JPS638567Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案はドライバ部材によつてステープルを被
結束物となる例えば袋状物の首部に巻き付け、該
袋状物の開口を密封するようにした密封結束機に
関し、特に上記ドライバ部材によつて押し出され
るステープルを結束位置に導くステープルガイド
部材の駆動制御機構に関する。

＜従来の技術＞ 従来、密封結束機のステープルガイド部材はド
ライバ部材の往動操作に伴ない一本のステープル
が該ステープルガイド部材内に押し込まれた後上
記ドライバ部材とともに結束位置に向い往動さ
れ、ステープルの脚部先端が結束位置に設けられ
ているクリンチヤ部材に当接した時クラツチ機構
の接続動作によつてその往動が停止されるように
なつている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ このように、上記ステープルガイド部材の駆動
制御機構にクラツチ機構を使用した場合、該クラ
ツチ機構を構成する各部材を上記ステープルガイ
ド部材及び上記ドライバ部材の動作に関連づけて
組み付ける必要があり、構造が複雑化してしまう
ものであつた。また、上記クラツチ機構の各部材
の寸法管理が荒くなつているとこれら各部材の組
付け精度も落ち、ステープルガイド部材か結束位
置に到達する前に上記クラツチ機構が接続動作し
ステープルガイド部材を停止させてしまうことも
起こり得り、結束が不安定なものとなり易いもの
であつた。

したがつて、上記クラツチ機構の各部材の寸法
管理が厳格なものが要求されているのが実情であ
る。

そこで、本考案はこのような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、構造が簡単であるとと
もにステープルガイド部材の駆動制御の安定化を
図ることを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記目的を達成するために、本考案はステープ
ルを結束位置に導くステープルガイド部材５と、
このステープルガイド部材５に沿つて摺動自在に
設けられたドライバ部材４と、上記ステープルガ
イド部材５に固定された第１のリンク１８と、上
記ドライバ部材４に固定された上記第１のリンク
１８に形成されたカム溝２０に係合するピン２１
を有する第２のリンク１９とを有し、上記カム溝
２０には第１及び第２のピン移動ガイド面２２，
２３とこれら各ガイド面２２，２３間に形成され
たピン保持面２５を有し、上記ステープルガイド
部材５は上記ピンが第１のピン移動ガイド面２２
に沿つて移動する間ステープル供給位置に保持さ
れるとともに上記ピン２１が上記ピン保持面２５
に到達した後上記ドライバ部材４と一体となつて
結束位置に向い移動され、上記ステープルガイド
部材５は結束位置到達後上記ピン２１が上記第２
のピン移動ガイド面２３に沿つて移動する間結束
位置に保持されるようにしたことを特徴とするも
のである。

＜作用＞ 本考案によれば、先ず、ドライバ部材４が摺動
すると、上記ドライバ部材４に固定されたピン２
１は、カム溝２０の第１のピン移動ガイド面２２
に沿つて移動する。この時、ステープルガイド部
材５はまだ停止状態に置かれ、さらに、上記ドラ
イバ部材４が摺動すると上記ピン２１が第１のピ
ン保持面２５に当接し一本のステープルがステー
プルガイド部材５に押し込まれる。そして、上記
ピン２１が第１のピン保持面２５に当接すると、
上記ステープルガイド部材５は一本のステープル
を保持した状態で上記ドライバ部材４と一体とな
つて結束位置に向い始める。

＜実施例＞ 以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら
具体的に説明する。

第１図は本考案に係る密封結束機の外観斜視図
である。この密封結束機は、基台１と、この基台
１上に立設された支柱２と、この支柱２の上端に
一体形成されたハウジング３とを有している。

上記ハウジング３内には、第２図に示すように
長尺状の板体からなるドライバ部材４が上記基台
１に対して平行に往復動自在となるように配設さ
れている。また、上記ハウジング３内には上記ド
ライバ部材４の移動をガイドするとともに一本の
コ字状のステープルｓを結束位置に導くためのス
テープルガイド部材５が往復動自在に配設されて
いる。上記ハウジング３の上部にはステープル収
納用のマガジン６が立設されており、このマガジ
ン６内に収納されている連結ステープルＳの最先
端のステープルｓは、第２図に示すようにステー
プル供給口７を介して予め上記ドライバ部材４の
先端４ａ外方位置に装填された状態となつてい
る。

