確認を行う格納領域に通知することを特徴とする請求の範囲6に記載のプログラミング装置。
  10. 制御システムを構成する各機器のプログラムを作成するためのプログラミング方法において、
    予め設計した仮想オブジェクトに基づき、各機器のオブジェクトに対応した変数名及び属性データ定義を行うと共に、該オブジェクトを使用する機器の指定を行いデータ共有手段に登録する工程と、
    指定を受けた該オブジェクトを使用する機器のプログラム作成ツールに対して上記オブジェクトを通知する工程と、
    通知を受けた上記プログラム作成ツールが上記データ共有手段に登録された上記オブジェクトに基づき機器のプログラミングを行う工程と、
    を備えたプログラミング方法。
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