JPS641042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、合成樹脂、ゴム等を原料とする吹
成成形、圧縮成形、真空成形等に使用されるバリ
取りを容易にする割型成形装置に関する。

本考案者は、さきに、成形物のバリ取りを容易
にする割型成形方法として、成形物とバリとの境
に薄肉連結部を形成すると共に、バリ面に上記薄
肉連結部と交差する向きの薄肉の筋目を多数本施
す方法を提案した（特願昭 ）。

本案は、上記バリ取りを容易にする割型成形方
法の有効な実施を可能にする割型成形装置を提供
するもので、以下熱可塑性合成樹脂を原料とする
吹成成形に使用する割型成形装置に実施した図面
を参照して本案の詳細を説明する。

第１、２図において、台１上に起立固定された
定盤２，２′間にガイドロツド３…を水平に支架
し、これらガイドロツド３…に可動盤４，４′を
摺動自在に支持させると共に、上記定盤２，２′
にそれぞれ水平に支持された割型駆動用油圧シリ
ンダ５，５′ラム６，６′を上記可動盤４，４′の
背面にそれぞれ連結し、そして上記可動盤４，
４′の相対する面に一対の割型７，７′を固定して
ある。上記割型７，７′には、その割面８，８′が
わに所定の型巣９，９′を凹設すると共に、該割
面８，８′上に上記型巣９，９′の縁に沿つてピン
チオフ突条１０，１０′を突設し、又上記割面の
四隅に上記ピンチオフ突条１０，１０′と同高の
当り突起１１…，１１′…を突設してある。

上記のような構成における一方の可動盤４の左
右両端部及び下端部に、他方の可動盤４′がわへ
延長する支持板１２，１３，１４をボル１５，１
６，１７によりそれぞれ固定し、これら支持板に
筋つけピン駆動用油圧シリンダ１８，１９，２０
をそれぞれ支持させ、各シリンダのラム２１，２
２，２３の先端に基板２４，２５，２６をそれぞ
れ取付け、これら基板２４，２５，２６に右側筋
つけピン２７…、左側筋つけピン２８…、下側筋
つけピン２９…をそれぞれ割型７の割面８と平行
に突設してある。３０，３１，３２は上記基板２
４，２５，２６の各背面に突設したガイドピン
で、それぞれ支持１２，１３，１４のガイド孔に
摺動自在に挿通支持されている。

上記各筋つけピンは一例として横断面矩形の棒
材で、そのうち右側筋つけピン２７…はその油圧
シリンダ１８の駆動により進出した時、第３、４
図示のように各ピン先端を割型７の上記ピンチオ
フ突条１０に当接すると共に該ピンチオフ突条１
０と交差する状態で割面８の右がわ面に添接する
位置関係にあり、左側筋つけピン２８…は割面８
の左側面い対し上記と同様の関係にあり、又下側
筋つけピン２９…は割面８の下側面に対し上記と
同様の関係にあり、さらに上記各筋つけピン２７
…，２８…，２９…は、上記のように割型７の割
面８に接した状態で両割型７，７′により合着挾
持された時両割型７，７′の割面８，８′間隔と等
しいかもしくはそれよりわずか小さい厚さにして
ある。

本装置の作用を次に説明する。まず、一対の割
型７，７′を開いた状態で筋つけピン駆動用油圧
シリンダ１８，１９，２０の進出駆動により筋つ
けピン２７…，２８…，２９…を第３図示のよう
に割型７の割面８上に進出させる。次に押出ダイ
Ｍから押出した溶融状態のパリソンＰを一対の割
型７，７′間に垂下させ、ついで割型駆動用油圧
シリンダ５，５′の進出駆動により一対の割型７，
７′を移動させ、その際各筋つけピン２７…，２
８…，２９…も割型７と共に移動することにな
り、そしてパリソンＰをはさんで合着させる。上
記合着時に合着したピンチオフ突条１０，１０′
から外側にはみ出したバリは、両割型の割面８，
８′により扁平に押しつぶすと共に、一方の割面
８上にある各筋つけピン２７…，２８…，２９…
により該扁平バリの片面に薄肉の筋目をつける。

通常の方法で吹成成形後、合着割型７，７′を
左右に開くと共に、筋つけピン駆動用シリンダ１
８，１９，２０の後退駆動により各筋つけピン２
７…，２８…，２９を割面８から離脱後退させて
成形物を取出す。上記各筋つけピンの割面８から
の離脱後退の際各筋つけピンに付着しているバリ
Ｂを軽く引張ることになり、それにより成形物を
割型から離型し易い状態にする。得られた成形物
Ｇは、第６図示のようにピンチオフ突条１０，１
０′の合着によつて形成された薄肉の溝状連結部
ａを介してバリＢを連結し、該バリＢはその片面
に上記連結部ａと交差する方向の多数本の薄肉筋
目ｂ…を小間隔をあけて形成してある。

上記のような成形物のバリ除去においては、バ
リＢを筋目b1本づつ順次折曲して連結部ａの一
部づつを順次切離していき、それによりバリ全体
を容易に切離できる。

本案における筋つけピンは、第４図示のものの
ほか、第５図示のように筋つけピンの他方の割型
７′がわ側辺に一例として鋸歯状の爪３３ａ…を
形成したものを使用することもできる。本例の筋
つけピンを使用すると、吹成成形後割型７，７′
を開いて各筋つけピンを後退させた時各筋つけピ
ンがその爪３３ａ…でバリＢに係止してこれを外
方へ引張り、それによりバリＢを連結部ａから切
離し、又は切離し易い状態にすることができる。

この考案のバリを容易にする割型成形装置によ
れば、バリの面に多数本の筋目を施して成形物の
バリ取りを容易にする割型成形方法を有効に実施
することができるものであり、しかも本考案は従
来の概成割型にも何ら加工を加えることなく実施
することができ、又使用においては、成形後多数
本の筋つけピンを割型割面から後退させることに
より成形物を割型から離型し易い状態にすること
もでき、使用上はなはだ有効である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は一部
省略平面図、第２図は第１図の−断面図、第
３図は筋つけピン進出状態の同上断面図、第４図
は第３図の−一部省略拡大断面図、第５図は
筋つけピンの他の例の拡大図、第６図は成形物の
正面図である。 ７，７′……割型、８，８′……割面、９，９′
……型巣、１０，１０′……ピンチオフ突条、２
７，２８，２９……筋つけピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 割面に型巣の縁に沿つてピンチオフ突条を突設
   してなる一対の割型を互に合着分離すべく移動自
   在に支持し、 上記割型の割面がわへ進退自在の多数本の筋つ
   けピンを装備し、これら各筋つけピンは、進出時
   にそのピン先端を上記ピンチオフ突条に当接する
   と共に該ピンチオフ突条と交差する状態で上記割
   面に互に間隔をあけて添接される位置関係にあ
   る、 バリ取りを容易にする割型成形装置。