JPS642353B2

JPS642353B2 -

Info

Publication number: JPS642353B2
Application number: JP19205085A
Authority: JP
Inventors: Etsuko Fukamachi
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1985-09-02
Filing date: 1985-09-02
Publication date: 1989-01-17
Also published as: JPS6251973A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は従来のタバコ葉の代わりに、ユリ科
の多年性常緑植物であり薬草として永い歴史のあ
るアロエの葉を用いたタバコ代替物及びその製造
方法に関する。近年、タバコの害はタバコを吸う
本人ばかりでなく、その周りにいてタバコの煙を
知らず知らずのうちに吸つている人にまで及んで
いることが明らかになつている。また、幼児が誤
つてタバコを食べてしまうという事故が起こるこ
ともある。この発明はニコチンやタールを全く含
まないアロエの葉によるタバコ代替物に関するも
のである。

（従来の技術）従来のタバコ葉代替物としては、桜の葉を濃縮
食塩水に浸して青くさみをとり、水洗して脱塩し
た後乾燥したものがあつた（特公昭59−30396
号）。

（発明が解決しようとする問題点）桜の葉を材料とする場合、青くさみをとるため
に濃縮食塩水に浸す過程がどうしても必要であ
り、この過程を省略したのではタバコ代替物とし
て使いものにならない。また、桜の葉は一年中取
れるものではなく、季節が決まつているために保
存方法も考慮しなければならない。

（問題点を解決するための手段）アロエはユリ科の植物でその葉は古くから、内
服薬、外用薬として病気治療のために用いられ、
また美容にも効果がある。アロエは元来が熱帯地
方に自生する多年性の多肉植物で、茎は高さ20cm
から６ｍに達するものもあり、葉は集生して細長
く、肉が厚く、汁を含み、へりはとげ状になつて
先はとがつている。日本で裁培されているのは葉
の細いキダチアロエである。キダチアロエは非常
に裁培しやすく砂と土とを半々にまぜた水はけの
よい土に、親株からとつた脇芽をさすと、どんど
んふえる。芽からタバコ代替物に適した大きさの
葉になるまでにだいたい１ケ月近くかかる。

アロエを使つた食品、薬品、化粧品は多々存在
するがアロエを使つたタバコ代替物はまだ市場に
見当らない（土屋書店発行「驚異のアロエ療法」
の口絵参照）。そこで発明者はアロエによるタバ
コ代替物を作るべく以下の如く実験を試みてみ
た。実験に使つたアロエはキダチアロエである
が、本願発明のアロエはキダチアロエに限られな
い。

まずタバコ代替物に用いるアロエは長さ30cm、
幅3.5cmくらいに成長した葉が適当である。小さ
い葉で作つたときは、前述した大きさの葉のとき
よりもおいしくないことがわかつた。葉を切る前
にはとりたてて濃厚食塩水等で洗う必要がなく、
単に水洗いをしてその水をふきとるだけでよい。
逆に、葉を切る前に濃厚食塩水等で洗つたり、も
んだりすると葉が柔かくなりすぎて切りにくいの
でしない方がよい。

葉を切るときは葉を横に細く切るのではなく、
まず葉を約３cmの長さに切つてしかる後に葉の長
さ方向に細く切るとよい。葉を横方向に細く切る
と葉が乾いたときに丸まつてしまい紙で巻きにく
くなる。縦方向に切るとそのようなことはなく、
却つて火つきがよく火の通りもよくなる。逆に横
に切つた葉はパイプ用に向いている。

葉を細断した後にその葉を水にほんの短い時間
つけてすぐに上げて手で絞る。こうすることによ
つて葉の乾燥が速くなるという効果がある。

葉を切るとき葉の両脇に付いているとげをつけ
ておいても味の点では変わらない。しかし、とげ
を取つておけば乾燥させた後、葉をもむときに邪
魔にならない。

葉の内部のゼリー状の葉肉はとらなくてよい。
葉肉を皮に付けたままにしておくと、葉が適度な
湿り気を帯びることとなり、吸つたときの味がタ
バコに近くなる。葉肉を特に別の用途（治療・美
容用）に使いたいときは、アロエの葉の皮と葉肉
とを分離させ、皮だけを材料にしてもよい。

細断したアロエの葉は、ざるかござの上に平ら
に広げて乾燥させる。単に水洗いした葉の乾燥に
は、天日だと２日間、陰干しだと10日間必要であ
る。水づけした後に手絞りした葉の乾燥に必要な
期間は、天日で半日ですむ。天日干しと陰干し比
べると、天日干しの方がアロエの持つ成分が保持
されるから良い。乾燥した葉を手でもむと葉の繊
維が柔らかくなり紙に巻きやすくなる。

乾燥したアロエの葉を紙に巻く前にブランデー
を混ぜてみたが、味はそれほど変化しなかつた。
アロエの葉はそれ自体香りを持つているので、乾
燥した葉に香料等を添加する必要がない。そのま
ま紙に巻けばタバコ代替物が完成する。しかし、
好みに応じて味付けしてもかまわない。前述した
１枚の葉からは平均２本のタバコができた。

（効果）この発明はアロエを材料とすることによつて、
以下のような効果を有する。

(1) アロエはニコチンもタールもどちらも含んで
いないので、吸つた人にも周りにいる人にも害
にならない。また、アロエのタバコを幼児が誤
つて食べても本物のタバコと違つて全く害がな
く安心である。

(2) 桜の葉は青くささをとるために半月以上濃厚
食塩水に浸さなければならないが、アロエの葉
は乾燥させる前に濃厚食塩水等で洗う必要がな
いので、そのための日数がかからず、葉が成長
し次第すぐに乾燥にとりかかることができる。

(3) アロエの葉は多年性の常緑植物であるから、
一年中に亙つて採取することができる。桜の葉
のように採れる季節が限定されないので、葉の
保存に気を配る必要がなく、常に新鮮な葉を用
いることができる。

(4) アロエは食したときに種々の薬効があること
が知られている。タバコ代替物として煙が体内
に入つたときも同じ効果が期待できる。

Claims

【特許請求の範囲】

１細断し且つ乾燥させたアロエの葉を用いたこ
とを特徴とするタバコ代替物。