JPS644447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、エアゾール容器内のハウジングに内
袋を連結固定し、この内袋に噴射剤を充填して使
用するエアゾール装置に係るもので、噴射剤と内
容物を分離して充填するとともに内容物の噴射に
於いて、噴射剤を混合することなく、内容物のみ
の噴射を可能にするものである。

従来の技術 従来エアゾール容器内に、噴射剤と内容物を分
離して充填するものは存在したが、エアゾール容
器内を複数に分割する結果、エアゾール内容物の
使用を完了した後、噴射剤がエアゾール容器内に
残留し安全上の見地から好ましくないため、エア
ゾール容器にガス抜栓を形成したものが用いられ
ているが、製造に多くの手数を要するとともに取
扱の操作性が悪いばかりでなく、エアゾール容器
内の内袋に噴射剤を充填した場合には、エアゾー
ル容器に設けたガス抜栓では、ガス抜ができない
ものであつた。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上述のごとき問題点を解決しようとす
るものであつて、噴射剤と内容物を別個に充填し
たエアゾール装置に於いて、内容物のみを噴射
し、噴射剤を噴射しないものとするとともに内容
物の使用後には、噴射剤を連通路から容易に外部
に排出することを可能にし、またガス抜栓を形成
したものの如く、製造に多くの手数を要すること
が無いようにしようとするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は上述のごとき問題点を解決するため、
エアゾール容器内に固定したハウジングに内袋を
連通固定し、このハウジング内にステムの一端を
挿入し、このステム内に、ハウジング内部と外部
とを連通する連通路を、常時は他方ガスケツトに
て閉止して形成するとともに連通路の外端部を、
ステムに取り外し可能に装着する押釦の閉止部に
て閉止可能とし、この連通路とは連通することの
無いようステムに形成した他方通路で、エアゾー
ル容器内部と外部とを連通し、この他方通路を、
常時は一方ガスケツトにて閉止するとともにステ
ムの押圧に伴い、ガスケツトによる連通路及び他
方通路の閉止を解除する構成として成るものであ
る。

作 用 本考案は上述のごとく構成したものであるか
ら、エアゾール容器内に加圧力を有しない内容物
を充填した後に、噴射剤の充填ノズルをステムに
接続して、連通路と内袋を連通し、内袋内に液化
ガス等の噴射剤を充填する。充填の完了した後
は、ステムへの充填ノズルの押圧を解除すれば、
弁機構の閉止によつて、内容物および噴射剤とも
に外部に排出されることはない。次にエアゾール
容器内の内容物を使用するには、ステムに押釦を
装着して、連通路を押釦の閉止部にて密閉する。
次に内容物を噴射するには、押釦を押圧して弁機
構を開弁すれば、他方通路を介して流通間隔か
ら、内容物が押釦のノズルより噴出される。また
この時、連通路は押釦の閉止部で閉止されている
から、噴射剤が噴出することはなく、内容物の減
少とともに順次内袋が拡大し、常時一定圧で内容
物を加圧し内容物の噴射を可能とする。また内容
物の噴射完了後における噴射剤の排出は、押釦を
取除いた後、ステムを押圧することにより行な
う。

実施例 以下本考案の一実施例を、図面に於て説明すれ
ば、１はエアゾール容器３１のマウンテンカツプ
で、中央には挿通口２を形成するとともに内面に
は、一方ガスケツト３を介してハウジング４を固
定している。５はこのハウジング４の下端に固定
した内袋で、軟質合成樹脂、ゴム等の伸縮可能な
材質にて形成するか、伸縮はしなくとも折曲容易
な材質にて、エアゾール容器３１の内容積と、略
同一内容積に膨張し得るものとすることにより形
成するとともに、ハウジング４の導入室６と連通
している。７はこの導入室６内に一端の挿入部８
を挿入したステムで、他端方向に突出した連通管
９を、前記一方ガスケツト３の中央に形成した開
口１０に、気密に挿通するとともに連通管９の外
端面から軸方向に、連通路１２と他方通路１４と
を連通する事なく別個に形成し、連通路１２と連
通する導出孔１３を、連通管９の側面に開口する
とともに他方通路１４と連通する連通孔１１を連
通管９の側面に開口し、この連通孔１１を前記一
方ガスケツト３の内周端面により、ステム７の非
押圧状態に於いて、密閉するとともにステム７の
押圧状態に於いて、連通孔１１を開放し、他方通
路１４とエアゾール容器３１内部とを連通する。
また上記連通路１２は、上端の開口部を他方通路
１４の開口部よりも、外方に突出位置している。
１５は導出孔１３をステム７の非押圧状態に於て
密閉する他方ガスケツトで、挿入部８と導入室６
の下底１６との間に介装した、押圧発条１７の復
元力に抗して行なわれる、ステム７の押圧によつ
て、導出孔１３を開放し、連通路１２と導入室６
とを連通する。１８はハウジング４の導入室６と
は他方ガスケツト１５を介した位置に開孔した導
気孔で、ステム７の非押圧状態に於て他方ガスケ
ツト１５に端面１９を密接する閉止筒２０を、連
通管９外周位置のハウジング４内面に突出形成
し、この閉止筒２０を介してエアゾール容器３１
内部と、内容物を外部に導出するための他方通路
１４とを連通する。而してこの閉止筒２０および
導気孔１８は、工作上の都合で、導入室６等とは
別体に形成し、ハウジング４内に組込んでハウジ
ング４を構成する。

