JPWO2002031570A1 - 結像性能の評価方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、薄膜による影響を正確に反映させた結像性能の評価を実現するものである。そのために、本発明では、結像光学系の結像性能を評価するに当たり、その結像光学系の評価対象像点に入射する結像光束の瞳透過率分布(射出瞳面上における光透過率の分布)を取得し、前記取得した瞳透過率分布から、その瞳透過率分布の回転対称成分、奇数対称成分、偶数対称成分の少なくとも何れか1成分を、評価指標として抽出する。

Description

技術分野
本発明は、フォトリソグラフィに適用される投影光学系や観察光学系などの結像光学系の結像性能の評価方法、その評価に基づく薄膜の設計方法、その評価に基づく結像光学系の設計方法、結像光学系、結像光学系の製造方法、設計プログラム、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、投影露光装置、及び投影露光方法に関する。
また、本発明は、投影光学系、当該投影光学系の製造方法、及び当該投影光学系を備えた露光装置に関し、特に半導体素子や液晶表示素子などのマイクロデバイスをフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される露光装置に好適な投影光学系に関するものである。
背景技術
半導体集積回路や液晶ディスプレイ等の電子デバイス(マイクロデバイス)の微細パターンの形成に際して、形成すべきパターンを4〜5倍程度に比例拡大して描画したフォトマスク(レチクルとも呼ぶ)のパターンを、投影露光装置を用いてウエハ等の感光性基板(被露光基板)上に縮小露光転写するフォトリソグラフィ方法が用いられている。
フォトリソグラフィに適用される投影光学系などの結像光学系の設計においては、それを構成するレンズやミラーなどの光学素子の面形状、面間隔、有効径、反射率や屈折率、公差などの組み合わせ数が膨大であるので、要求スペックを満たすような設計解を一義的に得ることができない。
したがって、完成データを得るまでの間に、基礎データに基づく光線追跡などの数値計算によりその結像光学系の結像性能を評価しつつ、その結像性能が目標範囲に納まるようにその基礎データを修正していく手順が繰り返される(以下、結像光学系を構成する光学素子の面形状、面間隔、有効径、反射率や屈折率、公差などを設計することを、「光学設計」という。)。
因みに、この光学設計に必要な演算は、光学素子の数が増加すると指数関数的に複雑化するので、コンピュータにより自動化されている。
さて、一般に、結像光学系を構成する各光学素子の表面には、反射防止、透過光の制限、反射増加などのために、それぞれ特有の薄膜(コート)が形成される。この薄膜が結像光学系の結像性能に与える影響は、薄膜の構造(層数、各層の厚さ、各層の材料、各層の吸収係数など)によって異なり、また、どの光学素子のどの面にどの種類の薄膜を割り付けるかによっても異なる。
特にフォトリソグラフィに使用される投影光学系は、要求スペックが厳しくかつそれを構成する光学素子の数が多いため、薄膜の影響は無視できない。さらに、反射型の投影光学系や反射屈折型の投影光学系は、所定の機能を付与すべき反射面を有しており、そのような反射面に形成される薄膜については多層化せざるを得ない。したがって、薄膜により結像性能に与えられる影響が顕著である。
このため、投影光学系を設計する際には、上記した光学設計に加えて、「コート設計」と「コート割り付け」とを行っている。
コート設計においては、反射率特性(透過率特性)に対する要求を満たすような薄膜の層数、各層の厚さ、各層の材料などの設計解であるコートデータが各種求められる。
コート割り付けでは、各種コートデータと、予め取得された光学素子の設計データ(完成データや基礎データ)とに基づく光線追跡などの数値計算により、投影光学系の結像性能を評価しつつ、良好の結像性能が得られるように、どの種類のコートデータをどの面に割り付けるかが決定される。
従来のコート割り付けにおけるこの評価では、投影光学系を介して中心像高に入射する結像光束のうち、射出瞳面の中心を通過する光線の瞳透過率T0と、射出瞳面の端部を透過する数十本の光線それぞれの透過率T1,T2,T3・・・とをが求められる。そして、求めた各瞳透過率Ti間のばらつきの程度、例えば最大値Tmaxと最小値Tminとの差Δ(=Tmax−Tmin)が、評価指標とされる。その評価指標Δは、その値が小さいほど、良好な結像性能を示しているとみなされる。
また、フォトリソグラフィにおいては、半導体集積回路の微細化に対応するために、その露光波長が短波長側へシフトし続けている。
現在、露光波長はKrFエキシマレーザの248nmが主流となっているが、より短波長のArFエキシマレーザの193nmも実用化段階に入りつつある。
さらに、波長157nmのFレーザや波長146nmのKrレーザ、波長126nmのArレーザ等の、いわゆる真空紫外域と呼ばれる波長帯の光を供給する光源を使用する投影露光装置の提案も行われている。
また、投影光学系の大開口数(NA)化によっても高解像度化が可能であるため、露光波長の短波長化のための開発だけでなく、より大きい開口数を有する投影光学系の開発もなされている。
このように波長の短い紫外域の露光光に対しては、透過率や均一性の良好な光学材料(レンズ材料)は限定される。
ArFエキシマレーザを光源とする投影光学系では、レンズ材料として合成石英ガラスも使用可能であるが、1種類のレンズ材料では色収差の補正を十分に行うことができないので、一部のレンズにフッ化カルシウム結晶(蛍石)が用いられる。
一方、Fレーザを光源とする投影光学系では、使用可能なレンズ材料は実質上フッ化カルシウム結晶(蛍石)に限定される。
ところが、現在のフォトリソグラフィに要求される解像度は急速に高まりつつあるため、投影光学系PLに対する要求スペックはさらに厳しくなり、上記薄膜が結像性能に与える影響についてもより良好に抑える必要が生じてきた。
そして薄膜の影響を抑えるには、前記した評価指標Δによる評価の結果に基づいてコート割り付けを行うことの他、コート設計や光学設計を行ったり、フォトリソグラフィに使用する照明光学系の設計を行ったりすることも考えられる。
しかしながら、何れにせよその評価に薄膜の影響がより正確に反映されるようにならなければ、その影響をより良好に抑えることはできない。
発明の開示
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、薄膜による影響を正確に反映させた結像性能の評価方法を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、薄膜による影響を良好に除去することのできる薄膜の設計方法、及び結像光学系の設計方法を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、薄膜による影響を良好に除去して優れた結像性能を確保することを第3の目的とする。
また、最近、このように波長の短い紫外線に対しては、立方晶系であるフッ化カルシウム結晶(蛍石)においても、固有複屈折が存在することが報告されている。電子デバイスの製造に用いられる投影光学系のような超高精度の光学系においては、レンズ材料の複屈折に伴って生じる収差は致命的であり、複屈折の影響を実質的に回避したレンズ構成およびレンズ設計の採用が不可欠である。
本発明は、例えば蛍石のような固有複屈折を示す結晶材料を用いても、複屈折の影響を正確に反映させた結像性能の評価方法を提供することを第4の目的とする。
また、本発明は、複屈折の影響を良好に除去することのできる結像光学系の設計方法を提供することを第5の目的とする。
また、本発明は、複屈折の影響を良好に除去して優れた結像性能を確保することを第6の目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる結像性能の評価方法は、結像光学糸の結像性能を評価するに当たり、前記結像光学系の評価対象像点に入射する結像光束の瞳透過率分布(本明細書では、文言「瞳透過率分布」を「射出瞳面上における光透過率の分布」の意味で使用する。)を取得し、前記取得した瞳透過率分布から、その瞳透過率分布の回転対称成分、奇数対称成分、偶数対称成分の少なくとも何れか1成分を、評価指標として抽出することを特徴とする。
ここで、レンズやミラーなどの光学部材の表面に形成された薄膜が、それらの面に入射する光線に与える影響の1つに、光強度の減少がある。また、このような薄膜が光線に与える光強度の減少量は、その光線の入射角度によって異なる。
その点、上記評価指標は、何れも、互いに異なる射出角度で射出し、かつ射出瞳面上の互いに異なる位置を通過する各光線の透過率(瞳透過率分布)が基となっているので、薄膜による影響を正確に反映する。
さらに、これらの評価指標は、それぞれ射出瞳面における回転対称成分、奇数対称成分、偶数対称成分を示すので、結像性能のうち特に、像高によるコントラストの不均一性、焦点位置によるパターン像の形状の非対称性、及びパターンの向きによるコントラストの不均一性を、個別に評価することもできる。
さらに、この結像性能の評価方法においては、瞳透過率分布の取得を、前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束についても行い、前記評価対象像点について取得した瞳透過率分布を、前記中心像高について取得した瞳透過率分布からの偏差で表すことにより、前記評価指標を、中心像高を基準としたものに設定することが望ましい。
このように、像高による差異を示す評価指標の導入によれば、結像性能を、像高による差異の面から評価することができる。
さらに、この結像性能の評価方法においては、前記評価を、互いに異なる像高の複数の評価対象像点についてそれぞれ行うことが望ましい。
このように、互いに異なる像高の複数の評価対象像点(例えば、最周辺像高、中間像高の2点)を設定すれば、結像性能を像高毎に評価することができる。
さらに、この結像性能の評価方法においては、前記評価指標の抽出に、ツェルニケ関数を適用することが望ましい。
ツェルニケ関数による展開は、東海大学出版会出版、マックス・ボルン、エミル・ウォルフ著の「光学の原理II」にも記載されているように、一般に光学系の波面収差を各収差成分に分解するときに適用され、光学系に固有の各種の特性が極めて詳細に考慮されたものである。したがって、上記の各評価指標がそれぞれ正確に抽出される。また、ツェルニケ関数による展開のための演算(関数フィッティングなど)は、従来一般に行われているため、その実施が比較的簡単であるという利点もある。
また、本発明にかかる結像性能の評価方法は、結像光学系の結像性能を評価するに当たり、前記結像光学系の評価対象像点に入射する結像光束の射出瞳面における第1の偏光方向の位相飛び分布と、前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の位相飛び分布とを取得し、前記取得した第1の偏光方向の位相飛び分布と前記第2の偏光方向の位相飛び分布との和からなる平均位相飛び分布を、評価指標として取得することを特徴とする。
ここで、レンズやミラーなどの光学部材の表面に形成された薄膜が、それらの面に入射する光線に与える影響の1つに、位相飛びがある。また、このような薄膜が、光線に与える位相飛びの大きさは、その光線の入射角度によって異なる。
その点上記評価指標は、互いに異なる射出角度で射出し、かつ射出瞳面上の互いに異なる位置を通過する各光線の位相飛び(位相飛び分布)が基となっているので、薄膜による影響を正確に反映する。
しかも、この評価指標は、結像光学系の波面収差に相当する、互いに直交する2方向の位相飛び分布の平均であるので、結像成能を、波面収差の面から評価することが可能とする。
さらに、この結像性能の評価方法においては、平均位相飛び分布の取得を、前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束についても行い、前記評価対象像点について取得した平均位相飛び分布を、前記中心像高について取得した平均位相飛び分布からの偏差で表すことにより、前記評価指標を、中心像高を基準としたものに設定することが望ましい。
このように、像高による差異を示す評価指標の導入によれば、結像性能を、像高による差異の面から評価することが可能となる。
さらに、この結像性能の評価方法においては、前記評価を、互いに異なる像高の複数の評価対象像点についてそれぞれ行うことが望ましい。
このように、互いに異なる像高の複数の評価対象像点(例えば、最周辺像高、中間像高の2点)を設定すれば、結像性能を像高毎に評価することが可能となる。
さらに、この結像性能の評価方法において、前記取得した評価指標にツェルニケ関数を適用することにより、前記結像光学系の波面収差を評価することが望ましい。
ツェルニケ関数による展開は、上記したように一般に光学系の波面収差を各収差成分に分解するときに適用され、光学系に固有の各種の特性が極めて詳細に考慮されているものであるから、上記の各評価指標は、各収差成分に正確に評価される。また、ツェルニケ関数による展開のための演算(関数フィッティングなど)は、従来一般に行われているため、その実施が比較的簡単であるという利点もある。
本発明にかかる結像性能の評価方法は、結像光学系の結像性能を評価するに当たり、前記結像光学系の評価対象像点に入射する結像光束の射出瞳面における第1の偏光方向の位相飛び分布と、前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の位相飛び分布とを取得し、前記取得した第1の偏光方向の位相飛び分布と前記第2の偏光方向の位相飛び分布との差からなるリターデーション分布を、評価指標として取得することを特徴とする。
ここで、レンズやミラーなどの光学部材の表面に形成された薄膜が、それらの面に入射する光線に与える影響の1つに、位相飛びがある。また、このような薄膜が光線に与える位相飛びの大きさは、その光線の入射角度によって異なる。
その点上記評価指標は、互いに異なる射出角度で射出し、かつ射出瞳面上の互いに異なる位置を通過する各光線の位相飛び(位相飛び分布)が基となっているので、薄膜による影響を正確に反映する。
しかも、この評価指標は、リターデーション分布を示すので、結像性能を、像のコントラストの面から評価することを可能とする。
さらに、この結像性能の評価方法においては、リターデーション分布の取得を、前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束についても行い、前記評価対象像点について取得したリターデーション分布を、前記中心像高について取得したリターデーション分布からの偏差で表すことにより、前記評価指標を、中心像高を基準としたものに設定することが望ましい。
このように、像高による差異を示す評価指標の導入によれば、結像性能を、像高による差異の面から評価することができる。
さらに、この結像性能の評価方法においては、前記評価を、互いに異なる像高の複数の評価対象像点についてそれぞれ行うことが望ましい。
このように、互いに異なる像高の複数の評価対象像点(例えば、最周辺像高、中間像高の2点)を設定すれば、結像性能を像高毎に評価することができる。
