JP2001247574A - 生理活性物質gkk1032化合物 - Google Patents

生理活性物質gkk1032化合物

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JP2001247574A
JP2001247574A JP2000397813A JP2000397813A JP2001247574A JP 2001247574 A JP2001247574 A JP 2001247574A JP 2000397813 A JP2000397813 A JP 2000397813A JP 2000397813 A JP2000397813 A JP 2000397813A JP 2001247574 A JP2001247574 A JP 2001247574A
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gkk1032
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physiologically active
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JP2000397813A
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English (en)
Inventor
Fumito Koizumi
文人 小泉
Atsuhiro Hasegawa
淳博 長谷川
Katsuhiko Ando
勝彦 安藤
Tatsuhiro Ogawa
達洋 小川
Mitsunobu Hara
光信 原
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌剤または抗腫瘍剤として有用な生理活性
物質を提供すること。 【解決手段】 【化14】 (式中、Rはヒドロキシまたは低級アルコキシを表す) 上記式(I)[式中、Xは上記式(II)または上記式
(III)で表される基を表す]で表される生理活性物
質GKK1032化合物またはその薬理学的に許容される塩を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌・抗腫瘍作用
を有し、抗菌剤・抗腫瘍剤として有用な生理活性物質GK
K1032化合物またはその薬理学的に許容される塩に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、抗腫瘍剤としてはアドリアマイシ
ン、アクチノマイシン等が使用されているが、効力や毒
性等の点で不十分であり、また耐性等の問題もあり、新
しい抗腫瘍剤が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た抗菌または抗腫瘍作用を有する化合物を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微生物代
謝産物中に抗菌または抗腫瘍作用を有する新規生理活性
物質GKK1032化合物が生産されていることを見い出し
た。すなわち本発明は、以下の(1)〜(12)に関す
る。 (1) 式(I)
【0005】
【化7】
【0006】[式中、Xは式(II)
【0007】
【化8】
【0008】または式(III)
【0009】
【化9】
【0010】(式中、Rはヒドロキシまたは低級アルコ
キシを表す)で表される基を表す]で表される生理活性
物質GKK1032化合物[以下、化合物(I)という]また
はその薬理学的に許容される塩。 (2) Xが式(II)
【0011】
【化10】
【0012】で表される基である上記(1)記載の生理
活性物質GKK1032化合物またはその薬理学的に許容され
る塩。 (3) Xが式(III)
【0013】
【化11】
【0014】(式中、Rは前記と同義である)で表され
る基である上記(1)記載の生理活性物質GKK1032化合
物[以下、化合物(Ia)という]またはその薬理学的
に許容される塩。 (4) 式(Iaa)
【0015】
【化12】
【0016】(式中、Rは前記と同義である)で表され
る生理活性物質GKK1032化合物[以下、化合物(Ia
a)という]またはその薬理学的に許容される塩。 (5) Rがメトキシである上記(3)または(4)記
載の生理活性物質GKK1032化合物またはその薬理学的に
許容される塩。 (6) Rがヒドロキシである上記(3)または(4)
記載の生理活性物質GKK1032化合物またはその薬理学的
に許容される塩。 (7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の生理活
性物質GKK1032化合物を生産する能力を有するペニシリ
ウム属に属する微生物を培養し、その培養物より該生理
活性物質を取得することを特徴とする該生理活性物質の
製造方法。
【0017】(8) 上記(1)〜(6)のいずれかに
記載の生理活性物質GKK1032化合物を生産する能力を有
するペニシリウム・スピーシーズ(Penicillium sp.)G
KK1032株(FERM BP−6834)を培養し、その
培養物より該生理活性物質を取得することを特徴とする
該生理活性物質の製造方法。 (9) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の生理活
性物質GKK1032化合物またはその薬理学的に許容される
塩を有効成分として含有する医薬。 (10) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の生理
活性物質GKK1032化合物またはその薬理学的に許容され
る塩を有効成分として含有する抗菌剤。 (11) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の生理
活性物質GKK1032化合物またはその薬理学的に許容され
る塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。 (12) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の生理
