JPS6410793B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、秒針に特殊な動きを与えるようにし
た時計に関する。

（従来技術） 置時計、壁掛時計等、室内に配置される時計
は、本来的な計時機能以外に家具、調度類として
の装飾機能が要求されており、これらの要請に応
えるべく、この種の時計には、ケースに種々のデ
ザインを凝らしたり、あるいは万年時計に類した
疑似振子等を設けるなどして静的もしくは動的な
意匠を施すようにしている。

しかしながらこれまでの時計では、時刻表示面
にまで本質的な装飾性を付与しておらず、使途か
らみて秒単位までの時刻読取りを要しない時計で
あるにもかかわらず、時、分、秒針を設けて時刻
表示を行なうようにしているため、大きな面積を
占める表示面が意匠的に他の部分と遊離してい
て、時計全体としてみた場合必ずしも十分魅力に
富んだ商品とは云い得ないきらいがあつた。

（目的） 本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであ
つて、その目的とするところは、秒針等の比較的
速く回転する指針に特殊な動きを付与させること
により、時計の全表面に対して大きな割合いを占
める表示面に動的な装飾効果を持たせ、もつて時
計を調度の一部としてまた児童にとつて魅力のあ
るものとなし得る新たな時計を提供することにあ
る。

（構成） そこで、以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。

第１、２図は本発明の一実施例を示すものであ
つて、図中符号１は、秒針軸２の端部に固着した
スリーブ状をなす秒針支持袴で、その先端に一体
的に設けたフランジ３の周縁には、秒針５の肉厚
よりやや丈の高い秒針押上げ片４がフランジ３の
半周を越えない範囲に立上がり形成され、さらに
この支持袴１の先端には傘状をなす押え７を嵌め
込んで、針押え７の軸部８に可回動的に取付けた
秒針５をフランジ３と針押え７とによつて保持す
るように構成している。なお、図中符号６は、秒
針５の先端に設けた装飾片、９は分針軸、１０は
時針軸、１１は文字板をそれぞれ示している。

上述した実施例において、秒針軸２先端の針押
え軸部８に緩く嵌め合わされた秒針５は通常自重
により６時の位置に垂下している。この状態で秒
針軸とともに回転する秒針支持袴１上の秒針押上
げ片４前縁４ａが６時の位置までくると、垂下し
ている秒針５はこれに押されて12時の位置まで引
上げられ、その後は再び６時の位置まで自由落下
して、秒針押上げ片４の占める角度が180゜より十
分短い場合には、６時の点を中心に揺動し、徐々
に減衰して停止する。したがつて、図示したよう
に秒針５の先端に飛行機状の装飾片６を設けてお
けば、この装飾片６が30秒毎に緩急運動を行なつ
て文字板１１上で一種独特な動きをする。

第３図に示した実施例は、秒針押上げピン２４
を秒針支持袴２１先端に偏心させて設ける一方、
この支持袴２１に可回動的に取付けた秒針２５を
可及的に細い線材により形成するとともに、その
先端に人形等を型取つた装飾片２６を揺動可能に
垂設したもので、この実施例によれば、文字板１
１上で同じ姿勢を保たせた状態で30秒毎に装飾片
２６を揺動させつつ緩急自在に周回させることが
できる。

第４図に示した実施例は、秒針３５を文字板３
８側に配設するようにした周知の輪列機構を採用
した上、細線によつて形成した秒針３５にスリー
ブ３７を滑動可能に装着してこれに装飾片３６を
吊下げるとともに、装飾片３６を文字板３８に設
けた案内溝３９に沿わせ案内させるようにしたも
ので、この実施例によれば、６時の位置から12時
の位置にかけての案内溝３９を秒針軸に近接させ
ることにより、秒針引上げトルクを可及的に小さ
くすることができ、同時に、装飾片３６を回転方
向のみならず径方向にも移動可能にしてその動き
をより二次元的にすることができる。

第５図に示したさらに別の実施例は、秒針の引
上げと解放という秒針の１サイクル毎に生ずるト
ルクの変動を可及的に小さくすべく、秒針４５を
直径方向に伸びる２つの腕体４５ａ，４５ｂとし
て形成し、各先端に質量のほぼ等しい装飾片４６
ａ，４６ｂを吊設するとともに、これらを秒針支
持袴４１に偏心させて立設した秒針押上げピン４
４によつて交互に引上げるように構成したもので
あり、この実施例によれば、両端に設けた装飾片
４６ａ，４６ｂを釣合わすことにより、秒針引上
げの際のトルクを可及的に少なくすることができ
るばかりでなく、秒針引上げ時期を、３時位置か
ら６時位置及び９時位置から12時位置の２回に分
けてその変動をさらに小刻みにすることができ、
さらには、文字板４８上に設けた適宜の鳴奏体接
片４９を秒針４５の自由落下時に秒針４５もしく
は装飾片４６と接触させることにより、15秒毎に
時刻を知らせるようにすることもできる。

なお、以上は秒針軸への適用例として本発明を
説明したが、回転速度が分針より速く、動きが目
視し得る程度の回転軸にこの種の指針を設けるよ
うに構成することも可能である。

（効果） 以上述べたように本発明によれば、秒針軸等の
回転軸に遊嵌した装飾片つきの指針を回転軸上の
偏心位置に固設した押上げ部材により引上げつつ
駆動するようにしたので、指針を介してそこに設
けた装飾片に定速運動と自重による落下運動とい
う２種類の異なる運動を行わせて、時計表面の中
でも大きな面積を占める表示面の動きに特殊な動
く意匠を施すことができ、時計に調度の一部とし
ての装飾機能もしくは、児童にとつての教習具的
機能を付与してその汎用性を高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す指針機構の
分解斜視図、第２図は、同上装置による表示状態
を示す平面図、第３図乃至第５図は、いずれも本
発明の他の実施例を示す平面図である。 １，２１……秒針支持袴、４……秒針押上げ
片、２４，３４，４４……秒針押上げピン、５，
２５，３５，４５……秒針、６，２６，３６，４
６……装飾片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 時計機構により少なくとも分針以上の速い速
   度で駆動される回転軸と、該回転軸上に可回動的
   に支持された装飾片を有する指針と、上記回転軸
   の偏心位置に固設され、上記指針の一部と当接し
   て該指針を引上げる引上げ部材とを備えてなる時
   計。 ２ 上記指針の先端に上記装飾片を揺動可能に吊
   設した特許請求の範囲第１項記載の時計。 ３ 上記装飾片を指針に摺動かつ揺動可能に吊設
   するとともに、該装飾片の一部に文字板上の案内
   手段により案内される案内部を設けた特許請求の
   範囲第１項記載の時計。 ４ 上記指針を直径方向に伸びる１本のバー状に
   形成した特許請求の範囲第１項または第２項記載
   の時計。