さらに、この結像性能の評価方法においては、前記評価対象像点は、前記結像光学系の中心像高であり、前記リターデーション分布のRMS値と、そのリターデーション分布の射出瞳面内平均値とを、評価指標として取得することが望ましい。
ここで、点像強度分布の最大値は、これらの評価指標によって表される。したがって、これらの評価指標によれば、結像性能を、点像強度分布の性質の面から評価することが可能となる。
また、この結像性能の評価方法においては、前記結像光学系は、薄膜が表面に形成された光学部材を有することが望ましい。
また、本発明にかかる薄膜の設計方法は、薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系の結像性能を、前記した結像性能の評価方法により評価し、前記評価に基づいて、前記結像光学系に形成すべき薄膜を設計することを特徴とする。
このように、薄膜の設計に際する結像性能の評価に、この結像性能の評価方法が適用されれば、薄膜の影響が良好に除去されるような薄膜を設計することが可能となる。
また、本発明にかかる結像光学系の設計方法は、薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系の結像性能を、その薄膜が理想的な薄膜であるとした条件下で評価し、前記結像光学系の結像性能を、前記結像性能の評価方法により評価し、前記2つの評価に基づいて、前記結像光学系を設計することを特徴とする。
このように、結像光学系の設計に際する結像性能の評価に、前記結像性能の評価方法が適用されれば、薄膜による影響が良好に除去されるような結像光学系を設計することが可能となる。
また、本発明にかかる結像光学系は、前記薄膜の設計方法により設計された薄膜を有したことを特徴とする。
また、本発明にかかる結像光学系は、前記結像光学系の設計方法により設計されたことを特徴とする。
これらの結像光学系は、上記したように薄膜の影響が良好に除去され、良好な結像性能を有する。
また、前記した結像性能の評価方法は、前記結像光学系がリターデーションを持つ光学部材を有することが望ましい。
また、本発明にかかる結像光学系の設計方法は、リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系の結像性能を、前記結像性能の評価方法により評価し、前記評価に基づいて、前記結像光学系を設計することを特徴とする。
また、本発明にかかる結像光学系は、前記結像光学系の設計方法により設計されたことを特徴とする。
また、本発明にかかる結像光学系は、薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系において、前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布のRMS値をt0とするとき、t0≦0.04を満足することを特徴とする。ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
このとき、結像光学系を使用したフォトリソグラフィによる転写パターンの幅や形状は、十分な精度で制御できる。なお、上式の閾値を0.02に設定すれば、より良好な精度で制御できる。
さらに、この結像光学系は、前記結像光学系の所定の像高に入射する結像光束の瞳透過率分布と前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布との差分のRMS値をΔtとするとき、Δt≦0.032を満足することが望ましい。ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
このとき、結像光学系を使用したフォトリソグラフィによる転写パターンの幅や形状は、像位置によらず保たれる。なお、上式の閾値を0.016に設定すれば、その幅や形状はより良好に保たれる。
さらに、この結像光学系は、前記結像光学系の所定の像高に入射する結像光束の瞳透過率分布と前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布との差分から抽出された回転対称成分のRMS値をΔtrotとするとき、Δtrot≦0.02を満足することが望ましい。ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
このとき、結像光学系を使用したフォトリソグラフィによる転写パターンの像高による幅の差は、抑えられる。なお、上式の閾値を0.01に設定すれば、その差はより良好に抑えられる。
さらに、この結像光学系は、前記結像光学系の所定の像高に入射する結像光束の瞳透過率分布と前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布との差分から抽出された奇数対称成分のRMS値をΔtoddとするとき、Δtodd≦0.024を満足することが望ましい。ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
このとき、結像光学系を使用したフォトリソグラフィによる転写パターンのデフォーカスによる形状変化は抑えられる。なお、上式の閾値を0.012に設定すれば、その形状変化はより良好に抑えられる。
さらに、この結像光学系は、前記結像光学系の所定の像高に入射する結像光束の瞳透過率分布と前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布との差分から抽出された偶数対称成分のRMS値をΔtevnとするとき、Δtevn≦0.032を満足することが望ましい。ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
このとき、結像光学系を使用したフォトリソグラフィによる転写パターンの配置方向による幅の変化は抑えられる。なお、上式の閾値を0.016に設定すれば、その幅の変化はより良好に抑えられる。
また、本発明にかかる結像光学系は、薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系において、前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の射出瞳面における第1の偏光方向の位相飛び分布と、前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の位相飛び分布との差からなるリターデーション分布のRMS値をδw0とし、そのリターデーション分布の射出瞳面内平均値をA[δW0]とするとき、1−(4π・δw0+2π・A[δW0])/2≧0.98を満足することを特徴とする。
このとき、結像光学系を使用したフォトリソグラフィによる点像強度分布の劣化は抑えられる。
また、本発明にかかる結像性能の評価方法は、リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系の結像性能を評価する評価方法において、前記結像光学系の入射瞳面内に第1の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の第1の偏光方向の成分である第1−1成分を取得し、前記結像光学系の入射瞳面内に前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の第2の偏光方向の成分である第2−2成分を取得し、前記結像光学系の入射瞳面内に前記第1の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の前記第2の偏光方向の成分である第1−2成分を取得し、前記結像光学系の入射瞳面内に前記第2の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の前記第1の偏光方向の成分である第2−1成分を取得し、前記光束の前記第1−2成分の振幅分布又は強度分布と、前記光束の前記第2−1成分の振幅分布又は強度分布とを、評価指標として取得することを特徴とする。
さらに、この結像性能の評価方法においては、前記光束の前記第1−1成分と前記光束の前記第2−2成分とに関して前記評価方法で評価することが望ましい。
さらに、この結像性能の評価方法においては、前記評価指標の抽出に、ツェルニケ関数を適用することが望ましい。
さらに、この結像性能の評価方法においては、前記結像光学系は、薄膜が表面に形成された光学部材を有し、前記第1−1成分及び前記第2−2成分の取得に際して前記薄膜も考慮することが望ましい。
また、本発明にかかる結像光学系の設計方法は、リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系の結像性能を、前記結像性能の評価方法により評価し、前記評価に基づいて、前記結像光学系を設計することを特徴とする。
さらに、この結像光学系の設計方法においては、前記評価指標に基づいて、前記結像光学系のパラメータを最適化することが望ましい。
さらに、この結像光学系の設計方法においては、前記光束の前記第1−2成分及び前記第2−1成分の強度を、前記光束の前記第1−1成分及び前記第2−2成分の強度の1/100以下とするように、前記結像光学系を設計することが望ましい。
また、本発明にかかる結像光学系は、前記結像光学系の設計方法により設計されたことを特徴とする。
また、本発明にかかる結像光学系の製造方法は、リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系の結像性能を、前記結像性能の評価方法により評価する工程を有することを特徴とする。
また、本発明にかかる結像光学系は、前記結像光学系の製造方法により製造されたことを特徴とする。
また、本発明にかかる結像光学系は、リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系において、前記結像光学系の入射瞳面内に第1の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の第1の偏光方向の成分を第1−1成分とし、前記結像光学系の入射瞳面内に前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の第2の偏光方向の成分を第2−2成分とし、前記結像光学系の入射瞳面内に前記第1の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の前記第2の偏光方向の成分を第1−2成分とし、前記結像光学系の入射瞳面内に前記第2の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の前記第1の偏光方向の成分を第2−1成分とするとき、前記光束の前記第1−2成分及び前記第2−1成分の強度が前記光束の前記第1−1成分及び前記第2−2成分の強度の1/100以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかる設計プログラムは、薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系の結像性能を、前記結像性能の評価方法により評価する手順と、前記評価に基づいて、前記結像光学系に形成すべき薄膜を設計する手順とを記憶したことを特徴とする。
また、本発明にかかる設計プログラムは、薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系の結像性能を、その薄膜が理想的な薄膜であるとした条件下で評価する手順と、その結像光学系の結像性能を、前記結像性能の評価方法により評価する手順と、前記2つの評価に基づいて、前記結像光学系を設計する手順とを記憶したことを特徴とする。
また、本発明にかかる設計プログラムは、結像光学系の結像性能を、前記結像性能の評価方法により評価する手順と、前記評価に基づいて、前記結像光学系を設計する手順とを記憶したことを特徴とする。
また、本発明にかかる設計プログラムは、前記結像光学系の設計方法を記憶したことを特徴とする。
また、本発明にかかるコンピュータ読取可能な記憶媒体は、前記設計プログラムを記憶したことを特徴とする。
また、本発明にかかる投影露光装置は、所定の波長の光に基づいて第1面に配置される投影原版の像を第2面に配置されるワークピースへ投影露光する投影露光装置において、前記所定波長の光を供給する光源と;該光源と前記第1面との間の光路中に配置されて、前記光源からの前記光を前記投影原版へ導く照明光学系と;前記第1面と前記第2面との間の光路中に配置されて、前記投影原版の像を前記第2面上に形成するための投影光学系と;を備え、前記投影光学系として、前記結像光学系を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる投影露光方法は、所定の波長の光に基づいて第1面に配置される投影原版の像を第2面に配置されるワークピースへ投影露光する投影露光方法において、前記所定の波長の光を供給する工程と;前記所定の波長の光を用いて前記投影原版を照明する工程と;前記照明された前記投影原版からの光に基づいて、投影光学系により前記第2面上に前記投影原版の像を形成する工程と;を備え、前記投影光学系として、前記結像光学系を用いることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
[第1実施形態]
先ず、図1,図2,図3,図4を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態は、結像光学系の結像性能を、大別して2種類の評価指標(透過率に基づく評価指標、及び位相飛びに基づく評価指標)により評価するものである。
また、本実施形態は、露光装置に適用される投影光学系を評価対象とするときに好適であるので、以下その前提で説明する。また、投影光学系はレンズや反射面などの光学素子の数が多いので、その評価に関する各種演算は、複雑化する傾向にある。したがって、以下に説明する各評価指標の取得手順は、何れもコンピュータによって実行されることとする。
また、本明細書中では、「平均」、及び「RMS」を、以下のとおり定義する。
Figure 2002031570
連続関数で表される或る物理量F(x,y)の領域P内での平均Faveは、
である。
Figure 2002031570
また、ある物理量F(x,y)の領域P内でのRMSは、
である。
また、以上の連続関数に対応する積分形離散データF(i=1,2,・・・,N)に対しては、平均Fave、及びRMSは、下式のとおりそれぞれ定義される。
Figure 2002031570
Figure 2002031570
<透過率に基づく評価指標>
図1は、透過率に基づく各評価指標を取得する手順を示すフローチャートである。図2は、この手順(及び後述する図3に示す手順)を説明する図である。
(ステップS1)
先ず、コンピュータに、投影光学系PLの光学素子の設計データと、コートデータとが入力される。
ここで、光学素子の設計データは、投影光学系PLを構成するレンズや反射面などの光学素子の面形状、有効径(外径)、面間隔、反射率や屈折率、公差などである。
また、コートデータは、それらのレンズや反射面の各面に形成される薄膜の構造、すなわち薄膜の層数、各層の厚さ、各層の材料(必要であれば各層の吸収係数)などである。