上記ハウジング３の一側には上記ドライバ部材
４を往動操作するハンドル８が突設されている。
このハンドル８を第１図中矢印Ａ方向に回動する
と、上記ドライバ部材４は上記ステープルガイド
部材５に沿つて第２図中左方向に往動し、上記ス
テープルｓを上記ステープルガイド部材五の第１
のステープル保持片９と上記ドライバ部材４の一
側をガイドするガイド板１０に設けられている第
２のステープル保持片１１との間に押し込む。

そして、上記ハンドル８の回動操作を継続して
行くと、上記ドライバ部材４は上記ステープルガ
イド部材５と一体となつて結束位置に向い往動す
るようになつている。

結束位置となる上記ガイド板１０の先端側（第
２図中左端側）には、上記ドライバ部材４の先端
４ａと対向するようにクリンチヤブロツク１２が
設けられている。上記クリンチヤブロツク１２の
隣接部位には上記ステープルガイド部材５の先端
面５Ａを受け止める支持部材１３が設けられてい
る。上記ステープル部材５の先端面５Ａが上記支
持部材１３に当接し、その往動が停止されると、
上記ドライバ部材４のみが上記ステープルガイド
部材５及び上記ガイド板１０に沿つて往動し、上
記ステープルｓをクリンチヤブロツク１２の曲げ
溝１２Ａに押し付けていく。この時、上記ドライ
バ部材４の先端４ａとクリンチヤブロツク１２と
の間に挿入支持されている被結束物となる図示し
ない袋状物の首部の外周には上記ステープルｓが
巻き付けられ、その袋状物の開口を密封するよう
になつている。

また、上記ハウジング３の一側には上記袋状物
の首部を結束位置に集束するためのＬ時状の集束
板１４が突設されている。上記集束板１４は前記
基台１に対して平行に回動するようにその基端が
上記ハウジング３内で軸支されている。上記集束
板１４は上記ステープルガイド部材５の往動に連
動して、第２図中矢印Ｂ方向に回動し上記ステー
プルガイド部材５の先端面５Ａが上記支持部材１
３に当接する前に該集束板１４の先端面１４Ａと
上記ガイド板１０の一側面１０Ａとの間で袋状物
の首部を集束するようになつている。

そして、結束後、上記ハンドル８の回動操作を
解放すると上記ドライバ部材４及び上記ステープ
ルガイド部材５は上記ハンドル８を作動前の位置
に復帰させる図示しないバネの弾発力によつて自
動的に作動前の位置に復帰するとともに、上記集
束板１４も上記ステープルガイド部材５の復動に
連動して作動前の位置に復帰するようになつてい
る。

上記ステープルガイド部材５は次のようにして
駆動制御されるようになつている。

第３図に示すように、上記ドライバ部材４の基
端には角柱状の移動ブロツク１５がネジ止めされ
ている。上記移動ブロツク１５には前記基台１に
対して平行に突出す軸体１６が組付けられてい
る。この軸体１６はリンク機構１７を介して前記
ハンドル８の回動支軸８Ａに連結されている。上
記軸体１６にはＬ字状の第１のリンク１８が回動
自在に組付けられている。また、上記ステープル
ガイド部材５には第２のリンク１９がネジ止めさ
れている。この第２のリンク１９には略三角形状
のカム溝２０が開設されており、このカム溝２０
内には上記第１のリンク１８の先端に突設したピ
ン２１嵌挿されている。上記カム溝２０は上記ピ
ン２１を基台１に対して平行に移動ガイドする第
１のピン移動ガイド面２２と、上記ピン２１を上
記基台１に対して傾斜下降ガイドする第２のピン
移動ガイド面２３と、上記ピン２１を上記基台１
に対して傾斜上昇ガイドする第３のピン移動ガイ
ド面２４を有し、上記各ピン移動ガイド面２１，
２３，２４の連結部位には、第１、第２及び第３
のピン保持面２５，２６，２７が湾曲形成されて
いる。

すなわち、前記ハンドル８の回動操作に伴ない
上記移動ブロツク１５、すなわち上記ドライバ部
材４がリンク機構１７を介して第３図中左方向に
往動すると、上記ピン２１は上記カム溝２０の第
３のピン保持面２７から第１のピン移動ガイド面
２２に沿つて移動する。この時、上記ステープル
ガイド部材５はまだ停止状態に置かれている。そ
して、上記ドライバ部材４の往動により、上記ピ
ン２１が第４図Ａに示すように第１のピン保持面
２５に当接すると、第４図Ｂに示すように一本の
ステープルｓが上記ステープルガイド部材５に押
し込まれる。

