JP6256949B2 - 特殊表示機構、ムーブメントおよび時計 - Google Patents

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    • G04B45/02Time pieces of which the clockwork is visible partly or wholly

Description

この発明は、特殊表示機構、ムーブメントおよび時計に関するものである。
腕時計等の機械式時計は、時刻を表示する機能に加えて、装飾品としての機能も有している。このため、従来から、ガラス等の透過性を有する材料により裏蓋を形成してムーブメントの動作を鑑賞可能とした、いわゆるスケルトンタイプの機械式時計が知られている。また、さらに意匠性を向上させるために、ムーブメントの各構成部品を動作させる特殊表示機構を備えた機械式時計が知られている。
例えば、特許文献1には、てんぷを有するキャリッジユニットが自転するいわゆるトゥールビヨン機構(the carousel tourbillon mechanism)を備えるとともに、キャリッジユニットが機械式時計の中心軸周りに所定速度で公転する機械式時計が開示されている。特許文献1によれば、ムーブメントの特殊表示領域において、透明な時計ガラスを通してキャリッジユニットの位置から時刻を認識することができるとともに、キャリッジユニットの脱進機および調速機を構成するがんぎ車やアンクル、てんぷ等の動作を見ることができるとされている。
特許第4737634号公報
しかしながら、従来技術に記載の機械式時計にあっては、脱進機および調速機を含むキャリッジユニットは、ムーブメントの特殊表示領域において時計の中心周りに所定方向に回転するのみであり、移動軌跡が単調である。したがって、複雑な移動軌跡を描くことによる意匠性の向上という点で改善の余地がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、キャリッジユニットの複雑な移動軌跡を描くことができ、意匠性を向上できる特殊表示機構、この特殊表示機構を備えたムーブメントおよび時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の特殊表示機構は、脱進機および調速機を含むキャリッジユニットと、時間の経過に応じて、前記キャリッジユニットの移動速度を異ならせかつ、前記キャリッジユニットを、特殊表示部の中心に対して、接近または離間する方向へ移動させる作動ユニットと、を備え、前記作動ユニットは、前記キャリッジユニットが前記特殊表示部の中心に対して接近する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、前記キャリッジユニットが前記特殊表示部の中心から離間する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、が連続するように前記キャリッジユニットを移動させ、動力源から供給された動力を、前記脱進機および調速機と前記作動ユニットへ分割して伝達することを特徴としている。
本発明によれば、時間の経過に応じて、キャリッジユニットの移動速度を異ならせかつ、キャリッジユニットを、特殊表示部の中心に対して、接近または離間する方向へ移動させる作動ユニットを備えているので、キャリッジユニットの複雑な移動軌跡を描くことができる。また、作動ユニットは、キャリッジユニットが特殊表示部の中心に対して接近する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、キャリッジユニットが特殊表示部の中心から離間する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、が連続するようにキャリッジユニットを移動させるので、屈曲したキャリッジユニットの移動軌跡を描くことができる。これにより、キャリッジユニットのさらに複雑な移動軌跡を描くことができるので、特殊表示機構の意匠性を向上できる。
また、脱進機および調速機を含むキャリッジユニットと、時間の経過に応じて、前記キャリッジユニットの移動速度を異ならせかつ、前記キャリッジユニットを、特殊表示部の中心に対して、接近または離間する方向へ移動させる作動ユニットと、を備え、前記作動ユニットは、前記キャリッジユニットが前記特殊表示部の中心に対して接近する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、前記キャリッジユニットが前記特殊表示部の中心から離間する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、が連続するように前記キャリッジユニットを移動させ、前記作動ユニットは、動力源から動力の一部が伝達されて第一軸を中心に回転するカム部と、前記カム部に対して回転するレバーユニットと、を備え、前記レバーユニットは、一端部に前記カム部に接する従節部が形成され、前記レバーユニットの回転にともなって揺動しながら前記第一軸周りを回転する作動レバーと、一端部に前記キャリッジユニットが搭載され、他端部が前記カム部の径方向の外側に位置する第二軸周りに回転可能に支持され、前記作動レバーの揺動にともなって揺動しながら前記第一軸周りを回転するキャリッジレバーユニットと、備え、前記作動レバーの他端部と前記キャリッジレバーユニットの他端部とは、動力伝達部を介して連結されていることを特徴としている。
本発明によれば、レバーユニットは、一端部にカム部に接する従節部が形成され、レバーユニットの回転にともなって揺動しながら第一軸周りを回転する作動レバーと、一端部にキャリッジユニットが搭載され、作動レバーの揺動にともなって揺動しながら第一軸周りを回転するキャリッジレバーユニットと、備えているので、カム部の形状を変更することにより、作動レバーの回転量やキャリッジユニットの移動軌跡を任意に設定することができる。また、キャリッジレバーユニットは、第二軸周りに回転可能に支持されるとともに、作動レバーの他端部とキャリッジレバーユニットの他端部とが動力伝達部を介して連結されているので、設定された作動レバーの揺動量および回転速度に対応して、キャリッジレバーユニットが揺動しながら、第一軸周りを周方向に回転することができる。このように、カム部の形状および従節部のカム部に対する移動速度により、キャリッジレバーユニットに設けられたキャリッジユニットの移動軌跡を所望に設定できるので、キャリッジユニットの複雑な移動軌跡を描くことができ、特殊表示機構の意匠性を格段に向上できる。
また、前記動力伝達部は、前記キャリッジレバーユニットの他端部に設けられたキャリッジレバーかなと、前記作動レバーの他端部に形成されたレバー歯車と、により形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、動力伝達部は、キャリッジレバーかなとレバー歯車と、により形成されているので、互いに噛合するキャリッジレバーかなの歯数とレバー歯車の歯数との比を変更することにより、さらにキャリッジユニットの複雑な移動軌跡を描くことができ、特殊表示機構の意匠性を向上できる。
とりわけ、レバー歯車の歯数比をキャリッジレバーかなの歯数比よりも大きくすることで、キャリッジレバーユニットの揺動量を大きくしてキャリッジユニットの揺動量を大きくすることができ、レバー歯車の歯数比をキャリッジレバーかなの歯数比よりも小さくすることで、キャリッジレバーユニットの揺動量を小さくしてキャリッジユニットの揺動量を小さくすることができる。このように、カム部の形状および従節部のカム部に対する移動速度に加えて、キャリッジレバーかなの歯数とレバー歯車の歯数との比を変更することにより、キャリッジユニットの移動軌跡を所望に設定できる。したがって、簡単な構造でキャリッジユニットの複雑な移動軌跡を描くことができ、特殊表示機構の意匠性を向上できる。
