JPWO2002026744A1 - Mpc1001誘導体 - Google Patents

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JPWO2002026744A1
JPWO2002026744A1 JP2002531128A JP2002531128A JPWO2002026744A1 JP WO2002026744 A1 JPWO2002026744 A1 JP WO2002026744A1 JP 2002531128 A JP2002531128 A JP 2002531128A JP 2002531128 A JP2002531128 A JP 2002531128A JP WO2002026744 A1 JPWO2002026744 A1 JP WO2002026744A1
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津曲 敬子
中井 龍一郎
神田 裕
小川 達洋
小野寺 秀幸
長谷川 淳博
安藤 勝彦
エンダン スートゥリスワティ ラハユ
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07D491/12Heterocyclic compounds containing in the condensed ring system both one or more rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms and one or more rings having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by groups C07D451/00 - C07D459/00, C07D463/00, C07D477/00 or C07D489/00 in which the condensed system contains three hetero rings
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    • C12P17/00Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
    • C12P17/18Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms containing at least two hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring system, e.g. rifamycin

Abstract

次式(I):[式中、R1は、水素、ヒドロキシ、又は低級アルキルカルボニルオキシを表し、R2は、メルカプト、又は低級アルキルチオを表し、R3は、メルカプト、又は低級アルキルチオを表し、R4は、水素を表し、R5は、ホルミルを表し、R1及びR2は一体となって結合を表してもよく、R2及びR3は一体となって−(S)n−(式中、nは1から5の整数を表す)を表してもよく、R3及びR4は一体となってO又はSを表してもよく、R4及びR5は一体となって−CH2−、−CH(OH)−、又は−CH(OCOR4a)−(式中、R4aは低級アルキルを表す)を表してもよい]で表されるMPC1001誘導体又はその薬学的に許容される塩、これらを含有する医薬、特に抗菌剤、抗腫瘍剤及び該誘導体を生産する能力を有するクラドリナム・スピーシーズ(Cladorrhinum sp.)MPC1001に関する。

Description

技術分野
本発明は、抗菌又は抗腫瘍作用を有し、抗菌剤又は抗腫瘍剤として有用である化合物又はその薬学的に許容される塩とそれらの製造法に関する。
背景技術
式(II):
Figure 2002026744
で表されるエメストリン(Emestrin)が報告されており、抗カビ活性を有することが示されている[ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー・パーキン・トランスアクション(Journal of Chemical Society Perkin Transaction),I,109−116(1986)]。
発明の開示
本発明の目的は、優れた抗菌又は抗腫瘍作用を有する化合物を提供することにある。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)次式(I):
Figure 2002026744
[式中、
は、水素、ヒドロキシ、又は低級アルキルカルボニルオキシを表し、
は、メルカプト、又は低級アルキルチオを表し、
は、メルカプト、又は低級アルキルチオを表し、
は、水素を表し、
は、ホルミルを表し、
及びRは一体となって結合を表してもよく、R及びRは一体となって−(S)−(式中、nは1から5の整数を表す)を表してもよく、R及びRは一体となってO又はSを表してもよく、R及びRは一体となって−CH−、−CH(OH)−、又は−CH(OCOR4a)−(式中、R4aは低級アルキルを表す)を表してもよい]
で表されるMPC1001誘導体又はその薬学的に許容される塩。
(2)次式(Ia):
Figure 2002026744
で表されるMPC1001化合物又はその薬学的に許容される塩。
(3)次式(Ib):
Figure 2002026744
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(4)次式(Ic):
Figure 2002026744
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(5)次式(Id):
Figure 2002026744
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(6)次式(Ie):
Figure 2002026744
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(7)次式(If):
Figure 2002026744
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(8)次式(Ig):
Figure 2002026744
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(9)次式(Ih):
Figure 2002026744
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(10)次式(Ii):
Figure 2002026744
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(11)次式(Ij):
Figure 2002026744
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(12)上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬。
(13)上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する抗菌剤。
(14)上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する抗腫瘍剤。
(15)クラドリナム(Cladorrhinum)属に属し、前記式(Ia)〜(Ih)で表される化合物から選ばれる化合物を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積させ、該培養物から該化合物を採取することを特徴とする該化合物の製造方法。
(16)前記式(Ia)〜(Ih)で表される化合物から選ばれる化合物を生産する能力を有するクラドリナム(Cladorrhinum)属に属する微生物。
(17)クラドリナム(Cladorrhinum)属に属する微生物が、クラドリナム・スピーシーズ(Cladorrhinum sp.)MPC1001(FERM BP−7266)である上記(16)に記載の微生物。
以下に本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の化合物の製造方法について説明する。
