JP5411631B2 - 投影光学系の製造方法、投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

投影光学系の製造方法、投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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本発明は、投影光学系の製造方法、投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法に関する。
露光装置の投影光学系はマスクとしてのレチクルのパターンを感光基板としてのレジストが塗布されたウエハに投影するために用いられる。露光装置は、例えば、半導体集積回路を製造するリソグラフィ工程に使用される。近年、半導体集積回路の微細化が一層進んでいる。そのため、投影光学系にはより高い解像力が求められ、開口数(NA)の大型化が進んでいる。加えて、投影光学系の収差の低減が求められている。
従来、投影光学系を製造するために、以下の手法が行われている。一般に、投影光学系の収差は光学設計の段階では所定の値以下に抑えられている。しかしながら、実際に作られる個々のレンズは、製造誤差により設計値からずれた特性を有する。例えば、個々のレンズを形成する光学材料として屈折率が均一な合成石英を入手しようとしても、実際に入手可能な光学材料には屈折率の均一性について限界があり、光学材料の屈折率ムラが最終的に投影光学系の収差を劣化させる要因の1つとなる。また、レンズ表面の研磨工程では干渉計を用いてレンズの面形状を計測しながら研磨を繰り返すが、投影光学系の工業生産を経済的に行うには、その収差にある程度影響を与えるような加工誤差を残さざるを得ない。すなわち、レンズの面形状の誤差も、投影光学系における収差発生の要因の1つとなる。また、複数のレンズを用いて投影光学系を組み立てる際にも組立誤差(組立時の歪等)が発生し、この組立誤差も投影光学系における収差発生の要因の1つとなる。さらに、複数のレンズを用いて組み立てられた投影光学系の収差を小さく抑えるように調整する工程においても、誤差が発生する。例えば、レンズを光軸に沿って移動させてレンズ間の間隔を変化させる間隔調整や、レンズを光軸に対して垂直にシフト(移動)させたりチルト(傾斜)させたりする偏心調整が調整時に行われる。また、投影光学系の収差をさらに低減するために、レンズを光軸回りに回転させる回転調整によりレンズの回転非対称な誤差の影響を低減することも併せて行われる。しかしながら、間隔調整や偏心調整や回転調整においても、その設定(レンズの移動量、シフト量、チルト量、回転角度など)に誤差が残り、この設定誤差も投影光学系における収差発生の要因の1つとなる。
そこで、図4に示すように、投影光学系の残存収差を極限まで抑えるための光学調整として、残存収差を補正するのに必要な非球面形状を所定のレンズ面に付与する非球面加工法が提案されている(特許文献1)。この非球面加工法では、所定のレンズ面を回転非対称な非球面形状に加工することにより、投影光学系の残存収差を抑えて光学性能を向上させることができる。まず、工程K1で組み立てられ且つレンズの調整(間隔調整や偏心調整や回転調整)が行われた投影光学系の残存収差を計測する(工程K2)。次に、予め非球面加工の対象となっているレンズを投影光学系から取り出し(工程K3)、このレンズの光学面を所要の非球面形状に加工し(工程K4)、レンズの光学面に反射防止膜を形成する(工程K5)。そして非球面形状に加工されたレンズを投影光学系へ再度組み込む(工程K6)。なお、投影光学系を組み立てる工程K1に先立って、すべてのレンズの光学面に反射防止膜を形成するのが通常である。つまり、特許文献1の前記非球面加工法では、非球面加工の対象とするレンズの光学面を所要の非球面形状に加工する前に、例えば研磨により光学面から膜を剥離する必要がある。この場合、光学面から膜を剥離するのに時間がかかり、投影光学系を効率的に且つ迅速に製造することができない。そこで、非球面加工の対象となっているレンズの光学面に膜がない状態で投影光学系を組み立てて収差を測定し、膜がない状態のレンズを含む投影光学系の収差を補正するために光学面を非球面加工した後に膜を形成する製造方法も提案されている(特許文献2)。
特開2002−258131号公報 特開2004−259844号公報
