JPH047775Y2

JPH047775Y2 -

Info

Publication number: JPH047775Y2
Application number: JP9070990U
Authority: JP
Priority date: 1990-08-31
Filing date: 1990-08-31
Publication date: 1992-02-28
Also published as: JPH0345713U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、指輪等の装身具であつて、回動す
る宝石を有するものに関する。

（従来技術）近年、装身具に自由に回動する宝石を持たせ、
腕又は指の動きと共に飾り石が回動又は揺動して
動的な美観を発揮し、使用時における美的効果を
さらに高めようとしたものが各種試みられてい
る。

例えば、実開昭56−9207号の指輪は、指輪本体
上に支軸を立て、これに宝石等の飾り石を設けた
装飾部片を回動自在に装着してある。これは、回
動部材が外部に露出しているため、袖口等他の部
に接触して回動が止められる恐れがあるだけでな
く、支軸が本体から突出し、装着時に邪魔になる
可能性のあるものてであつた。

また、実開昭56−64312号のものは、指輪本体
に台座を設け、その中に飾り石を有するアームを
軸にベアリングよつて回動自在に支持している。
この構造によれば、アームが他のものに接触して
回動が止められる恐れは無いが、台座は、アーム
が自由に回動するための空間、その上の回動機構
を隠すための飾り板を収納しなければならなず、
指輪本体から台座が高く突出することとなり、装
着した指輪が邪魔になる恐れのあるものであつ
た。

（この考案が解決しようとする問題点）この考案は、飾り石が自由に回動を許されなが
ら、この回動機構を収納する部分の突出を最小限
とし、装着した場合の違和感の無い回動する宝石
を有する装身具を得ようとするものである。

（問題を解決するための手段）この考案の装身具は、装身具本体の凹部内外周
内面にＶ溝を形成し、一方上記凹部内に配置され
た回動部材の外周面に同じくＶ溝を形成し、両Ｖ
溝間に玉を充填して転がり軸受を形成すると共
に、上記回動部材に宝石等の飾り石を配設したこ
とを特徴とする。

（実施例）以下、この考案を実施例によつて詳細に説明す
る。

第１図、第２図に示す実施例において、１は指
輪本体で、その上に周壁部２及び底部３からなる
凹部４を形成する。底部３の中央には短軸５を突
設し、貴石、半貴石、有色金属等、適宜の装飾材
料によつて構成された基板７を螺合、嵌合等、適
宜の方法６によつて固定する。

９は基板７の外周に近設した転がり軸受付き回
動部材であり、外周にＶ溝９′を周設し、それ自
体転がり軸受の内レースである回動軸とされてい
る。１１は宝石であり、石留めリング１２及び連
結部１３によつて回動輪９に固定され、回動輪９
に揺動、回動運動を発生させる不釣合質量となつ
ている。

周壁２の上部内側に傾斜面２′を周設するとと
もに、上面リング１４の下部の環状突出部１６に
傾斜面１６′を周設する。傾斜面２′及び１６′は、
回動輪９の溝９′に対向する溝を形成し、こ
の間で玉１０が転動する。

この実施例の指輪を組立るには、基板７を短軸
５に固定した後、宝石１１付き回動輪９をその
溝９′が周壁部２の傾斜面２′に対向するように保
持する。次いで、周壁部２の上方又は周壁部２に
必要に応じて設けた玉挿入溝（図示せず）から玉
１０を挿入し、回動輪９の溝９′及び周壁部２
の傾斜面２′との間に所定数の玉１０を充填する。
玉充填完了後、上面リング１４の下部に突設した
突起１５を周壁部２の上面に窄設した孔に接着剤
と共に挿入する。同時に、上面リング１４の傾斜
面１６′は、玉１０に当接する。

第３図、第４図は、この考案を宝飾時計に実施
した場合の例を示す。

１７は秒針１８、長針１８′、短針１８″を駆動
するムーブメント、１９はムーブメント１７を支
持するムーブメントホルダー、２０はムーブメン
ト１７上に載置した文字盤であり、場合により貴
石等で構成される基板、ガラス２１及び裏蓋２２
はケース２３の表面及び裏面にそれぞれ圧入固定
される。

前記した各部材は、腕時計、指輪時計等におい
て周知のものであるから、詳細な説明を省く。

２４は回動輪であり、回動輪２４の上面に飾り
石２５、例えば貴石、半貴石等を適宜状態に配設
する。また、その外周に溝２４′を周設する。
この実施例においては、飾り石が不釣合質量とな
り、回転輪の回動、揺動を引き起こすが、回動輪
２４の下面に部分的に溝を設ける等の手段によつ
て不釣合質量を形成してもよい。

２６，２７は２つ割の固定輪で、それぞれ内周
に対向して傾斜面２６′，２７′を設け、溝を形
成する。

回動輪２４の溝２４′及び２つ割の固定輪２
６，２７の傾斜面２６′，２７′により構成される
溝間には玉２８が充填され、転がり軸受を形成
する。

そして、回動輪２４の厚みは２つ割固定輪２
６，２７の合計厚みより小さく形成する。したが
つて、２つ割固定輪２６，２７を基板２０の上面
外周辺上に配設すると、回動輪２４の下部は基板
２０の上面と間隙を生じ、互いに摺接することな
く回動または揺動することができる。

なお、ケース２３のフランジ部に当接する固定
輪２６は、ケース２３のフランジ部と一体構造に
形成してもよく、また、固定輪を２つ割とせず、
回動輪２４を２つ割にする等、適宜の設計変更が
可能である。

（考案の効果）この考案は、上記のように、飾り石を有する回
動輪それ自体が、転がり軸受の内側レースを形成
する不釣合ローターであるので、指の動きと共に
軽快に回動、揺動する。これとともに、宝石等の
飾り石も指輪本体に対して回動、揺動し、動的な
美観を発揮する。

そして、上面リングあるいは上面フランジは縁
どりの機能を果たすと共に、飾り石の支持機構を
見えないように隠す機能を生じるので、宝石は基
板に対して浮き上がつた状態で回動するような視
覚を与える。

また、回動部材は直接その周囲の溝によつて
玉で支えられるので、構造が簡単になるだけでな
く、安定で、強い支持が得られ、長期に渡つての
軽快な回動を保証する。さらに、底部からの突出
量が小さく、指輪、時計等の全体がコンパクトに
なり、装着時に邪魔になることが無いという効果
を生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案を指輪に実姉した場合の実
施例を示す断面図、第２図はその上面図、第３図
は腕時計に実施した場合の上面図、第４図はその
断面図である。図中の符号は、１……指輪本体、２……周壁部、３……底部、
４……凹部、５……短軸、７……基板、９……回
動部材、１０，２８……玉、１１……宝石、１２
……石留めリング、１３……連結部、１４……上
面リング、１５……突起、１７……ムーブメン
ト、１８……針、１９……ムーブメントホルダ
ー、２０……文字盤、２１……ガラス、２２……
裏蓋、２３……ケース、２４……回動輪、２５…
…宝石、２６，２７……２つ割固定輪。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

装身具本体の凹部内外周内面にＶ溝を形成し、
一方上記凹部内に配置された回動部材の外周面に
同じくＶ溝を形成し、両Ｖ溝間に玉を充填して転
がり軸受を形成すると共に、上記回動部材に宝石
等の飾り石を配設したことを特徴とする装身具。