活性物質GKK1032化合物を生産する能力を有するペニシ
リウム・スピーシーズ(Penicillium sp.)GKK1032株
(FERM BP−6834)。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
式(III)の定義において、低級アルコキシの低級ア
ルキル部分としては、炭素数1〜8の直鎖または分岐状
の、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、
ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル等があげられる。
【0019】化合物(I)の薬理学的に許容される塩
は、薬理学的に許容される金属塩、アンモニウム塩、有
機アミン付加塩、アミノ酸付加塩を包含する。金属塩と
してはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアル
カリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカ
リ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられ、
有機アミン付加塩としてはモルホリン、ピペリジン等の
付加塩、アミノ酸付加塩としては、グリシン、フェニル
アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン等の
付加塩があげられる。
【0020】また、化合物(I)またはその薬理学的に
許容される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で
存在することもあるが、それら付加物も本発明に包含さ
れる。次に化合物(I)の製造法について説明する。化
合物(I)は、ペニシリウム(Penicillium)属に属し化
合物(I)を生産する能力を有する微生物を培地に培養
し、培養物中に化合物(I)を生成蓄積させ、該培養物
から化合物(I)を採取することによって製造される。
【0021】化合物(I)を生産する能力を有する微生
物としては、ペニシリウム属に属し、化合物(I)を生
産する能力を有する菌株であればいずれの菌株でも用い
ることができる。また、これらの菌株を人工的変異法、
例えば紫外線照射、X線照射、変異誘起剤処理等によっ
て変異させた変異株あるいは自然に変異した変異株でも
化合物(I)を生産する能力を有するものであれば本発
明に用いることができる。
【0022】具体的に好適な例として、ペニシリウム・
スピーシーズ(Penicillium sp.)GKK1032株があげられ
る。本発明者らは、土壌より新たに分離したペニシリウ
ム属に属する糸状菌GKK1032株が、抗菌または抗腫瘍作
用を有する化合物(I)を生産することを見い出した。
【0023】本発明の生理活性物質を生産する代表菌株
(GKK1032)は土壌より分離したもので、その菌学的性
質は以下のとおりである。 1.肉眼的観察 麦芽エキス寒天培地を用いて、25℃で培養したとき、集
落の直径は培養7日目で11〜16mm、培養14日目で22〜27m
mに達する。集落の表面は灰色がかった濃緑色を呈す
る。また、集落裏面はクリーム色から淡橙色を呈する。
【0024】バレイショ・ブドウ糖寒天培地を用いて、
25℃で培養したとき、集落の直径は培養7日目で22〜26m
m、培養14日目で24〜30mmに達する。集落の表面は中央
部は灰色から暗灰色を呈し、周囲は淡灰緑色を呈する。
また、部分的に淡赤色の侵出物が見られる。集落の裏面
は明黄褐色から暗黄褐色を呈する。培地中には褐色系の
色素を出す。
【0025】本菌株の至適生育温度は10〜36.5℃で、32
℃付近で最も良好に生育する。生育しうるpHは2〜12
で、pH9前後で最も良好に生育する。 2.光学顕微鏡的観察 麦芽エキス寒天培地を用いて、25℃で2週間培養したと
きの本菌株の光学顕微鏡による観察結果は以下のとおり
である。
【0026】菌糸は隔壁を有し、幅1.5〜5μm、平滑で
よく分岐する。分生子柄は束状になることはなく、菌糸
から単生し、立ち上がる。分生子柄は、平滑で、隔壁を
有し、長さは300μmに至る。分生子柄の先端に3〜5本の
メトレを形成し、各メトレの先端に多数のフィアライド
を形成する。メトレは、無色、平滑、単細胞で、へら形
あるいは長方形を呈し、長さ8〜18μm、幅2〜4μmであ
る。フィアライドはトックリ形を呈し、無色、平滑で、
長さ7〜10.5μm、幅は最も広い部位において2.5〜3.5μ
m、先端部は幅1.0〜1.5μmである。分生子はフィアライ
ド先端から多数形成される。分生子の個体発生様式は内
生出芽型であり、その形成様式はフィアロ型である。フ
ィアロ型分生子は単細胞、球形〜亜球形で、その表面は
平滑あるいは微小な刺状を呈し、直径2.0〜3.0μmであ
る。本菌株では上述したアナモルフのみ観察され、テレ
オモルフは観察されなかった。
【0027】以上の菌学的性質より、本菌株の分類学的
位置を「ザ・ジェネラ・オブ・ファンジャイ・スポルレ
イティング・イン・ピュア・カルチャー 第2版(The Ge
neraof Fungi Sporulating in Pure Culture, 2 nd e
d.), Cramer, Vaduz, J. A. Von Arx, 1974年」に従っ
て検索した結果、本菌は糸状不完全菌類のペニシリウム
(Penicillium)属に属することが明らかとなった。本発
明者らは、本菌株を「ペニシリウム・スピーシーズGKK1
032(Penicillium sp. GKK1032)」と命名し、平成11年
8月11日付で、通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3号)に受託番
号FERM BP−6834として寄託した。
【0028】本発明の化合物(I)生産菌の培養に際し
ては糸状菌の培養に用いられる通常の培養方法が適用さ
れる。培地としては、用いられる菌の資化しうる炭素
