JPS639522Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はおむつカバーに関し、一層詳細には完
全な防水性を有するうえに通気性に富み、かつ吸
水材の保持が確実にできるおむつカバーに関す
る。

（従来の技術及びその問題点） 従来、おむつカバーの改良としての股間接触部
分の吸水材の保持を確実にするためにリング状の
堰提部を設けたものがあるが、この種のものは幼
児が運動したときに堰提の一部が反転し、尿が漏
出したり、吸水材がおむつカバーの外にはみ出る
など防止効果が十分あるといえない。また股間接
触部分以外の部分の通気性を良くする手段とし
て、おむつカバー表面に通気孔群を設けることが
行われているが、通気性を良くしようとして孔径
を大きくすると防水性が悪く、又孔径を小さくす
ると反対に防水性は良くなるが通気性が悪くなる
等の難点がある。

（考案の目的） そこで本考案は以上の点に鑑み、上記難点を除
くべく、おむつカバーの股間接触部分の内側面に
発泡体シートでできた窪みを形成し、股間接触部
分に当てた吸水材がずれることなく定位置に保持
できるようにして尿漏を防止し、又股間接触部分
以外の部分に通気孔群を穿設すると共に、その内
側面を合繊細網で被うようにして尿水が合繊網に
接触したところで界面張力により通気孔に浸透せ
ず尿水の漏出が阻止出来るようにし、通気孔を大
きく開孔することにより通気性を良くし、更にお
むつカバーの後装部上端縁と、股間両側端縁とに
通気孔を有するおむつの脱出防止帯を縫着しおむ
つがおむつカバー本体から確実にはずれないよう
にした構造が簡単で、嵩ばらずかつ加工が容易で
低廉なおむつカバーを提供することを目的とす
る。

（考案の構成） 本考案の目的は次に示すおむつカバーによつて
達成される。

つまり、本考案に係るおむつカバーは、前装部
と股間接触部と後装部からなるおむつカバー本体
を備え、後装部の両側に設けた耳部と前装部の両
側を係止具により相係止して幼児等に装着するよ
うにしたおむつカバーにおいて、前記おむつカバ
ー本体１８全体を防水性を有する発泡体シートで
形成し、前記前装部１６及び後装部１２に表裏に
貫通する多数の通気孔２４を形成し、且つ前記股
間接触部１４の内面に、該内面から外方に窪む、
吸水材を収納できる窪み３０を形成するととも
に、おむつカバー本体１８の内面全体を合繊細網
で被覆し、さらに少なくとも股間接触部１４の両
側に表裏に貫通する空気孔３４を形成した小幅の
おむつ脱出防止帯を設けたことを特徴とする。

（実施例） 以下本考案の実施例につき図面に従い説明す
る。

発泡ウレタン等を素材とする柔軟な発泡体シー
ト１０を型抜きして、後装部１２、股間接触部１
４、および前装部１６から成るおむつカバー本体
１８を形成する。

後装部１２の上縁両端部には耳部２０，２０′
を設け、おむつカバーを装着する場合に耳部２０
と耳部２０′及び耳部２０，２０′と前装部１６と
をホツク等の係止具２２で係合できるようにす
る。

発泡体シートは防水性（水を吸収しない性質）
を有し、この発泡体シートでできたおむつカバー
本体１８の前装部１６と後装部１２に１乃至６mm
程度の多数の通気孔２４を穿設する。

おむつカバー本体１８の股間接触部１４の中央
を縦方向に長円状にくりぬき、上記おむつカバー
本体１８の発泡体シート１０の外側面から別の発
泡体シート２６をその股間接触部１４の透孔２８
に当てて塞ぎ、該発泡体シート２６周辺を、上記
おむつカバー本体１８の発泡体シート１０に縫着
して股間接触部１４内側に窪み３０を形成する。
この窪み３０は発泡体シート１０の防水性のため
外部への尿水漏れは生じない。

