JPS642159Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は陶磁器焼成用棚板に関するものであ
る。

陶磁器焼成用棚板は陶磁器焼成用台車上に立て
た支柱を支承させたものとしてその上面に被焼成
品を棚詰するためのものであつて、従来は主とし
て炭化珪素質のものが熱衝撃に対する抵抗性がき
わめて大きいという特性によつて使用されている
が、荷重に耐える充分な厚さとすることによつて
重量も大となり、棚組み作業が容易でないばかり
かこれを支承させる支柱も太いものを必要とし、
これに伴い窯出しによつて窯外に徒らに持ち出す
熱量の損失も大きなものがあるうえ窯出しの際の
急冷により熱歪を生じて亀裂を発生しやすいなど
の難点がある。

本考案は前記のような難点を解決するためにな
されたもので、以下、図示の実施例について詳細
に説明する。

第１図において、２は炭化珪素質などの耐火材
よりなる角板であつて、該角板２の一側面からこ
れに対向する他側面に亘つて左右方向に多数の連
通孔１が平行してハニカム状に透設された一体構
造のものとなつている。そして、前記角板２は同
大の複数個例えば２個が夫々の前記連通孔１の透
設方向が上下隣接するものにおいて直角方向をと
るものとして積層されている。また、第２図に示
すものにおいては、一方の耐火材よりなる角板２
は上面から下面に亘つて上下方向に多数の連通孔
１が平行してハニカム状に透設した一体構造のも
のとし、他方の耐火材よりなる同大の角板２は一
側面からこれに対向する他側面に亘つて左右方向
に多数の連通孔１が平行してハニカム状に透設さ
れた一体構造のものであつて、同大の該他方の角
板２と前記一方の角板２とは複数個例えば２個が
夫々の前記連通孔１の透設方向が上下隣接するも
のにおいて直角方向をとるものとして積層されて
いる。

前記第１図、第２図に示すように構成されたも
のは、何れにしても陶磁器焼成用台車上に立てた
支柱に支承させたものとして棚組みし、積層され
た複数個例えば２個の同大の角板２の上層のもの
の上面に被焼成品を棚詰して窯入れすれば、該被
焼成品は窯内において焼成されたうえ陶磁器製品
として窯出しされるものであるが、炭化珪素質な
どの耐火材よりなる角板２は熱衝撃性に対する抵
抗性がきわめて大なものであるうえ各角板２はこ
れに左右方向または上下方向にハニカム状に透設
された多数の連通孔１を通じて速やかに加熱およ
び冷却がなされることとなるため、台車の窯入
れ、窯出しに伴う急激な温度変化によつても熱歪
による亀裂を生じ難いものであつて、しかも、積
層された各角板２は一体構造のものであるうえこ
れに左右方向または上下方向にハニカム状に透設
した多数の連通孔１がその透設方向を上下隣接す
るものにおいて直角方向をとるものとしたことは
多数の連通孔１の透設による個々の角板２の強度
の低下を補つて全体として棚詰による荷重によく
耐えるものである。そして、複数個をもつて複数
層に積層される同大の角板２は２個ないし３個を
もつて既記のような従来の棚板の厚さと同程度の
所要厚さのものとすればよいものであるうえハニ
カム状に透設した多数の連通孔１は相互間の隔壁
の肉厚を孔径よりも薄いものとすることができる
ために従来の棚板に比較して著しく軽量なものと
なり、棚組み作業も容易となるほか支承させる支
柱も細くて足り、さらには窯出しによつて窯外に
持ち出す熱量の損失も少なくなるものである。な
お、複数層に積層される一体構造の同大の角板２
は積層個数の関係或いは運搬関係などから例えば
陶磁器焼成用台車上に棚組みする段階において耐
火性結合剤をもつて積層一体化することも容易な
ものである。

以上の説明によつて明らかなように、本考案は
従来の陶磁器焼成用棚板の難点としたところを解
決したものとして実用的価値きわめて大なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は他の実施例を示す一部切欠斜視図である。 １：連通孔、２：角板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の連通孔１を左右方向または上下方向にハ
   ニカム状に透設した一体構造の耐火材よりなる同
   大の角板２を夫々の前記連通孔１の透設方向が上
   下隣接するものにおいて直角方向をとるものとし
   て複数層に積層したことを特徴とする陶磁器焼成
   用棚板。