JPS648596B2 - - Google Patents
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- JPS648596B2 JPS648596B2 JP8145284A JP8145284A JPS648596B2 JP S648596 B2 JPS648596 B2 JP S648596B2 JP 8145284 A JP8145284 A JP 8145284A JP 8145284 A JP8145284 A JP 8145284A JP S648596 B2 JPS648596 B2 JP S648596B2
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- Removal Of Specific Substances (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の利用分野〕
本発明は接触晶析脱リン法の制御方法及び制御
装置に関し、特に脱リン処理を行なうべきリン酸
イオン含有排水に対し、前処理としてpH値調整
及びカルシウムイオン濃度調整のための溶液を供
給する制御方法及び制御装置に関する。
装置に関し、特に脱リン処理を行なうべきリン酸
イオン含有排水に対し、前処理としてpH値調整
及びカルシウムイオン濃度調整のための溶液を供
給する制御方法及び制御装置に関する。
接触晶析脱リン法は、脱リン処理を行なうべき
リン酸イオン含有排水に対し、pH値調整及びカ
ルシウムイオン濃度調整の前処理をした後、リン
酸イオン濃度とpH値との関係における準安定領
域下においてヒドロオキシアパタイト結晶の種結
晶にこの排水を接触させることにより結晶を成
長、晶析させて除去する方法である。そして、処
理すべき排水中にはカルシウムイオンCa2+と水
酸化イオンOH-の存在が必要であり、これらの
イオンを排水中に適量添加することによつてヒド
ロオキシアパタイト結晶の種結晶表面にヒドロオ
キシアパタイト〔Ca5(OH)(PO4)3〕の結晶の成
長、晶析が加速される。この場合の反応式は次の
ように示される。
リン酸イオン含有排水に対し、pH値調整及びカ
ルシウムイオン濃度調整の前処理をした後、リン
酸イオン濃度とpH値との関係における準安定領
域下においてヒドロオキシアパタイト結晶の種結
晶にこの排水を接触させることにより結晶を成
長、晶析させて除去する方法である。そして、処
理すべき排水中にはカルシウムイオンCa2+と水
酸化イオンOH-の存在が必要であり、これらの
イオンを排水中に適量添加することによつてヒド
ロオキシアパタイト結晶の種結晶表面にヒドロオ
キシアパタイト〔Ca5(OH)(PO4)3〕の結晶の成
長、晶析が加速される。この場合の反応式は次の
ように示される。
3PO4 3-+5Ca2++OH-→Ca5(OH)(PO4)3
……(1) 又、第1図に排水中のpH値と排水中のリン酸
イオンPO4 3-濃度との関係を示す。この第1図か
ら明らかなようにpH値とリン酸イオン濃度によ
りヒドロオキシアパタイトの状態は次の3つの領
域に分けられる。即ち、(1)安定域(図中A)…結
晶は生成されずCa2+,PO4 3-,OH-がイオン状態
で存在する領域である。(2)準安定域(図中B)…
そのままではヒドロオキシアパタイト結晶はでき
ないが、種結晶があればその表面に結晶が析出す
る領域である。(3)不安定域(図中C)…種結晶が
なくても結晶が生ずる領域である。なお、この第
1図中1は過溶解度曲線、2は溶解度曲線であ
る。汚泥を発生させることなく排水中のリン酸イ
オンをヒドロオキシアパタイト結晶として実用に
耐える速度まで除去するためには、第1図に示す
準安定域B内でしかも過溶解度曲線1に近い範
