JPS642876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自転車の後車輪にスカート等の衣類
が巻込まれるのを防止する巻込み防止カバーに関
する。

（従来の技術） 従来、この種の巻込み防止カバーとして、実願
昭第57−141572号（実公昭59−27338号公報）が
考案されており、該巻込み防止カバーのバツクホ
ークへの取付けは略Ｕ字状の固定部材でバツクホ
ークを外側より抱持して、カバー体に設けられた
係止孔部にその両端部が挿通され、かつその挿通
端部に設けられた係止部を係止孔部周縁に抜止め
係止するよう構成されていた。そして自転車の車
種によつてバツクホークの傾斜角度が相違するた
め、係止孔部を複数設け、適宜係止孔部を選択し
て取付けるよう構成されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記構成の巻込み防止カバーにおいて、多数の
バツクホークの傾斜角度に適合させるためには、
係止孔部を多数設ける必要があると共に外観を損
なうおそれがあつた。

（問題点を解決するための手段） そこで、本考案は簡単な構成で、各種のバツク
ホークの傾斜角度に適合できる巻込み防止カバー
を提供するものであり、その技術的手段は、自転
車の後車輪の左右両側を覆う左右一対のカバー体
からなり、該カバー体は泥除け部材に取付けられ
る泥除け取付部と、バツクホークに取付けられる
ホーク取付部とを備え、両取付部を介して後車輪
とバツクホーク間に装着される巻込み防止カバー
において、前記ホーク取付部がカバー体に設けら
れた係止杆部と、バツクホークを外側より抱持し
て、その両端部に夫々設けられた二叉状の嵌着部
が係止杆部にその両側より夫々外嵌固着される略
Ｕ字状の固定部材とを備え、固定部材の取付位置
を変更調整自在とすべく、係止杆部がバツクホー
クの長手方向に交差状に長く形成されると共に、
係止杆部は嵌着部が抜止め状に外嵌固着される係
止部をその長手方向に沿つて連続状に備え、かつ
係止杆部の長手方向に一定間隔毎に多数の規制突
部が突設されてなり、嵌着部に前記外嵌固着によ
り規制突部に係合して係止杆部長手方向の移動が
規制される係合部が設けられてなる点にある。

（作用） 本考案によれば、固定部材でバツクホークを外
側より抱持して、その両端部の嵌着部を係止杆部
に外嵌固着するのであるが、係止杆部がバツクホ
ークの長手方向と交差状に長く形成されているの
で、係止杆部の長手方向のいずれの位置において
も外嵌固着でき、各種のバツクホークの傾斜角度
に対応して固定部材の取付け位置を無段階的に調
整できるのである。また固定部材が係止杆部に外
嵌固着した状態にあつては嵌着部の係合部が規制
突部に係合しており、係止杆部の長手方向に対す
る移動が規制されている。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第１図において、１は自転車で、そのフレ
ーム２の前後に夫々、前車輪３及び後車輪４が支
持されており、前車輪３及び後車輪４の上部外周
は夫々、前泥除け部材５・後泥除け部材６で被覆
され、これら前泥除け部材５・後泥除け部材６は
夫々前泥除けステー７・後泥除けステー８及び各
泥除け取付金具（図示省略）を介してフレーム２
側に支持されている。９はフレーム２の一部を形
成するバツクホークで、サドル１０の近傍から後
車輪軸１１傍間に設けられている。１２はキヤリ
ヤでキヤリヤステー１３によつて後車輪４上方に
位置して支持されている。１４はチエンカバー、
１５はスタンドである。

