JPS642053Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、窓や玄関口などに使用するサツシ
用形材のうち、複層ガラスあるいは複層ガラスと
共に装飾用の鋳物パネルの如き重量遮蔽板を支承
し、更に断熱性を備えるサツシの中桟、巾木ある
いは無目などに適用する断熱サツシ用形材に関す
る。

（従来の技術） 従来、断熱形材は室外側形材と室内側形材とを
断熱性のある連結材で互いに一体的に連結したも
ので、これを製造する場合には、室外側と室内側
との各形材を連続部を介して一体に押出し成形
し、その連続部に断熱性の連結材を充填固化して
取付けた後、形材の連続部を切り取るものが一般
に良く知られている。ところで、複層ガラスなど
の重い遮蔽板を嵌めるサツシを成形する場合に
は、その重量に耐えるために中空形材を使用する
必要が生じた。ところが中空形材による場合に、
前述の従来の方法で成形しようとしても、押出し
成形上金属の流れに不均一が出来、所定の形状を
持つ形材を成形することが甚だ困難であつた。そ
こで中空形材を室外側と室内側を別体に形成し
て、その両者を連結材で一体的に連結したもの
が、例えば実開昭57−106981号公報によつて知ら
れている。しかし当該公報の考案は、ガラス取付
用間隔片に関するものであるが、該間隔片は単に
ガラスを受けるのみならず、左右の中空形材を連
結する機能をも持つものであるから、この間隔片
はその機能上両形材の連結部分に設けられるもの
であり、しかもガラスを受けることから、両形材
の連結部に大きな荷重を受けることになり、強度
的及び耐久性に問題があつた。

（考案の目的） この考案は以上の問題点を除去するために工夫
したもので、室外側と室内側との中空形材を別体
に形成し、両中空形材を楼結体で合体するもので
あるが、その合体する操作が容易となり、且つ連
結体の一部で重い遮蔽板を受けた場合にも、該遮
蔽板の荷重が両中空形材の連結部分に加わること
なく、一方の中空形材で支えられる様にすること
を目的としたガラス等の重量遮蔽板を支承する断
熱形材を提供することにある。

（考案の構成） この考案によるガラス等の重量遮蔽板を支承す
る断熱形材は、室外側及び室内側となる一対の中
空形材が互いに間隙をあけて長手方向に亘つて平
行に並設してあること、両中空形材の各隅端部に
おいて連結体で互いに一体的に連結するが、連結
体は、両中空形材の対向面間に挾み込まれ一方の
中空形材に止着した介入部と、該介入部と連続一
体をなし、前記とは他の中空形材における遮蔽板
を受ける面上に止着され、遮蔽板を受ける支承部
とで形成してあること、並びに、両中空形材の対
向面における長手方向の縁間に各連結体に連続し
て断熱シール帯を設けて両中空形材を封じたこと
を特徴とするものである。

（実施例） 第１図はドア１、欄間２及び袖部３を備えた玄
関用のサツシを示しており、そのうち袖部３の中
桟４と巾木５、及び無目６が本考案による形材で
組立てたものである。

そこで第２図に本考案による形材を分解して示
す如く、室外側となる中空形材７と室内側となる
中空形材８、及び４個の連結体９と断熱シール帯
１０で構成される。

室外側となる中空形材７は、その室外側壁は意
匠の点から凸条１１を有するが、上壁面１２と下
壁面１３は複層ガラス等の遮蔽板３０，３１端面
と対面すべく平滑に形成し、該各面１２，１３の
中間部にガスケツト材３２，３３を取付ける突片
１４，１５を有し、また室内側壁面１６の上下両
縁部に各々凹溝１７，１８を壁面１６より突出し
てあつて、各凹溝１７，１８は成形時には長手方
向全長に亘つて設けられるが、組立時には、長手
方向の両端部を連結体９の長さに応じて切欠され
る。

室内側の中空形材８は、その室外側壁面１９の
上下各縁部に各々凸条２０，２１を設け、上下両
壁面２２，２３に各々大小一対の係止片２４，２
５、２６，２７を並列して突設したものである。

上記の室外側及び室内側となる両中空形材７，
８は第３図図示の如く、互いに間隙をあけ長手方
向に亘つて平行して並列し、長手方向両端部の隅
部において連結体９……により合体され、且つ両
中空形材７，８の上下各縁部を断熱シール帯１０
で封じたものである。

