JPS641246Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は新聞故紙整理具の考案に係り、古新聞
紙類を簡易且つ的確に整理し得るのみならず、こ
のような新聞故紙を十字型に交叉した掛紐で取扱
中に乱れたり弛緩することのない正確な状態に緊
締することができ、しかも比較的低コストで取扱
いが容易であり、不使用時には嵩張ることなく格
納できる新聞故紙整理具を提供しようとするもの
である。

朝夕に配達される新聞は次の新聞が配達される
毎に故紙となり、４つ折りしても27〜８cm×41cm
程度の大型なものであつて一般的に室内に散乱す
ることとならざるを得ず、一般家庭などにおいて
その整理に忙殺されるようなこととなる。従つて
斯様な新聞紙等は適当な折畳み状態で掛紐し整理
して回収業者などに渡すこととなるが、その量が
少いときには折れ易くて適当な掛紐による十字掛
け状態での緊締が得られ難いことから所定量に達
するまでは室内に放置されているようなことが多
く、又その量が多くなると掛紐による安定した整
理をなすのに相当の苦心を必要とし、特別な緊締
技術（要領）を必要とすることは一般的に知られ
ている通りである。つまり多数の新聞紙が必ずし
も正確に堆積されておらず、緊締操作に当つて堆
積された中間部などのものがはみ出して荷崩れ
し、仮りに一応緊締したとしても掛紐の位置およ
び方向が正確でないことが殆んどであるから若干
の取扱いで容易に緩み、やはり荷崩れする。即ち
掛紐の位置、方向が不適正な場合においては荷役
中に緊締状態が弛緩し、荷姿が崩れる。このよう
な事情からして各家庭などにおいては常に新聞紙
等が散乱しているようなこととなり、吾人の生活
環境を徒らに狭隘としている。なおこのような不
利を避けるため先願として実開昭56−115304号の
ような荷造台の提案もあるが、このものはＶ形底
板上に古新聞紙を屈曲させて堆積し、該Ｖ形底板
の両側に突出した部分を平行状に結縛しようとす
るものであつて、古新聞紙がＶ形に折れた状態と
なることから整理結縛された荷姿が整然としたも
のとならない。又このものは上記のようなＶ形底
板が堆積される古新聞紙より幅狭であるから古新
聞紙の両端部などが露出したままで、不体裁であ
るから故紙回収作業場などで用いるに適しても一
般家庭などにおいて毎日発生する古新聞紙を整理
格納するような目的には適しない。更にこの荷造
台は使用時および不使用時の何れにおいても略同
じ形態をなしていて、不使用時における荷造台自
体のコンパクト化格納をなし得ない。

又実開昭52−163474号公報においては対向壁に
底部に達するＶ字型切欠部を設け、紐をセツトし
て新聞紙を整理する梱包用整理箱が提案されてい
るが、このもののように大きなＶ字型切欠部を形
成したものでは箱体の強度が著しく低下すること
から該整理箱自体を充分な強度をもつた厚層の合
成樹脂成形体などで製造することが必要で高価で
あると共に不使用時においてもその容積を縮減で
きず、格納のための余分なスペースを必要とす
る。又単に中央部を横断した緊締がなし得るだけ
であるから緊締しても新聞紙の両側が垂れ下り、
しかもＶ字型切欠部にそつてセツトされた紐で緊
締することとなるので紐による緊締が必ずしも適
正になされず、緊締しても弛緩する可能性があ
り、上記のように両側が垂れたり、緊締した新聞
紙が一部抜け出したりしてその荷役取扱いに困難
が伴う不利がある。

本考案は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て考案されたものであつて、所定寸法で形成され
た単なる方形枠体の底面一側に該方形枠体の内面
一側に折畳み得るように底板を取付け、前記方形
枠体の各側面における中央部の底部近くに条体を
係止する係突部を横向とした勾玉状の穿孔による
係止部を夫々設け、しかも該方形枠体の各側面上
部にはこれらの係突部に即応させて各体係着部を
夫々形成して成る新聞故紙整理具である。

即ち本考案によるものの具体的な実施態様を添
附図面に示すものについて説明すると、ボール紙
又は段ボール紙のような適当な厚さを有する紙材
又は合成樹脂材の如きで形成された方形枠体１は
上記したような新聞紙の４つ折状態の寸法を平面
的に採つて形成され且つ適当な高さをもつたもの
であることは第１図に示す通りであり、このよう
な方形枠体１の底面一側には底板２が適宜に枠体
１の内面に対し折畳み得るように取付けられてい
る。又このような方形枠体１の各側面中央部の底
部近くに緊締条３の係止部４がその係突部４ａを
横向きとした勾玉状の穿孔によつて夫々形成さ
れ、又このような係止部４の上方には切込みによ
るもう１つの条体係着部５が前記方形枠体の各側
面中央部に夫々形成されたものである。なお必要
に応じ方形枠体１の各側面の何れか１つ又は２つ
以上に適宜に上記穿孔による係止部４と連続した
縦孔６を形成して収容された故紙量を側面から判
断し得るようになし得る。

