JPS642810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用換気装置に関し、更に詳し
く言えば、局所的に汚染された空気が車内に拡散
するのを防止した換気装置に関する。

従来の車両の換気装置は、第１図に示すよう
に、インストルメントパネル２に設けられている
空気吹出し口３、３と、車両の後方部材例えば後
部ピラー４に設けられている排出口５とから構成
されているので、前部座席付近で発生した汚染空
気、例えばたばこの煙は後部座席の方へ流れ、後
方の搭乗者に不快感を与えるという欠点があつ
た。また本出願人は、先に実開昭57−37606号公
報により上記技術を解決すべく、車室のフロント
ルーフレール、サイドルーフレール又はフロント
ピラーに空気の吸込口を設け、サイドルーフレー
ル等の中空部をダクトとして吸込んた空気を後方
に送り、ドアパネル後方に設けた排出口より空気
を排出するように構成した換気装置を提案した
が、これは空気吸込口と排出口が離れて構成され
ている為、構成が大がかりになると言う問題があ
つた。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであ
つて、その目的とするところは、汚染された空気
が車内に拡散する前に、車外へ排出できるように
簡単かつコンパクトに構成された換気装置を提供
することである。

本考案による自動車用換気装置は、車内のイン
ストルメントパネルの両側部にそれぞれ空気吹出
し口を開口し、それら空気吹出し口をそれぞれ空
気吹出し用ダクトにより車外に連通するととも
に、該空気吹出し用ダクトから空気排出用ダクト
を分岐し、該空気排出用ダクトを車体構造体であ
るヒンジピラーを介して車外に連通し、これら両
ダクトの分岐点に切換弁を設けている。

以下本考案の一実施例を示す添付図面によつて
説明する。

さて第２図を参照すると、本考案に係る換気装
置が車内のインストルメントパネル１２に設けら
れている空気吹出し口１３と、この吹出し口に連
通して車外の空気を車内へ導入するための空気吹
出し用ダクト１４と、このダクトから分岐してい
る排出用ダクト１５と、分岐点に設けられている
切換弁１６とを備えている。

そしてこの切換弁１６は車室から機械的なリン
ク機構或いは電気的な手段により遠隔操作により
切換えることができるように構成されている。ま
た、このように構成されている換気装置は、運転
席１２′と補助席１３′のそれぞれの前方のインス
トルメントパネルに設けられている。そして切換
弁１６は同時に或いは個別に独立して切換操作が
できるようになつている。

本考案に係る自動車用換気装置は、以上のよう
に構成されているので、切換弁１６を第３図に鎖
線で示す位置へ切換えると、車外の空気は矢印Ａ
で示すように流れて空気吹出し口１３から車内へ
導入される。今例えば喫煙によつて前部座席付近
の空気が汚染される恐れがあるとき、又は汚染さ
れたときは切換弁１６を実線で示す位置へ切換え
る。そうすると排出用ダクト１５は車体構造体を
介して車外に通じているので、走行時に生じる負
圧によつて車内の汚染された空気は矢印Ｂで示す
ように空気吹出し口１３、排出用ダクト１５を通
り、車外へ効果的に排出される。従つて汚染空気
が車内中に拡散するのが未然に防止される。また
インストルメントパネル１２の左右両端に独立し
て設けられている換気装置を適宜に操作すること
によつて更に効果的に換気することも可能であ
る。例えばドライバーが喫煙するときは、補助席
の前方の切換弁１６は排出用ダクト１５を閉に
し、空気吹出し用ダクト１４を開にするように、
又ドライバーの前方の切換弁は空気吹出し用ダク
ト１４を閉にし、排出用ダクト１５を開にするよ
うに切換えると、空気は、補助席１３′の方から
運転席１２′の方へ流れる。従つて煙は他の搭乗
者に不快感を与えることなく車外へ排出される。

以上の説明から明らかなように、排出用ダクト
は自動車のどの部分の車体構造体を介して車外へ
通じるように構成してもよいが、車両の外観上、
軽量化、低コスト化、或いは排気効果等を考慮す
ると、排出用ダクトはヒンジピラーを介して車外
へ連通するのが望ましい。そしてその実施例が第
４図、第５図に示されている。すなわち同図に示
すように、フロントパネル２１の端部に設けたヒ
ンジピラー２０はドアヒンジ２５によりドアパネ
ル２４を支持し、このヒンジピラー２０の車室側
パネルには開口部２２が設けられている。そして
この開口部に排出用ダクト１５が連通している。

このように構成されているので、切換弁１６を
第３図の実線で示す位置へ切換えると、車内の空
気は矢印Ｂで示すように流れてダクト１５を通
り、矢印Ｃ（第５図）で示すように空間部２８へ
導入される。ところでヒンジピラー２０のドアパ
ネル側には排気口２６、２６が設けてあるので、
車両の走行中に発生する負圧によつて空間部２８
の空気は排気口２６、２６からヒンジピラーとド
アパネルとの間の隙間を通つて車外へ効果的に排
出される。

以上説明したように、本考案によると排出用ダ
クトを空気吹出し用ダクトから分岐させ、この分
岐点に切換弁を設けて換気装置が構成されている
ので、運転席或いは補助席近傍で発生する汚染空
気は後部座席に拡散する前に車外へ排出されると
共に、装置がコンパクトにしかも安価に提供され
るという効果を有する。

なお、図示による説明は省略したが、ダクトに
フアンを設けて強制的に換気するようにしてもよ
いことは明らかである。本考案の換気装置は図示
された乗用車のみ実施されるものではなく、トラ
ツク、バス等にも実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の換気装置を備えた自動車の斜視
図、第２図は車両の内部とともに本考案に係る換
気装置を模式的に示す斜視図、第３図は本考案に
係る換気装置の要部を示す断面図、第４図は同正
面図、第５図は第４図におけるＡ−Ａ断面図であ
る。 １２……インストルメントパネル、１３……空
気吹出し口、１４……空気吹出し用ダクト、１５
……排出用ダクト、１６……切換弁、２０……ヒ
ンジピラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車内のインストルメントパネルの両側部にそれ
   ぞれ空気吹出し口を開口し、それら空気吹出し口
   をそれぞれ空気吹出し用ダクトにより車外に連通
   するとともに、該空気吹出し用ダクトから空気排
   出用ダクトを分岐し、該空気排出用ダクトを車体
   構造体であるヒンジピラーを介して車外に連通
   し、これら両ダクトの分岐点に切換弁を設けたこ
   とを特徴とする自動車用換気装置。