JPS64546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、パネルの接合部における目地板取
付装置に関する。

従来の技術 従来、例えばプレハブ冷蔵庫の組立てのさいに
は、パネルの接合部の目地幅すなわちパネルの接
合部に生じた間隙の幅が一定でなく、不揃いが生
じた。とくに冷蔵庫の天井部分は目地が十字形に
交差した状態となるため、目地が不揃いである
と、外観が非常に悪く、このような目地を隠すた
めにパネルの接合部に目地板が取り付けられてい
た。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、従来は目地板をビスまたはリベ
ツトによりパネルに固定しており、従つてこのよ
うなビスやリベツトがパネルの外面に現われ、や
はり外観が悪いという問題があつた。またこの場
合、目地板の厚みが薄いと、いわゆる板の波打ち
現象が生じ、これを防止するためにビスやリベツ
のピツチを細かくする必要があるので、パネルの
外面に多数のビスやリベツトが現われ、非常に見
苦しくなるという問題があつた。

また従来、互いに接合される両パネルの接合部
において横断面凸状の嵌合部材と横断面凹状の嵌
合部材とが相互に嵌め合わせられ、両パネルの接
合部に、これの間隙を覆いかつ裏面に間隙の内方
に伸びる脚部を有する目地板を取り付ける装置が
提案された（実公昭46−7500号公報参照）が、こ
の従来の装置では、両パネルの接合部において横
断面凸状の嵌合部材と横断面凹状の嵌合部材との
間隙に、先端に抜止め突部を有する目地板の脚部
を単に差し込んでいるだけであるため、例えば冷
蔵庫、クリーンルームあるいは温蔵庫等において
庫内外の温度差によりパネルに反りが生じた場合
には、パネル接合部の一方の間隙が広がり、他方
の間隙が狭くなるが、その広い方の間隙からは脚
部付き目地板が外れるという問題があつた。な
お、目地板の脚部の抜止め突部を大きいものとす
れば、該突部が間隙より外れにくゝなるが、これ
をあまり大きいものとすると、パネルの組立て後
に該突部をパネル接合部の間隙に差し込むことが
できないという問題がある。

この考案の目的は、上記の問題を解決し、パネ
ル接合部の間隙の幅が目地板の脚部の幅よりも大
きい場合にも該目地板によつてパネル接合部の間
隙をきわめて簡単にかつ確実に覆うことができ、
従つてプレハブ冷蔵庫等の組立て工事を非常に簡
単に行なうことができるだけでなく、冷蔵庫、ク
リーンルームあるいは温蔵庫等において庫内外の
温度差によりパネルに反りが生じた場合にも、パ
ネル接合部の広い方の間隙から脚部付き目地板が
外れるのを完全に阻止することができて、目地板
によつてパネル接合部の間隙を常に確実に覆うこ
とができ、さらにパネルの接合部の気密性を充分
に保持することができる、パネルの接合部におけ
る目地板取付装置を提供しようとするにある。

課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために、この考案は、互
いに接合される両パネルの接合部において横断面
凸状の嵌合部材と横断面凹状の嵌合部材とが相互
に嵌め合わせられ、両パネルの接合部に、これの
間隙を覆いかつ裏面に間隙の内方に伸びる脚部を
有する目地板を取り付ける装置であつて、凸状の
嵌合部材の少なくとも一側に、間隙に向つて開口
する凹溝が該嵌合部材の長さ方向に設けられ、両
パネルの接合部の間隙に被せられた目地板の脚部
が間隙より凸状の嵌合部材の凹溝内に嵌め込まれ
て、脚部付き目地板が凸状の嵌合部材に固定され
ていることを特徴とするものである。

実施例 つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。

この考案の第１実施例を示す第１図と第２図に
おいて、１，２は互いに接合される２枚の断熱パ
ネルで、これらはいずれも所定間隔をおいて平行
に配置せられた２枚のアルミニウム製の表面板
３，４の間に、発泡ポリウレタンまたは発泡フエ
ノール樹脂等の断熱材５が充填せられてなるもの
である。６は一方のパネル１の接合端面に嵌め込
まれた横断面凸状の嵌合部材で、これは横断面が
半円より長い略欠円形で、両側基部７，７に折返
し縁部８，８を有し、この縁部内側に前記両表面
板３，４の端部９，１０が折り込まれて止められ
ている。１１は他方のパネル２の接合端面に嵌め
込まれた凹状の嵌合部材で、これは横断面が半円
よりやゝ短い弧状に形成せられており、その両縁
内側に前記両表面板３，４の端部９，１０が折り
込まて止められている。