また、前記レバーユニットは、前記動力源からの前記動力の一部を伝達して前記脱進機のがんぎ車を回転させる遊星機構ユニットと、前記作動レバーと前記キャリッジレバーユニットとを支持するとともに、前記第一軸を中心に回転するレバー受ユニットと、前記遊星機構ユニットと噛合され、前記がんぎ車を回転させる伝達車と、を備え、前記遊星機構ユニットは、前記動力源からの動力により前記第二軸周りに回転する第一太陽車と、前記第一太陽車と同軸に配置されて前記第一太陽車と異なる速度で回転可能な第二太陽車と、前記第一太陽車および前記第二太陽車と噛合するとともに、前記第二軸周りに公転する第一遊星車を有する第一遊星機構と、前記レバー受ユニットに設けられたレバーユニット歯車および前記第一遊星機構に設けられた第一遊星機構歯車と噛合するとともに、前記キャリッジレバーユニットの揺動に対応して前記第二軸周りに公転する第二遊星車を有する第二遊星機構と、を備え、前記キャリッジレバーユニットの揺動による前記伝達車の回転速度の変動を打ち消すように、前記第一太陽車、前記第二太陽車、前記レバーユニット歯車、前記第一遊星機構歯車、前記第一遊星車および前記第二遊星車の各歯車の歯数が設定されていることを特徴としている。
本発明によれば、キャリッジレバーユニットの揺動による伝達車の回転速度の変動を打ち消すように、第一太陽車、第二太陽車、レバーユニット歯車、第一遊星機構歯車、第一遊星車および第二遊星車の各歯車の歯数が設定されているので、動力源の動力を分割して、キャリッジユニットの脱進機の駆動とキャリッジレバーユニットの揺動とに使用した場合であっても、キャリッジレバーユニットの揺動による影響を受けることなく、第二太陽車からキャリッジユニットの脱進機に対して、がんぎ車の回転速度が一定の速度となるように動力を伝達ができる。したがって、計時精度に影響を与えることなく意匠性を向上できる特殊表示機構とすることができる。
また、前記カム部は、前記第一軸からの離間距離が最大となる最外部と、前記第一軸からの離間距離が最小となる最内部とを備えたハートカムであり、前記カム部と前記レバーユニットとは、互いに反対方向に回転し、前記カム部の回転速度は、前記レバーユニットの回転速度の3倍であることを特徴としている。
本発明によれば、カム部が3回転する間にレバーユニットが反対方向に1回転するので、作動レバーの従節部は、レバーユニットが時計回り方向に1回転する際に、カム部の最外部と最内部とを4回ずつ通過することができる。したがって、キャリッジレバーユニットに設けられたキャリッジユニットは、第一軸に対して接近または離間する方向に4往復移動しながら回転することができるので、例えば第一軸を中心とする花弁状の複雑な移動軌跡を描くことができる。したがって、意匠性を格段に向上できる特殊表示機構とすることができる。
また、前記キャリッジユニットは、前記作動ユニットに対して回転可能に支持されていることを特徴としている。
本発明によれば、キャリッジユニットを回転させることにより、調速機のてんぷを回転させることができるので、重力の方向による影響を平準化できる。すなわち、特殊表示機構は、重力の方向によりてんぷの振動周期が変化するのを抑制できる、いわゆるトゥールビヨン機構を備えているので、計時精度および意匠性を格段に向上できる。
また、本発明のムーブメントは、上述の特殊表示機構を備えたことを特徴とする。
また、本発明の時計は、上述のムーブメントを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、上述した特殊表示機構を備えることにより、キャリッジユニットの複雑な移動軌跡を描くことができるので、意匠性に優れたムーブメントおよび時計を得ることができる。
本発明によれば、時間の経過に応じて、キャリッジユニットの移動速度を異ならせかつ、キャリッジユニットを、特殊表示部の中心に対して、接近または離間する方向へ移動させる作動ユニットを備えているので、キャリッジユニットの複雑な移動軌跡を描くことができる。また、作動ユニットは、キャリッジユニットが特殊表示部の中心に対して接近する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、キャリッジユニットが特殊表示部の中心から離間する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、が連続するようにキャリッジユニットを移動させるので、屈曲したキャリッジユニットの移動軌跡を描くことができる。これにより、キャリッジユニットのさらに複雑な移動軌跡を描くことができるので、特殊表示機構の意匠性を向上できる。
時計のムーブメントを表側から見たときの平面図である。 時計のムーブメントを表側から見たときの斜視図である。 時計のムーブメントの側面断面図である。 時計のムーブメントの側面断面図である。 時計のムーブメントの側面断面図である。 香箱車から供給される動力の伝達経路の説明図である。 遊星機構ユニットの概略構成図である。 特殊表示機構の動作説明図である。 特殊表示機構の動作説明図である。 特殊表示機構の動作説明図である。
以下に、この発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
以下では、まず実施形態に係る機械式の腕時計(請求項の「時計」に相当。)およびこの腕時計に組み込まれたムーブメントについて説明したあと、表示機構の詳細について説明する。
(時計)
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
図1は、時計100のムーブメント101を表側から見たときの平面図であり、図2は、時計100のムーブメント101を表側から見たときの斜視図である。
図1および図2に示すように、時計100は、ムーブメント101を備えている。ムーブメント101は、基板を構成する地板102を有している。ムーブメント101の表側(図1における紙面手前側)には、表輪列105を構成する二番車106や三番車107、カム中間車108、香箱車110(請求項の「動力源」に相当。)等が配置されている。
地板102の巻真案内穴102a(図1において不図示、図2参照)には、巻真112が回転可能に組み込まれている。巻真112は、例えば、日付の修正や、時刻表示(時および分の表示)を修正する際に用いられる時計部品である。
巻真112は、巻真案内穴102aによって回転可能に支持されているとともに、巻真112の延在方向に例えば2段階に引き出し操作可能とされている。この際、巻真112は、地板102の表側に配置された、おしどり、かんぬきやかんぬきばね等の図示しない切替装置により、延在方向の位置が決められている。
ムーブメント101の表側の面は、特殊表示領域S(請求項の「特殊表示部」に相当。)となっている。特殊表示領域Sは、例えばガラス等の透過性を有する材料により形成された不図示の裏蓋により覆われている。時計100の使用者は、裏蓋を介して、特殊表示領域Sにおけるムーブメント101の各構成部品の動作を鑑賞することができる。
香箱車110は、内部に時計100の動力源となる不図示のぜんまいを有している。香箱車110のぜんまいは、巻真112を回転させることにより巻き上げられるようになっている。そして、ぜんまいが巻き戻される際の回転力により香箱車110が回転するように構成されている。香箱車110のぜんまいから供給される動力は、時計の時針や分針、秒針等の各指針(いずれも不図示)の運針に加えて、脱進機20および調速機30を有するキャリッジユニット3を備えた後述の特殊表示機構1を駆動させている。本実施形態においては、香箱車110を一対設けることにより、特殊表示機構1を駆動させるための動力が十分に得られるようにしている。一対の香箱車110は、香箱中間車111を介して直列に接続されている。なお、一個の香箱車110により動力が十分に得られる場合には、香箱車110は一個であってもよい。
図3から図5は、時計100のムーブメント101の側面断面図であって、図3は、主にカム部40を含む側面断面図であり、図4は、主に遊星機構ユニット8を含む側面断面図であり、図5は、主にキャリッジユニット3を含む側面断面図である。なお、図3および図4においては、分かり易くするために、三番車107の一部を二点鎖線で図示している。
図3から図5に示すように、一方の香箱車110は、二番車106と噛合している。香箱車110が回転すると、二番車106が回転するように構成されている。二番車106は、三番車107と噛合している。二番車106が回転すると、三番車107が回転するように構成されている。