源、窒素源、無機物等を程よく含有する培地であれば天
然培地、合成培地いずれでも用い得る。炭素源として
は、グルコース、澱粉、デキストリン、マンノース、フ
ルクトース、シュクロース、ラクトース、キシロース、
アラビノース、マンニトール、糖蜜等が単独または組み
合わせて用いられる。さらに、菌の資化能によっては炭
化水素、アルコール類、有機酸等も用いられる。
【0029】窒素源としては、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿
素、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コー
ン・スチープ・リカー、大豆粉、カザミノ酸等が単独ま
たは組み合わせて用いられる。そのほか、必要に応じて
塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭
酸カルシウム、りん酸二水素カリウム、りん酸マグネシ
ウム・8水塩、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、硫酸マン
ガン、硫酸亜鉛、硫酸銅等の無機塩類を加えることがで
きる。さらに、使用菌の生育や化合物(I)の生産を促
進する微量成分を適当に添加することもできる。
【0030】培養は、振とう培養法、攪拌培養法等によ
り、20〜40℃の温度で中性〜アルカリ性のpHで行われ
る。通常1〜7日の培養によって化合物(I)の蓄積が最
大に達し、培養は完了する。培養物中に蓄積した化合物
(I)を培養物から単離精製する際には、通常の微生物
代謝産物を培養物から精製する方法が使用される。
【0031】すなわち、アセトン、メタノール等の溶剤
による菌体成分の抽出、ろ過、遠心分離等による菌体除
去、吸着樹脂、シリカゲル、シラナイズドシリカゲル、
逆相シリカゲル、アルミニウム、セルロース、ケイそう
土、ケイ酸マグネシウム、ゲルろ過剤、イオン交換樹脂
等を用いるカラムクロマトグラフィーもしくは薄層クロ
マトグラフィーによる活性物質の吸脱着処理、適当な溶
媒系による分配等によって化合物(I)は単離される。
【0032】上記精製工程中の化合物(I)の検出は、
シリカゲル薄層クロマトグラフィー、ついで硫酸発色、
または253.6nmの紫外線照射法等により行うことができ
る。また、化合物(Iaa)は、酸性条件下、水溶液中
または低級アルコール溶液中で、置換基R部分が容易に
置換反応を受け、対応するヒドロキシまたは低級アルコ
キシ置換体に変換される。これを利用し、化合物(Ia
a)は、次の反応工程によっても製造することができ
る。
【0033】
【化13】
【0034】(式中、Raはヒドロキシまたはメトキシを
表し、Rは前記と同義である) 化合物(Iaa)は、GKK1032A1またはGKK1032A2を、必
要により不活性溶媒中、酸の存在下、1当量〜過剰量のR
H(式中、Rは前記と同義である)と反応させることによ
り得ることができる。不活性溶媒としては、ジクロロメ
タン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類等があげられ、RH
(式中、Rは前記と同義である)は溶媒を兼ねて用いら
れる場合もある。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、
酢酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸等の有
機酸があげられる。反応は0℃〜使用する溶媒の沸点の
間の温度、好ましくは20〜50℃の間の温度で行われ、1
〜72時間で終了する。
【0035】化合物(I)の塩を取得したい場合には、
化合物(I)の塩が得られるときはそのまま精製すれば
よく、また遊離の形で得られるときは適当な溶媒に溶解
または懸濁し、塩基を加え、塩を形成させればよい。化
合物(I)の具体例を以下の第1表に示す。
【0036】
【表1】
【0037】次に、化合物(I)の抗菌および抗腫瘍作
用について試験例で説明する。 試験例1 :細菌に対する抗菌作用 GKK1032Bの細菌に対する最小生育阻止濃度(MIC)につい
て、バクトトリプトン(DIFCO社製)3g/L、肉エキス3g/
L、酵母エキス1g/L、グルコース1g/L、寒天16g/Lの組成
からなる培地(pH7.0)を用いて寒天希釈法により測定し
た。その結果を第2表に示す。
【0038】
【表2】
【0039】第2表により、GKK1032Bは抗菌作用を有す
ることが示された。 試験例2 :ヒト子宮頸癌由来上皮様細胞HeLa S3に対
する増殖阻害作用 96穴マイクロタイタープレートの各穴に10%牛胎児血清
を含むDME培地(ニッスイ社製;以下培地Aと称す)で2×1
04個/mlに調製したHeLa S3細胞を分注した。該プレート
を炭酸ガスインキュベーター内で37℃、12時間培養後、
これに培地Aにより適宣希釈した化合物(I)を10μlず
つ加え、炭酸ガスインキュベーターで37℃で培養した。
培養72時間後、XTT染色法[J. Immunol. Methods, 94,
57-63 (1986);J. Immunol. Methods, 147, 153-165 (1
992)参照]で生細胞数を測定し、化合物(I)非処理時
の生細胞数と比較することにより、増殖阻害のIC50(μm
ol/L)を算出した。結果を第3表に示す。
【0040】
【表3】
【0041】第3表により、化合物(I)はヒト子宮頸
癌由来上皮様細胞に対して増殖抑制作用を有することが
示された。化合物(I)およびその薬理学的に許容され
る塩は、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、注射
剤等の通常適用される剤形に調製して、経口的に、ある
いは静脈内注射等の非経口的投与で投与することができ
る。それらの経口的または非経口的に投与する剤形の製
剤化には、通常知られた方法が適用され、該製剤は、例
えば各種の賦形剤、潤沢剤、結合剤、崩壊剤、懸濁化
剤、等拡張剤、乳化剤等を含有してもよい。
【0042】使用する製剤担体としては、例えば白糖、
