JPS642746Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ボツクス型サウナ装置に設けられる
棒状ヒータのリフレクタの構造に関する。

ボツクス型サウナ装置においては、中に入る人
を温めるために、通常、人体の背後にあたる位置
に上下方向に延びる１つのバツクヒータ装置が、
また、人体の前方の左右の位置にそれぞれ１つず
つ合計２つの上下に延びるフロントヒータ装置が
設けられる。

従来のヒータ装置の構造をフロントヒータを例
にとつて示すと第１図の通りである。すなわち、
上下方向に延びる棒状ヒータ１があり、該棒状ヒ
ータ１の背部には第２図に示すような拡散型のリ
フレクタ２が、または第３図に示すような集光型
のリフレクタ３が配設されており、棒状ヒータ１
の前部には第２図および第３図に示すような表面
に植毛された網状物４が張設されている。

ところで、従来のヒータ装置を採用した場合に
は、使用条件によつては棒状ヒータ１の上部近傍
が加熱され過ぎ、網状物４の上部がこげてしま
い、植毛の中の金物が露出してしなう場合がある
という問題があつた。

本考案は、このような問題を解消するために、
棒状ヒータから網状物にかかる熱を柔らげ、かつ
ヒータ上部近傍における厳しい熱的条件を緩和さ
せ、もつて網状物の焼けこげを防止することを目
的とする。

この目的を達成するために、本考案のサウナボ
ツクスヒータ装置のリフレクタにおいては、リフ
レクタの幅方向の中央の位置に、上下方向に延び
る棒状ヒータの長手方向に沿つて延び棒状ヒータ
に向かつて開口する横断面がＵ字状の凹部が、リ
フレクタ全長にわたつて形成されている。そし
て、棒状ヒータの上方に、上下方向に延びる熱逃
し用空間部が設けられており、リフレクタ上端部
はこの熱逃し用空間部に曝されている。

この凹部構成により棒状ヒータからの放射線は
凹部とヒータ間にこもり、リフレクタの反射機能
は緩和される。放射線が凹部にこもると、リフレ
クは逆に温度が上昇しようとするが、凹部がエア
の通路として機能するので、凹部を通るエアによ
つてリフレクタ凹部は異常に温度が上昇すること
が防止される。エアによるリフレクタ凹部の冷却
によつてエアの温度は上昇するが、この温度上昇
したエアは熱逃し用空間部に入り、そこには棒状
ヒータがないので、棒状ヒータがその部分にある
場合に比べて温度は軽減され、網状物をこがす迄
には至らない。

以下に、本考案のサウナボツクスヒータ装置の
リフレクタの望ましい実施例を図面を参照して説
明する。

第４図はボツクス型サウナ装置を示している。
サウナボツクス１０の内部には、背板１１にバツ
クヒータ１２が前板１３の左右両側にフロントヒ
ータ１４，１５が設けられている。第５図に示す
ように、バツクヒータ１２は通常背板１１の内面
に凹部を形成してその中に埋設されており、フロ
ントヒータ１４，１５は前板１３の左右の側板１
６，１７とのコーナ部位に着脱自在に取付けられ
ている。

サウナボツクス１０自体は、背板１１、前板１
３、側板１６，１７、天井板１８、床板１９が互
に回動可能に連結された折りたたみ式のものから
成つていてもよいし、個別の壁板１１，１３，１
６，１７，１８，１９が分解可能にボツクス状に
組立てられたものであつてもよいし、さらには分
解不能にボツクス状に作製されたものであつても
よい。これらのうち折りたたみ式のもの、分解可
能のものは、サウナ不使用時にはコンパクトにた
たむことができ、家庭内等における収容に便利で
ある。折りたたみ式、分解可能式のものにおいて
はフロントヒータ１４，１５はサウナボツクス１
０を折りたたんで積重ねたときの邪魔になるの
で、前板１３または側板１６，１７に脱着可能と
され、積層時には壁１３，１６，１７から外され
る。

