JPS648992B2 - - Google Patents

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JPS648992B2
JPS648992B2 JP61098903A JP9890386A JPS648992B2 JP S648992 B2 JPS648992 B2 JP S648992B2 JP 61098903 A JP61098903 A JP 61098903A JP 9890386 A JP9890386 A JP 9890386A JP S648992 B2 JPS648992 B2 JP S648992B2
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    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23JPROTEIN COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS; WORKING-UP PROTEINS FOR FOODSTUFFS; PHOSPHATIDE COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS
    • A23J1/00Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites
    • A23J1/04Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites from fish or other sea animals
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    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
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    • A23J1/00Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites
    • A23J1/02Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites from meat
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23JPROTEIN COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS; WORKING-UP PROTEINS FOR FOODSTUFFS; PHOSPHATIDE COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS
    • A23J3/00Working-up of proteins for foodstuffs
    • A23J3/30Working-up of proteins for foodstuffs by hydrolysis
    • A23J3/32Working-up of proteins for foodstuffs by hydrolysis using chemical agents
    • A23J3/34Working-up of proteins for foodstuffs by hydrolysis using chemical agents using enzymes
    • A23J3/341Working-up of proteins for foodstuffs by hydrolysis using chemical agents using enzymes of animal proteins

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (a) 産業上の利用分野 この発明は、呈味性の強いペプチドの製法に関