囲、即ち最適操作範囲3を選定することが必要で
ある。
……(1) 又、第1図に排水中のpH値と排水中のリン酸
イオンPO4 3-濃度との関係を示す。この第1図か
ら明らかなようにpH値とリン酸イオン濃度によ
りヒドロオキシアパタイトの状態は次の3つの領
域に分けられる。即ち、(1)安定域(図中A)…結
晶は生成されずCa2+,PO4 3-,OH-がイオン状態
で存在する領域である。(2)準安定域(図中B)…
そのままではヒドロオキシアパタイト結晶はでき
ないが、種結晶があればその表面に結晶が析出す
る領域である。(3)不安定域(図中C)…種結晶が
なくても結晶が生ずる領域である。なお、この第
1図中1は過溶解度曲線、2は溶解度曲線であ
る。汚泥を発生させることなく排水中のリン酸イ
オンをヒドロオキシアパタイト結晶として実用に
耐える速度まで除去するためには、第1図に示す
準安定域B内でしかも過溶解度曲線1に近い範
囲、即ち最適操作範囲3を選定することが必要で
ある。
第2図は接触晶析脱リン法の一般的な処理フロ
ーを示す。この図において、脱リン処理を行なう
べき排水4にpH値調整工程5で硫酸5′を添加し
pH値を3〜4に調整する。次に脱炭酸工程6で
排水中に空気6′を吹込んで遊離した炭酸をスト
リツプさせる。pH−Ca調整工程7ではpH調整
のための溶液7′及びカルシウムイオン濃度調整
のための溶液7″を添加することにより排水を前
記第1図に示す最適操作範囲3の状態に調整す
る。次に、砂ろ過工程8で排水中からヒドロオキ
シアパタイト結晶の晶析作用を阻害する炭酸カル
シウムを除去する。晶析工程9で晶析脱リン材で
あるヒドロオキシアパタイト結晶の種結晶を投入
して晶析脱リンを行ない処理水10を放流する。
尚、ここで使用される晶析脱リン材は必ずしもヒ
ドロオキシアパタイト結晶の種結晶には限らず他
の種類の晶析脱リン材を使用することもできる。
そしてこの他の種類の晶析脱リン材によつては
pH調整工程5及び脱炭酸工程6を省略すること
ができる。
ーを示す。この図において、脱リン処理を行なう
べき排水4にpH値調整工程5で硫酸5′を添加し
pH値を3〜4に調整する。次に脱炭酸工程6で
排水中に空気6′を吹込んで遊離した炭酸をスト
リツプさせる。pH−Ca調整工程7ではpH調整
のための溶液7′及びカルシウムイオン濃度調整
のための溶液7″を添加することにより排水を前
記第1図に示す最適操作範囲3の状態に調整す
る。次に、砂ろ過工程8で排水中からヒドロオキ
シアパタイト結晶の晶析作用を阻害する炭酸カル
シウムを除去する。晶析工程9で晶析脱リン材で
あるヒドロオキシアパタイト結晶の種結晶を投入
して晶析脱リンを行ない処理水10を放流する。
尚、ここで使用される晶析脱リン材は必ずしもヒ
ドロオキシアパタイト結晶の種結晶には限らず他
の種類の晶析脱リン材を使用することもできる。
そしてこの他の種類の晶析脱リン材によつては
pH調整工程5及び脱炭酸工程6を省略すること
ができる。
第3図は、排水のpH値を一定(8.5)としたと
きのリン酸イオン濃度に対し最適な晶析反応を起
すカルシウムイオン濃度を表わす操作曲線を示
す。この操作曲線は異なるpH値によつて異なる
ものが存在する。従来の接触晶析脱リン法におい
ては、排水中のpH値を一定(例えばpH=8.5)
とし前記操作曲線を一本のみ設定していた。そし
て排水中のリン酸イオン濃度を測定し、操作曲線
上において必要なカルシウムイオン濃度の値を求
め、この値を設定値としてカルシウムイオン濃度
調整のための溶液を注入していた。
きのリン酸イオン濃度に対し最適な晶析反応を起
すカルシウムイオン濃度を表わす操作曲線を示
す。この操作曲線は異なるpH値によつて異なる
ものが存在する。従来の接触晶析脱リン法におい
ては、排水中のpH値を一定(例えばpH=8.5)
とし前記操作曲線を一本のみ設定していた。そし