ゼラチン、ラクトース、マンニトール、グルコース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギ
ン酸、タルク、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、
リン酸水素カルシウム、デンプン、ポリビニルピロリド
ン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸
マグネシウム、繊維素グルコール酸カルシウム、尿素、
シリコーン樹脂、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリ
ン酸エステル、注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油、エ
タノール等があげられる。
【0043】化合物(I)またはその薬理学的に許容さ
れる塩を上記の目的で用いるには、通常、全身的または
局所的に、経口または非経口の形で投与される。投与量
は、年令、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間
等により異なる。通常、成人一人あたり、一回につき1
〜1000mgの範囲で、一日一回あるいは成人一人あたり一
回につき1〜100mgの範囲で、一日一回から数回経口また
は非経口投与される。もちろん、前記したように投与量
は種々の条件により変動するので、上記投与量より少な
い量で十分な場合もあるし、また範囲も超えて投与の必
要な場合もある。
【0044】以下に、本発明の実施例を示す。なお、以
下の理化学的データは下記の機器により測定した。 融点:柳本製作所 微量融点測定計 FABマススペクトルおよび高分解能FABマススペクトル:
日本電子 JMS-HX/HX110A型質量分析装置 比旋光度:日本分光工業 DIP370型デジタル旋光計 紫外部吸収スペクトル:島津製作所 UV-1600PC型紫外
吸収分光計 赤外部吸収スペクトル:日本電子 JIR-RFX3001型赤外
吸収分光計;日本分光 IR-810型赤外吸収分光光度計 核磁気共鳴スペクトル:日本電子 JNM-α400型核磁気
共鳴装置(1H-NMR:400 MHz, 13C-NMR:100 MHz);ブ
ルカー DMX500型核磁気共鳴装置(1H-NMR:500 MHz,
13C-NMR:125 MHz)
【0045】
【実施例】実施例1: GKK1032B 種菌として、ペニシリウム・スピーシーズGKK1032株を
用い、第一種培地としてマッシュポテト30g/L、グルコ
ース100g/L、イーストエキストラクト5g/Lを組成とする
培地(pH6.5)を用いた。
【0046】種菌1白金耳を、50ml太型試験管に入れた
第一種培地10mlに植菌し、試験管2本(合計培地量20ml)
を25℃で2日間振とう培養した。この第一種培養液20ml
を300ml容三角フラスコに入った50mlの第二種培地に5ml
ずつ(合計フラスコ4本、200ml)植菌した。第二種培地
の組成は第一種培地の組成と同じである。第二種培養は
25℃での2日間振とう培養により行った。
【0047】得られた第二種培養液200mlを300ml容三角
フラスコに入った主発酵培地50mlに5mlずつ(合計バッフ
ル40本、2L)植菌した。主発酵培地としては、シュクロ
ース30g/L、スターチ20g/L、エビオス5g/L、モルトエキ
ストラクト10g/L、コーン・スティープ・リカー5g/L、V
8野菜ジュース(サントリー社製)200ml/L、炭酸カルシウ
ム5g/Lを組成とする培地(pH6.5)を用いた。主発酵培養
は25℃、7日間のロータリーシェーカーでの攪拌培養(回
転数:220rpm)により行った。
【0048】得られた主発酵培養液2Lから吸引ろ過によ
り上清を分離し、得られた上清を400mlのダイアイオンH
P-20カラム(三菱化学社製、東京)に通塔し、20%メタノ
ール水溶液10L、および50%メタノール水溶液1.6Lで洗浄
した後、100%メタノール1.6Lで溶出した。GKK1032Bを含
む画分を集め、水で2倍に希釈して、125mlのダイアイオ
ンHP-20ssカラム(三菱化学社製、東京)に通塔し、70%メ
タノール水溶液500ml、80%メタノール水溶液500ml、お
よび90%メタノール水溶液500mlで洗浄後、100%メタノー
ル500mlで溶出させた。GKK1032Bを含む画分を集め、減
圧乾固後、メタノール1mlに溶解させた。このうち、0.2
mlをHPLCカラム(Develosil ODS HG-5、野村化学社製)
に通塔後、流速10ml/分の条件で、80%アセトニトリル水
溶液に0.1%のトリフルオロ酢酸を加えた溶媒で溶出させ
て、GKK1032Bを含む画分を集めた。このHPLCを用いた精
製を繰り返し行い、GKK1032Bを含む画分を集めて減圧乾
固することにより、GKK1032Bを53.2mg得た。
【0049】なお、上記工程中のGKK1032Bの検出は、シ
リカゲル薄層クロマトグラフィー、ついでヨウ素発色、
または253.6nmの紫外線照射法により行った。 (GKK1032Bの理化学的データ) 性状:白色の固体 融点:159-161℃ 分子量:501 分子式:C32H39NO4 FABマススペクトル:m/z ポジティブモード:502 (M+H)+ ネガティブモード:500 (M-H)- 高分解能FABマススペクトル:m/z ネガティブモード: 測定値;500.2803 (M-H)- C32H38NO4としての計算値;500.2800 比旋光度:[α]D 20 = +172°(c 0.2, CH3OH) 紫外部吸収スペクトル:λmax(CH3OH) nm(ε);202 (2
3,000), 230 (sh. 4,600)
【0050】赤外部吸収スペクトル:νmax(KBr) c
m-1; 3417, 2947, 2922, 2866, 1772, 1711, 1500, 14
56, 1346, 1234, 1223, 1176, 931, 73113 C-NMRスペクトル (100 MHz, Benzene-d6):δ ppm
(多重度); 200.0 (s), 175.7 (s), 169.8 (s), 159.