上記ピン２１が第１のピン保持面２５に当接す
ると、上記ステープルガイド部材５は一本のステ
ープルｓを保持した状態で上記ドライバ部材４と
一体となつて結束位置に向い往動し始める。

そして、上記ステープルガイド部材５の先端面
５Ａが前記支持部材１３に当接すると上記第１の
リンク１８は第５図Ａに示すように同図中反時計
回り方向に回動し始め上記ピン２１は上記第１の
ピン保持面２５から上記第２のピン移動ガイド面
２３に沿つて移動し、上記ドライバ部材４のみが
さらに往動し、上記ステープルガイド部材５に押
し込まれているステープルｓを前記クリンチヤブ
ロツク１２の曲げ溝１２Ａに押し付けていく。

そして、上記ピン２１が第２のピン保持面２６
の位置に到達すると、上記ステープルｓは第５図
Ｂに示すように上記曲げ溝１２Ａ内で押しつぶさ
れた状態になり、袋状物の首部は上記ステープル
ｓによつて完全に密封された状態となる。

結束後、上記ハンドル８の回動操作を解放する
ことによつて上記ドライバ部材４が復動すると、
上記ピン２１は上記第２のピン保持面２６から外
れ上記第３のピン移動ガイド面２４に沿つて移動
する。

上記ピン２１が上記第３のピン移動ガイド面２
４に沿い移動することにより、上記ステープルガ
イド部材５は上記ピン２１によつて第５図Ａ中右
方向に引込まれながら上記ドライバ部材４ととも
に復動される。

そして、上記ピン２１が第３のピン保持面２７
に再び到達すると上記ドライバ部材４及び上記ス
テープル部材５は作動前の位置に復帰される。

＜考案の効果＞ このように、本考案によれば従来のようにクラ
ツチ装置を用いることなく、ドライバ部材の移動
に伴ない該ドライバ部材に設けた第１のリンクの
ピンがステープルガイド部材に設けた第２のリン
クのカム溝に沿つて係合移動によつて上記ステー
プルガイド部材の駆動を制御することができ構造
が簡単なものとなる。

また、上記ステープルガイド部材は第１及び第
２のリンクのみによつて駆動制御されることから
してその制御は安定したものとなり、常時確実な
結束状態を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る密封結束機の
外観斜視図、第２図は要部横断拡大平面図、第３
図は要部縦断側面図、第４図及び第５図はステー
プルガイド部材の駆動制御機構の動作を説明する
図であり、第４図Ａはステープルガイド部材に一
本のステープルが押し込まれた時を示す要部拡大
側面図、第４図Ｂはその時のステープルの移動状
態を示す要部拡大平面図、第５図Ａは結束終了時
を示す要部拡大側面図、第５図Ｂはその時のステ
ープルの状態を示す要部拡大平面図である。 ４……ドライバ部材、５……ステープルガイド
部材、１８……第１のリンク、１９……第２のリ
ンク、２０……カム溝、２１……ピン、２２……
第１のピン移動ガイド、２３……第２のピン移動
ガイド、２５……ピン保持面、ｓ……ステープ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステープルを結束位置に導くステープルガイド
   部材と、このステープルガイド部材に沿つて摺動
   自在に設けられたドライバ部材と、上記ステープ
   ルガイド部材に固定された第１のリンクと、上記
   ドライバ部材に固定され上記第１のリンクに形成
   されたカム溝に係合するピンを有する第２のリン
   クとを有し、上記カム溝には第１及び第２のピン
   移動ガイド面とこれら各ガイド面間に形成された
   ピン保持面を有し、上記ステープルガイド部材は
   上記ピンが第１のピン移動ガイド面に沿つて移動
   する間ステープル供給位置に保持されるとともに
   上記ピンが上記ピン保持面に到達した後上記ドラ
   イバ部材と一体となつて結束位置に向い移動さ
   れ、上記ステープルガイド部材は結束位置到達後
   上記ピンが上記第２のピン移動ガイド面に沿つて
   移動する間結束位置に保持されるようにしたこと
   を特徴とする密封結束機におけるステープルガイ
   ド部材の駆動制御機構。