JPS646828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テーパー部分を有する結合筒と係合
するための協働可能なテーパー部を有する本体
と、該本体に設けられた、結合筒に対して洩れの
無いシールを維持するべく結合筒を係止するロツ
クリングとを含む種類の継手に関する。

テーパー継手は、内科及び外科の分野におい
て、例えば液体の管同士や、注射器の先端と液体
の管とを結合するために通常用いられる。これら
の継手は、一般にプラスチツク製であつて、特
に、１mm，２mmまたは３mm程度の比較的小さな内
径を有するカテーテルのような医療用の管に結合
するために用いられる。

テーパー継手は、先端に向かつてテーパーを有
するオス部分とそれより僅かに小さいが、同様に
先端に向かつてテーパーを有するメス部分とによ
り結合される。オス部分をメス部分に差し込んだ
時、２つの部分は互いに摩擦的に係合され、滑り
嵌合が形成される。この滑り嵌合は、概ね信頼で
きるものであるが、何かの拍子にオス部分とメス
部分とが分離してしまうのを防止するための何ら
かのロツク機構があつた方が好ましい場合がまま
ある。

従来は、一方に適宜に設けられた突起に係合す
るようにしたねじ山を内側に有するリングを、他
方に回動可能に設けることにより、ロツク機構が
構成されてきた。

従来のものを改良した継手を提供することが、
本考案の目的の一つである。

本考案によれば、本体とロツクリングとの相互
の回動が拘束されるようにしたことを特徴とする
上述の種類の継手が提供される。

ロツクリングと本体との相対的な回動を拘束す
ることにより、ロツクリングを、結合筒と接続も
しくは分離するべく捩つた時に、継手本体のテー
パー部分と結合筒との間に相対的な回動が生じ
る。このようにして、２つの部分の間にシール性
が改善され、かつ容易に分離しうるようになる。

この種継手の従来のものの欠点の一つは、継手
が、適正な形状をなす突起を有する結合筒に対し
てのみ、安全に使用可能であることである。それ
は、ロツクリングが、継手と結合筒とが完全に結
合するのを阻害することがあるためである。

ある場合には、継手を、まず適宜なロツク用の
突起を備えた結合筒と結合し、これを分離して、
このような突起をそなえていないか、もしくはロ
ツクリング内におさまりきれない別の結合筒と接
続するということが必要なことがある。

本考案は、ルエルテーパー部を有し、かつ外面
に突出部を備えている結合筒と結合し得るテーパ
ー形状で、かつ角状部を有する本体と、当該角状
部と係合する角状開口を有し、それによつて前記
本体を把持するロツクリングとからなる医療継手
において、継手本体およびロツクリングは相対的
に回転せずにロツクリングの軸方向に移動し得る
ようになつており、またロツクリングの内面は、
結合筒の突出部と係合し得る形状を有し、これに
より結合筒に対して洩れのないシール状態を維持
するように構成されている。

本考案においては、ロツクリングが、ある程度
軸方向に移動可能なようにして、継手本体に取り
付けられている。

ロツクリングを、継手本体にこのように取り付
けることにより、ロツクリングが、結合筒との完
全な結合を阻害する恐れが大幅に減少する。

継手本体は、角柱断面棒の部分を含み、ロツク
リングは、前記の角柱断面棒に沿つて移動可能で
あるが、相対的な回動は拘束されるように、角柱
断面棒に嵌合しうる開孔部を有するリングよりな
る。角柱断面棒は４角形断面棒であつてもよい。

以下、本考案に基づく継手の実施例を、添付図
面を参照して説明する。

第１図と第２図に示すように、本考案の継手
は、本体１と、本体１に、その軸線方向に一定範
囲移動可能に取り付けられたロツクリング２との
２つの部分からなつている。

本体１は、円錐台形の後部３と、４角形断面を
有する中間部４と、外面に緩い締付用テーパーを
有する前部５とよりなる。

本体１は、例えばナイロン等のプラスチツク材
料の一体成形品であり、内部を貫通する軸孔６を
有している。軸孔６の後部は、円錐台形の後部３
を経て、中間部４の約2/3の所まで達し、かつ接
続管８を収容するための大径部７となつている。

