JPS642181B2 - - Google Patents
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- JPS642181B2 JPS642181B2 JP23752783A JP23752783A JPS642181B2 JP S642181 B2 JPS642181 B2 JP S642181B2 JP 23752783 A JP23752783 A JP 23752783A JP 23752783 A JP23752783 A JP 23752783A JP S642181 B2 JPS642181 B2 JP S642181B2
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Description
本発明は、高耐摩耗ローラやロールの外層に適
用される円筒状セラミツクス・高クロム鋳鉄複合
体の製造方法に関する。 近年、金属とセラミツクス粒子との複合体を外
層にもつ高耐摩耗複合ローラやロールが使用さ
れ、その優れた耐摩耗性の故に使用増大の一途を
たどつている。 従来、前記外層を形成する円筒状セラミツク
ス・金属複合体は、バインダーとなる強靭性鋳鉄
溶湯にセラミツクス粒子を添加し、これを回転す
る円筒状鋳型に鋳込むことによつて製造されてい
た。 しかしながら、かかる手段ではセラミツクス粒
子は、バインダーとなる金属よりも比重が大きい
ものでなければならず、また鋳型内周面から中心
方向に沿つてセラミツクス粒子が漸減したものと
なり、複合体外周表面から一定硬度の耐摩耗部が
得られないという欠点がある。 本発明はかかる問題点に鑑みなされたもので、
使用するセラミツクス粒子に制限がなく、かつセ
ラミツクス粒子の分布が均一で、ひいては均質な
耐摩耗性を確保することができる円筒状セラミツ
クス・金属複合体の製造方法を提供することを目
的とする。 上記目的を達成するためになされた本発明の製
造方法は、粒径50〜1000μmのセラミツクス粒子
によつて焼成された空隙率20〜80%の円筒状多孔
質セラミツクス成型体を400〜1200℃に予熱した
後、該成型体を遠心力鋳造用金型に装着し、次い
でその内面に化学組成が重量%で、 C:2.0〜3.2%、Ni:1.0〜2.5% Si:0.5〜2.5%、Cr:10〜25% Mn:0.5〜1.5%、Mo:0.5〜2.0% P:0.25%以下 S:0.06%以下 残部実質的にFeからなる高クロム鋳鉄溶湯を
注湯し、遠心力鋳造することを発明の構成とする
ものである。 以下、本発明について詳述する。 第1図は、本発明によつて製造された円筒状セ
ラミツクス・高クロム鋳鉄複合体の一例を示し、
該複合体は円筒状多孔質セラミツクス成型体を形
成するセラミツクス粒子2の相互間に後述の特定
化学組成からなる高クロム鋳鉄材が浸透、充填さ
れた金属浸透層1のみからなるものである。 セラミツクス成型体を構成するセラミツクス粒
子2としては、Al2O3、ZrO2、B4O、SiC、TiN、
Si3N4、TiC、WC等の金属酸化物、ケイ化物、
窒化物、金属炭化物、ホウ化物等の粒子を例示で
き、その大きさは、50〜1000μmである。この粒
子寸法は、後述するようにセラミツクス成型体の
空隙率を20〜80%とするのに好適だからである。 前記セラミツクス粒子2の回りに浸透、充填さ
れる高クロム鋳鉄材3としては、化学組成が重量
%で、C:2.0〜3.2%、Si:0.5〜2.5%、Mn:0.5
〜1.5%、P:0.25%以下、S:0.06%以下、Ni:
1.0〜2.5%、Cr:10〜25%、Mo:0.5〜2.0%、残
部実質的にFeの高クロム鋳鉄材を用いる。この
材質の特徴は、耐摩耗性を確保しつつも、セラミ
ツクス成型体の空隙中へ浸透し易いことである。
以下、上記成分限定の理由について述べる。 C:2.0〜3.2% Cは(Fe−Cr)7C3型炭化物を安定にする範囲
内でCrとバランスをとりつつ目的のカーバイド
量により決定されるべきであるが2.0%未満では
炭化物の量が少なく耐摩耗性が不足し、一方3.2