半導体集積回路の微細化に伴い、投影光学系にはより高い解像力が求められ、開口数(NA)の大型化が進んでいる。開口数を大きくすることにより、高次収差が投影光学系性能に大きな影響を与える。その中で、膜の形成は高次収差を発生させる原因となる場合がある。膜の形成による収差の変化は、例えば膜厚分布や、膜形成プロセスの際に発生する熱によるレンズの膨張・収縮に起因する応力変化などに起因すると考えられる。前述した従来の手法では、非球面加工後に膜を形成するため、加工誤差、組立誤差に加え、膜形成により変化した高次収差が加工後の投影光学系に残存する可能性がある。特に、膜形成により変化した高次収差を、後の修正工程(図4のK9)でレンズ位置(間隔及び偏心)を修正することで解消しようとすると、修正箇所、修正量ともに大きくなってしまう。修正規模が大きいほど修正誤差が大きくなってしまい、残存収差が許容されるようになるまで、図4の工程K8〜K11を何回も繰り返す必要がある。さらに、大規模の修正を行うことは、手番、コスト面からも効率的ではない。
そこで、本発明は、波面収差が補正された投影光学系を効率よく製造することを目的とする。
本発明の1つの側面は、投影光学系を製造する方法であって、膜が形成されていない光学面を有する第1光学素子を含む複数の光学素子を組み立てて投影光学系を得て、当該投影光学系の波面収差を計測する計測工程と、前記計測工程で計測された投影光学系を分解して前記第1光学素子の前記膜が形成されていない光学面を加工する加工工程と、前記加工工程で加工された光学面に膜を形成する膜形成工程と、前記膜形成工程で膜が形成された前記第1光学素子を含む複数の光学素子を組み立てて投影光学系を得る組立工程と、膜が形成されていない光学面を有する第2光学素子を含む別の投影光学系の波面収差と、前記第2光学素子の前記光学面に膜を形成して組み立てられた前記別の投影光学系の波面収差とから、前記光学面に形成される膜に起因する投影光学系の波面収差の変化量を前記加工工程の前に推定する推定工程と、を含み、前記加工工程において、前記計測工程で計測された投影光学系の波面収差と前記推定工程で推定された投影光学系の波面収差の変化量とに基づいて、投影光学系の波面収差を低減するように前記膜が形成されていない光学面を有する前記第1光学素子の前記膜が形成されていない光学面を加工する、ことを特徴とする。
本発明によれば、膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を事前に推定することで、波面収差が補正された投影光学系を効率よく迅速に製造することができる。
本発明のその他の側面については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
実施例1における投影光学系の製造方法のフローチャート。 実施例1〜3における膜形成に起因して発生する波面収差を予測する手法のフローチャート。 実施例4における投影光学系の製造方法のフローチャート。 従来技術における投影光学系の製造方法のフローチャート。
以下に本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
[実施例1]
図1は実施例1における投影光学系を製造する方法を示すフローチャートである。実施例1の製造方法は、膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を事前に推定し、推定された波面収差の変化量を補正するような面形状の調整量を計算することを特徴とする。また、実施例1の製造方法は、その計算結果を少なくとも一つのレンズの少なくとも一つの表面の形状を加工(非球面加工)する加工工程に反映させることを特徴とする。実施例1では、それにより、膜形成により変化する高次収差を低減し、組立後のレンズの間隔、偏心を修正する工程K9における修正規模を小さくすることができる。さらに、工程K9における修正規模が小さければ、そこで発生する修正誤差も小さく、残存収差が許容されるようになるまで、組立後の工程K8〜K11を繰り返す回数を減らすことができ、効率的に修正を行うことができる。
膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を推定する、図1の工程S1の詳細なフローチャートの一例を図2のAに示した。工程S11で、製造する投影光学系と同じスペックを持ち、その投影光学系とは別の投影光学系について、非球面加工すべき少なくとも一つの光学素子の少なくとも一つの光学面に膜を形成せずに複数の光学素子を組み立てて得た投影光学系の波面収差を計測する。工程S11で膜が形成されない光学素子は、例えばレンズである。工程S12で、投影光学系を分解する。工程S13で、非球面加工すべきレンズの光学面に膜を形成する。工程S14で、膜が形成された非球面加工すべきレンズを組み込んで投影光学系を組み立てる。工程S14で、非球面加工すべきレンズを膜が形成された状態で組み込んだ投影光学系の波面収差を計測する。工程S15で、工程S11で計測した波面収差と工程S14で計測した波面収差と差を計算し、膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を推定する。この手法は、非球面加工すべきレンズの膜形成の前後で投影光学系の波面収差を計測し、その差により膜形成による波面収差の差をとらえる。この手法は、図1の工程K4,K4'を除いて工程K2〜K8を行うのと等価であり、膜が形成されていない状態で投影光学系に組み込まれ、計測されたレンズ全ての光学面に対する膜形成に起因する波面収差の変化を推定することができる。
図1に戻り、続いて工程S2で、膜形成により発生する投影光学系の波面収差を補正するような調整量S2を下記式1を用いて補正残差の絶対値を最小にするように計算する。
補正残差=膜形成により発生する収差−修正量・・・(1)
修正量=Σ(敏感度×面形状調整量S2)・・・(2)
面形状調整量S2は非球面加工対象の各加工面について算出する。式2中「敏感度」とは調整パラメータの単位変化量当たりの収差変化量の予測値であり、例えば光学シミュレーションによって取得することができる。調整パラメータ毎に調整量(変化量)と敏感度を掛け合わせ、全調整パラメータの収差変化量を足し合わせることで修正量を求める。非球面加工の対象となるレンズの光学面に形成すべき非球面形状は、例えばZernike多項式のような直交関数系で表わされる非球面として算出される。非球面加工を行う工程K4において、S2で取得された面形状調整量S2を非球面加工に反映することで、膜形成に起因する波面収差を補正する。
加工工程K4に先立って、工程K1で、光学素子(レンズ)と光学素子の間隔を調整する部材(間隔調整部材)とから投影光学系を組み立てる。このときレンズには、表面研磨後に例えば蒸着法やスパッタリング法によって膜(反射防止膜)が形成されている。しかし、従来技術と同様に、投影光学系の収差を調整するために非球面加工(加工)の対象となっている複数のレンズ(以下、「加工対象レンズ」という)には膜を形成しない。工程K1では、それらの膜が形成されていないレンズを含む複数のレンズ(一般には光学部材)を用いて投影光学系を組み立てる。なお、膜が形成されていないレンズとは、レンズの全ての光学面に膜(例えば反射防止膜や増反射膜)が形成されていないレンズを指す。次に、工程K2で、膜が形成されていないレンズを組み込んで組み立てられた投影光学系の波面収差を計測する。投影光学系の波面収差の計測には例えば干渉計を用い、投影光学系の瞳面における波面の位相差(収差)を計測する。波面収差の計測が終了した後、工程K2'で、計測結果をもとに収差を補正するような面形状の調整量と間隔及び偏心の調整量を算出する。面形状、間隔、偏心それぞれについて敏感度(単位変化量あたりの収差変化量)を算出しておき、その敏感度を用いて下記式3の修正予想を最小にするような調整量を求める。
修正予想=測定収差+Σ(敏感度×調整量K2)・・・(3)
非球面加工の対象となるレンズの光学面に形成すべき非球面形状は、面形状調整量S2と同様に、例えばZernike多項式のような直交関数系で表わされる非球面として算出される。本実施例では加工は非球面加工としたが、加工は非球面加工には限定されず、例えばレンズの曲率を変更するような球面加工であっても良い。また、調整量、修正予想が算出できたら、工程K3に進み、投影光学系を分解し非球面加工の対象となるレンズを取り出す。その後、非球面加工の対象とするレンズに対して非球面加工を行う加工工程K4と間隔調整部材を準備する準備工程K4'とを並行して進める。準備工程K4'では、レンズの間隔を調整するために、間隔調整部材が加工されたり、調整されたりする。加工工程K4における非球面加工量は、従来技術においては、工程K2'において求められた面形状の調整量K2である。しかし、本実施例においては、工程K2'において求められた面形状の調整量K2に加えて、工程S2にて求められた膜形成に起因する投影光学系の波面収差を変化量を補正する面形状調整量S2を考慮して非球面加工量を決定する。すなわち、非球面加工量K4を各加工面について下記式4から求める。
