JPS643498B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塵埃を収容したまま廃棄処理される
使い捨ての紙袋フイルターを備えた電気掃除機に
係り、特に、集塵室の引出開口近傍に下向きに開
くように設けられた紙袋フイルター支持体を備
え、前記引出開口の開口面積が紙袋フイルターの
口板の面積より大きく形成してなる電気掃除機の
改良に関する。

〔従来の技術およびその課題〕

従来、紙袋フイルターは集塵室の引出開口端面
の全体（例、特開昭51−97257号公報参照）また
は引出開口近傍に設けられたフイルター支持体
（例、特公昭31−7784号公報参照）を利用して取
付けるものが提案されている。

例えば、特開昭51−97259号公報に開示されて
いるものは、使い捨て袋状フイルターの口板を多
孔バスケツトの保持部材に当接させた後、蓋体を
閉じて把持装置のフツクにより口板の突出部の裏
側を把持する構造になつている。この掃除機は袋
状体を集塵室の開口全体から引き出せる構造にな
つているが、口板は集塵室の開口と同じ大きさに
形成されているため、引出開口を跨ぐ長さを必要
とし、それだけ口板面積が大きくなる。また口板
が大きくなると、曲げ応力が低下して中央に小さ
な力が加つても簡単に折れ曲がるという不都合が
ある。

本来、濾過作用を持たない口板は必要最小限の
大きさとし、材料の節減を図りたいところである
が、集塵室の開口と同じ大きさの口板を使用する
と、板の厚み及び面積が大きくなり、それだけ保
管上も不利になり、また袋状フイルターのコスト
の中で口板の占める割合が大きくなつて使い捨て
紙袋フイルターの不経済性が目立ち、利用者の立
場および省資源の観点からも好ましくない。

この解決策の一つとして、フイルター支持体を
利用して口板を取付けることが考えられている。

例えば、特公昭31−7784号公報に開示されてい
るものは、使い捨て袋状フイルターの口板を集塵
室の開口下縁に回動自在に枢着されたフイルター
支持体に固着されたゴム製の受接器に取着した
後、蓋体を閉じて蓋体のホース受承口を受接器に
嵌入して袋状フイルターを装着する構造になつて
いる。

袋状フイルターは、まずフイルター支持体を前
傾位置に保ち、一方の手で口板を、他方の手で受
接器を各々把持して、受接器を押潰し、口板の入
口に挿入してフイルター支持体に取着した後、蓋
体を閉めて装着され、一方取外し時には、口板を
受接器から外し、その後フイルター支持体を回動
させて集塵室の開口全部を使つて袋状フイルター
を引き出す。

この掃除機では、蓋体と口板の間に受接器が介
在されているため、袋状フイルターの取付け、取
外しに手間が掛かり、しかもその作業を両手で行
わなければならないので、作業性が悪い。

このように、従来のフイルター支持体を備える
掃除機は、受接器を介して袋状フイルターの取付
けが行なわれているため、口板の脱着操作が容易
でないなどの取扱い性で欠点があつた。

また、引出開口面が床に対してほぼ直角に形成
されているため、フイルター支持体は支えていな
いと紙袋フイルターの取付け、取外しができず、
更に取付け後においてもそのままでは前方に倒れ
てしまうので、集塵室に袋状体を挿入した状態で
フイルター支持体を外側から押えて蓋体の閉成を
行なわなければならないという不便さがあつた。

本発明の目的は、集塵室の引出開口の開口面積
より小さく形成された紙袋フイルターの口板の引
出開口への取付けに際し、フイルター支持体が引
出開口側に自重により寄りかかるようにした電気
掃除機を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本発明は、集塵室
と、この集塵室の引出開口から前記集塵室内に設
置される使い捨ての紙袋フイルターと、前記引出
開口をおおい、かつ吸込口を有する蓋体と、前記
引出開口端縁に設けた紙袋フイルター支持体とを
備え、前記引出開口の開口面積を前記紙袋フイル
ターの口板の面積より大きく形成し、かつ、前記
引出開口端と前記フイルター支持体の先端部とを
利用して前記紙袋フイルターの口板を前記引出開
口に保持してなる電気掃除機において、前記引出
開口の面を上向きに傾斜させ、かつ該低い側の引
出開口端縁に紙袋フイルター支持体を回動自在に
設け、該紙袋フイルター支持体を前記引出開口側
に倒したとき、該紙袋フイルター支持体の自重で
前記引出開口側に寄りかかる構成としたものであ
る。

