JPS648902B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は個々の配線に歪を加えないはんだなし
電気コネクタに関する。

簡単な組立作業で確実に導体接触が行えるはん
だなし電気コネクタは、絶縁を剥したり、はんだ
付けするという特に時間のかかる作業が排除され
るため広範に使用されてきている。はんだなしコ
ネクタは米国特許第3017219号、同第3573713号、
および同第3656088号に示されている。多くの場
合、特にアルミニウム製導体を使用する場合に
は、電線に加えられる機械的な歪が接点接続部を
劣化させないように、コネクタ中の電線に対して
歪が加わらないようにすることが望ましい。はん
だなし電気コネクタによつてもたらされる組立速
度の増加を完全に活用するには、電気接点接続を
行うための組立作業で同時に歪除去を有効に行う
べきである。１回の組立作業で電気接続を行い、
かつ導体の歪除去を行う周知のはんだなしコネク
タのほとんどが、２個のハウジング部分を採用し
ており、そのハウジング部分の間で、導体は組立
てられると機械的に固定され、かつ電気接続がな
される。例えば、米国特許第3576518号において
は、ハウジング部分の一方に設けられたさかとげ
状の突起が導体の絶縁に引掛かる。しかしなが
ら、そのような突起自体が、特にアルミニウムの
ように脆弱性の導体材料を使用した場合、導体の
切断原因となりかねない。代替的に、米国特許第
3936128号に示すように、導体を曲折部で固定し
ている。導体の曲折部、あるいはループ部で固定
すると、電気接触部分での歪除去はより効果的に
行える。しかしながら、米国特許第3936128号に
示す導体のように、曲折部を出来るだけ大きくし
て歪除去を出来るだけ効果的にするために、歪除
去を行う変形区画と固定区画とは電気接触部分か
らできるだけ遠くに離している。しかし、このよ
うにすると他の欠点をもたらす。特に電気接触部
分を充てん材により空気の作用から保護するよう
なコネクタの場合、入口部分における導体の運動
により充てん材を緩めたり、かつハウジングから
飛び出させる可能性がある。さらに、導体をしつ
かりと固定する際歪除去部分で導体の絶縁が損傷
したり、あるいは圧縮させられると、導体全体の
電気的強度が損われる可能性がある。さらに、特
にアルミニウムのような脆弱性の導体を有する電
線を接続する場合、導体の入口部分で電線が切断
される可能性のあることが判明した。

本発明による導体は、接続すべき電線を予備組
立位置まで導入するための案内溝が設けられた下
部ハウジング部分と、一緒に押圧することにより
下部ハウジングと共に組立てられるようにされた
上部ハウジング部とを有する。絶縁を切りさき、
ハウジング部分が共に押圧されると電線の導体と
電気接続するようスロツト付きの接点要素がハウ
ジング中に位置される。各電線に対し歪除去が行
われるが、これは、下部ハウジング部におけるく
ぼみと、上部ハウジング部における突起と、各電
線案内溝と平行で、制限された変移スリツトによ
り該溝に対して接続される固定用溝とから行われ
る。双方のハウジング部分を共に押圧すると、突
起が電線を前記溝中へ変形させ、そこで固定し、
電線の一部が前記の制限された変移スリツトへ圧
入される。

本発明によるコネクタは電線の引張りおよびね
じれ応力に対して極めて高度の抵抗性を提供す
る。これは、固定部分において、導体が二重溝に
対して鋭角で該溝の制限変移スリツトを通るとい
う事実に起因する。導体に引張力が加えられる
と、導体は長い長さにわたつて前記の制限変移ス
リツトへ圧入されることによつて、前記の鋭角を
減少させ電線をさらにしつかりとスリツト中へ圧
入する。その結果、電線の長い長さの絶縁部にわ
たつて引張力が分配され、電線の抑制は少なくな
りこそすれ、多くなることはない。そのため、ア
ルミニウムのような軟質の導体材料でさえも、電
線の切断が防止される。

本発明による電気コネクタは電気絶縁材で成型
した下部ハウジング部１を有し、その中に接続す
べき絶縁非剥離の電線を予備組立位置へ挿入する
ための案内部が設けられている。図示コネクタは
２本の電線を接続するために構成したものである
から、並置した２個の案内部３と５とを有してい
る。第１図は予備組立位置まで案内部３に挿入さ
れた電線７を示しており、その予備組立位置にお
いて、電線７の端部は下部ハウジング部１の内側
壁９に当接している。

