JPH0620267U - 鋼製のコンクリートパネル載置用輪木 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量にして嵩張ることがなく、かつ循環再使
用が可能な形状・構造のコンクリート製パネルを載置す
るための輪木を提供する。 【構成】 鋼板から截頭四角錐状の底なし箱状物を構成
し、これをコンクリートパネル載置用輪木として使用す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建物の外壁等に使用されるコンクリートパネル、特に軽量気泡コン クリート（ＡＬＣ）パネルを載置するための輪木の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ＡＬＣパネルのごときコンクリートパネルを、その製造工場からトラッ クにより運搬して建築現場において荷降ろしする過程で輪木が使用される。具体 的に詳述すると、まず、トラックの荷台に図５に示すように角材状の輪木１を２ 本平行に適度な間隔をおいて載置し、それらの上に複数枚のＡＬＣパネル２の集 積体３を載置した状態でまず建築現場まで運搬する。そして、前記集積体３をク レーン（図示なし）等に吊り上げて建築現場に降ろすときに、別に用意した又は トラックに積んできた２本の輪木１を地面又は建物の床の上に前記同様に平行に 載置して、その上に再び図５に示すように集積体３を載せるのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記輪木１は通常コンクリートパネルと同種の材料から、しかも廃 材から形成されている場合が多く、建築現場でコンクリートパネルの建込みが終 了した後に次のような問題が発生する。

【０００４】 第１に、そのような輪木は建築現場で処分できず通常は放棄される。それは輪 木自体循環再使用できる程の形状・構造を維持していないことに起因する。コン クリートパネルがＡＬＣパネルで有り、輪木もＡＬＣからできている場合、輪木 自体が部分的に欠損して再使用に耐えないことにも起因する。その結果、近年環 境汚染問題に繋がる虞が出てきた。

【０００５】 第２に、輪木が仮にそのような形状・構造を維持していたとしても相当重くか つ嵩張るので、建築現場から工場にそのような輪木を送り返す作業が繁雑になる という問題がある。 なお、輪木を木材で製作することも考えられるが、これは資源の消費に繋がる だけでなく、冬場には建築現場で燃料に変わるなどの問題があり、循環再使用効 率が著しく低いのが現状である。

【０００６】 従って、本考案の課題は比較的軽量にして嵩張ることがなく、かつ循環再使用 が可能な形状・構造のコンクリート製パネルを載置するための輪木を提供するこ とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記の課題を解決するために、截頭四角錐状の底なし箱状物を鋼板か ら構成し、それをコンクリートパネル載置用輪木とすることを要旨とする。

【０００８】

【作用】

本考案の輪木を２本適度の間隔をおいて平行にトラックの荷台又は地面に置き 、その上にコンクリートパネルを載せた場合、輪木は截頭四角錐状の底なし箱状 をなしているので、コンクリートパネルは断面ほぼ台形状物体の上に載置される ことになるとともに鋼板の構造体の上に載置されることになる。その結果従来の 輪木と同様にその機能を十分に発揮する。 また、輪木は截頭四角錐状の底なし箱状をなしているので、中空部分が多くそ の結果軽量であるだけでなく、そのまま上下方向に重ねれば嵩張ることもないの で扱い易く、しかも丈夫であるので、循環再使用のルートに組み込むことが容易 となる。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案をＡＬＣパネル載置用の輪木に具体化した一実施例を図１及び図 ２を参照しながら詳述する。 まず、截頭四角錐状の箱状物を展開した形の板を、厚さ１．６ｍｍの１枚の鋼 板から裁断して得た。そして、次にこの板を溶接して截頭四角錐状の箱状物を製 作し、これをＡＬＣパネルを載置する輪木１とした。この輪木１の横断面は、下 底の幅Ｗ１が９０ｍｍ、上底の幅Ｗ２が６０ｍｍ、高さＨが９０ｍｍであり、下 底には底板がなかった。また、前記上底の長さＬは５０ｃｍで、パネル幅より短 かった。

【００１０】 上記輪木１を使用して長さ３００ｃｍ×幅６０ｃｍ×厚さ１０ｃｍのＡＬＣパ ネル（図示なし）を１０枚重ねた状態の集積物としてトラックで建築現場に運搬 し、そこで前記集積物をスリングを介してクレーンに吊り上げた後、その集積物 を地上に降ろす際に、再びそれまで使用してきた輪木１をＡＬＣパネル載置用の 輪木として使用したところ、それらは従来の輪木と同様に機能した。

【００１１】 使用済み後、それらの輪木１を図３に示すように８枚重ねたところ非常にコン パクトになり取扱いが容易であった。トラックに載せて工場に返送したところ工 場でも新品同様に輪木として利用できた。

【００１２】 本考案は前記の実施例に限定されることなく、その根本的技術思想を踏襲して 考案の効果を著しく損なわない範囲で実施の態様を変更して実施することができ る。例えば、図４に示すように複数個重ねることができる範囲で前記箱状物に対 してリブ４を設けて輪木１を補強することができる。リブ４は鋼板そのものに付 けても良いし、箱状物を形成した後にプレス加工して付けても良い。

【００１３】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案は截頭四角錐状の底なし箱状をなしているので、 中空部分が多くその結果軽量であるだけでなく、そのまま上下方向に重ねれば嵩 張ることもないので扱い易く、しかも丈夫であるので、循環再使用のルートに組 み込むことが容易になり、引いては環境破壊の防止に役立つという優れた効果を 発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の部分破断正面図である。

【図２】実施例の部分破断側面図である。

【図３】輪木を積み重ねた状態を示す断面図である。

【図４】本考案の他の態様を示す斜視図である。

【図５】従来技術を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 輪木 ２ ＡＬＣパネル ３ 集積物 ４ リブ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 截頭四角錐状の底なし箱状物からなる鋼
   製のコンクリートパネル載置用輪木。
2. 【請求項２】 前記箱状物はリブを有している請求項１
   記載のコンクリートパネル載置用輪木。