本発明の化合物とは、MPC1001化合物を含む前述の式(I)で表されるMPC1001誘導体のことをいう。本発明の化合物は、該化合物を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積させ、該培養物から該化合物を採取することにより、又は該培養物から採取した該化合物を基質とした化学的合成方法よって製造することができる。
培養法による本発明の化合物の具体的な製造方法としては、例えばクラドリナム(Cladorrhinum)属に属し、本発明の化合物を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積させ、該培養物から該化合物を採取することによって製造する方法を挙げることができる。
本発明の化合物を生産する能力を有する微生物としては、例えばクラドリナム属に属し、本発明の化合物を生産する能力を有する菌株であればいずれの菌株でも用いることができる。また、これらの菌株を人工的変異方法、例えば紫外線照射、X線照射、変異誘起剤処理などによって変異させた変異株又は自然的に変異した変異株でも、本発明の化合物を生産する能力を有するものであれば本発明に用いることができる。具体的に好適な例として、クラドリナム・スピーシーズ(Cladorrhinum sp.)MPC1001株が挙げられる。
本発明者らは、土壌より新たに分離したクラドリナム(Cladorrhinum)属に属するMPC1001株が、抗菌又は抗腫瘍作用を有する前述の式(I)で表されるMPC1001誘導体を生産することを見出した。クラドリナム(Cladorrhinum)属に属する微生物において、本発明の化合物を生産する微生物は知られていなかった[Mycotaxon,48,415−440(1993)]。
本発明の化合物を生産する代表菌株MPC1001は、土壌より分離したもので、その菌学的性質は次のとおりである。
1.肉眼的観察
麦芽エキス寒天培地を用いて、25℃で培養したとき、集落の直径は、培養4日目で30〜37mm、培養7日目で60〜68mmに達する。集落の表面中央部は白色を呈し、その外側は灰色を呈する。また、集落裏面中央部は、淡いベージュ色を呈し、その外側は明灰色を呈する。
バレイショ・ブドウ糖寒天培地を用いて、25℃で培養したとき、集落の直径は、培養4日目で25〜34mm、培養7日目で57〜67mmに達する。集落の表面中央部は白色を呈し、その外側は明灰色を呈する。集落の裏面中央部は、淡いベージュ色を呈し、その外側は明灰色を呈する。
本菌の生育温度範囲は10.5〜36.5℃で、27.5℃付近で最も良好に生育する。生育pH範囲は5.3〜10.0で、pH7.3前後で最も良好に生育する。
2.光学顕微鏡観察
麦芽エキス寒天培地を用いて、25℃で2週間培養したときの本菌の光学顕微鏡による観察結果は以下のとおりである。
菌糸は、隔壁を有し、幅2〜3μm、平滑、無色から淡褐色を呈し、よく分岐する。分生子は、菌糸細胞から直接形成されたカラーから、あるいは菌糸細胞から伸長した円筒形のフィアライド先端から内生出芽型、フィアロ型に形成され、カラー先端もしくはフィアライド先端に分生子塊が形成される。このフィアロ型分生子は、単細胞、無色、球形〜亜球形又は涙型を呈し、その表面は平滑で、直径1.5〜3.0μmを呈する。
本菌株においては、上述したアナモルフのみ観察され、テレオモルフは観察されない。
以上の菌学的性質から、本菌の分類学的位置を「ザ・ジェネラ・オブ・ファンジャイ・スポルレイティング・イン・ピュア・カルチャー第2版(The Genera of Fungi Sporulating in Pure Culture,2nd ed.),Cramer,Vanduz,J.A.von Arx,1974年」に従って検索した結果、本菌はクラドリナム(Cladorrhinum)属に属することが明らかとなった。本菌株「クラドリナム・スピーシーズMPC1001(Cladorrhinum sp.MPC1001)」は、ブダペスト条約に基づき、平成12年8月4日付けで独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)[旧称 通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所、旧住所 日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号]に受託番号 FERM BP−7266として寄託されている。
本発明のMPC1001誘導体生産菌の培養に際しては、通常の糸状菌の培養法が適用される。培地としては、微生物の資化し得る炭素源、窒素源、無機塩などを程よく含有する培地であれば合成培地、天然培地いずれでも使用できる。
炭素源としては、グルコース、澱粉、デキストリン、マンノース、フルクトース、シュクロース、ラクトース、キシロース、アラビノース、マンニトール、糖蜜などが単独又は組合せて用いられる。更に、菌の資化能によっては炭化水素、アルコール類、有機酸なども用いられる。
窒素源としては、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、カザミノ酸などが単独又は組合せて用いられる。
そのほか、必要に応じて塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素カリウム、リン酸マグネシウム・8水塩、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅などの無機塩を加える。更に、使用菌の生育やMPC1001誘導体の生産を促進する微量成分を適当に添加することができる。
培養法としては、液体培養法、特に深部攪拌培養法が適している。培養は、16〜37℃、好ましくは25〜32℃の温度で、pH4〜10、好ましくはpH6〜8で行われ、培地のpH調整にはアンモニア水や炭酸アンモニウム溶液などが用いられる。培養は通常1〜10日間で終了するが、本発明の化合物が培養液中及び菌体中に生成蓄積され、培養物中の生成量が最大に達したときに培養を停止することが好ましい。
培養物中に蓄積した本発明の化合物の培養物からの単離精製は、通常の微生物代謝産物を培養物から単離精製するために常用される方法に従って行われる。例えば、培養物を濾過により培養濾液と菌体とに分け、菌体からクロロホルム、アセトン、メタノールなどの溶剤で菌体成分を抽出する。次いで、、抽出液と培養濾液とを併せて、ポリスチレン系吸着剤、例えばダイヤイオンHP−20(三菱化学社製)などに通塔して活性成分を吸着させ、次いでメタノール、アセトンなどで溶出する。溶出液を濃縮し、オクタデシル基結合型シリカゲル(ODS)によるカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーなどにより、本発明の化合物を得ることができる。なお、培養、単離精製操作中の本発明の化合物の検出は、薄層クロマトグラフィー、次いでヨード試薬を用いることにより行うことができる。
本発明の化合物を化学的合成によって製造する方法については、具体的には、例えば式(I)において、RがOR(式中、Rは低級アルキルカルボニル)を表し、RとRが一体となって−S−を表し、RとRが一体となって−CH(OR)−を表す化合物(IIIa)、Rがヒドロキシを表し、R及びRが同一又は異なって低級アルキルチオを表し、RとRが一体となって−CH(OH)−を表す化合物(IIIb)は、前述の式(Ia)で示されるMPC1001より、以下の方法に従って製造することができる。
なお、式(I)の定義における、低級アルキルカルボニルオキシ及び低級アルキルチオの低級アルキル部分、及び低級アルキル、並びに上述のRにおける低級アルキルカルボニルのアルキル部分としては、例えば炭素数1〜8(C−C)の直鎖又は分岐状のアルキル基、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等があげられ、C−Cアルキルが好ましく、C−Cアルキルがさらに好ましい。
また、式(I)の定義における−(S)−等は、n個のSが直列に結合していることを表す。
Figure 2002026744
(式中、R2a及びR3aは同一又は異なって低級アルキルチオを表し、Rは前記と同義である。)
<工程1>