窪み３０内には紙、厚綿等の吸水材（図示せ
ず）を装填しておく。

窪み３０部表面を含むおむつカバー本体１８の
発泡体シート１０の肌が直接接触する内側面全体
を、例えばナイロンのような極細の繊維から成る
合繊細網３２で被覆する。

更におむつカバー本体１８を形成する発泡体シ
ート１０の後装部１２上端縁と、股間接触部１４
両側端縁に小幅に形成したおむつの脱出防止帯３
６を縫着する。この防止帯３６は表裏に貫通する
通気孔３４を多数形成してなり、この通気孔３４
は前記通気孔２４と同一条件で形成できる。な
お、この脱出防止帯３６はおしめのはみ出しを防
止するもので、少なくとも股間接触部１４に設け
ることが望ましい。なお、おむつの脱出防止帯３
６を弾性体で作り、おむつがおむつカバー本体１
８から確実にはずれないようにしても良く、又該
脱出防止帯３６をおむつカバー本体１８と同一材
料とし、おむつカバー本体１８の型抜き時に脱出
防止帯３６をも一体に形成するようにしても良
い。

このように構成されていて、おしめを間にはさ
んで幼児等の股間に装着し、耳２０（右側）に設
けた係合具２２と後装部１２の右側に設けた係合
具２２を合わせて係着し、他方耳２０′（左側）
に設けた係合具２２と後装部１２の左側に設けた
係合具２２を合わせて係着する。なお、このよう
な係合具としては前述したフツクをはじめぼた
ん、面フアスナー等の着脱自在な公知の係合具を
利用できる。

なお、合繊細網３２は、おむつカバー本体１８
内側面だけでなく外側面を含む全体を覆うように
し、通気孔２４より若干浸出する尿水を外部へと
漏出するのを該合繊細網３２で防止できるように
しても良い。

（考案の効果） 以上本考案に係るおむつカバーによれば、合繊
細網３２が肌に柔らかい感触を与えることはもち
ろんのこと、股間接触部１４に設けた窪み３０内
における空間に尿水を確実に保持できるととも
に、窪み３０の内壁で吸水材の保持を確実にし、
さらにおむつの脱水防止帯３６により、おむつカ
バー本体１８の外部に露出することはなく、二重
の尿水漏れ防止を図れる。

この様に股間接触部１４の防水性を完全にする
ことができると共に、吸水材の保持が確実にで
き、股間接触部１４以外の部分においては、防水
性を確保しながら十分な通気性を得ることが出来
るほか感触が柔かく、異和感を感じさせず、構造
的にも簡潔で嵩ばらず、加工が容易で低廉である
等の著効を奏する。

以上本考案につき好適な実施例を挙げて種々説
明したが、本考案はこの実施例に限定されるもの
ではなく、考案の精神を逸脱しない範囲内で多く
の改変を施し得るのはもちろんのことである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るおむつカバーの実施例を示
し、第１図は当該おむつカバーの正面図であり、
第２図、第３図はそれぞれＡ−Ａ及びＢ−Ｂ部の
端面図である。第４図は当該おむつカバーの着装
時の形状を示す斜視説明図である。 １０，２６……発泡体シート、１２……後装
部、１４……股間接触部、１６……前装部、１８
……おしめカバー本体、２０，２０′……耳部、
２２……係止具、２４……通気孔、２８……透
孔、３０……窪み、３２……合繊細網、３４……
通気孔、３６……脱出防止帯。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 前装部と股間接触部と後装部からなるおむつ
   カバー本体を備え、後装部の両側に設けた耳部
   と前装部の両側を係止具によた相係止して幼児
   等に装着するようにしたおむつカバーにおい
   て、 前記オムツカバー本体１８全体を防水性を有
   する発泡体シートで形成し、前記前装部１６及
   び後装部１２に表裏に貫通する多数の通気孔２
   ４を形成し、且つ前記股間接触部１４の内面
   に、該内面から外方に窪む、吸水材を収納でき
   る窪み３０を形成するとともに、おむつカバー
   本体１８の内面全体を合繊細網で被覆し、さら
   に少なくとも股間接触部１４の両側に表裏に貫
   通する空気孔３４を形成した小幅のおむつ脱出
   防止帯を設けたことを特徴とするおむつカバ
   ー。 ２ 前記窪み３０は、前記股間接触部１４に透孔
   ２８を形成し、外側に別体の発泡体シートで覆
   つて形成したことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のおむつカバー。