9 (s), 146.0 (d), 138.0 (s), 134.2 (s), 133.6 (d),
133.1 (d), 132.2 (d), 126.7 (d), 120.4 (d), 114.0
(t), 92.8 (d), 61.7 (d), 61.4 (d), 60.7 (d), 55.3
(d), 54.1 (d), 49.5 (t), 45.4 (t), 43.7(d), 42.1
(s), 41.3 (s), 35.0 (t), 28.1 (d), 27.4 (d), 25.2
(q), 22.9 (q), 20.6 (q), 20.0 (q), 16.5 (q)1 H-NMRスペクトル (400 MHz, Benzene-d6):δ ppm(積
分、多重度、結合定数 J(Hz));6.91 (1H, dd, J=8.2,
2.1), 6.69 (1H, dd, J=8.4, 2.4), 6.65 (1H,dd, J=
8.2, 2.4), 6.53 (1H, br.), 6.34 (1H, dd, J=8.4, 2.
1), 5.53 (1H, dd, J=17.6, 10.7), 5.24 (1H, br.),
4.85 (1H, dd, J=17.6, 1.4), 4.77 (1H,dd, J=10.7,
1.4), 3.94 (1H, dd, J=7.1, 3.6), 3.73 (1H, ddd, J=
11.3, 8.1,5.2), 3.43 (1H, dd, J=12.6, 8.1), 3.13
(1H, d, J=9.9), 2.57 (1H, d, J=5.2), 2.37 (1H, dd
d, J=12.1, 9.9, 3.6), 2.00 (1H, dd, J=12.6, 11.3),
2.00(1H, m), 1.90 (1H, br.d, J=12.1), 1.82 (1H,
m), 1.80 (3H, s), 1.7-1.6 (2H, m), 1.43 (3H, s),
1.18 (3H, d, J=6.3), 1.14 (3H, s), 0.89 (3H, d, J=
6.4), 0.79 (1H, dd, J=11.2, 7.1), 0.63 (1H, dd, J=
12, 12), 0.54 (1H, ddd, J=12, 12, 12) 溶解性:メタノール、クロロホルムに易溶 呈色反応:ヨウ素、硫酸に陽性 薄層クロマトグラフィー(Rf値):0.25 展開溶媒:クロロホルム 薄層:HPTLC-Platten kieselgel 60 F254(メルク社製) 展開方法:室温、上昇法、20分 検出:硫酸発色
【0051】実施例2: GKK1032A1およびGKK1032A2 種菌として、ペニシリウム・スピーシーズGKK1032株を
用い、第一種培地としてマッシュポテト30g/L、グルコ
ース100g/L、イーストエキストラクト5g/Lを組成とする
培地(pH6.5)を用いた。
【0052】種菌1白金耳を、50ml太型試験管に入れた
第一種培地10mlに植菌し、試験管2本(合計培地量20ml)
を25℃で2日間振とう培養した。得られた第一種培養液2
0mlを、300ml容三角フラスコに入った50mlの第二種培地
に5mlずつ(合計フラスコ4本、200ml)植菌した。第二種
培地の組成は第一種培地の組成と同じである。第二種培
養は25℃での2日間振とう培養により行った。
【0053】得られた第二種培養液のうち、90mlを、2L
容三角フラスコに入った300mlの第三種培地に30mlずつ
(合計フラスコ3本、900ml)植菌した。第三種培地の組成
は第一種培地の組成と同じである。第三種培養は25℃で
の2日間振とう培養により行った。得られた第三種培養
液のうち、450mlを、5L容量のジャーファーメンターに
入った主発酵培地3Lに150mlずつ(合計ジャーファーメン
ター3器、9L)植菌した。主発酵培地としては、シュクロ
ース30g/L、スターチ20g/L、エビオス5g/L、モルトエキ
ストラクト10g/L、コーン・スティープ・リカー5g/L、V
8野菜ジュース(サントリー社製)200ml/L、炭酸カルシウ
ム5g/Lを組成とする培地(pH6.5)を用いた。主発酵培養
は25℃、6日間の通気攪拌培養(3器のジャーファーメン
ターの回転数はそれぞれ300rpm、400rpm、500rpm、通気
量はいずれも3リットル/分)により行った。
【0054】得られた主発酵培養液9Lから吸引ろ過によ
り菌体と上清を分離し、得られた菌体に4Lのメタノール
を加え攪拌後ろ過した。ろ液に9Lの脱イオン水を添加
し、800mlのダイアイオンHP-20カラム(三菱化学社製、
東京)に通塔した。カラムを50%メタノール水溶液3.2Lで
洗浄した後、100%メタノール3.2Lで溶出した。100%メタ
ノール溶出画分を、脱イオン水を2L添加することにより
希釈して、250mlのダイアイオンHP-20ssカラム(三菱化
学社製、東京)に通塔し、70%メタノール水溶液1L、80%
メタノール水溶液1L 、90%メタノール水溶液1L、および