その連結体９は合成樹脂で断熱性を備えるもの
で、両中空形材７，８間の間隙に挾み込まれ室内
側中空形材８にビス止めされる介入部２８と、該
介入部２８より室外側へ屈折し、室外側中空形材
７の遮蔽板３０と対面する面、即ち上壁面１２、
下壁面１３に当接してビス止めされる支承部２９
とで形成したものである。

断熱シール帯１０はゴムあるいは発泡合成樹脂
で成形してあつて、室外側中空形材７の凹溝１
７，１８に嵌めて取付けられるものである。

尚、前記説明において各中空形材７，８を室外
側、室内側としたが必ずしもこれに限ることはな
く、反対に使用できることは云うに及ばない。

上記の断熱形材を第１図に示す玄関サツシの袖
部３における中桟４として組み込んだ状態を第４
図によつて説明すると、図中左側は室外側で右側
は室内側となるもので、室内側となる中空形材８
の四隅部に連結体９……の介入部２８をビス止め
し、他方の室外側となる中空形材７の凹溝１７，
１８に各々断熱シール帯１０，１０を嵌めて取付
けておき、連結体９……の支承部２９を室外側の
中空形材７の上壁面１２と下壁面１３に同じくビ
ス止めすることにより中桟４となる断熱形材が形
成され、以後従来のものと同様に袖部３内に組み
込まれるが、その際、連結体９の支承部２９に複
層ガラス等の遮蔽板３０，３１を受け、上下の突
片１４，１５に遮蔽板３０，３１を押えるガスケ
ツト３２，３３を取付け、また室内側となる中空
形材８にその係止片２４，２５、２６，２７によ
つて押縁枠３４，３５を嵌め、各押縁枠３４，３
５にも各々ガスケツト３６，３７を取付けるもの
である。

（考案の効果） この考案によるガラス等の重量遮蔽板を支承す
る断熱形材によれば、左右一対の中空形材が互い
に間隔をあけて長手方向に亘つて平行に並設して
あり、両中空形材を各隅端部において、両中空形
材に挾み込まれ一方の中空形材に止着した介入部
と、他方の中空形材の遮蔽板と対面する面に止着
され遮蔽板を受ける支承部とで形成した断熱性を
備えた連結体で合体してあり、且つ両中空形材の
長手方向各縁間を断熱シール帯で連結体に連続し
て封じたものであつて、一対の中空形材を合体す
る際に、連結体の介入部を一方の中空形材の外表
面に止着し、介入部より突出した支承部を他方の
中空形材の外表面に止着するものであるから、そ
の合体する操作が容易になり、しかも形材の各隅
端部で連結してあるので捩れることなく正常な形
状を保持するものである。また、連結体の支承部
は中空形材の遮蔽板と対面する面に止着され、遮
蔽板を受けるものであるから、中桟などに適用し
た際、重い遮蔽板の荷重が中空形材に直接加えら
れることになり、両中空形材の連結部分に加えら
れないので重い遮蔽板であつても合体した状態が
崩れることがなく正常に保持するものである。ま
た断熱シール帯で封じてあつて、サツシなどに組
む込んだ際に、両中空形材間に密閉され空気層が
保持され、断熱は勿論遮音効果に優れた形材とし
て提供されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による断熱形材を使用して組
み立てた玄関用サツシを室内側より示す正面図、
第２図はこの考案による断熱形材を分解してその
一部を示す斜視図、第３図は同じく合体して示す
斜視図、第４図は第１図−線矢視の断面図で
ある。 ７，８……中空形材、９……連結体、１０……
断熱シール帯、２８……連結体の介入部、２９…
…連結体の支承部、３０，３１……遮蔽板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の中空形材７，８が互いに間隙をあけ
   長手方向に亘つて平行に並設し、両中空形材７，
   ８同士をその各隅端部において、両中空形材７，
   ８の間隙間に挾み込まれ一方の中空形材８に止着
   した介入部２８と、他方の中空形材７の遮蔽板３
   ０，３１と対面する面上に止着して遮蔽板３０，
   ３１を受ける支承部２９とを一体に形成した断熱
   性を備える連結体９……で連結してあり、且つ両
   中空形材７，８の対面する長手方向の両縁間が各
   連結体９……に連続して断熱シール帯１０，１０
   で封じてあることを特徴とするガラス等の重量遮
   蔽板を支承する断熱形材。