し、より詳言すれば、魚介類や、鳥獣鯨肉類中の
蛋白質を分解して得た低分子量域のペプチド、お
よび/または、そのペプチドとアミノ酸との結合
物質を主成分とし、各種加工食品、栄養食品、調
味料、医療食等へ添加することができ、かつ水産
乃至畜産物の有効利用等に貢献し得る呈味物質の
製造方法に関する。
(b) 従来の技術 肉質の主成分である蛋白質は、ペプチド結合に
よつて連なつているα−アミノ酸の高分子化合物
であつて、その分子量は一般的に5000以上とさ
れ、旨味の成分が蛋白質食品に多いことは経験則
上明らかである。
しかしながら、高分子量の状態におけるペプチ
ドでは、例えば、獲れたての魚の刺身とか牛肉の
水焚きなどを食したときに感じるように、天然蛋
白質本来の風味はあるものの旨味に乏しく、この
段階では旨味の成分が呈味されない。
そこで、旨味成分の呈味実現を求めた蛋白質の
分解方法が従来から提案され、酸又はアルカリに
よる加水分解と酵素による分解が試みられた。前
者による方法は生成塩の濃度が非常に高く利用範
囲が限定されるので詳述を割愛し、本発明が属す
る後者すなわち酵素による分解について以下に述
べる。
先ず、動物肉質の組織中及び消化器官中には各
種の酵素が存在していて、それらが蛋白質や脂肪
を自己消化分解させていくが、それらは蛋白分解
酵素としてプロテアーゼ、プロテイナーゼ、ペプ
チターゼなどが混在し、また、基質特異性の高い
ものが多く、その含有濃度や反応速度が不均一で
規則性に乏しく、そのために、分解液中の分子量
分布は高分子量のペプチドからアミノ酸レベルの
ものに至るまで広く散在し、格別なピークを示さ
ない。これは、セフアデツクスG−50を用いたゲ
ルクロマトグラフイーによる分子量推定を行なう
と、セフアデツクスG−50によるペプチド及び球
状蛋白質の分画範囲である分子量1500から30000
の全域に及ぶ広がりの溶出曲線が得られることか
らも実証されている。
蛋白質の分解が進み、アミノ酸レベルに達する
と、旨みが呈味される反面、天然蛋白質本来の風
味・コク・香気が失われるばかりでなく、いわゆ
るアミノ酸臭や或種の不快臭とか苦味、渋味が強
くあらわれる。
そこで、自己消化のみによる蛋白分解の欠点を
補う手段として、本発明者らは、先に、特公昭55
−30344号公報で示すように、自己消化分解完了
後、その自己消化分解酵素を失活させ、所望のア
ミノ酸を添加して、苦味や渋味、或種の不快臭を
消去することを提案した。
(c) 発明が解決しようとする問題点 本願発明者は、上記の周知事実から、次の推定
を試みた。
すなわち、蛋白質分解の初期における高分子量
ペプチドの段階では肉質原料の風味は生かされた
ものの旨味を引き出し得ず、、また、蛋白質分解
の末期におけるアミノ酸レベルの段階では、旨味
は引き出し得たもののその肉質本来の風味が失わ
れたばかりか、旨味をも害する特有の苦味、渋
味、或種の不快臭まで混在するに至つた。
そこで、肉質原料本来の風味を生かしながらそ
の旨味をも呈味し得る最高の美味は前記両者の中
間状態、すなわち、高分子量ペプチドとアミノ酸
レベルとの中間、つまり、200乃至3000の低分子
量域におけるペプチド結合状態の物質、とりわ
け、その物質の集中的生成にあるものと想定し
た。
その想定を達成する条件として、自己消化分解
酵素の外に別の蛋白質分解酵素を添加することを
案出し、取り敢えず、自己消化分解完了後自己消
化酵素を加熱等によつて失活させた後、新たな蛋
白分質酵素を添加する実験を試みた。
その結果、上記の添加方法では、加熱によつて
原料肉質の凝固と脱水がおこり、酵素反応に対す
る肉質の有効表面積が減少して反応効率が低く、
収量が落ちる一方、生成物の分子量分布が不均一
になり易く、更に、苦味の発生が非常に多く、旨
味調味料や食品素材としては不適当であることが
判つた。
上記の場合に、添加酵素として、比較的苦味生
成の少ないエキソ型の蛋白分解酵素(蛋白質の鎖
の端から逐次切断し、アミノ酸に分解するタイプ
の酵素)を使用しても、それでは生成アミノ酸と