て排水中のリン酸イオン濃度を測定し、操作曲線
上において必要なカルシウムイオン濃度の値を求
め、この値を設定値としてカルシウムイオン濃度
調整のための溶液を注入していた。
しかしながら、このような従来の接触晶析脱リ
ン法においては、排水中のリン酸イオン濃度に対
して必要なカルシウムイオン濃度の範囲が広く、
特にリン酸イオン濃度の低い部分においてはリン
酸イオン濃度の変動に伴うカルシウムイオン濃度
調整のための溶液の注入量の変動が大きい。カル
シウムイオン濃度調整のための溶液の注入量は、
一般にこの溶液の注入を行なうポンプの回転数な
どにより制御されているが、 (1) カルシウムイオン濃度調整溶液の注入ポンプ
による吐出量を広範囲に亘り迅速に制御するこ
とは実際には極めて困難であつた。
ン法においては、排水中のリン酸イオン濃度に対
して必要なカルシウムイオン濃度の範囲が広く、
特にリン酸イオン濃度の低い部分においてはリン
酸イオン濃度の変動に伴うカルシウムイオン濃度
調整のための溶液の注入量の変動が大きい。カル
シウムイオン濃度調整のための溶液の注入量は、
一般にこの溶液の注入を行なうポンプの回転数な
どにより制御されているが、 (1) カルシウムイオン濃度調整溶液の注入ポンプ
による吐出量を広範囲に亘り迅速に制御するこ
とは実際には極めて困難であつた。
(2) 又、リン酸イオン濃度とpH値によつては、
必要とするカルシウムの量が多くなりすぎ不経
済であつた。そして、このリン酸イオン濃度と
pH値は刻々と変化し種々の値を取り得るもの
であり、従来の方法では対処が困難であつた。
必要とするカルシウムの量が多くなりすぎ不経
済であつた。そして、このリン酸イオン濃度と
pH値は刻々と変化し種々の値を取り得るもの
であり、従来の方法では対処が困難であつた。
〔発明の概要〕
(1) 本発明は、従来一本のみ設定していた操作曲
線を、複数の異なるpH値によつて複数本設定
しリン酸イオン濃度にしたがつて使い分けるこ
とにより、前記問題点を解決するものである。
即ち、一定のpH値においてリン酸イオン濃度
に対し最適な晶析反応を起こすカルシウムイオ
ン濃度の操作曲線を、複数の異なるpH値によ
つて複数本設定し、リン酸イオン濃度によつて
各操作曲線のうち一本を採用し、必要なカルシ
ウムイオン濃度が所定の範囲外になる時は他の
操作曲線を採用することにより必要なカルシウ
ムイオン濃度を所定の範囲内におさめるもので
ある。
線を、複数の異なるpH値によつて複数本設定
しリン酸イオン濃度にしたがつて使い分けるこ
とにより、前記問題点を解決するものである。
即ち、一定のpH値においてリン酸イオン濃度
に対し最適な晶析反応を起こすカルシウムイオ
ン濃度の操作曲線を、複数の異なるpH値によ
つて複数本設定し、リン酸イオン濃度によつて
各操作曲線のうち一本を採用し、必要なカルシ
ウムイオン濃度が所定の範囲外になる時は他の
操作曲線を採用することにより必要なカルシウ
ムイオン濃度を所定の範囲内におさめるもので
ある。
(2) pH値調整及びカルシウムイオン濃度調整の
ために調整槽内に投入される薬品の投入には
種々の手段が考えられるが、本出願の第2発明
はpH値調整及びカルシウムイオン濃度調整の
ための溶液を注入ポンプにより調整槽内に注入
し投入するものである。又、複数本設定された
操作曲線のうちから一本を採用する手段も自動
制御によるものとした。即ち、 リン酸イオン含有排水を導いて前処理を行な
う調整槽内にリン酸イオン濃度測定器、pH値
測定器、カルシウムイオン濃度測定器を設け、
一定のpH値においてリン酸イオン濃度に対し
最適な晶析反応を起こすカルシウムイオン濃度
の操作曲線を、複数の異なるpH値によつて複
数本設定し、リン酸イオン濃度によつて各操作
曲線のうち一本を採用し、前記カルシウムイオ