%を越えると炭化物の量が多くなり過ぎて、セラ
ミツクスをつなぎとめて複合体の強靭性を保つ効
果がなくなる。よつて、Cは2.0〜3.2%と規定す
る。 Si:0.5〜2.5% Siは溶湯の脱酸のため、及び溶湯の湯流れを良
くして、成型体の空隙を完全に満たし易くするた
めに必要である。0.5%未満では脱酸効果がなく、
また溶湯の流動性も良くない。また、2.5%を越
えて含有されると機械的性質の劣化をきたし、か
つAr1変態点を下げて硬度が得難くなる。よつて
Siは0.5〜2.5%と規定する。 Mn:0.5〜1.5% MnはSiの脱酸の補助としてその含有量は少な
くとも0.5%以上必要である。しかし、1.5%を越
えて含有されると靭性が劣化し、セラミツクス成
型体をつなぎとめて、ローラーの強度を保つ効果
がなくなる。よつて、Mnは0.5〜1.5%と規定す
る。 P:0.25%以下 Pは本来、ローラー材質に於て少なければ少な
い程望ましい元素であるが、溶湯の湯流れを良く
し、セラミツクス成型体の空隙中に高クロム鋳鉄
溶湯が入り込み完全に一体となる為に0.25%まで
は許される。よつてPは0.25%以下とする。 S:0.06%以下 Sはローラー材質を脆くする為、少なければ少
ない程望ましく、その含有量は0.06%以下と規定
する。 Ni:1.0〜2.5% Niは焼入性を向上し、積極的に硬度調整する
ため、及び、耐腐食性を向上させて、腐食による
摩耗を防ぐために含有するが、1.0%未満ではそ
の効果がなく、2.5%を越えて含有されると残留
オーステナイトが増して硬度が得難くなる。よつ
てNiは1.0〜2.5%とする。 Cr:10〜25% Crは強靭性を向上させて、ローラー全体の耐
事故性、耐割損性を確保するため、及び、耐摩耗
性を向上させて、金属部分の優先摩耗を防ぐため
のものである。その含有量が10%未満ではM3C
型の炭化物が多く晶出し、強靭性及び炭化物の微
細均一化が得られない。よつて、前記C含有量と
バランスさせて、M7C3型炭化物が生じる範囲10
〜25%をCrの範囲と規定する。 Mo:0.5〜2.0% Moは焼入、焼戻し抵抗を高めると同時に、炭
化物中に入り、炭化物の硬度を高めると共に、焼
戻し軟化抵抗を促進するのに有効であり、その含
有量が0.5%未満ではこの様な効果が少なく、ま
た、2.0%を越えると残留オーステナイトが安定
化し、硬度低下を来たす。よつてMo含有量は0.5
〜2.0%と規定する。 次に、前記浸透層1の製造法について述べる。 先ず、当該製造に用いられる既述のセラミツク
ス粒子2によつて形成された円筒状多孔質セラミ
ツクス成型体について説明する。該成型体は目的
とする浸透層と略同形の円筒状に、セラミツクス
粒子にバインダを添加して成型する。即ち、セラ
ミツクス粒子に熱加塑性や熱硬化性結合剤を加
え、混合−成型−焼成により、目的の空隙率を有
した成型体を得る。空隙率は、セラミツクス粒子
の粒度、成型圧力、焼成条件によりコントロール
されるが、本発明においては20〜80%とする。20
%未満では外表面付近まで金属の浸透を行うのが
難しく、金属の浸透のないセラミツクス焼成部分
が残存し強度上好ましくない。一方、80%を越え
ると成型が困難である上に、セラミツクス粒子面
積が少なく所望の性質の付与が不足するためであ
る。セラミツクス成型体の肉厚は、その空隙率に
もよるが、後述する遠心力鋳造により金属を浸透
させる場合、概ね50mm以下である。 上記説明した円筒状セラミツクス成型体は、遠
心力鋳造用金型内に装填され、既述の高クロム鋳
鉄材が遠心力鋳造される。この場合、金属の浸透
を助ける手段として、セラミツクス成型体を400
〜1200℃に予熱することが望ましい。この際、予
熱による酸化等の変質を防止するために、不活性
ガス中で予熱することは有効であり、加えて、該
予熱は、鋳造により生じる熱衝撃による成型体の
割れ防止及び鋳造後の両者の収縮差による割れ防
止の上からも効果的である。 前記遠心力鋳造における金型の回転数について
は、回転数が大きいほど、また鋳込温度が高いほ
ど浸透を助長し好適であるが、通常GNo.で20〜