三番車107は、カム中間車108および後述のレバーユニット5を回転させるレバーユニット筒車65と噛合している。
カム中間車108は、後述のカム部40を回転させるカム車45と噛合している。カム車45には、二番車106、三番車107およびカム中間車108を介して香箱車110からの動力が伝達される。これにより、カム車45は、例えば4分間に3回転の回転速度で特殊表示領域Sの中心である第一軸C1を回転中心として反時計回り方向に回転する。
また、レバーユニット筒車65は、後述のレバーユニット5が連結されている。レバーユニット筒車65には、二番車106および三番車107を介して香箱車110からの動力が伝達される。これにより、レバーユニット筒車65は、例えば4分間に1回転の回転速度で第一軸C1を回転中心として時計回り方向に回転する。
表輪列105を構成する二番車106や三番車107、カム中間車108、香箱車110、香箱中間車111等は、裏物押え103よりもムーブメント101の裏側(図3における下側)において、裏物押え103や地板102、一番受104a、二番受104b等によって回転可能に支持されている。
図2に示すように、裏物押え103は、環状部103aと、意匠部103bとを備えている。意匠部103bは、環状部103aの内側に設けられている。意匠部103bは、平面視で後述する特殊表示機構1のキャリッジユニット3が移動する移動軌跡をなぞるように形成されている。本実施形態では、平面視で花弁状に形成されている。
図3に示すように、裏物押え103には、固定歯車115が設けられている。固定歯車115は、第一軸C1と同軸に設けられている。固定歯車115は、レバーユニット筒車65よりも径方向の外側において、後述の第一伝達車67と噛合している。
(特殊表示機構)
続いて、特殊表示機構1について詳細に説明する。
図3から図5に示すように、本実施形態の特殊表示機構1は、キャリッジユニット3と、作動ユニット4と、を備えている。なお、以下の説明では、第一軸C1に沿う方向を軸方向といい、第一軸C1と直交する方向を径方向といい、第一軸C1周りに周回する方向を周方向という。
(キャリッジユニット)
図5に示すように、キャリッジユニット3は、キャリッジ枠体10と、脱進機20と、調速機30と、キャリッジユニット軸18と、を含む。
キャリッジ枠体10は、ムーブメント101の表側から裏側(図5の上側から下側)に向かって、第一キャリッジ枠11〜第四キャリッジ枠14の順に配置されることにより形成されている。第一キャリッジ枠11〜第四キャリッジ枠14は、各々カラー15a,15bにより所定の間隔を空けた状態で積層されて、ボルト16により締結固定されている。
脱進機20は、主にがんぎ車21と、振り座31と、アンクル26と、を備えた、いわゆるクラブツース式の脱進機20である。
がんぎ車21は、軸部22と、軸部22に外嵌固定されているがんぎ歯車部23と、がんぎかな24と、を備えている。
軸部22の両端には、ほぞが形成されている。がんぎ車21の軸部22は、第二キャリッジ枠12と第四キャリッジ枠14とにより軸受を介して回転可能に支持されている。
がんぎ歯車部23には、外周面に複数の歯部が設けられている。
がんぎかな24は、後述のキャリッジレバーユニット7に設けられたがんぎ車用固定歯車78と噛合している。
振り座31は、調速機30の構成部品であるとともに、脱進機20の構成部品となっている。振り座31は、キャリッジユニット3の中心であって、後述するてんぷの回転中心であるてん真35の中心軸Q(以下、「キャリッジ中心軸Q」という。)と同軸に配置される。本実施形態の振り座31は、てん真35と一体形成されている。また、本実施形態の振り石32は、てん輪36に設けられている。そして、振り石32は、振り座31が回動することにより、後述するアンクル26に対して接触可能とされる。
なお、振り石32は、通常の機械式時計のように、振り座31に設けるようにしてもよい。
アンクル26は、アンクル真27と、入りつめ石および出つめ石(いずれも不図示)と、を備えている。
アンクル真27の両端には、ほぞが形成されている。アンクル真27は、第二キャリッジ枠12と第三キャリッジ枠13とにより軸受を介して回動可能に支持されている。
アンクル26の振り座31側には、アンクルハコ28が設けられている。アンクルハコ28は、振り座31が回動することにより、振り石32が係脱する。これにより、アンクル26は、アンクル真27周りに所定周期で回動可能となっている。
入りつめ石および出つめ石は、例えばルビーにより形成されている。入りつめ石および出つめ石は、アンクル26が回動することにより、がんぎ歯車部23の歯部に対して係脱可能となっている。
調速機30は、脱進機20を調速する機構であって、軸部材であるてん真35と、てん真35に外嵌固定されるてん輪36と、上述の振り座31と、不図示のひげぜんまいとを有するてんぷ38により構成されている。
てん真35の両端は、それぞれ軸方向および径方向の振動を吸収可能な耐振軸受39を介して、第一キャリッジ枠11および第三キャリッジ枠13によって回転可能に支持されている。
てんぷ38のひげぜんまいには、がんぎ車21が回転して入りつめ石および出つめ石の衝突面と接触することにより、がんぎ車21の回転力がばね力(動力)として蓄積される。てんぷ38は、ひげぜんまいに蓄えられた動力により、キャリッジ中心軸Q周りに所定周期で自由振動して回動する。
キャリッジユニット軸18は、円柱状に形成されている。キャリッジユニット軸18のムーブメント101の表側の端部は、第三キャリッジ枠13に対して固定されている。
また、キャリッジユニット軸18の本体部分は、軸受を介して後述のキャリッジレバーユニット7に対して、キャリッジ中心軸Q周りに回転可能に支持されている。
キャリッジユニット軸18のムーブメント101の裏側の端部には、キャリッジかな19が設けられている。キャリッジかな19は、キャリッジレバーユニット7に設けられた第二伝達車79(請求項の「伝達車」に相当。)と噛合している。
上述のように構成されたキャリッジユニット3は、次のように動作する。
香箱車110からの動力は、キャリッジレバーユニット7の第二伝達車79からキャリッジユニット軸18に伝達される。これにより、キャリッジユニット3は、てんぷ38の回転中心であるキャリッジ中心軸Q周りに回転する。このように、キャリッジユニット3は、キャリッジ中心軸Q周りに回転することにより、調速機30のてんぷ38を回転させている。すなわち、キャリッジユニット3は、重力の方向による影響を平準化することによって重力の方向によりてんぷ38の振動周期が変化するのを抑制する、いわゆるトゥールビヨン機構となっている。
また、がんぎ車21は、キャリッジユニット3の回転にともない、キャリッジ中心軸Q周りを公転するとともに自転する。
また、アンクル26の入りつめ石および出つめ石は、てんぷ38の自由振動にともなってアンクル26がアンクル真27周りに回動すると、交互にがんぎ車21のがんぎ歯車部23に対して係脱する。がんぎ車21は、がんぎ歯車部23と入りつめ石または出つめ石とが係合しているとき、一時的に回転が停止する。また、がんぎ車21は、がんぎ歯車部23から入りつめ石および出つめ石が離脱しているとき、回転する。これらの動作が連続的に繰り返されることにより、時計100が時を刻むようになっている。
(作動ユニット)
作動ユニット4は、時間の経過に応じて、キャリッジユニット3の移動速度を異ならせかつ、キャリッジユニット3を、特殊表示領域Sの中心である第一軸C1に対して、接近または離間する方向へ移動させるための機構であって、カム部40と、レバーユニット5と、を備えている。
図1に示すように、カム部40は、第一軸C1からの離間距離が最も小さい最内部41と、第一軸C1からの離間距離が最も大きい最外部42と、を備えたいわゆるハートカムであって、軸方向から見た外形がハート形状となっている。また、カム部40におけるムーブメント101の表側の主面には、カム部40の縁部に沿うように全周にわたってカム溝部43が形成されている。