ン濃度が所定の範囲外になるときは他のpH値
による操作曲線を採用する演算器を設け、この
演算器により求めたpH値を目標値として前記
pH調整溶液の注入ポンプに指令を出し、又、
演算器により求めたカルシウムイオン濃度を目
標値として前記カルシウムイオン濃度調整溶液
の注入ポンプに指令を出す制御器を設けたもの
である。
ために調整槽内に投入される薬品の投入には
種々の手段が考えられるが、本出願の第2発明
はpH値調整及びカルシウムイオン濃度調整の
ための溶液を注入ポンプにより調整槽内に注入
し投入するものである。又、複数本設定された
操作曲線のうちから一本を採用する手段も自動
制御によるものとした。即ち、 リン酸イオン含有排水を導いて前処理を行な
う調整槽内にリン酸イオン濃度測定器、pH値
測定器、カルシウムイオン濃度測定器を設け、
一定のpH値においてリン酸イオン濃度に対し
最適な晶析反応を起こすカルシウムイオン濃度
の操作曲線を、複数の異なるpH値によつて複
数本設定し、リン酸イオン濃度によつて各操作
曲線のうち一本を採用し、前記カルシウムイオ
ン濃度が所定の範囲外になるときは他のpH値
による操作曲線を採用する演算器を設け、この
演算器により求めたpH値を目標値として前記
pH調整溶液の注入ポンプに指令を出し、又、
演算器により求めたカルシウムイオン濃度を目
標値として前記カルシウムイオン濃度調整溶液
の注入ポンプに指令を出す制御器を設けたもの
である。
本発明の実施例を第4図及び第5図において説
明する。第4図においては3本の操作曲線11,
12,13が設定されている。それぞれpH=
8.5、pH=8.8、pH=9.0におけるリン酸イオン濃
度に対し最適な晶析反応を起こすカルシウムイオ
ン濃度を示す操作曲線である。この第4図のグラ
フ目盛はセミ対数表示となつており、リン酸イオ
ン濃度の低い領域においては必要なカルシウムイ
オン濃度が急激に増加する。例えば第1操作曲線
を11採用した場合にリン酸イオン濃度が5(mg/
)においては、必要なカルシウムイオン濃度は
50(mg/)であるが、リン酸イオン濃度が1.5
(mg/)では必要なカルシウムイオン濃度は
160(mg/)と急激に増加してしまう。この場
合、操作曲線を第1操作曲線(pH=8.5)から第
3操作曲線(pH=9.0)に変更した場合を考え
る。この変更に必要なアルカリ液(NaOH)の
注入量の増加と本来ならば増加すべきカルシウム
イオン濃度調整溶液の減少量を総合的に考慮する
と、リン酸イオン濃度1.5(mg/)付近では第
3操作曲線を採用する方が薬品使用に伴なうラン
ニングコストは安く、リン酸濃度5(mg/)付
近では第1操作曲線を採用した方が安くなる。従
つて本実施例においては、pH値調整及びカルシ
ウムイオン濃度調整のための溶液使用に伴なうラ
ンニングコストができるだけ安くなるように、3
本の操作曲線11,12,13を設定してリン酸
イオン濃度に従つて各操作曲線のうち1本を採用
する。即ち、リン酸イオン濃度が大きいうちは第
1操作曲線11を採用し、小さくなるにしたがい
第2及び第3操作曲線12,13と変更する。第
4図において太い実線は以上の考え方を元に設定
した、新らしい操作曲線である。
明する。第4図においては3本の操作曲線11,
12,13が設定されている。それぞれpH=
8.5、pH=8.8、pH=9.0におけるリン酸イオン濃
度に対し最適な晶析反応を起こすカルシウムイオ
ン濃度を示す操作曲線である。この第4図のグラ
フ目盛はセミ対数表示となつており、リン酸イオ
ン濃度の低い領域においては必要なカルシウムイ
オン濃度が急激に増加する。例えば第1操作曲線
を11採用した場合にリン酸イオン濃度が5(mg/
)においては、必要なカルシウムイオン濃度は
50(mg/)であるが、リン酸イオン濃度が1.5
(mg/)では必要なカルシウムイオン濃度は