非球面加工量K4=面形状の調整量K2+面形状調整量S2・・・(4)
非球面加工量が決まったら、式5のように非球面加工前の光学面の面形状と非球面加工後の光学面の面形状との差が非球面加工量となるように、加工工程K4において、非球面加工の対象とするレンズの光学面を非球面形状に加工する。
加工後の面形状=加工前の面形状+非球面加工量K4・・・(5)
なお、必ずしも非球面加工の対象となっているすべてのレンズに非球面加工を施すわけではなく、必要に応じて非球面加工の対象となっている1つ又は複数のレンズに非球面加工を施す。また、非球面加工の対象となっているレンズの一方の光学面に非球面加工を施すのが通常であるが、双方の光学面に非球面加工を施すこともできる。
非球面加工の完了後、膜形成工程K5において、加工対象レンズの光学面に膜(反射防止膜)を形成する。投影光学系を組み立てる工程K1では、非球面加工の対象となっているレンズの光学面には膜が形成されていない。したがって、実際に非球面加工を施したか否かにかかわらず、非球面加工の終了後に、すべての非球面加工の対象となったレンズの膜が存在しない光学面に膜を形成する必要がある。続いて、膜形成工程K5で膜が形成されたレンズを含む複数のレンズと、準備工程K4'で準備された間隔調整部材とで再び投影光学系を組み立てる(組立工程K6)。組立工程K6における組立は、工程K1における組立と基本的には同様である。しかし、組立工程K6では、全光学面に膜が形成されている点、間隔調整部材の厚みが変化している点、偏心調整のために鏡筒を平行移動又は傾けている点が工程K1の場合と異なっている。そして、工程K7で、再度組み立てられた投影光学系の波面収差を計測する。工程K8において、工程K7で計測された波面収差の結果をもとに収差を補正するような間隔及び偏心の調整量を算出する。間隔及び偏心の調整とは、レンズを光軸に沿って移動させてレンズ間の間隔を変化させたり、レンズを光軸に対して垂直にシフト(移動)させたりチルト(傾斜)させたりしてレンズを調整することである。工程K9で、レンズの間隔及び偏心を調整し、工程K10で、調整後の投影光学系の波面収差を計測し、工程K11で、投影光学系の光学性能が規格を満足しているか否かを判定する。工程K11の判定の結果、投影光学系の光学性能が規格を満足していない場合(「NO」であった場合)、規格に合格するまで工程K8〜K11を繰り返す。工程K11において「YES」であった場合、本実施例のフローに従う投影光学系の製造が終了する。
本実施例では、膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を推定し(工程S1)、推定した投影光学系の波面収差の変化量に基づいて投影光学系の波面収差を補正するように組立工程前に非球面加工を行う(工程K4)。したがって、非球面加工後の組立工程K6で組み立てられた投影光学系の残存収差は低減されており、工程K9におけるレンズの間隔及び偏心による調整規模を小さくすることができる。間隔及び偏心の調整規模が小さければ、当該調整によって発生する修正誤差も小さく、残存収差が許容されるようになるまで、工程K8〜K11を繰り返す回数を減らすことができる。膜形成に起因する波面収差の変化量を事前に推定する工程S1、推定された波面収差の変化量を補正するようなレンズの形状を計算する工程S2は、一度行えば同じスペックを持つ投影光学系を製造する際には省略可能な工程である。ただし、この手法は、膜がない複数の光学面それぞれに膜を形成したときの収差の変化をまとめてとらえている。したがって、工程K1における膜のない光学面の数と場所、工程K5における膜形成のパラメータ等に変更があった場合には、再び工程S1、S2を行う必要がある。
以上述べたように、膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を事前に推定し、補正することで、組立前に高次残存収差を低減し、組立工程後の修正規模を小さく抑え、効率的かつ迅速に投影光学系を製造することができる。本実施例は、光が透過する光学素子を例に説明したが、反射する光学素子であっても同様に適用できる。
[実施例2]