因みに、これらのデータは、投影光学系PLの物体側(レチクル面R側)から入れた各光線について光線追跡を行ってそれら各光線の物体側(ウエハ面W側)における強度と像側における強度との間の相違を求めるために、必要な情報である。
(ステップS2)
次に、コンピュータは、光線追跡を行い、図2に示すような任意の像高(例えば最周辺像高)の評価対象像点Xiに入射する結像光束の瞳透過率分布Ti(ρ,θ)と、中心像高X0に入射する結像光束の瞳透過率分布T0(ρ,θ)とを算出する。
本実施形態において、これらの瞳透過率分布を算出する際に求めるべき透過率は、投影光学系PLの射出瞳面PSの端部についてだけでなく、射出瞳面PSの全域についてである。
したがって、図2に示すように、評価対象像点Xiに入射する結像光束の光線追跡は、Xiの共役点Riから射出する光束Lfiのうち、互いに異なる射出角度で射出して射出瞳面PSの互いに異なる位置を通過するような各光線について、それぞれ行われる(なお、光線追跡すべき光線の最大射出角度は、投影光学系PLの像側開口数に応じたものとなる。)。
そして、このような光線追跡により、各光線の投影光学系PLの物体側(ウエハ面W側)における強度と像側における強度との相違が取得される。そして、その相違から、各光線の瞳透過率が求められる。
ここでは、その瞳透過率の射出瞳面PS上における分布を射出瞳面PS上の極座標(ρ,θ)で表したものを、評価対象像点Xiに入射する結像光束の瞳透過率分布Ti(ρ,θ)とおく。なお、ρは射出瞳面PSの半径を1に規格化した規格化瞳半径、θは射出瞳面PSの中心を原点とした極座標の動径角である。
また、中心像高X0に入射する結像光束の光線追跡も、同様に、X0の共役点R0から射出する光束Lf0のうち、互いに異なる射出角度で射出して射出瞳面PSの互いに異なる位置を通過する各光線についてそれぞれ行われる。そして、各光線の瞳透過率が求められ、その瞳透過率の射出瞳面PS上における分布を射出瞳面PS上の極座標(ρ,θ)で表したものを、中心像高X0に入射する結像光束の瞳透過率分布T0(ρ,θ)とおく。
(ステップS3)
次に、コンピュータは、瞳透過率分布T0(ρ,θ)を、関数フィッティングを行うなどして次式(1)のようにツェルニケの円筒関数系に展開(ツェルニケ展開)する。ここでは、その関数のうち、定数項を除いた全成分のRMS値(自乗平均平方根)t0が、透過率に基づく評価指標として求められる(t0の取得完了)。
T0(ρ,θ)=ΣB(ρ,θ)         ・・・(1)
ここで、Bは展開係数である。また、ツェルニケの各円筒関数Z(ρ,θ)は、各n(n=1〜36)に対して次の通り表される。
n:Z(ρ,θ)
1:1,
2:ρcosθ,
3:ρsinθ,
4:2ρ−1,
5:ρcos2θ,
6:ρsin2θ,
7:(3ρ−2)ρcosθ,
8:(3ρ−2)ρsinθ,
9:6ρ−6ρ+1,
10:ρcos3θ,
11:ρsin3θ,
12:(4ρ−3)ρcos2θ,
13:(4ρ−3)ρsin2θ,
14:(10ρ−12ρ+3)ρcosθ,
15:(10ρ−12ρ+3)ρsinθ,
16:20ρ−30ρ+12ρ−1,
17:ρcos4θ,
18:ρsin4θ,
19:(5ρ−4)ρcos3θ,
20:(5ρ−4)ρsin3θ,
21:(15ρ−20ρ+6)ρcos2θ,
22:(15ρ−20ρ+6)ρsin2θ,
23:(35ρ−60ρ+30ρ−4)ρcosθ,
24:(35ρ−60ρ+30ρ−4)ρsinθ,
25:70ρ−140ρ+90ρ−20ρ+1,
26:ρcos5θ,
27:ρsin5θ,
28:(6ρ−5)ρcos4θ,
29:(6ρ−5)ρsin4θ,
30:(21ρ−30ρ+10)ρcos3θ,
31:(21ρ−30ρ+10)ρsin3θ,
32:(56ρ−104ρ+60ρ−10)ρcos2θ,
33:(56ρ−104ρ+60ρ−10)ρsin2θ,
34:(126ρ−280ρ+210ρ−60ρ+5)ρcosθ,
35:(126ρ−280ρ+210ρ−60ρ+5)ρsinθ,
36:252ρ10−630ρ+560ρ−210ρ+30ρ−1,
すなわち、t0は、(ΣB(ρ,θ)−B)のRMS値である。
なお、ツェルニケ展開の展開次数は、36に限らず、16などの他の値でもよく、又、36以上の値でもよい。
(ステップS4)
また、コンピュータは、ステップS2において求めたTi(ρ,θ),T0(ρ,θ)を参照して、中心像高X0を基準とした評価対象像点Xiの瞳透過率分布ΔTi(ρ,θ)(以下、「像高による差異」と称す。)を求める。これは、次式(2)により求められる。
ΔTi(ρ,θ)=Ti(ρ,θ)−T0(ρ,θ)    ・・・(2)
すなわち、像高による差異ΔTi(ρ,θ)は、Ti(ρ,θ)とT0(ρ,θ)との座標を一致させて得た差分の分布である。
さらに、コンピュータは、像高による差異ΔTi(ρ,θ)を、次式(3)のようにツェルニケ展開し、その定数項を除いた全成分のRMS値Δtiを、透過率に基づく評価指標として求める(Δtiの取得完了)。
ΔTi(ρ,θ)=ΣC(ρ,θ)         ・・・(3)
ここで、Cは展開係数である。
すなわち、Δtiは、(ΣC(ρ,θ)−C)のRMS値である。
なお、ツェルニケ展開の展開次数は、36に限らず、16などの他の値でもよく、又、36以上の値でもよい。
(ステップS5)
さらに、コンピュータは、ステップS4で求めた差異ΔTi(ρ,θ)を、さらに回転対称成分ΔTirot(ρ,θ)、奇数対称成分ΔTiodd(ρ,θ)、偶数対称成分ΔTievn(ρ,θ)の3つにグループ化し、このグループ化された各項のRMS値Δtirot,Δtiodd,Δtievnを、透過率に基づく評価指標として求める(Δtirot,Δtiodd,Δtievnの取得完了)。
なお、回転対称成分ΔTirot(ρ,θ),奇数対称成分ΔTiodd(ρ,θ),偶数対称成分ΔTievn(ρ,θ)はそれぞれ、以下の(a)(b)(c)である。
(a)θを含まない項、すなわち原点(射出瞳面PSの中心)の周りに回転させても変化しない項。
(b)θの奇数倍の三角関数を含む項、すなわち原点の周りに360°の奇数分の1だけ回転させても変化しない項。
(c)θの偶数倍の三角関数を含む項、すなわち原点の周りに360°の偶数分の1だけ回転させても変化しない項。
したがって、例えば上記ツェルニケ展開の展開次数が36である場合、
Δtirotは、
(C(2ρ−1)
+C(6ρ−6ρ+1)
+C16(20ρ−30ρ+12ρ−1)
+C25(70ρ−140ρ+90ρ−20ρ+1)
+C36(252ρ10−630ρ+560ρ−210ρ+30ρ−1))のRMS値である。
Δtioddは、
(C(ρcosθ)
+C(ρsinθ)
+C((3ρ−2)ρcosθ)
+C((3ρ−2)ρsinθ)
+C10(ρcos3θ)
+C11(ρsin3θ)
+C14((10ρ−12ρ+3)ρcosθ)
+C16((10ρ−12ρ+3)ρsinθ)
+C19((5ρ−4)ρcos3θ)
+C20((5ρ−4)ρsin3θ)
+C23((35ρ−60ρ+30ρ−4)ρcosθ)
+C24((35ρ−60ρ+30ρ−4)ρsinθ)
+C26(ρcos5θ)
+C27(ρsin5θ)
+C30((21ρ−30ρ+10)ρcos3θ)
+C31((21ρ−30ρ+10)ρsin3θ)
+C34((126ρ−280ρ+210ρ−60ρ+5)ρcosθ)
+C35((126ρ−280ρ+210ρ−60ρ+5)ρsinθ))のRMS値である。
Δtievnは、
(C(ρcos2θ)
+C(ρsin2θ)
+C12((4ρ−3)ρcos2θ)
+C13((4ρ−3)ρsin2θ)
+C17(ρcos4θ)
+C18(ρsin4θ)
+C21((15ρ−20ρ+6)ρcos2θ)
+C22((15ρ−20ρ+6)ρsin2θ)
+C28((6ρ−5)ρcos4θ)
+C29((6ρ−5)ρsin4θ)
+C32((56ρ−104ρ+60ρ−10)ρcos2θ)
+C33((56ρ−104ρ+60ρ−10)ρsin2θ))のRMS値である。
なお、ツェルニケ展開の展開次数は、36に限らず、16などの他の値でもよく、又、36以上の値でもよい。
<位相飛びに基づく評価指標>
図3は、位相飛びに基づく各評価指標を取得する手順を示すフローチャートである。
(ステップS31)
先ず、コンピュータに、投影光学系PLの光学素子の設計データと、コートデータとが入力される。
なお、これらのデータは、投影光学系PLの物体側(レチクル面R側)から入れた各光線について光線追跡を行ってそれら各光線の物体面(ウエハ面W)における複素振幅を求めるために、必要な情報である。
(ステップS32)
次に、コンピュータは、光線追跡を行い、図2に示すような任意の評価対象像点Xi(例えば最周辺像高)に入射する結像光束の縦方向位相飛び分布WHi(ρ,θ)及び横方向位相飛び分布WVi(ρ,θ)と、中心像高X0に入射する結像光束の縦方向位相飛び分布WH0(ρ,θ)及び横方向位相飛び分布WV0(ρ,θ)とを算出する(ステップS32)。
なお、ここでいう「縦方向」及び「横方向」は、射出瞳面PS上で互いに直交する2つの偏光方向であって、光線の進行方向との関係は問わない。
本実施形態において、これらの位相飛び分布を算出する際に求めるべき複素振幅は、投影光学系PLの射出瞳面PSの端部についてだけでなく、射出瞳面PSの全域についてである。
したがって、図2に示すように、評価対象像点Xiに入射する結像光束の光線追跡は、Xi上の共役点Riから射出する光束Lfiのうち、互いに異なる射出角度で射出して射出瞳面PSの互いに異なる位置を通過するような各光線について、それぞれ行われる(なお、光線追跡すべき光線の最大射出角度は、投影光学系PLの像側開口数に応じたものとなる。)。
そして、このような光線追跡により光束Lfiの投影光学系PLの射出瞳面PSにおける縦偏光方向の複素振幅分布、及び横偏光方向の複素振幅分布が取得される。それら分布から、それぞれ縦方向位相飛び分布、及び横方向位相飛び分布が求められる。
なお、それら分布を射出瞳面PS上の極座標(ρ,θ)で表したものを、それぞれ評価対象像点Xiに入射する結像光束の縦方向位相飛び分布WHi(ρ,θ)、及び横方向位相飛び分布WVi(ρ,θ)とおく。但し、ρは射出瞳面PSの半径を1に規格化した規格化瞳半径、θは射出瞳面PSの中心を原点とした極座標の動径角である。
また、中心像高X0に入射する結像光束の光線追跡も、同様に、X0の共役点R0から射出する光束Lf0のうち、互いに異なる射出角度で射出して射出瞳面PSの互いに異なる位置を通過する各光線についてそれぞれ行われる。そして、光束Lfiの縦偏光方向の複素振幅分布、及び横方向の複素振幅分布が求められる。
なお、それら分布を射出瞳面PS上の極座標(ρ,θ)で表したものを、それぞれ中心像高X0に入射する結像光束の縦方向位相飛び分布WH0(ρ,θ)、及び横方向位相飛び分布WV0(ρ,θ)とおく。
(ステップS33)
次に、コンピュータは、評価対象像点Xiの平均位相飛び分布WAi(ρ,θ)と、中心像高X0の平均位相飛び分布WA0(ρ,θ)とを、次式(4)により求める。
WAi(ρ,θ)=(WVi(ρ,θ)+WHi(ρ,θ))/2
・・・(4)
すなわち、平均位相飛び分布WAi(ρ,θ)は、WVi(ρ,θ)とWV0(ρ,θ)との座標を一致させて得た中間値の分布である。
そして、平均位相飛び分布WAi(ρ,θ),WA0(ρ,θ)それぞれのRMS値wai,wa0が、位相飛びに基づく評価指標として求められる(wai,wa0の取得完了)。
(ステップS34)
また、コンピュータは、ステップS32において求めたWVi(ρ,θ),WHi(ρ,θ),WV0(ρ,θ),WH0(ρ,θ)を参照して、評価対象像点Xiのリターデーション分布δWi(ρ,θ)と、中心像高X0のリターデーション分布δW0(ρ,θ)とを求める。これは、次式(5)により求められる。
δWi(ρ,θ)=WVi(ρ,θ)−WHi(ρ,θ)  ・・・(5)
すなわち、リターデーション分布δWi(ρ,θ)は、WVi(ρ,θ)とWV0(ρ,θ)との座標を一致させて得た差分の分布である。
さらに、求めたリターデーション分布δWi(ρ,θ),δW0(ρ,θ)それぞれのRMS値δwi,δw0が、位相飛びに基づく評価指標として求められる(ΔWi,Δw0の取得完了)。
(ステップS35)
また、コンピュータは、ステップS33において求めたWAi(ρ,θ),WA0(ρ,θ)を参照して、中心像高X0を基準とした評価対象像点Xiの平均位相飛び分布ΔWAi(ρ,θ)(以下、「像高による差異」と称す。)を、求める。これは、次式(6)により求められる。
ΔWAi(ρ,θ)=WAi(ρ,θ)−WA0(ρ,θ) ・・・(6)
すなわち、像高による差異ΔWAi(ρ,θ)は、WAi(ρ,θ)とWA0(ρ,θ)との座標を一致させて得た差分の分布である。
そして、求めた差異ΔWAi(ρ,θ)のRMS値Δwaiが、位相飛びに基づく評価指標として求められる(Δwaiの取得完了)。
(ステップS36)
コンピュータは、ステップS34において求めたリターデーション分布δW0を参照して、そのRMS値δw0,及びその射出瞳面内平均値A[δW0]を求め、次式(7)により、PSF値を、位相飛びに基づく評価指標として求める(PSFの取得完了)。
PSF=1−(4π・δw0+2π・A[δW0])/2
・・・(7)
なお、本実施形態では、以上取得したwai,wa0,Δwaiのそれぞれに加えて、次の(a),(b),(c)のような評価指標が取得されてもよい。
(a)WAi(ρ,θ)をツェルニケ展開してできる各項のRMS値、又は/及びそのツェルニケ展開して得られた複数の項をグループ化して得られる各項のRMS値。
(b)WA0(ρ,θ)をツェルニケ展開してできる各項のRMS値、又は/及びそのツェルニケ展開して得られた複数の項をグループ化して得られる各項のRMS値。
(c)ΔWAi(ρ,θ)をツェルニケ展開してできる各項のRMS値、又は/及びツェルニケ展開して得られた複数の項をグループ化して得られる各項のRMS値。
<各評価指標について>
次に、以上の手順により取得した各評価指標t0,Δti,Δtirot,Δtiodd,Δtievn,wai,wa0,Δwai,δwi,δw0,PSFのそれぞれが示している量について説明する。
「t0」は、中心像高X0の瞳透過率分布T0(ρ,θ)のRMS値であるので、投影光学系PLのコントラストの劣化程度を示している。因みに、この値が大き過ぎると、フォトリソグラフィでは転写パターンの幅や形状を所望の値に制御できなくなる虞があるため好ましくない。
「Δti」は、中心像高X0を基準とした評価対象像点Xiの瞳透過率分布のRMS値であるので、像の位置によるコントラストの不均一性(強度ムラ)を示している。因みに、この値が大き過ぎると、フォトリソグラフィでは転写パターンの幅や形状が像位置により異なるため好ましくない。
続いて、Δtirot,Δtiodd,Δtevnを説明するに当たり、簡単のため、図4に示すような一点照明による三光束干渉について考える。
図4において、所定パターンの0次回折光(強度A),1次回折光(強度B),−1次回折光(強度B)は、それぞれ投影光学系PLを透過した後、強度A’,強度B’,強度B’に変化する。このとき、座標x,焦点位置zにおける像強度Iを示す結像式は、波数をk,1次回折光及び−1次回折光の像面への入射方向余弦をs,tとおくと、次式(8)で表される。