第６図は、フロントヒータ１４，１５の横断面
の構造を示している。２０は棒状の遠赤外線ヒー
タである。棒状ヒータ２０の背部にはアルミ等か
ら成る拡散型のリフレクタ２１が配設されてい
る。リフレクタ２１は中央の平板部２２と、該平
板部２２の両側から棒状ヒータ２０側に向かつて
折れ曲つて延びる折れ曲り部２３とから成る。リ
フレクタ２１の背部には枠体２５があり、リフレ
クタ２１と枠体２５との間は空間部または断熱材
が挿入される。平板部２２には、棒状ヒータ２０
に向かつて開口する横断面Ｕ字状の凹部２４が設
けられている。この凹部２４は棒状ヒータ２０に
沿つて上下方向にリフレクタ全長にわたつて延び
ている。

第７図は、フロントヒータ１４，１５の別の実
施例に係る横断面構造を示している。この実施例
では、リフレクタ２１は集光型となつており、第
６図の反射型の実施例と同様、湾曲状に延びるリ
フレクタ２１の幅方向の中央に上下方向に延び
る、ヒータ２０に向つて開口する横断面化Ｕ字状
の凹部２４が形成されている。凹部はリフレクタ
全長にわたつて延びる。

フロントヒータ１４，１５における棒状ヒータ
２０の前方には網状物２６があり、サウナ装置内
に入る人が棒状ヒータ２０に直接触れないように
なつている。網状物２６の表面は金属が露出しな
いように植毛されているかまたは布製物のよつて
覆われている。網状物２６はリフレクタ２１の前
面に全面にわたつて張設されている。

棒状ヒータ２０の上端部には、第８図に示すよ
うに、フロントヒータ１４，１５の天井板部２７
があるが、棒状ヒータ２０の上端部と天井板部２
７との間には、棒状ヒータ２０によつて熱せられ
た空気が溜まりながらリフレクタ２１の内部から
外部へと逃げるための熱逃し用空間部２８が形成
されている。従来のヒータ装置にはこのような空
間部は設けられておらず、棒状ヒータ２０の上方
にはすぐヒータ装置の天井板部が沿設されていた
が、本考案の装置では棒状ヒータ２０の上方にこ
のような熱逃し用空間部２８がわざわざ設けられ
る。熱逃し用空間部２８の前面は多孔板のリフレ
クタ２９があり、網状物２６の上端への放射をさ
らに緩和している。天井板部２７の上方は間隔を
隔てて多孔板３０があり、さらにその上方は前記
間隔にこもつた高温の空気をリタレクタ外に逃が
す孔を有する蓋３１が設けられており、該蓋３１
はその表面を植毛で覆われている。なお、上記構
成ではヒータとしてフロントヒータ１４，１５を
例にとつて説明したがヒータはバツクヒータ１２
であつてもよい。

つぎに上記構成を有する実施例装置の作用につ
いて説明する。

棒状ヒータ２０がオンされると棒状ヒータ２０
からは遠赤外線が放射される。この遠赤外線によ
りサウナボツクス１０の内部の人は温められる
他、棒状ヒータ２０自体が加熱されてその表面に
沿つて流れる空気が熱せられ、空気は上方へと流
れる。したがつて、棒状ヒータ２０の上部近傍程
空気の温度は上るが、熱せられた空気はリフレク
タ２１の中からリフレクタ外へと出てサウナボツ
クス１０内の空気は温められていく。棒状ヒータ
２０の上端部近傍は空気も熱く、かつヒータ２０
からの放射線を受けるので網状物２６は他の部分
より高温に熱せられる。