カム部40は、カム中間車108と噛合して第一軸C1を中心に回転するカム車45と連結されている。カム部40は、カム車45とともに、例えば4分間に3回転の回転速度で、第一軸C1を回転中心として反時計回り方向に回転する。
図4に示すように、レバーユニット5は、作動レバー50と、レバー受ユニット6と、キャリッジレバーユニット7と、を備えている。レバー受ユニット6は、作動レバー50とキャリッジレバーユニット7とを支持するとともに、第一軸C1を中心に回転する。
作動レバー50は、平面視で全体として湾曲形成された弧状をしており、作動レバー50の回転中心となるレバー軸51と、アーム部53と、レバー歯車58と、を備えている。
レバー軸51は、後述のレバー受ユニット6により軸受を介して回転可能に支持されている。
アーム部53は、レバー軸51に固定されており、レバー軸51からカム部40に向かって、湾曲しながら延出するように形成されている。アーム部53の先端部(作動レバー50の一端部)には、カム部40に接する従節部54が形成されている。本実施形態の従節部54は、カム溝部43に沿って移動可能なローラ54aにより形成されている。従節部54は、ローラ54aがカム溝部43の側壁と接して回転することにより、カム溝部43内を滑らかに移動する。
レバー歯車58は、レバー軸51を挟んでカム部40とは反対側に位置しており、レバー軸51を中心とする扇形状に形成されている。レバー歯車58の弧状部(すなわち、作動レバー50の一端部)には、複数の歯部が形成されている。
レバー受ユニット6は、第一レバーユニット受61、レバーユニット地板63および第二レバーユニット受62を備えている。
第一レバーユニット受61、レバーユニット地板63および第二レバーユニット受62は、ムーブメント101の裏側から表側(図4の下側から上側)に向かって、この順に配置されている。第一レバーユニット受61、レバーユニット地板63および第二レバーユニット受62は、各々カラー64により所定の間隔を空けた状態で積層されて、ボルト69により締結固定されている。
レバーユニット地板63は、径方向に沿って延びている。レバーユニット地板63の一端部は、三番車107と噛合して第一軸C1を中心に回転するレバーユニット筒車65と連結されている。これにより、レバーユニット5は、レバーユニット筒車65とともに、例えば4分間に1回転の回転速度で、第一軸C1を回転中心として時計回り方向に回転する。
レバーユニット地板63には、作動レバー50よりも径方向の外側に位置する第二軸C2を中心とする開口部63aが形成されている。開口部63aには、後述の遊星機構ユニット8を構成する第一太陽車81が挿通されている。
また、レバーユニット地板63は、レバーユニット歯車68を有している。レバーユニット歯車68は、第二軸C2を中心とするリング状に形成されており、第一太陽車81が挿通されている。レバーユニット歯車68は、例えばブッシュ68aを介してレバーユニット地板63の開口部63aの縁部に固定されている。レバーユニット歯車68は、後述の第二遊星車97と噛合している。
第一レバーユニット受61は、軸方向から見て第二軸C2を中心軸とするリング状に形成されている。第一レバーユニット受61とレバーユニット地板63との間には、第一伝達車67が回転可能に支持されている。
第一伝達車67は、裏物押え103に固定された固定歯車115および第一太陽車81と噛合している。第一伝達車67は、レバーユニット5が第一軸C1を回転中心として回転したとき、第一軸C1周りを公転するとともに自転し、動力を第一太陽車81に伝達している。また、第一レバーユニット受61は、第一太陽車81におけるムーブメント101の裏側(図4における下側)の端部を、軸受を介して回転可能に支持している。
第二レバーユニット受62は、軸方向から見て第二軸C2を中心軸とする扇形状に形成されている。第二レバーユニット受62とレバーユニット地板63との間には、作動レバー50のレバー軸51が軸受を介して回転可能に支持されている。
また、第二レバーユニット受62は、後述のキャリッジレバーユニット7に設けられたキャリッジレバーかな77におけるムーブメント101の表側(図4における上側)の端部を、軸受を介して回転可能に支持している。
キャリッジレバーユニット7は、軸方向において第二レバーユニット受62とレバーユニット地板63との間に位置しており、キャリッジレバー枠体70と、遊星機構ユニット8と、を備えている。
キャリッジレバー枠体70は、ムーブメント101の表側から裏側(図4の上側から下側)に向かって、第一キャリッジレバー受71、キャリッジレバー地板73、第二キャリッジレバー受72の順に配置されることにより構成されている。第一キャリッジレバー受71、キャリッジレバー地板73および第二キャリッジレバー受72は、各々カラー75により所定の間隔を空けた状態で積層されて、ボルト76により締結固定されている。
第一キャリッジレバー受71は、例えば3つのリング状部材が直線状に連なることにより形成されている。
第一キャリッジレバー受71は、先端部(請求項の「キャリッジレバーユニットの一端部」に相当。)にキャリッジ中心軸Qを中心とする開口部71aが形成されている。開口部71aには、キャリッジユニット軸18が軸受等を介して回転可能に支持されている。
また、第一キャリッジレバー受71は、がんぎ車用固定歯車78を有している。がんぎ車用固定歯車78は、キャリッジ中心軸Qを中心とするリング状に形成されており、キャリッジユニット軸18が挿通されている。がんぎ車用固定歯車78は、がんぎ車21のがんぎかな24と噛合している。
第一キャリッジレバー受71の基端部(請求項の「キャリッジレバーユニットの他端部」に相当。)には、キャリッジレバーかな77が設けられている。キャリッジレバーかな77は、ムーブメント101の裏側の端部が第一キャリッジレバー受71に対して固定されるとともに、ムーブメント101の表側の端部がレバー受ユニット6の第二レバーユニット受62に対して、軸受を介して第二軸C2周りに回転可能に支持されている。
キャリッジレバーかな77は、作動レバー50のレバー歯車58と噛合している。これにより、キャリッジレバーかな77およびキャリッジレバーかな77が固定されたキャリッジレバーユニット7は、作動レバー50の揺動に対応して第二軸C2を回転中心として回転しつつ、揺動しながら第一軸C1周りを回転する。すなわち、キャリッジレバーかな77と作動レバー50のレバー歯車58とは、動力伝達部2を構成しており、作動レバー50の他端部とキャリッジレバーユニット7の他端部とは、動力伝達部2を介して連結されている。
第二キャリッジレバー受72は、軸方向から見て第二軸C2を中心軸とするリング状に形成されている。第二キャリッジレバー受72は、例えば外形が第一レバーユニット受61よりも小さくなっている。
第二キャリッジレバー受72は、レバー受ユニット6のレバーユニット地板63に対して、軸受を介して第二軸C2周りに回転可能に支持されている。
キャリッジレバー地板73は、外形が第一キャリッジレバー受71と略同一となるように形成されている。
キャリッジレバー地板73の先端部(請求項の「キャリッジレバーユニットの一端部」に相当。)には、キャリッジユニット軸18が軸受を介して回転可能に支持されている。
また、キャリッジレバー地板73の基端部には、後述の遊星機構ユニット8を構成する第二太陽車82が回転可能に支持されている。
第一キャリッジレバー受71とキャリッジレバー地板73との間であって、第二軸C2とキャリッジ中心軸Qとの間には、第二伝達車79が回転可能に支持されている。第二伝達車79は、第二太陽車82の第二太陽車歯部82aおよびキャリッジかな19と噛合している。第二伝達車79は、キャリッジレバーユニット7が第二軸C2を回転中心として回転しつつ揺動しながら第一軸C1周りを回転したときに、キャリッジレバーユニット7の揺動に対応して第二軸C2周りに公転するとともに自転する。
第二伝達車79は、香箱車110の動力をキャリッジユニット3に伝達している。これにより、キャリッジユニット3は、香箱車110の動力が伝達されて、てんぷ38の回転中心であるキャリッジ中心軸Q周りに回転する。また、がんぎ車21は、キャリッジユニット3の回転にともない、香箱車110の動力が伝達されて、キャリッジ中心軸Q周りを公転するとともに自転する。