上部ハウジング部１１（第３図）は肩部１５ま
で、下部ハウジング部１の頂部にあるわづかにテ
ーパのついた円形開口１３中へ嵌入するように形
成されている。下部ハウジング部１の側壁の溝１
７と、上部ハウジング部１１の対応した突起１９
とから構成される相互係合の整合手段によつて、
双方のハウジング部の適正な方向性が保証され
る。上部ハウジング部１１は電気接続用スロツト
３１と３３とが形成された金属接点要素２３を含
み、該接点要素はハウジング部１と１１とが共に
押圧されると、挿入されている電線７の絶縁２５
を切断し、導体２９に接触し、電気接続を行う。
上部ハウジング部の主要部分は電気絶縁材から成
型されており、その絶縁材中に金属接点要素２３
が圧入されて保持されている。

コネクタは下部ハウジング部１に設けられた電
線変形区画３５を含め、各電線に対して歪除去を
行つており、そのために前記変形区画にはくぼみ
３７が設けられ、上部ハウジング部１１には電線
変形用突起３９が設けられている。各ハウジング
部分１と１１とが組立てられると、前記突起３９
が電線７を前記くぼみ３７中へ変形させ、そこで
固定する。第３図には、他方の案内部５と協働す
る第２の突起４１が、導体接続スロツト３３の形
状を完全に示すために一部破断して示されてい
る。

変形区画３５におけるくぼみ３５は丸味のつい
たせり上り部４３に沿つて導体接続区画２７に設
けられた電線支持面４５に連つている。この支持
面４５は、電線案内部３の一部を形成し、電線７
を導くのに適した断面形状の電線導入溝４７と整
合している。電線固定用溝４９が各電線導入溝４
７の下方で、かつ平行に延びており、制限された
変移スリツト５１により前記導入溝に連つてい
る。このように、電線導入溝４７と、固定溝４９
と、それらを相互に接続する変移スリツト５１と
が一緒になつて、その周囲で外方に向かつて閉鎖
される二重溝４７，４９を形成する。前記変移ス
リツトと、固定溝４９の断面とは、双方のハウジ
ング部が組立てられると、挿入された電線７が上
部ハウジング部１１の関連突起３９によつて、前
記変移スリツト５１中へ少なくとも部分的に圧入
され、その中で固定されるようにする寸法とされ
ている。この状態を第４図に示す。図から判るよ
うに、変形かつ固定区画３５は前記二重溝４７，
４９の内部開放区画に配置されており、二重溝の
その外部開放区画５２に至る部分は、電線の固定
区画３５における過度の運動を阻止する比較的長
い保護部分を形成している。電線７がその中へ圧
入変形されるくぼみ３７はコネクタの内部にある
ので、電線固定区画３５において電線の絶縁２５
が損傷したとしても、完全な機械的な被覆ならび
に電気絶縁が得られる。さらに、電線７がコネク
タの外部で振動、ないし運動したとしても、コネ
クタの内部で運動し電気接続を保護している充て
ん材をゆるめたりするようなことはない。

第４図から判るように、電線７はその変形固定
区画３５から変移スリツト５１を通り、鋭角で二
重溝の方向５５へ延びている。最初に、（第４図
の矢印５７の方向に）引張力が電線７に加えられ
るとすれば、前記鋭角５３が減少し、電線７はよ
り長い長さにわたつて固定用変移スリツト５１中
へ圧入される。その結果、電線の絶縁が弾力的に
部分的に変形し、加えられた引張力が導体２９を
損傷させる曲げを発生させることなく、絶縁に沿
つて分布される。

図示実施例においては、二重溝４７，４９は下
部ハウジングの突出部５９内で外方に延びてい
る。電線案内部３と５とは前記ハウジングの突出
部５９内で並置し、分離壁６１（第２図参照）に
よつて分離されている。二重溝４７，４９はハウ
ジング内部の面６３（第１図と第４図とを参照）
から内方に開放している。そのため、下部ハウジ
ング部１の内部全体が電線の接触区画２７、なら
びに変形固定区画３５用に利用できる。

一般的に、固定溝４９の直径は導入溝４７の直
径の約0.4から0.7、好ましくは約0.5から0.6倍で
ある。導入溝４７の断面を略埋める寸法の電線を
使用すれば、電線に引張力が加えられた場合、電
線を固定溝４９へ完全に嵌入する上での安全上の
余裕を提供する。しかしながら、他方、電線が変
移スロツト５１にしつかりと固定されている限り
は、軟く完全に固定溝に嵌入されていなければ具
合が悪いということは必ずしもない。変移断面の
スリツト５１の幅は導入溝４７の直径の約0.2か
ら0.4、好ましくは約0.25から0.35倍である。これ
らの値は、導入溝４７の断面を略埋める寸法で、
導体と絶縁との間の一般的な厚さ比率の電線に実
施する場合有用である。一般的に、固定スリツト
の幅を接続すべき電線の導体の直径と概ね等しい
ように選定すれば、電線の固定作用とコネクタの
寸法の最小化との良好な組合わせが得られる。