100%メタノール1Lで順次溶出した。溶出液を減圧下で濃
縮し、90%メタノール水溶液溶出画分よりGKK1032A1を含
む油状物質1.8gを、100%メタノール溶出画分よりGKK103
2A2を含む油状物質2.2gをそれぞれ得た。
【0055】GKK1032A1を含む油状物質1.7gを少量のク
ロロホルムに溶解後、250mlのシリカゲルカラム(ワコー
ゲルC-200、和光純薬社製)に通塔し、95:5 クロロホル
ム/メタノールで溶出されるGKK1032A1を含む画分を集
めて減圧濃縮し、粗精製物561.9mgを得た。これを少量
の85%アセトニトリル水溶液に溶解後、200mlの逆相シリ
カゲルカラム(YMC-GEL ODS-AQ 120-S50、ワイエムシ
ィ社製)に通塔し、流速10ml/分の条件で、85%アセトニ
トリル水溶液で溶出させた。GKK1032A1を含む画分を集
め、減圧乾固後、メタノールを少量含むアセトニトリル
2mlに溶解させた。このうち、0.4mlをHPLCカラム(YMC-P
ack ODS-AM SH-343-5AM、ワイエムシィ社製)に通塔
後、流速10ml/分の条件で、70%アセトニトリル水溶液で
溶出させて、GKK1032A1を含む画分を集めた。このHPLC
を用いた精製を繰り返し行い、GKK1032A1を含む画分を
集め、溶出液を減圧乾固した。これを少量のクロロホル
ムに溶解後、16mlのシリカゲルカラム(ワコーゲルC-20
0、和光純薬社製)に通塔し、99.5:0.5 クロロホルム/
メタノールで溶出されるGKK1032A1を含む画分を集めて
減圧乾固することにより、GKK1032A1を11.5mg得た。
【0056】前述のGKK1032A2を含む油状物質2.2gのう
ち0.5gを少量の80%アセトニトリル水溶液に溶解後、200
mlの逆相シリカゲルカラム(YMC-GEL ODS-AQ 120-S5
0、ワイエムシィ社製)に通塔し、流速10ml/分の条件で8
0%アセトニトリル水溶液で溶出した。GKK1032A2を含む
画分を集め、減圧乾固後、メタノールを少量含むアセト
ニトリル1mlに溶解させた。これをHPLCカラム(YMC-Pack
ODS-AM SH-343-5AM、ワイエムシィ社製)に通塔後、
流速10ml/分の条件で、65%アセトニトリル水溶液で溶出
させた。GKK1032A2を含む画分を集めて減圧乾固し、少
量のクロロホルムに溶解後、分取用薄層クロマトグラフ
ィー板(PLC plate 20x20cm Silica gel 60F254, 0.5m
m、メルク社製)に塗布した。1:1 ヘキサン/酢酸エチル
で展開後、GKK1032A2を含むバンドを掻き取り、1:2 ヘ
キサン/酢酸エチルでこれを抽出した。シリカゲルをろ
過して除去した後、ろ液を減圧乾固することにより、GK
K1032A 2を8.2mg得た。
【0057】なお、上記工程中の化合物(I)の検出
は、シリカゲル薄層クロマトグラフィー、ついでヨウ素
発色、または253.6nmの紫外線照射法により行った。
【0058】(GKK1032A1の理化学的データ) 性状:白色の固体 融点:238-239℃ 分子量:517 分子式:C33H43NO4 FABマススペクトル:m/z ポジティブモード:518 (M+H)+ ネガティブモード:516 (M-H)- 高分解能FABマススペクトル:m/z ネガティブモード: 測定値;516.3134 (M-H)- C33H42NO4としての計算値;516.3114 比旋光度:[α]D 19 = +87°(c 0.4, CH3OH) 紫外部吸収スペクトル:λmax(CH3OH) nm(ε);209 (1
9,200), 225 (sh. 12,400)
【0059】赤外部吸収スペクトル:νmax(KBr) c
m-1; 3266, 2950, 2924, 2850, 1691, 1603, 1506, 14
59, 1371, 1222, 1164, 1111, 1096, 1058, 1008, 954,
933, 830, 752, 65013 C-NMRスペクトル (125 MHz, CDCl3):δ ppm(多重
度); 200.4 (s), 172.6(s), 159.8 (s), 146.2 (d),
138.5 (s), 133.5 (d), 131.8 (d), 130.7 (d), 127.7
(s), 124.3 (d), 118.7 (d), 112.1 (t), 93.2 (s), 9
0.6 (d), 60.9 (d),56.6 (d), 56.6 (d), 53.1 (d), 5
0.7 (d), 49.6 (q), 49.0 (t), 46.2 (t), 45.6 (t), 4
1.6 (s), 41.5 (s), 28.0 (d), 27.3 (d), 26.0 (t), 2
5.8 (q), 22.8 (q), 20.9 (q), 19.8 (q), 16.1 (q)1 H-NMRスペクトル (500 MHz, CDCl3):δ ppm(積分、
多重度、結合定数 J (Hz));7.13 (1H, dd, J=8.1, 2.