上記したように本考案によるものの作用ないし
使用操作については底板２を底面にそつて倒すこ
とにより各側面底部に底板２が嵌合してその形態
を固定化して第１図に示す通りの使用状態が形成
され、この状態で方形枠体１の各側面中央部にお
ける係止部４における係突部４ａと係着部５に
夫々方形枠体の内面に位置した緊締条３を係止さ
せ、即ち係止部４においては係突部４ａに対して
のみ緊締条３を方形枠体１の外面に露出するよう
に屈曲させることによつて緊締条３，３を方形枠
体１内に十字状に交叉させて正確にセツトするこ
とができ、この状態で故紙たる新聞紙を順次に役
入しておくことにより本案品は整理箱としての機
能を果す。つまり、このように故紙化した新聞故
紙を逐次投入しておき、少なくとも200枚以上の
ような所定状態に達したならば係着部５に係止し
ていた緊締条３の両端部を外すと共に係止部４に
おける係止をも条体３を方形枠体１の外面でその
勾玉状穿孔４の係突部４ａから側方に押すだけで
容易に解脱できる。即ち直交状に交叉した条体３
を新聞紙と方形枠体１内面に適正に挟持した状態
のままで各条体３をその長さ方向に若干スライド
する程度で解脱でき、これらの条体３，３を夫々
緊結することにより勿論セツト時の正確な直線状
態に復元して第２図に示すような方形状の整然と
した荷姿をなし、しかも緊締条３，３が正確な十
字状として緊締された故紙緊締体を得ることがで
きる。即ちこのような緊締に当つては方形枠体１
内に収容されたままで緊締されることから方形枠
体１は緊締時の荷崩れ防止作用をなすと共に各緊
締条の位置および方向が何れも正確な十字状を以
て交叉した緊締体を得しめ、荷役取扱いにおいて
弛緩することなく、又緊締された故紙が部分的に
垂れるようなこともなくなり、常に整然たる荷姿
を有する緊締体を得しめる。斯うして緊締したも
のは方形枠体１から取出し、次の新しい条体３を
セツトすることにより再び故紙類の整理箱として
利用されることは明かである。上記のように方形
状として整然として弛緩せず、垂れるようなこと
のない状態に緊締されたものはトラツクなどによ
る荷役や物置ないし倉庫における整理格納にも好
都合である。

又本案品の不使用時においては底板２を枠体１
の内面に折畳むだけで方形枠体１全般も第３図の
ような過程を経て平面的および厚さ的に嵩張るこ
とのない扁平状態に折畳むことができ、不使用時
の本案整理具自体に関する格納や運搬荷役時にお
ける小容積化を図ることができる。なお方形枠体
１の周面には適当なデザイン又は広告宣伝などを
表示することができ、それによつて美麗であり、
又サービス品の如きとして広く利用される。

以上説明したような本考案によるときは従来各
家庭における室内等に散乱し、家庭などにおける
適当な整理方法もなかつたような新聞故紙に関し
てこれを底板上の方形枠体内に順次投入すること
により第１次に整理箱として機能し、又それが所
定量に達した後に係止部および係着部に取付けら
れた条体を解脱し緊締するに当つては第２次の緊
締操作時における荷崩れ防止作用をなすと共に十
字型に正確に交叉し且つ正確な方向を採つた緊締
条体で正確な位置において緊締するものであり、
従つて又このようにして略一定量宛正確且つ整然
とした荷姿に緊締されたものは新聞紙が部分的に
垂れ下つたり、或いは緊締条の位置が変動して緊
締状態が弛緩したりするようなことがなく、その
荷姿が一定化して故紙回収業者などにおける荷役
取扱い作業を容易にするなどの多くの作用効果が
あり、しかも紙材や合成樹脂材などの比較的薄層
軽量且つ僅少な素材で簡易且つ低コストに得ら
れ、又不使用時の如きには小容積に折畳み得るな
ど実用上その効果の大きい考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を示すものであつて、
第１図は本案品の整理箱として使用状態を示した
斜面図、第２図はその故紙類を緊締した荷姿の斜
面図、第３図は本案品の折畳み状態を示す平面図
である。 然してこれらの図面において、１は方形枠体、
２は底板、３は緊締条、４は係止部、４ａはその
係突部、５は係着部を夫々示すものである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定寸法で形成された折畳み可能な方形枠体の
   底面一側に該方形枠体の内面一側に折畳み得るよ
   うに底板を取付け、前記方形枠体の各側面におけ
   る中央部の底部近くに条体を係止する係突部を横
   向とした勾玉状の穿孔による係止部を夫々設け、
   しかも該方形枠体の各側面上部にはこれらの係突
   部に即応させて条体係着部を夫々形成して成る新
   聞故紙整理具。