長鎖の高分子蛋白質とに分れてしまい、低分子量
ペプチドの生成が少なかつた。
そこで、次の試みとして、自己消化分解酵素の
活性状態下で別の酵素を添加して、双方の相乗的
複合反応を期待した。そして、酵素の添加時期と
して、分解反応の最初、中間及び終了時の3方法
につきテストを重ねた。
(d) 問題点を解決するための手段 この発明の構成は、細粉砕した肉質の自己消化
酵素による蛋白質分解反応を進行させ、その自己
消化分解反応速度が最大値に達した時に蛋白質分
解酵素を添加して、前記双方の酵素による蛋白質
分解反応を併行させた後、前記双方の酵素を失活
させ、精製濃縮する。
更に、この発明の構成は、上記濃縮液に再び前
記自己消化酵素による反応液とアミノ酸とを添加
して反応を再開させた後、前記酵素を失活させ
る。
更に、この発明の構成は、上記精製直後の濃縮
液に、その液温を下げることなく撹拌を続けなが
ら、アミノ酸を添加して反応を再開させ、終了さ
せる。
(e) 作用 肉質原料が自己消化酵素の作用によつて分解し
始め、先ず、球状コロイド液の状態で筋繊維の間
隙を埋めている水溶性の筋形質蛋白が溶出する。
すると、筋原繊維蛋白や肉基質蛋白が露出し、そ
れらの分解反応が生じ易い状態となる。
しかしながら、前述したように、自己消化酵素
のみでは、高分子ペプチドが残り、分解をあまり
進行させ得ない肉質、例えば、前記筋原繊維蛋白
や肉基質蛋白が取り残される。
そこで、自己消化分解反応速度が最大値に達し
た時に、前述した残存肉質(高分子ペプチド)の
分解に好適する酵素を添加すれば、その添加酵素
が残存肉質に作用して、それの分解、すなわち低
分子化が進む。
かくして、自己消化酵素と添加酵素とが相互に
補完し合つて、高分子ペプチドが一様に低分子領
域のペプチドに変えられていき、生成濃縮液には
圧倒的に多くの低分子量ペプチドが発見される。
このようにして生成された濃縮液に渋味や苦味
がある場合には、その濃縮液に自己消化酵素を含
む反応液を再び作用させると同時に、結合させる
べき所望のアミノ酸を添加し結合させれば、前記
渋味と苦味が完全に除去されて呈味性が一層向上
する。
所望のアミノ酸のみを添加し結合させても前記
渋味と苦味は除去される。
(f) 実施例 イ 基本的実施例 まず、使用原料は自己消化酵素を有する生の魚
介類、獣鳥鯨肉類であれば何でもよく、これらを
採肉機、ミンチ等で処理し、肉質を分離する。こ
の分離肉質はそのまま使用してもよいが、必要で
あれば−20℃〜−50℃程度の冷気により急速凍結
し、−20℃〜−30℃で保存したのち適宜使用して
もよい。
原料肉質を粉砕処理したのち、撹拌分解槽にお
いて撹拌と分解反応がスムーズに行なわれる程度
の加水(肉質の50〜200%)をし、PHを酸性又は
微酸性(使用原料によつて異なるがPH3〜7.0)
に調整し、温度を20〜60℃、好ましくは、40〜55
℃に保ちながら撹拌を行なう。
このようにして原料肉質の自己消化分解が進行
し始めると、水溶性の筋形質蛋白が溶出し、原料
肉質の微細化、分散が促進されて槽内の原料液が
流動性を増し均一に液状化するこの分解反応初期
の条件設定は極めて重要で、原料肉中の球状コロ
イド液として筋繊維の間隙を埋めている水溶性の
筋形質蛋白が溶出したあと、筋原繊維蛋白や肉基
質蛋白がわずかに熱変性をおこし自己消化酵素や
次に添加される蛋白分解酵素の作用が受けやすく
なるそのため、温度調整は厳密に行なう必要があ
る。撹拌条件は、分解槽の形状によつても異なる
が50〜100rpmが適当で、強すぎると油脂分との
乳化が生じ、酵素分解反応を妨げる要因となり、
弱すぎると分散性が悪くなり同様に分解反応を遅
らせる要因となる。
以上の条件下で自己消化分解反応速度が最大に
達した時、すなわち、魚介類では設定条件安定後
約30分〜120分後、獣鳥鯨肉類では約40分〜180分
後、原料蛋白質の初期自己消化分解が最も盛んに
なつた時を選んで適量の蛋白質分解酵素を添加す
る。
この添加酵素は、動植物及び微生物起源のもの
で、ペプシン、レンニン、トリプシン、キモトリ
