JPS639442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車高調整装置用の乾燥装置に関し、更
に詳しくはケースに乾燥剤を充填し、空気供給手
段と車高調整装置との間に配置される乾燥装置に
関する。

空気圧によつて車高の調整をする車高調整装置
の場合、圧縮機のような空気供給手段から供給さ
れる圧縮空気中の水分を除くために、一般に乾燥
装置が併設される。そして、この乾燥装置とし
て、シリカゲルのような乾燥剤を用いたものがし
ばしば採用される。

シリカゲルは空気中の水分を吸着する能力が高
く、しかも、加熱により又は減圧により水分を取
り除いて再生できるため、再生の条件が整う限
り、半永久的に乾燥剤として使用できる。

ところが、自動車に設置される車高調整装置用
の乾燥装置の場合、加熱再生法を用いるために
は、車高調整装置からの排気時のみ、乾燥装置あ
るいは排気を120℃以上にしなければならず、実
際上非常に困難である。また、圧力再生法を用い
るためには、排気時に乾燥装置内の圧力を十分下
げなければならず、例えば、排気が乾燥装置に入
る部分に絞りを設けるなどの対策をとることによ
り、乾燥装置内の圧力を下げ得るが、反面、排気
時間が長くなるので、車高調整装置の機能に支障
を及ぼすおそれがあり、十分な圧力再生はできな
い。

以上のように、車高調整装置用の乾燥装置の場
合、シリカゲルを十分な条件で再生することが困
難であり、吸着される水分の方が再生によつて取
り除かれる水分よりも多く、ついにはシリカゲル
の飽和吸水量に達し、乾燥装置としての機能を果
さなくなる。

本考案は乾燥剤が飽和吸水量に達したことを検
出して、運転者その他の者に警報することのでき
る構成を備えた車高調整装置用の乾燥装置を提供
することを目的とする。

本考案はケースに乾燥剤を充填し、空気供給手
段と車高調整装置との間に配置される乾燥装置で
あつて、前記ケースに絶縁状態で取り付けられ、
間隔をおいて前記乾燥剤に挿入される一対の電極
と、該電極に接続される電気回路と、該電気回路
にそれぞれ組み込まれた電源及び警報手段とを含
む。

以下に、図面を参照して本考案の実施例につい
て説明する。

本考案の乾燥装置１０は圧縮機のような空気供
給手段１２と車高調整装置１４との間に配置さ
れ、車高調整装置１４へ供給される圧縮空気の除
湿を行う。

乾燥装置１０はケース１６にシリカゲル１８を
充填してなる。ケース１６は一端が開口したケー
ス本体２０とこのケース本体２０の開口端側に位
置し、この開口を覆うフタ２２とを備える。ケー
ス本体２０の閉塞端１７に、車高調整装置１４に
連なつている配管２４が接続され、他方、フタ２
２に、空気供給手段１２に連なり、排気弁２６が
配置された配管２８が接続される。

ケース本体２０内にばね３０を挿入して閉塞端
１７に当てがい、多孔板３２及びフイルタ３４を
ばね３０に当てがい、シリカゲル１８を充填す
る。更に、フタ２２側のシリカゲルにフイルタ３
４及び多孔板３２を当てがい、フタ２２によりケ
ース本体２０を密閉し、乾燥装置１０が形成され
る。

この乾燥装置１０は更に、一対の電極３６と、
電気回路３８と、電源４０と、警報手段４２とを
含む。

一対の電極３６は絶縁材４４によつて、ケース
本体２０に絶縁した状態でしかも気密状態で取り
付けられ、間隔をおいてシリカゲル１８に挿入さ
れる。電極間の間隔は数mmでよく、この電極間に
位置するシリカゲルが吸着する水分量の不飽和な
状態及び飽和状態における電気抵抗の変化に着目
して、本考案は飽和状態を検出するものである。
例えば、電極３６の間隔が約２mmのとき、飽和状
態では電気抵抗は約16〜20KΩであるのに対し、
飽和状態に達する前のそれは1MΩ以上である。
図示の例では、一対の電極３６はフタ２２に近接
して取り付けられている。シリカゲル１８が最初
に飽和状態となるのは、空気が乾燥装置１０へ流
入する箇所に位置するシリカゲルであるので、図
示の取付け位置とすることが好ましい。

回路３８は一対の電極３６に接続され、電源４
０と警報手段４２とが組み込まれる。図示の例で
は、電源４０はバツテリ４６とトランス４８とか
らなり、警報手段４２は発光ダイオードからな
り、トランス４８によつて高められた電圧が発光
ダイオードに働く、発光ダイオードが発光するた
めに要する電流は５〜10mA程度であるから、飽
和状態のときにこの発光ダイオードを発光させる
には、 20×10³×５×10^-3＝100（Ｖ） 程度の電圧をかけておけばよい。警報手段４２は
例えば自動車の運転室の計器パネルに取り付けら
れる。

車高調整装置１４によつて車高を高くするに
は、空気供給手段１２から圧縮空気を車高調整装
置１４へ供給する。その途中で乾燥装置１０へ流
入した圧縮空気はその水分がシリカゲル１８に吸
着される結果、乾燥状態で配管２４へ流出し、車
高調整装置１４へ導かれる。

次に、車高を低くするには、排気弁２６のポー
トを切り換え、車高調整装置１４内の圧縮空気を
大気へ排出する。車高調整装置１４から乾燥装置
１０へ流入した空気によつて、シリカゲルが吸着
した水分のうちの幾分かは持ち去られる。しか
し、前記のように吸着される水分の方が持ち去ら
れる水分よりも多いため、シリカゲル１８に含有
される水分は次第に多くなり、ついに飽和状態と
なると、発光ダイオード４２が点灯して運転者そ
の他の者に警報する。

本考案によれば、乾燥装置内の乾燥剤が含有す
る水分量が飽和状態になると、警報を発するの
で、その時点で乾燥剤の取替えを行えばよく、最
も経済的に乾燥剤の取替えができる。しかも、乾
燥剤の取替えを行うことにより、車高調整装置と
か配管中に水分によるサビ、腐触などの発生を防
止できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の乾燥装置の断面図である。 １０：乾燥装置、１２：空気源、１４：車高調
整装置、１６：ケース、１８：シリカゲル、３
６：電極、３８：電気回路、４０：電源、４２：
警報手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースに乾燥剤を充填し、空気供給手段と車高
   調整装置との間に配置される乾燥装置であつて、
   絶縁状態で前記ケースに取り付けられ、間隔をお
   いて前記乾燥剤に挿入される一対の電極と、該電
   極に接続される電気回路と、該電気回路にそれぞ
   れ組み込まれた電源及び警報手段とを含む、車高
   調整装置用の乾燥装置。