プラスチツク材料よりなる接続管８は、軸孔６
の大径部７に、接着剤又は溶剤により、あるい
は、接続管８もしくは本体１を溶融もしくは軟化
させることにより固定されている。

軸孔６の前部の径は、接続管８の内径と等し
く、中間部４を経て、前部５の先端まで達してい
る。

第２図からわかるように、締付用テーパーを有
する前部５における後縁１０の外径は、中間部４
のそれより僅かに大きく、中間部４の各面より突
出している。

ロツクリング２も、例えばナイロン等の比較的
硬いプラスチツク材料の一体成形品であつて、円
筒形のスリーブ１１よりなり、その外面はローレ
ツト加工され、かつ後端には、内向フランジ１２
が設けられている。

フランジ１２の中心には、本体１の４角形断面
の中間部４の外面とほぼ同じ寸法の角孔１３が形
成されている。またフランジ１２は、ロツクリン
グ２の後端面に浅い凹窪１４を形成するべく、前
方に向けて傾斜している。

スリーブ１１の円筒状内面には、後述するよう
にして、テーパー孔付結合筒と螺合することがで
き、かつ互いに180゜隔てる２列のねじ山１５，１
６が設けられている。

ロツクリング２は、第２図に示すように、その
フランジ１２における角孔１３を、本体１におけ
る４角形断面の中間部４へ密接して嵌入した状態
で、本体１に取り付けられている。角孔１３の寸
法は、ロツクリング２が、本体１の中間部４に沿
つて自由に移動可能であるが、テーパーを有する
前部５の後縁１０に係止して、本体１の前端部か
ら外れるのを防止しうるように定められている。
またフランジ１２は、ロツクリング２が本体１に
対して回動することのないように、充分にきつく
嵌合されている。

中間部４の断面は、必ずしも４角形である必要
はなく、例えば、３角形、５角形あるいは６角形
であつてもよい。また中間部４の断面を、卵形や
楕円形としてもよい。

さらに、中間部４とロツクリング２の角孔１３
とを、キーとキー溝とにより、相対的な回動をし
ないようにしてもよい。

ロツクリング２を本体１に嵌挿するのは、ロツ
クリング２を前部５から後方に押し込むだけでよ
く、フランジ１２と本体１とは、リング２を前部
５の後縁１０を越えて、中間部４に嵌め込むこと
ができるように、充分な弾性を有している。

フランジ１２は、前方に向かつて傾斜してるた
め、そうでない場合に比して、より容易に変形す
ることができる。また、角孔１３の後端部１７
は、丸められており、これにより、２つの部分の
結合を、より一層容易に行ないうるようになつて
いる。

第１図と第２図に示す継手は、第３図と第４図
とに示した種類の標準的なテーパー孔付結合筒１
８と結合するのに用いられる。

プラスチツクの一体成形品である結合筒１８
は、円錐台形の締付用テーパー孔２０を後端に有
する円筒部１９を備えている。２個の外向突出片
２１，２２が、結合筒１８の後端から、直径方向
に、互いに反対方向に向かつて突出している。結
合筒１８の前端には、適宜の手段により、接続管
２３が密封状態で嵌合されている。

結合筒１８は、第５図に示すようにして、本考
案の継手と結合される。結合筒１８の円筒部１９
の後部開孔端は、継手のテーパー付の前部５内
へ、可能な限り後方に押し込まれる。２個の嵌合
部のテーパーと内外径とは、結合筒１８が、前部
５の長さの約2/3の所まで嵌合されるように設定
されている。

結合筒１８と継手の材料が有する固有の弾性に
より、２つの部分のテーパー面は摩擦的に結合
し、滑り嵌合するとともに、流体のシールが可能
な結合が行われる。

この継手は、結合筒１８とロツクされ、２つの
部分の間のシール性は、ロツクリング２により改
善される。

ロツクリング２を、本体１の中間部４上を前方
へ向けて摺動させ、ロツクリング２の前部開口端
を、結合筒１８の突出片２１，２２に当接させ
る。ついでロツクリング２を回動して、そのねじ
山１５，１６が、突出片２１，２２と係合し、か
つ、フランジ１２が後縁１０と係合するまでねじ
込む。