１６は巻込み防止カバーで、第２図に示される
如く、略対称形状の左右一対のカバー体１７，１
７からなり、各カバー体１７，１７は可撓性を有
する合成樹脂で一体形成されている。前記各カバ
ー体１７，１７は後車輪４の上半部前側を覆うべ
く、後車輪４と略同径の扇形状に形成されてい
る。そして第３図に示される如く、各カバー体１
７の円弧状外周縁１８両端部内面側には、バンド
挿通孔１９は夫々形成されており、左右のカバー
体１７，１７の各バンド挿通孔１９，１９に亘つ
て連結バンド２０が挿通され、該連結バンド２０
により左右カバー体１７，１７が連結される。こ
こに左右カバー体１７，１７の外周縁１８，１８
両端部が後泥除け部材６にまたがつて取付けられ
る。尚、第３図に示される如く、一方のカバー体
１７のバンド挿通孔１９は上方向に漸次巾狭とな
るテーパ状に形成され、他方のカバー体１７のバ
ンド挿通孔１９は下方向に漸次巾狭となるテーパ
状に形成され、連結バンド２０は細長帯状に形成
され、該連結バンド２０の一端部にバンド挿通孔
１９周縁部に当接する抜止め部２１が設けられる
と共に、連結バンド２０一側面にバンド挿通孔１
９に挿通され、かつ周縁部に抜止め状に係止され
る鋸歯状の係止部２２が適宜設けられている。そ
して、各バンド挿通孔１９及び連結バンド２０に
より後泥除け部材６にカバー体１７を取付ける泥
除け取付部を構成している。また各カバー体１７
の下縁部２３の後部にはホーク抱持部２４が一体
に設けられており、第４図に示される如く、ホー
ク抱持部２４はバツクホーク９を抱持すべく、所
謂Ｊ字状に外側方に突設されている。そしてホー
ク抱持部２４の弾性変形を介して挿入開口部２５
側より、バツクホーク９が挿脱自在に挿入され、
ここのカバー体１７の下縁部２３後部がバツクホ
ーク９に取付けられ、固定保持される。さらに各
カバー体１の外周縁１８中途部に位置して、各カ
バー体１７には係止杆部２６が設けられており、
第２図に示される如く、係止杆部２６はバツクホ
ーク９の長手方向と交差する方向に長く形成さ
れ、略同方向に沿つて弧状に形成されている。ま
た係止杆部２６は第５図乃至第７図に示される如
く、外側面側半部は内側面方向に巾広となる断面
台形状に形成された係止部２７とされ、内側面側
半部は巾狭で、断面矩形状に形成された突条部２
８とされ、該突条部２８両側面には長手方向に一
定間隔を有して多数の規制突部２９が突設されて
いる。３０は固定部材で、第５図に示される如
く、可撓性を有する合成樹脂で略Ｕ字状に一体形
成されており、その両端部には第６図に示される
如く、係止杆部２６にその両側より嵌脱自在に外
嵌固着される二叉状の嵌着部３１が夫々設けられ
ている。該嵌着部３１は係止杆部２６と対応する
形状に切欠形成されると共に、嵌脱を容易とすべ
く割溝３２が形成されている。また嵌着部３１の
嵌入端部側は嵌入を容易とすべく、テーパ状の案
内面３３とされ、各案内面３３内端側には、夫々
対向状として前記突部２９，２９間に嵌入される
係合部３４が設けられている。そして、バツクホ
ーク９を外側より抱持して、固定部材３０の各嵌
着部３１が係止杆部２６に外嵌固着されている。
この際、固定部材３０の係止杆部２６長手方向の
移動は係合部３４と規制突部２９との係合により
規制されている。そしてホーク抱持部２４、係止
杆部２６及び固定部材３０によりバツクホーク９
にカバー体１７を取付けるホーク取付部を構成し
ている。また扇状に形成された各カバー体１７は
上下・左右方向に複数の桟３５を備えた所謂格子
状に構成されている。また本実施例では外周縁１
９の内側に小径車輪にも兼用できるべく、小径用
外周縁３６、バンド挿通孔部３７，３７及び係止
杆部３８が一体に設けられている。このカバー体
１７を小径車輪用に用いる際には、小径用外周縁
３６の外方連設部で切断するか、もしくは一体成
形時に成形材料が外周縁１８方向に案内されない
よう、上記連設部で遮断して成形すればよい。