〔作用〕

紙袋フイルターの口板は、集塵室の引出開口端
と紙袋フイルター支持体の２箇所で保持されるた
め、口板を引出開口の開口面積より小さくしても
確実に引出開口にセツトすることができる。

集塵室の引出開口面が、第１図に示すように、
紙袋フイルター支持体の回動支点を通つて上向き
傾斜に形成されているので、フイルター支持体を
引出開口側に回動させると、第２図に示す如く、
その自重により引出開口端に寄りかかる。したが
つて、紙袋フイルターを集塵室にセツトする場
合、フイルター支持体を支えることなく、口板を
第４図イに示すようにして引出開口端に保持する
ことができる。その後、フイルター支持体から手
を離しても、第４図ロに示すように、フイルター
支持体は引出開口に保持される。そして蓋体を閉
成して紙袋フイルターの取付けを完了する。

紙袋フイルターの廃棄処理時には紙袋フイルタ
ー支持体を何等操作することなく、そのままにし
て、口板のみを把持して集塵室から引き出すこと
ができる。この引き出し過程において、紙袋フイ
ルター支持体は、塵埃が収容されて袋状体に押さ
れて回動し、引出開口が全面開放されるので、袋
状体は集塵室から容易に引き出すことができる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。なお、本実施例は本体ケース１と、集塵室
を形成するダストケース２とが着脱自在に結合さ
れる型式の電気掃除機への適用例である。

本体ケース１には、第１図に示すように、電動
送風機３、コード巻取装置４が設けられている。

ダストケース２内にはフイルタユニツト５、紙
袋フイルター６が設けられている。フイルタユニ
ツト５には除塵装置７が設けられている。この除
塵装置７はコード巻取装置４の回転により作動し
てフイルタユニツト５および紙袋フイルター６の
除塵が同時に行なわれる。

ダストケース２の前面には、集塵室を形成する
内側空間に通ずる引出開口２ａおよび後面には同
じく内側空間に通ずるフイルタユニツト５の取付
開口２ｂがそれぞれ設けられている。

引出開口面は、通常の掃除機の設置状態におい
て、第１図に示すように、設置側の引出開口端部
Ｐを通る垂線ａに対して角θをもつて傾斜されて
いる。この傾斜は後述の紙袋フイルター支持体が
引出開口端に当接されているとき、その状態が紙
袋フイルター支持体の自重によつて維持される方
向である。そして、傾斜角θは引出開口側にある
紙袋フイルター支持体に外力を加えないかぎり反
引出開口方向に回動しないように設定されてい
る。

紙袋フイルター支持体１３は、引出開口端近傍
に回動自在に軸支されており、引出開口側に回動
したとき、引出開口端との当接状態が紙袋フイル
ター支持体の自重により維持される。一方、反引
出開口側に回動した場合も同様である。また紙袋
フイルターを集塵室から引き出すとき、その操作
によつて反引出開口方向に回動されるように支持
されている。

紙袋フイルター６は通気性、可撓性を有する紙
質瀘材の袋状体８と、この袋状体８に接着したボ
ール紙の口板９とから構成されている。口板９は
中央に塵埃吸込口１０を有し、下部に折り曲げ部
１１をもつて可動自在なる塞ぎ板１２が設けてい
る。塞ぎ板１２で塵埃吸込口１０を閉じることに
より、ごみの入つている紙袋フイルター６を取り
扱う際にごみのこぼれを防止する。

