JPS642066Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は戸車を転動させて雨戸障子を開閉し、
戸袋内では、戸車の周面よりも下方に突出させた
摺動体を摺動して収納する引戸式雨戸において、
摺動体の摺動面は平面状に形成し、この平面で戸
袋内を摺動する構成とした摺動装置に関する。

〔従来技術及び考案が解決しようとする問題点〕

従来の引戸式雨戸は、雨戸重量が比較的大きい
ため、戸袋内で重合させる時、雨戸に対して直角
方向の力が働くため出し入れの操作がしにくいと
いう問題があつた。そこで、雨戸障子の開閉操作
は戸車により行い、戸袋内では戸車より下方に突
出させた回転式ローラや、ボールを用いて雨戸障
子を開閉方向と直角方向に移動させるようにした
ものがあるが、これ等のものは容易に転動するた
め、戸袋内では、雨戸障子の下部のみが滑走し
て、戸袋前面位置まで移動するため、戸袋内にお
いて雨戸障子本体が傾斜状となり、後続の雨戸を
収納するのに支障をきたし、特に、枚数の多い雨
戸即ち、戸袋の厚み寸法の大きいものに於て雨戸
の傾斜がゆるやかになつてしまい後続雨戸収納の
ためにますます労力を要する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は斯様な実情に鑑み、この問題を一掃す
るために創案したもので、即ち、戸車を転動させ
て雨戸障子を開閉し、戸袋内では前記戸車よりも
下方に突出する摺動体を介して並列状に雨戸障子
を収納する様にした引戸式雨戸において、前記摺
動体の摺動面は平面状に形成し、該平面で戸袋を
摺動するように構成したことを特徴とする引戸式
雨戸の摺動装置として戸袋内では摺動体に形成し
た下面摺動面の平面部で摺動移動させて出し入れ
を容易にして重量のある雨戸でも円滑に開閉でき
るようにすると共に、雨戸障子が不用意に戸袋内
で倒れて後続雨戸の収納に支承をきたさないよう
にしたものである。

〔実施例〕

第１図はいわゆる７分溝用についての実施例で
ある。１は断熱雨戸で、７分溝２に案内されて走
行する。この場合雨戸１の前後に設けた戸車３
は、７分溝２の肩面４上を走行する。５は摺動体
で、合成樹脂で成形され、雨戸下部の前後部即ち
堅框と下框との交る部分にとりつけられている。
そして摺動体５は、その下面には平面部５′が形
勢されており、戸袋側（第１図の境界線Ａより右
側）においては戸袋底板６と摺動体５の平面部
５′が摺動し、戸袋外の７分溝側（第１図の境界
線Ａの左側）では７分溝２の底面上に一定の間隔
（約１〜２mm）で浮くようにしてある。従つて戸
車３は戸袋内では底板６から浮く状態となる。７
は７分溝２の戸袋側端部の面とり部で、これによ
り、戸袋からレールへスムーズに雨戸が移行でき
るようになつている。

第５図は本実施例における摺動体５と戸車３の
支持体３ｂとを一体にしたものである。この支持
体３ｂに戸車３のブラケツト３ａが嵌りねじ３ｃ
で下框に取付けるのであつて、戸車３の上下位置
が調節される。

第３図〜第４図は本考案の別の実施例である。
本例は敷居レール８上を戸車９が転動し走行して
開閉される場合である。前例と同様レール側では
雨戸１はレール８上を戸車９の転動で走行するの
で、雨戸に設けた摺動体５はレール設置面１０よ
り約１〜２mm浮いているが、戸袋側ではレール８
が設けられていないので、摺動体５の下面の平面
部が戸袋底板１１上を摺動して開閉される。前例
と同様戸袋からレール側へスムーズに移動できる
ようレール８の端が面とり１２されている。

〔作用〕

以上本考案によれば、雨戸は戸袋内では摺動体
５は戸袋底板６上にあつて、戸車３はこの時底板
６から浮いており、レール又は溝がわでは摺動体
５はレール設置面或いは溝から浮いていて戸車の
転動により走行し、戸袋内では摺動体５の平面部
５′で戸袋底板６上を摺動する。

〔効果〕

本考案は上述のように戸車を転動させて雨戸障
子を開閉し、戸袋内では前記戸車よりも下方に突
出する摺動体を介して並列状に雨戸障子を収納す
る様にした引戸式雨戸において、前記摺動体の摺
動面は平面状に形成し、該平面で戸袋を摺動する
ように構成したことを特徴とする引戸式雨戸の摺
動装置であつて、雨戸障子の戸車は戸袋内では、
戸袋底板より浮いていて摺動体の平面部が戸袋底
板面上を摺動し、戸袋の外側のレール又は溝側で
は摺動体は浮き戸車の転動で走行して開閉するの
であつて、雨戸は戸袋内に２〜数枚の雨戸を収納
するとき雨戸に対し直角方向の力が働くが、摺動
体の平面部で戸袋底板上を摺動するようにしたの
で、移動方向の違いによつて摺動又は戸車の転動
が自動的に選択されるものでありながら、枚数の
多い雨戸を戸袋に収納する場合でも摺動体平面部
と戸袋底板との間に適度な摩擦力が生じるので戸
袋内で雨戸の下部のみが不用意に戸袋の前面位置
に滑走して雨戸が極端に傾斜するようなことがな
く、後続の雨戸は容易に戸袋内に収納でき、既収
納の雨戸を起立させる煩さがない。また戸袋内摺
動時に摺動体の摺動部を平面状としたため雨戸の
自重が戸袋底板上の一点集中荷重となることがな
く、従つて木製の戸袋底板であつても使用中に戸
袋底板上に不必要な凹部や線条跡が生ずることな
く軽快な収納操作が出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例、７分溝によつて
案内されて雨戸が開閉される場合を示し、第２図
は第１図の左側面図、第３図は本考案の第２実施
例で、レールによつて案内されて雨戸が開閉され
る場合を示し、第４図は第３図の左側面図、第５
図はコーナーブロツクと戸車の支持体を一体にし
た場合の実施例斜視図である。 １……断熱雨戸、２……７分溝、３……戸車、
４……（７分溝の）肩面、５……コーナーブロツ
ク、５′……摺動体平面部、６……戸袋の底板、
７……（７分溝端部の）面取部、８……レール、
９……戸車、１０……レールの設置面、１１……
戸袋の底面、１２……（レールの端部の）面取
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 戸車を転動させて雨戸障子を開閉し、戸袋内で
   は前記戸車よりも下方に突出する摺動体を介して
   並列状に雨戸障子を収納する様にした引戸式雨戸
   において、前記摺動体の摺動面は平面状に形成
   し、該平面で戸袋を摺動するように構成したこと
   を特徴とする引戸式雨戸の摺動装置。