2), 6.94 (1H, dd, J=8.6, 2.4), 6.87 (1H, dd,J=8.6,
2.2), 6.81 (1H, dd, J=8.1, 2.4), 5.54 (1H, br.),
5.44 (1H, dd, J=17.6, 10.7), 4.91 (1H, br.), 4.90
(1H, dd, J=17.6, 1.0), 4.85 (1H, dd, J=10.7, 1.0),
4.24 (1H, dd, J=7.7, 4.5), 3.54 (1H, d, J=10.1),
3.26 (3H,s), 3.03 (1H, dd, J=11.8, 5.1), 2.91 (1H,
d, J=13.1), 2.86 (1H, d, J=13.1), 2.66-2.56 (2H,
m), 2.00-1.87 (4H, m), 1.87 (3H, d, J=1.1), 1.87-
1.76(2H, m), 1.19 (3H, s), 1.18 (3H, s), 1.11 (3H,
d, J=6.3), 1.08 (1H, dd,J=11.2, 7.7), 0.91 (3H,
d, J=6.2), 0.80 (1H, dd, J=12, 12), 0.63 (1H, ddd,
J=12, 12, 12) 溶解性:メタノール、クロロホルムに易溶 呈色反応:ヨウ素、硫酸に陽性 薄層クロマトグラフィー(Rf値):0.59 展開溶媒:98:2 クロロホルム/メタノール 薄層:HPTLC-Platten kieselgel 60 F254(メルク社製) 展開方法:室温、上昇法、20分 検出:硫酸発色
【0060】(GKK1032A2の理化学的データ) 性状:白色の固体 融点:147-148℃ 分子量:503 分子式:C32H41NO4 FABマススペクトル:m/z ポジティブモード:504 (M+H)+ ネガティブモード:502 (M-H)- 高分解能FABマススペクトル:m/z ポジティブモード: 測定値;504.3126 (M+H)+ C32H42NO4としての計算値;504.3114 比旋光度:[α]D 19 = +104°(c 0.2, CH3OH) 紫外部吸収スペクトル:λmax(CH3OH) nm(ε);203 (1
7,400), 226 (sh. 6,200)
【0061】赤外部吸収スペクトル:νmax(KBr) c
m-1; 3275, 2950, 2924, 2864, 1688, 1604, 1507, 14
53, 1366, 1226, 1165, 1107, 1086, 1058, 1006, 959,
924, 834, 753, 64413 C-NMRスペクトル (100 MHz, CDCl3):δ ppm(多重
度); 200.2 (s), 171.8(s), 159.8 (s), 146.3 (d),
138.5 (s), 133.3 (d), 131.5 (d), 130.7 (d), 127.9
(s), 124.4 (d), 118.8 (d), 112.0 (t), 90.7 (d), 8
8.8 (s), 60.9 (d),56.7 (d), 56.7 (d), 53.0 (d), 5
0.6 (d), 49.0 (t), 47.0 (t), 45.5 (t), 41.6 (s), 4
1.5 (s), 33.4 (t), 28.0 (d), 27.3 (d), 25.7 (q), 2
2.8 (q), 20.9 (q), 19.8 (q), 16.0 (q)1 H-NMRスペクトル (400 MHz, CDCl3):δ ppm(積分、
多重度、結合定数 J (Hz));7.14 (1H, dd, J=8.1, 2.
0), 6.96 (1H, dd, J=8.8, 2.2), 6.92 (1H, dd,J=8.8,
2.0), 6.81 (1H, dd, J=8.1, 2.2), 5.92 (1H, br.),
5.43 (1H, dd, J=17.6, 10.7), 4.91 (1H, br.), 4.89
(1H, dd, J=17.6, 1.0), 4.82 (1H, dd, J=10.7, 1.0),
4.25 (1H, dd, J=7.7, 4.4), 3.52 (1H, d, J=10.0),
3.13 (1H,dd, J=12.0, 4.6), 2.95 (1H, d, J=13), 2.9
2 (1H, d, J=13), 2.90 (1H, m),2.77 (1H, br.), 2.62
(1H, ddd, J=13.1, 10.0, 4.4), 1.99-1.86 (3H, m),
1.86 (3H, s), 1.86-1.76 (3H, m), 1.19 (3H, s), 1.1
7 (3H, s), 1.10 (3H, d,J=6.3), 1.07 (1H, dd, J=11.