化合物(IIIa)は、化合物(Ia)を適当な低級アルカノイル化剤を用いて、低級アルカノイル化することにより合成することができる。用いられる低級アルカノイル化剤は、通常、水酸基を低級アルカノイル化する方法に用いられるものであればいずれでもよい。例えば、無溶媒、又はN,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、若しくはジクロロメタンなどの溶媒中、1当量〜溶媒量のピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、エチルジイソプロピルアミン、又は4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基存在下に、化合物(Ia)を1〜100当量の対応する酸無水物又は酸ハライド等と反応させることにより化合物(IIIa)を合成できる。この反応の温度は特に限定されるものではなく、冷却下ないし加熱下に反応を行なえばよい。また、反応時間は通常5〜100時間である。上記の低級アルカノイル化剤における低級アルキル基は前記と同義である。
<工程2>
化合物(IIIb)は、化合物(Ia)に還元剤の存在下にアルキル化剤を作用させることにより合成することができる。アルキル化剤としては、例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル等のハロゲン化物、例えばジアゾメタン等のジアゾ(低級)アルカン、例えばメタンスルホン酸アルキルエステル等の低級アルカンスルホン酸アルキルエステル等が挙げられる。反応はトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基又はアルカリ金属、アルカリ土類金属若しくはそれらの水酸化物や炭酸塩等の無機塩基の存在下に行うことが望ましい。還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素アルカリ金属、例えばメタンチオール等のチオール化合物のようなジスルフィド結合の還元に慣用の還元剤が用いられる。この反応は、通常例えばメタノール、エタノール、プロパノール、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド等のこの反応において不活性な溶媒中で行われる。またこの反応の温度は特に限定されるものではなく、冷却下ないし加熱下に反応を行えばよい。なお、反応、精製操作中のMPC1001誘導体の検出は、薄層クロマトグラフィー、ついでヨード試薬を用いることにより行うことができる。
上記に示した製造方法において、定義した基が実施方法の条件下変化するか、又は方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入及び脱離方法〔例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons,Inc.)(1981年)参照〕等を用いることにより、目的化合物を得ることができる。また、必要に応じて置換基導入等の反応工程の順序を変えてもよい。
MPC1001誘導体の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等を包含する。金属塩としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられ、アンモニウム塩としてはアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられ、有機アミン付加塩としてはモルホリン、ピペリジン等の付加塩、アミノ酸付加塩としてはグリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン等の付加塩が挙げられる。
MPC1001誘導体の塩を取得したい場合には、MPC1001誘導体の塩が得られるときはそのまま精製すればよく、また遊離の形で得られるときはMPC1001誘導体を適当な溶媒に溶解又は懸濁し、塩基を加え、塩を形成させればよい。
MPC1001誘導体には、互変異性体、立体異性体等の各種異性体が存在し得るが、これら異性体及びその混合物も本発明に包含される。
また、MPC1001誘導体又はその薬学的に許容される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、それら付加物も本発明に包含される。
MPC1001誘導体又はその薬学的に許容される塩は、優れた抗菌又は抗腫瘍作用を有し、医薬、特に抗菌剤、抗腫瘍剤に有用である。
本発明の医薬(組成物)は、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、液剤等の経口投与剤、又は注射剤等の非経口投与剤の形態をとることができる。
顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤又はカプセル剤の形態をとる場合には、MPC1001誘導体又はその薬学的に許容される塩(以下「活性成分」という。)を5〜80重量%含有させることが好ましい。液剤の場合には、活性成分を1〜30重量%の割合で含有させることが好ましい。更に、非経口投与剤のうち注射剤として用いる場合には、活性成分を1〜10重量%の割合で含有させることが好ましい。
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、水、シュクロース、ソルビット、フルクトースなどの糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油などの油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミントなどのフレーバー類などを使用して製造できる。また、錠剤、散剤及び顆粒剤などは、ラクトース、グルコース、シュクロース、マンニットなどの賦形剤、澱粉、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性成分を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、グルコース溶液又は塩水とグルコース溶液の混合物からなる担体などを用いて注射用の溶液を調製する。
また、これらの非経口剤においても、経口剤で例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選択される1種又は2種以上の補助成分を添加することもできる。
臨床投与量については、経口投与の場合、成人に対し活性成分として、1日当たり0.1mg〜1gを内服させることが好ましい。しかしながら、患者の年齢、体重、症状等によって適宜投与量を増減させることもできる。本発明の医薬(組成物)は、1日1回投与も可能であるが、適当な間隔をおいて2〜3回にわけて投与することもできる。更に、注射剤として用いる場合には、活性成分として成人に対し1回量1〜数百mgを投与することが望ましい。また、その投与は注射による1日1〜3回の、又は2〜3日に1回の投与、あるいは点滴等による持続投与で行うことが可能である。
本明細書は本願の優先権の基礎である特願2000−295003号の明細書に記載される内容を包含する。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例及び試験例により本発明を具体的に説明する。
実施例1:クラドリナム・スピーシーズMPC1001株によるMPC1001化合物の製造
第一種培地及び第二種培地としては、グルコース100g/L、マッシュポテト30g/L、酵母エキス5g/Lを組成とする培地(pH6.5)を用いた。種菌一白金耳を70ml容試験管に入れた第一種培地10mlに植菌し、28℃で120時間振盪培養を行った。この第一種培養液を300ml容三角フラスコに入った50mlの第二種培地に2.5mlずつ合計2本に植菌し、28℃で48時間振盪培養した。得られた第二種培養液を、300ml容三角フラスコに入れた主発酵培地50mlに2.5mlずつ22本(合計1.1L)植菌し、25℃で120時間通気撹拌培養(回転数220rpm)を行った。主発酵培地としては、グルコース20g/L、マッシュポテト20g/L、ペプトン5g/L、リン酸二水素カリウム5g/L、リン酸マグネシウム・8水塩0.5g/Lを組成とする培地(pH6.0)を用いた。
