JPS641136B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は挿入部などに使用する内視鏡用可撓管
に管する。

一般に、内視鏡用可撓管は内臓部材を保護する
ための強度と挿入、観察の際に必要とされる可撓
性、耐引張り性および追従性などの諸性能とを両
立させるため、後述するように構造上ある程度の
肉厚を要する。したがつて必要な内径に対し外径
が大きくなり、これは被検者に苦痛を与える原因
となり、また体腔内の狭い部位への挿入が困難に
なつていた。従来一般的に知られている内視鏡用
可撓管は帯状材を螺線状に巻回した螺線管に、細
線を編成した網状管を被嵌し、この外側を軟質樹
脂からなる外被管で覆う３層構造になつている。
そして、上記強度や性能を得るためにはそのいず
れも省略できず、その結果どうしてもある程度の
肉厚が必要であつた。

一方、現在、肉厚を薄くする目的で提供されて
いる可撓管としては(イ)弾力性を有する管の管肉中
に金属細線を螺線状に埋没させたもの（実開昭53
−48487号公報）、(ロ)凸部を形成したバイアス状帯
体を螺状に巻成した螺線管に外被を被覆したもの
（実開昭51−149183号公報）が知られている。し
かし、これらに共通する欠点はその肉厚を薄くす
るために可撓管に要求される上記強度や諸性能を
大きく犠性にしていることである。たとえば(イ)の
場合には前記一般的な内視鏡用可撓管における螺
線管を省略しているため、潰れやすく、また屈曲
に対する強度や追従性に難点がある。また、(ロ)の
場合にはその螺線管と外被との固定が十分でなく
屈曲や捩れに対する耐力強度に難点があり、また
破損をまぬがれたとしても諸性能を失うおそれが
ある。

本発明は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは要求される強度や諸性能
を損うことなく、簡単な構成でその肉厚を薄くで
きる内視鏡用可撓管を提供することにある。

以下、本発明の各実施例を図面にもとづいて説
明する。第１図および第２図は本発明の第１の実
施例を示すものである。

第１図中１は内視鏡２の操作部であり、この操
作部１には挿入部３が連結されている。挿入部３
は後述する可撓管４の先端に湾曲管５を介して先
端構成部６を連結してなり、上記湾曲管５は操作
部１のアングルノブ７によつて遠隔的に湾曲操作
されるようになつている。また、操作部１にはラ
イトガイドケーブル８が連結されている。上記先
端構成部６には図示しない観察光学系や照明光学
系などが設けられており、また、挿入部３内には
イメージガイド、ライトガイド、送気管、送水管
および吸引管などの内臓部材が挿入配置されてい
る。そして、イメージガイドは操作部１の接眼部
９に導びかれている。また、ライトガイドは操作
部１内を通じてライトガイドケーブル８内に導び
かれている。さらに、上記送気管、送水管および
吸引管は操作部１を通じてライトガイドケーブル
８内に導びかれている。

一方、上記挿入部３の可撓管４は第２図で示す
ように金属製の帯状材１０を平織りに編成した帯
状材網管１１の外側から熱可塑性樹脂を加圧して
成形することによりその帯状材網管１１に含浸さ
せた状態で外被層１２を形成してなり、帯状材網
管１１と外被層１２とを互いに緊密に結合させた
２重構造に構成されている。また、帯状材網管１
１の各帯状材１０はたて横の方向が直角に交叉す
るとともに挿入部３の長手軸方向に対しては45゜
の角度で傾斜している。そして、各帯状材１０の
交叉部分などの間隔や凹所に外被層１２が含浸
し、その外被層１２と緊密に結合している。

しかして、上記可撓管４の強度や性能の確保を
各構成部材がどのように分担しているかを明確に
区別することはできないが、帯状材網管１１は従
来、主として螺線管が有していた弾撥性、潰れや
屈曲に対する耐力性と主として網状管が有してい
た追従性や耐引張り性などの強度や性能を併せ有
していると考えられる。しかも、上記外被層１２
は加圧成形によりその帯状材網管１１に確実かつ
強固に固定されているため、上記強度や性能の向
上に寄与している。そして、これは帯状材網管１
１と外被管１２とで達成できるため、その肉厚を
薄くすることができるのである。

第３図は本発明の第２の実施例を示すもので、
これは第１の実施例における帯状材１０に多数の
小さな孔１４をあけて第２の実施例同様樹脂の含
浸を効果的に行なわせるようにしたものである。

なお、本発明は上記実施例のものに限定される
ものではない。たとえば第１の実施例における外
被層１２を成形するにあたり、熱可塑性で軟性の
樹脂からなる管材を帯状材網管１１に被嵌して熱
しながら加圧成形させることにより上記外被層１
２を成形してもよい。

以上説明したように本発明の内視鏡用可撓管は
金属製の帯状材を編成した帯状材網管に樹脂を成
形して付着し、外被層を形成したものである。つ
まり、帯状材網管と外被層とを互いに緊密に結合
する２重構造をなすことにより、その帯状材網管
の機能が効果的に働き、弾撥性、潰れや屈曲に対
する耐力性、追従性や耐引張り性など内視鏡用可
撓管として要求される強度や諸性能を充分に発揮
する。そして、要求される強度や諸性能を損うこ
となく、可撓管自体の肉厚を薄くできるという格
別な効果を奏することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を示す内視鏡の
正面図、第２図は同じくその可撓管の要部を示す
正面図、第３図は本発明の第２の実施例における
可撓管の要部を示す正面図である。 １……操作部、２……内視鏡、３……挿入部、
４……可撓管、１０……帯状材、１１……帯状材
網管、１２……外被層、１４……孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属製の帯状材を編成した帯状材網管に樹脂
   を成形して付着し外被層を形成してなることを特
   徴とする内視鏡用可撓管。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の内視鏡用可撓
   管において、上記外被層は熱可塑性の樹脂を帯状
   材網管に加工成形してなることを特徴とする内視
   鏡用可撓管。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載の内視鏡用可撓
   管において、上記外被層は軟性樹脂の管材によつ
   て構成したことを特徴とする内視鏡用可撓管。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載の内視鏡用可撓
   管において、上記帯状材に多数の孔をあけたこと
   を特徴とする内視鏡用可撓管。