しかし、リフレクタ２１には棒状ヒータ２０に
向かつて開口する断面Ｕ字状の凹部２４が形成さ
れているので、放射線が棒状ータ２０と凹部２４
間にこもり、反射機能が弱まる。また、リフレク
タ凹部２４は、凹部２４を通るエアによつて冷却
されるのて、リフレクタ２１もそれ程高温になら
ず、リフレクタ２１自体の放射も抑えられる。し
たがつて、網状物２６が受ける放射は凹部２４が
ない場合に比べて弱まり、網状物２６の加熱は緩
和される。したがつて、植毛がこげる程には加熱
されない。

また、棒状ヒータ２０に沿つて流れる空気およ
び凹部２４を通つてリフレクタ２１を冷却した空
気は上昇していくが、その空気は一度上方の空間
部２８に溜まつてそこから外部へと逃げていく。
空気の温度として最も高いのは前記熱逃し用空間
部２８の空気であるが、該部分２８には棒状ヒー
タ２０が設けられていないので、該部分２８に対
応する部分の網状物２６は高温の空気のみからの
加熱を受け、棒状ヒータ２０からの放射による加
熱を受けない。また、斜め下方からの棒状ヒータ
２０の放射はヒータ前方のリフレクタ２９によつ
て妨げられるので、網状物２６の加熱防止は良好
である。なおリフレクタ２９には孔があいている
ので空気の逃げには悪影響を与えない。したがつ
て空気の温度が高くても植毛がこげる程の加熱を
受けない。また、網状物２６は棒状ヒータ２０か
ら離れる方向に屈曲しているので、加熱はさらに
緩和される。

この加熱緩和と植毛のこげの防止作用はフロン
トヒータ１４，１５のみならず、バツクヒータ１
２の場合にも成立する。

したがつて、本考案によるサウナボツクスヒー
タ装置のリフレクタによるときは、棒状ヒータの
背面に対応させてヒータに向つて開口する横断面
がＵ字状の凹部を設けたので、放射線を凹部と棒
状ヒータ間にこもらせて緩和することができ、凹
部を通るエアによつてリフレクタ自体も冷却で
き、ヒータ前方にある網状物の焼けこげを防止す
ることができるという効果が得られる。

また、棒状ヒータの上方に、熱せられた空気を
一たん入れそこからサウナボツクス内へと逃がす
熱逃し用空間部を設けたので、網状物の焼けこげ
防止効果を更に促進させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のサウナ装置のフロントヒータの
斜視図、第２図は第１図のフロントヒータの横断
面図、第３図は第１図とは別の実施例の従来のフ
ロントヒータの横断面図、第４図は本考案の一実
施例のサウナ装置の全体斜視図、第５図は第４図
の装置のバツクヒータの横断面図、第６図は第４
図の装置のフロントヒータの横断面図、第７図は
本考案に係る、第６図とは別の実施例のフロント
ヒータの横断面図、第８図は第６図のフロントヒ
ータの縦断面図、である。 １０……サウナボツクス、１１……背板、１２
……バツクヒータ、１３……前板、１４，１５…
…フロントヒータ、１６，１７……側板、１８…
…天井板、１９……床板、２０……棒状ヒータ、
２１……リフレクタ、２２……平板部、２３……
折れ曲り部、２４……凹部、２５……枠体、２６
……網状物、２７……天井部、２８……熱逃し用
空間部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 サウナボツクス内に取りつけられた上下方向に
   延びる棒状ヒータの背面側に配設された、上下方
   向に延びるサウナボツクスヒータ装置のリフレク
   タにおいて、 前記リフレクタの幅方向中央部に、横断面がＵ
   字状で前記棒状ヒータに向つて開口しかつ前記リ
   フレクタの全長にわたつて上下方向に延びる凹部
   を形成し、 さらに前記リフレクタを、前記棒状ヒータの上
   端より上方に延ばし、この棒状ヒータ上端より上
   方に延びた部分を前記棒状ヒータより上方に設け
   た熱逃し用空間部に曝した、 ことを特徴とするサウナボツクスヒータ装置のリ
   フレクタ。