0, 7.7), 0.91 (3H, d, J=6.3), 0.80 (1H, dd, J=12,
12), 0.62 (1H, ddd, J=12, 12, 12) 溶解性:メタノール、クロロホルムに易溶 呈色反応:ヨウ素、硫酸に陽性 薄層クロマトグラフィー(Rf値):0.08 展開溶媒:98:2 クロロホルム/メタノール 薄層:HPTLC-Platten kieselgel 60 F254(メルク社製) 展開方法:室温、上昇法、20分 検出:硫酸発色
【0062】実施例3: GKK1032A3 GKK1032A1 (0.5mg)を0.1%のトリフルオロ酢酸を含むエ
タノール(1ml)に溶解し、室温で12時間静置した。溶媒
を減圧留去し、残渣を少量のクロロホルムに溶解後、1m
lのシリカゲルカラム(シリカゲル60N、関東化学社製)に
通塔し、7:3 ヘキサン/酢酸エチルで溶出した。GKK103
2A3を含む画分を集めて減圧乾固することにより、GKK10
32A3 (0.3mg)を得た。 (GKK1032A3の理化学的データ) 分子量:531 分子式:C34H45NO4 FABマススペクトル:m/z ポジティブモード:532 (M+H)+ ネガティブモード:530 (M-H)- 高分解能FABマススペクトル:m/z ポジティブモード: 測定値;532.3402 (M+H)+ C34H46NO4としての計算値;532.3427
【0063】1H-NMRスペクトル (400 MHz, CDCl3):δ
ppm(積分、多重度、結合定数 J (Hz));7.13 (1H, d
d, J=8.1, 2.2), 6.95 (1H, dd, J=8.8, 2.2), 6.86 (1
H, dd,J=8.8, 2.2), 6.80 (1H, dd, J=8.1, 2.2), 5.44
(1H, dd, J=17.6, 10.7), 5.27 (1H, br.), 4.91 (1H,
br.), 4.89 (1H, dd, J=17.6, 1.1), 4.84 (1H, dd, J
=10.7, 1.1), 4.25 (1H, dd, J=7.7, 4.3), 3.56 (1H,
d, J=10.0), 3.50 (1H,dq, J=9.1, 7.0), 3.45 (1H, d
q, J=9.1, 7.0), 3.01 (1H, dd, J=12.0, 5.4),2.90 (1
H, d, J=12.9), 2.87 (1H, d, J=12.9), 2.67-2.58 (2
H, m), 1.99-1.87(4H, m), 1.87 (3H, d, J=1.5), 1.87
-1.77 (2H, m), 1.22 (3H, t, J=7.0), 1.19 (3H, s),
1.18 (3H, s), 1.12 (3H, d, J=6.4), 1.07 (1H, dd, J
=11.3, 7.7), 0.91 (3H, d, J=6.1), 0.80 (1H, dd, J=
12, 12), 0.63 (1H, ddd, J=12, 12, 12)
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌または抗腫瘍作用
を有する生理活性物質GKK1032化合物を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 17/18 C12P 17/18 C //(C12N 1/20 (C12N 1/20 A C12R 1:80) C12R 1:80) (C12P 17/18 (C12P 17/18 C C12R 1:80) C12R 1:80) (72)発明者 小川 達洋 東京都町田市旭町3丁目6番6号 協和醗 酵工業株式会社東京研究所内 (72)発明者 原 光信 静岡県駿東郡長泉町下土狩1188 協和醗酵 工業株式会社医薬総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 [式中、Xは式(II) 【化2】 または式(III) 【化3】 (式中、Rはヒドロキシまたは低級アルコキシを表す)
    で表される基を表す]で表される生理活性物質GKK1032
    化合物またはその薬理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 Xが式(II) 【化4】 で表される基である請求項1記載の生理活性物質GKK103
    2化合物またはその薬理学的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 Xが式(III) 【化5】 (式中、Rは前記と同義である)で表される基である請
    求項1記載の生理活性物質GKK1032化合物またはその薬
    理学的に許容される塩。
  4. 【請求項4】 式(Iaa) 【化6】 (式中、Rは前記と同義である)で表される生理活性物
    質GKK1032化合物またはその薬理学的に許容される塩。
  5. 【請求項5】 Rがメトキシである請求項3または4記
    載の生理活性物質GKK1032化合物またはその薬理学的に
    許容される塩。
  6. 【請求項6】 Rがヒドロキシである請求項3または4
    記載の生理活性物質GKK1032化合物またはその薬理学的
    に許容される塩。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の生理活
    性物質GKK1032化合物を生産する能力を有するペニシリ
    ウム属に属する微生物を培養し、その培養物より該生理
    活性物質を取得することを特徴とする該生理活性物質の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の生理活
    性物質GKK1032化合物を生産する能力を有するペニシリ
    ウム・スピーシーズ(Penicillium sp.)GKK1032株(F
    ERM BP−6834)を培養し、その培養物より該
    生理活性物質を取得することを特徴とする該生理活性物
    質の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載の生理活
    性物質GKK1032化合物またはその薬理学的に許容される
    塩を有効成分として含有する医薬。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれかに記載の生理
    活性物質GKK1032化合物またはその薬理学的に許容され
    る塩を有効成分として含有する抗菌剤。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6のいずれかに記載の生理
    活性物質GKK1032化合物またはその薬理学的に許容され
    る塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
  12. 【請求項12】 請求項1〜6のいずれかに記載の生理
    活性物質GKK1032化合物を生産する能力を有するペニシ
    リウム・スピーシーズ(Penicillium sp.)GKK1032株
    (FERM BP−6834)。
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