I=A’+B+B
+2A’B’cos(k(sx+tz))
+2A’B’cos(k(sx−tz))
+2B’B’cos(2ksx)         ・・・(8)
さて、「Δtirot」は、瞳透過率分布の回転対称成分ΔTirot(ρ,θ)のRMS値である。よって、Δtirotが存在するときには、三光束干渉においては、同じパターンの同じ焦点位置(z)における像であっても、像高(座標x)によってA’に対してB’とB’とが共に同程度だけ多い又は少なくなる。このときの像強度I(式(8))を参照すると、同一パターンの同一焦点位置(z)における像であっても、像高(座標x)によってコントラストが相違することが分かる。すなわち、Δtirotは、像高によるコントラストの不均一性を示している。因みに、この値が大き過ぎると、フォトリソグラフィでは、全画面で照度が同じであるにも拘わらず、像高によって転写パターンの幅に差が生じてしまう。
「Δtiodd」は、瞳透過率分布の奇数対称成分ΔTiodd(ρ,θ)のRMS値である。よって、Δtioddが存在するときには、三光束干渉においては、同一パターンであっても焦点位置zが合焦位置から離れるにつれて、B、Bのバランスが変化する。このときの像強度I(式(8))を参照すると、同一パターンであっても、焦点位置zが合焦位置から離れる(デフォーカスする)につれて、像の形状が変化するということが分かる。すなわち、Δtioddは、焦点位置によるパターン像の形状の非対称性を示している。因みに、この値が大き過ぎると、フォトリソグラフィでは、僅かな量のデフォーカスにより転写パターンの形状が変化してしまう。
「Δtievn」は、瞳透過率分布の偶数対称成分ΔTievn(ρ,θ)のRMS値である。よって、Δtievnが存在するときには、三光束干渉においては、同一パターンであってもパターンの向きによって、B、Bのバランスが相違する。このときの像強度I(式(8))を参照すると、同一パターンの同一像高(座標x)における像であっても、パターンの向き(s,t)によってコントラストが相違することが分かる。すなわち、Δtievnは、パターンの向きによるコントラストの不均一性を示している。因みに、この値が大き過ぎると、フォトリソグラフィでは、転写パターンの幅がそのパターンの配置方向によって異なってしまう虞がある。
一方、評価指標wai,wa0,Δwai,δwi,δw0,PSFについては、何れも位相飛びに基づくものであるので、投影光学系PLの波面収差に関係する。
特に、「wai」,「wa0」は、それぞれ平均位相飛び分布WAi(ρ,θ)のRMS値,平均位相飛び分布WA0(ρ,θ)のRMS値であるので、投影光学系PLの波面収差に相当する。因みに、waiが示している波面収差は、評価対象像点Xiに関するものであり、wa0が示している波面収差は中心像高X0に関するものである。
「Δwai」は、評価対対象像点Xiについての平均位相飛び分布WAi(ρ,θ)を、中心像高X0を基準として表したもののRMS値である。したがって、Δwaiは、投影光学系PLの波面収差のうち、像高に依る差異(ディストーション、湾曲など)に相当する。
「δwi」,「δw0」は、それぞれ、リターデーション分布δWi(ρ,θ)のRMS値、リターデーション分布δW0(ρ,θ)のRMS値である。
ここで一般に、リターデーションが大きいとパターン像のコントラストが低下する。
よって、これらの評価指標は、像のコントラストの悪さを示している。因みに、δwiが示しているコントラストは、評価対象像点Xiに関するものであり、δw0が示しているコントラストは、中心像高X0に関するものである。
「PSF」は、リターデーションによって生じる点像強度分布の最大値の概ねの値に相当し、中心像高X0における点像強度分布の性質を示す値である。この値が小さいほど、点像強度分布が劣化していることを示す。
この理由は、薄膜の像高中心におけるリターデーションへの影響は、光学系が回転対称型である場合に、進相軸が射出瞳面内に放射状に分布する、部分的に一軸性結晶のような性質が現れることにある。
<効果,その他>
以上説明したように、本実施形態の評価では、評価指標(t0,Δti,Δtirot,Δtiodd,Δtievn,wai,wa0,Δwai,δwi,δw0,PSF)が導入されている。
ここで、レンズやミラーなどの光学素子の表面に形成された薄膜が、それらの面に入射する光線に与える影響としては、光強度の減少と位相飛びが考えられる。また、このような薄膜が、入射する光線に与える光強度の減少量と位相飛びの大きさとは、その光線の入射角度によって異なる。
その点これらの評価指標は、互いに異なる射出角度で射出し、かつ射出瞳面PS上の互いに異なる位置を通過する各光線の状態に基づくものであるので、薄膜による影響を正確に反映させる。
特に、本実施形態では、透過率分布に基づく評価指標(t0,Δti,Δtirot,Δtiodd,Δtievn)が導入されているので、投影光学系PLの結像性能を、コントラストの面から評価することが可能となる。
さらに、本実施形態では、その像高による差異Δtiの回転対称成分、奇数対称成分、偶数対称成分を示す各評価指標(Δtirot,Δtiodd,Δtievn)も導入されているので、結像性能のうち特に、像高によるコントラストの不均一性、焦点位置によるパターン像の形状の非対称性、及びパターンの向きによるコントラストの不均一性を、個別に評価することが可能となる。
また、本実施形態では、像高による差異を示す評価指標(Δti,Δwai)が導入されているので、結像性能を、像高による差異の面から評価することが可能となる。
また、本実施形態では、評価指標(Δtirot,Δtiodd,Δtievn)を得る際にツェルニケ展開が適用されている。ツェルニケ展開は、一般に光学系の波面収差を各収差成分に分解するときに適用される。また、ツェルニケ展開は、光学系に固有の各種の特性が極めて詳細に考慮されたものである。したがって、本実施形態は、これらの各評価指標をそれぞれ正確に得ることを可能とする。また、ツェルニケ展開のための演算(関数フィッティングなど)は、従来より一般に行われているため、その実施が比較的簡単であるという利点もある。
また、本実施形態では、平均位相飛び分布を示す評価指標(wai,wa0,Δwai)が導入されているので、投影光学系PLの結像性能を波面収差の面から評価することが可能となる。
また、本実施形態では、リターデーション分布を示す評価指標(δwi,δw0)が導入されているので、結像性能を、像のコントラストの面から評価することが可能となる。
また、本実施形態では、中心像高X0における点像強度分布の性質を示す評価指標(PSF)が導入されているので、結像性能を、点像強度分布の性質の面から評価することができる。
また、上記透過率に基づく評価指標(t0,Δti,・・・)が投影光学系PLのコントラストの不均一性に関するものであるのに対し、位相飛びに基づく評価指標(wai,wai0,・・・)は、主に結像光学系の波面収差に関するものである。
したがって、本実施形態は、投影光学系PLの結像性能を互いに独立した2側面から評価することができる。この点に鑑みても、本実施形態の評価に薄膜の影響が従来より正確に反映されていることは、明白である。
なお、コンピュータによる各演算については、原理的には手計算によって実現することも可能である。
また、コンピュータで行う場合には、図1,図3の何れか一方又は双方に示す手順が記憶された記憶媒体を用意してそれをコンピュータに読み取らせてもよい。
また、その手順を実行するためのプログラムは、記憶媒体を介してだけでなく、インターネットを介しても、コンピュータに読み取らせることができる。
なお、図1に示した手順では、瞳透過率分布を求めるために光線追跡を行っているが、評価すべき投影光学系PLが実在しているのであれば、次のようにしてもよい。
すなわち、投影光学系PLの物体側(レチクル面R側)から実際に光を入射させて、射出瞳面PSの共役位置に生じる光強度分布を実測する。
なお、本実施形態においては、上記各評価指標の一部分のみを導入することとしてもよい。
また、本実施形態においては、上記の各評価指標を、互いに異なる像高の複数の評価対象像点Xi(例えば、最周辺像高X1、中間像高X2の2点)についてそれぞれ得ることとすれば(最周辺像高X1、中間像高X2の2点とした場合、評価指標は、t0,Δt1,Δt2,Δt1rot,Δt2rot,Δt1odd,Δt2odd,Δt1evn,Δt2evn,wa1,wa2,wa0,Δwa1,Δwa2,δw1,δw2,δw0となる。)、結像性能を像高毎に評価することができる。
[第2実施形態]
次に、図5を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態を、露光装置に使用される投影光学系の製造(特に、後述するステップS202に示すコート割り付け)に適用したものである。
以下、製造すべき投影光学系が屈折型の投影光学系であり、それを構成する光学素子が複数枚のレンズであるという前提で説明する。但し、反射面を含む反射型又は反射屈折型の投影光学系を製造する場合にも、本発明は同様に適用され得る(なお、その場合には、レンズデータに、反射面のデータが加わる)。
図5は、本実施形態の手順を示すフローチャートである。
(ステップS100)
ステップS100では、露光装置が要求スペックとなるように投影光学系の光学設計が行われ、基礎レンズデータが生成される。なお、要求スペックとしては、例えば、使用波長、波長幅、全長(物像間距離)、最大レンズ径、物体側作動距離、像側作動距離、及び光学性能(投影倍率、像側開口数、イメージフィールド直径、テレセントリック性、及び収差など)などが挙げられる。また、基礎レンズデータは、複数のレンズそれぞれの面の曲率(曲率半径)、レンズ面間隔、レンズ有効径(レンズ外径)、屈折率、非球面係数、及び公差などを含んでいる。
(ステップS201)
ステップS201では、投影光学系PLを構成する各レンズの面上に設けられる反射防止コート(投影光学系が反射面を含む場合には、その反射面上に設けられる反射増加コート)のコート設計が行われる。このコート設計では、ステップS100において生成された基礎レンズデータに基づいて算出される、各レンズ面に入射する光線の入射角度の範囲、使用波長、及び波長幅が考慮される。そして、コート設計は、これらの範囲内で、所望の反射率特性(透過率特性でもある。)を達成するようなコートデータが各種求められるものである。各コートデータは、層数、各層の厚さ、各層の材料、必要であれば各層の吸収係数を有している。
(ステップS202)
ステップS202では、コート割り付けが行われる。コート割り付けでは、ステップS201で求めた各種コートデータと、ステップS100で生成した基礎レンズデータとが参照われる。そして、コート割り付けでは、数値計算上で、各種コートデータにより規定される各構造の薄膜が、その基礎レンズデータにより規定される投影光学系の各レンズ面に割り付けられる。そして、その状態における投影光学系の結像性能が評価されつつ、その割り付け方が変化され、最適な割り付け方であるコート割り付けデータが求められる。
ここで、本実施形態におけるこの評価には、上記第1実施形態が適用され、例えば、評価指標t0,Δti,Δtirot,Δtiodd,Δtievn,PSFが求められる。
さらに、本実施形態では、これらの評価指標に対し、下記の条件式(A)〜(F)を満足させるようなコート割り付けデータが求められる。
t0≦0.04                     ・・・(A)
Δt≦0.032                    ・・・(B)
Δtrot≦0.02                  ・・・(C)
Δtodd≦0.024                 ・・・(D)
Δtevn≦0.032                 ・・・(E)
PSF≧0.98                    ・・・(F)
ここで、透過率は、全透過の場合を1とする比率として求められる。
なお、条件式(A)の成立により、投影光学系による転写パターンの幅や形状を所望の値に十分な精度で制御できる。また、条件式(B)の成立により、転写パターンの幅や形状が像位置によらず保たれる。また、条件式(C)の成立により、像高による転写パターンの幅の差は抑えられる。また、条件式(D)の成立により、デフォーカスによる転写パターンの形状変化が抑えられる。また、条件式(E)の成立により、パターンの配置方向による転写パターンの幅の変化が抑えられる。また、条件式(F)の成立により、点像強度分布の劣化が抑えられるような、コート割り付けの設計解を得ることが可能となる。
ここで、さらに好ましい条件として、下記の条件式(A’)〜(E’)により示される条件が挙げられる。
t0≦0.02                    ・・・(A’)
Δt≦0.016                   ・・・(B’)
Δtrot≦0.010                ・・・(C’)
Δtodd≦0.012                ・・・(D’)
Δtevn≦0.016                ・・・(E’)
ここで、透過率は、全透過の場合を1とする比率として求められる。
(ステップS110)
ステップS110では、ステップS100で生成された基礎レンズデータのうち、各レンズの屈折率、厚み、外径に基づいて、レンズ材料の製造、すなわち所定の直径、厚み及び外径となるガラスブロックが製造される。
(ステップS111)
ステップS111では、ステップS110で製造されたガラスブロックに関して、屈折率分布、透過率分布などの検査が行われる。ここで、これらの検査結果は、それぞれ屈折率分布データ、透過率分布データとして保存される。
ステップS111においてガラスブロックが所要のスペック内であった場合には、ステップ121へ移行し、そうでない場合には、ガラスブロックは返品される。
(ステップS121)
ステップS121では、ガラスブロックが切断された後、研削機により所望の球面又は平面に研削加工される。このとき、レンズ縁加工も行われる。次に、砂かけ機によりラッピング(砂かけ)が行われる。
(ステップS122)
ステップS122では、レンズ面の研磨が行われる。この研磨は、レンズ面の曲率がステップS100で生成した基礎レンズデータ中の曲率と一致するように行われる。
(ステップS123)
ステップS123では、研磨されたレンズ面に反射防止コートが施される。このとき、どの面にどの薄膜を設けるかの決定は、ステップS202において求めたコート割り付けデータに従う。また、薄膜の層数、各層の厚さ、及び各層の材料の決定は、ステップS201において求められたコートデータに従う。
(ステップS124)
ステップS124では、研磨されたレンズ面が干渉計により計測され、レンズ面形状データが取得される。また、このとき、レンズ面間隔の測定も行われ、レンズ面間隔データが取得される。ここで、レンズ面形状データは、レンズ素子の透過波面収差により得られるものではなく、レンズ素子の表面の反射光によって形成される干渉縞に基づく波面収差により得られる。
(ステップS125)