プシン、パパイン、フイシン、プロメラインなど
のほか、細菌プロテア−ゼ、糸状菌プロテアー
ゼ、放射菌プロテアーゼ等、蛋白質分解酵素であ
れば単独で又は混合して使用しうる。添加量は原
料肉類の種類及び使用酵素の種類により適宜決定
されるが、通常は0.01%〜1.0%の濃度範囲で使
用される。PHも使用酵素により最適値が決定され
るが、好ましくは中性〜酸性域が良い。また反応
温度は自己消化酵素が失活しない範囲であれば自
由に選択しうるが、通常は20〜60℃で行なう。
酵素分解は一般には1〜30時間が通常である
が、本発明による低分子量ペプチドの集中生成の
為には1〜20時間の範囲で行なうことが必要であ
る。反応時間が短かすぎたり、又逆に長時間反応
させすぎると広範囲の分子量分布のペプチドとな
つたりアミノ酸生成が多くなつたりする。従つ
て、各原料の種類によつてその蛋白質組成が異な
るため、上記の分解条件内で最も適当な分解終了
時点を予め正確に把握することが必要である。
分解反応が終了したら、直ちにPHをコントロー
ルして中性又は微酸性(PH5〜7)となつた後、
急加熱して80℃以上で10〜30分間保ち酵素を失活
させる。
加熱処理後、スクリーン、遠心分離機等によつ
て液中の不溶解物、凝固物、油脂類を機械的に分
離除去する。この分離液を濃縮処理すると、原料
肉質に由来した良好な風味と強い呈味性を有する
美味な黄褐色のペプチドを主成分とした濃縮液が
得られる。濃縮に当つては、常圧又は減圧濃縮に
よるが、高温処理時間が長くなりすぎると、ペプ
チドの熱分解が進行し、アミノ酸の生成が増えた
り、異臭が生じたりするので、濃縮処理時間は連
続的に極力短時間で、かつ沸騰状態に長時間曝さ
ないことが必要である。
かくして得られた低分子量域のペプチドを主成
分とした濃縮液は、苦味が少なく旨味の強い美味
な液状で、このまま食品、医療品素材、調味料等
に利用できるが、更に次の工程を経て、より呈味
の強い食品素材とすることができる。すなわち、
生成した低分子量のペプチドに遊離のアミノ酸を
結合させ、更に旨み、甘味の呈味性を増大ささせ
る方法である。これは、プロテアーゼ触媒で低分
子量ペプチドから蛋白質状物質を合成する反応
(プラステイン反応)の応用であるが、本発明に
おいては、特に高価なエンドペプチターゼを用い
ることなく、前述した過程途中で得られる自己消
化酵素を含む反応液を一部添加するか、あるいは
添加することなく反応条件を設定することにより
ペプチドにアミノ酸を結合せしめることができ
る。
まず、自己消化反応液を添加する場合は、前記
過程で生成したペプチド濃縮液の濃度を15〜50重
量%、好ましくは20〜40重量%とし、PHを5.0〜
7.0好ましくは6.0〜6.5とし、前記過程途中の酵素
を失活させない反応液をこれに1〜10重量%、及
び、結合させるべきアミノ酸を適量(0.1〜20重
量%)それぞれ添加し、30〜65℃で15〜120分間
保ち、次いで85℃以上に加熱し酵素を失活させ
る。工程の都合によつては、さらに低温(10〜30
℃)で長時間反応を続けることもできるが、その
際は、腐敗等を防ぐため、ペプチド濃度を高くし
ておく必要がある。
かくして自己消化酵素を利用して、低分子ペプ
チドに希望するアミノ酸を結合せしめ苦味、渋味
を完全に消去し、呈味性を著しく向上させたペプ
チド液が得られる。
次に、自己消化酵素を利用せずに呈味性を向上
させる場合には、上記方法よりペプチド濃度と反
応温度とを高く設定する必要があり、また、濃縮
処理後直ちに反応させなければならない。すなわ
ち、ペプチド濃度を15重量%以上に濃縮し、液温
を下げることなくPHを5.0〜7.0好ましくは、6.0〜
6.5の範囲とし、60〜90℃で撹拌を続け、結合さ
せるべきアミノ酸、例えば、グルタミン酸、グリ
シン、アラニン、アスパラギン酸などを0.1〜20
重量%添加し、反応を行なわせる。この場合、添
加アミノ酸がロイシンやバリンなどの疎水性アミ
ノ酸であつたりアミノ酸濃度が飽和近くなると白
濁沈殿を生ずるので、添加アミノ酸の溶解度とペ
プチド液の濃度とを充分考慮した上で添加量を設