200程度にする。装置の強度により制限されるか
らである。特に、セラミツクス成型体を構成する
粒子が小さい場合、空隙率が小さい場合、浸透層
が厚い場合等はGNo.は大きい方がよい。遠心力鋳
造によれば、上記のような金属の浸透具合を容易
に調整できて好適である。 鋳造される高クロム鋳鉄材の溶湯量は、セラミ
ツクス成型体内へすべて浸透してしまう量とする
ほか、多い目にしてもよい。この場合は、第2図
に示すように、浸透層1の内面に高クロム鋳鉄の
単一層である内層4が一体形成されることにな
る。このような内層4が存在すれば、該複合体を
用いてローラ等を製作する場合、軸の焼ばめに際
し、内面を加工し易く好適である。 以上のようにして製作されたセラミツクス・高
クロム鋳鉄複合体は所望により芯部や軸が形成さ
れ、所定の高耐摩耗ローラやロールに加工され
る。即ち、本発明に係る複合体用いて、置注鋳型
となし、これに所望の軸材、例えばダクタイル鋳
鉄や高級鋳鉄を鋳込みローラ等に形成したり、又
該複合体の内面を機械加工後、所望の軸材を焼ば
めてローラ等に形成する。尚、前記置注鋳造の場
合、複合体からの合金成分が軸材へ混入、拡散
し、軸材の強度低下を防ぐため、事前に遠心力鋳
造にて複合体内面に中間層を鋳込んでおくのも有
効である。 次に実施例を掲げて説明する。 〈実施例 1〉 外径300〓×400mm、厚さ33mmの搬送ローラ用
セラミツクス・高クロム鋳鉄複合体の製造実施
例。 (1) 外径304〓、厚さ35mm、空隙率70〜80%のセラ
ミツクス成型体(セラミツクスの種類:
Al2O3、粒子:50〜500μm)を1150℃に予熱し
て遠心力鋳造用金型にセツトした。 (2) 上記金型を回転させ、所定の回転下
(1050rpm)で、第1表に示すの高クロム鋳鉄
溶湯を、セラミツクス成型体内面に、鋳込温度
1400℃で鋳込んだ。
用される円筒状セラミツクス・高クロム鋳鉄複合
体の製造方法に関する。 近年、金属とセラミツクス粒子との複合体を外
層にもつ高耐摩耗複合ローラやロールが使用さ
れ、その優れた耐摩耗性の故に使用増大の一途を
たどつている。 従来、前記外層を形成する円筒状セラミツク
ス・金属複合体は、バインダーとなる強靭性鋳鉄
溶湯にセラミツクス粒子を添加し、これを回転す
る円筒状鋳型に鋳込むことによつて製造されてい
た。 しかしながら、かかる手段ではセラミツクス粒
子は、バインダーとなる金属よりも比重が大きい
ものでなければならず、また鋳型内周面から中心
方向に沿つてセラミツクス粒子が漸減したものと
なり、複合体外周表面から一定硬度の耐摩耗部が
得られないという欠点がある。 本発明はかかる問題点に鑑みなされたもので、
使用するセラミツクス粒子に制限がなく、かつセ
ラミツクス粒子の分布が均一で、ひいては均質な
耐摩耗性を確保することができる円筒状セラミツ
クス・金属複合体の製造方法を提供することを目
的とする。 上記目的を達成するためになされた本発明の製
造方法は、粒径50〜1000μmのセラミツクス粒子
によつて焼成された空隙率20〜80%の円筒状多孔
質セラミツクス成型体を400〜1200℃に予熱した
後、該成型体を遠心力鋳造用金型に装着し、次い
でその内面に化学組成が重量%で、 C:2.0〜3.2%、Ni:1.0〜2.5% Si:0.5〜2.5%、Cr:10〜25% Mn:0.5〜1.5%、Mo:0.5〜2.0% P:0.25%以下 S:0.06%以下 残部実質的にFeからなる高クロム鋳鉄溶湯を
注湯し、遠心力鋳造することを発明の構成とする
ものである。 以下、本発明について詳述する。 第1図は、本発明によつて製造された円筒状セ
ラミツクス・高クロム鋳鉄複合体の一例を示し、
該複合体は円筒状多孔質セラミツクス成型体を形
成するセラミツクス粒子2の相互間に後述の特定
化学組成からなる高クロム鋳鉄材が浸透、充填さ
れた金属浸透層1のみからなるものである。 セラミツクス成型体を構成するセラミツクス粒
子2としては、Al2O3、ZrO2、B4O、SiC、TiN、
Si3N4、TiC、WC等の金属酸化物、ケイ化物、
窒化物、金属炭化物、ホウ化物等の粒子を例示で