ステップS125では、ステップS124で計測されたレンズ面形状データ及びレンズ面間隔データにより表されるレンズ素子の形状誤差が、所定の値以下に抑えられているか否かが判定される。ここで、所定の値を超える場合には、ステップ122へ移行し、再度レンズ面の研磨が行われる。一方、所定の値以下に抑えられている場合には、ステップS131へ移行する。
(ステップS131)
ステップS131では、バーチャル組立データが生成される。これは、ステップS111にて得られた各レンズの屈折率分布データ及び透過率分布データ、ステップS201,及びS202にて得られたコートデータ及びコート割り付けデータ、ステップS124にて得られたレンズ面形状データ及びレンズ面間隔データ、ステップS100にて生成された基礎レンズデータ中のレンズの空気間隔データ(レンズ素子間の間隔データ)、並びに要求スペック中の使用波長、波長幅、物体側作動距離、像側作動距離、投影倍率、像側開口数、イメージフィールド直径などに基づいて行われる。なお、バーチャル組み立てデータの形式は、基本的には基礎レンズデータと類似している。
(ステップS132)
ステップS132では、ステップS131にて得られたバーチャル組立データに基づいて結像シミュレーションが行われ、波面収差Wが取得される。そして、バーチャル組立が成された投影光学系の射出瞳面上に座標系が定められ、前記波面収差Wがその座標系で表される。更に、その波面収差Wは、直交関数系に展開される。本実施形態では、この座標系として極座標が用いられ、直交関数系としてツェルニケの円筒関数系が用いられる。
すなわち、射出瞳面上に極座標(ρ,θ)が定められ、波面収差WはW(ρ,θ)と表される。ここで、ρは射出瞳面の半径を1に規格化した規格化瞳半径、θは射出瞳面の中心を原点とした極座標の動径角である。次に、波面収差W(ρ,θ)は、次式(9)のようにツェルニケ展開される。
W(ρ,θ)=ΣE(ρ,θ)           ・・・(9)
ここで、Eは、展開係数である。
このステップS132で出力される(取得される)のは、バーチャル組立された投影光学系の波面収差WのRMS値、ツェルニケ展開して得られる各項のRMS値、又は/及びそのツェルニケ展開して得られた複数の項をグループ化して得られる各項のRMS値であることが好ましい。
なお、グループ化する際、例えばツェルニケ展開して得られた複数の項を、以下の(a),(b)、(c)のように分類することができる。
(a)θを含まない項、すなわち原点(射出瞳面の中心)の周りに回転させても変化しない回転対称成分Wrot(ρ,θ),
(b)θの奇数倍の三角関数を含む項、すなわち原点の周りに360°の奇数分の1だけ回転させても変化しない奇数対称成分Wodd(ρ,θ),
(c)θの偶数倍の三角関数を含む項、すなわち原点の周りに360°の偶数分の1だけ回転させても変化しない偶数対称成分Wevn(ρ,θ)。
因みに、以上のような回転対称成分Wrot(ρ,θ),奇数対称成分Wodd(ρ,θ)、偶対称成分Wevn(ρ,θ)は、それぞれ式(10),(11),(12)で表される。
rot(ρ,θ)
=E+E(2ρ−1)+E(6ρ−6ρ+1)
+E16(20ρ−30ρ+12ρ−1)
+E25(70ρ−140ρ+90ρ−20ρ+1)+・・・
・・・(10)
odd(ρ,θ)
=E(ρcosθ)+E(ρsinθ)+E((3ρ−2)ρcosθ

+E((3ρ−2)ρsinθ)+E10(ρcos3θ)
+E11(ρsin3θ)+・・・
・・・(11)
evn(ρ,θ)
=E(ρcos2θ)+E(ρsin2θ)
+E12((4ρ−3)ρcos2θ)
+E13((4ρ−3)ρsin2θ)+E17(ρcos4θ)
+E18(ρsin4θ)+・・・
・・・(12)
なお、ツェルニケ展開の展開次数は、36に限らず、16などの他の値でもよく、又、36以上であってもよい。
(ステップS133)
ステップS133では、ステップS132で算出された波面収差W、又は波面収差Wをツェルニケ展開して得られる項の各RMS値が、所定の規格値に納まっているか否かが判定される。
なお、所定の規格値は、ツェルニケ展開して得られる各項のRMS値、又は/及びそのツェルニケ展開して得られた複数の項をグループ化して得られる各項のRMS値を、判定するのに適したものに、予め設定されているとする。
ステップS133において、所定の規格値に納まっていないとの判定が得られた場合には、ステップ134へ移行し、所定の規格値に納まっているとの判定が得られた場合には、ステップS140へ移行してレンズ素子が完成する。
(ステップS134)
ステップS134では、ステップS131で得られたバーチャル組立データを初期データとし、波面収差(或いは、ツェルニケ展開して得られる各項のRMS値、又は/及びそのツェルニケ展開して得られた複数の項をグループ化して得られる各項のRMS値)が所定の規格値となるように、レンズ面形状及びレンズ面間隔を変数として最適化が行われる。そして最適化されたレンズ面形状及びレンズ面間隔が、バーチャル組立データへ投入される。
その後、ステップS122へ移行して、レンズの面形状が最適化されたレンズ面形状となるようにレンズ研磨(修正研磨)が行われ、ステップS123〜S125が実行された後、再びステップS131〜ステップS133が実行される。
(ステップS300)
ステップS300では、ステップS100において生成された基礎レンズデータに基づいて、複数のレンズ素子をホールドするためのレンズ室、及びレンズ室を保持する鏡筒の設計が行われる。
(ステップS301)
ステップS301では、レンズ室の設計データに従って金物ブランクが手配される。
(ステップS302)
ステップS302では、ステップS301で得られた金物ブランクが加工され、レンズ室が製造され、ステップS303へ移行してレンズ室が完成する。
(ステップS311)
ステップS311では、鏡筒の設計データに従って金物ブランクが手配される。
(ステップS312)
ステップS312では、ステップS311で得られた金物ブランクが加工され、鏡筒が製造され、ステップS313へ移行して鏡筒が完成する。
なお、本実施形態では、鏡筒中に複数のレンズ室が設けられた鏡筒構造の場合を説明したが、鏡筒無しで複数のレンズ室のみを組み上げる場合には、ステップS311〜S313は省略される。
(ステップS401)
ステップS401では、ステップS140で形成されたレンズ素子が、ステップS303で得られたレンズ室に組み込まれる。このとき、レンズ素子の光軸がレンズ室に対して所望の関係となるように玉押しが行われる。
(ステップS402)
ステップS402では、ステップS401で得られたレンズ室が鏡筒に組み込まれ、ステップS411へ移行する。
(ステップS411)
ステップS411では、以上のようにして組み上げられた投影光学系の空間像が計測される。
(ステップS412)
ステップS412では、ステップS411の計測結果が判定され、その計測結果が波面収差測定装置(後述のステップS421における)の測定範囲内に納まるときには、ステップS421へ移行する。そうでない場合には、ステップS413へ移行する。
(ステップS413)
ステップS413では、投影光学系を構成する各レンズ素子の光軸方向の間隔、光軸に対する傾き、光軸直交面内の位置が調整され、それによって、投影光学系の収差が補正される。
なお、上述のステップS411〜S413では、空間像計測を行い投影光学系が粗調整されたが、その代わりに、焼き付けたレジスト像を計測し、その計測結果に応じて投影光学系を粗調整することとしてもよい。
(ステップS421)
ステップS421では、組み上げられた投影光学系の波面収差が、例えば特開平10−38757号公報や特開平10−38758号公報に開示される波面収差測定装置により測定される。
(ステップS422)
ステップS422では、ステップS421にて測定された波面収差が上述のステップS132と同様にツェルニケ展開され、それによって得られる各項のRMS値が算出される。ここで、各項のRMSを算出する代わりに、或いはそれに加えて、ステップS132と同様に、ツェルニケ展開して得られた複数の項をグループ化して得られる各項のRMS値が算出されてもよい。なお、本ステップS422においても、ツェルニケ展開の次数は、16,36などでもよく、又36以上であってもよい。
(ステップS423)
ステップS423では、ステップS422で算出された各RMS値が所定の規格値以下であるか否かが判断される。
このとき、ツェルニケ展開された複数の項のうち高次成分(n=10以上の項)のRMS値が所定の規格値以下であり、低次成分(n=1〜9)のRMS値が所定の規格値を超える場合には、ステップS421へ以降する。そして、投影光学系を構成する各レンズ素子の光軸方向の間隔、光軸に対する傾き、光軸直交面内の位置を調整することにより、波面収差が良好に補正される。
また、ツェルニケ展開された複数の項のうち高次成分(n=10以上の項)のRMS値が所定の規格値を超える場合には、投影光学系を構成する各レンズ素子の光軸方向の間隔、光軸に対する傾き、光軸直交面内の位置を調整することだけでは、波面収差を補正できないため、ステップS122へ移行する。
そして、ツェルニケ展開されて得られる複数の項全てのRMS値が所定の規格値以下である場合には、ステップS440へ移行し、投影光学系が完成する。
(ステップS431)
ステップS431では、ステップS422で算出された低次成分(n=1〜9)のRMS値に基づいて、各レンズ素子の光軸方向の間隔、光軸に対する傾き、光軸直交面内の位置が調整され、ステップS421へ移行する。
以上の本実施形態によれば、ステップS202におけるコート割り付けが、第1実施形態による評価に基づいて行われるので、薄膜の影響が良好に除去される。さらに、本実施形態では、各評価指標が、条件式(A)〜(D)を満足するので、投影光学系による転写パターンの幅や形状を所望の値に十分な精度で制御でき、転写パターンの幅や形状が像位置によらず保たれ、像高による転写パターンの幅の差は抑えられ、デフォーカスによる転写パターンの形状変化が抑えられ、パターンの配置方向による転写パターンの幅の変化が抑えられ、点像強度分布の劣化が抑えられる。なお、条件式(A’)〜(B’)を満足する場合には、結像性能が更に高くなる。
[第3実施形態]
次に、図6を参照して本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、上記第1実施形態を、結像光学系のレンズ設計(レンズ修正)に適用した例(例1〜例4)を示す。
図6は、第3実施形態の例1〜例4のレンズ設計(レンズ修正)における、修正ターゲット、評価指標、最適化パラメータを示す表である。
<例1>
修正ターゲットとして設計データ、又は設計者が所望する波面収差W(t)が選択される。そして、第1実施形態を適用してレンズデータにコートデータを加えた上での偏光追跡により波面収差WA(第1実施形態の平均位相飛び分布WAiに相当する。)が計算される。また、本実施形態では、その計算が行われつつ、その波面収差WAを修正ターゲットW(t)に近づけるべく最適化が行われる。
最適化のパラメータとしては、レンズパラメータ、すなわちレンズの曲率(曲率半径)、レンズ面間隔(レンズ間隔、中心厚)、屈折率(材料)、非球面係数(回転対称、非回転対称共)、並びに薄膜の設計解(コートデータ)の種類、薄膜の層数、各層の厚さ、各層の材料(屈折率)、薄膜の膜斑(回転対称、非回転対称共)が選択されるとする。
<例2>
予め、第1実施形態を適用してレンズデータにコートデータを加えた上での偏光追跡により波面収差WA(第1実施形態の平均位相飛び分布WAiに相当する。)が求められる。
一方、予め、レンズデータのみでの光線追跡により、コートデータを含まないレンズデータ単独で発生する波面収差WALが求められる。
そして、波面収差WAから波面収差WALを差し引くことにより、薄膜単独で発生する波面収差WACを求めておく。
なお、最適化時にこの波面収差WACについては定数とみなすので、以下「WACconst」と表記する。
次に、修正ターゲットとして設計データ、又は設計者が所望する波面収差W(t)が選択される。
そして、レンズデータ単独で発生する波面収差WALが計算される。ここでは、その計算された波面収差WALと先に求められた波面収差WACconstとの和が、擬似的に、コートデータ及びレンズデータの双方により発生する全体の波面収差とみなされる。そして、その計算が行われつつ、その和を修正ターゲットW(t)に近づけるべく、最適化が行われる。
最適化のパラメータとしては、最適化の光線追跡をスカラー的とする場合には、レンズパラメータが選択される。
最適化の光線追跡を偏光追跡とする場合には、各面毎に導入されるコートパラメータに対する波面収差の変化量を示すデータを用意した上で、最適化パラメータとしてコートパラメータを選択すればよい。
<例3>
予め、第1実施形態を適用しレンズデータにコートデータを加えた上での偏光追跡により、波面収差WA(第1実施形態の平均位相飛び分布WAiに相当する。)が求められる。
一方、予め、レンズデータのみでの光線追跡により、コートデータを含まないレンズデータ単独で発生する波面収差WALが求められる。
なお、最適化時にこれらの波面収差WA,WALについては何れも定数とみなすので、それぞれ「WACconst」,「WALconst」と表記する。
次に、修正ターゲットとして設計データ、又は設計者が所望する波面収差W(t)が選択される。そして、レンズデータ単独で発生する波面収差WALが計算される。ここでは、その計算された波面収差WALに、先に求められた波面収差WACconstとWALconstとの差を加算したものが、擬似的に、コートデータ及びレンズデータの双方により発生する全体の波面収差とみなされる。そして、その計算が行われつつ、その加算したものを修正ターゲットW(t)に近づけるべく、最適化が行われる。
最適化のパラメータとしては、最適化の光線追跡をスカラー的とする場合には、レンズパラメータが選択される。
最適化の光線追跡を偏光追跡とする場合には、各面毎に導入されるコートパラメータに対する波面収差の変化量を示すデータを用意した上で、最適化パラメータとしてコートパラメータを選択すればよい。
<例4>
予め、第1実施形態を適用しレンズデータにコートデータを加えた上での偏光追跡により、波面収差WA(第1実施形態の平均位相飛び分布WAiに相当する。)が求められる。なお、最適化時にこの波面収差WAについては定数とみなすので「WAconst」と表記する。
次に、その波面収差WAconstを修正ターゲットとして、レンズデータ単独で発生する波面収差WALが計算されつつ、計算した波面収差WALを修正ターゲットWAconstに近づけるべく最適化が行われる。
但し、この例では、得られた修正量の符号を反転させたものを、実際にレンズデータを最適化する際の修正量に設定する。
最適化のパラメータとしては、最適化の光線追跡をスカラー的とする場合には、レンズパラメータが選択される。
最適化の光線追跡を偏光追跡とする場合には、各面毎に導入されるコートパラメータに対する波面収差の変化量を示すデータを用意した上で、最適化パラメータとしてコートパラメータを選択すればよい。
以上説明した本実施形態の各例は、何れも第1実施形態を利用することによって、レンズ設計(レンズ修正)が行われる。すなわち、レンズ設計(レンズ修正)は、薄膜が与える影響を正確に反映した評価に基づいて行われる。
