JPS64905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は運転者の腰椎部にバイブレーシヨン効
果を効果的に与えることができる自動車用シート
に関するものである。

従来提案されている自動車シート用バイブレー
タ装置には、加振体をシートバツクの頭部、中央
部又は下部に配置したものが知られている。先ず
頭部に配置したものは運転者の眠気をさそう欠点
があるばかりでなく、運転で最も疲れ易い腰部の
振動に対しては全く効果がなかつた。また中央部
又は下部に配置したものは、シート全体を振動さ
せることは出来ても、自動車用シートに腰を掛け
た場合、自動車の運転で最も疲れ易い腰部はシー
トバツクより浮き気味のため、バイブレーシヨン
効果が余り効果的に伝達されない欠点があつた。

また一般に自動車用シートのシートバツクは、
ウレタンフオーム等の弾性体の背側にスプリング
を当て、外被で被包したものが普通であり、特に
ランバーサポート装置を装着しないシートバツク
においては、腰椎部で上半身の体重の大半を支持
する構造で、腰椎部の支持は非常に少なく、前記
バイブレーシヨン効果が運転者の腰椎部に到達し
ない原因の１つになつていた。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、シートバツク内にバネで支えられ
た弾性体が配設された自動車用シートにおいて、
前記弾性体内に該弾性体よりも硬目で、かつ前記
シートの巾方向に横長平板状のクツシヨン体を埋
設し、該クツシヨン体は座乗者の腰椎部と、前記
バネを介して前記弾性体に取付けられた電動式加
振体との間の略中間に位置せしめることにより、
バイブレータ装置として使用する際には、硬目の
クツシヨン体が電動加振体の振動を吸収すること
なく、その振動を腰椎部に伝えるため、腰椎部及
びその左右近傍を強く振動できる。この場合腰椎
部から上下方向に遠ざかる程振動が弱くなるが、
腰椎部の近傍を強く振動できるため、背部全体を
振動する場合よりも最も疲れ易い腰椎部近傍に振
動が集中し、バイブレーシヨン効果を向上させる
ことができる。

また通常運転時には、硬目のクツシヨン体が腰
椎部の電動加振体との間の略中間に位置せしめて
あるので、この硬目のクツシヨン体が良好なホー
ルド感を与え、電動加振体自体による異物感は何
もない。なお、クツシヨン体の厚さ、硬さを適宜
調節すれば、腰椎部に伝えられる振動の強さを調
整でき、加振体から発せられる振動を調整しなく
てもよく、通常のシートと同等の着座感が得られ
る等の効果を奏する自動車シート用バイブレータ
装置を提供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、１は自動車用シートで、そのシートバツク２
内にはバネ３に支えられた弾性体４が装着されて
おり、これらは空間５を含めて外被６により覆わ
れている。弾性体４は一般にウレタンフオーム等
よりなる従来公知のものである。

７は座乗車８の腰椎部に相当する位置の、前記
弾性体４内に埋設してなる該弾性体４よりも硬目
のクツシヨン体で、材質は硬目の発泡体、フエル
ト、ゴム等よりなり、形状は例えば厚さ20mm程度
の横長の平板状とするのがよい。

９は加振体で、クツシヨン体７部分の弾性体４
の背側面に固定パネル１０を介して取付けられて
おり、Ｕ字形鉄板１１と、その内側に設置された
電磁石１２より構成されている。固定パネル１０
は弾性体４の反対面から貫通した図示しないボル
トに、ナツト１３を用いて該弾性体面に固定され
ており、前記加振体９はＵ字形鉄板１１を固定パ
ネル１０にネジ止するか、接着等により固定す
る。なお、図示しない電磁石１２に通電するため
の導線、スイツチ等の公知の電気回路部品は、当
然設けられているものとする。また加振体は走行
中は電源が切れ、停止すると通電されるような自
動制御装置を設けることもでき、更に手動操作装
置を単独、又は自動制御装置と併用するように設
置することもできる。

以上詳細に説明した如く本考案は、弾性体を内
包したシートバツクを有する自動車用シートにお
いて、座乗者の腰椎部に位置する前記弾性体内
に、該弾性体よりも硬目のクツシヨン体を埋設し
て腰椎部を支え、該クツシヨン体部背側の弾性体
面を支えるバネに電動式加振体を装着し、かつ該
電動加振体の裏側には空間を配し、該空間を含め
て外被にて覆われており、バイブレータ装置とし
て使用する際には、硬目のクツシヨン体が電動加
振体の振動を吸収することなく、その振動を腰椎
部に伝えるため、バイブレーシヨン効果が向上す
る。

また通常運転時には、腰椎支持部に埋設された
硬目のクツシヨン体が良好なホールド感を与える
とともに、電動加振体の裏側には空間が設けてあ
り、かつ外被のみであるため、体重がシートに加
わつても電動加振体をさえぎるものがなく、また
電動加振体はバネに装着されているため、該加振
体は極めてスムーズに空間内を後方に移動し、電
動加振体自体による異物感がなく、通常のシート
と同等の着座感が得られる。

また第３図のようにシートバツクに弾性体のみ
が設けられ、本考案のようなクツシヨン体を埋設
していないシートバツクを用いた従来に比べ、バ
イブレーシヨン効果が高く、疲労の低減を計るこ
とができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すバイブレータ装
置を装着した自動車用シートのシートバツクの１
部を切截して内部を示す斜視図、第２図は第１図
のシートバツクを断面で示す側面図、第３図は第
２図に対応して示す従来の自動車シートの１部断
面側面図である。 図の主要部分の説明、１……自動車用シート、
２……シートバツク、３……バネ、４……弾性
体、５……空間、７……クツシヨン体、８……座
乗車、９……加振体、１１……Ｕ字形鉄板、１２
……電磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツク内にバネで支えられた弾性体が配
   設された自動車用シートにおいて、前記弾性体内
   に該弾性体よりも硬目で、かつ前記シートの巾方
   向に横長平板状のクツシヨン体を埋設し、該クツ
   シヨン体は座乗者の腰椎部と、前記バネを介して
   前記弾性体に取付けられた電動式加振体との間の
   略中間に位置せしめてなることを特徴とする自動
   車用シート。