定することが重要である。15〜120分で反応が終
了したのち、撹拌を続けながら液温を徐々に降下
させ、10〜30℃として反応の安定性をはからしめ
る。
この方法では共有結合のみならず、溶液中に存
在するペプチドやアミノ酸の濃度が高い為、これ
らの間に水素結合やイオン結合が生じていると考
えられる。かくして得られた反応液は、低分子ペ
プチドの呈味ばかりではなく、新たに結合された
アミノ酸との相乗効果により旨味が大幅に増大さ
れる。
特に、前述した過程で使用する蛋白分解酵素の
種類によつては、表面疎水性基の多いペプチドが
生ずることがあるが、グルタミン酸等、親水性の
アミノ酸を結合させることにより溶解性をも増
し、疎水性ペプチドの苦味、渋味を完全に消去さ
せ、呈味性が著しく向上する。
かくして生成された液状物質は黄褐色を呈し、
此れを濃縮すれば粘稠なエキス状となり原料肉質
の風味、味覚を保持した極めて美味なものとな
る。此の液状物質はそのまま、又は乾燥粉末化し
て広範囲な食品、調味料、医療品素材として利用
することが出来る。
ロ 具体的実施例1 新鮮なエソ(かまぼこ原料の白味魚)を水洗
後、採肉機で肉質を分離し、粉砕後10Kgを秤量し
た。これを撹拌分解層に入れ、10Kgの水を加えて
70〜80rpmで撹拌しつつ、液のPHを5.5に調節し
たのち、液温を徐々に上昇させて45〜50℃に保ち
撹拌を続けながら、60分後に液全体の流動状態が
滑らかになつた時点で、少量をサンプリングし、
反応液Aとした。
さらにPHを4.1に調節したのち、デナチーム
(市販プロテアーゼ製剤商品名)の0.1%液を加
え、45〜50℃で4時間反応させた。中和後加熱し
て沸騰状態で10分間保ち、酵素を失活させたの
ち、スクリーン遠心分離機によつて、不溶解物、
魚油等を除去し、精製分離液約16Kgを得た。続け
てこれを常圧濃縮し、25Bx濃度のペプチド液と
し、これを反応液Bとした。
反応液A及びBについて、これを遠心分離機に
よる脱脂処理及び口過処理を行なつたのち、セフ
アデツクスG−50及びG−25によるゲルクロマト
グラフイーを行なつた。分子量既知の標準ペプチ
ドの溶出位置から、分子量6500以上並びに1300以
下、その中間分子量に区分し、銅−フオリン法に
よつてペプチド定量を行なつた。
その結果、反応液Aは80%以上が分子量6500以
上の高分子ペプチドであり、セフアデツクスG−
50のゲルクロマトグラムは全体にブロードな形と
なつた。一方反応液BはセフアデツクスG−25で
分画を行なつた結果、2000〜1300付近にピークを
もつシヤープなクロマトグラムが得られ、分子量
6500以上が17%、6500〜1300が58%、1300以下が
25%となつていた。また呈味性は、反応液Aより
反応液Bの方がはるかに美味で、白身魚の風味と
味覚を変化させることなく、そのまま保持した非
常にコクのある呈味液が得られた。
ハ 具体的実施例2 具体的実施例1で得た反応液Aを100ml及び反
応液B1000mlを混合し、グルタミン酸60gを加え
て完全溶解せしめたのち、液温を約50℃に保ち液
のPHを6.0にコントロールして、30分間撹拌しな
がら反応させたのち一度、85〜90℃に加熱し、酵
素を失活させてから撹拌しつつ、ゆるやかに冷却
した。さらにスクリーンを通して不溶解物を除去
して得られた液状物質は黄褐色でやや粘稠を帯
び、アミノ酸結合前の反応液Bよりもさらに美味
で原料の白身魚肉の風味、味覚が生きた極めて濃
厚な呈味性を有していた。
ニ 具体的実施例3 廃鶏を屠殺直後、羽、皮、頭、足先、及び内蔵
を除去し、良質な骨肉部のみをミンチで粉砕処理
し、10Kgを秤量した。これを撹拌分解槽に清水15
Kgと共に投入し、約80rpmで撹拌しつつ液のPHを
5.0に調整した後、加熱して45〜50℃に保ちなが
ら、約80分間撹拌した。
液全体が均一化した滑らかな流動状態となつた
のを確認した上、PHを4.1に調節し、市販プロテ
アーゼ製剤デナチーム0.2%を水に溶解させて添
加し45〜50℃のまま5時間反応させた後、中和し
てから液温を上昇させて沸騰状態で10分間煮沸し