１２，１２は凸状の嵌合部材６の両側にその長
さ方向に設けられた横断面長いＵ形の凹溝で、こ
れらの凹溝１２，１２は両パネル１，２の接合部
１３に形成された間隙１４，１４に向つてそれぞ
れ開口している。１５は両パネル１，２の接合部
１３の一側の間隙１４を被う目地板で、これの裏
面の幅中央部に間隙１４の内方に伸びる脚部１６
が目地板１５の長さ方向に設けられている。この
脚部１６の先端部１６ａは横断面矢印形を有して
いて、その両側に戻止め突部１７が設けられ、こ
れに対し凹溝１２の両側にラツク状の多数のスト
ツパ１８が設けられている。なお、このような脚
部１６付き目地板１５は、例えばアルミニウム押
出型材あるいはプラスチツク押出型材により構成
されている。

脚部１６付き目地板１５は、両パネル１，２が
嵌合部材３，４の嵌め合わせにより互いに接合さ
れたのち、両パネル１，２の接合部１３の間隙１
４に外から被せられ、これの脚部１６が間隙１４
より凹溝１２内に嵌め込まれて、その先端部１６
ａの戻止め突部１７が凹溝１２両側のストツパ１
８のいずれかに係り合わせられ、これによつて脚
部１６付き目地板１５は凸状の嵌合部材３に固定
されているものである。

１９は両パネル１，２の接合部１３の他側にお
いて間隙１４とこれの内側の凹溝１２内に詰め込
まれたシーリング材である。なお、このようなシ
ーリング材１９は間隙１４内に充填するだけでも
よく、これによつて凸状嵌合部材３の凹溝１２は
外部から見えない。

また、パネル１，２の接合部１３に目地板１５
を取り付ける前に予め間隙１４内にシーリング材
を充填しておき、このシーリング材がまだ軟かい
状態において目地板１５の脚部１６を間隙１４内
のシーリング材中に差し込み、該脚部１６の先端
部１６ａを凸状嵌合部材３の凹溝１４に嵌め込ん
で固定すれば、脚部１６付き目地板１５とパネル
１，２との間にシーリング材が適宜介在せられ、
これによつて接合部１３の気密性を充分保持する
ことができる。

第３図は、この考案の第２実施例を示すもので
ある。この第２実施例において上記第１実施例の
場合と異なる点は、目地板３１の構造にある。す
なわちこの第２実施例においては、目地板３１は
その裏面の幅中央部に低い凸部３３を介して間隙
１４内に伸びる脚部３２が設けられるとともに、
この脚部３２の両側に横断面円弧状の中空シール
部３４，３４が設けられ、さらに目地板３１の両
側縁部に凸部３３と同じ方向に突出した低い突縁
３５，３５がそれぞれ設けられている。このよう
な脚部３２付き目地板３１は例えばポリ塩化ビニ
ルの押出成形によりつくられており、これのシー
ル部３４，３４が軟質に、その他の部分は硬質と
なされている。

そしてこの目地板３１を、これの脚部３２が間
隙１４より凹溝１２内に嵌まり込むように、両パ
ネル１，２の接合部１３に取り付けると、これの
裏面のシール部３４，３４がそれぞれパネル１，
２の表面板３，３の外面に圧着せしめられ、これ
によつて接合部１３の気密性が保持されるもので
ある。

第４図は、この考案の第３実施例を示すもので
ある。この第３実施例において上記第１実施例の
場合と異なる点は、目地板４１の構造にある。す
なわちこの第３実施例においては、目地板４１は
その裏面の幅中央部に低い凸部４３を介して脚部
４２が設けられるとともに、この脚部４２の両側
に、内部に至るほど広くなつたパツキン嵌合溝４
４，４４がそれぞれ設けられ、この嵌合溝４４，
４４に横断面円弧状の当接面を有する中空のパツ
キン４５，４５がそれぞれ嵌め込まれている。ま
た目地板４１の両側縁部に凸部４３と同じ方向に
突出した低い突縁４６，４６がそれぞれ設けられ
ている。このような目地板４１は、例えばアルミ
ニウム押出型材によりつくられており、またパツ
キン４５，４５はプラスチツクまたはゴムにより
つくられている。

