JPS642838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ワゴン車等、荷室を有する車両にお
いて、その荷室のフロア上に取付ける簡易コンベ
アに関する。

（従来の技術） 従来、この種の荷室用コンベアとしては、例え
ば実開昭59−158536号公報に記載されたものが知
られている。

この従来のコンベアは、荷台に搬送ローラユニ
ツトを組み合せたもので、その搬送ローラユニツ
トは、多数のローラが左右のフレーム間に軸架さ
れた構造となつており、この搬送ローラユニツト
を、荷台に形成した格納用凹部に通常は収納して
おき、使用に際しては、搬送ローラユニツト全体
を天地反転してローラを荷台のフロアよりも突出
させたり、或いは、搬送ローラユニツト全体を平
行リンク機構を介して昇降させることでローラを
荷台のフロアを境にして昇降させるようにしたも
のである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この従来構造では、搬送ローラ
ユニツトは、左右のフレーム間にローラが軸架さ
れた構造であるため、使用に際しては、搬送ユニ
ツトを全体として反転させたり、昇降させる必要
があり、それだけ取扱いに大きな労力を要するこ
とになるし、又、フレームを頑丈に作る必要があ
るなど、構造が複雑になるし、重量も重たいとい
う問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、かかる従来の問題点を解決すること
を目的としてなされたもので、そのための技術的
手段として本考案では、車両荷室のフロアに取付
けるガイド枠部材の上部板を貫通して複数個の保
持穴が形成され、該各保持穴には、前記ガイド枠
部材に摺動可能に支持した操作プレートの上面で
支えられる状態で、ころがり支持部材が転動可能
に保持され、かつ該操作プレートの上面には、こ
ろがり支持部材の上部が上部板の上面から突出す
る状態に該ころがり支持部材を支える突出保持面
と、ころがり支持部材が上部板の上面から退入す
る状態に該ころがり支持部材を支える退入保持面
と、が連続して形成された構成を採用することと
した。

（作用） 従つて、本考案のコンベアでは、通常は、保持
穴内のころがり支持部材を操作プレートの上面に
形成した退入保持面で支えることで、該ころがり
支持部材をガイド枠部材の上部板から退入した状
態に保持しておく。そして、荷役作業に際し、コ
ンベアを使用するには、操作プレートを摺動して
保持穴内のころがり支持部材を退入保持面に連続
した突出保持面で支えるようにすれば、ころがり
支持部材はガイド枠部材の上部板から突出するこ
とになり、該ころがり支持部材の上に荷物を載せ
れば、ころがり支持部材のころがり抵抗によつて
荷物を楽に移動させることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に示して説明す
る。

まず、ころがり支持部材としてボールを用いた
第一実施例を第１図〜第６図により説明する。

本実施例の車両荷室用コンベアは、ガイド枠部
材２と、操作プレート４と、ころがり支持部材と
してのボール６と、から構成されたコンベアユニ
ツト８が、ワンボツクス自動車１０の荷室１２の
フロアパネル１４上に車体後部の開口部１６から
車体の前方に延長して３列に取付けられた構造と
なつている。

前記ガイド枠部材２は、方形長尺材の断面中央
部にガイド溝２０が形成されるとともに、下端両
側に取付け用フランジ２２，２２が形成され、か
つ上部板２４を貫通して多数の保持穴２６，２６
……が同一ピツチで１列に列設されている。尚、
２８は取付けビスである。

ころがり支持部材としてのボール６は、前記ガ
イド枠部材２の各保持穴２６内に操作プレート４
の上面で支えられる状態で転動可能に保持されて
いる。尚、このボール６の直径は、ガイド枠部材
２の上部板２４の板厚よりも大きく形成され、
又、保持穴２６の上縁部には、該保持穴２６の内
径をボール６の直径よりも若干小さくしてボール
６の抜けを防止するための突縁３０が形成されて
いる。

次に、操作プレート４は、ガイド枠部材２のガ
イド溝２０内に摺動可能に嵌合され、一端には取
つ手３２が形成されるとともに、上面には前記ボ
ール６の上部が上部板２４の上面３４から突出す
る状態に該ボール６を支える突出保持面と、ボー
ル６が上部板２４の上面３４から退入する状態に
該ボール６を支える退入保持面と、が形成され、
この場合、本実施例では、操作プレート４の上面
のフラツト面部３６が突出保持面とされ、又、操
作プレート４の上面に前記保持穴２６と同一ピツ
チで形成した球状凹面部３８が退入保持面とさ
れ、かつ該退入保持面としての球状凹面部３８
と、突出保持面としてのフラツト面部３６と、は
円滑に連続して形成されている。尚、４０，４２
はそれぞれストツパで、一方のストツパ４０がガ
イド枠部材２の一端に当接した状態で球状凹面部
３８が保持穴２６に符合し、又、他方のストツパ
４２がガイド枠部材２の他端に当接した状態でフ
ラツト面部３６が保持穴２６に符合するように形
成されている。

次に、本第一実施例の作用を説明する。

まず、車両用荷室コンベアの不使用時には、操
作プレート４を、退入保持面としての球状凹面部
３８が保持穴２６に符合する状態にストツパ４０
により位置決めしておくもので、この場合、保持
穴２６内のボール６は球状凹面部３８で支持され
ることから、ボール６はガイド枠部材２の上部板
２４の上面３４から退入した状態で保持穴２６内
に保持される（第３図、第４図）。

