JPS642112Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本案は器わく内を熱伝導のよい仕切板で内気通
風路と外気通風路とに区分し、各通風路にそれぞ
れ複数のフインを平行に設置し、このフインの一
方端部から送風機で通風させ、前記内気通風路と
外気通風路との間で熱交換を行わせる熱交換器に
関するものである。

〔従来の技術と問題点〕

このような熱交換器は、フイン間に通風させる
送風機を仕切板で区分された内気通風路と外気通
風路にそれぞれ設けてあるが、フインの設置幅が
送風機の吐出口より広く、このため吐出口に近い
位置にあるフインと離れた位置にあるフインの表
面を流れる風量に差を生じ、とくに送風機の取付
位置をフインの設置部中心から片寄らせ吐出口が
一方側に偏位している場合は、吐出口側と反対側
のフイン相互の通風量の差が大きくなり、均等な
熱交換作用が得られず、またオイルミストや水分
の多い環境で使用する場合はフインなどに生じた
ドレンが吐出口から送風機に流れ込み、効率の低
下や絶縁不良を生じる欠点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、外気通風路および内気通風路のそれ
ぞれ吸気側に設けた送風機を、各通風路の送風機
取付板の片側に寄せて取りつけ、送風機取付板の
吐出口とフインとの間に配風板を設けるように
し、この配風板は吐出口側の端を送風機取付板に
近く、他方側の端をフインに近くして、送風機か
らの風の流れにそつた曲面をそなえ、配風板に各
フインに向つて複数個の通風孔を開口させて風量
を均一化させるとともに、通風路に生じたドレン
が配風板の通風孔から入ることがないよう、通風
孔の周囲を突起で囲み送風機の吐出圧によつて開
口通風する弾性カバーを設けて、ドレンが配風板
上を曲面にそつて流れドレン受けに集められるよ
うにしてある。

〔実施例〕

図に示す実施例において、１は器わくで内部を
仕切板２で外気通風路３と内気通風路４に区分し
てある。５，６は仕切板２の両面にとりつけられ
たフインで、それぞれ縦方向に平行に並べて複数
個設けてある。７は外気通風路の送風機、８は内
気通風路の送風機、９は送風機取付板、１０は吐
出口、１１は吸気口、１２は排気口、１３は送風
機取付板９に一端をとりつけ、たとえばインボリ
ユート状の曲面に形成した配風板で他方端を器わ
く１の内面に気密に固着させ、通風路を上下に仕
切るようにしてある。１４は配風板内側の蓄圧
室、１５は配風板に複数個設けた通風孔、１６は
通風孔を囲み配風板の外側に突出させた環状突
起、１７は配風板１３の送風機取付板側の端縁を
Ｕ状に折り返したドレン受け、１８は通風孔の環
状突起上面を覆う弾性薄板のカバーで一方の側縁
を環状突起１６に固着し他方側縁を送風機の吐出
圧で開くようにしてある。１９は内気通風路の器
わくと仕切板下端の接合部で形成したドレン溜
め、２０はドレン溜めの仕切板に設けられた外気
通風路の配風板１３の上部に開口するドレン排出
孔、２１はドレン排出孔の外側に設け、ドレンが
その重量で流出できるようにした弾性蓋である。

以下動作を説明する。

送風機７により吸気口１１から吸い込まれた外
気は矢印のように吐出口１０を通して、配風板１
３の曲面にそつて蓄圧室１４に流入する、流入し
た外気は配風板１３に設けられた通風孔１５の風
路抵抗によりせき止められていつたん静止に変換
され、蓄圧室１４内の圧力は均一化される。蓄圧
室内の圧力外気は通風孔１５からカバー１８を押
し上げて均等な風圧で各フイン５相互の外気通風
路３に流入し、フイン間の通風路をほぼ均等に分
流しフイン５、仕切板２を介して内気通風路４の
内気と熱交換を行い排気口１２から排出される。

外気中に含まれるオイルミストや湿気によつて
フイン５及び仕切板２などにドレンが付着する
と、フイン５および仕切板２をつたわり落ち、あ
るいはフイン５から直接配風板１３上に落下し、
配風板１３上を環状突起１６およびカバー１８に
より通風孔１５から蓄圧室１４へ入ることなく配
風板１３の上面にそつてドレン受け１７に流下貯
留され、ドレン受けから公知の手段で器わく外に
排出される。

なお、以上は外気通風路について説明したが、
内気の通風についても同様に配風板を設けること
により均等な風量をフイン６間に流通させること
ができる。また、内気通風路に生じるドレンは通
常オイルミストなどが殆んどなく、単なる結露水
であるから、第４図に示すように仕切板下部のド
レン溜め１９に流下し、仕切板２のドレン排出孔
２０から外気通風路の配風板１３上に排出され、
ドレン受け１７に流れ込む。

ドレン排出孔２０には、外気通風路側に弾性蓋
２１を設け、ドレンの重量で弾性蓋を押し開けて
流出するようにしておけば外気通風路３からの外
気が内気通風路４に入ることがない。

〔本考案の効果〕

上述のように本案は、両面にフインをもつた仕
切板で外気通風路と内気通風路に区分され、たと
えば閉鎖容器にとりつけて閉鎖容器の内気と外気
との熱交換をする場合に、通風路のフイン相互間
の通風を送風機からいつたん曲面をもつた配風板
にそつて蓄圧室に導き、配風板に設けた通風孔か
ら均等に吐出させるようにしてあるから、フイン
の熱交換作用が均等に効率よく行われるととも
に、熱交換時に生じる外気通風路のドレンが配風
板の曲面にそつてドレン受けに流れ込み、捕集を
容易にし、送風機へのドレンの侵入を防止するこ
とができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図で断面で
示してある。第２図はＡ−Ａ断面図、第３図は一
部の拡大図、第４図はＢ−Ｂ部の拡大断面図であ
る。 １は器わく、２は仕切板、３は外気通風路、４
は内気通風路、５，６はフイン、７は送風機、９
は送風機取付板、１０は吐出口、１３は配風板、
１４は蓄圧室、１５は通風孔、１６は環状突起、
１７はドレン受け、１８はカバー、１９はドレン
溜め、２０は内気ドレン排出口、２１は弾性蓋で
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 器わく内に両面にフインを有する仕切板を設
   けて外気通風路と内気通風路に区分し、各通風
   路の吸気側に送風機を設けて各通風路のフイン
   相互間に通風する熱交換器において、各通風路
   の吸気口側に、それぞれ通風路への吐出口を有
   する送風機取付板をそなえ、この送風機取付板
   とフインとの間に、一方の側端を送風機取付板
   にとりつけ、次第にフインに近づけるように曲
   面を形成して他方側端を送風機取付板から離れ
   た器わく内面に固着して通風路を上下に仕切る
   配風板と、この配風板に各フイン間の通風路に
   向かつて開口する複数の通風孔を設け、器わく
   下側に吸気口をそなえた通風路の配風板に、送
   風機取付板にとりつけた側端を折り曲げ形成し
   たドレン受けと、各通風孔を囲んで配風板上面
   に設けた環状突起と、環状突起上面を覆い吐出
   圧によつて開口される弾性カバーとをそなえた
   ことを特徴とする熱交換器。 ２ 前記配風板がインボリユート状の曲面に形成
   されている実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の熱交換器。