本考案の実施例は以上のように構成されてお
り、この防止カバー１６を自転車１に装着する場
合は、各カバー体１７をバツクホーク９と後車輪
４との間に挿入し、ホーク抱持部２４でバツクホ
ーク９を抱持さす。次に固定部材３０でバツクホ
ーク９を抱持して係止杆部２６に嵌着する。その
後連結バンド２０により各カバー体１７を連結す
れば、第１図に示される如く、安定した取付け状
態が得られる。以上のようにバツクホーク９と各
カバー体１７との固定に際し、ホーク抱持部２４
内にバツクホーク９を挿入すると共に、固定部材
２６でバツクホーク９を抱持して係止杆部２６に
外嵌固着するだけでよく、バツクホーク９に対す
る取付け作業が簡単、容易である。また係止杆部
２６が略周方向に長く形成されているため、第２
図仮想線で示される如く、バツクホーク９の傾斜
角度が異なる車種であつても同様に装着できる。
即ち、係止杆部２６の長さの範囲内において、固
定部材３０の取付け位置が所謂無段階的に複数位
置に変更調整自在であり、従つて、係止杆部２６
の長さの範囲内を通過する多数の傾斜角度のバツ
クホーク９に適合させることができ、汎用性が大
である。さらに固定部材３０が嵌着される係止杆
部２６をバツクホーク９の長手方向と交差状に長
く形成した簡単な構成であり、量産に適し、コス
ト低減が図れ、また何等外観を損なうおそれもな
い。

尚、各カバー体１７のデザインや係止杆部２６
の断面形状等は適宜決定すればよく、実施例の形
状に限定されない。

（考案の効果） 本考案によれば、ホーク取付部がカバー体に設
けられた係止杆部と、バツクホークを外側より抱
持してその両端部に夫々設けられた二叉状の嵌着
部が係止杆部にその両側より夫々外嵌固着される
略Ｕ字状の固定部材とを備え、固定部材の取付位
置を変更調整自在とすべく、係止杆部がバツクホ
ークの長手方向に交差状に長く形成されると共
に、係止杆部は嵌着部が抜止め状に外嵌固着され
る係止部をその長手方向に沿つて連続状に備え、
かつ係止杆部の長手方向に一定間隔毎に多数の規
制突部が突設されてなり、嵌着部に前記外嵌固着
により規制突部に係合して係止杆部長手方向の移
動が規制される係合部が設けられてなるものであ
り、係止杆部の長さの範囲内を通過する多数種の
傾斜角度のバツクホークに適合させることがで
き、汎用性が大である。また簡単な構成であり、
量産に適し、安価に提供できるという利点を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を装着した自転車の側
面図、第２図は同要部拡大図、第３図は第２図
−線断面拡大矢視図、第４図は第２図−線
断面拡大矢視図、第５図は第２図−線断面拡
大矢視図、第６図は第５図−線断面矢視図、
第７図は第５図−線矢視図である。 １……自転車、４……後車輪、６……後泥除け
部材、９……バツクホーク、１６……巻込み防止
カバー、１７……カバー体、１９……バンド挿通
孔、２０……連結バンド、２６……係止杆部、３
０……固定部材、３１……嵌着部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自転車の後車輪の左右両側を覆う左右一対のカ
   バー体からなり、該カバー体は泥除け部材に取付
   けられる泥除け取付部と、バツクホークに取付け
   られるホーク取付部とを備え、両取付部を介して
   後車輪とバツクホーク間に装着される巻込み防止
   カバーにおいて、前記ホーク取付部がカバー体に
   設けられた係止杆部と、バツクホークを外側より
   抱持して、その両端部に夫々設けられた二叉状の
   嵌着部が係止杆部にその両側より夫々外嵌固着さ
   れる略Ｕ字状の固定部材とを備え、固定部材の取
   付位置を変更調整自在とすべく、係止杆部がバツ
   クホークの長手方向に交差状に長く形成されると
   共に、係止杆部は嵌着部が抜止め状に外嵌固着さ
   れる係止部をその長手方向に沿つて連続状に備
   え、かつ係止杆部の長手方向に一定間隔毎に多数
   の規制突部が突設されてなり、嵌着部に前記外嵌
   固着により規制突部に係合して係止杆部長手方向
   の移動が規制される係合部が設けられてなること
   を特徴とする自転車用巻込み防止カバー。