この紙袋フイルター６は、口板９の縁（保持部
分）を紙袋フイルター支持体１３および集塵室の
引出開口端１６の２箇所に跨ぐように保持した
後、蓋体１９を閉じることによりセツトされる。

蓋体１９は、集塵室の引出開口２ａを完全に開
閉するもので、これの下端はダストケース２の前
側下部に支軸２０にて可動自在に支持されてい
る。

この蓋体１９は、上部に開閉用のクランプ２
１、内側に内カバー２２、吸込ホース（図示せ
ず）を接続する接続口２３、内カバーに設けら
れ、口板９の塵埃吸込口１０の周囲に密着される
吸込口用シールパツキング２４を有している。

本発明は、紙袋フイルター１０を使用すること
により、ゴミ処理のときのゴミの舞い上がりを防
止し、衛生的にゴミ処理を行なうことができると
共に、掃除機のフイルター部分の保守、点検を容
易ならしめ常に強い吸込力の接続を行なわせるこ
とができる。

本実施例では、紙袋フイルター支持体として、
集塵室３０の引出開口２ａのほぼ半分を塞ぐよう
に形成された板状体により構成されている。以
下、板状の紙袋フイルター支持体（単に、フイル
ター支持体という）により説明する。

フイルター支持体１３は、第２図に示すよう
に、支持板表面が引出開口端面とほぼ面一になる
ように引出開口近傍に回動自在に枢着されてい
る。一方、集塵室内壁には、引出開口端の手前ま
で延びる複数の保持リブ１５が設けられており、
フイルター支持板が引出開口側にあるとき、保持
リブ１５に当接して第２図に示す状態で維持さ
れ、安定した寄りかかり状態に置かれる。

つまり、フイルター支持板１３は、第１図に示
す垂直位置より角度θだけ後方M₁（本体ケース
側）に倒れかかつた位置で保持リブ１５に受け止
められるので、引出開口を開放する側（手前側）
に自然に倒れることはない。

フイルター支持板１３の前面には上方に抜ける
凹部１８が形成され、この凹部１８の左右上端に
は紙袋フイルター６の口板９の保持部分である縁
９ａを受ける受け部１８ａが形成されている。こ
の受け部１８ａに対向する集塵室の引出開口２ａ
を形成する引出開口端１６には紙袋フイルター６
の口板９の他方の保持部分である縁９ｂを受ける
受け部１６ａが形成されている。

次に、紙袋フイルター６のダストケース２への
取付けについて述べる。

紙袋フイルターは、第４図イに示すように、袋
状体８をダストケース２の集塵室３０内に挿入
し、この袋状体と塞ぎ板１２との間でフイルター
支持板１３を挾むようにして塞ぎ板１２をフイル
ター支持板１３の凹部１８に嵌め、そして口板９
の一方の側を凹部１８の受け部１８ａに載置した
後、口板９の他方の側を引出開口２ａ側の受け部
１６ａに嵌めて、集塵室の引出開口に保持する。
そして蓋体１９を閉成すると、第１図に示すよう
に蓋体１９の内カバー２２に設けられた吸込口用
シールパツキング２４が口板９の塵埃吸込口１０
周囲に密着して紙袋フイルター６がダストケース
２に装着される。

この取り付けに当り、フイルター支持板１３は
前述したように立てた状態に安定して置かれるの
で、同支持板１３が倒れないように手で押えるこ
となく紙袋フイルター６の前記取り付け作業を極
めて容易に行なうことができる。そして取り付け
後もフイルター支持板１３が倒れないので、紙袋
フイルター６は確実に保持される。

なお、紙袋フイルターのダストケースへの取付
けは、上記手順に限定されるものでなく、集塵室
３０内に袋状体８を挿入した後、まず口板９の縁
９ａを引出開口端１６の受け部１６ａに嵌め、そ
の後口板１２の縁９ｂをフイルター支持板の受け
部１８ａに嵌めるようにしてもよい。

次に、上記実施例の作用について説明する。

掃除機を運転すると、吸込口２３より吸入した
塵埃は、紙袋フイルター６の袋状体８内に入り塵
埃だけ濾過されて、清い空気流が集塵フイルタユ
ニツト５を通過して、本体ケース１から外部に排
出される。