得られた発酵培養液1.1Lに濾過助剤(ラヂオライト#600、昭和化学工業社製)を10%の割合で添加後、吸引濾過を行った。培養濾液と菌体とを分け、分別した菌体にメタノール800mlを加えて充分に撹拌抽出し、再度吸引濾過機により濾過した。得られたメタノール抽出液にさらに水を加えて2.4Lとした。これをダイヤイオンHP−20を60ml充填したカラムに通塔して活性成分を吸着させた。90%メタノール水溶液200mlで洗浄後、メタノール200ml及びアセトン200mlで活性成分を溶出した。活性画分を減圧下で濃縮乾固すると、黄色の油状物質が得られた。この油状物質を少量のクロロホルムに溶解し、シリカゲル(LiChroprep Si 60、Merck社製)を70ml充填したカラムに通塔して活性成分を吸着させ、ヘキサン−酢酸エチル混合溶媒で展開した。ヘキサン−酢酸エチル1:1溶液200mlで洗浄後、酢酸エチル200mlで活性成分を溶出した。活性画分を減圧下で濃縮乾固すると、黄色の粉末物質が得られた。これを分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に付し、下記の条件で分取することにより活性画分を得た。活性画分を濃縮乾固することによりMPC1001化合物を19.4mg得た。
HPLC分取条件
カラム:ODS−HG−5(Develosil社製)
流速:10ml/分
検出:210nm
溶出液:アセトニトリル/水(4:6〜10:0,v/v、0〜25分のリニアーグラジェント)
保持時間:19.4分
実施例2:MPC1001株による化合物(Ib)〜(Ih)の製造
第一種培地及び第二種培地としては、グルコース100g/L、マッシュポテト30g/L、酵母エキス5g/Lを組成とする培地(pH6.5)を用いた。種菌一白金耳を300ml容三角フラスコに入れた第一種培地50mlに植菌し、28℃で120時間振盪培養を行った。この第一種培養液を300ml容三角フラスコに入った50mlの第二種培地に5mlずつ植菌し、28℃で10時間振盪培養した。得られた第二種培養液を、300ml容三角フラスコに入れた主発酵培地50mlに1.5mlずつ100本(合計5L)植菌し、25℃で168時間通気撹拌培養(回転数220rpm)を行った。主発酵培地としては、可溶性澱粉50g/L、乾燥酵母15g/L、リン酸二水素カリウム0.5g/L、硫酸マグネシウム・7水塩0.5g/L、炭酸カルシウム5g/Lを組成とする培地(pH7.0)を用いた。
得られた発酵培養液5Lに濾過助剤(ラヂオライト#500、昭和化学工業社製)を10%の割合で添加後、吸引濾過を行った。培養濾液と菌体とを分け、分別した菌体にメタノール1.7Lを加えて充分に撹拌抽出し、再度吸引濾過機により濾過した。得られたメタノール抽出液2.3Lにさらに水を加えて4.6Lとし、これをダイヤイオンHP−20(三菱化学社製)を250ml充填したカラムに通塔した。70%メタノール水溶液800mlで洗浄後、1Lのメタノール/アセトン混合溶媒(7:3)で溶出し、これを減圧下で濃縮して、3.8gの粗精製画分を得た。この粗精製画分を移動相と同一の溶媒に溶解し、逆相シリカゲルYMC−GEL ODS−AQ 120−S50(ワイエムシィ社製、φ2×47cm)カラムの上端にのせ、0.2%の酢酸を含む65%アセトニトリル水溶液を毎分2.5mlの流速で流して精製した。クロマトグラフィーは3回に分けて行い、保持時間77〜95分に溶出する画分1−1、保持時間101〜124分に溶出する画分1−2、保持時間124〜137分に溶出する画分1−3にそれぞれまとめた。画分1−2を集めて減圧下で濃縮して得た270mgの粗精製物質を、逆相シリカゲルYMC−Pack ODS−AM(ワイエムシィ社製、φ2×25cm)カラムを用いた分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供した。溶出はアセトニトリル/水(4:6〜10:0、0〜25分のリニアーグラジエント)を毎分10mlの流速で流して行った。クロマトグラフィーは10回に分けて行い、各回の保持時間22.8〜23.3分に溶出する画分2−1を得た。この画分2−1及び前述の画分1−3を混合して減圧下で濃縮することにより20.8mgの粗精製物質を得た。この物質をYMC−Pack ODS−AM(φ2×25cm)カラムを用いた分取HPLC(移動相はアセトニトリル/水、4:6〜10:0、0〜25分のリニアーグラジエント、流速10ml/分)に供して再度精製した。保持時間23.5〜24.5分に溶出する画分3−1及び24.5〜25.5分に溶出する画分3−2をそれぞれ集めて減圧下で乾固することにより、化合物(Ib)及び(Ic)の粉末をそれぞれ7.7mg及び1.7mg得た。
前述の画分1−1を濃縮乾固して得られた粗精製物質を逆相シリカゲルYMC−GEL ODS−AQ 120−S50(φ2×47cm)カラムの上端にのせ、65%アセトニトリル水溶液を毎分2.5mlの流速で流して、保持時間59.5〜74.5分に溶出する画分4−1及び74.5〜85.7分に溶出する画分4−2を得た。この画分4−1を濃縮乾固して得られた110mgの粗精製物質を少量のクロロホルムに溶解し、同溶媒で充填したシリカゲル(Merck社製、φ2.1×11cm)カラムの上端にのせ、クロロホルム200mlで洗浄後、クロロホルム/メタノールを300:1、200:1、150:1で混合した溶媒をそれぞれ150mlずつ流して溶出した。クロロホルム/メタノール=300:1の画分5−1及び150:1の画分5−2を濃縮乾固し、粗精製物質をそれぞれ18.3mg及び82.7mg得た。画分5−1の18.3mgをYMC−Pack ODS−AM(φ2×25cm)カラムを用いた分取HPLC(移動相はアセトニトリル/水、4:6〜10:0、0〜25分のリニアーグラジエント、流速10ml/分)に供して精製した。保持時間15.8〜19.1分に溶出する画分を集めて減圧下で乾固することにより、化合物(Ih)の粉末を14.3mg得た。
前述の画分5−2の82.7mgをYMC−Pack ODS−AM(φ2×25cm)カラムを用いた分取HPLC(移動相はメタノール/水、5:5〜10:0、0〜40分のリニアーグラジエント、流速10ml/分)に供して精製した。精製は3回に分けて行い、各回の保持時間25.5〜28.0分に溶出する画分を集めて減圧下で乾固することにより、化合物(If)の粉末を6.1mg得た。
前述の画分4−2を濃縮乾固して得られた粗精製物質236mgをYMC−Pack ODS−AM(φ2×25cm)カラムを用いた分取HPLC(移動相はアセトニトリル/水、5:5〜8:2、0〜25分のリニアーグラジエント、流速10ml/分)に供して精製した。精製は5回に分けて行い、各回の保持時間18.5〜21.0分に溶出する画分を集めて減圧下で乾固し、粗精製物質を195mg得た。この物質を少量のクロロホルムに溶解し、同溶媒で充填したシリカゲル(Merck社製、φ2.1×12cm)カラムの上端にのせ、クロロホルム200ml、次いでクロロホルム/メタノールを300:1、200:1で混合した溶媒をそれぞれ200ml、160mlずつ流して溶出した。クロロホルムの画分を濃縮乾固し、化合物(G)の粉末を12.0mg得た。また、クロロホルム/メタノール=300:1の画分を濃縮乾固し、化合物(D)の粉末を60.6mg得た。さらに、クロロホルム/メタノール=200:1の画分を濃縮乾固し、化合物(Ie)の粉末を58.9mg得た。
実施例3:化合物(Ii)の合成
MPC1001化合物36.8mg(0.0601mmol)を、ピリジン0.25ml、無水酢酸0.15mlに溶解し、一晩室温で攪拌した。冷水を加えた後、クロロホルムで抽出し、減圧下で溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラム(1:1ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、化合物(Ii)を38.4mg(収率92%)得た。
実施例4:化合物(Ij)の合成
MPC1001化合物10.2mg(0.0167mmol)を、ピリジン0.2ml、メタノール0.1ml、ヨウ化メチル0.08mlに溶解し、室温で30分間攪拌した。この溶液に水素化ホウ素ナトリウム2.5mg(0.0661mmol)、ヨウ化メチル0.1mlを加え、室温で3時間攪拌した。2mlの水、0.5mlの1mol/L塩酸を加えた後、クロロホルムで抽出し、減圧下で溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラム(1:1ヘキサン/アセトン)にて精製し、化合物(Ij)を4.7mg(収率44%)得た。
上記実施例で得られたMPC1001誘導体の物理化学的性質は、それぞれ以下に示すとおりである。なお、物理化学的性質は以下の機器により測定した。
融点:柳本製作所 微量融点測定装置
旋光度:日本分光工業 DIP370型デジタル旋光計