上述の如く構成したものに於て、エアゾール容
器３１内に加圧力を有しない内容物を充填した
後、マウンテンカツプ１をエアゾール容器の上端
に気密的に固定する。次に噴射剤の充填ノズル２
１を、第４図に示す如く、ステム７に接続して押
圧すれば、ステム７は押圧発条１７の復元力に抗
して押圧され、導出孔１３は、他方ガスケツト１
５による密閉を解除され、連通路１２と内袋５
は、連通するとともに一方ガスケツト３による連
通孔１１の密閉が解除され、他方通路１４が開口
されるが、充填ノズル２１のは噴射剤の導入路を
他方通路１４と連通しないから、液化ガス等の噴
射剤は内袋５にのみ充填され、エアゾール容器３
１の内袋５以外に充填されることはない。噴射剤
の充填が完了した後は、ステム７への充填ノズル
２１の押圧を解除すれば、押圧発条１７の復元力
で、ステム７は元位置に復帰し、導出孔１３およ
び連通孔１１は、他方ガスケツト１５および一方
ガスケツト３と密接するから、内容物および噴射
剤は、外部に排出されることはない。

次にエアゾール容器３１内の内容物を使用する
には、ステム７に押釦２４を装着し、閉止部２７
を連通路１２の開口に押圧して密閉するとともに
他方通路１４と押釦２４のノズル２６とを連通す
る。この状態で押釦２４を押圧すれば、前述の充
填時と同じく、閉止筒２０と他方ガスケツト１５
の密接および一方ガスケツト３と連通孔１１の密
接関係が解除され、他方通路１４を介して内容物
が押釦２４のノズル２６より噴出される。また上
述のごとく、他方ガスケツト１５と導出孔１３と
の密接関係が解除されるが、連通路１２は閉止部
２７で閉止されているから、噴射剤が噴出するこ
とはなく、内容物の減少とともに順次内袋５が拡
大し、常時一定圧で内容物を加圧し内容物の噴射
を可能とする。また上記内袋５の拡大によつて、
エアゾール容器３１内を内袋５が分割し下方に位
置する内容物の噴出を困難とすることがないよ
う、エアゾール容器３１の上下方向に導出管３２
を挿入している。また内容物の噴射完了後におけ
る噴射剤の排出は、押釦２４を取除いた後、ステ
ム７を押圧することにより行なう。

考案の効果 本考案は上述の如く、内袋内に噴射剤を充填す
るとともに内袋の外周に位置するエアゾール容器
内に、噴射剤以外のエアゾール内容物を充填し、
噴射剤充填用の連通路と、内容物噴射用の他方通
路を別個に独立して形成しているから、内容物の
使用後に押釦を取り除き、ステムを押圧すること
によつて、噴射剤を連通路から容易に外部に排出
することができる。またエアゾール容器は従来品
と全く同一のものであるから、ガス抜栓を形成し
たものの如く、製造に多くの手数を要することが
ないとともに取扱が容易である。また噴射剤は、
内袋を介して内容物を押圧するのみで、内容物
は、噴射剤充填用の連通路とは別個に設けた、他
方通路を介して噴射されるものであるから、噴射
剤との混合が好ましくない内容物の噴射に、好適
な利点を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
概略図、第２図は充填ノズルをステムに接続した
状態の部分拡大の詳細断面図、第３図は押釦を装
着した噴射状態を示す断面図である。 ３……一方ガスケツト、４……ハウジング、５
……内袋、７……ステム、９……連通路、１４…
…他方通路、１５……他方ガスケツト、２４……
押釦、２６……ノズル、２７……閉止部、３１…
…エアゾール容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エアゾール容器内に固定したハウジングに内袋
   を連通固定し、このハウジング内にステムの一端
   を挿入し、このステム内に、ハウジング内部と外
   部とを連通する連通路を、常時は他方ガスケツト
   にて閉止して形成するとともに連通路の外端部
   を、ステムに取り外し可能に装着する押釦の閉止
   部にて閉止可能とし、この連通路とは連通するこ
   との無いようステムに形成した他方通路で、エア
   ゾール容器内部と外部とを連通し、この他方通路
   を常時は一方ガスケツトにて閉止するとともにス
   テムの押圧に伴い、ガスケツトによる連通路及び
   他方通路の閉止を解除する構成としたことを特徴
   とするエアゾール装置。