塵埃で満杯になつた紙袋フイルター６を処理す
る場合、第５図に示すように、紙袋フイルター６
の塞ぎ板１２部分を折り曲げて塵埃吸込口１０に
ふたをして密閉した後、口板９の保持部分９ａ，
９ｂを除く他の縁部分９ｃ，９ｄを把持して袋状
体８を集塵室３０から引き出す。このとき、フイ
ルター支持板１３は塵埃で満された袋状体８によ
り押され、矢印イ方向に回動し、引出開口２ａの
全面が開放される。その結果、塵埃によつて集塵
室内に一杯に脹んだ袋状体８は引出開口全部を使
つて引き出される。その後、紙袋フイルター６は
ゴミ箱等へ捨てられる。

このように、紙袋フイルター６の廃棄処理にお
いて、フイルター支持板１３は、第３図に示すよ
うに自重で前側下向（M₂）に開放するので、袋
状体８は引き出し時に同支持板１３の先端部で摺
すられるようなことが生じない。このため、紙質
の袋状体８はやぶれるおそれがない。

また引出開口２ａは角度θだけ上向きになつて
いるので、紙袋フイルター６は斜め上方（矢印）
に引き出される。真横に比べ、斜め上向きの方が
自然で引き出し易いのである。

このようにしてゴミ処理が終わつた後は、新ら
しい紙袋フイルターをダストケース２部分にセツ
トすれば、再び掃除をすることができる。

〔発明の効果〕

上述のとおり、本発明によれば、集塵室の引出
開口の面を上向きに傾斜させ、該引出開口端縁に
紙袋フイルター支持体を回動自在に設け、該引出
開口側に紙袋フイルター支持体を倒したとき、紙
袋フイルター支持体の自重により引出開口側に寄
りかかる構成としたので、紙袋フイルターを引出
開口から集塵室内に設置する場合において、紙袋
フイルター支持体を回動させて引出開口側に位置
させたとき、その状態が維持され紙袋フイルター
の装着状態がそのまま保たれ、紙袋フイルターを
扱つた手で引出開口をおおう蓋体の開成操作がで
きる使い勝手のよい電気掃除機がえられる。

また、紙袋フイルターの口板を紙袋フイルター
支持体に設置後、紙袋フイルター支持体が前方に
倒れることなく、取扱性がすぐれている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す掃除機の縦断
面図、第２図は第１図の部分分解斜視図、第３図
は紙袋フイルターの取付け、取外し時の紙袋フイ
ルター支持体の作用を説明する図、第４図イ，ロ
は紙袋フイルターの集塵室の引出開口への取り付
けを説明する図、第５図は紙袋フイルターの廃棄
処理を説明する図である。 １……本体ケース、２……ダストケース、２ａ
……集塵室の引出開口、６……紙袋フイルター、
８……袋状体、９……口板、１３……紙袋フイル
ター支持体、１６ａ……引出開口側の受け部、１
８ａ……フイルター支持体側の受け部、１９……
蓋体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 集塵室と、この集塵室の引出開口から前記集
   塵室内に設置される使い捨ての紙袋フイルター
   と、前記引出開口をおおい、かつ吸込口を有する
   蓋体と、前記引出開口端縁に設けた紙袋フイルタ
   ー支持体とを備え、前記引出開口の開口面積を前
   記紙袋フイルターの口板の面積より大きく形成
   し、かつ、前記引出開口端と前記フイルター支持
   体の先端部とを利用して前記紙袋フイルターの口
   板を前記引出開口に保持してなる電気掃除機にお
   いて、前記引出開口の面を上向きに傾斜させ、か
   つ該引出開口端縁に紙袋フイルター支持体を回動
   自在に設け、該紙袋フイルター支持体を前記引出
   開口側に倒したとき、該紙袋フイルター支持体の
   自重で前記引出開口側に寄りかかる構成としたこ
   とを特徴とする電気掃除機。