FAB マススペクトル及び高分解能FAB マススペクトル:日本電子 JMS−HX/HX110A型質量分析装置
紫外吸収スペクトル:島津製作所 UV−1600PC型紫外吸収分光計又はUV−2200型紫外吸収分光計
赤外吸収スペクトル:日本電子 JIR−RFX3001型赤外吸収分光計又は日本分光IR−870型赤外吸収分光計
核磁気共鳴スペクトル:日本電子 JNM−α400型核磁気共鳴装置
MPC1001化合物の物理化学的データ
性状:白色粉末
融点:181〜184℃
旋光度:[α] 20=+117°(c=0.3,CHOH)
分子式:C282410
FAB マススペクトル:m/z613[M+H],635[M+Na],611[M−H]
高分解能FAB マススペクトル:
実測値 611.0802
理論値 611.0794(C282310として)
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)205(38,000),263(14,000),283(8,000)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3442,1716,1684,1668,1614,1515,1346,1271,1200,1174,1136,1122,1051,1024,891,822,762cm−1
H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))7.76(1H,dd,8.5,2.1),7.66(1H,d,2.2),7.63(1H,d,2.1),7.10(1H,dd,8.4,2.2),7.05(1H,d,8.5),6.92(1H,d,8.4),6.91(1H,d,2.7),6.32(1H,dd,8.4,2.4),5.91(1H,dd,7.7,2.7),5.43(1H,br.d,12.3),5.21(1H,br.s),4.95(1H,dd,8.4,2.4),4.92(1H,s),4.79(1H,ddd,7.7,2.4,2.4),4.75(1H,br.d,12.3),3.99(3H,s),3.94(3H,s),3.41(3H,s)ppm13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)166.7(s),165.1(s),163.4(s),154.6(s),151.8(s),147.0(s),145.1(s),143.3(d),137.7(d),126.8(s),125.6(d),124.2(d),122.3(s),122.2(d),119.8(d),112.2(d),111.4(s),111.0(d),107.3(d),78.8(s),76.6(d),75.3(d),74.8(d),73.8(s),61.1(d),56.2(q),56.0(q),27.9(q)ppm
溶解性:アセトン、酢酸エチル、クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
呈色試薬:リンモリブデン酸/硫酸セリウム試薬に陽性
薄層クロマトグラフィー:Rf値;0.45
薄層;シリカゲルTLC(Merck社製)
展開溶媒;ヘキサン:アセトン(1:1、v/v)
化合物(Ib)の物理化学的データ
性状:白色粉末
融点:171〜172℃
旋光度:[α] 28=+242.6°(c=0.23,CHCl
分子式:C2824
FAB マススペクトル:m/z597[M+H],532[M−S,595[M−H],531[M−S−H],513[M−S−HO−H]
高分解能FAB マススペクトル:
実測値 595.0850
理論値 595.0845(C2823として)
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)257(19,700),284(8,900)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3474,2940,1686,1611,1577,1513,1457,1440,1412,1350,1268,1195,1172,1135,1122,1055,1024,990,965,907,818,762cm−1
1H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))8.04(1H,d,2.2),7.66(1H,dd,8.5,2.0),7.63(1H,d,2.0),7.15(1H,dd,8.4,2.2),7.01(1H,d,8.5),6.88(1H,d,8.4),6.63(1H,ddd,2.2,2.2,2.2),6.32(1H,dd,8.3,2.2),5.44(1H,d,12.3),5.40(1H,dddd,8.8,2.2,2.0,1.1),5.12(1H,d,12.3),4.99(1H,ddd,8.8,2.2,1.7),4.93(1H,dd,8.3,1.7),4.16(1H,ddd,18.1,2.2,1.1),4.01(3H,s),3.86(3H,s),3.48(3H,s),3.02(1H,ddd,18.1,2.2,2.0)ppm
13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)166.4(s),166.2(s),164.4(s),154.3(s),152.6(s),146.2(s),146.0(s),140.6(d),139.4(d),127.1(s),125.6(d),125.4(d),122.8(s),122.8(d),119.3(d),112.8(s),112.2(d),111.0(d),105.6(d),78.4(s),75.3(d),73.0(d),72.5(s),62.3(d),56.4(q),56.0(q),34.9(t),28.3(q)ppm
溶解性:クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
化合物(Ic)の物理化学的データ
性状:白色粉末
融点:167〜168℃
旋光度:[α] 28=+188.7°(c=0.13,CHCl
分子式:C2824
FAB マススペクトル:m/z597[M+H],532[M−S,515[M−S−HO+H],596[M]
高分解能FAB マススペクトル:
実測値 595.0858
理論値 595.0845(C2823として)
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)262(13,400),284(6,700)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3470,1712,1688,1611,1577,1513,1459,1440,1413,1351,1268,1219,1195,1172,1135,1122,1108,1091,1055,1024,990,969,904,818,761cm−1
H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))7.73(1H,dd,8.5,2.0),7.63(1H,d,2.1),7.60(1H,d,2.0),7.10(1H,dd,8.3,2.1),7.03(1H,d,8.5),6.91(1H,d,8.3),6.90(1H,d,2.4),6.31(1H,dd,8.4,2.5),5.87(1H,dd,7.7,2.4),5.21(1H,br.s),4.94(1H,dd,8.4,2.1),4.93(1H,s),4.81(1H,ddd,7.7,2.5,2.1),3.98(3H,s),3.91(3H,s),3.83(1H,d,13.3),3.45(1H,d,13.3),3.21(3H,s)ppm
13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)166.8(s),165.3(s),162.5(s),154.3(s),151.0(s),146.0(s),145.2(s),143.2(d),137.7(d),126.4(d),125.4(d),124.7(d),123.4(s),122.5(s),121.8(d),112.0(d),111.8(s),111.5(d),107.6(d),79.2(s),76.8(d),75.4(d),74.0(s),61.0(d),56.1(q),55.9(q),36.2(t),27.9(q)ppm
溶解性:クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