(遊星機構ユニット)
遊星機構ユニット8は、キャリッジレバー枠体70の内側に配置されており、動力源である香箱車110からの動力の一部をキャリッジユニット3に伝達して、キャリッジユニット3およびキャリッジユニット3に搭載された脱進機20のがんぎ車21を回転させる。
遊星機構ユニット8は、第一太陽車81と、第二太陽車82と、第一遊星機構91と、第二遊星機構96と、を備えている。以下に、遊星機構ユニット8の各構成部品の詳細について説明する。
第一太陽車81は、第二軸C2と同軸に設けられており、ムーブメント101の裏側の端部がレバー受ユニット6の第一レバーユニット受61に対して回転可能に支持されている。
第一太陽車81は、ムーブメント101の裏側の端部に第一太陽車歯部81aを有しており、ムーブメント101の表側の端部に第一太陽車かな81bを有している。
第一太陽車歯部81aは、第一レバーユニット受61とレバーユニット地板63との間に位置しており、第一伝達車67と噛合している。第一太陽車かな81bは、第一遊星機構91を構成する第一遊星車93と噛合している。
第二太陽車82は、第一太陽車81と同軸(すなわち第二軸C2と同軸)に配置されている。第二太陽車82は、軸方向における中間よりもムーブメント101の表側の部分がキャリッジレバーユニット7の第一キャリッジレバー受71およびキャリッジレバー地板73に対して回転可能に支持されている。第二太陽車82は、第一太陽車81と分割されており、第一太陽車81と異なる速度で回転可能となっている。
第二太陽車82は、ムーブメント101の表側の端部に第二太陽車歯部82aを有しており、ムーブメント101の裏側の端部に第二太陽車かな82bを有している。
第二太陽車歯部82aは、第二伝達車79と噛合している。第二太陽車かな82bは、第一遊星機構91を構成する第一遊星車93と噛合している。
第一遊星機構91は、キャリア92と、第一遊星車93と、第一遊星機構歯車94と、を備えている。
キャリア92は、一対のキャリア板(裏側キャリア板92aおよび表側キャリア板92b)を備えている。キャリア92は、裏側キャリア板92aと表側キャリア板92bとがカラー88により所定の間隔を空けた状態で積層されて、例えばボルト89等により固定されることにより形成されている。
裏側キャリア板92aは、ブッシュ95や軸受等を介して、第一太陽車81およびレバーユニット地板63に対して回転可能に支持されている。表側キャリア板92bは、ブッシュや軸受等を介して、キャリッジレバー地板73に対して回転可能に支持されている。これにより、キャリア92は、第二軸C2を回転中心として回転可能となっている。
第一遊星車93は、第二軸C2よりも径方向の外側において、軸受を介してキャリア92に対して回転可能に支持されている。
第一遊星車93は、ムーブメント101の表側の端部に第一遊星車歯部93aを有しており、第一遊星車歯部93aよりもムーブメント101の裏側に第一遊星車かな93bを有している。
第一遊星車歯部93aは、第二太陽車82の第二太陽車かな82bと噛合している。第一遊星車かな93bは、第一太陽車81の第一太陽車かな81bと噛合している。
ここで、キャリア92は、第二軸C2を回転中心として回転可能となっている。したがって、第一遊星車93は、キャリア92が回転することにより、自転するとともに第二軸C2周りに公転する。
第一遊星機構歯車94は、ブッシュ95を介してキャリア92の裏側キャリア板92aに固定されている。
第一遊星機構歯車94は、後述の第二遊星機構96を構成する第二遊星車97と噛合している。
第二遊星機構96は、第二遊星車97を有している。
第二遊星車97は、第二軸C2よりも径方向の外側において、第二キャリッジレバー受72に対して挿通されるとともに軸受を介して回転可能に支持されている。
第二遊星車97は、ムーブメント101の表側の端部に第二遊星車歯部97aを有しており、第二キャリッジレバー受よりもムーブメント101の裏側に第二遊星車かな97bを有している。
第二遊星車歯部97aは、第一遊星機構91の第一遊星機構歯車94と噛合している。第二遊星車かな97bは、レバー受ユニット6のレバーユニット歯車68と噛合している。
ここで、キャリッジレバー枠体70を構成する第二キャリッジレバー受72は、第二軸C2を回転中心として回転可能となっている。したがって、第二キャリッジレバー受72(すなわちキャリッジレバー枠体70)は、第二遊星機構96のキャリアとして機能する。また、第二遊星車97は、キャリッジレバー枠体70(キャリッジレバーユニット7)が作動レバー50の揺動に対応して第二軸C2を回転中心として回転したとき、自転するとともにキャリッジレバーユニット7の回転方向と同一方向に、第二軸C2周りに公転する。なお、このとき、第二遊星車97と噛合する第一遊星機構91のキャリア92は、第二遊星車97の公転方向とは反対方向に、第二軸C2を回転中心として回転する。また、第一遊星機構91のキャリア92に搭載された第一遊星車93は、自転するとともに第二遊星車97の公転方向とは反対方向に、第二軸C2周りに公転する。
(作用)
図6は、香箱車110から供給される動力の伝達経路の説明図である。
続いて、上述のように構成された特殊表示機構1における動力の伝達経路について、図6に基づいて説明する。また、特殊表示機構1の各構成部品や各軸の符号については、図3から図5を合わせて参照されたい。
図6に示すように、香箱車110から供給された動力は、二番車106を介して三番車107に伝達された後に分割される。すなわち、香箱車110から三番車107に伝達された動力のうち、一部の動力(以下、「第一動力P1」という。)は、三番車107と噛合するカム中間車108を介してカム車45に伝達される。また、香箱車110から三番車107に伝達された動力のうち、他の一部の動力(以下、「第二動力P2」という。)は、三番車107と噛合するレバーユニット筒車65に伝達される。
第一動力P1がカム車45に伝達されると、カム車45およびカム部40は、4分間に3回転の回転速度で第一軸C1を回転中心として反時計回り方向に回転する。
また、第二動力P2がレバーユニット筒車65に伝達されると、レバーユニット筒車65およびレバーユニット5は、4分間に1回転の回転速度で第一軸C1を回転中心として時計回り方向に回転する。
このとき、レバーユニット5における作動レバー50の従節部54は、第一動力P1により回転するカム部40のカム溝部43に摺接しながら、カム溝部43に沿って第一軸C1を回転中心とする時計回り方向に回転する。
ここで、カム部40は、最内部41と最外部42とを備えている。したがって、作動レバー50の従節部54は、最内部41から最外部42へ向かって移動するとき第一軸C1から離間する方向に移動し、最外部42から最内部41へ向かって移動するとき第一軸C1に接近する方向に移動する。これにより、作動レバー50は、揺動しながら第一軸C1周りを回転する。
また、作動レバー50と動力伝達部2を介して連結されたキャリッジレバーユニット7は、第二軸C2を中心として揺動しながら第一軸C1周りを回転する。これにより、キャリッジレバーユニット7の先端部(一端部)に搭載されたキャリッジユニット3は、時間の経過に応じて、移動速度を異ならせ、かつ特殊表示領域Sの中心である第一軸C1に対して、接近または離間する方向へ移動することができる。なお、キャリッジユニット3の移動軌跡の詳細については後述する。このように、第一動力P1は、主にキャリッジレバーユニット7の揺動およびキャリッジユニット3の移動に使用される。なお、第一動力P1の一部は、キャリッジレバーユニット7の揺動にともない、遊星機構ユニット8の第二遊星機構96に伝達される。これにより、第二遊星車97は、自転するとともにキャリッジレバーユニット7の回転方向と同一方向に第二軸C2周りに公転する。