図2のBに基づいて膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を推定する別の手法について説明する。実施例2では、膜形成工程K5で膜が形成されるレンズのそれぞれについて、膜が形成される前と膜が形成された後とで透過波面をそれぞれ計測し、その計測された透過波面の差に基づいて、膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を推定する。この場合は、工程K1における膜なし面の数と場所、工程K5における膜形成パラメータ等に変更があった場合、変更があったレンズのみについて予測をやり直せばよいため、効率的である。例えば、干渉光学系を用いて、膜形成の前後における一つのレンズの透過波面を計測し(工程S11',S13')、工程S12'における各レンズの膜形成による波面収差の変化をとらえる(工程S14')。そして、複数のレンズについて膜形成による収差の変化量を足し合わせて、膜形成に起因する投影光学系の波面収差を推定し、実施例1と同様に補正を行う。これにより、高次残存収差を低減し、組立工程K6後の修正規模を小さく抑え、効率的かつ迅速に投影光学系を製造することができる。
[実施例3]
図2のCに基づいて膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を推定するさらなる別の手法について説明する。実施例3では、膜が形成されるレンズそれぞれについて、膜が形成される前と膜が形成された後とで表面形状をそれぞれ計測する(工程S11'',S13'')。そして、工程S14''で計算した表面形状の差を敏感度を用いて波面収差に換算することにより、工程S12''における各レンズの膜形成による波面収差の変化をとらえる(工程S15'')。例えば干渉計装置を用いて、膜形成の前後での光学面の表面形状を計測する。その表面形状の差を敏感度を用いて下記換算式6により波面収差に換算し、一つの光学面の膜形成に起因する波面収差の変化量を求める。そして、複数面について膜形成に起因する波面収差の変化量を足し合わせて、複数の膜形成に起因する投影光学系の波面収差を推定し、実施例1と同様に補正を行う。この場合も、工程K1における膜なし面の数と場所、工程K5における膜形成パラメータ等に変更があった場合にも、変更のあった面のみについて予測をやり直せばよいため、効率的である。
膜形成に起因する波面収差(1面当たり)[λ]=面形状[nm]×敏感度[λ/nm]・・・(6)
[実施例4]
実施例4の製造方法は、膜形成に起因する投影光学系の波面収差の変化量を事前に推定し、推定された波面収差の変化量を補正するようなレンズ間の間隔を計算し、その計算結果を間隔調整部材を準備する準備工程K4'に反映させることを特徴とする。図3は実施例4の製造方法のフローチャートである。この実施例では、工程S2において推定された投影光学系の波面収差の変化量を補正するような間隔調整部材の調整量を計算によって取得する。準備工程K4'では、間隔調整部材の加工、調整によってレンズ間の間隔の調整を行うが、その調整量は、従来技術においては、工程K2'において求められた間隔調整部材の調整量であった。しかし、本実施例においては、工程K2'において求められた間隔調整部材の調整量に加えて、工程S2にて求められた膜形成に起因する投影光学系の波面収差を補正する調整量を考慮して間隔調整部材の調整量を決定する。
具体的には、工程S2において、膜形成によって発生する投影光学系の波面収差の変化量を補正するような調整量S2'を下記式7を用いて補正残差の絶対値を最小にするように計算する。
補正残差=膜形成による発生収差−修正量・・・(7)
修正量=Σ(敏感度×間隔調整部材の調整量S2')・・・(8)
間隔調整部材の調整量は各間隔調整部材について算出する。また、式8中「敏感度」とは調整パラメータの単位変化量当たりの収差変化予測値である。求められた間隔調整部材の調整量S2'を準備工程K4'に反映することで、膜形成に起因する投影光学系の波面収差を補正する。すなわち、準備工程K4'において下記式9より調整量を計算し調整を行う。
間隔調整部材の全調整量K4'=間隔調整部材調整量K2'+間隔調整部材調整量S2'・・・(9)
他の工程は、実施例1と同様であるので説明を省略する。実施例1と同様に、膜形成に起因する投影光学系の波面収差を事前に推定しておく工程S1、その調整量S2'を計算する工程S2は、一度行えば同じ投影光学系を製造する際には繰り返し不要な工程である。但し、製造工程や、工程内パラメータを変更した場合、データの取り直しが必要になる時もある。なお、本実施例4の方法は実施例1の方法と併用しても良い。