て酵素を失活せしめた。次に、自然放冷しつつ、
スクリーン遠心分離機等により不溶解物及び油脂
を分離して、精製分離液約19Kgを得た。
この精製分離液を常圧濃縮して、約4Kgの淡黄
褐色の透明な濃縮液とした。この濃縮液は原料鶏
肉の風味、味覚を自然のまま保持した甚だ美味な
呈味液である。この濃縮液を濃縮終了と同時にPH
6.0、液温85℃に保ち、撹拌を続けながら、アラ
ニン0.2Kgを配合し、完全溶解後、液が透明化す
るのを確認してから自然放冷して常温に下がるま
で撹拌を続けて、鶏肉の風味、味覚を生かした美
味なエキス状の濃厚な呈味物質を得た。
このエキス状物質にバインダーとしてデキスト
リン0.75Kgを加え、スプレードライヤーにかけ
て、粉末物質2.1Kgを採集した。この粉末物質は
淡黄色を呈し、極めて濃厚な呈味性を有し、これ
を熱湯に溶かして1.5%濃度の液体とすると、甚
だ美味なトリスープが出来た。
(g) 発明の効果 以上詳述したように、本発明では、肉質原料中
に存在する自己消化酵素の蛋白分解作用を生かし
ながら、その自己消化酵素ではペプチド結合を断
ち切れない種類の肉質に対して作用するように、
自己消化分解反応の途中、とりわけ、その反応速
度最大に達した時に、別の酵素を添加するので、
自己消化酵素と添加酵素とが互いに補完相乗的に
働き合つて肉質の蛋白分解が平均的に進み、各種
の高分子ペプチドが一様に低分子量域のペプチド
に変えられていき、生成された反応液中に圧倒的
に多数の低分子量ペプチドを存在せしめることに
成功し、初期の目的である風味と旨味の双方が呈
味された物質を生成することができた。
更に、その呈味物質に苦味乃至渋味が存在する
場合にも、自己消化酵素分解反応液の再添加とア
ミノ酸添加、もしくは、アミノ酸の単独添加によ
つて、そのような苦味や渋味を完全に除去し得る
から、本発明方法によつて生成された呈味物質は
極めて優れた食品添加物、調味料として利用する
ことができ、かつ、本発明に使用する肉質原料の
有効利用にも貢献することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原料となる肉質を機械的に細粉砕した後、そ
    の肉質の自己消化酵素による蛋白質分解反応を所
    望の条件にて進行させる過程と、 その自己消化分解反応速度が最大値に達した時
    に所望の種類と量の蛋白質分解酵素を添加してそ
    の添加酵素と前記自己消化酵素とによる蛋白質分
    解反応を所望の条件にて併行させる過程と、 前記双方の酵素を失活させた後、精製、濃縮す
    る過程と、 から成る低分子量ペプチドを主成分とする呈味物
    質の製法。 2 自己消化酵素による蛋白質分解反応条件の1
    つとして、肉質の50乃至200%の水を加えること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製法。 3 自己消化酵素による蛋白質分解反応条件の1
    つとして、肉質を分離槽に入れて50乃至100rpm
    の回転速度にて撹拌することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の製法。 4 自己消化酵素による蛋白質分解反応条件の1
    つとして、PHを3乃至6.5の酸性乃至弱酸性に調
    整した特許請求の範囲第1項記載の製法。 5 自己消化酵素による蛋白質分解反応条件の1
    つとして、温度を酵素が失活しない範囲、例え
    ば、20乃至60℃好ましくは40乃至55℃とした特許
    請求の範囲第1項記載の製法。 6 酵素添加時期として、肉質が魚介類の場合、
    反応条件安定後30分乃至120分後とした特許請求
    の範囲第1項記載の製法。 7 酵素添加時期として、肉質が鳥獣鯨肉類の場
    合、反応条件安定後40分乃至180分後とした特許
    請求の範囲第1項記載の製法。 8 添加される酵素として、ペプシン、レンニ
    ン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、フ