また、レバーユニット5のレバー受ユニット6に設けられた第一伝達車67は、固定歯車115と噛合している。したがって、第一伝達車67は、レバーユニット5の回転にともない、自転しつつ、第一軸C1周りに公転する。これにより、第二動力P2は、第一伝達車67と噛合する第一太陽車81を有する遊星機構ユニット8と、遊星機構ユニット8の第二太陽車82と噛合する第二伝達車79とを介して、キャリッジユニット3のキャリッジユニット軸18に伝達される。これにより、キャリッジユニット3は、てんぷ38の回転中心であるキャリッジ中心軸Q周りに回転する。また、がんぎ車21は、キャリッジユニット3の回転にともない、キャリッジ中心軸Q周りを公転するとともに自転する。このように、第二動力P2は、主にレバーユニット5の回転およびキャリッジユニット3およびがんぎ車21の回転に使用される。
ところで、第二伝達車79は、第一動力P1によるキャリッジレバーユニット7の揺動に対応して、第二軸C2周りに公転するとともに自転する。ここで、仮に作動ユニット4が遊星機構ユニット8を備えていない場合には、キャリッジレバーユニット7の揺動に対応する第二伝達車79の回転が第二伝達車79に伝達されることになる。すなわち、キャリッジユニット3には、一定速度で第二伝達車79を回転させる第二動力P2と、第二伝達車79の回転速度を変動させる第一動力P1とが入力されるため、キャリッジユニット3およびがんぎ車21の回転速度に変動が生じ、時計100の計時精度が悪化するおそれがあった。
これに対して、本実施形態の特殊表示機構1は、遊星機構ユニット8を備えており、キャリッジレバーユニット7の揺動による第二伝達車79の回転速度の変動を打ち消すように、第一太陽車81、第二太陽車82、レバーユニット歯車68、第一遊星機構歯車94、第一遊星車93および第二遊星車97の各歯車の歯数が設定されている。具体的には、以下の説明のとおりである。
図7は、遊星機構ユニット8の概略構成図である。
図7に示すように、第一太陽車81の第一太陽車かな81bの歯数をZaとし、第一遊星車93の第一遊星車かな93bの歯数をZbとし、第一遊星車93の第一遊星車歯部93aの歯数をZcとし、第二太陽車82の第二太陽車かな82bの歯数をZdとし、レバーユニット歯車68の歯数をZeとし、第二遊星車97の第二遊星車かな97bの歯数をZfとし、第二遊星車97の第二遊星車歯部97aの歯数をZgとし、第一遊星機構歯車94の歯数をZhとしたとき、各歯数Za〜Zhは、第二キャリッジレバー受72(キャリッジレバーユニット7)の揺動による第二伝達車79の回転速度の変動を打ち消すように設定される。
本実施形態においては、例えば第一太陽車81の第一太陽車かな81bの歯数Za=15、第一遊星車93の第一遊星車かな93bの歯数Zb=15、第一遊星車93の第一遊星車歯部93aの歯数Zc=30、第二太陽車82の第二太陽車かな82bの歯数Zd=10、レバーユニット歯車68の歯数Ze=45、第二遊星車97の第二遊星車かな97bの歯数Zf=15、第二遊星車97の第二遊星車歯部97aの歯数Zg=15、第一遊星機構歯車94の歯数Zh=30に設定されるときに、第一太陽車81を固定した状態で第二キャリッジレバー受72と同一の回転方向および回転速度で第二太陽車82を回転させることができる。これにより、遊星機構ユニット8は、第二太陽車82よりも動力の伝達方向の下流側の歯車(本実施形態では第二伝達車79)に発生する、第一動力P1によるキャリッジレバーユニット7の揺動に起因した回転速度の変動の影響をキャンセルした状態で、キャリッジユニット3に第二動力P2を伝達することができる。
続いて、本実施形態の特殊表示機構1の動作について説明する。
図8から図10は、特殊表示機構1の動作説明図である。なお、図8から図10においては、ムーブメント101のうち、特殊表示機構1以外の部品については、細線で図示している。また、特殊表示機構1のキャリッジユニット3のキャリッジ中心軸Qの移動軌跡Kを二点鎖線で図示している。また、以下の説明では、軸方向から見て、第一軸C1を通るとともに巻真112と直交する軸をX軸とし、図8から図10の各図における右側を+X側とし、左側を−X側とする。また、第一軸C1を通るとともにX方向と直交する軸をY軸とし、図8から図10の各図における上側を+Y側とし、下側を−Y側とする。以下、必要に応じてX−Y直交座標系を用いて説明する。また、特殊表示機構1の各構成部品や各軸の符号については、図3から図5を合わせて参照されたい。
以下では、図8に示すように、カム部40の最内部41が(+X,−Y)領域に位置するとともに、作動レバー50の従節部54がカム部40の最内部41に位置しており、キャリッジユニット3のキャリッジ中心軸Qと、特殊表示領域Sの中心である第一軸C1とが一致している状態(以下、「特殊表示機構1の初期状態」という。)から、キャリッジユニット3が第一軸C1から離間する方向へ移動した後、キャリッジユニット3が第一軸C1に対して接近する方向へ移動して再度キャリッジユニット3のキャリッジ中心軸Qと第一軸C1とが一致するまでの動作について説明する。なお、前述のとおり、キャリッジユニット3は、香箱車110から動力が伝達されて、常にキャリッジ中心軸Qを中心として回転する、いわゆるトゥールビヨン機構となっている。
図8に示すように、特殊表示機構1の初期状態において、カム部40の最内部41が(+X,−Y)領域に位置し、最外部42が(−X,+Y)領域に位置している。また、作動レバー50の従節部54は、カム部40の最内部41に位置している。このとき、キャリッジレバーユニット7の先端部に設けられたキャリッジユニット3は、軸方向から見て、キャリッジ中心軸Qと第一軸C1とが一致するように配置される。
次いで、時間の経過にともなって、カム部40が第一軸C1を中心として反時計回り方向に回転するとともに、作動レバー50が第一軸C1周りに時計回り方向に回転する。このとき、カム部40は、4分間に3回転の回転速度で回転する。また、作動レバー50は、第一軸C1周りに4分間に1回転の回転速度で回転する。作動レバー50の従節部54は、カム溝部43に摺接しながら、カム溝部43に沿って第一軸C1を回転中心とする時計回り方向に移動する。
また、作動レバー50の従節部54は、カム部40の最内部41から最外部42に向かってカム溝部43内を移動する。したがって、作動レバー50の従節部54は、第一軸C1から離間する方向に移動しながら、第一軸C1周りを回転移動する。これにより、作動レバー50は、従節部54の移動により、レバー軸51を中心に時計回り方向に回転(揺動)しながら第一軸C1の周りを移動する。
また、作動レバー50の揺動による動力は、レバー歯車58およびキャリッジレバーかな77により形成された動力伝達部2を介して、キャリッジレバーユニット7に伝達される。これにより、キャリッジレバーユニット7は、第二軸C2を中心に反時計回り方向に回転しながら、第一軸C1の周りを時計回り方向に回転する。したがって、キャリッジユニット3は、第一軸C1の周りを時計回り方向に回転しつつ、第一軸C1に対して離間する方向に移動する。
そして、図9に示すように、動作の開始から30秒が経過したとき、カム部40は、初期位置から135°回転し、カム部40の最内部41が(+X,+Y)領域に位置し、最外部42が(−X,−Y)領域に位置する。また、作動レバー50の従節部54は、カム部40の最外部42に位置する。
このとき、作動レバー50は、レバー軸51を中心に初期位置よりも時計回り方向に、最大角度で回転移動した状態となっている。また、キャリッジレバーユニット7の先端部に搭載されたキャリッジユニット3は、作動レバー50の回転移動にともなって、第一軸C1から離間する方向に移動されて最も径方向の外側に配置される。
次いで、時間の経過にともなって、カム部40が第一軸C1を中心として反時計回り方向に回転するとともに、作動レバー50が第一軸C1周りに時計回り方向に回転する。
また、作動レバー50の従節部54は、カム部40の最外部42から最内部41に向かってカム溝部43内を移動する。したがって、作動レバー50の従節部54は、第一軸C1に対して接近する方向に移動しながら、第一軸C1周りを回転移動する。これにより、作動レバー50は、従節部54の移動により、レバー軸51を中心に反時計回り方向に回転(揺動)しながら第一軸C1の周りを移動する。