したがって、薄膜の影響が良好に除去され、またその結果、良好な結像性能の結像光学系を得ることが可能となる。
また、各例では、最適化に当たり、光線追跡(又は偏光追跡)が行われたが、「各最適化パラメータに対する、修正ターゲットに近づけるべき評価量の変化率」が既知である(予め求められる)場合には、その最適化パラメータの変動量が微小量であれば、次の関係が近似的に成り立つ。
評価量’=評価量+変化率×最適化パラメータ変動量
したがって、光線追跡(又は偏光追跡)を行うことなく、光学系の最適化をすることが可能となる。
この場合、光線追跡(又は偏光追跡)に費やす計算時間が短縮されるので、最適化計算の効率が非常によくなる(評価量’は、最適化パラメータ変動後の評価量である。)。
なお、本実施形態の各例は、何れも結像光学系の結像性能を示す評価指標として波面収差を導入しているが、波面収差の代わりに、或いはそれに加えて、複素振幅透過率(第1実施形態における瞳透過率分布Tiに相当する)を導入してもよい。言うまでもないが、波面収差と複素振幅透過率の双方を導入した場合の方が、さらに良好な結像性能が得られる。
[第4実施形態]
以下、図7を参照して本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態は、結像光学系(例えば、投影光学系PL)中の各光学部材がリターデーションを有している場合に、当該結像光学系の結像性能を位相飛びに基づく評価指標により評価するものである。
ここで、光学部材がリターデーションを持つとは、当該光学部材を通過する光束における所定の第1方向に振動する偏光成分と、当該第1方向と直交する第2方向に振動する偏光成分とが位相差(位相飛びの差)を有することに対応する。
このような光学部材のリターデーションの発生原因としては、光学部材が結晶材料である場合、結晶材料が1軸性や2軸性結晶材料のときには結晶材料にて発生する常光・異常光分離による位相差の発生(含む光線分離)である。また、結晶材料が例えばフッ化カルシウム等の等軸晶系のときには、結晶材料の空間分散などが挙げられる。
また、結晶材料、非結晶材料問わず、リターデーションの発生原因には、光学部材の内部応力歪みや外部応力歪みに起因するもの、照射による熱応力歪みに起因するもの、上述の実施形態のような薄膜に起因するもの等が挙げられる。
なお、結晶材料に空間分散が存在する場合、結晶材料中を伝搬する光の結晶軸に対する伝搬方向によって、その位相が全体として遅れる/進む現象が生じ、その結果、結晶軸に対する方向に応じた複屈折分布を有するようになる。
この結晶材料の空間分散に関しては、例えばSpringer−Verlag出版、Agranovich,Vladimir Moiseevich著の”Crysral optics with spatial dispersion,and excitons”(1984年刊行)に詳しい。
図7は、第4実施形態にかかる、結像光学系の位相飛びに基づく評価指標を取得する手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態における手順についても、コンピュータによって実行される。
(ステップS41)
ステップS41では、コンピュータに投影光学系の設計パラメータが入力される。
本実施形態において、設計パラメータとしては、投影光学系を構成する光学部材(レンズ、反射面等)の面形状、面間隔、偏芯量、光軸に対する傾き、光軸を中心とした方位角、屈折率、複屈折率分布(及び/又はリターデーション分布)、反射率、透過率、透過率分布、有効径、公差等や、これらの光学部材の表面に形成される薄膜の構造、すなわち薄膜の層数、各層の厚さ、各層の材料(必要であれば各層の吸収計数)などを用いることができる。
(ステップS42)
次に、コンピュータは、投影光学系の入射瞳面において所定の第1方向に振動する第1の偏光成分となる光線に関して光線追跡を行い、当該投影光学系の射出瞳面上で第1の偏光成分(第1−1成分)となる光線と、当該射出瞳面上で、第1の偏光成分と直交する第2の偏光成分(第1−2成分)となる光線との算出を行う。
なお、本実施形態において、第1及び第2の偏光成分としては、例えば投影光学系の入射瞳(射出瞳)面内において所定のX方向に振動するX偏光成分と、上記面内においてX方向と直交するY方向に振動するY偏光成分とを用いることができる。
また、第1及び第2の偏光成分としては、上記入射瞳(射出瞳)面内において光軸を含む方向(放射方向R)に振動するR偏光成分と、当該R偏光成分と直交した振動方向を持つθ偏光成分(タンジェンシャル方向θに振動方向を有する偏光成分)とを用いても良い。また、第1及び第2の偏向成分としては、上記入射瞳(射出瞳)面内における右円偏光及び左円偏光を用いても良い。なお、上記XY偏光成分、Rθ偏光成分及び左右円偏光のうち、少なくとも2組(つまり4つ以上の偏光成分)を用いても良い。
(ステップS43)
ステップS43では、コンピュータは、投影光学系の入射瞳面において所定の第2方向に振動する第2の偏光成分となる光線に関して光線追跡を行い、当該投影光学系の射出瞳面上で第2の偏光成分(第2−2成分)となる光線と、当該射出瞳面上で、第1の偏光成分(第2−1成分)となる光線との算出を行う。
なお、本実施形態では、便宜上ステップS42の後にステップS43が実行されるものとして説明したが、これらステップS42及びステップS43の順は逆でも構わない。
(ステップS44)
ステップS44では、第1−1成分及び第2−2成分の偏光に関して、第1実施形態のステップS32と同様に、任意の評価対象像点Xiに入射する結像光束の第1方向位相飛び分布及び第2方向位相飛び分布と、中心像高X0に入射する結像光束の第1方向位相飛び分布及び第2方向位相飛び分布とが算出される。
(ステップS45)
ステップS45では、コンピュータは、第1−1成分及び第2−2成分の偏光に関して、第1実施形態のステップS33と同様に、評価対象像点Xiと中心像高X0との平均位相分布を算出する。
(ステップS46)
ステップS46では、コンピュータは、第1−1成分及び第2−2成分の偏光に関して、第1実施形態のステップS34と同様に、中心像高X0のリターデーション分布を求め、そのRMS値も求める。
(ステップS47)
ステップS47では、コンピュータは、第1−1成分及び第2−2成分の偏光に関して、第1実施形態のステップS35と同様に、中心像高X0を基準とした評価対象像点Xiの平均位相飛び分布(像高による差異)を求め、そのRMS値も求める。
(ステップS48)
ステップS48では、コンピュータは、第1−1成分及び第2−2成分の偏光に関して、第1実施形態のステップS36と同様に、PSF値を求める。
(ステップS49)
ステップS49では、コンピュータは、評価対象像点Xiに入射する結像光束の第1−2成分及び第2−1成分に関して、射出瞳面PS上における強度分布(又は振幅分布)を算出する。
ここで、第1−2成分及び第2−1成分の射出瞳PS上における強度分布を射出瞳面PSの極座標(ρ,θ)で表したものを、評価対象像点Xiに入射する結像光束の偏光変換分布P1−2i(ρ,θ)及びP2−1i(ρ,θ)とおく。
同様に、中心像高X0に入射する結像光束の第1−2成分及び第2−1成分に関して、射出瞳面PS上における強度分布(又は振幅分布)を算出する。
ここで、第1−2成分及び第2−1成分の射出瞳PS上における強度分布を射出瞳面PSの極座標(ρ,θ)で表したものを、中心像高X0に入射する結像光束の偏光変換分布P1−20(ρ,θ)及びP2−10(ρ,θ)とおく。
コンピュータは、これらの偏光変換分布P1−2i(ρ,θ)、P2−1i(ρ,θ)P1−20(ρ,θ)及びP2−10(ρ,θ)を、評価指標として求める。
なお、第1−1成分及び第2−2成分の射出瞳面PS上における強度分布(又は振幅分布)を算出し、この第1−1成分及び第2−2成分の強度の最大値に対する、偏光変換分布P1−2i(ρ,θ)、P2−1i(ρ,θ)P1−20(ρ,θ)及びP2−10(ρ,θ)の最大値を、評価指標としても良い。
また、これらの偏光変換分布P1−2i(ρ,θ)、P2−1i(ρ,θ)P1−20(ρ,θ)及びP2−10(ρ,θ)をツェルニケ展開してできる各項のRMS値、又は/及びそのツェルニケ展開して得られた複数の項をグループ化して得られる各項のRMS値を、評価指標としても良い。
<各評価指標について>
本実施形態において、前述の第1実施形態と異なる評価指標は、ステップS49にて求められる評価指標P1−2i(ρ,θ)、P2−1i(ρ,θ)P1−20(ρ,θ)及びP2−10(ρ,θ)であるため、以下においては、この評価指標についてのみ説明する。
「P1−2i(ρ,θ)、P2−1i(ρ,θ)」は、任意の評価対象像点Xiに達する結像光束のうち、入射する偏光に対して直交する偏光方向に変換された成分の強度分布を表す。
また、「P1−20(ρ,θ)、P2−10(ρ,θ)」は、中心像高X0に達する結像光束のうち、入射する偏光に対して直交する偏光方向に変換された成分の強度分布を表す。
このような偏光変換が生じると、フォトリソグラフィではパターンの転写に際して、パターン転写精度の線幅依存性やピッチ依存性が生じる恐れがあるため好ましくない。
ここで、結像光束の第1−2成分及び第2−1成分の強度が、結像光束の第1−1成分及び第2−2成分の強度の1/100以下であることが好ましい。
この場合には、パターン転写精度の線幅依存性やピッチ依存性を防ぐことが可能となり、パターンを高精度に転写できる。
[第5実施形態]
以下、図8を参照して本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態は、上記第4実施形態を結像光学系(例えば、投影光学系PL)のレンズ設計に適用した例である。
図8は、本実施形態にかかる設計手順を概略的に示すフローチャートである。
図8に示すように、本実施形態は、設計パラメータの初期値を入力するステップS511、設計パラメータに基づいて、複数の偏光成分のもとでの投影光学系の光学性能を評価するステップS512、当該ステップS512で算出された光学性能が所定規格内であるか否かを判断するステップS513、及び当該ステップS513で所定規格内でない場合に設計パラメータを変更するステップS514を備えている。
なお、本実施形態のステップS511は、上述の第4実施形態におけるステップS41と同様であり、ステップS512は、第4実施形態におけるステップS42〜ステップS49と同様である。ここではその説明を省略する。
(ステップS513)
ステップS513では、コンピュータは、ステップS512で算出された結像性能(例えば平均位相分布、リターデーション分布、これらのRMS値、PSF値、偏光変換分布)に基づいて、算出された結像性能が所定の規格内であるか否かを判断する。ここで、規格内である場合には、設計データを出力して設計が完了する。また、算出された光学性能が所定の規格内でない場合には、ステップS514へ移行する。
(ステップS514)
ステップS14では、コンピュータは、投影光学系の設計パラメータの少なくとも一部を変更してステップS512へ移行する。本実施形態では、算出される光学性能が所定の規格内となるまで、このループを繰り返す。
なお、設計パラメータの変更を行う際に、次のようにしてもよい。
すなわち、最初は、投影光学系を構成する光学部材(レンズ、反射面等)の面形状、面間隔、偏芯量、光軸に対する傾き、屈折率、有効径、公差等といった非結晶材料からなる光学系が有するパラメータのみを変更して、投影光学系の結像性能のうちのスカラー成分の収差を補正する。その後、光学部材表面上の薄膜の構造や、光学部材の複屈折率分布、光学部材が結晶材料である場合にはその結晶軸方位等のパラメータを変更して、スカラー成分及び偏光成分の収差を補正する。
このように本実施形態によれば、結像光学系を構成する光学部材がリターデーションを有している場合であっても、そのスカラー成分及び偏光成分の双方の結像性能を最適化することが可能である。
[第6実施形態]
以下、図9を参照して本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態は、上記第5実施形態を、結像光学系、特にマイクロデバイスをフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される露光装置に好適な投影光学系の製造方法に適用した例である。
図9は、本実施形態にかかる投影光学系の製造方法の概略を示すフローチャートである。
図9に示すように、本実施形態の投影光学系の製造方法は、設計工程S51、結晶材料準備工程S52、結晶軸測定工程S53、第1屈折部材形成工程S54、非結晶材料準備工程S56、複屈折量測定工程S57、第2屈折部材形成工程S58、及び組上工程S55を有する。
設計工程S51は、上述の第5実施形態の設計手順であるステップS511〜S514を有する。
具体的には、光線追跡ソフト(コンピュータによる)を用いて投影光学系の設計を行う際に、複数の偏光成分の光線を用いて投影光学系の光線追跡を行い、それぞれの偏光成分のもとでの収差、好ましくは偏光成分毎の波面収差を算出する。そして複数の偏光成分毎の収差及び複数の偏光成分収差の合成のスカラー成分であるスカラー収差に関して投影光学系の評価を行いつつ、投影光学系を構成する複数の光学部材(屈折部材、反射部材、回折部材等々)のパラメータを最適化して、これらのパラメータからなる設計データを得る。
このパラメータとしては、光学部材の面形状、光学部材の面間隔、光学部材の屈折率等の従来のパラメータに加えて、光学部材が結晶材料である場合にはその結晶軸方位や空間分散、複屈折分布等が用いられ、光学部材が非結晶材料である場合にはその複屈折分布が用いられる。
なお、本実施形態では、非結晶材料からなる光学部材の複屈折分布がパラメータとして用いられるが、結晶材料からなる光学部材の結晶軸方向や方位角等のパラメータのみを用いて結像性能の最適化を図れる場合や、結像光学系を構成する光学部材が結晶材料のみである場合には、パラメータとして当該非結晶材料からなる光学部材の複屈折分布を使用しない。この場合、図9における非結晶材料準備工程S56、複屈折量測定工程S57、及び第2屈折部材形成工程S58は用いられない。
結晶材料準備工程S52では、投影光学系に使用される波長に対して光透過性を有する等軸晶系(結晶軸の単位長さが互いに等しく、それぞれの結晶軸の交点における各結晶軸がなす角度が全て90°である晶系)の結晶材料が準備される。
結晶軸測定工程S53では、結晶材料準備工程S52で準備された結晶材料の結晶軸の測定が行われる。
このとき適用できる手法は、例えばラウエ(Laue)測定を行い結晶軸の方位を直接的に測定する手法や、結晶材料の複屈折を測定し、既知の結晶軸方位と複屈折量との関係に基づいて、測定された複屈折から結晶軸方位を定める手法などである。
第1屈折部材形成工程S54では、結晶準備工程で準備された結晶材料の加工(研磨)が行われる。この加工は、屈折部材に、設計工程S51で得られたパラメータ(設計データ)が付与されるように行われる。
なお、本実施形態では、結晶軸測定工程S53と第1屈折部材形成工程S54との順番はどちらが先でも良い。
例えば、第1屈折部材形成工程S54を先に実施する場合には、屈折部材の形状に加工された結晶材料の結晶軸を測定すれば良く、結晶軸測定工程S53を先に実施する場合には、屈折部材形成後に測定された結晶軸がわかるように、屈折部材、或いは当該屈折部材を保持する保持部材に結晶軸方位の情報を持たせれば良い。