化合物(Id)化合物の物理化学的データ
性状:白色粉末
融点:188〜190℃
旋光度:[α] 28=+174.2°(c=0.66,CHCl
分子式:C282410
FAB マススペクトル:m/z644[M],627[M−HO+H],548[M−S,531[M−S−HO+H],643[M−H],611[M−S−H],579[M−S−H]
高分解能FAB マススペクトル:
実測値 643.0516
理論値 643.0514(C282310として)
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)258(19,700),284(7,900)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3484,2958,1681,1610,1577,1513,1462,1441,1409,1358,1268,1195,1172,1135,1122,1102,1056,1026,900,820,800,762cm−1
H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))8.35(1H,d,2.3),7.98(1H,d,2.0),7.73(1H,dd,8.5,2.0),7.03(1H,dd,8.4,2.3),7.02(1H,d,8.5),6.83(1H,d,2.4),6.83(1H,d,8.4),6.35(1H,dd,8.0,2.3),5.39(1H,dd,8.2,2.4),5.28(1H,d,12.5),5.26(1H,ddd,8.2,2.6,2.3),5.02(1H,dd,8.0,2.6),4.79(1H,d,2.0),4.30(1H,d,12.5),4.03(3H,s),3.86(3H,s),3.56(3H,s),3.52(1H,d,2.0)ppm
13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)168.2(s),166.4(s),165.3(s),154.7(s),152.3(s),146.3(s),145.7(s),143.0(d),138.6(d),128.7(d),127.1(s),125.9(d),125.6(d),122.4(s),119.6(d),112.2(d),110.8(d),110.0(d),108.0(s),83.4(s),79.8(d),78.1(s),76.6(d),74.9(d),59.0(d),56.4(q),56.1(q),28.9(q)ppm
溶解性:メタノール、酢酸エチル、クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
化合物(Ie)の物理化学的データ
性状:白色粉末
融点:166〜167℃
旋光度:[α] 28=−128.4°(c=0.76,CHCl
分子式:C282410
FAB マススペクトル:m/z677[M+H],548[M−S,676[M]
高分解能FAB マススペクトル:
実測値 676.0339
理論値 676.0313(C282410として)
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)228(35,800),263.5(22,000)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3428,2936,1686,1603,1573,1509,1451,1431,1411,1390,1334,1268,1221,1195,1176,1130,1116,1060,1020,907,812,761cm−1
H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))9.81(1H,s),8.03(1H,dd,8.6,2.1),7.71(1H,d,2.1),7.64(1H,dd,8.4,1.9),7.40(1H,d,1.9),7.11(1H,d,8.4),7.08(1H,d,8.6),6.84(1H,d,2.4),6.29(1H,dd,8.1,2.3),5.43(1H,dd,8.4,2.4),5.28(1H,ddd,8.4,2.3,2.1),4.97(1H,s),4.87(1H,dd,8.1,2.1),4.87(1H,s),3.98(3H,s),3.93(3H,s),3.21(3H,br.s),3.03(1H,s)ppm
13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)190.8(d),167.2(s),165.6(s),163.3(s),156.0(s),155.0(s),146.5(s),144.9(s),143.0(d),139.1(d),130.2(s),128.5(d),128.0(d),122.6(s),121.0(d),118.4(d),112.0(d),111.8(d),110.3(s),107.8(d),80.0(s),78.2(d),71.8(d),67.5(d),60.0(d),56.4(q),56.2(q),32.5(q)ppm
溶解性:クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
化合物(If)化合物の物理化学的データ
性状:白色粉末
融点:138〜139℃
旋光度:[α] 28=+19.7°(c=0.12,CHCl
分子式:C292611
FAB マススペクトル:m/z611[M+H],633[M+Na],563[M−SCH−H]
高分解能FAB マススペクトル:
実測値 611.1334
理論値 611.1335(C292711Sとして)
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)262.5(21,600)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3452,1708,1692,1604,1511,1431,1406,1336,1316,1271,1240,1223,1195,1175,1130,1119,1020,762cm−1
H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))8.02(1H,dd,8.6,2.2),7.64(1H,dd,8.5,2.0),7.61(1H,d,2.2),7.33(1H,d,2.0),7.10(1H,d,8.5),7.09(1H,d,8.6),6.89(1H,d,2.4),6.35(1H,dd,8.2,2.4),5.85(1H,ddd,8.1,2.4,2.2),5.39(1H,dd,8.1,2.4),4.91(1H,dd,8.2,2.2),4.89(1H,s),3.98(3H,s),3.91(3H,s),3.30(3H,s),2.75(1H,br.s),2.06(3H,s)ppm
13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)190.7(d),166.3(s),165.2(s),156.6(s),155.7(s),155.1(s),152.5(s),146.5(s),144.8(s),142.3(d),139.3(d),130.2(s),128.1(d),127.8(d),122.1(s),121.1(d),118.2(d),112.3(d),112.1(d),111.0(s),107.7(d),78.1(d),76.3(s),72.3(d),60.3(d),56.4(q),56.2(q),27.7(q),13.0(q)ppm
溶解性:クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
化合物(Ig)の物理化学的データ
性状:山吹色粉末
融点:117〜119℃
旋光度:[α] 28=−578.8°(c=0.17,CHCl
分子式:C2822
FAB マススペクトル:m/z563[M+H],531[M−S],562[M]
高分解能FAB マススペクトル:
実測値 563.1126
理論値 563.1124(C2823Sとして)
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)263.5(23,300),341 sh(7,100),415.5(6,400)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3452,2936,1704,1689,1634,1596,1509,1429,1398,1300,1267,1224,1177,1140,1116,1019,815,760,750,737cm−1