また、作動レバー50の揺動による動力は、レバー歯車58およびキャリッジレバーかな77により形成された動力伝達部2を介して、キャリッジレバーユニット7に伝達される。これにより、キャリッジレバーユニット7は、第二軸C2を中心に時計回り方向に回転しながら、第一軸C1の周りを時計回り方向に回転する。したがって、キャリッジユニット3は、第一軸C1の周りを時計回り方向に回転しつつ、第一軸C1に対して接近する方向に移動する。
そして、図10に示すように、動作の開始から60秒が経過したとき、カム部40は、初期位置から270°回転し、カム部40の最内部41が(−X,−Y)領域に位置し、最外部42が(+X,+Y)領域に位置する。また、作動レバー50の従節部54は、カム部40の最内部41に位置する。
このとき、作動レバー50は、レバー軸51を中心に初期位置よりも反時計回り方向に、最大角度で回転移動した状態となっている。また、キャリッジレバーユニット7の先端部に搭載されたキャリッジユニット3は、作動レバー50の回転移動にともなって、第一軸C1に対して接近する方向に移動されて、最も径方向の内側であってキャリッジ中心軸Qと第一軸C1とが一致するように配置される。
以降、上記動作が繰り返されることにより、特殊表示機構1は、キャリッジユニット3が第一軸C1周りに時計回り方向に回転しつつ、第一軸C1に対して接近または離間する方向へ移動を繰り返しながら、花弁状の移動軌跡Kを描くことができる。
(効果)
本実施形態によれば、時間の経過に応じて、キャリッジユニット3の移動速度を異ならせかつ、キャリッジユニット3を、特殊表示領域Sの中心に対して、接近または離間する方向へ移動させる作動ユニット4を備えているので、キャリッジユニット3の複雑な移動軌跡Kを描くことができる。また、作動ユニット4は、キャリッジユニット3が特殊表示領域Sの中心である第一軸C1に対して接近する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、キャリッジユニット3が特殊表示領域Sの中心である第一軸C1から離間する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、が連続するようにキャリッジユニット3を移動させるので、屈曲したキャリッジユニット3の移動軌跡Kを描くことができる。これにより、キャリッジユニット3のさらに複雑な移動軌跡Kを描くことができるので、特殊表示機構1の意匠性を向上できる。
また、レバーユニット5は、一端部にカム部40に接する従節部54が形成され、レバーユニット5の回転にともなって揺動しながら第一軸C1周りを回転する作動レバー50と、一端部にキャリッジユニット3が搭載され、作動レバー50の揺動にともなって揺動しながら第一軸C1周りを回転するキャリッジレバーユニット7と、を備えているので、カム部40の形状を変更することにより、作動レバー50の回転量やキャリッジユニットの移動軌跡Kを任意に設定することができる。また、キャリッジレバーユニット7は、第二軸C2周りに回転可能に支持されるとともに、作動レバー50のレバー歯車58とキャリッジレバーユニット7のキャリッジレバーかな77とが動力伝達部2を介して連結されているので、設定された作動レバー50の揺動量および回転速度に対応して、キャリッジレバーユニット7が揺動しながら、第一軸C1周りを周方向に回転することができる。このように、カム部40の形状および従節部54のカム部40に対する移動速度により、キャリッジレバーユニット7に設けられたキャリッジユニット3の移動軌跡Kを所望に設定できるので、キャリッジユニット3の複雑な移動軌跡Kを描くことができ、特殊表示機構1の意匠性を格段に向上できる。
また、動力伝達部2は、キャリッジレバーかな77とレバー歯車58と、により形成されているので、互いに噛合するキャリッジレバーかな77の歯数とレバー歯車58の歯数との比を変更することにより、さらにキャリッジユニット3の複雑な移動軌跡Kを描くことができ、特殊表示機構1の意匠性を向上できる。
とりわけ、レバー歯車58の歯数比をキャリッジレバーかな77の歯数比よりも大きくすることで、キャリッジレバーユニット7の揺動量を大きくしてキャリッジユニット3の揺動量を大きくすることができ、レバー歯車58の歯数比をキャリッジレバーかな77の歯数比よりも小さくすることで、キャリッジレバーユニット7の揺動量を小さくしてキャリッジユニット3の揺動量を小さくすることができる。このように、カム部40の形状および従節部54のカム部40に対する移動速度に加えて、キャリッジレバーかな77の歯数とレバー歯車58の歯数との比を変更することにより、キャリッジユニット3の移動軌跡Kを所望に設定できる。したがって、簡単な構造でキャリッジユニット3の複雑な移動軌跡Kを描くことができ、特殊表示機構1の意匠性を向上できる。
また、キャリッジレバーユニット7の揺動による第二伝達車79の回転速度の変動を打ち消すように、第一太陽車81、第二太陽車82、レバーユニット歯車68、第一遊星機構歯車94、第一遊星車93および第二遊星車97の各歯車の歯数Za〜Zhが設定されているので、動力源である香箱車110の動力を分割して、キャリッジユニット3の脱進機20の駆動とキャリッジレバーユニット7の揺動とに使用した場合であっても、キャリッジレバーユニット7の揺動による影響を受けることなく、第二太陽車82からキャリッジユニット3の脱進機20に対して、がんぎ車21の回転速度が一定の速度となるように動力を伝達ができる。したがって、計時精度に影響を与えることなく意匠性を向上できる特殊表示機構1とすることができる。
また、カム部40が反時計回り方向に3回転する間にレバーユニット5が時計回り方向に1回転するので、作動レバー50の従節部54は、レバーユニット5が時計回り方向に1回転する際に、カム部40の最外部42と最内部41とを4回ずつ通過することができる。したがって、キャリッジレバーユニット7に設けられたキャリッジユニット3は、第一軸C1に対して接近または離間する方向に4往復移動しながら回転することができるので、第一軸C1を中心とする花弁状の複雑な移動軌跡Kを描くことができる。したがって、意匠性を格段に向上できる特殊表示機構1とすることができる。
また、キャリッジユニット3を作動ユニット4に対してキャリッジ中心軸Q周りに回転させることにより、調速機30のてんぷ38を回転させることができるので、重力の方向による影響を平準化できる。すなわち、特殊表示機構1は、重力の方向によりてんぷ38の振動周期が変化するのを抑制できる、いわゆるトゥールビヨン機構を備えているので、計時精度および意匠性を格段に向上できる。
また、本実施形態のムーブメント101および時計100によれば、上述した特殊表示機構1を備えることにより、キャリッジユニット3の複雑な移動軌跡Kを描くことができるので、意匠性に優れたムーブメント101および時計100を得ることができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
実施形態の特殊表示機構1は、カム部40が反時計回り方向に3回転する間にレバーユニット5が時計回り方向に1回転するように構成されていたが、カム部40およびレバーユニット5の回転速度は、実施形態に限定されない。
また、実施形態の特殊表示機構1は、キャリッジユニット3を作動ユニット4に対してキャリッジ中心軸Q周りに回転させることにより、調速機30のてんぷ38を回転させて重力の方向による影響を平準化するとともにてんぷ38の振動周期が変化するのを抑制する、いわゆるトゥールビヨン機構を備えていたが、トゥールビヨン機構を備えていなくてもよい。この場合には、第二伝達車79からがんぎ車21に対して、キャリッジユニット軸18を介することなく動力が伝達される構成とすればよい。
また、実施形態の特殊表示機構1は、カム部40が最内部41と最外部42とを有する、いわゆるハートカムであったが、カム部の形状はハートカムに限定されない。したがって、カム部40は、例えば、周方向の一方側から他方側に向かって、渦巻き状に半径が大きくなるカム面と、半径が最小となる位置と最大となる位置とを結ぶ段差面と、により形成されていてもよい。