160(mg/)と急激に増加してしまう。この場
合、操作曲線を第1操作曲線(pH=8.5)から第
3操作曲線(pH=9.0)に変更した場合を考え
る。この変更に必要なアルカリ液(NaOH)の
注入量の増加と本来ならば増加すべきカルシウム
イオン濃度調整溶液の減少量を総合的に考慮する
と、リン酸イオン濃度1.5(mg/)付近では第
3操作曲線を採用する方が薬品使用に伴なうラン
ニングコストは安く、リン酸濃度5(mg/)付
近では第1操作曲線を採用した方が安くなる。従
つて本実施例においては、pH値調整及びカルシ
ウムイオン濃度調整のための溶液使用に伴なうラ
ンニングコストができるだけ安くなるように、3
本の操作曲線11,12,13を設定してリン酸
イオン濃度に従つて各操作曲線のうち1本を採用
する。即ち、リン酸イオン濃度が大きいうちは第
1操作曲線11を採用し、小さくなるにしたがい
第2及び第3操作曲線12,13と変更する。第
4図において太い実線は以上の考え方を元に設定
した、新らしい操作曲線である。
この新らしい操作曲線について、さらに詳しく
説明する。排水中の処理後における目標リン酸イ
オン濃度を0.5(mg/)とした時、排水中のリ
ン酸イオン濃度が0.5(mg/)以下なら処理を
行なう必要がないためカルシウムイオン濃度調整
及びpH値調整のための溶液の注入は行なわない。
排水中のリン酸イオン濃度が0.5〜1.5(mg/)
の間では、さほどリン酸イオン濃度を下げる必要
がないため、pH値はそのままにしてカルシウム
イオン濃度は一定の60(mg/)とする。さらに
リン酸イオン濃度が1.5〜2.0(mg/)の間では
第3操作曲線を採用し、pH値はpH=9.0として
必要なカルシウムイオン濃度を求める。リン酸イ
オン濃度が2.0〜3.5(mg/)の間では第2操作
曲線を採用し、pH値をpH=8.8とし必要なカル
シウムイオン濃度を求める。リン酸イオン濃度が
3.5(mg/)以上では第1操作曲線を採用し、
pHはpH=8.5とし必要なカルシウムイオン濃度
を求める。尚この第4図における操作曲線は排水
の温度が20℃の場合であり夜間に排水温度が低下
した場合等には操作曲線は変化する。従つて排水
の温度が変化する場合には、その変化した温度に
おける操作曲線(pH=8.5,8.8,9.0)を予め設
定しておき温度に従つて使い分ける必要がある。
説明する。排水中の処理後における目標リン酸イ
オン濃度を0.5(mg/)とした時、排水中のリ
ン酸イオン濃度が0.5(mg/)以下なら処理を
行なう必要がないためカルシウムイオン濃度調整
及びpH値調整のための溶液の注入は行なわない。
排水中のリン酸イオン濃度が0.5〜1.5(mg/)
の間では、さほどリン酸イオン濃度を下げる必要
がないため、pH値はそのままにしてカルシウム
イオン濃度は一定の60(mg/)とする。さらに
リン酸イオン濃度が1.5〜2.0(mg/)の間では
第3操作曲線を採用し、pH値はpH=9.0として
必要なカルシウムイオン濃度を求める。リン酸イ
オン濃度が2.0〜3.5(mg/)の間では第2操作
曲線を採用し、pH値をpH=8.8とし必要なカル
シウムイオン濃度を求める。リン酸イオン濃度が
3.5(mg/)以上では第1操作曲線を採用し、
pHはpH=8.5とし必要なカルシウムイオン濃度
を求める。尚この第4図における操作曲線は排水
の温度が20℃の場合であり夜間に排水温度が低下
した場合等には操作曲線は変化する。従つて排水
の温度が変化する場合には、その変化した温度に
おける操作曲線(pH=8.5,8.8,9.0)を予め設
定しておき温度に従つて使い分ける必要がある。
第5図は本発明の接触晶析脱リン法の制御装置
の実施例を示すフロー図である。脱炭酸処理され
た排水20は調整槽21に導かれる。調整槽21