次に、非結晶材料準備工程S56について説明する。本実施形態では、非結晶材料として石英又はフッ素がドープされた石英(以下、改質石英と称する)を用いる。このような石英又は改質石英には、光学結晶とは異なり、理想的な状態では、複屈折性が発生しない。
しかしながら、石英又は改質石英では、不純物が混入した場合や高温で形成された石英を冷却する際に、温度分布が生じると、内部応力による複屈折性が現れる。
そこで、本実施形態では、インゴットに混入させる不純物の量や種類、または熱履歴を調整することにより、石英又は改質石英に所望の複屈折分布を発生させる。
ここで、本実施形態では、石英からなる屈折部材の複屈折分布が設計工程S51により算出された複屈折分布となるように、石英の合成時の合成条件と、アニール時の熱履歴条件とが調整される。
このとき、合成条件のパラメータとしては、バーナー構造、ガス流量、排気流量、ターゲットの揺動パターン等が挙げられる。なお、このような合成条件やアニール条件は、試行錯誤的に決定しても良いし、経験則的に決定してもよい。
次に、複屈折量測定工程S57について説明する。この複屈折量測定工程S57では、非結晶材料準備工程S56により得られた石英又は改質石英からなる非結晶材料の複屈折分布が測定される。なお、この複屈折量測定工程S57において、非結晶材料の屈折率分布も測定されることが好ましい。
第2屈折部材形成工程S58では、投影光学系を構成すべき各レンズが製造される。それらの材料には、複屈折量計測工程S57において複屈折分布や屈折率分布等が計測された非結晶材料(典型的にはディスク材)から必要に応じて研削された材料が用いられる。
すなわち、周知の研磨工程にしたがって、設計データ中の面形状、面間隔を目標として各レンズの表面が研磨加工される。これによって、所定形状のレンズ面を有する屈折部材が製造される。
この第2屈折部材形成工程S58においても、第1屈折部材形成工程S54と同様に、計測された面形状が所定の範囲内になるまで、各レンズの面形状の誤差を干渉計で計測しながらの研磨が繰り返される。これによって、各レンズの面形状は、目標面形状(ベストフィット球面形状)に近づけられる。
組上工程S55では、加工された屈折部材が、設計工程S51で得られた設計データに従って、投影光学系の鏡筒内に組み込まれる。このとき、等軸晶系の結晶材料からなる屈折部材の結晶軸を、設計工程S51で得られた設計データ中の結晶軸方位とするよう、位置決めが成される。
なお、この組上工程S55では、実際に組み上げられた投影光学系の偏光毎の結像性能を測定して、上述の第4実施形態に示した評価指標を用いて結像性能を評価しても良い。
以上の通り、第6実施形態に係る投影光学系の製造方法によれば、例えば、蛍石やフッ化バリウム等の等軸晶系の結晶材料に起因する複屈折の影響が、複数の偏光成分に関して評価される。そして、その評価が行われつつ、この等軸晶系の結晶材料からなる屈折部材の結晶軸の組み込み角度が、複屈折の影響(偏光収差)を極小とするよう定められる。さらに、結晶軸方位の最適化のみでは補正しきれない複屈折の影響(偏光収差)については、非結晶屈折部材により補償することが可能である。したがって、良好な光学性能を確保できる。
[第7実施形態]
以下、図10を参照して本発明の第7実施形態について説明する。
本実施形態は、第6実施形態に従って製造された投影光学系を備えた露光装置の実施形態である。
図10は、第7実施形態に係る露光装置を概略的に示す図である。
図10において、例えば波長193nmのパルス光を供給するArFエキシマレーザからなる光源40からのパルス光は、X方向に沿って進行し、光路折り曲げプリズム41によって偏向されて、DOEターレット42に設けられた回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)に入射する。このDOEターレット42には、互いに異なる種類の複数の回折光学素子が設けられている。
これらの回折光学素子は、入射する光束が、当該回折光学素子のファーフィールド(Far field)領域において所定の断面形状、例えば円形断面、輪帯状断面、多重極断面(基準光軸に対して偏心した複数の極)を有する光束となるように、その光束を変換するものである。
この回折光学素子からの発散光束は、集光レンズ群43により集光され、マイクロフライアイレンズ44の位置の近傍に、回折光学素子のファーフィールド領域を形成する。
ここで、マイクロフライアイレンズ44とは、2次元マトリックス状に配列された複数のレンズ面を1つ或いは複数の基板上に一体的に形成したものである。なお、マイクロフライアイレンズ44に代えて、2次元マトリックス状に集積された複数のレンズ素子を備えるフライアイレンズが用いられてもよい。
また、回折光学素子とマイクロフライアイレンズ44との間に配置される集光レンズ群は、次のようなズーム光学系や変倍光学系とすることが好ましい。
すなわち、レンズを光軸方向へ移動させることにより焦点距離を連続的変更することができるズーム光学系や、レンズを交換することにより焦点距離を不連続的に変更することができる多焦点距離光学系などの変倍光学系である。
さて、マイクロフライアイレンズ44の射出面側には、複数の光源像からなる2次光源(面光源)が形成される。なお、マイクロフライアイレンズ44(又はフライアイレンズ)の入射面の位置に、複数の光源の虚像が形成されてもよい。
この2次光源からの光は、コンデンサ光学系45により集光されて、可変視野絞り46を重畳的に照明する。
そして、可変視野絞り46からの光は、ブラインド結像光学系47a〜47cを介して、第1面上に配置された投影原板としてのレチクルRに達する。
このブラインド結像光学系47a〜47は、可変視野絞り46の開口部と第1面に配置された投影原板としてのレチクルRとを、ほぼ共役にする。
また、本実施形態においては、ブラインド結像光学系47a〜47c中に、2枚の光路折り曲げ鏡48a,48bが配置され、それら鏡48a,48bにより光路はほぼ180°偏向している。
このブラインド結像光学系47a〜47cからの光によれば、レチクルR上のパターン形成領域の一部には、例えばスリット状の照野が形成される。
この照野からの光は、上述の第6実施形態の製造方法により得られた投影光学系を介して、投影光学系の第2面に配置されたワークピース(感光性基板)としてのウエハWに達し、このウエハWにスリット状の照野内のパターンの像を形成する。
また、本実施形態では、レチクルRを第1面上に支持するレチクルステージRSと、ウエハWを第2面上に支持するウエハステージとが、Y方向に移動可能となっている。
投影光学系の倍率をβとするとき、当該倍率βの比でこれらのレチクルステージRSとウエハステージWSとを移動させつつ露光を行えば、ウエハWSの上、さらに言えば、スリット状の結像領域をY方向に掃引してできる領域(典型的には長方形状のショット領域内)に、レチクルRのパターン像が転写される。
1つのショット領域への走査露光が終了した後、ウエハステージWSが駆動され、次のショット領域への走査露光が行われる。これが繰り返されることで、ウエハWのほぼ全面に、複数のショット領域が形成される。
なお、本実施形態では、第6実施形態の製造方法により製造された投影光学系を走査露光装置に適用した例を示したが、第6実施形態の製造方法により製造された投影光学系は、一括露光型の投影露光装置にも適用できる。
また、本実施形態の投影露光装置においては、光源40からの光に基づいてレチクルRを照明する照明光学系41〜47cの少なくとも一部、特に光エネルギーが高くなる部位には、等軸晶系の結晶材料(例えば蛍石)からなる光学部材を用いている。
このような照明光学系は、それに要求される光学性能が投影光学系に比して低いため、本実施形態では、その照明光学系における複屈折率の影響(偏光収差)の低減(これは、その照明光学系中の等軸晶系の結晶材料の結晶軸方位を最適化することにより実現される。)は、特に行われていない。
但し、照明光学系に要求される光学性能が高い場合には、上述の第6実施形態と同様に、等軸晶系の結晶材料の結晶軸方位の最適化が行われたり、非結晶材料からなる光学部材により、等軸晶系の結晶材料に起因する複屈折の影響(偏光収差)が補正されたりしても良い。
また、本実施形態では、光源40として、波長193nmのパルス光を供給するArFエキシマレーザを適用したが、光源40としては、例えば波長157nmのパルス光を供給するFレーザ、波長147nmの光を供給するKrレーザ、波長126nmの光を供給するArレーザを適用することもできる。
例えば、光源40として波長157nmのパルス光を供給するFレーザが適用された際には、照明光学系41〜47c中の光透過部材として、蛍石やフッ化バリウム等の等軸晶系の結晶材料や、フッ素がドープされた石英(改質石英)を用いることができる。
特に、上記マイクロフライアイレンズ44の光学材料としては、加工の容易さと硝路長の短さとを鑑みて、改質石英とすることが好ましい。
以上の通り本実施形態によれば、例えば蛍石のような固有複屈折を示す結晶材料が用いられたとしても、複屈折の影響を実質的に受けることなく良好な光学性能を確保することが可能である。
[その他の実施形態]
なお、本発明の結像性能の評価方法は、投影光学系の調整方法に適用することもできる。例えば、特開2000−47103に開示された投影光学系の調整方法において、測定波面Wの代わりに、上記WAを使用する。
また、本発明の結像性能の評価方法は、特願2000−234747(出願日平成12年8月2日)に開示された装置設計製作システムに適用することもできる。
なお、このシステムは、投影レンズの設計を行う設計セクションと、ガラス材料を製造する材料製造セクションと、レンズ部品を加工製作する部品加工製作セクションと、投影レンズを組み立てる装置組立セクションとから構成される。材料製造セクションには、材料検査装置及び材料検査データベースサーバが設けられ、部品加工製作セクションには、レンズ部品検査装置及び部品検査データベースサーバが設けられる。設計セクションにおいては、各データベースサーバに記憶された検査データに基づいて投影レンズの組立設計データが再設計される。装置組立セクションは、再設計された組立設計データに基づいて投影レンズの組立を行うものである。この設計セクションにおける設計に、本発明の評価方法を適用すればよい。
また、以上の実施形態では、露光装置に適用される投影光学系を評価対象としたが、本発明は、露光装置に適用される位置合わせ装置におけるアライメント精度を向上させるために、当該位置合わせ装置に用いられる観察光学系を評価対象としても良い。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、薄膜による影響を正確に反映させた結像性能の評価方法を実施することができる。
また、この評価方法を薄膜の設計や結像光学系の設計に適用することにより、薄膜の影響を良好に除去することができ、また、その結果、良好な結像性能を有した結像光学系を得ることができる。
また、本発明によれば、例えば蛍石のような固有複屈折を示す結晶材料を用いても、複屈折の影響を正確に反映させた結像性能の評価方法を実施することができる。
また、この評価方法を結像光学系の設計に適用することにより、複屈折の影響をを良好に除去することのでき、その結果良好な結像性能を有する結像光学系を得ることができる。
そして、このような結像光学系を投影露光に用いることにより、優れた結像性能のもとでパターン転写を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1実施形態において透過率に基づく各評価指標を取得する手順を示すフローチャートである。
図2は、第1実施形態において透過率に基づく各評価指標を取得する手順を説明する図である。
図3は、第1実施形態において位相飛びに基づく各評価指標を取得する手順を示すフローチャートである。
図4は、一点照明による三光束干渉を示す図である。
図5は、第2実施形態の手順を示すフローチャートである。
図6は、第3実施形態の例1〜例4のレンズ設計(レンズ修正)における、修正ターゲット、評価指標、最適化パラメータを示す表である。
図7は、第4実施形態にかかる結像光学系の位相飛びに基づく評価指標を取得する手順を示すフローチャートである。
図8は、第5実施形態にかかる設計手順を概略的に示すフローチャートである。
図9は、第6実施形態にかかる投影光学系の製造方法の概略を示すフローチャートである。
図10は、第7実施形態にかかる露光装置を概略的に示す図である。

Claims (44)

  1. 結像光学系の結像性能を評価する結像性能の評価方法において、
    前記結像光学系の評価対象像点に入射する結像光束の瞳透過率分布を取得し、
    前記取得した瞳透過率分布から、その瞳透過率分布の回転対称成分、奇数対称成分、偶数対称成分の少なくとも何れか1成分を、評価指標として抽出することを特徴とする結像性能の評価方法。
  2. 請求の範囲第1項に記載の結像性能の評価方法において、
    瞳透過率分布の取得を、前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束についても行い、
    前記評価対象像点について取得した瞳透過率分布を、前記中心像高について取得した瞳透過率分布からの偏差で表すことにより、前記評価指標を、中心像高を基準としたものに設定することを特徴とする結像性能の評価方法。
  3. 請求の範囲第1項又は第2項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記評価を、互いに異なる像高の複数の評価対象像点についてそれぞれ行うことを特徴とする結像性能の評価方法。
  4. 請求の範囲第1項乃至第3項の何れか一項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記評価指標の抽出に、ツェルニケ関数を適用することを特徴とする結像性能の評価方法。
  5. 結像光学系の結像性能を評価する結像性能の評価方法において、
    前記結像光学系の評価対象像点に入射する結像光束の射出瞳面における第1の偏光方向の位相飛び分布と、前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の位相飛び分布とを取得し、
    前記取得した第1の偏光方向の位相飛び分布と前記第2の偏光方向の位相飛び分布との和からなる平均位相飛び分布を、評価指標として取得することを特徴とする結像性能の評価方法。
  6. 請求の範囲第5項に記載の結像性能の評価方法において、
    平均位相飛び分布の取得を、前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束についても行い、
    前記評価対象像点について取得した平均位相飛び分布を、前記中心像高について取得した平均位相飛び分布からの偏差で表すことにより、前記評価指標を、中心像高を基準としたものに設定することを特徴とする結像性能の評価方法。
  7. 請求の範囲第5項又は第6項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記評価を、互いに異なる像高の複数の評価対象像点についてそれぞれ行うことを特徴とする結像性能の評価方法。