なお、上述の実施例1〜4は、KrFエキシマレーザ光源またはArFエキシマレーザ光源を用いる露光装置に搭載される投影光学系に対して適用可能である。しかし、これに限定されることなく、所定の波長光(たとえばF2レーザの157nm、水銀ランプのg線(435nm)やi線(365nm))を供給する他の適当な光源を用いる露光装置に本発明を適用することもできる。また、上述の実施例では、露光装置に搭載される投影光学系の製造方法に対して適用されるが、これに限定されることなく、他の一般的な光学系の製造方法に対しても適用することができる。本実施例は、光が透過する光学素子を例に説明したが、反射する光学素子であっても同様に適用できる。
[露光装置]
本発明で適用される例示的なレチクル(原版)のパターンでウエハ(基板)を露光する露光装置を説明する。露光装置は、照明装置、レチクルを保持するレチクルステージ、投影光学系、ウエハを保持するウエハステージとを備える。照明装置は回路パターンが形成されたレチクルを照明し、光源部と照明光学系とを有する。光源部では、例えば、光源としてレーザを使用する。照明光学系は光源部からの光でレチクルを照明する光学系である。投影光学系はレチクルのパターンをウエハ上に投影する光学系である。レチクルステージ及びウエハステージは、例えばリニアモータによって移動可能である。それぞれのステージは同期して移動する。
[デバイス製造方法]
次に、上記露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。その場合、デバイスは、前述の露光装置を用いて基板を露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、他の周知の工程とを経ることにより製造する。デバイスは、半導体集積回路素子、液晶表示素子等でありうる。基板は、ウエハ、ガラスプレート等でありうる。当該周知の工程は、例えば、酸化、膜形成、蒸着、ドーピング、平坦化、ダイシング、ボンディング、パッケージング等の各工程である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。

Claims (11)

  1. 投影光学系を製造する方法であって、
    膜が形成されていない光学面を有する第1光学素子を含む複数の光学素子を組み立てて投影光学系を得て、当該投影光学系の波面収差を計測する計測工程と、
    前記計測工程で計測された投影光学系を分解して前記第1光学素子の前記膜が形成されていない光学面を加工する加工工程と、
    前記加工工程で加工された光学面に膜を形成する膜形成工程と、
    前記膜形成工程で膜が形成された前記第1光学素子を含む複数の光学素子を組み立てて投影光学系を得る組立工程と、
    膜が形成されていない光学面を有する第2光学素子を含む別の投影光学系の波面収差と、前記第2光学素子の前記光学面に膜を形成して組み立てられた前記別の投影光学系の波面収差とから、前記光学面に形成される膜に起因する投影光学系の波面収差の変化量を前記加工工程の前に推定する推定工程と、
    を含み、
    前記加工工程において、前記計測工程で計測された投影光学系の波面収差と前記推定工程で推定された投影光学系の波面収差の変化量とに基づいて、投影光学系の波面収差を低減するように前記膜が形成されていない光学面を有する前記第1光学素子の前記膜が形成されていない光学面を加工する、ことを特徴とする投影光学系の製造方法。
  2. 投影光学系を製造する方法であって、
    膜が形成されていない光学面を有する第1光学素子を含む複数の光学素子を組み立てて投影光学系を得て、当該投影光学系の波面収差を計測する計測工程と、
    前記計測工程で計測された投影光学系を分解して前記第1光学素子の前記膜が形成されていない光学面を加工する加工工程と、
    前記加工工程で加工された光学面に膜を形成する膜形成工程と、
    前記複数の光学素子の間隔を調整する部材を準備する準備工程と、
    前記膜形成工程で膜が形成された前記第1光学素子を含む複数の光学素子と前記準備工程で準備された部材とを組み立てて投影光学系を得る組立工程と、
    膜が形成されていない光学面を有する第2光学素子を含む別の投影光学系の波面収差と、前記第2光学素子の前記光学面に膜を形成して組み立てられた前記別の投影光学系の波面収差とから、前記光学面に形成される膜に起因する投影光学系の波面収差の変化量を前記加工工程の前に推定する推定工程と、
    を含み、