また、実施形態の特殊表示機構1において、遊星機構ユニット8における第一太陽車かな81bの歯数Za=15とし、第一遊星車かな93bの歯数Zb=15とし、第一遊星車歯部93aの歯数Zc=30とし、第二太陽車かな82bの歯数Zd=10とし、レバーユニット歯車68の歯数Ze=45とし、第二遊星車かな97bの歯数Zf=15とし、第二遊星車歯部97aの歯数Zg=15とし、第一遊星機構歯車94の歯数Zh=30としていたが、あくまで一例であって、各歯車の歯数Za〜Zhは実施形態に限定されない。すなわち、遊星機構ユニット8は、第二太陽車82よりも動力の伝達方向の下流側の歯車に発生する、第一動力P1によるキャリッジレバーユニット7の揺動に起因した回転速度の変動の影響をキャンセルできるように、各歯車の歯数Za〜Zhが設定されていればよい。
また、実施形態の特殊表示機構1は、カム部40がカム溝部43を備えており、従節部54がカム溝部43内を滑らかに移動するように構成されていた。これに対して、例えば、カム部が、カム面と段差面とを備えており、従節部がカム面に付勢されて摺接しながら移動するように構成されていてもよい。
また、実施形態の特殊表示機構1は、キャリッジレバーかな77と作動レバー50のレバー歯車58とにより動力伝達部2を構成していたが、動力伝達部2の形態は実施形態に限定されない。したがって、例えば、ベルトとプーリーとによりキャリッジレバーユニット7と作動レバー50とを連結することによって、動力伝達部2が形成されていてもよい。
また、実施形態の特殊表示機構1は、レバーユニット5とカム部40とが第一軸C1を中心として互いに反対方向に回転していた。これに対して、レバーユニット5とカム部40とが第一軸C1を中心として、互いに同一方向に、かつ異なる速度で回転する構成としてもよい。
また、実施形態のムーブメント101は、香箱車110を一対設けることにより、特殊表示機構1を駆動させるための動力が十分に得られるようにしていたが、香箱車110の個数は実施形態に限定されない。したがって、一個の香箱車110により特殊表示機構1を駆動させるための動力が十分に得られる場合には、香箱車110は一個であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1・・・特殊表示機構 2・・・動力伝達部 3・・・キャリッジユニット 4・・・作動ユニット 5・・・レバーユニット 6・・・レバー受ユニット 7・・・キャリッジレバーユニット 8・・・遊星機構ユニット 20・・・脱進機 21・・・がんぎ車 30・・・調速機 40・・・カム部 41・・・最内部 42・・・最外部 50・・・作動レバー 54・・・従節部 58・・・レバー歯車 77・・・キャリッジレバーかな 79・・・第二伝達車(伝達車) 81・・・第一太陽車 82・・・第二太陽車 91・・・第一遊星機構 93・・・第一遊星車 94・・・第一遊星機構歯車 96・・・第二遊星機構 97・・・第二遊星車 100・・・時計 101・・・ムーブメント C1・・・第一軸 C2・・・第二軸 K・・・移動軌跡 S・・・特殊表示領域

Claims (8)

  1. 脱進機および調速機を含むキャリッジユニットと、
    時間の経過に応じて、前記キャリッジユニットの移動速度を異ならせかつ、前記キャリッジユニットを、特殊表示部の中心に対して、接近または離間する方向へ移動させる作動ユニットと、
    を備え、
    前記作動ユニットは、前記キャリッジユニットが前記特殊表示部の中心に対して接近する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、前記キャリッジユニットが前記特殊表示部の中心から離間する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、が連続するように前記キャリッジユニットを移動させ
    動力源から供給された動力を、前記脱進機および調速機と前記作動ユニットへ分割して伝達することを特徴とする特殊表示機構。
  2. 脱進機および調速機を含むキャリッジユニットと、
    時間の経過に応じて、前記キャリッジユニットの移動速度を異ならせかつ、前記キャリッジユニットを、特殊表示部の中心に対して、接近または離間する方向へ移動させる作動ユニットと、
    を備え、
    前記作動ユニットは、前記キャリッジユニットが前記特殊表示部の中心に対して接近する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、前記キャリッジユニットが前記特殊表示部の中心から離間する方向へ移動したときに描かれる移動軌跡と、が連続するように前記キャリッジユニットを移動させ、
    前記作動ユニットは、
    動力源から動力の一部が伝達されて第一軸を中心に回転するカム部と、
    前記カム部に対して回転するレバーユニットと、
    を備え、
    前記レバーユニットは、
    一端部に前記カム部に接する従節部が形成され、前記レバーユニットの回転にともなって揺動しながら前記第一軸周りを回転する作動レバーと、
    一端部に前記キャリッジユニットが搭載され、他端部が前記カム部の径方向の外側に位置する第二軸周りに回転可能に支持され、前記作動レバーの揺動にともなって揺動しながら前記第一軸周りを回転するキャリッジレバーユニットと、
    備え、
    前記作動レバーの他端部と前記キャリッジレバーユニットの他端部とは、動力伝達部を介して連結されていることを特徴とする特殊表示機構。
  3. 請求項2に記載の特殊表示機構であって、
    前記動力伝達部は、
    前記キャリッジレバーユニットの他端部に設けられたキャリッジレバーかなと、
    前記作動レバーの他端部に形成されたレバー歯車と、
    により形成されていることを特徴とする特殊表示機構。
  4. 請求項2または3に記載の特殊表示機構であって、
    前記レバーユニットは、
    前記動力源からの前記動力の一部を伝達して前記脱進機のがんぎ車を回転させる遊星機構ユニットと、
    前記作動レバーと前記キャリッジレバーユニットとを支持するとともに、前記第一軸を中心に回転するレバー受ユニットと、
    前記遊星機構ユニットと噛合され、前記がんぎ車を回転させる伝達車と、
    を備え、
    前記遊星機構ユニットは、
    前記動力源からの動力により前記第二軸周りに回転する第一太陽車と、
    前記第一太陽車と同軸に配置されて前記第一太陽車と異なる速度で回転可能な第二太陽車と、
    前記第一太陽車および前記第二太陽車と噛合するとともに、前記第二軸周りに公転する第一遊星車を有する第一遊星機構と、
    前記レバー受ユニットに設けられたレバーユニット歯車および前記第一遊星機構に設けられた第一遊星機構歯車と噛合するとともに、前記キャリッジレバーユニットの揺動に対応して前記第二軸周りに公転する第二遊星車を有する第二遊星機構と、
    を備え、
    前記キャリッジレバーユニットの揺動による前記伝達車の回転速度の変動を打ち消すように、前記第一太陽車、前記第二太陽車、前記レバーユニット歯車、前記第一遊星機構歯車、前記第一遊星車および前記第二遊星車の各歯車の歯数が設定されていることを特徴とする特殊表示機構。
  5. 請求項2から4のいずれか1項に記載の特殊表示機構であって、
    前記カム部は、前記第一軸からの離間距離が最大となる最外部と、前記第一軸からの離間距離が最小となる最内部とを備えたハートカムであり、
    前記カム部と前記レバーユニットとは、互いに反対方向に回転し、
    前記カム部の回転速度は、前記レバーユニットの回転速度の3倍であることを特徴とする特殊表示機構。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の特殊表示機構であって、
    前記キャリッジユニットは、前記作動ユニットに対して回転可能に支持されていることを特徴とする特殊表示機構。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の特殊表示機構を備えたことを特徴とするムーブメント。
  8. 請求項7に記載のムーブメントを備えたことを特徴とする時計。
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