内にはリン酸イオン濃度測定器22、pH値測定
器23及びカルシウムイオン濃度測定器24さら
には温度計25が設けられている。温度計25に
よつて排水20の温度が測定され、この温度に応
じた3本の操作曲線が設定される。尚、この3本
の操作曲線は前記第4図で説明したと同様にpH
値がpH=8.5、8.8、9.0のものとする。次にリン
酸イオン濃度測定器22によつてリン酸イオン濃
度が測定され、演算器26によつて、3本の操作
曲線のうちから1本の操作曲線が採用される。こ
の操作曲線によつて求められた必要なカルシウム
イオン濃度が目標値信号として信号比較器27に
出力される。この信号比較器27にはカルシウム
イオン濃度測定器24からのカルシウムイオン濃
度の信号も出力される。その後、比例積分制御器
28に出力され、この比例積分制御器28からは
注入ポンプ29へ信号が出力されカルシウム溶液
がカルシウム溶液貯槽30から調整槽21に注入
される。又同様に、演算器26により求められた
必要なpH値は目標値信号として信号比較器31
に出力されpH値測定器23からの信号と比較さ
れた後、比例積分制御器32に送られる。この比
例積分制御器32から出された信号により注入ポ
ンプ33が働いてアルカリ溶液貯槽34からアル
カリ溶液が調整槽21に注入される。尚、これら
注入されたpH値調整のための溶液(アルカリ溶
液)とカルシウムイオン濃度調整のための溶液
(カルシウムイオン溶液)は調整槽21内におい
て撹拌器35により撹拌される。その後、排水2
0は砂ろ過ポンプ36によつて砂ろ過工程へ送ら
れる。
の実施例を示すフロー図である。脱炭酸処理され
た排水20は調整槽21に導かれる。調整槽21
内にはリン酸イオン濃度測定器22、pH値測定
器23及びカルシウムイオン濃度測定器24さら
には温度計25が設けられている。温度計25に
よつて排水20の温度が測定され、この温度に応
じた3本の操作曲線が設定される。尚、この3本
の操作曲線は前記第4図で説明したと同様にpH
値がpH=8.5、8.8、9.0のものとする。次にリン
酸イオン濃度測定器22によつてリン酸イオン濃
度が測定され、演算器26によつて、3本の操作
曲線のうちから1本の操作曲線が採用される。こ
の操作曲線によつて求められた必要なカルシウム
イオン濃度が目標値信号として信号比較器27に
出力される。この信号比較器27にはカルシウム
イオン濃度測定器24からのカルシウムイオン濃
度の信号も出力される。その後、比例積分制御器
28に出力され、この比例積分制御器28からは
注入ポンプ29へ信号が出力されカルシウム溶液
がカルシウム溶液貯槽30から調整槽21に注入
される。又同様に、演算器26により求められた
必要なpH値は目標値信号として信号比較器31
に出力されpH値測定器23からの信号と比較さ
れた後、比例積分制御器32に送られる。この比
例積分制御器32から出された信号により注入ポ
ンプ33が働いてアルカリ溶液貯槽34からアル
カリ溶液が調整槽21に注入される。尚、これら
注入されたpH値調整のための溶液(アルカリ溶
液)とカルシウムイオン濃度調整のための溶液
(カルシウムイオン溶液)は調整槽21内におい
て撹拌器35により撹拌される。その後、排水2
0は砂ろ過ポンプ36によつて砂ろ過工程へ送ら
れる。
本発明の接触晶析脱リン法の制御方法及び制御
装置によれば、脱リン処理を行なうべきリン酸イ
オン含有排水に対しなされる前処理において、必
要とされるカルシウムイオン濃度を所定の範囲に
収めることができる。このため、ポンプによつて
注入されるカルシウムイオン濃度調整のための溶
液量を広い範囲にわたつて制御する必要がなく、
注入ポンプの制御も容易となる。さらに必要なカ
ルシウムイオン濃度を得るためのカルシウム及び
必要なpH値を得るアルカリ溶液薬品使用に伴な