    前記準備工程において、前記計測工程で計測された投影光学系の波面収差と前記推定工程で推定された投影光学系の波面収差の変化量とに基づいて、投影光学系の波面収差を低減するように前記部材を準備する、ことを特徴とする投影光学系の製造方法。
  3. 前記加工工程において、前記計測工程で計測された投影光学系の波面収差と前記推定工程で推定された投影光学系の波面収差の変化量に基づいて、投影光学系の波面収差を低減するように前記膜が形成されていない光学面を有する前記第1光学素子の前記膜が形成されていない光学面を加工する、ことを特徴とする請求項2に記載の投影光学系の製造方法。
  4. 前記膜が形成されていない光学面を有する前記第1光学素子は光が反射する光学素子であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の投影光学系の製造方法。
  5. 前記膜が形成されていない光学面を有する前記第1光学素子は光が透過する光学素子であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の投影光学系の製造方法。
  6. 前記光が透過する前記第1光学素子の光学面のうち、双方の光学面に前記膜が形成されていないことを特徴とする請求項5に記載の投影光学系の製造方法。
  7. 前記双方の光学面に前記膜が形成されていない前記第1光学素子の、一方の光学面を加工することを特徴とする請求項6に記載の投影光学系の製造方法。
  8. 前記双方の光学面に前記膜が形成されていない前記第1光学素子の、双方の光学面を加工することを特徴とする請求項6に記載の投影光学系の製造方法。
  9. 製造すべき投影光学系に含まれる膜が形成されていない光学面を有する前記第1光学素子と同じ数で同じ場所に、膜が形成されていない光学面を有する前記第2光学素子を持ち、かつ該製造すべき投影光学系とは別の投影光学系について、前記第2光学素子の少なくとも一つの光学面に膜を形成せずに複数の光学素子を組み立てて得られた前記別の投影光学系の波面収差と、当該少なくとも一つの光学面に膜を形成して複数の光学素子を組み立てて得られた前記別の投影光学系の波面収差とをそれぞれ計測し、当該計測された前記別の投影光学系の波面収差の差から、前記膜形成工程において前記表面に形成された膜に起因する前記製造すべき投影光学系の波面収差の変化量を推定する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の投影光学系の製造方法。
  10. 前記製造すべき投影光学系と同じスペックを持つ、前記製造すべき投影光学系とは別の投影光学系について、前記第2光学素子の少なくとも一つの光学面に膜を形成せずに複数の光学素子を組み立てて得られた前記別の投影光学系の波面収差と、当該少なくとも一つの光学面に膜を形成して複数の光学素子を組み立てて得られた前記別の投影光学系の波面収差とそれぞれ計測し、当該計測された前記膜に起因する前記製造すべき投影光学系の波面収差の変化量を推定する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の投影光学系の製造方法。
  11. 複数の投影光学系を製造する製造方法であって、
    膜が形成されていない光学面を有する第2光学素子を含む複数の光学素子を組み立てられた第1投影光学系の波面収差と、前記第2光学素子の前記光学面に膜を形成して組み立てられた前記第1投影光学系の波面収差とから、前記第2光学素子の前記光学面に形成される膜に起因する前記第1投影光学系の波面収差の変化量を求める工程と、
    膜が形成されていない光学面を有する第1光学素子を含む複数の光学素子を組み立てられた第2投影光学系の波面収差を計測する計測工程と、
    前記計測工程で計測された投影光学系を分解して、前記計測工程で計測された第2投影光学系の波面収差と前記第1投影光学系の波面収差の変化量とに基づいて、前記第2投影光学系の波面収差を低減するように前記第1光学素子の前記膜が形成されていない光学面を加工する加工工程と、
    前記加工工程で加工された光学面に膜を形成する膜形成方法と、
    前記膜形成工程で膜が形成された前記第1光学素子を含む複数の光学素子を組み立てて第2投影光学系を得る組立工程と、
    を有することを特徴とする投影光学系の製造方法。
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