き、その大きさは、50〜1000μmである。この粒
子寸法は、後述するようにセラミツクス成型体の
空隙率を20〜80%とするのに好適だからである。 前記セラミツクス粒子2の回りに浸透、充填さ
れる高クロム鋳鉄材3としては、化学組成が重量
%で、C:2.0〜3.2%、Si:0.5〜2.5%、Mn:0.5
〜1.5%、P:0.25%以下、S:0.06%以下、Ni:
1.0〜2.5%、Cr:10〜25%、Mo:0.5〜2.0%、残
部実質的にFeの高クロム鋳鉄材を用いる。この
材質の特徴は、耐摩耗性を確保しつつも、セラミ
ツクス成型体の空隙中へ浸透し易いことである。
以下、上記成分限定の理由について述べる。 C:2.0〜3.2% Cは(Fe−Cr)7C3型炭化物を安定にする範囲
内でCrとバランスをとりつつ目的のカーバイド
量により決定されるべきであるが2.0%未満では
炭化物の量が少なく耐摩耗性が不足し、一方3.2
%を越えると炭化物の量が多くなり過ぎて、セラ
ミツクスをつなぎとめて複合体の強靭性を保つ効
果がなくなる。よつて、Cは2.0〜3.2%と規定す
る。 Si:0.5〜2.5% Siは溶湯の脱酸のため、及び溶湯の湯流れを良
くして、成型体の空隙を完全に満たし易くするた
めに必要である。0.5%未満では脱酸効果がなく、
また溶湯の流動性も良くない。また、2.5%を越
えて含有されると機械的性質の劣化をきたし、か
つAr1変態点を下げて硬度が得難くなる。よつて
Siは0.5〜2.5%と規定する。 Mn:0.5〜1.5% MnはSiの脱酸の補助としてその含有量は少な
くとも0.5%以上必要である。しかし、1.5%を越
えて含有されると靭性が劣化し、セラミツクス成
型体をつなぎとめて、ローラーの強度を保つ効果
がなくなる。よつて、Mnは0.5〜1.5%と規定す
る。 P:0.25%以下 Pは本来、ローラー材質に於て少なければ少な
い程望ましい元素であるが、溶湯の湯流れを良く
し、セラミツクス成型体の空隙中に高クロム鋳鉄
溶湯が入り込み完全に一体となる為に0.25%まで
は許される。よつてPは0.25%以下とする。 S:0.06%以下 Sはローラー材質を脆くする為、少なければ少
ない程望ましく、その含有量は0.06%以下と規定
する。 Ni:1.0〜2.5% Niは焼入性を向上し、積極的に硬度調整する
ため、及び、耐腐食性を向上させて、腐食による
摩耗を防ぐために含有するが、1.0%未満ではそ
の効果がなく、2.5%を越えて含有されると残留
オーステナイトが増して硬度が得難くなる。よつ
てNiは1.0〜2.5%とする。 Cr:10〜25% Crは強靭性を向上させて、ローラー全体の耐
事故性、耐割損性を確保するため、及び、耐摩耗
性を向上させて、金属部分の優先摩耗を防ぐため
のものである。その含有量が10%未満ではM3C
型の炭化物が多く晶出し、強靭性及び炭化物の微
細均一化が得られない。よつて、前記C含有量と
バランスさせて、M7C3型炭化物が生じる範囲10
〜25%をCrの範囲と規定する。 Mo:0.5〜2.0% Moは焼入、焼戻し抵抗を高めると同時に、炭
化物中に入り、炭化物の硬度を高めると共に、焼
戻し軟化抵抗を促進するのに有効であり、その含
有量が0.5%未満ではこの様な効果が少なく、ま
た、2.0%を越えると残留オーステナイトが安定
化し、硬度低下を来たす。よつてMo含有量は0.5
〜2.0%と規定する。 次に、前記浸透層1の製造法について述べる。 先ず、当該製造に用いられる既述のセラミツク
ス粒子2によつて形成された円筒状多孔質セラミ
ツクス成型体について説明する。該成型体は目的
とする浸透層と略同形の円筒状に、セラミツクス
粒子にバインダを添加して成型する。即ち、セラ
ミツクス粒子に熱加塑性や熱硬化性結合剤を加
え、混合−成型−焼成により、目的の空隙率を有
した成型体を得る。空隙率は、セラミツクス粒子
の粒度、成型圧力、焼成条件によりコントロール
されるが、本発明においては20〜80%とする。20
%未満では外表面付近まで金属の浸透を行うのが
難しく、金属の浸透のないセラミツクス焼成部分
が残存し強度上好ましくない。一方、80%を越え