うランニングコストを安くおさえることができ
る。
装置によれば、脱リン処理を行なうべきリン酸イ
オン含有排水に対しなされる前処理において、必
要とされるカルシウムイオン濃度を所定の範囲に
収めることができる。このため、ポンプによつて
注入されるカルシウムイオン濃度調整のための溶
液量を広い範囲にわたつて制御する必要がなく、
注入ポンプの制御も容易となる。さらに必要なカ
ルシウムイオン濃度を得るためのカルシウム及び
必要なpH値を得るアルカリ溶液薬品使用に伴な
うランニングコストを安くおさえることができ
る。
第1図は排水中のpH値とリン酸イオン濃度と
の関係における準安定域を示すグラフ、第2図は
従来の接触晶析脱リン法におけるフロー図、第3
図はpH値を一定とした時のリン酸イオン濃度と
カルシウムイオン濃度の従来の操作曲線を示すグ
ラフ、第4図は本発明の実施例に使用される操作
曲線を示すグラフ、第5図は本出願の第二発明の
実施例を示すフロー図である。 A……安定域、B……準安定域、C……不安定
域、1……過溶解度曲線、2……溶解度曲線、3
……最適操作範囲、4……排水、5……pH値調
整工程、6……脱炭酸工程、7……pH−Ca調整
工程、8……砂ろ過工程、9……晶析工程、10
……処理水、11,12,13……操作曲線、2
0……排水、21……調整槽、22……リン酸イ
オン濃度測定器、23……pH値測定器、24…
…カルシウムイオン濃度測定器、25……温度
計、26……演算器、27,31……信号比較
器、28,32……比例積分制御器、29,33
……注入ポンプ、30……カルシウムイオン溶液
貯槽、34……アルカリ溶液貯槽、35……撹拌
器、36……砂ろ過ポンプ。
の関係における準安定域を示すグラフ、第2図は
従来の接触晶析脱リン法におけるフロー図、第3
図はpH値を一定とした時のリン酸イオン濃度と
カルシウムイオン濃度の従来の操作曲線を示すグ
ラフ、第4図は本発明の実施例に使用される操作
曲線を示すグラフ、第5図は本出願の第二発明の
実施例を示すフロー図である。 A……安定域、B……準安定域、C……不安定
域、1……過溶解度曲線、2……溶解度曲線、3
……最適操作範囲、4……排水、5……pH値調
整工程、6……脱炭酸工程、7……pH−Ca調整
工程、8……砂ろ過工程、9……晶析工程、10
……処理水、11,12,13……操作曲線、2
0……排水、21……調整槽、22……リン酸イ
オン濃度測定器、23……pH値測定器、24…
…カルシウムイオン濃度測定器、25……温度
計、26……演算器、27,31……信号比較
器、28,32……比例積分制御器、29,33
……注入ポンプ、30……カルシウムイオン溶液
貯槽、34……アルカリ溶液貯槽、35……撹拌
器、36……砂ろ過ポンプ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 脱リン処理を行なうべきリン酸イオン含有排
水に対し、pH値調整及びカルシウムイオン濃度
調整の前処理をした後、リン酸イオン濃度とpH
値との関係における準安定領域下において晶析脱
リン材に接触させることによりヒドロオキシアパ
タイト結晶を成長、晶析させて除去する接触晶析
脱リン法において、 一定のpH値においてリン酸イオン濃度に対し
最適な晶析反応を起こすカルシウムイオン濃度の
操作曲線を、複数の異なるpH値によつて複数本
設定し、リン酸イオン濃度に従つて各操作曲線の
うち一本を採用し、前記カルシウムイオン濃度が
所定の範囲外になるときは他の操作曲線を採用す
ることにより、必要なカルシウムイオン濃度を所
定の範囲内におさめることを特徴とする接触晶析
脱リン法の制御方法。 2 脱リン処理を行なうべきリン酸イオン含有排
水に対し、pH値調整及びカルシウムイオン濃度
調整の前処理をした後、リン酸イオン濃度とpH
値との関係における準安定領域下においてヒドロ