    イシン、プロメライン、細菌プロテア−ゼ、糸状
    菌プロテアーゼ、放線菌プロテアーゼ等を単独で
    または混合して使用する特許請求の範囲第1項記
    載の製法。 9 酵素の添加量として、通常0.01乃至1.0%の
    濃度範囲とした特許請求の範囲第1項記載の製
    法。 10 酵素添加後の蛋白質分解反応条件の1つと
    して、PHを中性乃至酸性に調整した特許請求の範
    囲第1項記載の製法。 11 酵素添加後の蛋白質分解反応条件の1つと
    して、温度を酵素が失活しない範囲例えば20乃至
    60℃とした特許請求の範囲第1項記載の製法。 12 酵素添加後の蛋白質分解反応条件の1つと
    して、時間を1乃至20時間の範囲とした特許請求
    の範囲第1項記載の製法。 13 酵素の失活として、PHを5乃至7の中性乃
    至弱酸性に調整した後、10乃至30分間80℃以上で
    加熱する特許請求の範囲第1項記載の製法。 14 原料となる肉質を機械的に細粉砕した後、
    その肉質の自己消化酵素による蛋白質分解反応を
    所望の条件にて進行させる第1過程と、 その自己消化分解反応速度が最大値に達した時
    に所望の種類と量の蛋白質分解酵素を添加してそ
    の添加酵素と前記自己消化酵素とによる蛋白質分
    解反応を所望の条件にて併行させる第2過程と、 前記双方の酵素を失活させた後、精製、濃縮す
    る第3過程と、 その第3過程で得られた濃縮液に、前記第1過
    程で得られる反応液と、所望のアミノ酸とをそれ
    ぞれ適量添加し、所望の条件にて反応を再開させ
    る第4過程と、 酵素を失活させる第5過程と、 から成る低分子量ペプチドを主成分とする呈味物
    質の製法。 15 濃縮液の濃度を15乃至50重量%、好ましく
    は20乃至40重量%とし、そのPHを5.0乃至7.0好ま
    しくは6.0乃至6.5に設定した特許請求の範囲第1
    4項記載の製法。 16 反応液添加の適量を0.1乃至10重量%とし
    た特許請求の範囲第14項記載の製法。 17 アミノ酸添加の適量を1乃至20重量%とし
    た特許請求の範囲第14項記載の製法。 18 再開反応条件を30乃至65℃の温度で15乃至
    120分に設定した特許請求の範囲第14項記載の
    製法。 19 原料となる肉質を機械的に細粉砕した後、
    その肉質の自己消化酵素による蛋白質分解反応を
    所望の条件にて進行させる過程と、 その自己消化分解反応速度が最大値に達した時
    に所望の種類と量の蛋白質分解酵素を添加してそ
    の添加酵素と前記自己消化酵素とによる蛋白質分
    解反応を所望の条件にて併行させる過程と、 前記双方の酵素を失活させた後、精製、濃縮す
    る過程と、 かくして得られた直後の濃縮液に、その液温を
    下げることなく撹拌を続けながら、所望のアミノ
    酸を適量添加し、所望の条件にて反応を再開し終
    了させる過程と、 から成る低分子量ペプチドを主成分とする呈味物
    質の製法。 20 濃縮液の濃度を15重量%以上に設定した特
    許請求の範囲第19項記載の製法。 21 濃縮液の温度を60乃至90℃に設定した特許
    請求の範囲第19項記載の製法。 22 濃縮液のPHを5.0乃至7.0好ましくは6.0乃至
    6.5に設定した特許請求の範囲第19項記載の製
    法。 23 添加アミノ酸濃度は原則として濃縮液の濃
    度との関連によつて設定し、その通常値を0.1乃
    至20重量%に設定した特許請求の範囲第19項記
    載の製法。 24 アミノ酸の結合反応に要する時間を15乃至
    120分に設定し、その時間経過後、撹拌を続けな
    がら液温を常温まで徐降させて終了する特許請求
    の範囲第19項記載の製法。
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