二重溝４７，４９の長さは導入溝４７の直径の
少なくとも２倍が好ましい。そのことによつて、
電線の変形固定区画３５から、十分な長さの電線
７が案内部３中を延びることになり、導体を損傷
させるかもしれない鋭角で電線が曲折しないこと
を保証する。

ハウジングは、高度の機械的電気的強度と、高
度の粘性と、十分なる弾力性とを併せ持つポリカ
ーボネートで成型することが好ましい。接点要素
は一般的なベリリウム銅からつくればよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によつて構成し、電線を中に挿
入した状態でのコネクタの下部ハウジング部の長
手方向断面図（第２図の線−に沿つた断
面）；第２図は第１図の矢視＃方向の端面図；第
３図は第２図で示す方向に下部ハウジング部に嵌
入するよう構成された上部ハウジング部の側面
図；第４図は電線が接続され、歪除去されて組立
てられたコネクタの側面図で、下部ハウジング部
は第１図と同じ断面で示す。 図において、１……下部ハウジング部、３，４
……案内部、７……電線、１１……上部ハウジン
グ部、１３……開口、１７……溝、１９……突
起、２３……接点要素、２５……絶縁、２７……
導体接続区画、２９……導体、３１，３３……ス
ロツト、３５……電線変形区画、３７……くぼ
み、３９，４１……変形用突起、４７……電線導
入溝、４９……固定用溝、５１……スリツト、５
７……引張方向。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 接続すべき電線７を予備組立位置へ導入する
   ための案内部３，５が設けられている下部ハウジ
   ング部１と、双方のハウジング部を共に押圧する
   ことにより前記下部ハウジング部１と共に組立て
   られるようにされ、前記ハウジング部１，１１が
   共に押圧されると絶縁２５を切断し、導入されて
   いる電線７と電気接続するスロツト付きの接点要
   素２３を含む上部ハウジング部１１と、前記下部
   ハウジング部１にあるくぼみ３７を含み、前記上
   部ハウジング部１１の突起３９が電線を前記くぼ
   み３７中へ変形させ、双方のハウジング部１，１
   １が相互に押圧されると導体をしつかりと保持す
   る個々の導体用の歪除去区画３５とを含む、予め
   剥離されていない電線用の電気コネクタにおい
   て、 前記くぼみ３７がコネクタの内部にあり、前記
   電線案内部３，５は各々下部ハウジング部１にお
   いて二重溝４７，４９よりなり、該二重溝４７，
   ４９は接続区画２７と整合し、電線７を導入する
   のに適した断面を有する上部導入溝４７と該溝４
   ７の下方で平行の、断面がより小さい固定溝４９
   とを含み、該固定溝４９は、制限された変移スリ
   ツト５１により前記導入溝４７に接続されてお
   り、前記変移スリツト５１と前記固定溝４９との
   断面は、前記ハウジング部１，１１が組立てられ
   ると、電線７の一部が二重溝４７，４９の内部開
   放区画において、上部ハウジング部１１の突起３
   ９によつて前記変移スリツト５１中へ、かつイン
   を通つて圧入されるような寸法にされていること
   を特徴とする電気コネクタ。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載のコネクタにお
   いて、前記固定用溝４９の直径が前記導入溝４７
   の直径の約0.4から0.7倍であることを特徴とする
   電気コネクタ。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載のコネクタにお
   いて、前記固定用溝４９の断面が導体の芯２９の
   断面に略等しいことを特徴とする電気コネクタ。 ４ 特許請求の範囲第１項、第２項、または第３
   項のいづれか１項に記載のコネクタにおいて、前
   記変移スリツト５１の幅が前記導入溝４７の直径
   の約0.2から0.4倍であることを特徴とする電気コ
   ネクタ。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載のコネクタにお
   いて、前記二重溝４７，４９の長さが導入溝４７
   の直径の少なくとも２倍であることを特徴とする
   電気コネクタ。 ６ 特許請求の範囲第４項に記載のコネクタにお
   いて、前記固定用溝４９が前記くぼみ３７の最深
   の区画へ開放していることを特徴とする電気コネ
   クタ。