オキシアパタイト結晶の種結晶に接触させること
により結晶を成長、晶析させて除去する接触晶析
脱リン装置において、 前記リン酸イオン含有排水を導いて前記前処理
を行なう調整槽内にリン酸イオン濃度測定器、
pH値測定器、カルシウムイオン濃度測定器を設
け、一定のpH値においてリン酸イオン濃度に対
し最適な晶析反応を起こすカルシウムイオン濃度
の操作曲線を、複数の異なるpH値によつて複数
本設定し、リン酸イオン濃度に従つて各操作曲線
のうち一本を採用し、前記カルシウムイオン濃度
が所定の範囲外になるときは他のpH値による操
作曲線を採用する演算器を設け、この演算器によ
り求めたpH値を目標値として前記pH調整のため
の溶液注入ポンプに指令を出し、演算器により求
めたカルシウムイオン濃度を目標値として前記カ
ルシウムイオン濃度調整のための溶液注入ポンプ
に指令を出す制御器を設けたことを特徴とする接
触晶析脱リン法の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8145284A JPS60225692A (ja) | 1984-04-23 | 1984-04-23 | 接触晶析脱リン法の制御方法及び制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8145284A JPS60225692A (ja) | 1984-04-23 | 1984-04-23 | 接触晶析脱リン法の制御方法及び制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60225692A JPS60225692A (ja) | 1985-11-09 |
JPS648596B2 true JPS648596B2 (ja) | 1989-02-14 |
Family
ID=13746793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8145284A Granted JPS60225692A (ja) | 1984-04-23 | 1984-04-23 | 接触晶析脱リン法の制御方法及び制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60225692A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62250990A (ja) * | 1986-04-25 | 1987-10-31 | Ataka Kogyo Kk | リン酸イオンを含む排水の処理方法 |
JP3928187B2 (ja) * | 1996-02-07 | 2007-06-13 | 石川島播磨重工業株式会社 | 廃水中の脱リン方法及びその装置 |
JP4631169B2 (ja) * | 2001-01-11 | 2011-02-16 | 栗田工業株式会社 | 正リン酸含有水の脱リン方法及び脱リン装置 |
JP2002307078A (ja) * | 2001-04-17 | 2002-10-22 | Kurita Water Ind Ltd | 晶析脱リン装置 |
JP5540034B2 (ja) * | 2012-03-07 | 2014-07-02 | 三井造船環境エンジニアリング株式会社 | リン含有水のリン回収装置 |
-
1984
- 1984-04-23 JP JP8145284A patent/JPS60225692A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60225692A (ja) | 1985-11-09 |
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