JPS6429B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はかに脚様の水産練製品を製造する場合
における扁平練製品に線条溝を刻設する装置に関
するものである。

最近、水産練製品の付加価値を向上するため、
かに脚様の練製品が知られている。

しかしながら従来は扁平帯状の練製品原料に長
手方向に細かく切込溝又は切目を入れて長い繊維
状に形成し、これを集束しているため、かに脚の
ような短繊維状のものとは食感が全く異るばかり
か、噛んだり、千切つたりした時長い繊維状のも
のが長く繁がつたまゝ引抜かれ切断部もかに脚と
は全く異ると共にサラダに入れる場合のように細
かくほぐすことができない欠陥があり、単に外見
的にかに脚様に見せかけているに過ぎない。

この欠陥を改善するために、実公昭57−15670
号公報に見られるように、帯状練製品に斜状に切
込みを入れた繊維状中間品を多数集合結束して形
成した練製品が知られているが、このものは斜状
切込みを入れた帯状中間品を夫々別個に形成しな
ければならないと共にこれを多数集めて集束結束
するために製造能率が極めて悪いばかりか、千切
つた場合に斜状切込み方向に裂けて切断され、か
に脚のような不規側な切断面を呈しない欠陥があ
る。

本発明者はこれらの欠陥を改善すべく、先に扁
平帯状の練製品原料を間隔の狭い斜線刻設装置と
巾広間隔の縦線刻設装置を通過させて、原料表面
に細かい斜状切込溝と長手方向に巾広い切込溝と
を形成してこれを捲回集束することを開発した
が、この場合斜状切込溝を形成するのに螺旋ロー
ル等を使用すると原料が斜線刻設装置に附着し易
く、能率良く製造できないことが分つたので、本
発明は斜状切込溝の形成を能率良く確実に行うよ
うに改善したもので、扁平帯状原料の移送ベルト
の上面に、斜状刻設刃を張架した枠体を上下動自
在に設置すると共に該枠体に微振動装置を設け、
前記枠体と一体又は別個に長手方向切込溝刻設装
置を設けたことを要旨とするものである。

本発明の実施例を図面について説明すると、加
熱ゲル化した扁平帯状の練製品原料Ａを連続搬送
する移送ベルト１，１，１のうち、斜設された移
送ベルト１の下部にはこれに沿つてガイド板２が
設けられ、またその上部には適宜の上下動装置３
で高速で上下動しかつ斜状刻設刃４，４…を張設
した枠体５が移送ベルト１面に圧接するように設
けられると共に該枠体５には超音波等による微振
動装置６が設けられ、枠体５に微振動を与えなが
ら斜状刻設刃で原料Ａに斜状切込溝Ｂを刻設する
ように形成されている。

また枠体５の前部には原料Ａの移送方向に適宜
長さを有する長手方向刻設刃７，７…からなる長
手方向切込溝刻設装置８が設けられると共に最終
端の移送ベルト１の前方には任意の捲回集束装置
９と切断装置１０とが順次設置され、原料Ａを側
縁から捲回集束した後これを所定の長さに切断す
るように構成されている。

なお図中１１は枠体５の後部に設けたガイドロ
ールである。

次に本発明の各部の具体的数値例の一例を示す
と、移送ベルト１の搬送速度を５ｍ／分、練製品
原料Ａの巾が140mmとし、６枚の斜状刻設刃４を
8.4mmの間隔に、また長さ５mmの長手方向刻設刃
７６枚を20mmの間隔で夫々設けた枠体５を695
回／分上下動すると共に枠体５に超音波微振動装
置６で2000回／秒の微振動を与えると、練製品原
料Ａには1.2mmの間隔で斜状切込溝Ｂが形成され
ると共に長手方向切込溝Ｃが20mmの間隔で連続し
て刻設される。

本発明実施例は上記のように構成されているか
ら、移送ベルト１で移送される扁平帯状の練製品
原料Ａの上面に、枠体５を上下動装置３で上下動
すると共に微振動装置６で振動しながら斜状刻設
刃４，４…によつて斜状切込溝Ｂを細かく形成し
た後、長手方向切込溝刻設装置８により連続した
長手方向切込溝Ｃを形成して搬送され、次いで捲
回集束装置９で棒状に捲回集束された後切断装置
１０で所定の長さに切断されるものである。

しかして前記実施例では枠体５に長手方向切込
溝刻設装置８を設けて同時に長手方向切込溝Ｃも
刻設する場合を例示したが、長手方向切込溝Ｃ
は、従来知られているように一対の凹凸ロールに
よつて別個に形成することもできる。

本発明によつて斜状切込溝と長手方向切込溝を
刻設された練製品は、斜状の切込溝を長手方向の
切込溝で分断し、多数の微細条片で形成されてい
るので、食感が極めてかに脚に近似すると共にか
に脚と同様に細かくほぐすことができ、また千切
る場合にも第５図のように長手方向の切込溝が切
り裂き作用を促進して略その部分で切裂さ切断す
ることができ、食感及び形状共に極めてかに脚肉
に近似した水産練製品を製造できる。

また本発明では斜状刻設刃を張設した枠体を上
下動すると共にこれに微振動装置で微振動を与え
ながら斜状切込溝を形成するようにしたので、原
料が附着することなく原料表面に斜状切込溝を能
率良く円滑刻設することができると共に、長手方
向切込溝刻設装置との併用により扁平帯状原料に
連続して円滑容易に斜状切込溝と長手方向切込溝
を形成して品質の良いかに脚様の水産練製品を効
率良く製造できる優れた特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の平面図、第２図は同正面図、
第３図は同要部の縦断側面図、第４図は同要部底
面図、第５図は本発明による製品を千切つたとき
の正面図、第６図は第５図の製品の展開図であ
る。 １……移送ベルト、３……上下動装置、４……
斜状刻設刃、５……枠体、６……微振動装置、８
……長手方向切込溝刻設装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 扁平帯状原料の移送ベルトの上面に、斜状刻
   設刃を張架した枠体を上下動自在に設置すると共
   に該枠体に微振動装置を設け、前記枠体と一体又
   は別個に長手方向切込溝刻設装置を設けた水産練
   製品の線条溝刻設装置。