  8. 請求の範囲第5項乃至第7項の何れか一項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記取得した評価指標にツェルニケ関数を適用することにより、前記結像光学系の波面収差を評価することを特徴とする結像性能の評価方法。
  9. 結像光学系の結像性能を評価する結像性能の評価方法において、
    前記結像光学系の評価対象像点に入射する結像光束の射出瞳面における第1の偏光方向の位相飛び分布と、前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の位相飛び分布とを取得し、
    前記取得した第1の偏光方向の位相飛び分布と前記第2の偏光方向の位相飛び分布との差からなるリターデーション分布を、評価指標として取得することを特徴とする結像性能の評価方法。
  10. 請求の範囲第9項に記載の結像性能の評価方法において、
    リターデーション分布の取得を、前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束についても行い、
    前記評価対象像点について取得したリターデーション分布を、前記中心像高について取得したリターデーション分布からの偏差で表すことにより、前記評価指標を、中心像高を基準としたものに設定することを特徴とする結像性能の評価方法。
  11. 請求の範囲第9項又は第10項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記評価を、互いに異なる像高の複数の評価対象像点についてそれぞれ行うことを特徴とする結像性能の評価方法。
  12. 請求の範囲第9項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記評価対象像点は、前記結像光学系の中心像高であり、
    前記リターデーション分布のRMS値と、そのリターデーション分布の射出瞳面内平均値とを、評価指標として取得することを特徴とする結像性能の評価方法。
  13. 請求の範囲第1項乃至第12項の何れか一項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記結像光学系は、薄膜が表面に形成された光学部材を有することを特徴とする結像性能の評価方法。
  14. 薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系の結像性能を、請求の範囲第13項に記載の結像性能の評価方法により評価し、
    前記評価に基づいて、前記結像光学系に形成すべき薄膜を設計することを特徴とする薄膜の設計方法。
  15. 薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系の結像性能を、その薄膜が理想的な薄膜であるとした条件下で評価し、
    前記結像光学系の結像性能を、請求の範囲第13項に記載の結像性能の評価方法により評価し、
    前記2つの評価に基づいて、前記結像光学系を設計することを特徴とする結像光学系の設計方法。
  16. 請求の範囲第14項に記載の薄膜の設計方法により設計された薄膜を有したことを特徴とする結像光学系。
  17. 請求の範囲第15項に記載の結像光学系の設計方法により設計されたことを特徴とする結像光学系。
  18. 請求の範囲第1項乃至第13項の何れか一項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記結像光学系は、リターデーションを持つ光学部材を有することを特徴とする結像性能の評価方法。
  19. リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系の結像性能を、請求の範囲第18項に記載の結像性能の評価方法により評価し、
    前記評価に基づいて、前記結像光学系を設計することを特徴とする結像光学系の設計方法。
  20. 請求の範囲第19項に記載の結像光学系の設計方法により設計されたことを特徴とする結像光学系。
  21. 薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系において、
    前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布のRMS値をtとするとき、
    ≦0.04
    を満足することを特徴とする結像光学系。
    ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
  22. 請求の範囲第21項に記載の結像光学系において、
    前記結像光学系の所定の像高に入射する結像光束の瞳透過率分布と前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布との差分のRMS値をΔtとするとき、
    Δt≦0.032
    を満足することを特徴とする結像光学系。
    ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
  23. 請求の範囲第22項に記載の結像光学系において、
    前記結像光学系の所定の像高に入射する結像光束の瞳透過率分布と前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布との差分から抽出された回転対称成分のRMS値をΔtrotとするとき、
    Δtrot≦0.02
    を満足することを特徴とする結像光学系。
    ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
  24. 請求の範囲第22項又は第23項に記載の結像光学系において、
    前記結像光学系の所定の像高に入射する結像光束の瞳透過率分布と前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布との差分から抽出された奇数対称成分のRMS値をΔtoddとするとき、
    Δtodd≦0.024
    を満足することを特徴とする結像光学系。
    ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
  25. 請求の範囲第22項乃至第24項の何れか一項に記載の結像光学系において、
    前記結像光学系の所定の像高に入射する結像光束の瞳透過率分布と前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の瞳透過率分布との差分から抽出された偶数対称成分のRMS値をΔtevnとするとき、
    Δtevn≦0.032
    を満足することを特徴とする結像光学系。
    ここで、透過率とは、全透過の場合を1とする比率である。
  26. 薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系において、
    前記結像光学系の中心像高に入射する結像光束の射出瞳面における第1の偏光方向の位相飛び分布と、前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の位相飛び分布との差からなるリターデーション分布のRMS値をδw0とし、そのリターデーション分布の射出瞳面内平均値をA[δW0]とするとき、
    1−(4π・δw0+2π・A[δW0])/2≧0.98
    を満足することを特徴とする結像光学系。
  27. リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系の結像性能を評価する結像性能の評価方法において、
    前記結像光学系の入射瞳面内に第1の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の第1の偏光方向の成分である第1−1成分を取得し、
    前記結像光学系の入射瞳面内に前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の第2の偏光方向の成分である第2−2成分を取得し、
    前記結像光学系の入射瞳面内に前記第1の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の前記第2の偏光方向の成分である第1−2成分を取得し、
    前記結像光学系の入射瞳面内に前記第2の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の前記第1の偏光方向の成分である第2−1成分を取得し、
    前記光束の前記第1−2成分の振幅分布又は強度分布と、前記光束の前記第2−1成分の振幅分布又は強度分布とを、評価指標として取得することを特徴とする結像性能の評価方法。
  28. 請求の範囲第27項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記光束の前記第1−1成分と前記光束の前記第2−2成分とに関して請求の範囲第5項乃至第12項に記載の評価方法で評価することを特徴とする結像性能の評価方法。
  29. 請求の範囲第27項又は第28項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記評価指標の抽出に、ツェルニケ関数を適用することを特徴とする結像性能の評価方法。
  30. 請求の範囲第27項乃至第29項の何れか一項に記載の結像性能の評価方法において、
    前記結像光学系は、薄膜が表面に形成された光学部材を有し、前記第1−1成分及び前記第2−2成分の取得に際して前記薄膜も考慮することを特徴とする結像性能の評価方法。
  31. リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系の結像性能を、請求の範囲第27項乃至第30項の何れか一項に記載の結像性能の評価方法により評価し、
    前記評価に基づいて、前記結像光学系を設計することを特徴とする結像光学系の設計方法。
  32. 請求の範囲第31項に記載の結像光学系の設計方法において、
    前記評価指標に基づいて、前記結像光学系のパラメータを最適化することを特徴とする結像光学系の設計方法。
  33. 請求の範囲第31項又は第32項に記載の結像光学系の設計方法において、
    前記光束の前記第1−2成分及び前記第2−1成分の強度を、前記光束の前記第1−1成分及び前記第2−2成分の強度の1/100以下とするように、前記結像光学系を設計することを特徴とする結像光学系の設計方法。
  34. 請求の範囲第31項乃至第33項の何れか一項に記載の結像光学系の設計方法により設計されたことを特徴とする結像光学系。
  35. リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系の結像性能を、請求の範囲第27項乃至第30項の何れか一項に記載の結像性能の評価方法により評価する工程を有することを特徴とする結像光学系の製造方法。
  36. 請求の範囲第35項に記載の結像光学系の製造方法により製造されたことを特徴とする結像光学系。
  37. リターデーションを持つ光学部材を有する結像光学系において、
    前記結像光学系の入射瞳面内に第1の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の第1の偏光方向の成分を第1−1成分とし、
    前記結像光学系の入射瞳面内に前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の第2の偏光方向の成分を第2−2成分とし、
    前記結像光学系の入射瞳面内に前記第1の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の前記第2の偏光方向の成分を第1−2成分とし、
    前記結像光学系の入射瞳面内に前記第2の偏光方向の結像光束を入射させた際の前記結像光学系の射出瞳側から射出される光束の前記第1の偏光方向の成分を第2−1成分とするとき、
    前記光束の前記第1−2成分及び前記第2−1成分の強度が前記光束の前記第1−1成分及び前記第2−2成分の強度の1/100以下であることを特徴とする結像光学系。
  38. 薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系の結像性能を、請求の範囲第13項に記載の結像性能の評価方法により評価する手順と、前記評価に基づいて、前記結像光学系に形成すべき薄膜を設計する手順とを記憶したことを特徴とする設計プログラム。
  39. 薄膜が表面に形成された光学部材を有する結像光学系の結像性能を、その薄膜が理想的な薄膜であるとした条件下で評価する手順と、その結像光学系の結像性能を、請求の範囲第13項に記載の結像性能の評価方法により評価する手順と、前記2つの評価に基づいて、前記結像光学系を設計する手順とを記憶したことを特徴とする設計プログラム。
  40. 結像光学系の結像性能を、請求の範囲第1項乃至第13項、第18項、及び第27項乃至第30項の何れか一項に記載の結像性能の評価方法により評価する手順と、前記評価に基づいて、前記結像光学系を設計する手順とを記憶したことを特徴とする設計プログラム。
  41. 請求の範囲第15項、第19項、及び第31項乃至第33項の何れか一項に記載の結像光学系の設計方法を記憶したことを特徴とする設計プログラム。
  42. 請求の範囲第38項乃至第41項の何れか一項に記載の設計プログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  43. 所定の波長の光に基づいて第1面に配置される投影原版の像を第2面に配置されるワークビースへ投影露光する投影露光装置において、
    前記所定波長の光を供給する光源と;
    該光源と前記第1面との間の光路中に配置されて、前記光源からの前記光を前記投影原版へ導く照明光学系と;
    前記第1面と前記第2面との間の光路中に配置されて、前記投影原版の像を前記第2面上に形成するための投影光学系と;
    を備え、
    前記投影光学系として、請求の範囲第16項、第17項、第20項乃至第26項、第34項、第36項及び第37項の何れか一項に記載の結像光学系を備えたことを特徴とする投影露光装置。
  44. 所定の波長の光に基づいて第1面に配置される投影原版の像を第2面に配置されるワークピースへ投影露光する投影露光方法において、
    前記所定の波長の光を供給する工程と;
    前記所定の波長の光を用いて前記投影原版を照明する工程と;
    前記照明された前記投影原版からの光に基づいて、投影光学系により前記第2面上に前記投影原版の像を形成する工程と;
    を備え、
    前記投影光学系として、請求の範囲第16項、第17項、第20項乃至第26項、第34項、第36項及び第37項の何れか一項に記載の結像光学系を用いることを特徴とする投影露光方法。
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