ると成型が困難である上に、セラミツクス粒子面
積が少なく所望の性質の付与が不足するためであ
る。セラミツクス成型体の肉厚は、その空隙率に
もよるが、後述する遠心力鋳造により金属を浸透
させる場合、概ね50mm以下である。 上記説明した円筒状セラミツクス成型体は、遠
心力鋳造用金型内に装填され、既述の高クロム鋳
鉄材が遠心力鋳造される。この場合、金属の浸透
を助ける手段として、セラミツクス成型体を400
〜1200℃に予熱することが望ましい。この際、予
熱による酸化等の変質を防止するために、不活性
ガス中で予熱することは有効であり、加えて、該
予熱は、鋳造により生じる熱衝撃による成型体の
割れ防止及び鋳造後の両者の収縮差による割れ防
止の上からも効果的である。 前記遠心力鋳造における金型の回転数について
は、回転数が大きいほど、また鋳込温度が高いほ
ど浸透を助長し好適であるが、通常GNo.で20〜
200程度にする。装置の強度により制限されるか
らである。特に、セラミツクス成型体を構成する
粒子が小さい場合、空隙率が小さい場合、浸透層
が厚い場合等はGNo.は大きい方がよい。遠心力鋳
造によれば、上記のような金属の浸透具合を容易
に調整できて好適である。 鋳造される高クロム鋳鉄材の溶湯量は、セラミ
ツクス成型体内へすべて浸透してしまう量とする
ほか、多い目にしてもよい。この場合は、第2図
に示すように、浸透層1の内面に高クロム鋳鉄の
単一層である内層4が一体形成されることにな
る。このような内層4が存在すれば、該複合体を
用いてローラ等を製作する場合、軸の焼ばめに際
し、内面を加工し易く好適である。 以上のようにして製作されたセラミツクス・高
クロム鋳鉄複合体は所望により芯部や軸が形成さ
れ、所定の高耐摩耗ローラやロールに加工され
る。即ち、本発明に係る複合体用いて、置注鋳型
となし、これに所望の軸材、例えばダクタイル鋳
鉄や高級鋳鉄を鋳込みローラ等に形成したり、又
該複合体の内面を機械加工後、所望の軸材を焼ば
めてローラ等に形成する。尚、前記置注鋳造の場
合、複合体からの合金成分が軸材へ混入、拡散
し、軸材の強度低下を防ぐため、事前に遠心力鋳
造にて複合体内面に中間層を鋳込んでおくのも有
効である。 次に実施例を掲げて説明する。 〈実施例 1〉 外径300〓×400mm、厚さ33mmの搬送ローラ用
セラミツクス・高クロム鋳鉄複合体の製造実施
例。 (1) 外径304〓、厚さ35mm、空隙率70〜80%のセラ
ミツクス成型体(セラミツクスの種類:
Al2O3、粒子:50〜500μm)を1150℃に予熱し
て遠心力鋳造用金型にセツトした。 (2) 上記金型を回転させ、所定の回転下
(1050rpm)で、第1表に示すの高クロム鋳鉄
溶湯を、セラミツクス成型体内面に、鋳込温度
1400℃で鋳込んだ。
【表】
(3) 複合体を断面調査した結果、鋳造金属がセラ
ミツクス成型体のすべての厚さに亘つて浸透
し、3mmの厚さの高クロム鋳鉄内層がその内面
に形成されているのが認められた。 〈実施例 2〉 外径300〓×400mm、厚さ40mmの搬送ローラ用
セラミツクス・高クロム鋳鉄複合体の製造実施
例。 (1) 外径304〓、厚さ44mm、空隙率75〜80%のセラ
ミツクス成型体(セラミツクスの種類:
Al2O3、粒子:50〜500μm)を1100℃に予熱し
て遠心力鋳造用金型にセツトした。 (2) 上記金型を回転させ、所定の回転下
(1058rpm)で、第2表に示す高クロム鋳鉄溶
湯をセラミツクス成型体内面に、鋳込温度1405
℃で鋳込んだ。
ミツクス成型体のすべての厚さに亘つて浸透
し、3mmの厚さの高クロム鋳鉄内層がその内面
に形成されているのが認められた。 〈実施例 2〉 外径300〓×400mm、厚さ40mmの搬送ローラ用
セラミツクス・高クロム鋳鉄複合体の製造実施
例。 (1) 外径304〓、厚さ44mm、空隙率75〜80%のセラ
ミツクス成型体(セラミツクスの種類:
Al2O3、粒子:50〜500μm)を1100℃に予熱し
て遠心力鋳造用金型にセツトした。 (2) 上記金型を回転させ、所定の回転下
(1058rpm)で、第2表に示す高クロム鋳鉄溶