そして、荷役作業に際し、荷室コンベアを使用
するには、取つ手３２を把持して、ストツパ４２
で係止される位置まで操作プレート４をガイド溝
２０に沿つて手動で摺動させるもので、この場
合、操作プレート４の摺動により保持穴２６から
球状凹面部３８が次第に外れていくに伴なつて、
ボール６はその球状面にガイドされながら上昇し
ていき、ストツパ４２で操作プレート４が位置決
めされた状態では、ボール６は突出保持面として
のフラツト面部３６で支持されていることから、
該ボール６は、上部が上部板２４の上面３４より
も突出した状態で保持穴２６内に保持されること
になる（第５図、第６図）。

したがつて、このボール６が突出した状態で、
この上に荷物を載せれば、ボール６のころがり抵
抗によつて荷物を移動させることができ、その分
作業が楽に行なえるものである。又、荷物を所定
の位置に移動した後に、操作プレート４をストツ
パ４０で係止される位置まで摺動させることによ
りボール６が上部板２４の上面３４から退入した
状態になるので、荷物をガイド枠部材２の上部板
２４の上面３４に載置固定することができる。

次に、第二実施例の車両荷室用コンベアを第７
図により説明する。

この車両荷室用コンベアは、ころがり支持部材
としてコロ５０が用いられている点に特徴があ
り、コロ５０を用いたことに対応して、保持穴５
２が長方形に形成され、又、退入保持面として操
作プレート４の上面に弧状凹面部５４が形成され
ている。

次に、第三実施例の車両荷室用コンベアを第８
図〜第１０図により説明する。

この車両荷室用コンベアは、ころがり支持部材
として軸支ローラ６０が用いられている点に特徴
があり、この場合、保持穴６２がローラ本体部６
４に対応して長方形に形成されるとともに、ガイ
ド溝２０の上面にはローラ支軸部６６，６６を嵌
合する軸受溝６８，６８が形成され、かつ操作プ
レート４の両側には立ち上げ部７０，７０が立設
され、この立ち上げ部７０の上面に突出保持面と
してのフラツト面部７２と、退入保持面としての
弧状凹面部７４と、が形成され、そして、操作プ
レート４を摺動させながら軸受溝６８内に保持さ
れたローラ支軸部６６を、前記フラツト面部７２
或いは弧状凹面部７４で支えることにより、ロー
ラ本体部６４を保持穴６２から突出或いは退入さ
せるようにした構造となつている。又、この第三
実施例では、コンベアユニツト８がフロアパネル
１４のビード凸部７６に取付けられており、この
場合、ガイド枠部材２の下部板７８の中央部分が
フアスナ８０を介してフアロパネル１４のビード
凸部７６に取付けられている。なお、８２は操作
プレート４に形成した逃がし穴で、フアスナ留め
具８４と操作プレート４の干渉を防止している。

尚、前記した第二実施例および第三実施例にお
いて、第一実施例の構成と同一部分については図
面の符号を同一にしてその説明を省略し、又、作
用についても第一実施例と同様となるので、その
説明を省略する。

以上、本考案の実施例を図面により説明した
が、本考案の具体的な構成は前記した実施例に限
定されるものではなく、考案の要旨を逸脱しない
範囲の設計変更等があつても本考案の技術的範囲
に含まれる。

例えば、第２図ではコンベアユニツト８を３列
にして並設した場合を図示したが、１列でもよい
し、４列以上でもよく、又、ビードを形成したフ
ロアパネルに取付ける場合、ビード凸部に取付け
てもよいし、延設方向についても、車体側部の開
口部から車幅方向に延設してもよい。

又、ころがり支持部材の配設ピツチは任意であ
るし、一つのコンベアユニツトに複数列に列設し
てもよい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案の車両荷室用コンベ
アによれば、使用に際しての操作が、操作プレー
トを摺動させるだけとなるため、その取扱い操作
にほとんど手間が要らず、又、操作プレートの操
作によつてころがり支持部材のみを昇降させる機
構となるため、構造が簡単になるし、重量も軽量
となり、又、コンベアユニツト全体を反転させた
り、昇降させたりする従来構造とは異なり、取扱
い操作に要する労力が軽減されて、その使用が簡
便かつ楽に行なえるものである。又、コンベアユ
ニツト上に荷物があつても軽い操作力でころがり
支持部材を昇降させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第一実施例の車両荷室用コンベ
アを示す分解斜視図、第２図は該コンベアを装備
したワンボツクス自動車の概略斜視図、第３図〜
第６図は該コンベアの動作説明断面図、第７図は
第二実施例の車両荷室用コンベアを示す分解斜視
図、第８図は第三実施例の車両荷室用コンベアを
示す分解斜視図、第９図および第１０図は該コン
ベアの断面図である。 ２：ガイド枠部材、４：操作プレート、６：ボ
ール（ころがり支持部材）、１２：荷室、１４：
フロアパネル、２４：上部板、２６：保持穴、３
４：上面、３６：フラツト面部（突出保持面）、
３８：球状凹面部（退入保持面）、５０：コロ
（ころがり支持部材）、５２：保持穴、５４：弧状
凹面部、６０：軸支ローラ（ころがり支持部材）、
６２：保持穴、７２：フラツト面部、７４：弧状
凹面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両荷室のフロアに取付けるガイド枠部材の上
   部板を貫通して複数個の保持穴が形成され、該各
   保持穴には、前記ガイド枠部材に摺動可能に支持
   した操作プレートの上面で支えられる状態で、こ
   ろがり支持部材が転動可能に保持され、かつ該操
   作プレートの上面には、ころがり支持部材の上部
   が上部板の上面から突出する状態に該ころがり支
   持部材を支える突出保持面と、ころがり支持部材
   が上部板の上面から退入する状態に該ころがり支
   持部材を支える退入保持面と、が連続して形成さ
   れていることを特徴とする車両荷室用コンベア。