H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))9.80(1H,s),8.01(1H,dd,8.6,2.1),7.62(1H,dd,8.4,1.9),7.61(1H,d,2.1),7.28(1H,d,1.9),7.09(1H,d,8.4),7.07(1H,d,8.6),7.04(1H,d,2.4),6.83(1H,s),6.41(1H,dd,8.4,2.2),5.61(1H,dd,8.2,2.4),5.43(1H,ddd,8.2,2.2,2.0),5.03(1H,dd,8.4,2.0),3.98(3H,s),3.91(3H,s),3.65(3H,s)ppm
13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)190.7(d),186.9(s),165.6(s),155.5(s),155.3(s),154.2(s),148.1(s),146.8(s),144.4(s),141.3(d),140.1(d),131.5(s),130.1(s),128.4(d),127.5(d),122.1(s),122.0(d),121.7(d),119.3(s),117.6(d),112.1(d),112.0(d),108.0(d),69.4(d),64.4(d),56.4(q),56.2(q),34.7(q)ppm
溶解性:クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
化合物(Ih)の物理化学的データ
性状:淡黄色粉末
融点:127〜128℃
旋光度:[α] 28=−306.7°(c=0.21,CHCl
分子式:C282210
FAB マススペクトル:m/z547[M+H],546[M]
高分解能FAB マススペクトル:
実測値 547.1337
理論値 547.1352(C282310として)
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)261.5(26,200),364.5(8,800)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3468,1712,1681,1637,1602,1508,1429,1399,1338,1278,1223,1178,1117,1019,819,760,741cm−1
H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))9.81(1H,s),8.02(1H,dd,8.6,2.2),7.63(1H,dd,8.5,1.9),7.60(1H,d,1.9),7.31(1H,d,1.9),7.10(1H,d,8.5),7.07(1H,d,8.6),6.99(1H,d,2.4),6.85(1H,s),6.39(1H,dd,8.4,2.2),5.54(1H,dd,8.2,2.4),5.42(1H,ddd,8.2,2.2,1.7),4.98(1H,dd,8.4,1.7),3.97(3H,s),3.91(3H,s),3.30(3H,s)ppm
13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)190.7(d),165.5(s),157.0(s),156.0(s),155.6(s),155.2(s),149.2(s),146.5(s),144.7(s),141.1(d),140.1(d),131.1(s),130.1(s),128.2(d),127.5(d),122.1(d),122.0(s),121.2(d),118.9(s),118.1(d),112.2(d),112.1(d),107.8(d),69.2(d),63.8(d),56.3(q),56.2(q),27.4(q)ppm
溶解性:クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
化合物(Ii)の物理化学的データ
性状:白色粉末
融点:203〜205℃
旋光度:[α] 28=+56.8°(c=0.65,CHCl
分子式:C322812
FAB マススペクトル:m/z697[M+H],548[M−S,531[M−S−CHOH+H],696[M]
高分解能FAB マススペクトル:
実測値 696.1074
理論値 696.1084(C322812として)
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)247 sh(25,400),265 sh(17,700),283(9,500)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3454,2938,1750,1718,1665,1612,1579,1515,1463,1442,1414,1368,1329,1271,1221,1199,1173,1154,1137,1120,1093,1022,963,774,759cm−1
H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))7.86(1H,d,2.2),7.75(1H,dd,8.5,2.0),7.55(1H,d,2.0),7.28(1H,dd,8.5,2.4),7.03(1H,d,8.5),7.02(1H,d,2.6),6.96(1H,d,8.5),6.44(1H,s),6.30(1H,dd,8.5,2.6),6.18(1H,s),5.92(1H,dd,7.3,2.6),4.94(1H,dd,8.5,2.1),4.78(1H,ddd,7.3,2.6,2.1),4.00(3H,s),3.93(3H,s),3.11(3H,s),2.09.(6H,s)ppm
13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)169.6(s),169.4(s),165.3(s),163.4(s),159.4(s),154.1(s),152.4(s),146.0(s),145.6(s),144.0(d),137.2(d),125.7(d),125.2(d),123.9(s),122.4(d),122.3(s),121.4(d),111.8(d),111.3(d),109.4(s),107.8(d),81.2(s),75.2(d),75.1(d),74.6(s),74.1(d),61.0(d),56.1(q),56.0(q),28.2(q),21.1(q),21.0(q)ppm
溶解性:酢酸エチル、クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
化合物(Ij)の物理化学的データ
性状:白色粉末
融点:166〜167℃
旋光度:[α] 28=−28.8°(c=0.08,CHCl
分子式:C303010
FAB マススペクトル:m/z642[M],625[M−HO+H],641[M−H],611[M−2CH−H],593[M−2CH−HO−H]
紫外吸収スペクトル(CHOH):λmaxnm(ε)261.5(15,100)
赤外吸収スペクトル(KBr):νmax3466,2930,1702,1648,1599,1512,1458,1440,1407,1366,1266,1197,1173,1132,1122,1047,1026,904,880,788cm−1
H−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)(積分、多重度、結合定数J(Hz))8.55(1H,d,2.1),8.06(1H,d,2.0),7.80(1H,dd,8.6,2.0),7.34(1H,dd,8.6,2.1),7.00(1H,d,8.6),6.88(1H,d,8.4),6.85(1H,d,2.4),6.32(1H,dd,8.1,2.3),5.43(1H,dd,8.1,2.4),5.38(1H,ddd,8.1,2.3,2.1),5.30(1H,br.d,11.4),4.97(1H,dd,8.1,2.1),4.89(1H,s),4.00(3H,s),3.89(3H,s),3.36(3H,s),3.23(1H,br.d,11.4),2.85(1H,br.s),2.32(3H,s),1.74(3H,s)ppm
13C−核磁気共鳴スペクトル:
δ(CDCl)166.7(s),165.6(s),165.1(s),155.0(s),150.2(s),145.4(s),143.9(s),141.2(d),139.1(d),131.3(s),126.5(d),125.0(d),121.5(s),121.2(d),120.4(d),112.0(d),111.5(d),110.0(s),108.1(d),78.7(d),75.1(d),74.6(d),73.5(s),72.8(s),58.5(d),56.3(q),56.1(q),29.8(q),14.9(q),14.7(q)ppm
溶解性:酢酸エチル、クロロホルム及びジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶
MPC1001誘導体の生物活性について、以下の試験例で説明する。
試験例1:各種細菌に対する抗菌作用
MPC1001化合物の各種細菌に対する抗菌活性を測定した。
抗菌活性はバクトトリプトン(Difco社製)3g/L、肉エキス3g/L、酵母エキス1g/L、グルコース1g/L及び寒天16g/Lの組成からなる培地(pH7)を用いて寒天希釈法により測定した。抗菌活性は最小生育阻止濃度(MIC)で示した。
結果を第1表に示す。
Figure 2002026744
試験例2:ヒト大腸癌細胞HCT 116及びWiDrに対する増殖阻害
HCT 116(ATCC番号:CCL−247)の場合は1×10個/ウェル、WiDr(ATCC番号:CCL−218)の場合は1.5×10個/ウェルの細胞を96穴マイクロタイタープレート(住友ベークライト社製MS−8196F)に分注し、37℃で24時間、5%炭酸ガスインキュベータ内で培養した。その後段階的に希釈したMPC1001化合物、及び対照化合物としてMitomycin C及びAdriamycinをそれぞれ加え、さらに37℃で72時間、5%炭酸ガスインキュベータ内で培養した。次に、終濃度0.3mg/mlとなるようにXTT(sodium3’−[1−(phenylaminocarbonyl)−3,4−tetrazolium]−bis(4−methoxy−6−nitro)benzene sulfonic acid hydrate)標識混合物(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を培養培地中に分注した。37℃、2時間、5%炭酸ガスインキュベーター内で培養後、マイクロプレート分光光度計Emax(モレキュラーデバイス社製)を用い490nm(対象波長650nm)での吸光度を測定した。細胞増殖抑制活性は50%増殖阻止濃度IC50で示した。
結果を第2表に示す。
Figure 2002026744
試験例3:ヒト前立腺癌細胞DU 145に対する増殖阻害
DU 145細胞(ATCC番号:HTB−81)を1×10個/ウェルの割合で96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製、167008)に分注し、37℃で24時間、5%炭酸ガスインキュベーター内で培養した。その後段階的に希釈したMPC1001誘導体をそれぞれ加え合計100μlとし、さらに37℃で72時間、5%炭酸ガスインキュベーター内で培養した。次に、50μlのXTT(sodium 3’−[1−(phenylaminocarbonyl)−3,4−tetrazolium]−bis(4−methoxy−6−nitro)benzene sulfonic acid hydrate)標識混合液(ロシュ・ダイアグノスティックス社製、1465015)を培養培地中に分注した。37℃、90分間、5%炭酸ガスインキュベーター内で培養後、マイクロプレート分光光度計(バイオラッド社製、Model 550)を用い490nm(対照波長655nm)での吸光度を測定した。細胞増殖抑制活性は50%増殖阻止濃度IC50で示した。
結果を第3表に示す。
Figure 2002026744
本明細書で引用した全ての刊行物をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、抗菌又は抗腫瘍作用を有するMPC1001誘導体又はその薬学的に許容される塩を提供することができる。

Claims (17)

  1. 式(I):
    Figure 2002026744
    [式中、
    は、水素、ヒドロキシ、又は低級アルキルカルボニルオキシを表し、
    は、メルカプト、又は低級アルキルチオを表し、
    は、メルカプト、又は低級アルキルチオを表し、
    は、水素を表し、
    は、ホルミルを表し、
    及びRは一体となって結合を表してもよく、R及びRは一体となって−(S)−(式中、nは1から5の整数を表す)を表してもよく、R及びRは一体となってO又はSを表してもよく、R及びRは一体となって−CH−、−CH(OH)−、又は−CH(OCOR4a)−(式中、R4aは低級アルキルを表す)を表してもよい]
    で表されるMPC1001誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  2. 式(Ia):
    Figure 2002026744
    で表されるMPC1001化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. 式(Ib):
    Figure 2002026744
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  4. 式(Ic):
    Figure 2002026744
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  5. 式(Id):
    Figure 2002026744
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  6. 式(Ie):
    Figure 2002026744
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  7. 式(If):
    Figure 2002026744
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  8. 式(Ig):
    Figure 2002026744
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  9. 式(Ih):
    Figure 2002026744
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  10. 式(Ii):
    Figure 2002026744
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  11. 式(Ij):
    Figure 2002026744
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  12. 請求の範囲第1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬。
  13. 請求の範囲第1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する抗菌剤。
  14. 請求の範囲第1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する抗腫瘍剤。
  15. クラドリナム(Cladorrhinum)属に属し、前記式(Ia)〜(Ih)で表される化合物から選ばれる化合物を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積させ、該培養物から該化合物を採取することを特徴とする該化合物の製造方法。
  16. 前記式(Ia)〜(Ih)で表される化合物から選ばれる化合物を生産する能力を有するクラドリナム(Cladorrhinum)属に属する微生物。
  17. クラドリナム(Cladorrhinum)属にする微生物が、クラドリナム・スピーシーズ(Cladorrhinum sp.)MPC1001(FERM BP−7266)である請求の範囲第16項記載の微生物。
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