湯をセラミツクス成型体内面に、鋳込温度1405
℃で鋳込んだ。
【表】
(3) 複合体を断面調査した結果、鋳造金属がセラ
ミツクス成型体のすべての厚さに亘つて浸透
し、1mmの厚さの高クロム鋳鉄内層がその内面
に形成されているのが認められた。 〈実施例 3〉 外径250〓×450、厚さ30mmのローラ用セラミ
ツクス・高クロム鋳鉄複合体の製造実施例。 (1) 外径252〓、厚さ31mm、空隙率60〜70%のセラ
ミツクス成型体(セラミツクスの種類:
Al2O3、粒子:50〜500μm)を1100℃に予熱し
て遠心力鋳造用金型にセツトした。 (2) 上記金型を回転させ、所定の回転下
(1131rpm)で、第3表に示す高クロム鋳鉄溶
湯をセラミツクス成型体内面に、鋳込温度1400
℃で鋳込んだ。
ミツクス成型体のすべての厚さに亘つて浸透
し、1mmの厚さの高クロム鋳鉄内層がその内面
に形成されているのが認められた。 〈実施例 3〉 外径250〓×450、厚さ30mmのローラ用セラミ
ツクス・高クロム鋳鉄複合体の製造実施例。 (1) 外径252〓、厚さ31mm、空隙率60〜70%のセラ
ミツクス成型体(セラミツクスの種類:
Al2O3、粒子:50〜500μm)を1100℃に予熱し
て遠心力鋳造用金型にセツトした。 (2) 上記金型を回転させ、所定の回転下
(1131rpm)で、第3表に示す高クロム鋳鉄溶
湯をセラミツクス成型体内面に、鋳込温度1400
℃で鋳込んだ。
【表】
(3) 複合体を断面調査した結果、鋳造金属が、セ
ラミツクス成型体のすべての厚さに亘つて浸透
し、2mmの厚さの高クロム鋳鉄内層がその内面
に形成されているのが認められた。 以上説明した通り、本発明の製造方法によれ
ば、所定温度に予熱された円筒状焼成多孔質セラ
ミツクス成型体の内面に高クロム鋳鉄溶湯を注湯
し、遠心力鋳造するので、セラミツクス成型体を
構成する粒子は、相互に焼成により結合している
ため、セラミツクスの種類に拘わらず、遠心力の
作用によつても比重分離することなく、溶湯が粒
子間に容易に浸透充填する。その結果、セラミツ
クス粒子が径方向の所定の厚さに亘つて均一に分
布したものとなり、均質な耐摩耗性を有するセラ
ミツクス・金属複合体が容易に得られる。また、
本発明ではセラミツクス粒子の粒径を所定の値に
特定しているので、所定の空隙率を有するセラミ
ツクス成型体を容易に製作することができる。更
にまた、高クロム鋳鉄としてCr:10〜25%含有
した特定組成のものを使用するので、組織中に高
硬度のM7C3型クロムカーバイドを生成させるこ
とができ、セラミツクス粒子間の金属部分の耐摩
耗性を向上させることができ、前記金属部分の摩
耗に起因して生じるセラミツクスの欠け落ちを有
効に防止することができ、複合体の耐摩耗性をよ
り一層向上させることができる。
ラミツクス成型体のすべての厚さに亘つて浸透
し、2mmの厚さの高クロム鋳鉄内層がその内面
に形成されているのが認められた。 以上説明した通り、本発明の製造方法によれ
ば、所定温度に予熱された円筒状焼成多孔質セラ
ミツクス成型体の内面に高クロム鋳鉄溶湯を注湯
し、遠心力鋳造するので、セラミツクス成型体を
構成する粒子は、相互に焼成により結合している
ため、セラミツクスの種類に拘わらず、遠心力の
作用によつても比重分離することなく、溶湯が粒
子間に容易に浸透充填する。その結果、セラミツ
クス粒子が径方向の所定の厚さに亘つて均一に分
布したものとなり、均質な耐摩耗性を有するセラ
ミツクス・金属複合体が容易に得られる。また、
本発明ではセラミツクス粒子の粒径を所定の値に
特定しているので、所定の空隙率を有するセラミ
ツクス成型体を容易に製作することができる。更
にまた、高クロム鋳鉄としてCr:10〜25%含有
した特定組成のものを使用するので、組織中に高
硬度のM7C3型クロムカーバイドを生成させるこ
とができ、セラミツクス粒子間の金属部分の耐摩
耗性を向上させることができ、前記金属部分の摩
耗に起因して生じるセラミツクスの欠け落ちを有
効に防止することができ、複合体の耐摩耗性をよ
り一層向上させることができる。