さらに、ロツクリング２を回動すると、結合筒
１８は、継手の前部５上を、後方に向けて引張ら
れる。

ロツクリング２は、本体１上において自由に回
動することはできなくなるから、ロツクリングが
回動すると、本体も回動させられる。このよう
に、ロツクリング２が、結合筒１８と係合するべ
くねじ込まれると、これと同時に、前部５は、結
合筒１８のテーパー孔２０に捩り込まれ、これに
より、２個の部分間の良好なシール性が保証され
る。

継手を結合筒１８から分離するには、ロツクリ
ング２を逆方向に捩り、それにより、結合筒１８
のテーパー孔２０の内部で、継手のテーパー付の
前部５を捩ればよい。この捩り運動により、テー
パー付の前部５とテーパー孔２０との係合は解除
され、ロツクリング２を突出片２１，２２から分
離しさえすれば、結合筒１８を、継手から容易に
分離することができるようになる。

上記した本考案の継手の長所の一つは、いくつ
もの異なる型式の結合筒とでも、それが標準のテ
ーパー孔を有している限り、結合を行うことが可
能であることである。

ロツクリング２は、大きな外径を有する結合筒
とも自由に結合できるように、前部５のずつと後
方に移動可能である。この場合には、結合筒を正
規の位置にロツクするためにロツクリング２を使
わずに、締付テーパー式滑り嵌合のみによつて、
結合筒との結合がなされる。ロツクリング２を後
方に移動しうるようにしておかないと、結合筒と
継手とが充分に結合されず、相互の間に確実なシ
ールが形成されないおそれがある。

本考案の継手のもう一つの長所は、本体１とロ
ツクリング２との２つの部分を、容易に一体成形
品としてつくることができ、かつ、ロツクリング
を、単に本体にかぶせるだけで、継手の組み立を
容易に行い得るということである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の継手の縦断正面図、第２図
は、第１図を右方から見た端面図、第３図は、第
１図と第２図とに示す継手とともに用いられる結
合筒の縦断正面図、第４図は、第３図を左方から
見た端面図、第５図は、第１図と第２図とに示す
継手に、第３図と第４図とに示す結合筒を正しく
嵌合した状態を示す縦断正面図である。 １……本体、２……ロツクリング、３……後
部、４……中間部、５……前部、６……軸孔、７
……大径部、８……接続管、１０……後縁、１１
……スリーブ、１２……フランジ、１３……角
孔、１４……凹窪、１５，１６……ねじ山、１７
……後端部、１８……結合筒、１９……円筒部、
２０……テーパー孔、２１，２２……突出片、２
３……接続管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ルエルテーパー部を有し、かつ外面に突出部
   を備えている結合筒と結合し得るテーパー形状
   で、かつ角状部を有する本体と、当該角状部と
   係合する角状開口を有し、それによつて前記本
   体を把持するロツクリングとからなる医療用継
   手において、 前記本体１およびロツクリング２は、当該本
   体上で前記ロツクリングが相対的に回転せず、
   かつ本体に沿つて当該ロツクリングが軸方向に
   移動し得るようになつており、 前記ロツクリング２の内面は、前記結合筒１
   ８の前記突出部２１，２２と係合し得る形状を
   有し、これにより当該結合筒１８に対して洩れ
   のないシール状態を維持していることを特徴と
   する医療用継手。 (2) ロツクリング２が継手本体のテーパー部の少
   なくとも主要な部分が遮蔽されないように、当
   該テーパー部分から遠ざかる方向に軸方向に沿
   つて移動可能に設置されていることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載の医療
   用継手。 (3) ロツクリング２の内面に、結合筒１８に設け
   られた協働可能な突出部と係合する180゜離隔し
   た２列のねじ山を設けてあることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載の医療用
   継手。 (4) 継手の本体１の角状部が４角形断面を有する
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)
   項に記載の医療用継手。 (5) ロツクリング２が前記テーパー部の後方に位
   置する本体１の一部に嵌合し、かつ前記ロツク
   リングの前方への移動を阻止する様に、当該テ
   ーパー部の後端が、少なくとも当該ロツクリン
   グ２が嵌装されている部分の面より突出してい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   (1)項または第(3)項に記載の医療用継手。 (6) 開口部が、該ロツクリング２のフランジによ
   つて形成され、かつ当該フランジが継手の軸線
   方向に凹みをなしていることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第(3)項乃至第(5)項のいずれ
   かに記載の医療用継手。