この第３実施例の目地板４１を両パネル１，２
の接合部１３に取り付けると、上記第３実施例の
場合と同様に、これの脚部４２両側のパツキン４
５，４５がそれぞれパネル１，２の表面板３，３
の外面に圧着せしめられ、これによつて接合部１
３の気密性が保持されるものである。

上記第２実施例と第３実施例におけるその他の
点は、上記第１実施例の場合と同様であるので、
同図において同一のものには同一の符号を付し
た。

なお、上記各実施例においては、目地板１５，
３１，４１にこれの全長にわたつて脚部１６，３
２，４２が設けられているが、このような脚部１
６，３２，４２は部分的に設けられていてもよ
い。またパネル１，２の接合部１３の一側に目地
板１５，３１，４１が取り付けられ、他側にはシ
ーリング材１９が充填されているが、接合部１３
の両側に目地板１５，３１，４１を取り付けても
勿論よい。

この考案による目地板の取付装置は、上記実施
例のプレハブ冷蔵庫の断熱パネルの接合部の他
に、建物の仕切壁や外壁を構成するパネルの接合
部とりわけクリーンルームのパネルの接合部、あ
るいはいわゆる温蔵庫の断熱パネルの接合部等に
適用することができるものである。

考案の効果 この考案は、上述のように、互いに接合される
両パネル１，２の接合部において横断面凸状の嵌
合部材６と横断面凹状の嵌合部材１１とが相互に
嵌め合わせられ、両パネル１，２の接合部に、こ
れの間隙１４を覆いかつ裏面に間隙１４の内方に
伸びる脚部１６，３２，４２を有する目地板１
５，３１，４１を取り付ける装置であつて、凸状
の嵌合部材６の少なくとも一側に、間隙１４に向
つて開口する凹溝１２が該嵌合部材６の長さ方向
に設けられ、両パネル１，２の接合部の間隙１４
に被せられた目地板１５，３１，４１の脚部１
６，３２，４２が間隙１４より凸状の嵌合部材６
の凹溝１２内に嵌め込まれて、脚部付き目地板１
５，３１，４１が凸状の嵌合部材６に固定されて
いるものであるから、パネル１，２の接合部の間
隙１４の幅が目地板１５，３１，４１の脚部１
６，３２，４２の幅よりも大きい場合にも、該目
地板１５，３１，４１によつてパネル１，２の接
合部の間隙をきわめて簡単にかつ確実に覆うこと
ができ、従つてプレハブ冷蔵庫等の組立て工事を
非常に簡単に行なうことができるだけでなく、冷
蔵庫、クリーンルームあるいは温蔵庫等において
庫内外の温度差によりパネル１，２に反りが生じ
た場合にも、パネル１，２の接合部の広い方の間
隙から脚部１６，３２，４２付き目地板１５，３
１，４１が外れるのを完全に阻止することがで
き、目地板１５，３１，４１によつてパネル１，
２の接合部の間隙１４を常に確実に覆うことがで
きる。さらにパネル１，２の接合部の間隙１４に
シーリング材１９を充填したのちに目地板１５，
３１，４１の脚部１６，３２，４２を差し込んだ
り、あるいは目地板３１，４１自体の裏面にシー
ル部３４やパツキン４５を設けることにより、パ
ネル１，２の接合部の気密性を充分に保持するこ
とができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は第１実施例の断面図、第２図は第１図の部分拡
大断面図、第３図は第２実施例の断面図、第４図
は第３実施例の断面図である。 １，２……断熱パネル、６……凸条嵌合部材、
１１……凹条嵌合部材、１２……凹溝、１３……
接合部、１４……間隙、１５，３１，４１……目
地板、１６，３２，４２……脚部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに接合される両パネル１，２の接合部にお
   いて横断面凸状の嵌合部材６と横断面凹状の嵌合
   部材１１とが相互に嵌め合わせられ、両パネル
   １，２の接合部に、これの間隙１４を覆いかつ裏
   面に間隙１４の内方に伸びる脚部１６，３２，４
   ２を有する目地板１５，３１，４１を取り付ける
   装置であつて、凸状の嵌合部材６の少なくとも一
   側に、間隙１４に向つて開口する凹溝１２が該嵌
   合部材６の長さ方向に設けられ、両パネル１，２
   の接合部の間隙１４に被せられた目地板１５，３
   １，４１の脚部１６，３２，４２が間隙１４より
   凸状の嵌合部材６の凹溝１２内に嵌め込まれて、
   脚部付き目地板１５，３１，４１が凸状の嵌合部
   材６に固定されていることを特徴とする、パネル
   の接合部における目地板取付装置。