第1図及び第2図は本発明に係る複合体の部分
断面図である。 1……浸透層、2……セラミツクス粒子、3…
…高クロム鋳鉄材、4……内層。
断面図である。 1……浸透層、2……セラミツクス粒子、3…
…高クロム鋳鉄材、4……内層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 粒径50〜1000μmのセラミツクス粒子によつ
て焼成された空隙率20〜80%の円筒状多孔質セラ
ミツクス成型体を400〜1200℃に予熱した後、該
成型体を遠心力鋳造用金型に装着し、次いでその
内面に化学組成が重量%で、 C:2.0〜3.2%、Ni:1.0〜2.5% Si:0.5〜2.5%、Cr:10〜25% Mn:0.5〜1.5%、Mo:0.5〜2.0% P:0.25%以下 S:0.06%以下 残部実質的にFeからなる高クロム鋳鉄溶湯を
注湯し、遠心力鋳造することを特徴とする円筒状
セラミツクス・高クロム鋳鉄複合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23752783A JPS60128240A (ja) | 1983-12-15 | 1983-12-15 | 円筒状セラミックス・高クロム鋳鉄複合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23752783A JPS60128240A (ja) | 1983-12-15 | 1983-12-15 | 円筒状セラミックス・高クロム鋳鉄複合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60128240A JPS60128240A (ja) | 1985-07-09 |
JPS642181B2 true JPS642181B2 (ja) | 1989-01-13 |
Family
ID=17016648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23752783A Granted JPS60128240A (ja) | 1983-12-15 | 1983-12-15 | 円筒状セラミックス・高クロム鋳鉄複合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60128240A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0665735B2 (ja) * | 1985-08-28 | 1994-08-24 | 株式会社クボタ | 金属・セラミツクス複合防震材 |
JPH0611895B2 (ja) * | 1987-01-20 | 1994-02-16 | 工業技術院長 | 金属―セラミックス複合成形体の製造方法 |
JP4743515B2 (ja) * | 2006-01-25 | 2011-08-10 | 株式会社デンソー | 空調システム |
KR101091839B1 (ko) * | 2009-03-10 | 2011-12-12 | 캐터필라정밀씰 주식회사 | 씰 제조용 합금주철, 씰 및 씰의 제조 방법 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE399911C (sv) * | 1976-02-05 | 1980-01-31 | Sandvik Ab | Slitdetalj med hog slitstyrka och god hallfasthet, sammansatt av hardmetall och gjutjern |
-
1983
- 1983-12-15 JP JP23752783A patent/JPS60128240A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60128240A (ja) | 1985-07-09 |
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